JPH08185642A - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents

光記録媒体および光記録方法

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JPH08185642A
JPH08185642A JP6339190A JP33919094A JPH08185642A JP H08185642 A JPH08185642 A JP H08185642A JP 6339190 A JP6339190 A JP 6339190A JP 33919094 A JP33919094 A JP 33919094A JP H08185642 A JPH08185642 A JP H08185642A
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恒男 桑原
Susumu Haratani
進 原谷
Akira Inaba
亮 稲葉
Junji Tominaga
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生光の短波長化や再生装置の光学系の開口
数の増大以外の方法で光記録媒体への高密度情報の記録
およびその再生を可能とし、しかも、繰り返し再生に対
する特性の劣化を防ぐ。 【構成】 基体2表面上に、マスク層32、記録層4お
よび反射層6をこの順で有する光記録媒体に、基体2を
通して記録光ビームを照射することにより、マスク層3
2に再生用窓30を形成すると共に記録層4に記録マー
ク40を形成する。再生用窓30は、マスク層32の不
可逆変化によって多重反射条件が変化することにより形
成される。マスク層の不可逆的変化としては、厚さの減
少などである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録密度の高い光記録
媒体と光記録方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体には、光磁気記録ディスクや
相変化型光記録ディスク等の書き換え可能型光記録ディ
スク、有機色素を記録材料に用いた追記型光記録ディス
クなどがある。
【0003】光記録媒体は磁気記録媒体に比べ一般に記
録密度を高くすることができるが、近年、画像等の膨大
な情報の処理のためにさらに記録密度を高くすることが
必要とされている。単位面積あたりの記録密度を高くす
るためには、トラックピッチを狭める方法と記録マーク
間を縮めて線密度を高くする方法とがある。しかし、再
生光のビームスポットに対しトラック密度や線密度が高
すぎる場合、C/Nが低くなってしまい、ついには信号
再生が不可能となってしまう。信号再生時の分解能はビ
ームスポット径によって決定され、具体的には、再生光
の波長をλ、再生装置の光学系の開口数をNAとしたと
き、一般にカットオフ空間周波数2NA/λが再生限界
となる。したがって、再生時のC/N向上や分解能向上
のために再生光の短波長化やNA増大が有効であり、多
くの技術的検討がなされているが、これらを導入するた
めには様々な技術的課題を解決する必要がある。
【0004】このような事情から、特開平2−9692
6号公報では、超解像を実現する非線形光学材料の層を
有する記録担体を提案している。この非線形光学材料と
は、その光学的特性が入射する放射によって変化する材
料であり、その変化としては、透過率、反射率、屈折率
の変化、またはその層の形状の変化が挙げられている。
このような非線形光学材料層を通して情報面に再生光ビ
ームを照射することにより、より小さな対象物の部分を
読み出すことが可能になる。
【0005】同公報には、非線形光学材料層としてブリ
ーチング層が開示されている。ブリーチング層は、入射
する放射の強度の増大と共に透過が増大するものであ
り、ブリーチング層に用いる材料としては、ガリウム砒
素、インジウム砒素およびインジウムアンチモンが具体
的に挙げられている。しかし、これらからなる非線形光
学材料層は、吸収中心すべてを励起する必要があるた
め、高エネルギー密度の再生光が必要であり、材料設計
および媒体設計が容易でない。
【0006】また、同公報には、非線形光学材料層に相
変化材料を用いることができる旨が開示されており、相
変化材料の具体例としてGaSbおよびInSbが挙げ
られている。同公報には、「この種の材料の複素屈折率
は、非晶質から結晶質又はその逆の変換を発生させるレ
ベル以下の強度の照射の場合であっても、これらの材料
の層を本発明の非線形層に用いることが出来るのに充分
な程度の大きさに温度に依存して変化することが見い出
された」という記述がある。同公報には、このような複
素屈折率の変化が生じる理由は明記されていないが、こ
の複素屈折率変化は非線形光学材料層の結晶−結晶間転
移を含むものであると推定される。この場合には非線形
光学材料を溶融する必要がないので低パワーの再生光を
使用することができる。しかし、GaSbは30℃付近
の低温または590℃付近の高温に結晶−結晶間転移温
度が存在し、InSbは150℃付近の低温または50
0℃付近の高温に結晶−結晶間転移温度が存在する。こ
れらの相変化材料において高温側の転移温度を利用する
場合には高パワーの再生光を使う必要があり、前述した
ような問題が生じる。一方、低温側の転移温度を利用す
る場合には、再生光は低パワーで済むが、GaSbでは
転移温度が著しく低いため安定した再生が実質的に不可
能である。InSbも転移温度が低いため、非線形光学
材料層の冷却速度が遅くなって熱がマスク層付近にこも
り、このため見掛け上のビームスポット径が大きくなっ
て、超解像再生には不利になる。
【0007】特開平5−89511号公報、特開平5−
109117号公報、特開平5−109119号公報に
は、光学的に読み出し可能な位相ピットが形成された透
明基板上に、温度によって反射率が変化する材料層を形
成した光ディスクが開示されている。前記材料層は、特
開平2−96926号公報における非線形材料層とほぼ
同様な作用により、再生光波長λと対物レンズの開口数
NAによる制限以上の高解像度を得るためのものであ
る。しかし、前記材料層は、再生時に結晶から液体また
は非晶質から液体となる変化が必要なので、高パワーの
再生光が必要となってしまう。
【0008】特開平6−111369号公報には、エネ
ルギービームの照射によって情報の追加記録や書き換え
ができる書き込み可能型光ディスクにおいて、記録膜に
加えて、無機物の層に挟まれたマスク層を少なくとも一
層設けた記録用部材が記載されている。このマスク層と
して、色素を含んだ層または融点300℃以下の無機物
層が例示されており、同公報の実施例1では、ナフタロ
シアニン色素が含まれた厚さ300nmの有機物層を、ま
た、実施例2では、厚さ25nmのTe20Se80相変化マ
スク層を、それぞれZnS−SiO2 中間層とNi−C
r反射層との間に設けている。同公報における有機物層
は、再生光ビーム照射による色素の吸収飽和を利用して
再生光ビームスポット径を絞るものであり、また、無機
物層は、溶融することにより再生光ビームスポット径を
絞るものである。
【0009】特開平6−111330号公報には、非線
形光学効果層により光スポットを絞って高密度光記録再
生を行なう方法が記載されている。
【0010】第55回応用物理学会予稿集19p−K−
5には、有機色素のもつ光学非線形性により誘起される
超解像現象を利用して、回折限界以上に高密度記録され
た信号を再生する方法が記載されている。また、同予稿
集19a−S−7には、有機色素系非線形材料からなる
マスク層(ヒートモード)を用いることにより、ROM
再生用のリア・アパーチャー(後方開口)型ディスク超
解像を実現した旨が記載されている。
【0011】以上に挙げたように、従来の高密度記録再
生法では、空間周波数2NA/λで表わされる光学的な
再生限界を、可逆的なマスク効果を示す層を設けること
によって超えようとするものであり、いずれもマスク効
果を示す層に再生光を照射するたびにある種の変化を生
じさせる必要があるので、繰り返し再生に対する耐久性
が低くなってしまう。また、一般的に高パワーの再生光
が必要となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、再生
光の短波長化や再生装置の光学系の開口数の増大以外の
方法で光記録媒体の高密度情報の記録および再生を可能
とし、しかも、繰り返し再生に対する特性の劣化を防ぐ
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)のいずれかの構成により達成される。 (1)基体表面上に、マスク層、記録層および反射層を
この順で有し、基体を通した記録光ビーム照射により、
不可逆的変化によって光透過率が増加した再生用窓がマ
スク層に形成されると共に、記録マークが記録層に形成
される光記録媒体。 (2)基体表面上に、下部誘電体層、マスク層、上部誘
電体層、記録層および反射層をこの順で有し、基体を通
した記録光ビーム照射により、マスク層に厚さが不可逆
的に減少した再生用窓が形成されると共に記録層に記録
マークが形成される上記(1)の光記録媒体。 (3)マスク層の融点が100〜700℃である上記
(1)または(2)の光記録媒体。 (4)マスク層が、Ge、Ga、Te、Sn、In、S
e、SbおよびAsから選択される少なくとも1種の元
素を含む合金である上記(1)〜(3)のいずれかの光
記録媒体。 (5)マスク層がGe−Te合金から構成される上記
(4)の光記録媒体。 (6)マスク層が50原子%以下のGeを含むGe−T
e合金から構成される上記(5)の光記録媒体。 (7)基体表面上に、マスク層、記録層および反射層を
この順で有する光記録媒体に対し、基体を通して記録光
ビームを照射することにより、マスク層を不可逆的に変
化させて光透過率の増加した再生用窓を形成すると共に
記録層に記録マークを形成する光記録方法。 (8)マスク層の不可逆的変化が厚さの減少である上記
(7)の光記録方法。
【0014】
【作用および効果】本発明の光記録媒体の構成例を図1
に示す。本発明の光記録媒体では、記録光ビームは基体
2を通して照射される。図1に示す構成の光記録媒体で
は、記録光照射によりマスク層32の厚さが不可逆的に
減少して多重反射条件が変化し、この部位での光透過率
が高くなって再生用窓30となる。そして、再生用窓3
0が形成されると共に、記録層4には記録マーク40が
形成される。記録光ビームスポットは、マスク層面にお
いてガウス分布に近似した強度分布を有するため、再生
用窓形成に必要な温度上昇が生じる領域の径は、波長λ
および開口数NAによって決まるスポット径よりも小さ
くなる。このため、再生用窓の径は記録光ビームスポッ
ト径よりも小径となる。したがって、再生用窓および記
録マークの存在密度をその光学的限界よりも高くするこ
とができる。
【0015】従来、光学的な再生限界を超えた密度の記
録マークを再生する場合、マスク層の再生光ビームスポ
ット中央付近だけをヒートモードやフォトンモードで変
化させて多重反射条件を可逆的に変化させ、再生対象の
記録マークだけに再生光を照射しかつ隣接する記録マー
クへの照射を防ぐ必要があると考えられていた。しか
し、本発明者らは、記録光ビーム照射によってマスク層
を不可逆的に変化させることにより光学的な微小開口を
形成して再生用窓とし、これを通して再生光を照射する
ことにより、再生光のビームスポット内に複数の再生用
窓が存在するような高密度記録がなされている場合であ
っても、光学的な再生限界を超えた再生が可能であるこ
とを見いだした。
【0016】本発明では、再生時にマスク層を変化させ
る必要がないため、再生によるマスク層の変質が防げ、
繰り返し再生に対する耐久性が良好となる。また、低パ
ワーの再生光が利用可能となるので、媒体各部への負担
が少なく、各部の材料の選択の自由度も高くなる。
【0017】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0018】本発明の光記録媒体は、基体表面上に、マ
スク層、記録層および反射層をこの順で有し、基体を通
した記録光ビーム照射により、不可逆的変化によって光
透過率が増加した再生用窓がマスク層に形成されると共
に、記録マークが記録層に形成されるものである。
【0019】本発明の光記録媒体の構成例を、図1に示
す。図1に示す光記録媒体1は、基体2表面上に、下部
誘電体層31、マスク層32、上部誘電体層33、記録
層4および反射層6をこの順で有し、さらに、記録層4
と反射層6との間に誘電体層5を、反射層6上に保護層
7を有する。
【0020】図1に示す構成の光記録媒体では、基体2
を通して記録光および再生光が照射される。
【0021】基体は、記録光および再生光に対して実質
的に透明である樹脂やガラスから構成することが好まし
い。具体的には、樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート、エポキシ樹脂、ポリオレフィン等の各種樹
脂を用いればよい。基体の形状および寸法は特に限定さ
れないが、通常、ディスク状であり、その厚さは、通
常、0.2〜3mm程度、直径は50〜360mm程度であ
る。基体の表面には、トラッキング用やアドレス用等の
ためのグルーブ等を設けてもよい。
【0022】記録光照射によりマスク層32の照射部位
は温度が上昇するため、圧力が急激に上昇して膨張す
る。マスク層32は、下部誘電体層31と上部誘電体層
33とに挟まれているため、主として面内方向に膨張し
て照射部位の厚さが減少する。このとき、通常、図示の
ように下部誘電体層31と上部誘電体層33とが変形し
てほとんど接触した状態となり、マスク層32の厚さが
ほぼゼロとなる。また、このとき、通常、記録層4、誘
電体層5、反射層6などにも変形が生じ、樹脂基体を用
いた場合には、基体2にも変形が生じる。このようにマ
スク層32の厚さが減少して多重反射条件が変化した領
域が、再生用窓30となる。再生用窓におけるマスク層
32の厚さは、前述した作用による再生が可能となるも
のであればよく、特に限定されないが、未記録部の厚さ
に対し、通常、50%以下、好ましくは30%以下であ
る。なお、媒体各部にこのような変形が生じていること
は、透過型電子顕微鏡や走査トンネル顕微鏡などにより
確認することができる。
【0023】記録光のレーザビームは、マスク層32付
近に合焦するように照射するが、通常、記録マーク40
の径も記録光のビームスポットよりも小さくすることが
可能である。
【0024】本発明では再生用窓30を通して記録層4
の記録マーク40を読み出すため、再生用窓において光
透過率が高くなる必要があり、かつ、再生用窓以外では
光透過率が低い必要がある。このためには、最適な多重
反射条件となるように各層の厚さおよび屈折率を適宜選
択する。
【0025】記録光ビームのスポット径に対して再生用
窓の径を小さくするためには、マスク層の体積膨張率の
温度依存性が非線形的であることが好ましい。すなわ
ち、記録光ビームスポットの中央付近の高温領域におい
て体積膨張率が急激に高くなるように、高温において体
積膨張率が高い組成の材料を用いることが好ましい。具
体的には、マスク層の融点付近の高温領域において、体
積膨張率が5×10-5/deg 以上であることが好まし
い。マスク層の融点は、好ましくは100〜700℃、
より好ましくは200〜600℃である。マスク層の融
点が高すぎると高パワーの記録光が必要であり、マスク
層の融点が低すぎると、再生時にマスク層が変化してし
まうおそれがある。
【0026】マスク層の組成は特に限定されないが、低
結晶性半導体系合金であることが好ましい。低結晶性と
は、スパッタ法などにより非晶質状の薄膜を形成し、こ
れを加熱した場合、容易に結晶化しないことを意味す
る。低結晶性合金を用いることにより、マスク層の形状
変化以外の要素を排除することができる。このような合
金としては、Ge、Ga、Te、Sn、In、Se、S
bおよびAsから選択される少なくとも1種の元素を含
むものが好ましく、特に、Ge−Te合金が好ましい。
Ge−Te合金のGe含有率は、好ましくは50原子%
以下、より好ましくは35原子%以下であり、好ましく
は5原子%以上である。このような合金は、上述した体
積膨張率の点でも好ましい。Ge含有率が高すぎると融
点が高くなってしまう。Ge含有率が低すぎると、転移
点付近での体積膨張率の温度依存性が小さくなってしま
い、上述した効果が得られにくい。なお、Ge−Te合
金中には、30原子%以下の範囲でGa、Sn、In、
Se、Sb、As等やその他の元素が含まれていてもよ
い。
【0027】マスク層の好ましい厚さは、その組成や他
の層の構成によっても異なるが、好ましくは3〜200
nm、より好ましくは5〜100nmである。マスク層が薄
すぎると再生用窓以外でのマスク効果が不十分となり、
厚すぎると再生用窓の形成に大きなパワーが必要となっ
てしまう。
【0028】マスク層の形成方法は特に限定されず、ス
パッタ法や蒸着法などから適宜選択すればよい。
【0029】マスク層32は、下部誘電体層31と上部
誘電体層33とに挟まれている。このような構成とする
ことにより、上記した作用による再生用窓の形成が容易
となる。各誘電体層の構成材料は特に限定されず、例え
ば、SiO2 や、SiO2 とZnSとの混合物、La、
Si、OおよびNを含有するいわゆるLaSiON、S
i、Al、OおよびNを含有するいわゆるSiAlO
N、Yを含有するSiAlON、NdSiONなどを用
いればよい。各誘電体層の厚さは特に限定されず、上述
した効果が十分に発揮できるように適宜決定すればよい
が、通常、各誘電体層の厚さは10〜100nmとするこ
とが好ましい。各誘電体層は、スパッタ法や蒸着法等の
気相成長法により形成することが好ましい。
【0030】本発明の効果は記録層4の構成には依存し
ない。例えば、希土類元素−遷移元素合金系等の光磁気
型の記録層を有する光磁気記録媒体、Sb2 Se3 等の
非晶質−結晶間相変化を利用する相変化型の記録層を有
する光記録媒体、シアニン色素等の有機色素を記録材料
に用いた追記型の記録層を有する光記録媒体などのいず
れにも本発明を適用することができるが、本発明では上
述したように不可逆的な変化により再生用窓を形成する
ので、記録層が書き換え可能型のものであっても本発明
の光記録媒体は追記型として用いられる。記録層の厚さ
は、その組成などに応じて適宜決定すればよい。
【0031】図示例では、相変化型の記録層を用いてい
るため、記録層4と反射層6との間に誘電体層5を設け
ている。誘電体層5は、前述した下部誘電体層や上部誘
電体層と同様にして形成すればよい。
【0032】反射層6は、媒体からの反射光量を増加さ
せるために設けられる。反射層の材質は特に限定され
ず、通常、Al、Au、Ag、Pt、Cu等の単体ある
いはこれらの1種以上を含む合金などの高反射率金属か
ら構成すればよい。反射層の厚さは、30〜150nmと
することが好ましい。反射層が薄すぎると十分な反射率
が得にくくなる。反射層を厚くしても反射率の向上は小
さく、コスト的に不利になる。反射層は、スパッタ法や
蒸着法等の気相成長法により形成することが好ましい。
【0033】保護層7は、耐擦傷性や耐食性の向上のた
めに設けられる。この保護層は種々の有機系の物質から
構成されることが好ましいが、特に、放射線硬化型化合
物やその組成物を、電子線、紫外線等の放射線により硬
化させた物質から構成されることが好ましい。保護層の
厚さは、通常、0.1〜100μm 程度であり、スピン
コート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング
等、通常の方法により形成すればよい。
【0034】記録光および再生光のパワーは特に限定さ
れず、媒体の構成および媒体に対する各光のビームスポ
ットの相対線速度によっても異なるので、実験的に決定
すればよい。各ビームスポットに対する媒体の相対線速
度は特に限定されず、前述した作用による記録および再
生が可能なように適宜設定すればよいが、通常、1〜2
0m/s 程度である。
【0035】なお、以上では、マスク層の厚さが不可逆
的に変化する構成の媒体について説明したが、本発明で
はこの構成に限らず、マスク層の記録光ビーム照射部が
不可逆的に変化して多重反射条件が変化し、これにより
上記再生用窓に相当するものが形成される構成であれば
よい。例えば、記録光波長に吸収を有する色素等を用い
てマスク層を形成し、記録光照射により熱分解させて光
学定数を変化させ、かつ再生光照射時にはこのような変
化が生じないようにすれば、再生用窓として利用するこ
とができる。また、相変化材料をマスク層に用いても、
同様にして再生用窓の形成が可能である。ただし、機能
が高くしかも安定性の良好な再生用窓が形成できること
から、前述したようにマスク層の厚さを減少させる構成
が好ましい。
【0036】また、以上では基体の片面だけに記録部を
設けた片面型媒体について説明したが、記録部を内封す
るように一対の片面型媒体を張り合わせて両面型の媒体
としてもよい。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0038】<実施例1>射出成形によりトラックピッ
チが1.6μm となるようにグルーブを同時形成した直
径130mm、厚さ1.2mmのディスク状ポリカーボネー
ト基体の表面に、下部誘電体層(厚さ20nmのSiO
2 )、マスク層(厚さ25nmのGe30Te70)、上部誘
電体層(厚さ20nmのSiO2 )、相変化型の記録層
(厚さ17nmのAg9 Sb55Te30In51 合金)、
誘電体層(厚さ20nmのZnS−SiO2 )、反射層
(厚さ100nmのAu)および保護層(厚さ5μm の紫
外線硬化型樹脂)を順次形成して、本発明の光記録ディ
スクサンプルを作製した。
【0039】また、下部誘電体層、マスク層および上部
誘電体層を設けず、替わりに基体と記録層との間に誘電
体層(厚さ170nmのZnS−SiO2 )を設けた他は
上記と同様にして、比較サンプルを作製した。
【0040】各誘電体層、マスク層、記録層および反射
層は、スパッタ法により形成した。
【0041】各サンプルを線速度2.8m/s で回転させ
ながら信号を記録した。記録レーザ光の波長λは780
nm、光学系の開口数NAは0.5とし、カットオフ空間
周波数2NA/λを超える記録マーク(0.35μm 長
マーク)を形成するために、4MHz の信号を記録した。
バイアスパワーは3mWとし、記録パワーPW が15mWと
なるように変調したレーザ光を記録光とした。なお、こ
れらのサンプルは、記録マークの反射率が低下するタイ
プである。
【0042】次に、再生パワーPR を表1に示すように
変えながら、各サンプルの再生を行なってC/Nを測定
した。再生光の波長および光学系の開口数は記録時と同
じとした。本発明サンプルのC/Nから比較サンプルの
C/Nを減じた値(ΔC/N)を、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から、本発明サンプルでは、マスク層
を設けない比較サンプルよりも著しく高いC/Nが得ら
れることがわかる。しかも、このときに必要とされる再
生パワーは、2.5〜3.5mWという低いものである。
なお、再生パワー2mW以下で本発明サンプルのC/Nが
それほど高くないのは、構成層数が多いために媒体とし
ての光反射率がやや低いためであると考えられる。
【0045】記録後の本発明サンプルを酸処理して、下
部誘電体層31、マスク層32および上部誘電体層33
からなる積層体を単離した。この積層体の透過型電子顕
微鏡写真を、図2に示す。この写真から、記録レーザ光
照射によりマスク層の厚さが減少した再生用窓が形成さ
れていることがわかる。
【0046】また、記録後の本発明サンプルの記録層4
から上側の層を剥離し、上部誘電体層33の表面を走査
トンネル顕微鏡により測定したところ、再生用窓では深
さ5〜8nmの陥没が確認された。
【0047】以上の実施例の結果から、本発明の効果が
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の構成例を示す部分断面図
である。
【図2】記録後の下部誘電体層31、マスク層32およ
び上部誘電体層33からなる積層体の透過型電子顕微鏡
写真である。
【符号の説明】
2 基体 30 再生用窓 31 下部誘電体層 32 マスク層 33 上部誘電体層 4 記録層 40 記録マーク 5 誘電体層 6 反射層 7 保護層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富永 淳二 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面上に、マスク層、記録層および
    反射層をこの順で有し、基体を通した記録光ビーム照射
    により、不可逆的変化によって光透過率が増加した再生
    用窓がマスク層に形成されると共に、記録マークが記録
    層に形成される光記録媒体。
  2. 【請求項2】 基体表面上に、下部誘電体層、マスク
    層、上部誘電体層、記録層および反射層をこの順で有
    し、基体を通した記録光ビーム照射により、マスク層に
    厚さが不可逆的に減少した再生用窓が形成されると共に
    記録層に記録マークが形成される請求項1の光記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 マスク層の融点が100〜700℃であ
    る請求項1または2の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 マスク層が、Ge、Ga、Te、Sn、
    In、Se、SbおよびAsから選択される少なくとも
    1種の元素を含む合金である請求項1〜3のいずれかの
    光記録媒体。
  5. 【請求項5】 マスク層がGe−Te合金から構成され
    る請求項4の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 マスク層が50原子%以下のGeを含む
    Ge−Te合金から構成される請求項5の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 基体表面上に、マスク層、記録層および
    反射層をこの順で有する光記録媒体に対し、基体を通し
    て記録光ビームを照射することにより、マスク層を不可
    逆的に変化させて光透過率の増加した再生用窓を形成す
    ると共に記録層に記録マークを形成する光記録方法。
  8. 【請求項8】 マスク層の不可逆的変化が厚さの減少で
    ある請求項7の光記録方法。
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