JPH0819271A - 静電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法 - Google Patents
静電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法Info
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- JPH0819271A JPH0819271A JP17324494A JP17324494A JPH0819271A JP H0819271 A JPH0819271 A JP H0819271A JP 17324494 A JP17324494 A JP 17324494A JP 17324494 A JP17324494 A JP 17324494A JP H0819271 A JPH0819271 A JP H0819271A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 効率良い駆動が可能な静電アクチュエータ用
移動子およびその駆動方法を提供する。 【構成】 固定子10には所定ピッチで電極が埋設さ
れ、3相の駆動信号φ1〜φ3が供給される。移動子2
0は、PETフィルムからなる支持絶縁体層21上に、
電荷保持媒体層23が形成されている。電荷保持媒体層
23には、固定子10内の電極ピッチの3倍の周期で、
正の電荷が蓄積されている。電荷保持媒体層23の材料
として、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の環状構造
を有する弗素重合体を用いると、気中放電を用いた電荷
像形成処理を行うことが可能で、この処理により蓄積さ
れた電荷は長期間にわたり保持される。固定子10上の
移動子20は、3相の駆動信号により左右の方向に駆動
することができる。
移動子およびその駆動方法を提供する。 【構成】 固定子10には所定ピッチで電極が埋設さ
れ、3相の駆動信号φ1〜φ3が供給される。移動子2
0は、PETフィルムからなる支持絶縁体層21上に、
電荷保持媒体層23が形成されている。電荷保持媒体層
23には、固定子10内の電極ピッチの3倍の周期で、
正の電荷が蓄積されている。電荷保持媒体層23の材料
として、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の環状構造
を有する弗素重合体を用いると、気中放電を用いた電荷
像形成処理を行うことが可能で、この処理により蓄積さ
れた電荷は長期間にわたり保持される。固定子10上の
移動子20は、3相の駆動信号により左右の方向に駆動
することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電アクチュエータ用移
動子、特に、長時間にわたって電荷を保持する機能をも
った電荷保持媒体を用いた静電アクチュエータ用移動子
に関する。
動子、特に、長時間にわたって電荷を保持する機能をも
った電荷保持媒体を用いた静電アクチュエータ用移動子
に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで機械工学の分野で主として用い
られてきたアクチュエータは、電磁力を利用したもので
あったが、近年、静電力を利用した静電アクチュエータ
の研究が盛んに行われている。電磁力を利用したアクチ
ュエータは、モータなどに代表されるように、強い磁場
を発生させる必要があり、ある程度の大きさをもった鉄
心とコイルが不可欠な要素になる。このため、アクチュ
エータ全体がある程度の重量をもつのは避けられず、小
形軽量化が困難である。これに対して、静電アクチュエ
ータは、静電力を利用して駆動力を発生させる機構であ
るため、鉄心やコイルが不要であり、小形軽量化が容易
であるという利点をもっている。
られてきたアクチュエータは、電磁力を利用したもので
あったが、近年、静電力を利用した静電アクチュエータ
の研究が盛んに行われている。電磁力を利用したアクチ
ュエータは、モータなどに代表されるように、強い磁場
を発生させる必要があり、ある程度の大きさをもった鉄
心とコイルが不可欠な要素になる。このため、アクチュ
エータ全体がある程度の重量をもつのは避けられず、小
形軽量化が困難である。これに対して、静電アクチュエ
ータは、静電力を利用して駆動力を発生させる機構であ
るため、鉄心やコイルが不要であり、小形軽量化が容易
であるという利点をもっている。
【0003】このような静電アクチュエータの原理自体
の歴史は古く、18世紀頃から既に研究がなされていた
との記録もあるが、最近では、材料技術の進歩により、
非常に小形で効率の良い静電アクチュエータが実用化さ
れつつある。たとえば、特開平2−285978号公報
には、ポリエチレン・テレフタレートなどの高分子フィ
ルムを用いた静電アクチュエータが開示されている。
の歴史は古く、18世紀頃から既に研究がなされていた
との記録もあるが、最近では、材料技術の進歩により、
非常に小形で効率の良い静電アクチュエータが実用化さ
れつつある。たとえば、特開平2−285978号公報
には、ポリエチレン・テレフタレートなどの高分子フィ
ルムを用いた静電アクチュエータが開示されている。
【0004】静電アクチュエータの基本原理は、所定ピ
ッチで多数の電極を配置してなる固定子の上に、誘電体
を有する移動子をのせ、固定子側の電極に多相の駆動信
号を与えることにより、移動子を固定子上で移動させる
ものである。固定子側の各電極に所定の極性の電圧を印
加すると、移動子側の誘電体には、それぞれ逆極性の電
荷が誘起される。続いて、固定子側の各電極の極性の位
相を次の位相に切り替えると、移動子側に誘起された各
電荷は、固定子側の隣の電極と吸引力を生じるようにな
り、移動子全体が、電極の1ピッチ分移動することにな
る。こうして、固定子側の各電極に与える駆動信号の周
期に応じて、移動子は固定子上を所定の速度で移動する
ことになる。
ッチで多数の電極を配置してなる固定子の上に、誘電体
を有する移動子をのせ、固定子側の電極に多相の駆動信
号を与えることにより、移動子を固定子上で移動させる
ものである。固定子側の各電極に所定の極性の電圧を印
加すると、移動子側の誘電体には、それぞれ逆極性の電
荷が誘起される。続いて、固定子側の各電極の極性の位
相を次の位相に切り替えると、移動子側に誘起された各
電荷は、固定子側の隣の電極と吸引力を生じるようにな
り、移動子全体が、電極の1ピッチ分移動することにな
る。こうして、固定子側の各電極に与える駆動信号の周
期に応じて、移動子は固定子上を所定の速度で移動する
ことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の静電アクチュエータでは、移動子に誘電体を用い、固
定子側の電極に与えられた電荷と逆極性の電荷をこの誘
電体側に誘起させて駆動を行っている。このため、初期
駆動時には、誘電体側に電荷が誘導されるまで所定の充
電時間τが必要になる。この充電時間τは、固定子と移
動子との間の静電容量と抵抗率との積で決まる時定数で
ある。したがって、この充電時間τが長くなると、それ
だけ初期駆動に時間がかかることになる。また、駆動中
に移動子の電荷は放電などにより多少変化するため、移
動子が所定の電荷を維持できるように再充電を行いなが
ら駆動を行う必要がある。この再充電は、初期駆動時の
充電に比べれば短時間ですむが、再充電に必要な時間が
長くなれば、それだけ移動子を高速に動かすことができ
なくなる。また、移動子として用いた誘電体の誘電率が
低いと、十分な充電を行うことができないため、十分な
駆動力を得ることができなくなる。
の静電アクチュエータでは、移動子に誘電体を用い、固
定子側の電極に与えられた電荷と逆極性の電荷をこの誘
電体側に誘起させて駆動を行っている。このため、初期
駆動時には、誘電体側に電荷が誘導されるまで所定の充
電時間τが必要になる。この充電時間τは、固定子と移
動子との間の静電容量と抵抗率との積で決まる時定数で
ある。したがって、この充電時間τが長くなると、それ
だけ初期駆動に時間がかかることになる。また、駆動中
に移動子の電荷は放電などにより多少変化するため、移
動子が所定の電荷を維持できるように再充電を行いなが
ら駆動を行う必要がある。この再充電は、初期駆動時の
充電に比べれば短時間ですむが、再充電に必要な時間が
長くなれば、それだけ移動子を高速に動かすことができ
なくなる。また、移動子として用いた誘電体の誘電率が
低いと、十分な充電を行うことができないため、十分な
駆動力を得ることができなくなる。
【0006】このように、従来の静電アクチュエータ用
移動子は、固定子側の電極に与えられた電荷に基づいて
所定の電荷を誘起して動作するため、効率的に駆動させ
ることができないという問題があった。
移動子は、固定子側の電極に与えられた電荷に基づいて
所定の電荷を誘起して動作するため、効率的に駆動させ
ることができないという問題があった。
【0007】そこで本発明は、効率良い駆動が可能な静
電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法を提供す
ることを目的とする。
電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
(1) 本発明の第1の態様は、所定ピッチで配置された
複数の電極を有する固定子とともに用いることにより静
電アクチュエータを構成する静電アクチュエータ用移動
子において、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の樹脂
からなる電荷保持媒体層を用い、この電荷保持媒体体層
に、固定子電極と同じピッチで複数の単位領域を定義
し、各単位領域は、正の電荷を保持した状態、負の電荷
を保持した状態、いずれの電荷も保持しない状態、なる
3つの状態群の中から選ばれた1つの状態をとるように
し、かつ、単位領域のとる状態分布が周期的な分布とな
るようにしたものである。
複数の電極を有する固定子とともに用いることにより静
電アクチュエータを構成する静電アクチュエータ用移動
子において、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の樹脂
からなる電荷保持媒体層を用い、この電荷保持媒体体層
に、固定子電極と同じピッチで複数の単位領域を定義
し、各単位領域は、正の電荷を保持した状態、負の電荷
を保持した状態、いずれの電荷も保持しない状態、なる
3つの状態群の中から選ばれた1つの状態をとるように
し、かつ、単位領域のとる状態分布が周期的な分布とな
るようにしたものである。
【0009】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子において、電
荷保持媒体層として、体積抵抗率が1018Ω・cm以
上の環状構造を有する弗素重合体を用いるようにしたも
のである。
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子において、電
荷保持媒体層として、体積抵抗率が1018Ω・cm以
上の環状構造を有する弗素重合体を用いるようにしたも
のである。
【0010】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る静電アクチュエータ用移動子に
おいて、隣接する3つの単位領域における状態分布を1
周期として、単位領域のとる状態分布が周期的になるよ
うにしたものである。
または第2の態様に係る静電アクチュエータ用移動子に
おいて、隣接する3つの単位領域における状態分布を1
周期として、単位領域のとる状態分布が周期的になるよ
うにしたものである。
【0011】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る静電アクチュエータ用移動子に
おいて、保持させる電荷の極性を正または負のいずれか
一方の極性だけに定め、隣接するn個の単位領域のう
ち、第1の単位領域には上記一方の極性の電荷を保持さ
せ、第2の単位領域〜第nの単位領域には、電荷を保持
させず、n個の単位領域を1周期として、単位領域のと
る状態分布が周期的になるようにしたものである。
または第2の態様に係る静電アクチュエータ用移動子に
おいて、保持させる電荷の極性を正または負のいずれか
一方の極性だけに定め、隣接するn個の単位領域のう
ち、第1の単位領域には上記一方の極性の電荷を保持さ
せ、第2の単位領域〜第nの単位領域には、電荷を保持
させず、n個の単位領域を1周期として、単位領域のと
る状態分布が周期的になるようにしたものである。
【0012】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子において、n
=3に設定したものである。
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子において、n
=3に設定したものである。
【0013】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子を駆動させる
方法において、固定子に配置された第(i+1)番目
(ただし、iは0,1,2,…)の電極には第1の駆動
信号を与え、第(i+2)番目の電極には第2の駆動信
号を与え、第(i+3)番目の電極には第3の駆動信号
を与え、正の極性または負の極性のいずれか一方を第1
の極性、他方を第2の極性と定義し、3つの駆動信号の
いずれもが、第1の極性状態、第2の極性状態、第2の
極性状態、なる3つの単位時間ごとの状態をこの順に周
期的にとる信号になるようにし、かつ、それぞれ位相の
異なる信号になるようにしたものである。
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子を駆動させる
方法において、固定子に配置された第(i+1)番目
(ただし、iは0,1,2,…)の電極には第1の駆動
信号を与え、第(i+2)番目の電極には第2の駆動信
号を与え、第(i+3)番目の電極には第3の駆動信号
を与え、正の極性または負の極性のいずれか一方を第1
の極性、他方を第2の極性と定義し、3つの駆動信号の
いずれもが、第1の極性状態、第2の極性状態、第2の
極性状態、なる3つの単位時間ごとの状態をこの順に周
期的にとる信号になるようにし、かつ、それぞれ位相の
異なる信号になるようにしたものである。
【0014】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第5
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子を駆動させる
方法において、固定子に配置された第(i+1)番目
(ただし、iは0,1,2,…)の電極には第1の駆動
信号を与え、第(i+2)番目の電極には第2の駆動信
号を与え、第(i+3)番目の電極には第3の駆動信号
を与え、正の極性または負の極性のいずれか一方を第1
の極性、他方を第2の極性と定義し、3つの駆動信号の
いずれもが、第1の極性状態、第2の極性状態、接地状
態、なる3つの単位時間ごとの状態をこの順に周期的に
とる信号になるようにし、かつ、それぞれ位相の異なる
信号になるようにしたものである。
の態様に係る静電アクチュエータ用移動子を駆動させる
方法において、固定子に配置された第(i+1)番目
(ただし、iは0,1,2,…)の電極には第1の駆動
信号を与え、第(i+2)番目の電極には第2の駆動信
号を与え、第(i+3)番目の電極には第3の駆動信号
を与え、正の極性または負の極性のいずれか一方を第1
の極性、他方を第2の極性と定義し、3つの駆動信号の
いずれもが、第1の極性状態、第2の極性状態、接地状
態、なる3つの単位時間ごとの状態をこの順に周期的に
とる信号になるようにし、かつ、それぞれ位相の異なる
信号になるようにしたものである。
【0015】
【作 用】従来の静電アクチュエータ用移動子に用いら
れている一般的な誘電体では、固定子側の電極に与えら
れた電荷の作用により、これとは逆極性の電荷が誘起さ
れる。しかし、この誘起電荷は一時的なものであり、再
充電を行わなければ、数秒後には消滅してしまう。これ
に対して、一度電荷を蓄積させる処理を行うと、この電
荷を長時間にわたって保持する機能をもった電荷保持媒
体の存在が、最近確認されている。本願発明者は、この
ような電荷保持媒体の中でも、特に、体積抵抗率が10
18Ω・cm以上の樹脂からなる電荷保持媒体が、静電
アクチュエータの移動子として利用するのに適した性質
をもつことを見出だした。本願発明者は、このような条
件を満たす樹脂として、環状構造を有する弗素重合体の
いくつかが存在することをこれまでに確認している。こ
れらの電荷保持媒体に対して、気中放電を用いた電荷像
形成方法で電荷を蓄積させると、ほぼ1週間程度、電荷
が保持される。
れている一般的な誘電体では、固定子側の電極に与えら
れた電荷の作用により、これとは逆極性の電荷が誘起さ
れる。しかし、この誘起電荷は一時的なものであり、再
充電を行わなければ、数秒後には消滅してしまう。これ
に対して、一度電荷を蓄積させる処理を行うと、この電
荷を長時間にわたって保持する機能をもった電荷保持媒
体の存在が、最近確認されている。本願発明者は、この
ような電荷保持媒体の中でも、特に、体積抵抗率が10
18Ω・cm以上の樹脂からなる電荷保持媒体が、静電
アクチュエータの移動子として利用するのに適した性質
をもつことを見出だした。本願発明者は、このような条
件を満たす樹脂として、環状構造を有する弗素重合体の
いくつかが存在することをこれまでに確認している。こ
れらの電荷保持媒体に対して、気中放電を用いた電荷像
形成方法で電荷を蓄積させると、ほぼ1週間程度、電荷
が保持される。
【0016】本発明は、このような性質をもった電荷保
持媒体を静電アクチュエータ用の移動子として利用した
ものである。すなわち、移動子側にこの電荷保持媒体か
らなる層を設けておき、固定子側の電極ピッチと同じピ
ッチで、この電荷保持媒体層に所定の電荷を周期的に保
持させておけば、従来の静電アクチュエータと同様の原
理での動作が可能になる。しかも、移動子側の電荷はも
ともと保持されている電荷であるため、初期駆動時に充
電時間τだけ待つ必要もなく、駆動中に再充電する必要
もないため、非常に効率的な駆動が可能になる。
持媒体を静電アクチュエータ用の移動子として利用した
ものである。すなわち、移動子側にこの電荷保持媒体か
らなる層を設けておき、固定子側の電極ピッチと同じピ
ッチで、この電荷保持媒体層に所定の電荷を周期的に保
持させておけば、従来の静電アクチュエータと同様の原
理での動作が可能になる。しかも、移動子側の電荷はも
ともと保持されている電荷であるため、初期駆動時に充
電時間τだけ待つ必要もなく、駆動中に再充電する必要
もないため、非常に効率的な駆動が可能になる。
【0017】本発明に係る移動子の駆動は、従来の静電
アクチュエータと同様に3相の駆動信号を用いることに
より可能である。しかも、本願発明者は、移動子側に保
持させておく電荷の極性が、正または負のいずれか一方
だけであっても、静電アクチュエータとして十分に駆動
させることが可能であることを発見した。このように移
動子側に保持させておく電荷を単極性にできれば、電荷
を蓄積させるために行う分離放電処理が単純になり、ま
た、逆極性の電荷を隣接して配置することにより生じる
相互消滅も起こらないため、より長時間の電荷保持が可
能になる。
アクチュエータと同様に3相の駆動信号を用いることに
より可能である。しかも、本願発明者は、移動子側に保
持させておく電荷の極性が、正または負のいずれか一方
だけであっても、静電アクチュエータとして十分に駆動
させることが可能であることを発見した。このように移
動子側に保持させておく電荷を単極性にできれば、電荷
を蓄積させるために行う分離放電処理が単純になり、ま
た、逆極性の電荷を隣接して配置することにより生じる
相互消滅も起こらないため、より長時間の電荷保持が可
能になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。
明する。
【0019】§1. 静電アクチュエータの基本原理 はじめに、一般的な静電アクチュエータの基本原理を説
明しておく。図1は、従来の一般的な静電アクチュエー
タを示す斜視図である。固定子10には、図のように帯
状の電極11〜18が所定ピッチで配置されており、こ
の固定子10の上に移動子20が載置されている。移動
子20は、たとえばプラスチックフィルムなどの誘電体
から構成されている。固定子10側の電極11〜18に
は、3相の駆動信号φ1〜φ3がそれぞれ3本周期で供
給されている。ここで、駆動信号φ1〜φ3は、互いに
位相がずれた周期信号である。
明しておく。図1は、従来の一般的な静電アクチュエー
タを示す斜視図である。固定子10には、図のように帯
状の電極11〜18が所定ピッチで配置されており、こ
の固定子10の上に移動子20が載置されている。移動
子20は、たとえばプラスチックフィルムなどの誘電体
から構成されている。固定子10側の電極11〜18に
は、3相の駆動信号φ1〜φ3がそれぞれ3本周期で供
給されている。ここで、駆動信号φ1〜φ3は、互いに
位相がずれた周期信号である。
【0020】続いて、この静電アクチュエータの動作原
理を、図2〜図5の断面図に基づいて説明する。いま、
図2に示すように、固定子10内には電極11〜18が
埋設されており、各電極には図示のとおり、駆動信号φ
1〜φ3が供給されているものとする。一方、移動子2
0は、支持絶縁体層21と電荷誘導体層22との2層構
造からなるものとする。支持絶縁体層21は、ある程度
の剛性をもった絶縁材料からなり、電荷誘導体層22
は、電荷誘導に適した高抵抗材料からなる。実際には、
移動子20は固定子10の上に載置されるが、ここで
は、図示の便宜上、両者間にある程度の空隙を設けて示
すことにする。
理を、図2〜図5の断面図に基づいて説明する。いま、
図2に示すように、固定子10内には電極11〜18が
埋設されており、各電極には図示のとおり、駆動信号φ
1〜φ3が供給されているものとする。一方、移動子2
0は、支持絶縁体層21と電荷誘導体層22との2層構
造からなるものとする。支持絶縁体層21は、ある程度
の剛性をもった絶縁材料からなり、電荷誘導体層22
は、電荷誘導に適した高抵抗材料からなる。実際には、
移動子20は固定子10の上に載置されるが、ここで
は、図示の便宜上、両者間にある程度の空隙を設けて示
すことにする。
【0021】いま、図3に示すように、駆動信号φ1と
して正の電圧、φ2として負の電圧、φ3として接地電
圧、をそれぞれ与えるようにすると、固定子10内の各
電極には、図示のような電荷が供給される(円で囲った
“+”記号は正電荷の存在を、円で囲った“−”記号は
負電荷の存在を、“0”なる記号は電荷の不存在を、そ
れぞれ示す)。固定子10側にこのような電荷分布が生
じると、移動子20の電荷誘導体層22には、それぞれ
逆極性の電荷が誘起される。図3は、このときの状態を
示したものである。もっとも、このように電荷誘導体層
22側に電荷が誘起されるまでには、所定の充電時間τ
が必要である。なお、実際には、電荷誘導体層22側に
発生する電荷は、図における電荷誘導体層22の上面付
近に集中することになるが、本明細書では、説明の便宜
上、電荷誘導体層22の中央部分に発生電荷を示す記号
を記している。
して正の電圧、φ2として負の電圧、φ3として接地電
圧、をそれぞれ与えるようにすると、固定子10内の各
電極には、図示のような電荷が供給される(円で囲った
“+”記号は正電荷の存在を、円で囲った“−”記号は
負電荷の存在を、“0”なる記号は電荷の不存在を、そ
れぞれ示す)。固定子10側にこのような電荷分布が生
じると、移動子20の電荷誘導体層22には、それぞれ
逆極性の電荷が誘起される。図3は、このときの状態を
示したものである。もっとも、このように電荷誘導体層
22側に電荷が誘起されるまでには、所定の充電時間τ
が必要である。なお、実際には、電荷誘導体層22側に
発生する電荷は、図における電荷誘導体層22の上面付
近に集中することになるが、本明細書では、説明の便宜
上、電荷誘導体層22の中央部分に発生電荷を示す記号
を記している。
【0022】さて、充電時間τの経過により、図3に示
すような電荷分布が電荷誘導体層22内に得られた時点
で、各駆動信号φ1〜φ3の電圧を切り替える。すなわ
ち、図4に示すように、駆動信号φ1として負の電圧、
φ2として正の電圧、φ3として負の電圧、をそれぞれ
与えるようにすると、固定子10内の各電極には、図示
のような電荷が供給される。このとき、移動子20側の
電荷は、まだ前の状態(図3)のままである。したがっ
て、移動子20側の負の電荷は、固定子10側の負の電
荷と反発し、移動子20側の正の電荷は、固定子10側
の正の電荷と反発することになり、移動子20は固定子
10上からやや浮き上がった状態になる。しかも、移動
子20側の負の電荷は、固定子10側の1ピッチ分右隣
の正の電荷に吸引され、移動子20側の正の電荷は、固
定子10側の1ピッチ分右隣の負の電荷に吸引されるこ
とになるため、結局、図5に示すように、移動子20は
固定子10上を1ピッチ分右方へ移動することになる。
すような電荷分布が電荷誘導体層22内に得られた時点
で、各駆動信号φ1〜φ3の電圧を切り替える。すなわ
ち、図4に示すように、駆動信号φ1として負の電圧、
φ2として正の電圧、φ3として負の電圧、をそれぞれ
与えるようにすると、固定子10内の各電極には、図示
のような電荷が供給される。このとき、移動子20側の
電荷は、まだ前の状態(図3)のままである。したがっ
て、移動子20側の負の電荷は、固定子10側の負の電
荷と反発し、移動子20側の正の電荷は、固定子10側
の正の電荷と反発することになり、移動子20は固定子
10上からやや浮き上がった状態になる。しかも、移動
子20側の負の電荷は、固定子10側の1ピッチ分右隣
の正の電荷に吸引され、移動子20側の正の電荷は、固
定子10側の1ピッチ分右隣の負の電荷に吸引されるこ
とになるため、結局、図5に示すように、移動子20は
固定子10上を1ピッチ分右方へ移動することになる。
【0023】以下、同様に、各駆動信号φ1〜φ3の電
圧を適宜切り替えてゆけば、移動子20を図の右方向に
所定速度(駆動信号の切り替え周期に応じた速度)で移
動させることができる。各駆動信号φ1〜φ3の波形を
変えれば、図の左方向に移動させることもできる。
圧を適宜切り替えてゆけば、移動子20を図の右方向に
所定速度(駆動信号の切り替え周期に応じた速度)で移
動させることができる。各駆動信号φ1〜φ3の波形を
変えれば、図の左方向に移動させることもできる。
【0024】しかし、このような従来の静電アクチュエ
ータ用移動子では、初期移動時に、移動子20側に所定
の電荷を誘導する必要があり、充電時間τだけ待つ必要
がある。また、駆動中も移動子20内の電荷量は次第に
失われてゆくため、駆動中に再充電を行う必要がある
(たとえば、図5に示す状態をしばらく維持させておけ
ば、再充電が行われる)。このように、従来の静電アク
チュエータ用移動子には、効率的な駆動を行うことがで
きないという問題がある。
ータ用移動子では、初期移動時に、移動子20側に所定
の電荷を誘導する必要があり、充電時間τだけ待つ必要
がある。また、駆動中も移動子20内の電荷量は次第に
失われてゆくため、駆動中に再充電を行う必要がある
(たとえば、図5に示す状態をしばらく維持させておけ
ば、再充電が行われる)。このように、従来の静電アク
チュエータ用移動子には、効率的な駆動を行うことがで
きないという問題がある。
【0025】§2. 気中放電を用いた電荷像形成方法
による電荷保持媒体への電荷の蓄積 本発明に係る移動子20では、従来の一般的な電荷誘導
体層22の代わりに、一度電荷を蓄積させる処理を行う
と、この電荷を長時間にわたって保持する機能をもった
電荷保持媒体からなる層が用いられる。この電荷保持媒
体として好ましい材料については、後に詳述するが、本
願発明者は、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の環状
構造を有する樹脂、特に、弗素重合体が、静電アクチュ
エータ用移動子として利用するのに最適であると考えて
いる。このような電荷保持媒体では、一度、電荷を蓄積
させると、1週間以上の長期間にわたって電荷が保持さ
れる。
による電荷保持媒体への電荷の蓄積 本発明に係る移動子20では、従来の一般的な電荷誘導
体層22の代わりに、一度電荷を蓄積させる処理を行う
と、この電荷を長時間にわたって保持する機能をもった
電荷保持媒体からなる層が用いられる。この電荷保持媒
体として好ましい材料については、後に詳述するが、本
願発明者は、体積抵抗率が1018Ω・cm以上の環状
構造を有する樹脂、特に、弗素重合体が、静電アクチュ
エータ用移動子として利用するのに最適であると考えて
いる。このような電荷保持媒体では、一度、電荷を蓄積
させると、1週間以上の長期間にわたって電荷が保持さ
れる。
【0026】移動子として用いる電荷保持媒体に電荷を
蓄積させるには、気中放電を用いた電荷像形成方法が適
している。この方法の基本的な手法は、たとえば、電子
写真学会誌第17巻第3号(1979)第36〜51頁
などに記載があるが、ここでは、静電アクチュエータ用
移動子として用いるのに適した手法を以下に述べる。
蓄積させるには、気中放電を用いた電荷像形成方法が適
している。この方法の基本的な手法は、たとえば、電子
写真学会誌第17巻第3号(1979)第36〜51頁
などに記載があるが、ここでは、静電アクチュエータ用
移動子として用いるのに適した手法を以下に述べる。
【0027】まず、図6に示すように、支持絶縁体層2
1と電荷保持媒体層23との積層構造をもった移動子2
0を用意する。この実施例では、支持絶縁体層21とし
ては、厚み25μmのPET(ポリエチレン・テレフタ
レート)あるいはポリイミドフィルムを用い、電荷保持
媒体層23としては、厚み2μmの弗素樹脂の層を用い
た。
1と電荷保持媒体層23との積層構造をもった移動子2
0を用意する。この実施例では、支持絶縁体層21とし
ては、厚み25μmのPET(ポリエチレン・テレフタ
レート)あるいはポリイミドフィルムを用い、電荷保持
媒体層23としては、厚み2μmの弗素樹脂の層を用い
た。
【0028】一方、この移動子20に電荷を蓄積させる
ための装置として、電極基板30、枠体40、対向電極
50を用意する。電極基板30は、ガラスなどの絶縁性
の基板31の上面に、導電性材料(たとえば、クロム、
アルミニウム、銅などの金属)からなるパターン電極3
2を形成したものである。このパターン電極32は、電
荷保持媒体層23に蓄積させるべき電荷の分布パターン
に応じたパターンを有し、この例では、所定ピッチに配
置された帯状のパターン電極32が形成されている。こ
こで、パターン電極32の配置ピッチは、移動子20と
ともに用いる固定子10の電極ピッチに等しくなるよう
に設定しておく。この実施例では、パターン電極32と
して幅160μm、厚み0.2μm、長さ5cmのもの
を用い、配置ピッチを320μmに設定している。枠体
40は、パターン電極32と電荷保持媒体層23との間
に所定の放電距離を確保するためのもので、この実施例
では、厚みが5〜10μm程度のポリイミドフィルムの
中央に開口窓を形成したものを用いている。対向電極5
0は、放電を行う上で、パターン電極32に対向する電
極として用いられるもので、この実施例では、アルミニ
ウム層により構成している。
ための装置として、電極基板30、枠体40、対向電極
50を用意する。電極基板30は、ガラスなどの絶縁性
の基板31の上面に、導電性材料(たとえば、クロム、
アルミニウム、銅などの金属)からなるパターン電極3
2を形成したものである。このパターン電極32は、電
荷保持媒体層23に蓄積させるべき電荷の分布パターン
に応じたパターンを有し、この例では、所定ピッチに配
置された帯状のパターン電極32が形成されている。こ
こで、パターン電極32の配置ピッチは、移動子20と
ともに用いる固定子10の電極ピッチに等しくなるよう
に設定しておく。この実施例では、パターン電極32と
して幅160μm、厚み0.2μm、長さ5cmのもの
を用い、配置ピッチを320μmに設定している。枠体
40は、パターン電極32と電荷保持媒体層23との間
に所定の放電距離を確保するためのもので、この実施例
では、厚みが5〜10μm程度のポリイミドフィルムの
中央に開口窓を形成したものを用いている。対向電極5
0は、放電を行う上で、パターン電極32に対向する電
極として用いられるもので、この実施例では、アルミニ
ウム層により構成している。
【0029】さて、図6に示すように、電極基板30、
枠体40、移動子20、対向電極50、をこの順番に重
ね、図7に示すような構造を構成する。移動子20は電
荷保持媒体層23側を下にして置かれ、その上に対向電
極50がのっている。また、基板31上に形成された各
パターン電極32は、枠体40によって形成された所定
の放電空間を隔てて、電荷保持媒体層23に対向してい
る。
枠体40、移動子20、対向電極50、をこの順番に重
ね、図7に示すような構造を構成する。移動子20は電
荷保持媒体層23側を下にして置かれ、その上に対向電
極50がのっている。また、基板31上に形成された各
パターン電極32は、枠体40によって形成された所定
の放電空間を隔てて、電荷保持媒体層23に対向してい
る。
【0030】このような状態で、各パターン電極32と
対向電極50との間に所定の放電電圧を印加したとす
る。図8は、このような状態を示す断面図である。図8
の左半分に示されているように、パターン電極32側が
負、対向電極50側が正となるような極性で放電電圧
(この実施例では、約1000V)を印加すると、気中
放電によりパターン電極32から電子が放出され、この
電子は、電荷保持媒体層23へと到達する。このとき、
電荷保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体
層23の下面)には、負の電荷が蓄積されることが知ら
れている。これは、支持絶縁体層21と電荷保持媒体層
23とが誘電体として機能し、分極作用が起こるためと
考えられている。逆に、図8の右半分に示されているよ
うに、パターン電極32側が正、対向電極50側が負と
なるような極性で放電電圧を印加すると、気中放電によ
り電荷保持媒体層23の下面側から電子が放出され、こ
の電子は、パターン電極32に到達する。このとき、電
荷保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体層
23の下面)には、電子の放出により正の電荷が蓄積さ
れることになる。なお、実際には、上述のように、電荷
保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体層2
3の下面)に各電荷が発生するが、ここでは説明の便宜
上、電荷保持媒体層23の中央部分に発生電荷を示す記
号を記している。
対向電極50との間に所定の放電電圧を印加したとす
る。図8は、このような状態を示す断面図である。図8
の左半分に示されているように、パターン電極32側が
負、対向電極50側が正となるような極性で放電電圧
(この実施例では、約1000V)を印加すると、気中
放電によりパターン電極32から電子が放出され、この
電子は、電荷保持媒体層23へと到達する。このとき、
電荷保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体
層23の下面)には、負の電荷が蓄積されることが知ら
れている。これは、支持絶縁体層21と電荷保持媒体層
23とが誘電体として機能し、分極作用が起こるためと
考えられている。逆に、図8の右半分に示されているよ
うに、パターン電極32側が正、対向電極50側が負と
なるような極性で放電電圧を印加すると、気中放電によ
り電荷保持媒体層23の下面側から電子が放出され、こ
の電子は、パターン電極32に到達する。このとき、電
荷保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体層
23の下面)には、電子の放出により正の電荷が蓄積さ
れることになる。なお、実際には、上述のように、電荷
保持媒体層23の表面(図8における電荷保持媒体層2
3の下面)に各電荷が発生するが、ここでは説明の便宜
上、電荷保持媒体層23の中央部分に発生電荷を示す記
号を記している。
【0031】このように、電荷保持媒体層23の下面と
パターン電極32との間に放電電流を流すことにより、
電荷保持媒体層23の表面に所定極性の電荷が分極して
現われる現象は、一般に気中放電を用いた電荷像形成方
法として知られているが、この現象の理論的な解析につ
いては、いまのところ学会においても議論されていると
ころである。ここで重要な点は、図6に示すような特有
の形状および配列をもったパターン電極32を用いて、
所定の極性をもった放電電圧を与えて気中放電を行うこ
とにより、電荷保持媒体層23内の所望の単位領域に、
所望の極性をもった電荷を蓄積させることができるとい
う点である。
パターン電極32との間に放電電流を流すことにより、
電荷保持媒体層23の表面に所定極性の電荷が分極して
現われる現象は、一般に気中放電を用いた電荷像形成方
法として知られているが、この現象の理論的な解析につ
いては、いまのところ学会においても議論されていると
ころである。ここで重要な点は、図6に示すような特有
の形状および配列をもったパターン電極32を用いて、
所定の極性をもった放電電圧を与えて気中放電を行うこ
とにより、電荷保持媒体層23内の所望の単位領域に、
所望の極性をもった電荷を蓄積させることができるとい
う点である。
【0032】ここで、基板31上に形成されたパターン
電極32に対して、たとえば、図9(上面図)に示すよ
うな配線を行い、対向電極50に対して+Vまたは−V
なる電圧を印加して気中放電を行った場合を考える(実
際には、+Vを印加する放電と、−Vを印加する放電と
は、別個に行われる)。この場合、各パターン電極32
には、図10の断面図に示すような電荷が与えられるの
で、電荷保持媒体層23には、同じく図10の断面図に
示すような電荷が蓄積されることになる。すなわち、
“+”,“−”,“0”,“+”,“−”,“0”,…
というような、3つの単位領域ごとに繰り返す周期的な
電荷パターンが得られる。このような電荷パターンの蓄
積が行われたら、移動子20だけを取り出せば、これを
静電アクチュエータ用の移動子として用いることができ
る。
電極32に対して、たとえば、図9(上面図)に示すよ
うな配線を行い、対向電極50に対して+Vまたは−V
なる電圧を印加して気中放電を行った場合を考える(実
際には、+Vを印加する放電と、−Vを印加する放電と
は、別個に行われる)。この場合、各パターン電極32
には、図10の断面図に示すような電荷が与えられるの
で、電荷保持媒体層23には、同じく図10の断面図に
示すような電荷が蓄積されることになる。すなわち、
“+”,“−”,“0”,“+”,“−”,“0”,…
というような、3つの単位領域ごとに繰り返す周期的な
電荷パターンが得られる。このような電荷パターンの蓄
積が行われたら、移動子20だけを取り出せば、これを
静電アクチュエータ用の移動子として用いることができ
る。
【0033】§3. 本発明に係る静電アクチュエータ
用移動子の駆動方法 続いて、上述の§2で説明した気中放電を用いた電荷像
形成方法により電荷を蓄積させた移動子20、を用いた
静電アクチュエータの駆動方法を説明する。まず、図1
1の断面図に示すように、固定子10上に移動子20を
載せる。§2で述べた分離放電では、移動子20を電荷
保持媒体層23側を下方に向けてセットしたが、静電ア
クチュエータとして用いる場合には、逆に電荷保持媒体
層23側を上方に向けてセットすることになる。なお、
電荷は電荷保持媒体層23の表面(図11における上
面)に蓄積されるが、ここでは説明の便宜上、電荷保持
媒体層23の中央部分に蓄積電荷を示す記号を記すこと
にする。このように蓄積された電荷は、そのままの状態
で1週間以上保持される。
用移動子の駆動方法 続いて、上述の§2で説明した気中放電を用いた電荷像
形成方法により電荷を蓄積させた移動子20、を用いた
静電アクチュエータの駆動方法を説明する。まず、図1
1の断面図に示すように、固定子10上に移動子20を
載せる。§2で述べた分離放電では、移動子20を電荷
保持媒体層23側を下方に向けてセットしたが、静電ア
クチュエータとして用いる場合には、逆に電荷保持媒体
層23側を上方に向けてセットすることになる。なお、
電荷は電荷保持媒体層23の表面(図11における上
面)に蓄積されるが、ここでは説明の便宜上、電荷保持
媒体層23の中央部分に蓄積電荷を示す記号を記すこと
にする。このように蓄積された電荷は、そのままの状態
で1週間以上保持される。
【0034】この状態で、図12に示すように、駆動信
号φ1として正の電圧、φ2として接地電圧、φ3とし
て負の電圧、をそれぞれ与えるようにする。すると、移
動子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領域で
は、固定子10側の電極に与えられた正の電荷“+”と
反発作用を生じ、移動子20は固定子10上からやや浮
き上がった状態になる。この状態で、各駆動信号φ1〜
φ3の電圧を切り替える。すなわち、図13に示すよう
に、駆動信号φ1として接地電圧、φ2として負の電
圧、φ3として正の電圧、をそれぞれ与えるようにする
と、固定子10内の各電極には、図示のような電荷が供
給される。もちろん、移動子20側の電荷については変
わりがない。この図13に示す固定子10側に現われる
極性パターンは、図12に示す固定子10側の極性パタ
ーンを、1単位領域分左へシフトしたものである。する
と、図14において矢印を付したように、移動子20側
の正の電荷“+”が蓄積された単位領域は、固定子10
側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられた負の電
荷“−”との間で吸引力を生じ、同様に、移動子20側
の負の電荷“−”が蓄積された単位領域は、固定子10
側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられた正の電
荷“+”との間で吸引力を生じ、移動子20全体は図の
右方へと1単位領域分だけ動くことになる。図15は、
このような移動が完了した状態を示すものである。
号φ1として正の電圧、φ2として接地電圧、φ3とし
て負の電圧、をそれぞれ与えるようにする。すると、移
動子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領域で
は、固定子10側の電極に与えられた正の電荷“+”と
反発作用を生じ、移動子20は固定子10上からやや浮
き上がった状態になる。この状態で、各駆動信号φ1〜
φ3の電圧を切り替える。すなわち、図13に示すよう
に、駆動信号φ1として接地電圧、φ2として負の電
圧、φ3として正の電圧、をそれぞれ与えるようにする
と、固定子10内の各電極には、図示のような電荷が供
給される。もちろん、移動子20側の電荷については変
わりがない。この図13に示す固定子10側に現われる
極性パターンは、図12に示す固定子10側の極性パタ
ーンを、1単位領域分左へシフトしたものである。する
と、図14において矢印を付したように、移動子20側
の正の電荷“+”が蓄積された単位領域は、固定子10
側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられた負の電
荷“−”との間で吸引力を生じ、同様に、移動子20側
の負の電荷“−”が蓄積された単位領域は、固定子10
側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられた正の電
荷“+”との間で吸引力を生じ、移動子20全体は図の
右方へと1単位領域分だけ動くことになる。図15は、
このような移動が完了した状態を示すものである。
【0035】さて、図15に示す状態において、固定子
10側に現われる極性パターンを、更に左方へ1単位領
域分シフトした状態を考えると、このときの固定子10
と移動子20との極性パターンに関する相対的な位置関
係は、移動前の図12と全く同じになることがわかる。
結局、上述した1単位領域分の移動過程を繰り返し実行
すれば、移動子20は図の右方向へ順次移動してゆくこ
とになる。別言すれば、移動子20を図の右方へ移動さ
せるには、図12における固定子10側の極性パターン
を図の左方へシフトさせるように、各駆動信号φ1〜φ
3を供給すればよいことになる。図16は、このような
駆動信号の波形図である。移動子20を図の左方へと移
動させるのであれば、固定子10側の極性パターンを上
述の例とは左右逆にして、これを図の右方へシフトさせ
ればよい。
10側に現われる極性パターンを、更に左方へ1単位領
域分シフトした状態を考えると、このときの固定子10
と移動子20との極性パターンに関する相対的な位置関
係は、移動前の図12と全く同じになることがわかる。
結局、上述した1単位領域分の移動過程を繰り返し実行
すれば、移動子20は図の右方向へ順次移動してゆくこ
とになる。別言すれば、移動子20を図の右方へ移動さ
せるには、図12における固定子10側の極性パターン
を図の左方へシフトさせるように、各駆動信号φ1〜φ
3を供給すればよいことになる。図16は、このような
駆動信号の波形図である。移動子20を図の左方へと移
動させるのであれば、固定子10側の極性パターンを上
述の例とは左右逆にして、これを図の右方へシフトさせ
ればよい。
【0036】このように、本発明に係る移動子20は、
従来の移動子20と同様に、固定子10側に3相の駆動
信号を用意すれば、左右に自由に駆動することが可能で
ある。しかも、移動子20側には、もともと所定の電荷
が蓄積しているため、従来の移動子20を用いた場合の
ように、初期移動時に、充電時間τだけ待つ必要はな
い。また、駆動中も移動子20内の電荷量は、ほぼ一定
に保たれると考えてよいので、駆動中の再充電も必要な
い。このように、本発明に係る静電アクチュエータ用移
動子を用いれば、効率的な駆動を行うことが可能にな
る。
従来の移動子20と同様に、固定子10側に3相の駆動
信号を用意すれば、左右に自由に駆動することが可能で
ある。しかも、移動子20側には、もともと所定の電荷
が蓄積しているため、従来の移動子20を用いた場合の
ように、初期移動時に、充電時間τだけ待つ必要はな
い。また、駆動中も移動子20内の電荷量は、ほぼ一定
に保たれると考えてよいので、駆動中の再充電も必要な
い。このように、本発明に係る静電アクチュエータ用移
動子を用いれば、効率的な駆動を行うことが可能にな
る。
【0037】§4. 単極性の静電アクチュエータ用移
動子 上述の§3で説明した移動子20は、気中放電を用いた
電荷像形成方法により、正の電荷および負の電荷の両方
が所定位置に保持された状態になっている「双極性の静
電アクチュエータ用移動子」である。ここでは、正の電
荷または負の電荷のいずれか一方のみが保持されている
「単極性の静電アクチュエータ用移動子」について述べ
る。
動子 上述の§3で説明した移動子20は、気中放電を用いた
電荷像形成方法により、正の電荷および負の電荷の両方
が所定位置に保持された状態になっている「双極性の静
電アクチュエータ用移動子」である。ここでは、正の電
荷または負の電荷のいずれか一方のみが保持されている
「単極性の静電アクチュエータ用移動子」について述べ
る。
【0038】たとえば、図17に示す移動子20では、
第1の単位領域は、正の電荷“+”が保持された状態
(“+”)になっており、第2および第3の単位領域
は、いずれの電荷も保持されていない状態(“0”)に
なっており、第4の単位領域以後はこの極性パターンを
繰り返している。このような「単極性の静電アクチュエ
ータ用移動子」は、これまでに述べた「双極性の静電ア
クチュエータ用移動子」に比べて、次のような利点があ
る。
第1の単位領域は、正の電荷“+”が保持された状態
(“+”)になっており、第2および第3の単位領域
は、いずれの電荷も保持されていない状態(“0”)に
なっており、第4の単位領域以後はこの極性パターンを
繰り返している。このような「単極性の静電アクチュエ
ータ用移動子」は、これまでに述べた「双極性の静電ア
クチュエータ用移動子」に比べて、次のような利点があ
る。
【0039】第1の利点は、電荷を蓄積させるために行
う気中放電を用いた電荷像形成処理が単純になるという
点である。図8の原理図では、蓄積させる電荷の極性が
反対の2とおりの気中放電を同時に行っているような図
が示されているが、回路絶縁上の理由などにより、実際
は各極性ごとに別個に気中放電を行うのが好ましい。し
たがって、図9において、電圧+Vを印加して行う第1
回目の気中放電と、電圧−Vを印加して行う第2回目の
気中放電とを、それぞれ別個に実施する必要がある。と
ころが、「単極性の静電アクチュエータ用移動子」にお
ける電荷の蓄積処理は、1回の気中放電だけですむ。た
とえば、図17に示す移動子20の場合は、図9におい
て、電圧+Vを印加した気中放電だけを行えばよい。
う気中放電を用いた電荷像形成処理が単純になるという
点である。図8の原理図では、蓄積させる電荷の極性が
反対の2とおりの気中放電を同時に行っているような図
が示されているが、回路絶縁上の理由などにより、実際
は各極性ごとに別個に気中放電を行うのが好ましい。し
たがって、図9において、電圧+Vを印加して行う第1
回目の気中放電と、電圧−Vを印加して行う第2回目の
気中放電とを、それぞれ別個に実施する必要がある。と
ころが、「単極性の静電アクチュエータ用移動子」にお
ける電荷の蓄積処理は、1回の気中放電だけですむ。た
とえば、図17に示す移動子20の場合は、図9におい
て、電圧+Vを印加した気中放電だけを行えばよい。
【0040】第2の利点は、逆極性の電荷を隣接して配
置することにより生じる電荷の相互消滅が起こらないた
め、より長時間の電荷保持が可能になる点である。図1
1に示す移動子20では、正の電荷と負の電荷とが隣接
して蓄積されているため、単位領域のピッチが小さくな
ればなるほど、両電荷が結合によって消滅しやすくな
る。これに対し、図17に示す移動子20では、正の電
荷のみしか蓄積されていないため、このような現象は生
じないのである。
置することにより生じる電荷の相互消滅が起こらないた
め、より長時間の電荷保持が可能になる点である。図1
1に示す移動子20では、正の電荷と負の電荷とが隣接
して蓄積されているため、単位領域のピッチが小さくな
ればなるほど、両電荷が結合によって消滅しやすくな
る。これに対し、図17に示す移動子20では、正の電
荷のみしか蓄積されていないため、このような現象は生
じないのである。
【0041】§5. 単極性の静電アクチュエータ用移
動子の駆動方法 続いて、このような「単極性の静電アクチュエータ用移
動子」でも、問題なく固定子上で駆動させることができ
ることを示そう。いま、図17に示すように、正の電荷
のみが蓄積された移動子20を、固定子10の上に載せ
た場合を考える。この状態で、図18に示すように、駆
動信号φ1として正の電圧、φ2として負の電圧、φ3
として負の電圧、をそれぞれ与えるようにする。する
と、移動子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領
域では、固定子10側の電極に与えられた正の電荷
“+”と反発作用を生じ、移動子20は固定子10上か
らやや浮き上がった状態になる。しかも、図において矢
印を付したように、移動子20側の正の電荷“+”が蓄
積された単位領域は、固定子10側の1単位領域分右側
の位置の電極に与えられた負の電荷“−”との間で吸引
力を生じ、移動子20全体は図の右方へと1単位領域分
だけ動くことになる。図19は、このような移動が完了
した状態を示すものである。
動子の駆動方法 続いて、このような「単極性の静電アクチュエータ用移
動子」でも、問題なく固定子上で駆動させることができ
ることを示そう。いま、図17に示すように、正の電荷
のみが蓄積された移動子20を、固定子10の上に載せ
た場合を考える。この状態で、図18に示すように、駆
動信号φ1として正の電圧、φ2として負の電圧、φ3
として負の電圧、をそれぞれ与えるようにする。する
と、移動子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領
域では、固定子10側の電極に与えられた正の電荷
“+”と反発作用を生じ、移動子20は固定子10上か
らやや浮き上がった状態になる。しかも、図において矢
印を付したように、移動子20側の正の電荷“+”が蓄
積された単位領域は、固定子10側の1単位領域分右側
の位置の電極に与えられた負の電荷“−”との間で吸引
力を生じ、移動子20全体は図の右方へと1単位領域分
だけ動くことになる。図19は、このような移動が完了
した状態を示すものである。
【0042】この図19に示す状態において、各駆動信
号φ1〜φ3の電圧を切り替える。すなわち、図20に
示すように、駆動信号φ1として負の電圧、φ2として
正の電圧、φ3として負の電圧、をそれぞれ与えるよう
にすると、固定子10内の各電極には、図示のような電
荷が供給される。もちろん、移動子20側の電荷につい
ては変わりがない。この図20に示す固定子10側に現
われる極性パターンは、図19に示す固定子10側の極
性パターンを、1単位領域分右へシフトしたものであ
る。すると、図20において矢印を付したように、移動
子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領域は、固
定子10側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられ
た負の電荷“−”との間で吸引力を生じ、移動子20全
体は図の右方へと更に1単位領域分だけ動くことにな
る。
号φ1〜φ3の電圧を切り替える。すなわち、図20に
示すように、駆動信号φ1として負の電圧、φ2として
正の電圧、φ3として負の電圧、をそれぞれ与えるよう
にすると、固定子10内の各電極には、図示のような電
荷が供給される。もちろん、移動子20側の電荷につい
ては変わりがない。この図20に示す固定子10側に現
われる極性パターンは、図19に示す固定子10側の極
性パターンを、1単位領域分右へシフトしたものであ
る。すると、図20において矢印を付したように、移動
子20側の正の電荷“+”が蓄積された単位領域は、固
定子10側の1単位領域分右側の位置の電極に与えられ
た負の電荷“−”との間で吸引力を生じ、移動子20全
体は図の右方へと更に1単位領域分だけ動くことにな
る。
【0043】結局、「+,−,−,+,−,−,+,
−,−,…」という周期的な極性パターンを、固定子1
0側で1単位領域分ずつ右方へシフトさせてゆくことに
より、単極性の移動子20を右方へと移動させることが
できる。すなわち、双極性の移動子と同様に、3相の駆
動信号によって駆動可能なことがわかる。
−,−,…」という周期的な極性パターンを、固定子1
0側で1単位領域分ずつ右方へシフトさせてゆくことに
より、単極性の移動子20を右方へと移動させることが
できる。すなわち、双極性の移動子と同様に、3相の駆
動信号によって駆動可能なことがわかる。
【0044】ただ、初期移動時の動作について、少し触
れておくことがある。上述の説明においては、図20で
矢印を付した部分に吸引力が生じるため、移動子20が
右方へ移動すると述べたが、これは初期移動時について
は必ずしも正しくない。図20において位置aに作用す
る力を考えると、直下の電極(“+”)からは反発力、
右下の電極(“−”)からは吸引力、左下の電極
(“−”)からは吸引力、がそれぞれ作用していること
になる。したがって、位置aは図の右方へ吸引されると
ともに、図の左方にも吸引されることになる。それにも
かかわらず、図20において、移動子20が右方へと移
動したのは、図19に示す前段階からの移動により、移
動子20が図の右方への慣性力をもっているためであ
る。すなわち、図20が静止状態であると、移動子20
は左右どちらに動き出すかは定まらないが、一旦、移動
し始めると、必ず慣性力の方向へと動き続けるようにな
るのである。これは、2極モータなどの動作原理と同じ
である。
れておくことがある。上述の説明においては、図20で
矢印を付した部分に吸引力が生じるため、移動子20が
右方へ移動すると述べたが、これは初期移動時について
は必ずしも正しくない。図20において位置aに作用す
る力を考えると、直下の電極(“+”)からは反発力、
右下の電極(“−”)からは吸引力、左下の電極
(“−”)からは吸引力、がそれぞれ作用していること
になる。したがって、位置aは図の右方へ吸引されると
ともに、図の左方にも吸引されることになる。それにも
かかわらず、図20において、移動子20が右方へと移
動したのは、図19に示す前段階からの移動により、移
動子20が図の右方への慣性力をもっているためであ
る。すなわち、図20が静止状態であると、移動子20
は左右どちらに動き出すかは定まらないが、一旦、移動
し始めると、必ず慣性力の方向へと動き続けるようにな
るのである。これは、2極モータなどの動作原理と同じ
である。
【0045】そこで、初期移動時に起こる現象について
考えてみる。ここでは、説明の便宜上、図21に示すよ
うに、移動子側には、正の電荷を帯びた1点aのみが存
在するものとして考える。この状態で、図に示すような
極性パターンの駆動信号を固定子10側に与えると、上
述したように、点aに対しては、左右両側から吸引力が
作用する。点aが静止状態であったとすると、実際に点
aが左右どちらに動くかは、点aの位置が図に示す平衡
状態から左右どちらに片寄っていたか、という事実に基
づいて決定される。別言すれば、点aが図の区間Xの範
囲内にあったとすれば左へ動き、図の区間Yの範囲内に
あったとすれば右へ動くことになる。したがって、移動
子20を右方向に移動させるつもりで、図21に示すよ
うな極性パターンをもった駆動信号を与えたとしても、
たまたま、点aが図の区間Xの範囲内にあったとする
と、意図した方向とは逆の左方向へと動いてしまうこと
になる。図22は、このように、点aが左方へと移動し
たときの状態を示している。しかしながら、移動子20
を右方向へ移動させる意図をもっている場合、「+,
−,−,+,−,−,+,−,−,…」という周期的な
極性パターンを、固定子10側で1単位領域分ずつ右方
へシフトさせる駆動動作を行うので、次の段階では、固
定子10側の極性パターンは図23に示すような状態に
なっている。この状態では、点aに対しては、右方から
の吸引力のみしか作用せず、必ず右方へと移動すること
になる。
考えてみる。ここでは、説明の便宜上、図21に示すよ
うに、移動子側には、正の電荷を帯びた1点aのみが存
在するものとして考える。この状態で、図に示すような
極性パターンの駆動信号を固定子10側に与えると、上
述したように、点aに対しては、左右両側から吸引力が
作用する。点aが静止状態であったとすると、実際に点
aが左右どちらに動くかは、点aの位置が図に示す平衡
状態から左右どちらに片寄っていたか、という事実に基
づいて決定される。別言すれば、点aが図の区間Xの範
囲内にあったとすれば左へ動き、図の区間Yの範囲内に
あったとすれば右へ動くことになる。したがって、移動
子20を右方向に移動させるつもりで、図21に示すよ
うな極性パターンをもった駆動信号を与えたとしても、
たまたま、点aが図の区間Xの範囲内にあったとする
と、意図した方向とは逆の左方向へと動いてしまうこと
になる。図22は、このように、点aが左方へと移動し
たときの状態を示している。しかしながら、移動子20
を右方向へ移動させる意図をもっている場合、「+,
−,−,+,−,−,+,−,−,…」という周期的な
極性パターンを、固定子10側で1単位領域分ずつ右方
へシフトさせる駆動動作を行うので、次の段階では、固
定子10側の極性パターンは図23に示すような状態に
なっている。この状態では、点aに対しては、右方から
の吸引力のみしか作用せず、必ず右方へと移動すること
になる。
【0046】このように、単極性の移動子を用いた場
合、初期移動時に、意図した方向とは逆方向に最大1ピ
ッチ分だけ動いてしまうことがあるが、直ちに、移動方
向は意図した方向へ反転するため、大きな問題は生じな
い。特に、実用の静電アクチュエータでは、1ピッチが
数100μm程度のオーダであるため、このような逆方
向への初期移動が生じても全く問題にはならない。
合、初期移動時に、意図した方向とは逆方向に最大1ピ
ッチ分だけ動いてしまうことがあるが、直ちに、移動方
向は意図した方向へ反転するため、大きな問題は生じな
い。特に、実用の静電アクチュエータでは、1ピッチが
数100μm程度のオーダであるため、このような逆方
向への初期移動が生じても全く問題にはならない。
【0047】以上、正の電荷のみを保持した単極性の移
動子の駆動方法を述べたが、逆に、負の電荷のみを保持
した単極性の移動子も、同様に、「+,−,−,+,
−,−,+,−,−,…」という周期的な極性パターン
を、固定子10側で1単位領域分ずつ右方へシフトさせ
ることにより、右方へと移動させることが可能である。
たとえば、図24に示すように、負の電荷のみが蓄積さ
れた移動子20を、固定子10の上に載せた場合を考え
る。この状態で、図25に示すように、駆動信号φ1と
して正の電圧、φ2として負の電圧、φ3として負の電
圧、をそれぞれ与えるようにする。この極性パターン
は、図18において示した正の電荷を保持した移動子を
初期移動させるときのパターンと同じである。この状態
では、移動子20側の負の電荷“−”が蓄積された単位
領域は、その直下の固定子10側の電極に与えられた正
の電荷“+”と吸引力を生じ、左右への移動は起こらな
い。しかし、固定子10側の周期的な極性パターンを右
へシフトさせると、図26に示す状態になる。この状態
では、移動子20側の負の電荷“−”が蓄積された単位
領域と、その直下の固定子10側の電極に与えられた負
の電荷“−”との間に反発作用が生じ、移動子20は固
定子10上からやや浮き上がった状態になる。しかも、
図において矢印を付したように、移動子20側の負の電
荷“−”が蓄積された単位領域は、固定子10側の1単
位領域分右側の位置の電極に与えられた正の電荷“+”
との間で吸引力を生じ、移動子20全体は図の右方へと
1単位領域分だけ動くことになる。図27は、このよう
な移動が完了した状態を示すものである(初期移動時
に、逆方向の左方へと動くこともあるが、やはり直ちに
正しい移動方向に反転する)。
動子の駆動方法を述べたが、逆に、負の電荷のみを保持
した単極性の移動子も、同様に、「+,−,−,+,
−,−,+,−,−,…」という周期的な極性パターン
を、固定子10側で1単位領域分ずつ右方へシフトさせ
ることにより、右方へと移動させることが可能である。
たとえば、図24に示すように、負の電荷のみが蓄積さ
れた移動子20を、固定子10の上に載せた場合を考え
る。この状態で、図25に示すように、駆動信号φ1と
して正の電圧、φ2として負の電圧、φ3として負の電
圧、をそれぞれ与えるようにする。この極性パターン
は、図18において示した正の電荷を保持した移動子を
初期移動させるときのパターンと同じである。この状態
では、移動子20側の負の電荷“−”が蓄積された単位
領域は、その直下の固定子10側の電極に与えられた正
の電荷“+”と吸引力を生じ、左右への移動は起こらな
い。しかし、固定子10側の周期的な極性パターンを右
へシフトさせると、図26に示す状態になる。この状態
では、移動子20側の負の電荷“−”が蓄積された単位
領域と、その直下の固定子10側の電極に与えられた負
の電荷“−”との間に反発作用が生じ、移動子20は固
定子10上からやや浮き上がった状態になる。しかも、
図において矢印を付したように、移動子20側の負の電
荷“−”が蓄積された単位領域は、固定子10側の1単
位領域分右側の位置の電極に与えられた正の電荷“+”
との間で吸引力を生じ、移動子20全体は図の右方へと
1単位領域分だけ動くことになる。図27は、このよう
な移動が完了した状態を示すものである(初期移動時
に、逆方向の左方へと動くこともあるが、やはり直ちに
正しい移動方向に反転する)。
【0048】さて、これまでの説明により、「+,−,
−,+,−,−,+,−,−,…」という周期的な極性
パターン(以下、周期的な繰り返し単位の部分だけを用
いて「(+,−,−)パターン」と呼ぶことにする)
を、固定子10側で右方にシフトさせることにより、正
の電荷のみを保持した移動子20も、負の電荷のみを保
持した移動子20も、いずれも右方へと駆動させること
ができることがわかった。逆に、この極性パターンを、
固定子10側で左方にシフトさせることにより、これら
の移動子20を左方へ駆動させることができることが容
易に理解できよう。図28は、この駆動動作の概念を示
す図である。図28(a) は、正の電荷のみを蓄積した移
動子(「+,0,0,+,0,0,…」という極性パタ
ーンをもった移動子)に対して、固定子側に(+,−,
−)パターンを与え、これを右方にシフトさせることに
より、移動子を右方に駆動させている状態を示してい
る。要するに、移動子側の電荷“+”が、固定子側の電
荷“−”を常に追いかけるような状態で、移動子が右方
へと進行することになる。図28(b) は、負の電荷のみ
を蓄積した移動子(「−,0,0,−,0,0,…」と
いう極性パターンをもった移動子)に対して、固定子側
に同じく(+,−,−)パターンを与え、これを右方に
シフトさせることにより、移動子を右方に駆動させてい
る状態を示している。この場合は、移動子側の電荷
“−”が、固定子側の電荷“+”を常に追いかけるよう
な状態で、移動子が右方へと進行することになる。
−,+,−,−,+,−,−,…」という周期的な極性
パターン(以下、周期的な繰り返し単位の部分だけを用
いて「(+,−,−)パターン」と呼ぶことにする)
を、固定子10側で右方にシフトさせることにより、正
の電荷のみを保持した移動子20も、負の電荷のみを保
持した移動子20も、いずれも右方へと駆動させること
ができることがわかった。逆に、この極性パターンを、
固定子10側で左方にシフトさせることにより、これら
の移動子20を左方へ駆動させることができることが容
易に理解できよう。図28は、この駆動動作の概念を示
す図である。図28(a) は、正の電荷のみを蓄積した移
動子(「+,0,0,+,0,0,…」という極性パタ
ーンをもった移動子)に対して、固定子側に(+,−,
−)パターンを与え、これを右方にシフトさせることに
より、移動子を右方に駆動させている状態を示してい
る。要するに、移動子側の電荷“+”が、固定子側の電
荷“−”を常に追いかけるような状態で、移動子が右方
へと進行することになる。図28(b) は、負の電荷のみ
を蓄積した移動子(「−,0,0,−,0,0,…」と
いう極性パターンをもった移動子)に対して、固定子側
に同じく(+,−,−)パターンを与え、これを右方に
シフトさせることにより、移動子を右方に駆動させてい
る状態を示している。この場合は、移動子側の電荷
“−”が、固定子側の電荷“+”を常に追いかけるよう
な状態で、移動子が右方へと進行することになる。
【0049】もっとも、単極性の移動子を駆動させるこ
とができる3相駆動信号の電極パターンは、これまでに
述べた(+,−,−)パターンだけではない。本願発明
者は、この他にも、(−,+,+)パターン、(+,
−,0)パターン、(−,+,0)パターンが存在する
ことを確認した。これら3種類の駆動パターンによる駆
動動作の概念図を、図29,図30,図31に示す。い
ずれも図(a) は、正の電荷のみを蓄積した移動子に適用
した場合を示し、図(b) は、負の電荷のみを蓄積した移
動子に適用した場合を示す。
とができる3相駆動信号の電極パターンは、これまでに
述べた(+,−,−)パターンだけではない。本願発明
者は、この他にも、(−,+,+)パターン、(+,
−,0)パターン、(−,+,0)パターンが存在する
ことを確認した。これら3種類の駆動パターンによる駆
動動作の概念図を、図29,図30,図31に示す。い
ずれも図(a) は、正の電荷のみを蓄積した移動子に適用
した場合を示し、図(b) は、負の電荷のみを蓄積した移
動子に適用した場合を示す。
【0050】また、上述の例では、移動子20側に蓄積
させておく単極性の極性パターンは、「+,0,0,
+,0,0,…」あるいは「−,0,0,−,0,0,
…」という3つの単位領域ごとに繰り返すパターンであ
ったが、「+,0,0,0,+,0,0,0,…」ある
いは「−,0,0,0,−,0,0,0,…」という4
つの単位領域ごとに繰り返すパターンを用いても、静電
アクチュエータとして駆動可能である(この場合、固定
子10側に与える駆動信号も、これに応じた信号にする
必要はある)。一般に、隣接するn個の単位領域のう
ち、第1の単位領域にいずれか一方の極性の電荷を保持
させ、第2〜第nの単位領域には電荷を保持させず、第
1〜第nのn個の単位領域を1周期として、単位領域の
とる状態分布を周期的に設定すれば、静電アクチュエー
タとして機能する単極性の移動子が実現できる。ただ
し、駆動効率の面では、n=3に設定した上述の実施例
が最も好ましい。
させておく単極性の極性パターンは、「+,0,0,
+,0,0,…」あるいは「−,0,0,−,0,0,
…」という3つの単位領域ごとに繰り返すパターンであ
ったが、「+,0,0,0,+,0,0,0,…」ある
いは「−,0,0,0,−,0,0,0,…」という4
つの単位領域ごとに繰り返すパターンを用いても、静電
アクチュエータとして駆動可能である(この場合、固定
子10側に与える駆動信号も、これに応じた信号にする
必要はある)。一般に、隣接するn個の単位領域のう
ち、第1の単位領域にいずれか一方の極性の電荷を保持
させ、第2〜第nの単位領域には電荷を保持させず、第
1〜第nのn個の単位領域を1周期として、単位領域の
とる状態分布を周期的に設定すれば、静電アクチュエー
タとして機能する単極性の移動子が実現できる。ただ
し、駆動効率の面では、n=3に設定した上述の実施例
が最も好ましい。
【0051】なお、駆動信号として与える極性パターン
は、たとえば、図16に示すような矩形波パターンとし
て与えることもできるが、正弦波状のパターンとして与
えることも可能である。
は、たとえば、図16に示すような矩形波パターンとし
て与えることもできるが、正弦波状のパターンとして与
えることも可能である。
【0052】§6. 対向電極を移動子側に形成する実
施例 これまでに述べてきた移動子20は、支持絶縁体層21
と電荷保持媒体層23とを積層した2層構造のものであ
ったが、これに更に導電層を追加して3層構造にするこ
とも可能である。このような導電層は、電荷蓄積装置で
用いる対向電極50の代用として利用することができ
る。以下に、このような利用態様を説明する。
施例 これまでに述べてきた移動子20は、支持絶縁体層21
と電荷保持媒体層23とを積層した2層構造のものであ
ったが、これに更に導電層を追加して3層構造にするこ
とも可能である。このような導電層は、電荷蓄積装置で
用いる対向電極50の代用として利用することができ
る。以下に、このような利用態様を説明する。
【0053】本発明に係る移動子を静電アクチュエータ
として用いる場合には、図6に示すような電荷蓄積装置
を用いて、電荷保持媒体層23に所定の静電パターンを
形成する必要があることは既に述べたとおりである。こ
の装置では、移動子20を電極基板30と対向電極50
との間に挟むようにして、分離放電を行っている。ここ
で、移動子20の上にのせた対向電極50の働きを考え
てみると、分離放電を行う上で、パターン電極32の対
向電極として機能するものであり、特に厚みが必要なも
のでもなく、電極として機能する導電層であればどのよ
うな層であってもかまわない。そこで、この対向電極5
0の代わりになる導電層を移動子20側に形成してしま
うことも可能である。すなわち、図6において、移動子
20を、電荷保持媒体層23、支持絶縁体層21、導電
層(対向電極50の代用)、という3層構造のものから
構成しておくのである。このような3層構造をもった移
動子20であっても、静電アクチュエータとして利用す
るのに何ら支障はない。
として用いる場合には、図6に示すような電荷蓄積装置
を用いて、電荷保持媒体層23に所定の静電パターンを
形成する必要があることは既に述べたとおりである。こ
の装置では、移動子20を電極基板30と対向電極50
との間に挟むようにして、分離放電を行っている。ここ
で、移動子20の上にのせた対向電極50の働きを考え
てみると、分離放電を行う上で、パターン電極32の対
向電極として機能するものであり、特に厚みが必要なも
のでもなく、電極として機能する導電層であればどのよ
うな層であってもかまわない。そこで、この対向電極5
0の代わりになる導電層を移動子20側に形成してしま
うことも可能である。すなわち、図6において、移動子
20を、電荷保持媒体層23、支持絶縁体層21、導電
層(対向電極50の代用)、という3層構造のものから
構成しておくのである。このような3層構造をもった移
動子20であっても、静電アクチュエータとして利用す
るのに何ら支障はない。
【0054】具体的には、このような3層構造の移動子
20としては、PET(ポリエチレン・テレフタレー
ト)やポリイミドフィルムの一方の面にアルミニウムな
どの金属を蒸着し、他方の面に後述するような電荷保持
媒体としての機能をもった弗素樹脂の層を形成したもの
を用いることができる。PETやポリイミドフィルムが
支持絶縁体層21として機能し、弗素樹脂層が電荷保持
媒体層23として機能し、アルミニウムなどの金属蒸着
層が移動子20側に形成された導電層(対向電極50の
代用)として機能する。この導電層は、分離放電時に対
向電極として機能することができればよいので、厚みは
数100nm程度あれば十分である。
20としては、PET(ポリエチレン・テレフタレー
ト)やポリイミドフィルムの一方の面にアルミニウムな
どの金属を蒸着し、他方の面に後述するような電荷保持
媒体としての機能をもった弗素樹脂の層を形成したもの
を用いることができる。PETやポリイミドフィルムが
支持絶縁体層21として機能し、弗素樹脂層が電荷保持
媒体層23として機能し、アルミニウムなどの金属蒸着
層が移動子20側に形成された導電層(対向電極50の
代用)として機能する。この導電層は、分離放電時に対
向電極として機能することができればよいので、厚みは
数100nm程度あれば十分である。
【0055】このような3層構造の移動子20に対して
静電パターンを形成するのであれば、電荷蓄積装置側に
は、対向電極50を用意しておく必要はなくなり構造が
簡単になる。もっとも、3層構造をもった移動子20を
用いる場合であっても、図6に示すように、電荷蓄積装
置側に対向電極50を用意しておいても勿論かまわな
い。この場合は、移動子20側の導電層上に対向電極5
0がのせられて、電気的に接触することになる。また、
移動子20側をより多くの層で構成することも可能であ
る。
静電パターンを形成するのであれば、電荷蓄積装置側に
は、対向電極50を用意しておく必要はなくなり構造が
簡単になる。もっとも、3層構造をもった移動子20を
用いる場合であっても、図6に示すように、電荷蓄積装
置側に対向電極50を用意しておいても勿論かまわな
い。この場合は、移動子20側の導電層上に対向電極5
0がのせられて、電気的に接触することになる。また、
移動子20側をより多くの層で構成することも可能であ
る。
【0056】§7. 電荷保持媒体として好ましい材料 最後に、本発明に係る静電アクチュエータ用移動子に利
用するための電荷保持媒体として好ましい材料を挙げて
おく。本願発明者の認識によれば、体積抵抗率が10
18Ω・cm以上の樹脂であれば、本発明における電荷
保持媒体として利用できると思われ、特に、体積抵抗率
が1018Ω・cm以上の環状構造を有する弗素重合体
を用いるのが好ましい。これらの重合体は、180℃程
度で加熱し乾燥させると固化するので、スピンコート法
や、バーコート法などの手法で、支持フィルム上に塗布
した後、加熱乾燥させれば、電荷保持媒体層を形成する
ことができる。
用するための電荷保持媒体として好ましい材料を挙げて
おく。本願発明者の認識によれば、体積抵抗率が10
18Ω・cm以上の樹脂であれば、本発明における電荷
保持媒体として利用できると思われ、特に、体積抵抗率
が1018Ω・cm以上の環状構造を有する弗素重合体
を用いるのが好ましい。これらの重合体は、180℃程
度で加熱し乾燥させると固化するので、スピンコート法
や、バーコート法などの手法で、支持フィルム上に塗布
した後、加熱乾燥させれば、電荷保持媒体層を形成する
ことができる。
【0057】以下に、より具体的な材料名を挙げてお
く。 (1) ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 以下
に化学式を記す。
く。 (1) ポリテトラフルオロエチレン(PTFE) 以下
に化学式を記す。
【0058】
【化1】 (2) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)以下に化学式を記す。
レン共重合体(FEP)以下に化学式を記す。
【0059】
【化2】 (3) テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)共重合体(PFA) 以下に化学式
を記す。
ルビニルエーテル)共重合体(PFA) 以下に化学式
を記す。
【0060】
【化3】 (4) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン−パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)三元共
重合体(EPE) 以下に化学式を記す。
レン−パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)三元共
重合体(EPE) 以下に化学式を記す。
【0061】
【化4】 (5) 一般式
【0062】
【化5】 および/または
【0063】
【化6】 で表される環構造の繰り返し単位の群(a)から本質的
になり、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子
量を有する含弗素熱可塑性樹脂状重合体 (6) 上述の(5) に示した重合体において、繰り返し単
位の群(a)がパーフルオロアリルビニルエーテルおよ
び/またはパーフルオロブテニルビニルエーテルから誘
導されるもの (7) 一般式
になり、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子
量を有する含弗素熱可塑性樹脂状重合体 (6) 上述の(5) に示した重合体において、繰り返し単
位の群(a)がパーフルオロアリルビニルエーテルおよ
び/またはパーフルオロブテニルビニルエーテルから誘
導されるもの (7) 一般式
【0064】
【化7】 および/または
【0065】
【化8】 で表される環構造の繰り返し単位の群(a)と、一般式
【0066】
【化9】 で表される繰り返し単位の群(b)から本質的になり、
少なくとも80重量%の繰り返し単位の群(a)を含
み、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子量を
有する含弗素熱可塑性樹脂状重合体 (8) 上述の(7) に示した重合体において、繰り返し単
位の群(a)がパーフルオロアリルビニルエーテルおよ
び/またはパーフルオロブテニルビニルエーテルから誘
導されるもの (9) 上述の(7) あるいは(8) に示した重合体におい
て、繰り返し単位の群(b)が、一般式
少なくとも80重量%の繰り返し単位の群(a)を含
み、固有粘度が少なくとも0.1であるような分子量を
有する含弗素熱可塑性樹脂状重合体 (8) 上述の(7) に示した重合体において、繰り返し単
位の群(a)がパーフルオロアリルビニルエーテルおよ
び/またはパーフルオロブテニルビニルエーテルから誘
導されるもの (9) 上述の(7) あるいは(8) に示した重合体におい
て、繰り返し単位の群(b)が、一般式
【0067】
【化10】 で表されるコモノマーから誘導される重合体
【0068】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、電荷保持
媒体を静電アクチュエータ用の移動子として利用するよ
うにしたため、移動子側に電荷を保持させておくことが
でき、初期駆動時の充電時間τや駆動中の再充電が不要
になり、非常に効率的な駆動が可能になる。
媒体を静電アクチュエータ用の移動子として利用するよ
うにしたため、移動子側に電荷を保持させておくことが
でき、初期駆動時の充電時間τや駆動中の再充電が不要
になり、非常に効率的な駆動が可能になる。
【図1】従来の一般的な静電アクチュエータを示す斜視
図である。
図である。
【図2】図1に示す静電アクチュエータの駆動動作を説
明するための断面図である。
明するための断面図である。
【図3】図2に示す静電アクチュエータを駆動する場合
の初期段階の状態を説明する断面図である。
の初期段階の状態を説明する断面図である。
【図4】図3に示す状態から、駆動信号を次の段階へ進
めた状態を説明する断面図である。
めた状態を説明する断面図である。
【図5】図4に示す状態において、移動子が1段階だけ
移動した状態を説明する断面図である。
移動した状態を説明する断面図である。
【図6】本発明に係る移動子20に電荷を蓄積させるた
めの電荷蓄積装置の構成を示す分解斜視図である。
めの電荷蓄積装置の構成を示す分解斜視図である。
【図7】図6に示す電荷蓄積装置を動作させる状態を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図8】図6に示す電荷蓄積装置の動作状態を示す断面
図である。
図である。
【図9】図6に示す電荷蓄積装置の基板31の上面図で
ある。
ある。
【図10】図6に示す電荷蓄積装置により、電荷保持媒
体層23に所望の電荷蓄積を完了した状態を示す断面図
である。
体層23に所望の電荷蓄積を完了した状態を示す断面図
である。
【図11】本発明に係る双極性移動子を用いた静電アク
チュエータの駆動動作を説明するための断面図である。
チュエータの駆動動作を説明するための断面図である。
【図12】図11に示す静電アクチュエータを駆動する
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
【図13】図12に示す状態から、駆動信号を次の段階
へ進めた状態を説明する断面図である。
へ進めた状態を説明する断面図である。
【図14】図13に示す状態から、移動子が右方へと移
動し始めた状態を説明する断面図である。
動し始めた状態を説明する断面図である。
【図15】図13に示す状態において、移動子が1段階
だけ移動した状態を説明する断面図である。
だけ移動した状態を説明する断面図である。
【図16】本発明に係る双極性移動子を用いた静電アク
チュエータの駆動動作に必要な3相の駆動信号の波形図
である。
チュエータの駆動動作に必要な3相の駆動信号の波形図
である。
【図17】本発明に係る正の電荷のみを保持した単極性
移動子を用いた静電アクチュエータの駆動動作を説明す
るための断面図である。
移動子を用いた静電アクチュエータの駆動動作を説明す
るための断面図である。
【図18】図17に示す静電アクチュエータを駆動する
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
【図19】図18に示す状態から、移動子が1段階だけ
移動した状態を説明する断面図である。
移動した状態を説明する断面図である。
【図20】図19に示す状態から、駆動信号を次の段階
へ進めた状態を説明する断面図である。
へ進めた状態を説明する断面図である。
【図21】単極性移動子を用いた静電アクチュエータの
初期移動時の移動方向が決定される要因を説明する断面
図である。
初期移動時の移動方向が決定される要因を説明する断面
図である。
【図22】単極性移動子を用いた静電アクチュエータの
初期移動時に、意図した方向とは逆方向に移動子が移動
した状態を説明する断面図である。
初期移動時に、意図した方向とは逆方向に移動子が移動
した状態を説明する断面図である。
【図23】単極性移動子を用いた静電アクチュエータの
初期移動時に、意図した方向とは逆方向に移動した移動
子が、反転した正しい移動方向に移動することを説明す
る断面図である。
初期移動時に、意図した方向とは逆方向に移動した移動
子が、反転した正しい移動方向に移動することを説明す
る断面図である。
【図24】本発明に係る負の電荷のみを保持した単極性
移動子を用いた静電アクチュエータの駆動動作を説明す
るための断面図である。
移動子を用いた静電アクチュエータの駆動動作を説明す
るための断面図である。
【図25】図24に示す静電アクチュエータを駆動する
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
場合の初期段階の状態を説明する断面図である。
【図26】図25に示す状態から、駆動信号を次の段階
へ進めた状態を説明する断面図である。
へ進めた状態を説明する断面図である。
【図27】図26に示す状態から、移動子が1段階だけ
移動した状態を説明する断面図である。
移動した状態を説明する断面図である。
【図28】本発明に係る移動子に対して、固定子側に
(+,−,−)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
(+,−,−)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
【図29】本発明に係る移動子に対して、固定子側に
(−,+,+)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
(−,+,+)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
【図30】本発明に係る移動子に対して、固定子側に
(+,−,0)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
(+,−,0)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
【図31】本発明に係る移動子に対して、固定子側に
(−,+,0)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
(−,+,0)なる極性パターンを与え、このパターン
を右方にシフトさせることにより、移動子を右方に駆動
させる駆動動作を示す概念図である。
10…固定子 11〜18…電極 20…移動子 21…支持絶縁体層 22…電荷誘導体層 23…電荷保持媒体層 30…電極基板 31…基板 32…パターン電極 40…枠体 50…対向電極
Claims (7)
- 【請求項1】 所定ピッチで配置された複数の電極を有
する固定子とともに用いることにより静電アクチュエー
タを構成する静電アクチュエータ用移動子であって、 体積抵抗率が1018Ω・cm以上の樹脂からなる電荷
保持媒体層を有し、この電荷保持媒体体層に、前記ピッ
チと同じピッチで複数の単位領域が定義され、各単位領
域は、正の電荷を保持した状態、負の電荷を保持した状
態、いずれの電荷も保持しない状態、なる3つの状態群
の中から選ばれた1つの状態をとり、かつ、単位領域の
とる状態分布が周期的な分布となっていることを特徴と
する静電アクチュエータ用移動子。 - 【請求項2】 請求項1に記載の静電アクチュエータ用
移動子において、 電荷保持媒体層として、体積抵抗率が1018Ω・cm
以上の環状構造を有する弗素重合体を用いたことを特徴
とする静電アクチュエータ用移動子。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の静電アクチュ
エータ用移動子において、 隣接する3つの単位領域における状態分布を1周期とし
て、単位領域のとる状態分布が周期的になるようにした
ことを特徴とする静電アクチュエータ用移動子。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の静電アクチュ
エータ用移動子において、 保持させる電荷の極性を正または負のいずれか一方の極
性だけに定め、隣接するn個の単位領域のうち、第1の
単位領域には前記一方の極性の電荷を保持させ、第2の
単位領域〜第nの単位領域には、電荷を保持させず、前
記n個の単位領域を1周期として、単位領域のとる状態
分布が周期的になるようにしたことを特徴とする静電ア
クチュエータ用移動子。 - 【請求項5】 請求項4に記載の静電アクチュエータ用
移動子において、 n=3に設定したことを特徴とする静電アクチュエータ
用移動子。 - 【請求項6】 請求項5に記載の静電アクチュエータ用
移動子の駆動方法であって、 固定子に配置された第(i+1)番目(ただし、iは
0,1,2,…)の電極には第1の駆動信号を与え、第
(i+2)番目の電極には第2の駆動信号を与え、第
(i+3)番目の電極には第3の駆動信号を与え、 正の極性または負の極性のいずれか一方を第1の極性、
他方を第2の極性と定義し、 前記3つの駆動信号のいずれもが、第1の極性状態、第
2の極性状態、第2の極性状態、なる3つの単位時間ご
との状態をこの順に周期的にとる信号になるようにし、
かつ、それぞれ位相の異なる信号になるようにすること
を特徴とする静電アクチュエータ用移動子の駆動方法。 - 【請求項7】 請求項5に記載の静電アクチュエータ用
移動子の駆動方法であって、 固定子に配置された第(i+1)番目(ただし、iは
0,1,2,…)の電極には第1の駆動信号を与え、第
(i+2)番目の電極には第2の駆動信号を与え、第
(i+3)番目の電極には第3の駆動信号を与え、 正の極性または負の極性のいずれか一方を第1の極性、
他方を第2の極性と定義し、 前記3つの駆動信号のいずれもが、第1の極性状態、第
2の極性状態、接地状態、なる3つの単位時間ごとの状
態をこの順に周期的にとる信号になるようにし、かつ、
それぞれ位相の異なる信号になるようにすることを特徴
とする静電アクチュエータ用移動子の駆動方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17324494A JPH0819271A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | 静電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17324494A JPH0819271A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | 静電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0819271A true JPH0819271A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15956839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17324494A Pending JPH0819271A (ja) | 1994-07-01 | 1994-07-01 | 静電アクチュエータ用移動子およびその駆動方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0819271A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1048275A2 (en) | 1999-04-28 | 2000-11-02 | MLC Limited Company | Apparatus for intubation of lacrimal duct |
| JP2009536015A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-10-01 | コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 静電アクチュエータ |
-
1994
- 1994-07-01 JP JP17324494A patent/JPH0819271A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1048275A2 (en) | 1999-04-28 | 2000-11-02 | MLC Limited Company | Apparatus for intubation of lacrimal duct |
| JP2009536015A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-10-01 | コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 静電アクチュエータ |
| JP4864141B2 (ja) * | 2007-06-22 | 2012-02-01 | コリア アドバンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー | 静電アクチュエータ |
| US8120451B2 (en) | 2007-06-22 | 2012-02-21 | Korea Advanced Institute Of Science And Technology | Electrostatic actuator |
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