JPH0819637B2 - 水離解性防湿紙 - Google Patents

水離解性防湿紙

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JPH0819637B2
JPH0819637B2 JP3069050A JP6905091A JPH0819637B2 JP H0819637 B2 JPH0819637 B2 JP H0819637B2 JP 3069050 A JP3069050 A JP 3069050A JP 6905091 A JP6905091 A JP 6905091A JP H0819637 B2 JPH0819637 B2 JP H0819637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防湿紙に関し、特に水離
解性のある防湿紙に関する。
【0002】
【従来技術】防湿紙としては、古くは、ターポリン紙や
ワックス紙が知られているが、近年においては高分子フ
ィルムを被覆した所謂ポリラミネート紙が広く使用され
ている。この場合に形成される高分子フィルムとして
は、塩化ビニリデン、SBR、及びポリエチレン等のポ
リオレフィンフィルム等が知られている。
【0003】一方、近年においては、省資源、公害防止
及び地球環境保全の観点から、故紙の再利用が重要な課
題となるに至った。しかしながら上記の防湿紙は、何れ
のものも離解性が十分でないために、実質的に再利用が
不可能である上、焼却処理する場合には黒煙を出した
り、燃焼熱が大きくなり過ぎて焼却炉を破損する等の欠
点があった。
【0004】係る欠点を解決し、高性能の防湿防水性を
維持すると共に、故紙回収も容易な防湿防水性紙を製造
する方法、即ち、重合体鎖中のタジエン単位が主とし
て1,4結合からなるメチルメタクリレート−タジエ
ン系共重合体を必須成分とする合成ゴム系ラテツクス固
形分100重量部に対してワツクス系エマルジヨン固形
分5〜200重量部を配合してなる水性エマルジョン
を、常法により原紙表面上に塗布し、該ワツクスの融点
又はそれ以上の温度で乾燥することを特徴とする故紙の
回収容易な防湿、防水性紙の製造法が提案されている
(特公昭55−22597号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この方法によって製造
される防湿・防水紙は故紙として回収することができる
優れたものであるが、尚、防湿・防水性の点で十分でな
い上、特に包装紙として使用する場合における最近の新
たな要求であるヒートシール性に対しては、シール温度
が約130℃という高温を必要とするという欠点があっ
た。
【0006】本発明者等は、従来の上記欠点を解決すべ
く鋭意検討した結果、クラフト紙又は上質紙等の紙の表
面に、少なくとも一定の範囲の共重合比率を有するスチ
レン・(メタ)アクリル酸共重合体エマルジョンとワッ
クスエマルジョンとを含有する塗布液を塗布することに
より水離解性の高分子フィルム膜を設けた場合には、従
来以上に防湿・防水性を良好なものとすることができる
と共に、ヒートシール性にも優れるうえ、古紙として回
収可能な水離解性のある防湿紙とすることができること
を見出し本発明に到達した。
【0007】従って本発明の目的は、防湿・防水性のみ
ならずヒートシール性にも優れると共に、故紙として回
収可能な水離解性のある防湿紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
紙の表面に、少なくとも、スチレンと(メタ)アクリル
酸の共重合比率が10:90〜60:40のスチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体、及び融点が140℃以下
のワックスのエマルジョンを、前記共重合体の固形分1
00重量部に対し、ワックスを固形分で30〜60重量
部となるように含有せしめた塗液を塗布・乾燥し、前記
紙の表面に水離解性のフィルム膜を設けてなることを特
徴とする水離解性防湿紙によって達成された。
【0009】本発明で使用する紙としては、クラフト紙
又は上質紙を使用することが好ましい。これらのクラフ
ト紙又は上質紙については当業者において周知である。
【0010】本発明で使用するスチレン・(メタ)アク
リル酸共重合物の共重合比率は、水離解性及び防湿性の
観点から、スチレン:(メタ)アクリル酸=10:90
〜60:40とする。防湿性に関しては、後述するワッ
クスエマルジョンの添加により調整することができるの
で、前記共重合比の特に好ましい範囲は30:70〜5
0:50である。
【0011】又、フィルム成形性の観点からスチレン
・(メタ)アクリル酸共重合物の分子量は30万〜12
0万であることが好ましく、特に50万〜100万であ
ることが好ましい。
【0012】本発明で使用することのできるスチレン・
(メタ)アクリル酸共重合物としては、例えば、ニュー
コートS−1380、同1300、同1260、同12
40(何れも新中村化学株式会社製の商品名)、ボンコ
ート5450及びボンコートU−48(何れも大日本イ
ンキ株式会社製の商品名)等を挙げることができる。
【0013】本発明で使用することのできるワックスエ
マルジョンは、パラフィン系ワックスエマルジョン、ポ
リエチレン系ワックスエマルジョン等の公知のワックス
エマルジョンの中から融点が140℃以下のものを適宜
選択することができるが、特にパラフィン系ワックスエ
マルジョンは撥水性が大きく透湿度の調整に好適である
上、安価であるので好ましい。
【0014】上記ワックスエマルジョンの使用量は、ス
チレン・(メタ)アクリル酸共重合体の固型分100重
量部に対して、固形分で30〜60重量部とすることが
好ましい。30重量部より少ないと、ワックスエマルジ
ョンの添加によって最終製品である防湿紙の透湿度を調
整するという効果を得ることができない。一方、60重
量部より多いと、防湿紙の表面に設けられるフイルム膜
の成膜性が悪くなる。
【0015】本発明における上記スチレン・(メタ)ア
クリル酸共重合体とワックスエマルジョンを含有する塗
液の調整は、公知の方法によって適宜行うことができる
が、経済性や作業環境等の観点から、前記共重合体のエ
マルジョンとワックスのエマルジョンを夫々公知の方法
に従って別々に調整し、次いで両者を、共重合体とワッ
クスの夫々の固型分比率が前者100重量部に対して後
者が30〜60重量部となる如く混合することが好まし
い。
【0016】本発明においては、上記塗液中に、必要に
応じて、更にポリオレフィン、PVA、カゼイン等の水
溶性結合剤、増粘剤、増強剤、保水剤、消泡剤等を適宜
添加することができる。これ等の添加剤は、塗布量とし
て0.5g〜2g/m2 となるように添加することが好
ましいが、特に重合度が500〜1800のPVAを前
記共重合体100重量部に対して1.5〜50重量部添
加することが好ましい。
【0017】上記塗液の紙への塗工量は、防湿性付与の
観点から、乾燥後において5〜25g/m2 とすること
が好ましく、特に10〜20g/m2 とすることが好ま
しい。又、ヒートシール性をも十分とする上からも、1
0g/m2 〜20g/m2 とすることが好ましい。乾燥
温度は特に制限されるものではないが、使用するワック
スの融点又は、それ以上の温度とすることが好ましい。
一般に、70℃〜160℃で乾燥すれば十分である。
【0018】又、本発明においては、上記の防湿コート
層を基紙の両面に塗布しても、或いは防湿剤コート層と
は反対の基紙表面に、防滑性やカール防止等を目的とし
て、防滑剤等を含有するPVAやコロイダルシリカ等の
公知の材料を用いてバックコート層を形成させても良
い。
【0019】上記の如くして、基紙表面に形成された防
湿コート層は、樹脂膜中に非相溶性のワックスを分散し
ている上、樹脂が水離解性であるので、本発明の防湿紙
を故紙として回収して処理する場合の離解性が極めて良
好である。
【0020】又、ワックスの添加量によって水透過性を
制御することができることはもとより、樹脂が水離解
であるので、塗布厚みによっても水透過性を制御するこ
とができ、透湿度をポリエチレンラミネート紙と同等に
することも容易である。
【0021】又、ポリエチレンラミネート紙より耐熱性
がある一方、ヒートシール性も約80℃で十分であり、
本発明の防湿紙をヒートシールして袋やカップにするこ
ともできる、
【0022】更に、使用する薬品は、FDA(FOOD AND
DRUG ADMINISTRATION)認可物使用薬品の中から容易に
選択することができるので、食品の包装材として使用す
ることができる上、自然環境下で水や光の作用によって
消滅するので、公害の発生源にならない。
【0023】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、故
紙として回収し再利用することができるにもかかわら
ず、防湿が十分である上ヒートシール性も良いので、使
用範囲を従来より大幅に拡大することができる。特にF
DA認可物使用薬品を使用することにより、食品の包装
材として好適なものとすることができるのみならず、ダ
イナマイトの包装紙等の如く、事実上回収不可能な用途
に使用して、公害の発生防止に寄与することもできる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0025】
【実施例1】ニューコートS−1300(新中村化学株
式会社製:スチレン−アクリル系乳白色エマルジョンの
商品名)を固形分が100重量部となる量及び、融点6
0℃のパラフィンワックスとしてプルニット101Z
(乳白色エマルジョン)(新中村化学株式会社製の商品
名)を固形分が50重量部となる量秤量し、常法に従っ
て混合して25℃における粘度が50Cp〜100Cp
となるように塗布液を調整した。
【0026】得られた塗液を75g/m2 のクラフト紙
にマイヤーバーで塗布し、120℃で40秒乾燥した。
塗布量は乾燥後で12.4g/m2 であった。上記の如
くして得られた防湿紙についてJISZ0208に基づ
く透湿度試験を行った結果、24時間後で44.0g/
2 であった。
【0027】次に家庭用小型ミキサー(内容量1.2リ
ットル、回転数11,000rpm)を用いて、常温の
水道水に、本実施例で得られた上記防湿紙を、パルプ濃
度が1重量%となる量を加えて3分間攪拌したところ浮
遊物は殆ど観測されなかった。このことは、本発明の防
湿紙が優れた離解性を有し、故紙として回収し、再生す
るのに適していることを実証するものである。
【0028】又、東洋テスター株式会社製のシーラーを
用いて、プレス圧を0.5kg/cm2 とした場合に、
完全シールするための加熱条件を調べたところ、80℃
で2秒の加熱が必要であった。
【0029】
【実施例2】実施例1の塗布量12.4gを14.2g
とした他は実施例1と全く同様にして防湿紙を作製し
た。得られた防湿紙の透湿度は、24時間後で37.8
g/m2 であり、離解性は実施例1の場合と全く同様で
あり良好であった。
【0030】この結果から、塗布量を変更することによ
って、離解性に悪影響を及ぼすことなく、透湿度を調整
することができることが実証された。又、完全シールの
ための加熱は、実施例1の場合と同様に80℃で2秒必
要であった。
【0031】
【実施例3】実施例1で使用したニューコートS−13
00の代わりにニューコートS−3300(新中村化学
株式会社製スチレン−アクリル系エマルジョン)を使用
し、乾燥後の塗布量を14.1g/mとした他は全く
実施例1と同様にして防湿紙を作製した。得られた防湿
紙について実施例1と同様にして透湿度及び離解性を評
価したところ、24時間後の透湿度は37.7g/m
であり、離解性は良好であった。又、完全シールのため
の加熱は、80℃で2秒必要であった。
【0032】
【実施例4】パラフィンワックスとして、プルニット1
01Zの代わりに融点60℃のパラフィンワックス32
重量部と、酢酸ビニル含有率28%のエチレン酢酸ビ
ニル共重合体8重量部を含有するパラフィンワックスエ
マルジョンを使用し、乾燥後の塗布量を13.5g/m
とした他は実施例と全く同様にして作製した防湿紙
について、同様に透湿度及び離解性を評価した。24時
間後の透湿度は57.7g/mであり、離解性は良好
であった。完全シールのための加熱は80℃、1秒で十
分であった。
【0033】
【実施例5】実施例で使用したニューコートS−33
00のかわりにニューコートS−1240(新中村化学
株式会社製スチレン−アクリル系エマルジョン)を使用
した他は全く実施例と同様にした。尚、乾燥後の塗布
量は15.7g/mとした。
【0034】得られた防湿紙の透湿度は、24時間後で
62.2g/mであり、離解性は良好であった。又、
完全シールのための加熱は、80℃、1秒で十分であっ
た。
【0035】
【比較例1】ポリエチレンをラミネートした市販のポリ
クラフト紙について、実施例1と同様にして透湿度及び
離解性の測定を行った。透湿度は、24時間後、16.
0μmのポリエチレンをラミネートしたポリクラフト紙
の場合(比1−1)で35.7g/m 、20.1μm
のポリエチレンをラミネートしたポリクラフト紙(比1
−2)で26.6g/m であったが、離解テストでは
浮遊物が認められ離解性不良であることが確認された。
【0036】又、東洋テスター株式会社製のシーラーを
用いて、プレス圧を0.5kg/cmとした場合の完
全シール条件を調べたところ、130℃で4秒の加熱が
必要であった。
【0037】
【実施例6】実施例1で使用した75g/mのクラフ
ト紙の代わりに82.4g/mの上質紙を使用した他
は実施例1と全く同様にして防湿紙を作製し、その性能
を評価したところ、24時間後の透湿度は39.0g/
と実施例1より更に良好であり、離解性及びヒート
シール性は実施例1の場合と同等であった。
【0038】
【比較例2】特公昭55−22597号の実施品に相当
する、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体とパ
ラフィンワックスから成る塗工層を有する市販品につい
て、実施例1と同様に各種の性能評価を行ったところ、
離解性については良好であったものの、24時間後の透
湿度は128.0g/mである上、完全シールに要す
る熱量は130℃・4秒であり、何れも本発明の防湿紙
より劣ることが確認された。
【0039】
【実施例7】ニューコートS−1300を100重量部
使用する代わりに、ニューコートS−1300を固形分
で90重量部とポリビニルアルコール(PVA105:
クラレ株式会社製商品名)10重量部を用いた他は全
く実施例1と同様にして防湿紙を作製し、透湿度を測定
したところ、24時間後の透湿度は38.3g/m
あり、実施例1の場合より更に透湿度が改善された。
【0040】
【実施例8】実施例2、実施例3、実施例5及び比較例
2の防湿紙について、次の折り目テストを行った結果を
表1に示した。 折り目テスト:試料の防湿紙を、表から十文字に折った
後2kgの被覆ローラーを用いて1回掛けし、次いで裏
側から折り返して、再度前記被覆ローラーで1回掛けし
て、折り目のついた試料を作製した。得られた各試料か
ら、十文字の折れ目部分を中心にしてサンプリングし、
24時間後の透湿度を測定した。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から明らかな如く、本発明で得
られる防湿紙は、従来品に比べて著しく折り目に対して
強いことが判明した。以上の実施例及び比較例の結果は
表2のようにまとめられる。
【0043】
【表2】
【0044】
【0045】
【0046】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の表面に、少なくとも、スチレンと
    (メタ)アクリル酸の共重合比率が10:90〜60:
    40のスチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、及び融
    点が140℃以下のワックスのエマルジョンを、前記共
    重合体の固形分100重量部に対し、ワックスを固形分
    で30〜60重量部となるように含有せしめた塗液を塗
    布・乾燥し、前記紙の表面に水離解性のフィルム膜を設
    てなることを特徴とする水離解性防湿紙。
  2. 【請求項2】 塗液中に、更に、重合度が500〜1,
    800のポリビニルアルコールを1.5〜50重量部含
    有せしめた請求項1に記載の水離解性防湿紙。
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