JPH0819860A - 構造用鋼回し溶接継手の溶接方法 - Google Patents
構造用鋼回し溶接継手の溶接方法Info
- Publication number
- JPH0819860A JPH0819860A JP18515394A JP18515394A JPH0819860A JP H0819860 A JPH0819860 A JP H0819860A JP 18515394 A JP18515394 A JP 18515394A JP 18515394 A JP18515394 A JP 18515394A JP H0819860 A JPH0819860 A JP H0819860A
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- JP
- Japan
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- welding
- joint
- fillet
- welded
- fatigue strength
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回し溶接継手の疲労強度向上策において特別
な止端処理を必要とすることなく、継手疲労強度向上を
安定して得る。 【構成】 主板にリブ板を隅肉溶接した後に角回し溶接
部を溶接する方法において、角回し溶接部の前まで隅肉
溶接を行い、室温まで冷却した後、角回し溶接部を(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)よりも(2×隅肉溶接脚
長)以上長くなるように溶接する。 【効果】 溶接残留応力および応力集中が低減され、継
手疲労強度が向上する。
な止端処理を必要とすることなく、継手疲労強度向上を
安定して得る。 【構成】 主板にリブ板を隅肉溶接した後に角回し溶接
部を溶接する方法において、角回し溶接部の前まで隅肉
溶接を行い、室温まで冷却した後、角回し溶接部を(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)よりも(2×隅肉溶接脚
長)以上長くなるように溶接する。 【効果】 溶接残留応力および応力集中が低減され、継
手疲労強度が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶、海洋構造物、鉄
塔等の建造に多数用いられる回し溶接継手の疲労強度を
向上させる溶接方法にかかわるものである。
塔等の建造に多数用いられる回し溶接継手の疲労強度を
向上させる溶接方法にかかわるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に構造用鋼板母材の疲労強度は母材
強度の増加につれて増加するが、溶接された継手の疲労
強度(以下、継手疲労強度という)は母材強度を上昇さ
せても向上しないことが通説となっていた。したがって
構造用高張力鋼の継手疲労強度は低強度鋼のそれとほぼ
同じであり、疲労破壊が問題となる構造物では、高張力
鋼を用いても設計強度を上げることができず、止端処理
と呼ばれる改善処理により高張力鋼の継手疲労強度を確
保する方法が研究されてきた。
強度の増加につれて増加するが、溶接された継手の疲労
強度(以下、継手疲労強度という)は母材強度を上昇さ
せても向上しないことが通説となっていた。したがって
構造用高張力鋼の継手疲労強度は低強度鋼のそれとほぼ
同じであり、疲労破壊が問題となる構造物では、高張力
鋼を用いても設計強度を上げることができず、止端処理
と呼ばれる改善処理により高張力鋼の継手疲労強度を確
保する方法が研究されてきた。
【0003】例えば、止端形状を滑らかにして亀裂の発
生する止端の応力集中を低減する方法としては、グライ
ンダー等の研削工具によって止端を研削して止端半径を
大きくする方法があり、特開平2−152771号で
は、砥粒を混入した高圧水を吹き付ける方法が提案され
ている。本発明者の一部も特開平5−69128号にお
いてロータリーカッターを用いて特定位置を研削するこ
とにより継手疲労強度の向上を提案した。同様に応力集
中の低減を目的としたものでは、TIG溶接等の溶融方
法によって止端を再溶融して止端形状を滑らかにする方
法が提案されており、例えば特公昭54−30386号
ではプラズマを、特開昭59−110490号ではTI
Gアークを溶融熱源として用いている。
生する止端の応力集中を低減する方法としては、グライ
ンダー等の研削工具によって止端を研削して止端半径を
大きくする方法があり、特開平2−152771号で
は、砥粒を混入した高圧水を吹き付ける方法が提案され
ている。本発明者の一部も特開平5−69128号にお
いてロータリーカッターを用いて特定位置を研削するこ
とにより継手疲労強度の向上を提案した。同様に応力集
中の低減を目的としたものでは、TIG溶接等の溶融方
法によって止端を再溶融して止端形状を滑らかにする方
法が提案されており、例えば特公昭54−30386号
ではプラズマを、特開昭59−110490号ではTI
Gアークを溶融熱源として用いている。
【0004】また、止端には一般に引張の溶接残留応力
が存在することから、溶接残留応力の低減を目的とし
て、ショットピーニング、ハンマーピーニング等によっ
て止端を打撃し、止端に圧縮残留応力を発生させる方法
(例えば特開平4−21717号公報)がある。さらに
最近では、止端形状を滑らかにして継手疲労強度を向上
させる溶接ワイヤもCAMP−ISIJ,vol.6
(1993)により提案されている。
が存在することから、溶接残留応力の低減を目的とし
て、ショットピーニング、ハンマーピーニング等によっ
て止端を打撃し、止端に圧縮残留応力を発生させる方法
(例えば特開平4−21717号公報)がある。さらに
最近では、止端形状を滑らかにして継手疲労強度を向上
させる溶接ワイヤもCAMP−ISIJ,vol.6
(1993)により提案されている。
【0005】回し溶接は、例えば日本造船学会論文集、
第171号、p.623に記載されているように、船舶
の縦通肋骨材で用いられている溶接形態であり、この溶
接止端は溶接残留応力が高く、用いられる構造用鋼の降
伏強度まで上昇している。またリブ板による構造的応力
集中と、回し溶接止端での局部的応力集中が重量して大
きな応力集中となるため、突合せ溶接継手や十字溶接継
手よりも疲労強度が低い継手であることから、簡便かつ
効果的な疲労強度向上策が望まれている。
第171号、p.623に記載されているように、船舶
の縦通肋骨材で用いられている溶接形態であり、この溶
接止端は溶接残留応力が高く、用いられる構造用鋼の降
伏強度まで上昇している。またリブ板による構造的応力
集中と、回し溶接止端での局部的応力集中が重量して大
きな応力集中となるため、突合せ溶接継手や十字溶接継
手よりも疲労強度が低い継手であることから、簡便かつ
効果的な疲労強度向上策が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、溶接構造物を
考えた場合、上述の止端処理方法はいずれも膨大な作業
が必要である。例えば止端を機械的に研削する方法で
は、切削工具を作業者が保持して研削するため作業能率
は格段に低く、作業時間当たりの処理溶接長は短い。さ
らに、疲労強度向上度は一定ではなく、研削する位置や
程度により大きく依存する。また、TIG溶接などの熱
源による再溶融方法においては、疲労強度向上度は再溶
融させる位置のみならず、入熱など溶接条件にも大きく
依存し、さらにこれらを一定条件で溶融した場合にも溶
融金属の流動状態により止端形状が大きくばらつくた
め、安定した形状改良効果を得ることは難しい。溶接残
留応力を低減させる方法では、たとえばショットピーニ
ングは大型構造物には適用不能であり、ハンマーピーニ
ングは上述の機械的研削による方法と同様の問題があ
る。さらに止端を滑らかにする溶接ワイヤは、ワイヤの
値段に対する継手疲労強度向上効果が不明である。
考えた場合、上述の止端処理方法はいずれも膨大な作業
が必要である。例えば止端を機械的に研削する方法で
は、切削工具を作業者が保持して研削するため作業能率
は格段に低く、作業時間当たりの処理溶接長は短い。さ
らに、疲労強度向上度は一定ではなく、研削する位置や
程度により大きく依存する。また、TIG溶接などの熱
源による再溶融方法においては、疲労強度向上度は再溶
融させる位置のみならず、入熱など溶接条件にも大きく
依存し、さらにこれらを一定条件で溶融した場合にも溶
融金属の流動状態により止端形状が大きくばらつくた
め、安定した形状改良効果を得ることは難しい。溶接残
留応力を低減させる方法では、たとえばショットピーニ
ングは大型構造物には適用不能であり、ハンマーピーニ
ングは上述の機械的研削による方法と同様の問題があ
る。さらに止端を滑らかにする溶接ワイヤは、ワイヤの
値段に対する継手疲労強度向上効果が不明である。
【0007】本発明の目的は、回し溶接継手の疲労強度
向上策において特別な止端処理を必要とすることなく、
継手疲労強度向上を安定して得ようとするものである。
向上策において特別な止端処理を必要とすることなく、
継手疲労強度向上を安定して得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、回し溶接継手の溶接施工のさいに角回し溶
接部の前までの隅肉溶接を行ったのち室温まで冷却し、
その後角回し溶接部が長くなるように溶接することで、
継手疲労強度の向上を狙ったものである。すなわち、本
発明の要旨とするところは、主板にリブ板を隅肉溶接し
た後に角回し溶接部を溶接する方法において、角回し溶
接部の前まで隅肉溶接を行い、室温まで冷却した後、角
回し溶接部を(リブ板厚+2×隅肉溶接脚長)よりも
(2×隅肉溶接脚長)以上長くなるように溶接すること
を特徴とする構造用鋼回し溶接継手の溶接方法にある。
に本発明は、回し溶接継手の溶接施工のさいに角回し溶
接部の前までの隅肉溶接を行ったのち室温まで冷却し、
その後角回し溶接部が長くなるように溶接することで、
継手疲労強度の向上を狙ったものである。すなわち、本
発明の要旨とするところは、主板にリブ板を隅肉溶接し
た後に角回し溶接部を溶接する方法において、角回し溶
接部の前まで隅肉溶接を行い、室温まで冷却した後、角
回し溶接部を(リブ板厚+2×隅肉溶接脚長)よりも
(2×隅肉溶接脚長)以上長くなるように溶接すること
を特徴とする構造用鋼回し溶接継手の溶接方法にある。
【0009】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。回し溶接継手
は、主板1にリブ板2が隅肉溶接により3辺以上を溶接
されている継手のことであり、図3は通常の回し溶接継
手の平面図を示している。通常の溶接方法においてはこ
の図に示すようにリブ板2の両側の隅肉溶接部4A、4
Bから角回し溶接部3まで連続して溶接される。したが
って角回し溶接部3の止端5での引張残留応力は、長い
隅肉溶接部のビードの縦収縮により降伏応力レベルにま
で到達し、疲労強度を大きく低下させる一因になってい
る。
は、主板1にリブ板2が隅肉溶接により3辺以上を溶接
されている継手のことであり、図3は通常の回し溶接継
手の平面図を示している。通常の溶接方法においてはこ
の図に示すようにリブ板2の両側の隅肉溶接部4A、4
Bから角回し溶接部3まで連続して溶接される。したが
って角回し溶接部3の止端5での引張残留応力は、長い
隅肉溶接部のビードの縦収縮により降伏応力レベルにま
で到達し、疲労強度を大きく低下させる一因になってい
る。
【0010】図1の(a)ないし(c)は本発明の方法
を工程順に示す回し溶接継手の平面図である。本発明の
方法は、まず角回し溶接部に至るまでの隅肉溶接6A,
6Bを行う(図1(a))。この場合、リブ板2の反対
側の隅肉溶接も実施する。そして角回し溶接を行う前に
室温まで冷却する。冷却するのは、隅肉溶接ビードを十
分に収縮させて、後の角回し溶接の止端での残留応力に
影響を及ぼさないようにするためである。この時、隅肉
溶接のビードの収縮により、リブ板2も図1(b)にお
いて弾性変形7として示すようにわずかに収縮すること
になる。ただしこのビード止端には高い引張の溶接残留
応力が発生している。隅肉溶接の冷却後、次に角回し溶
接部10の溶接を行う(図1(c))。この溶接は、回
すことなく直線的に溶接する。さらに溶接長8は、(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)(符号9)よりも(2×脚
長)以上長くし、角回し部から十分はみ出すように溶接
する。溶接長を(2×脚長)以上長くするのは、角回し
溶接近傍の構造的応力集中を減らすためである。
を工程順に示す回し溶接継手の平面図である。本発明の
方法は、まず角回し溶接部に至るまでの隅肉溶接6A,
6Bを行う(図1(a))。この場合、リブ板2の反対
側の隅肉溶接も実施する。そして角回し溶接を行う前に
室温まで冷却する。冷却するのは、隅肉溶接ビードを十
分に収縮させて、後の角回し溶接の止端での残留応力に
影響を及ぼさないようにするためである。この時、隅肉
溶接のビードの収縮により、リブ板2も図1(b)にお
いて弾性変形7として示すようにわずかに収縮すること
になる。ただしこのビード止端には高い引張の溶接残留
応力が発生している。隅肉溶接の冷却後、次に角回し溶
接部10の溶接を行う(図1(c))。この溶接は、回
すことなく直線的に溶接する。さらに溶接長8は、(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)(符号9)よりも(2×脚
長)以上長くし、角回し部から十分はみ出すように溶接
する。溶接長を(2×脚長)以上長くするのは、角回し
溶接近傍の構造的応力集中を減らすためである。
【0011】なお、図1(c)においては角回し溶接部
10の溶接は溶接長の両端部から中央部へ向けて2パス
で溶接する方法が示されているが、このような溶接方法
に限定されるものではない。すなわち角回し溶接部は、
実構造物での溶接作業に制限がある場合には図1(c)
のように2パスに分けて行うことになるが、特に溶接作
業に制限が無い場合には、たとえば図2のようにどちら
か1方向から1パスで溶接しても良く、本発明は溶接進
行方向にかかわりなく同じ効果が得られる。
10の溶接は溶接長の両端部から中央部へ向けて2パス
で溶接する方法が示されているが、このような溶接方法
に限定されるものではない。すなわち角回し溶接部は、
実構造物での溶接作業に制限がある場合には図1(c)
のように2パスに分けて行うことになるが、特に溶接作
業に制限が無い場合には、たとえば図2のようにどちら
か1方向から1パスで溶接しても良く、本発明は溶接進
行方向にかかわりなく同じ効果が得られる。
【0012】図4は隅肉溶接部の応力の流れを示す模式
図で、(a)は従来の溶接法、(b)は本発明の方法に
よるものである。(2×脚長)以上角回し溶接部の溶接
長を長くすると、直線ビードの溶接終始端がクレーター
等の楕円形状も含めて、リブ板コーナーから45°より
も外側に位置することになる(図4(b))。したがっ
て、主板からリブ板に流入する応力を、ビード全長に分
散することができる。すなわち、溶接終始端の止端での
局部的応力集中の位置と、リブ板による構造的応力集中
の位置(角回し溶接中央部)をずらすことができ、応力
集中を低減できる。なお、ここで溶接長とは、溶接終始
端を含んだビード全長を言う。
図で、(a)は従来の溶接法、(b)は本発明の方法に
よるものである。(2×脚長)以上角回し溶接部の溶接
長を長くすると、直線ビードの溶接終始端がクレーター
等の楕円形状も含めて、リブ板コーナーから45°より
も外側に位置することになる(図4(b))。したがっ
て、主板からリブ板に流入する応力を、ビード全長に分
散することができる。すなわち、溶接終始端の止端での
局部的応力集中の位置と、リブ板による構造的応力集中
の位置(角回し溶接中央部)をずらすことができ、応力
集中を低減できる。なお、ここで溶接長とは、溶接終始
端を含んだビード全長を言う。
【0013】本発明における角回し溶接部止端の引張の
溶接残留応力は、直線的なビードの横収縮のみが作用す
るため、通常の回し溶接継手よりも小さく、リブ十字継
手と同程度になる。先に行った隅肉溶接のビードの縦収
縮による引張残留応力は、角回し部の溶接により溶融さ
れるため、消失してしまう。このように、本発明は止端
での溶接残留応力をリブ十字継手程度に低減させ、かつ
応力集中も低減することにより、疲労強度を向上させる
方法である。
溶接残留応力は、直線的なビードの横収縮のみが作用す
るため、通常の回し溶接継手よりも小さく、リブ十字継
手と同程度になる。先に行った隅肉溶接のビードの縦収
縮による引張残留応力は、角回し部の溶接により溶融さ
れるため、消失してしまう。このように、本発明は止端
での溶接残留応力をリブ十字継手程度に低減させ、かつ
応力集中も低減することにより、疲労強度を向上させる
方法である。
【0014】本発明の方法は、隅肉溶接部と角回し溶接
部を分離して溶接残留応力および応力集中を低減させる
ため、構造用鋼(主板およびリブ板)の化学成分および
機械的性質の影響を受けない。化学組成や機械的性質
は、溶接残留応力の絶対値そのものには影響を及ぼす
が、溶接残留応力の低減効果は同様に得ることができ
る。
部を分離して溶接残留応力および応力集中を低減させる
ため、構造用鋼(主板およびリブ板)の化学成分および
機械的性質の影響を受けない。化学組成や機械的性質
は、溶接残留応力の絶対値そのものには影響を及ぼす
が、溶接残留応力の低減効果は同様に得ることができ
る。
【0015】また、溶接残留応力は構造用鋼の主板の板
厚によっても異なるが、リブ十字溶接継手の場合、同一
入熱の同一溶接であれば、主板の板厚が小さくなると、
溶接残留応力が降伏応力より小さくなり、回し溶接継手
の溶接残留応力との差が大きくなるため、板厚が小さい
ほどより有効である。具体的には、溶接入熱がQ[MJ
/mm]の場合、平方根Q[mm]以下の板厚の主板で
あれば、本発明がさらに有効に働く。リブ板の板厚につ
いては、厚くなるとリブ十字継手と同じ形態になるた
め、本発明の方法は有効ではなくなる。具体的には(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)が主板の板幅の1/2以上
になると(この場合、回し溶接継手と定義されるかどう
かは別にして)、回し溶接継手の溶接残留応力が降伏応
力レベルに達しなくなるため、本発明の効果は無いと判
断される。
厚によっても異なるが、リブ十字溶接継手の場合、同一
入熱の同一溶接であれば、主板の板厚が小さくなると、
溶接残留応力が降伏応力より小さくなり、回し溶接継手
の溶接残留応力との差が大きくなるため、板厚が小さい
ほどより有効である。具体的には、溶接入熱がQ[MJ
/mm]の場合、平方根Q[mm]以下の板厚の主板で
あれば、本発明がさらに有効に働く。リブ板の板厚につ
いては、厚くなるとリブ十字継手と同じ形態になるた
め、本発明の方法は有効ではなくなる。具体的には(リ
ブ板厚+2×隅肉溶接脚長)が主板の板幅の1/2以上
になると(この場合、回し溶接継手と定義されるかどう
かは別にして)、回し溶接継手の溶接残留応力が降伏応
力レベルに達しなくなるため、本発明の効果は無いと判
断される。
【0016】また、溶接残留応力は溶接方法および入熱
の影響を受けるが、基本的には本発明の方法による溶接
残留応力低減効果は溶接方法や入熱によらず有効であ
る。入熱は大きいほど溶接残留応力が低くなる傾向にあ
るため、リブ十字継手と回し溶接継手の溶接残留応力の
差は入熱が大きいほど大きい。従って本発明は、例えば
主板の板厚がt[mm]の場合、入熱がt2 [MJ/m
m]以上であることが好ましく、そのような大入熱溶接
では従来の回し溶接継手よりも止端の溶接残留応力を小
さくすることができ、本発明がさらに有効に働く。
の影響を受けるが、基本的には本発明の方法による溶接
残留応力低減効果は溶接方法や入熱によらず有効であ
る。入熱は大きいほど溶接残留応力が低くなる傾向にあ
るため、リブ十字継手と回し溶接継手の溶接残留応力の
差は入熱が大きいほど大きい。従って本発明は、例えば
主板の板厚がt[mm]の場合、入熱がt2 [MJ/m
m]以上であることが好ましく、そのような大入熱溶接
では従来の回し溶接継手よりも止端の溶接残留応力を小
さくすることができ、本発明がさらに有効に働く。
【0017】
【実施例】板厚25mmおよび15mmの490MPa
クラスTMCP鋼(造船規格K36A)の回し溶接継手
を、入熱17kJ/cmのCO2 溶接を用い、本発明の
溶接方法および通常の溶接方法によって製作した。溶接
ワイヤには鋼材と同じ強度レベルのものを用いた。図5
は回し溶接継手の試験片形状・寸法を示す図で、(a)
は平面図、(b)は正面図である。疲労試験は軸荷重制
御、応力比0.1、周波数10Hzで室温・大気中で実
施した。
クラスTMCP鋼(造船規格K36A)の回し溶接継手
を、入熱17kJ/cmのCO2 溶接を用い、本発明の
溶接方法および通常の溶接方法によって製作した。溶接
ワイヤには鋼材と同じ強度レベルのものを用いた。図5
は回し溶接継手の試験片形状・寸法を示す図で、(a)
は平面図、(b)は正面図である。疲労試験は軸荷重制
御、応力比0.1、周波数10Hzで室温・大気中で実
施した。
【0018】試験結果を表1に示す。表中の疲労強度
は、破断寿命が2×106 回となる繰返し数で示してあ
る。本発明の方法による回し溶接継手は、同じ板厚の従
来溶接方法の継手に比べて、2×106 回疲労強度で比
較すると約1.3〜1.6倍の疲労強度を示しており、
疲労強度が大きく向上していることが認められる。ま
た、角回し溶接部の溶接長が短い場合には、角回し溶接
の終始端の止端で疲労亀裂が発生しており、顕著な疲労
強度向上は期待できない。
は、破断寿命が2×106 回となる繰返し数で示してあ
る。本発明の方法による回し溶接継手は、同じ板厚の従
来溶接方法の継手に比べて、2×106 回疲労強度で比
較すると約1.3〜1.6倍の疲労強度を示しており、
疲労強度が大きく向上していることが認められる。ま
た、角回し溶接部の溶接長が短い場合には、角回し溶接
の終始端の止端で疲労亀裂が発生しており、顕著な疲労
強度向上は期待できない。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法は、
隅肉溶接と角回し溶接を分離し、かつ角回し溶接の溶接
長を長くすることにより、鋼材・溶接材料・溶接方法の
種類によらず広範囲にわたり回し溶接継手の疲労強度を
向上させることができる。したがって疲労破壊が問題と
なる構造物での使用に際し、設計・材料面で特別な配慮
を必要とせず高い疲労強度を安定して得ることが可能で
あり、工業的にその効果は大きい。
隅肉溶接と角回し溶接を分離し、かつ角回し溶接の溶接
長を長くすることにより、鋼材・溶接材料・溶接方法の
種類によらず広範囲にわたり回し溶接継手の疲労強度を
向上させることができる。したがって疲労破壊が問題と
なる構造物での使用に際し、設計・材料面で特別な配慮
を必要とせず高い疲労強度を安定して得ることが可能で
あり、工業的にその効果は大きい。
【図1】本発明の方法を示す溶接継手の平面図で
(a),(b),(c)は工程順序を示す
(a),(b),(c)は工程順序を示す
【図2】図1(c)と異なる本発明の他の方法を示す溶
接継手の平面図
接継手の平面図
【図3】通常の回し溶接方法を示す溶接継手の平面図
【図4】(a)従来の方法と、(b)本発明の方法にお
ける応力の流れの摸式図
ける応力の流れの摸式図
【図5】実施例における回し溶接継手の試験片形状・寸
法を示す(a)平面図と、(b)正面図
法を示す(a)平面図と、(b)正面図
1 主板 2 リブ板 3 角回し溶接部 4A,4B,6A,6B 隅肉溶接部 5 角回し溶接部の止端 7 弾性変形 8 溶接長 9 リブ板厚+2×隅肉溶接脚長 10 角回し溶接部(本発明における)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 31/00 F
Claims (1)
- 【請求項1】 主板にリブ板を隅肉溶接した後に角回し
溶接部を溶接する方法において、角回し溶接部の前まで
隅肉溶接を行い、室温まで冷却した後、角回し溶接部を
(リブ板厚+2×隅肉溶接脚長)よりも(2×隅肉溶接
脚長)以上長くなるように溶接することを特徴とする構
造用鋼回し溶接継手の溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18515394A JPH0819860A (ja) | 1994-05-06 | 1994-07-15 | 構造用鋼回し溶接継手の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11609694 | 1994-05-06 | ||
| JP6-116096 | 1994-05-06 | ||
| JP18515394A JPH0819860A (ja) | 1994-05-06 | 1994-07-15 | 構造用鋼回し溶接継手の溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0819860A true JPH0819860A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=26454474
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18515394A Withdrawn JPH0819860A (ja) | 1994-05-06 | 1994-07-15 | 構造用鋼回し溶接継手の溶接方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0819860A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102837101A (zh) * | 2011-06-22 | 2012-12-26 | 德鱼塔工业股份有限公司 | 利用焊道的加强效果的薄板结构体及其制造方法 |
| WO2013157557A1 (ja) | 2012-04-17 | 2013-10-24 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手及びその形成方法 |
| JP2020040076A (ja) * | 2018-09-07 | 2020-03-19 | Jfeスチール株式会社 | 疲労強度に優れた回し溶接継手およびその製造方法 |
| JP2020055020A (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | Jfeスチール株式会社 | 疲労強度に優れた回し溶接継手およびその製造方法 |
-
1994
- 1994-07-15 JP JP18515394A patent/JPH0819860A/ja not_active Withdrawn
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| WO2013157557A1 (ja) | 2012-04-17 | 2013-10-24 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手及びその形成方法 |
| KR20140134707A (ko) | 2012-04-17 | 2014-11-24 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 필릿 아크 용접 조인트 및 그 형성 방법 |
| US9943922B2 (en) | 2012-04-17 | 2018-04-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Fillet arc welded joint and method of forming the same |
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