JPH08199318A - 金型で鋳造成形された棒状又は筒状のZr系非晶質合金及び製造方法 - Google Patents
金型で鋳造成形された棒状又は筒状のZr系非晶質合金及び製造方法Info
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- JPH08199318A JPH08199318A JP7028720A JP2872095A JPH08199318A JP H08199318 A JPH08199318 A JP H08199318A JP 7028720 A JP7028720 A JP 7028720A JP 2872095 A JP2872095 A JP 2872095A JP H08199318 A JPH08199318 A JP H08199318A
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- C22C45/10—Amorphous alloys with molybdenum, tungsten, niobium, tantalum, titanium, or zirconium or Hf as the major constituent
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大きな断面積をもち塑性加工性が良好な棒状
又は筒状のZr系非晶質合金を金型鋳造法で得る。 【構成】 溶解用炉床1で合金原料4をエネルギー密度
の高い加熱源5で溶解し、製品成形用キャビティ2を持
つ強制冷却鋳型3に合金溶湯を移動させ、急速冷却によ
りZr系非晶質合金を得る。非晶質合金は、一般式Zr
100-a-b-c Aa Bb Cc (ただし、AはTi,Hf,A
l及びGaから選択される1種又は2種以上の元素、B
はFe,Co,Ni及びCuから選択される1種又は2
種以上の元素、CはPd,Pt,Au及びAgから選択
される1種又は2種以上の元素であり、式中のa〜cは
原子比率であり、それぞれa=5〜20,b=15〜4
5,c≦10及びa+b+c=30〜70を満足する)
で表される組成をもち、結晶化温度Tx とガラス遷移温
度Tg との差で表される過冷却液体領域の温度幅ΔT
(=Tx −Tg )が100K以上であることが好まし
い。
又は筒状のZr系非晶質合金を金型鋳造法で得る。 【構成】 溶解用炉床1で合金原料4をエネルギー密度
の高い加熱源5で溶解し、製品成形用キャビティ2を持
つ強制冷却鋳型3に合金溶湯を移動させ、急速冷却によ
りZr系非晶質合金を得る。非晶質合金は、一般式Zr
100-a-b-c Aa Bb Cc (ただし、AはTi,Hf,A
l及びGaから選択される1種又は2種以上の元素、B
はFe,Co,Ni及びCuから選択される1種又は2
種以上の元素、CはPd,Pt,Au及びAgから選択
される1種又は2種以上の元素であり、式中のa〜cは
原子比率であり、それぞれa=5〜20,b=15〜4
5,c≦10及びa+b+c=30〜70を満足する)
で表される組成をもち、結晶化温度Tx とガラス遷移温
度Tg との差で表される過冷却液体領域の温度幅ΔT
(=Tx −Tg )が100K以上であることが好まし
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断面積が大きく、棒状
又は筒状の断面形状をもつZr系非晶質合金及びその製
造方法に関する。
又は筒状の断面形状をもつZr系非晶質合金及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジルコニウム合金は、優れた耐食性,耐
熱性,高強度等を活用して、人工繊維紡糸用ダイス,電
灯フィラメント等に使用されている。また、中性子吸収
断面が小さいことから、原子炉の燃料被覆管,制御棒案
内管等の丸棒材や管材等としての需要も増加している。
この種のジルコニウム合金としては、ジルカロイ2(Z
r−1.5Sn−0.12Fe−0.10Cr−0.0
5Ni)やジルカロイ4(Zr−1.5Sn−0.2F
e−0.10Cr)等が知られている。本発明者等は、
Ni,Cu,Fe,Co,Mn等とAlを所定量添加し
たジルコニウム合金が液体急冷法,スパッタ法,アトマ
イズ法等により非晶質化できることを特開平3−158
446号公報で紹介した。得られた非晶質合金は、硬
度,強度,曲げ性,耐熱性,耐食性等において非常に優
れた特性を呈する。また、過冷却液体状態の温度域が5
0K以上であるため、塑性加工性も良好である。
熱性,高強度等を活用して、人工繊維紡糸用ダイス,電
灯フィラメント等に使用されている。また、中性子吸収
断面が小さいことから、原子炉の燃料被覆管,制御棒案
内管等の丸棒材や管材等としての需要も増加している。
この種のジルコニウム合金としては、ジルカロイ2(Z
r−1.5Sn−0.12Fe−0.10Cr−0.0
5Ni)やジルカロイ4(Zr−1.5Sn−0.2F
e−0.10Cr)等が知られている。本発明者等は、
Ni,Cu,Fe,Co,Mn等とAlを所定量添加し
たジルコニウム合金が液体急冷法,スパッタ法,アトマ
イズ法等により非晶質化できることを特開平3−158
446号公報で紹介した。得られた非晶質合金は、硬
度,強度,曲げ性,耐熱性,耐食性等において非常に優
れた特性を呈する。また、過冷却液体状態の温度域が5
0K以上であるため、塑性加工性も良好である。
【0003】非晶質ジルコニウム合金は、過冷却液体状
態で粘性が急激に低下するため、過冷却液体状態に相当
する温度域で閉塞鍛造等の適切な加工方法によって容易
に非晶質合金成形体に作製できる。この関連で、本発明
者等は、厚みが数十μmのZr65Al7.8 Cu7.5 から
作製されたマイクロマシン用歯車を、第44回塑性加工
連合講演概要第445頁で発表した。しかし、片ロール
法,双ロール法,ガスアトマイズ法等によって作製でき
る非晶質合金は、箔帯,薄片状,粉末状に形状が限られ
ている。そのため、得られた非晶質ジルコニウム合金
も、工業的な観点から用途に制約を受けている。一部に
は、第115回日本金属学会講演概要1994 講演番
号907で発表されたように、棒状の非晶質ジルコニウ
ム合金を作製することも試みられている。ここで紹介さ
れている方法は、上面が開放され、棒状キャビティをも
つ銅製金型を使用している。この銅製金型上でアーク放
電によりジルコニウム母合金を溶解し、溶解部を棒状キ
ャビティの軸方向に移動させている。これにより、棒状
に非晶質ジルコニウム合金が連続して得られる。
態で粘性が急激に低下するため、過冷却液体状態に相当
する温度域で閉塞鍛造等の適切な加工方法によって容易
に非晶質合金成形体に作製できる。この関連で、本発明
者等は、厚みが数十μmのZr65Al7.8 Cu7.5 から
作製されたマイクロマシン用歯車を、第44回塑性加工
連合講演概要第445頁で発表した。しかし、片ロール
法,双ロール法,ガスアトマイズ法等によって作製でき
る非晶質合金は、箔帯,薄片状,粉末状に形状が限られ
ている。そのため、得られた非晶質ジルコニウム合金
も、工業的な観点から用途に制約を受けている。一部に
は、第115回日本金属学会講演概要1994 講演番
号907で発表されたように、棒状の非晶質ジルコニウ
ム合金を作製することも試みられている。ここで紹介さ
れている方法は、上面が開放され、棒状キャビティをも
つ銅製金型を使用している。この銅製金型上でアーク放
電によりジルコニウム母合金を溶解し、溶解部を棒状キ
ャビティの軸方向に移動させている。これにより、棒状
に非晶質ジルコニウム合金が連続して得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第115回日本金属学
会講演概要1994 講演番号907で発表された銅製
金型は、上面が開放された棒状キャビティをもってい
る。そのため、上面開放部で凝固する製品部分の形状を
制御できず、最終製品形状にするために鍛造,押出し,
プレス等の塑性加工が必要となる。また、金型は、上面
が開放されていることから製品との接触面積が小さく、
ジルコニウム合金の冷却速度が遅い。そのため、この金
型は、非晶質形成には好ましくない。他方、非晶質ジル
コニウム合金の組成に付いてみると、箔,薄帯等の薄い
材料の特性を改善するための組成調整は、従来から多数
試みられている。しかし、組成調整に関する研究は、金
型鋳造でジルコニウム合金を非晶質化する場合には当て
はまらない。たとえば、金型鋳造法と回転ロール冷却法
では、次のように冷却条件が異なり、従来の合金設計は
金型鋳造による非晶質化には好適でない。
会講演概要1994 講演番号907で発表された銅製
金型は、上面が開放された棒状キャビティをもってい
る。そのため、上面開放部で凝固する製品部分の形状を
制御できず、最終製品形状にするために鍛造,押出し,
プレス等の塑性加工が必要となる。また、金型は、上面
が開放されていることから製品との接触面積が小さく、
ジルコニウム合金の冷却速度が遅い。そのため、この金
型は、非晶質形成には好ましくない。他方、非晶質ジル
コニウム合金の組成に付いてみると、箔,薄帯等の薄い
材料の特性を改善するための組成調整は、従来から多数
試みられている。しかし、組成調整に関する研究は、金
型鋳造でジルコニウム合金を非晶質化する場合には当て
はまらない。たとえば、金型鋳造法と回転ロール冷却法
では、次のように冷却条件が異なり、従来の合金設計は
金型鋳造による非晶質化には好適でない。
【0005】(a)金型鋳造ではジルコニウム合金溶湯
が鋳型の底面及び両面から冷却されるのに対し、回転ロ
ール冷却法ではロール面からの一方向冷却である。 (b)金型冷却法では溶湯と鋳型との接触時間が長いの
に対し、回転ロール冷却法ではロールとの接触時間が短
い。 (c)金型冷却法では、ジルコニウム合金溶湯の凝固過
程が残存酸素等によって影響され易い。 本発明は、このような問題を解消すべく案出されたもの
であり、従来の液体急冷法とは本質的に異なる溶解・凝
固手段を採用することにより、断面積の大きな棒状又は
筒状の断面形状をもつ非晶質ジルコニウム合金を安定条
件下で連続的に得ることを目的とする。
が鋳型の底面及び両面から冷却されるのに対し、回転ロ
ール冷却法ではロール面からの一方向冷却である。 (b)金型冷却法では溶湯と鋳型との接触時間が長いの
に対し、回転ロール冷却法ではロールとの接触時間が短
い。 (c)金型冷却法では、ジルコニウム合金溶湯の凝固過
程が残存酸素等によって影響され易い。 本発明は、このような問題を解消すべく案出されたもの
であり、従来の液体急冷法とは本質的に異なる溶解・凝
固手段を採用することにより、断面積の大きな棒状又は
筒状の断面形状をもつ非晶質ジルコニウム合金を安定条
件下で連続的に得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のZr系非晶質合
金製造方法は、その目的を達成するため、上面が開放さ
れた溶解用炉床で非晶質化元素を含むジルコニウム合金
を溶解し、炉床の底部に配置された製品成形用キャビテ
ィをもつ強制冷却鋳型内にジルコニウム合金溶湯を移動
させ、前記強制冷却鋳型内で前記ジルコニウム合金溶湯
を急冷凝固して非晶質化させることを特徴とする。ジル
コニウム合金は、高周波誘導加熱,アーク放電,電子ビ
ーム,レーザビーム,赤外線照射等により加熱溶解され
る。強制冷却鋳型には、断面積が50mm2 以上で棒状
又は管状の製品成形用キャビティをもち、水冷式又はガ
ス冷却式の鋳型が使用される。
金製造方法は、その目的を達成するため、上面が開放さ
れた溶解用炉床で非晶質化元素を含むジルコニウム合金
を溶解し、炉床の底部に配置された製品成形用キャビテ
ィをもつ強制冷却鋳型内にジルコニウム合金溶湯を移動
させ、前記強制冷却鋳型内で前記ジルコニウム合金溶湯
を急冷凝固して非晶質化させることを特徴とする。ジル
コニウム合金は、高周波誘導加熱,アーク放電,電子ビ
ーム,レーザビーム,赤外線照射等により加熱溶解され
る。強制冷却鋳型には、断面積が50mm2 以上で棒状
又は管状の製品成形用キャビティをもち、水冷式又はガ
ス冷却式の鋳型が使用される。
【0007】非晶質化元素としては、特にその種類に拘
束を受けないが、Ni,Cu,Fe,Co,Pd,P
t,Hf,Au,Ag,Ti,Al及びGaから選択さ
れた1種又は2種以上を使用することができる。非晶質
化元素の添加量は、得ようとする棒状又は筒状製品の断
面形状や材料特性を考慮して適宜定められる。なかで
も、非晶質ジルコニウム合金は、非晶質形成能を高くす
るため、一般式Zr100-a-b-c Aa Bb Cc で表される
組成をもち、結晶化温度Tx とガラス遷移温度Tg との
差で表される過冷却液体領域の温度幅ΔT(=Tx −T
g )が100K以上であることが好ましい。式中のa〜
cは原子比率であり、それぞれa=5〜20,b=15
〜45,c≦10及びa+b+c=30〜70を満足す
る。非晶質形成能が劣ると、溶湯移動時から凝固過程に
かけて強制冷却鋳型から不均一な結晶核が生成・成長
し、非晶質相に結晶相が混在した組織になる。
束を受けないが、Ni,Cu,Fe,Co,Pd,P
t,Hf,Au,Ag,Ti,Al及びGaから選択さ
れた1種又は2種以上を使用することができる。非晶質
化元素の添加量は、得ようとする棒状又は筒状製品の断
面形状や材料特性を考慮して適宜定められる。なかで
も、非晶質ジルコニウム合金は、非晶質形成能を高くす
るため、一般式Zr100-a-b-c Aa Bb Cc で表される
組成をもち、結晶化温度Tx とガラス遷移温度Tg との
差で表される過冷却液体領域の温度幅ΔT(=Tx −T
g )が100K以上であることが好ましい。式中のa〜
cは原子比率であり、それぞれa=5〜20,b=15
〜45,c≦10及びa+b+c=30〜70を満足す
る。非晶質形成能が劣ると、溶湯移動時から凝固過程に
かけて強制冷却鋳型から不均一な結晶核が生成・成長
し、非晶質相に結晶相が混在した組織になる。
【0008】一般式において、Aは、非晶質形成能を下
げることなく過冷却液体領域の温度幅ΔTを広げる作用
を呈し、Ti,Hf,Al及びGaから選択される1種
又は2種以上の元素であり、特にAl,Gaが好まし
い。A元素の添加量が5原子%未満又は20原子%超に
なると、過冷却液体領域の温度幅ΔTが100Kより小
さくなり、塑性加工性が劣化する。Bは、非晶質を形成
させる作用を呈し、Fe,Co,Ni及びCuから選択
される1種又は2種以上の元素である。B元素の添加量
が15〜45原子%の範囲にあるとき、十分な非晶質形
成能をもった合金系となる。Cは、非晶質形成能及び広
い過冷却液体領域を損なうことなく、非晶質相における
結晶核の生成・成長を抑制する作用を呈し、Pd,P
t,Au及びAgから選択される1種又は2種以上の元
素であり、特にPd及びPtが好ましい。Pd,Au及
びAg等は、得られたZr系非晶質合金のろう付け性を
改善する上でも有効な添加元素である。
げることなく過冷却液体領域の温度幅ΔTを広げる作用
を呈し、Ti,Hf,Al及びGaから選択される1種
又は2種以上の元素であり、特にAl,Gaが好まし
い。A元素の添加量が5原子%未満又は20原子%超に
なると、過冷却液体領域の温度幅ΔTが100Kより小
さくなり、塑性加工性が劣化する。Bは、非晶質を形成
させる作用を呈し、Fe,Co,Ni及びCuから選択
される1種又は2種以上の元素である。B元素の添加量
が15〜45原子%の範囲にあるとき、十分な非晶質形
成能をもった合金系となる。Cは、非晶質形成能及び広
い過冷却液体領域を損なうことなく、非晶質相における
結晶核の生成・成長を抑制する作用を呈し、Pd,P
t,Au及びAgから選択される1種又は2種以上の元
素であり、特にPd及びPtが好ましい。Pd,Au及
びAg等は、得られたZr系非晶質合金のろう付け性を
改善する上でも有効な添加元素である。
【0009】C元素は、一般に化学的安定性が極めて高
いために、他の添加元素が残存酸素と反応して酸化物に
なることを防止する効果も発揮する。そのため、酸化物
が核となる不均一な結晶核の生成が抑制され、合金がよ
り非晶質化し易くなる。しかも、C元素は、熱伝導性に
優れており、合金溶湯の熱放散性、ひいては冷却速度を
大きくするため、本発明に従った鋳造法において非晶質
形成能が向上し、且つ塑性加工に好適な広い過冷却液体
領域を形成することが可能になる。C元素の添加量が0
原子%では、非晶質中に結晶核が多量に生成・成長する
ため、その後の塑性加工時に結晶相に起因する割れが発
生し易くなる。また、10原子%を超える添加量では、
非晶質形成能が低下する傾向がみられる。更に、A〜C
の各元素は、a+b+c=30〜70原子%の範囲で添
加されることが好ましい。この範囲を外れる場合、結晶
相が生成・成長し易くなり、所期の非晶質相が得られな
い。
いために、他の添加元素が残存酸素と反応して酸化物に
なることを防止する効果も発揮する。そのため、酸化物
が核となる不均一な結晶核の生成が抑制され、合金がよ
り非晶質化し易くなる。しかも、C元素は、熱伝導性に
優れており、合金溶湯の熱放散性、ひいては冷却速度を
大きくするため、本発明に従った鋳造法において非晶質
形成能が向上し、且つ塑性加工に好適な広い過冷却液体
領域を形成することが可能になる。C元素の添加量が0
原子%では、非晶質中に結晶核が多量に生成・成長する
ため、その後の塑性加工時に結晶相に起因する割れが発
生し易くなる。また、10原子%を超える添加量では、
非晶質形成能が低下する傾向がみられる。更に、A〜C
の各元素は、a+b+c=30〜70原子%の範囲で添
加されることが好ましい。この範囲を外れる場合、結晶
相が生成・成長し易くなり、所期の非晶質相が得られな
い。
【0010】本発明に従ったZr系非晶質合金は、結晶
化温度Tx とガラス遷移温度Tg との差で表される過冷
却液体領域の温度幅ΔTを100K以上にとるとき、優
れた塑性加工性を呈する。温度差ΔT≧100Kは、前
述したA〜C各元素の添加量を相互に関連を持たせて調
整することによって達成される。本発明が対象とするZ
r系合金では、過冷却液体領域になると変形抵抗が急激
に低下し、割れ等の欠陥を発生することなく所定形状に
塑性加工される。得られた棒状又は筒状のZr系非晶質
合金は、50〜100体積%以上の非晶質相をもち、残
部の結晶が100μm以下の粒径をもっていることが好
ましい。非晶質相が50体積%以上になると、結晶相に
起因した割れが塑性加工時に発生せず、欠陥のない健全
な加工製品が得られ、容易に二次加工が可能となる。結
晶相に起因する塑性加工時の割れは、結晶相の粒径を1
00μm以下にすることによっても抑制される。また、
本発明によるとき、断面積が50mm2 以上で、棒状又
は筒状の断面形状を持つZr系非晶質合金が得られる。
大きな断面積のため、最終製品にするときの生産コスト
や歩留まりが改善される。
化温度Tx とガラス遷移温度Tg との差で表される過冷
却液体領域の温度幅ΔTを100K以上にとるとき、優
れた塑性加工性を呈する。温度差ΔT≧100Kは、前
述したA〜C各元素の添加量を相互に関連を持たせて調
整することによって達成される。本発明が対象とするZ
r系合金では、過冷却液体領域になると変形抵抗が急激
に低下し、割れ等の欠陥を発生することなく所定形状に
塑性加工される。得られた棒状又は筒状のZr系非晶質
合金は、50〜100体積%以上の非晶質相をもち、残
部の結晶が100μm以下の粒径をもっていることが好
ましい。非晶質相が50体積%以上になると、結晶相に
起因した割れが塑性加工時に発生せず、欠陥のない健全
な加工製品が得られ、容易に二次加工が可能となる。結
晶相に起因する塑性加工時の割れは、結晶相の粒径を1
00μm以下にすることによっても抑制される。また、
本発明によるとき、断面積が50mm2 以上で、棒状又
は筒状の断面形状を持つZr系非晶質合金が得られる。
大きな断面積のため、最終製品にするときの生産コスト
や歩留まりが改善される。
【0011】本発明では、断面積が大きく棒状又は筒状
の非晶質ジルコニウム合金を鋳造するため、図1に示す
ように、上面が開放された溶解用炉床1の底部に製品成
形用キャビティ2をもつ強制冷却鋳型3を配置してい
る。強制冷却鋳型3は、熱容量が大きく且つ熱伝導の良
好な純銅製を使用することが好ましい。製品成形用キャ
ビティ2の断面形状は、任意に選択できるが、工業上の
用途から円柱状又は筒状が好ましい。固体状の合金原料
4は、溶解用炉床1に収容され、加熱源5によって加熱
溶解される。合金原料4には、所定の組成に調整した棒
状,ペレット状,粉末状等の任意の形態をもつものが使
用される。このとき、合金原料4を急速加熱するため、
エネルギー密度が高く且つエネルギーを局部的に集中さ
せることができる高周波誘導加熱,アーク放電,電子ビ
ーム,レーザビーム,赤外線照射等を加熱源5として使
用することが好ましい。
の非晶質ジルコニウム合金を鋳造するため、図1に示す
ように、上面が開放された溶解用炉床1の底部に製品成
形用キャビティ2をもつ強制冷却鋳型3を配置してい
る。強制冷却鋳型3は、熱容量が大きく且つ熱伝導の良
好な純銅製を使用することが好ましい。製品成形用キャ
ビティ2の断面形状は、任意に選択できるが、工業上の
用途から円柱状又は筒状が好ましい。固体状の合金原料
4は、溶解用炉床1に収容され、加熱源5によって加熱
溶解される。合金原料4には、所定の組成に調整した棒
状,ペレット状,粉末状等の任意の形態をもつものが使
用される。このとき、合金原料4を急速加熱するため、
エネルギー密度が高く且つエネルギーを局部的に集中さ
せることができる高周波誘導加熱,アーク放電,電子ビ
ーム,レーザビーム,赤外線照射等を加熱源5として使
用することが好ましい。
【0012】合金原料4が完全に溶解すると、加熱源5
からの熱投入を中止し、溶解用炉床1から製品成形用キ
ャビティ2に移動させる。溶湯の移動に際し、移動中の
溶湯が凝固し、湯口を閉塞しないようにすることが必要
である。そこで、加熱溶解時に製品成形用キャビティ2
に溶湯移動具6を装填しておき、加熱終了と同時に溶湯
移動具6を速やかに引き抜き、溶湯を製品成形用キャビ
ティ2に移動させる。溶湯移動具6は、鋳型3と同じ熱
容量が大きく且つ熱伝導の良好な棒状又は管状の純銅製
であり、好ましくは油圧シリンダ,ガス圧を使用したシ
リンダ,真空又は減圧の吸引力等により駆動される。溶
湯は、鋳型3の内部に形成した冷却水通路7を通過する
冷却水によって急速に冷却され凝固する。水冷に代え、
低温の液化ガス等を鋳型3の内部に循環させるガス冷却
方式を採用することもできる。この強制冷却によって、
溶湯は非晶質化される。凝固した非晶質ジルコニウム合
金は、好ましくは1〜50mm/秒の引抜き速度で製品
成形用キャビティ2から引き抜かれる。製品成形用キャ
ビティ2の長さ方向に沿って非晶質ジルコニウム合金を
引き抜くことにより、所望の棒状又は筒状の製品が連続
的に製造される。
からの熱投入を中止し、溶解用炉床1から製品成形用キ
ャビティ2に移動させる。溶湯の移動に際し、移動中の
溶湯が凝固し、湯口を閉塞しないようにすることが必要
である。そこで、加熱溶解時に製品成形用キャビティ2
に溶湯移動具6を装填しておき、加熱終了と同時に溶湯
移動具6を速やかに引き抜き、溶湯を製品成形用キャビ
ティ2に移動させる。溶湯移動具6は、鋳型3と同じ熱
容量が大きく且つ熱伝導の良好な棒状又は管状の純銅製
であり、好ましくは油圧シリンダ,ガス圧を使用したシ
リンダ,真空又は減圧の吸引力等により駆動される。溶
湯は、鋳型3の内部に形成した冷却水通路7を通過する
冷却水によって急速に冷却され凝固する。水冷に代え、
低温の液化ガス等を鋳型3の内部に循環させるガス冷却
方式を採用することもできる。この強制冷却によって、
溶湯は非晶質化される。凝固した非晶質ジルコニウム合
金は、好ましくは1〜50mm/秒の引抜き速度で製品
成形用キャビティ2から引き抜かれる。製品成形用キャ
ビティ2の長さ方向に沿って非晶質ジルコニウム合金を
引き抜くことにより、所望の棒状又は筒状の製品が連続
的に製造される。
【0013】
【実施例】表1に示した合金組成の材料を図1の装置で
アーク放電により加熱溶解し、直径16mm,断面積2
01mm2 及び長さ50mmの丸棒試料と、外径16m
m,内径8mm,断面積151mm2 及び長さ50mm
の筒状試料を作製した。溶湯移動具6は、真空装置の吸
引力で駆動した。得られた各試料について、X線解析で
非晶質相を調査し、また過冷却液体領域の温度幅ΔT及
び非晶質相の体積率を示差走査熱量計で測定した。更
に、ガラス遷移温度Tg に加熱した丸棒に長さ方向から
圧力を加えて変形させ、変形後の割れを顕微鏡で観察す
ることにより塑性加工性を調査した。これら調査結果
を、表1に併せ示す。
アーク放電により加熱溶解し、直径16mm,断面積2
01mm2 及び長さ50mmの丸棒試料と、外径16m
m,内径8mm,断面積151mm2 及び長さ50mm
の筒状試料を作製した。溶湯移動具6は、真空装置の吸
引力で駆動した。得られた各試料について、X線解析で
非晶質相を調査し、また過冷却液体領域の温度幅ΔT及
び非晶質相の体積率を示差走査熱量計で測定した。更
に、ガラス遷移温度Tg に加熱した丸棒に長さ方向から
圧力を加えて変形させ、変形後の割れを顕微鏡で観察す
ることにより塑性加工性を調査した。これら調査結果
を、表1に併せ示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように、本発明に従った
組成をもつAグループの試料は、棒状材及び筒状材の何
れも非晶質相が50体積%以上の組織をもっていた。こ
れに対し、Bグループの試料は、非晶質形成能が低く、
50体積%以上が結晶質となっていた。また、過冷却液
体領域でも変形試験の結果、Aグループの試料では、十
分に粘性が低下しており、変形時の割れが観察されない
健全な加工製品が得られた。他方、Bグループの試料で
は、50体積%以上の結晶相が含まれているため、結晶
相の変形に起因する割れが一部に観察され、製品として
使用できなかった。
組成をもつAグループの試料は、棒状材及び筒状材の何
れも非晶質相が50体積%以上の組織をもっていた。こ
れに対し、Bグループの試料は、非晶質形成能が低く、
50体積%以上が結晶質となっていた。また、過冷却液
体領域でも変形試験の結果、Aグループの試料では、十
分に粘性が低下しており、変形時の割れが観察されない
健全な加工製品が得られた。他方、Bグループの試料で
は、50体積%以上の結晶相が含まれているため、結晶
相の変形に起因する割れが一部に観察され、製品として
使用できなかった。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、鋳型鋳造,加熱熱源,溶解及び凝固過程を互いに関
連させて組み合わせることにより、非晶質相の体積率が
大きなZr系非晶質合金材料を作製している。また、組
成が特定された合金系にあっては、非晶質系性能が極め
て高く且つ広い過冷却液体領域をもつことから、塑性加
工によって各種実用製品の素材とすることができる。特
に断面積の大きな非晶質材料の塑性加工が可能になるた
め、各種部品の生産コストを大幅に低減することができ
る。このようにして得られた製品は、Zr系非晶質合金
材料が本来備えている優れた強度,耐熱性,耐食性等を
活用して、原子炉の燃料被覆管,制御棒案内管,各種ダ
イス,フィラメント等として広範な分野で使用される。
は、鋳型鋳造,加熱熱源,溶解及び凝固過程を互いに関
連させて組み合わせることにより、非晶質相の体積率が
大きなZr系非晶質合金材料を作製している。また、組
成が特定された合金系にあっては、非晶質系性能が極め
て高く且つ広い過冷却液体領域をもつことから、塑性加
工によって各種実用製品の素材とすることができる。特
に断面積の大きな非晶質材料の塑性加工が可能になるた
め、各種部品の生産コストを大幅に低減することができ
る。このようにして得られた製品は、Zr系非晶質合金
材料が本来備えている優れた強度,耐熱性,耐食性等を
活用して、原子炉の燃料被覆管,制御棒案内管,各種ダ
イス,フィラメント等として広範な分野で使用される。
【図1】 本発明で使用する鋳造成形装置の一例
1:溶解用炉床 2:製品成形用キャビティ 3:
強制冷却鋳型 4:合金原料 5:加熱源 6:
溶湯移動具 7:冷却水通路
強制冷却鋳型 4:合金原料 5:加熱源 6:
溶湯移動具 7:冷却水通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 吉幸 宮城県仙台市青葉区米ケ袋 2−2−55 2丁目アパート203号
Claims (11)
- 【請求項1】 上面が開放された溶解用炉床で非晶質化
元素を含むジルコニウム合金を溶解し、炉床の底部に配
置された製品成形用キャビティをもつ強制冷却鋳型内に
ジルコニウム合金溶湯を移動させ、前記強制冷却鋳型内
で前記ジルコニウム合金溶湯を急冷凝固して非晶質化さ
せることを特徴とする棒状又は筒状Zr系非晶質合金の
製造方法。 - 【請求項2】 高周波誘導加熱,アーク放電,電子ビー
ム,レーザビーム又は赤外線照射により、非晶質化元素
を含むジルコニウム合金を加熱溶解する請求項1記載の
棒状又は筒状Zr系非晶質合金の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の強制冷却鋳型に溶湯移動
具を装填しておき、溶解用炉床で溶解されたジルコニウ
ム合金溶湯を強制冷却鋳型に移動させると同時に、溶湯
移動具を強制冷却鋳型から引き抜く棒状又は筒状Zr系
非晶質合金の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の溶湯移動具は強制冷却鋳
型の製品形成キャビティに対応する断面形状をもってい
る棒状又は筒状Zr系非晶質合金の製造方法。 - 【請求項5】 断面積が50mm2 以上で丸棒又は管状
の製品成形用キャビティをもつ強制冷却鋳型を使用する
請求項1〜4の何れかに記載の棒状又は筒状Zr系非晶
質合金の製造方法。 - 【請求項6】 強制冷却鋳型として水冷鋳型又はガス冷
却鋳型を使用する請求項1〜5の何れかに記載の棒状又
は筒状Zr系非晶質合金の製造方法。 - 【請求項7】 Ni,Cu,Fe,Co,Pd,Pt,
Hf,Au,Ag,Ti,Al及びGaから選択された
1種又は2種以上の非晶質化元素を含むジルコニウム合
金を使用する請求項1〜6の何れかに記載の棒状又は筒
状Zr系非晶質合金の製造方法。 - 【請求項8】 一般式Zr100-a-b-c Aa Bb Cc (た
だし、AはTi,Hf,Al及びGaから選択される1
種又は2種以上の元素、BはFe,Co,Ni及びCu
から選択される1種又は2種以上の元素、CはPd,P
t,Au及びAgから選択される1種又は2種以上の元
素であり、式中のa〜cは原子比率であり、それぞれa
=5〜20,b=15〜45,c≦10及びa+b+c
=30〜70を満足する)で表される組成をもち、結晶
化温度Tx とガラス遷移温度Tg との差で表される過冷
却液体領域の温度幅ΔT(=Tx −Tg )が100K以
上であるジルコニウム合金を溶解する請求項1〜7の何
れかに記載の棒状又は筒状Zr系非晶質合金の製造方
法。 - 【請求項9】 一般式Zr100-a-b-c Aa Bb Cc (た
だし、AはTi,Hf,Al及びGaから選択される1
種又は2種以上の元素、BはFe,Co,Ni及びCu
から選択される1種又は2種以上の元素、CはPd,P
t,Au及びAgから選択される1種又は2種以上の元
素であり、式中のa〜cは原子比率であり、それぞれa
=5〜20,b=15〜45,c≦10及びa+b+c
=30〜70を満足する)で表される組成をもち、結晶
化温度Tx とガラス遷移温度Tg との差で表される過冷
却液体領域の温度幅ΔT(=Tx −Tg )が100K以
上であり、金型で鋳造成形された棒状又は筒状Zr系非
晶質合金。 - 【請求項10】 50〜100体積%以上の非晶質相を
もち、残部の結晶が100μm以下の粒径をもっている
請求項9記載の棒状又は筒状Zr系非晶質合金。 - 【請求項11】 断面積が50mm2 以上で、棒状又は
筒状の断面形状を持つ請求項10又は11記載の棒状又
は筒状Zr系非晶質合金。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7028720A JPH08199318A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 金型で鋳造成形された棒状又は筒状のZr系非晶質合金及び製造方法 |
| US08/651,668 US5803996A (en) | 1995-01-25 | 1996-05-21 | Rod-shaped or tubular amorphous Zr alloy made by die casting and method for manufacturing said amorphous Zr alloy |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7028720A JPH08199318A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 金型で鋳造成形された棒状又は筒状のZr系非晶質合金及び製造方法 |
| US08/651,668 US5803996A (en) | 1995-01-25 | 1996-05-21 | Rod-shaped or tubular amorphous Zr alloy made by die casting and method for manufacturing said amorphous Zr alloy |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08199318A true JPH08199318A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=26366868
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7028720A Pending JPH08199318A (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | 金型で鋳造成形された棒状又は筒状のZr系非晶質合金及び製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5803996A (ja) |
| JP (1) | JPH08199318A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| EP0905268A1 (en) * | 1997-08-29 | 1999-03-31 | Ykk Corporation | High-strength amorphous alloy and process for preparing the same |
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| JP2009256728A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Japan Science & Technology Agency | Cu基金属ガラス合金 |
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| CN104342606A (zh) * | 2013-07-31 | 2015-02-11 | 中国科学院物理研究所 | 制备非晶合金丝的设备和方法 |
| JP2015113527A (ja) * | 2013-12-06 | 2015-06-22 | ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド | ジルコニウム系ベリリウム非含有バルクアモルファス合金 |
| CN106807799A (zh) * | 2016-12-27 | 2017-06-09 | 华中科技大学 | 一种非晶合金丝的制备方法及电拉拔装置 |
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| US6562156B2 (en) | 2001-08-02 | 2003-05-13 | Ut-Battelle, Llc | Economic manufacturing of bulk metallic glass compositions by microalloying |
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| US5803996A (en) | 1998-09-08 |
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