JPH08202346A - ピアノのアリコート - Google Patents

ピアノのアリコート

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JPH08202346A
JPH08202346A JP7012627A JP1262795A JPH08202346A JP H08202346 A JPH08202346 A JP H08202346A JP 7012627 A JP7012627 A JP 7012627A JP 1262795 A JP1262795 A JP 1262795A JP H08202346 A JPH08202346 A JP H08202346A
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piano
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JP7012627A
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Inventor
Muneo Ishida
宗雄 石田
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Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instruments Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 倍音を発生し易くすることで楽音を豊かにす
ることができるピアノのアリコートを提供することを目
的とする。 【構成】 ピアノのアリコート10は、ヒッチピン16
とチューニングピンとの間に張架された高音の所定音程
用の3本の弦1、2、3と、各弦につき2つずつピアノ
の長駒18に打ち込まれ、各弦1、2、3に横こじを与
える駒ピン4a、4b、5a、5b、6a、6bと、略
放物線状の断面を有する柱状体であって、3本の弦1、
2、3に対して直線的にかつ非直角に交差している弦枕
7とから構成される。バックストリングスの長さBL
1、BL2、BL3は各弦毎に異なり、その長さの差は
1mm以内である。また、中央の弦2のバックストリン
グスの長さBL2とスピーキングレンクスSLとの比率
が、1:4とか2:3等の単純な整数比となるように設
定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレームに張架された
弦のうちフォアストリングスやバックストリングスの部
分がスピーキングレンクスの振動と共振して倍音を発生
するピアノのアリコートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、グランドピアノ及びアップラ
イトピアノは、アリコートと呼ばれる機構を備えている
ものがある。このアリコートは、通常は振動させないバ
ックストリングスに弦枕を入れ、このバックストリング
スの部分の弦の長さと発音部分であるスピーキングレン
クスとの比率を1:4とか2:3のように単純な整数比
にして、倍音を発生し易くし、中高音部の倍音構成を豊
かにする機構である。同様の機構は、フォアストリング
スにも採用することができる。
【0003】かつて、このアリコートは、ピアノ職人が
微妙に弦枕の位置を変えつつ、最も倍音構成の豊かにな
る位置にて弦枕を固定していた。しかし、近年、量産性
を考慮して、図6に示すような複数の弦枕107を台座
20上に連ねて配設したものが開発され、これが常用さ
れている。かかる従来のアリコートについて、図6及び
図7に基づいて更に詳しく説明する。
【0004】ピアノの中高音部は、同一音程につき複数
(図6及び図7では3本)の弦1、2、3がフレームに
張架されている。3本の弦1、2、3は、各々その一端
がヒッチピン16によりフレームに固定され、他端が図
示しないチューニングピンによりフレームに固定されて
いる。また、3本の弦1、2、3のうちヒッチピン16
側は、弦こじり部材としての駒ピン4a、4b、5a、
5b、6a、6bにより横こじが与えられ、駒ピン4
b、5b、6bで区切られた部分がスピーキングレンク
スSLとして振動する。一方、駒ピン4a、5a、6a
とヒッチピン16の間には弦押圧部材としての弦枕10
7が弦1、2、3を上向きに押圧するように設けられ、
駒ピン4a、5a、6aにより横こじが与えられている
こじり位置から弦枕107の頂線107a(弦枕107
の頂上部を表す線、図6参照)までの長さBLと、スピ
ーキングレンクスSLとが、1:4とか2:3等の単純
な整数比となるように、調節されている。
【0005】ここで、弦枕107は、3本の弦1、2、
3の張架方向に対して直角に交差するように掛け渡され
た直線状の柱状部材であり、従って、駒ピン4a、5
a、6aのこじり位置から弦枕107の頂線107aま
での長さBLは、同一であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スピーキング
レンクスSLのうち駒ピン4b、5b、6bのこじり位
置近傍は、実際には弦の剛性により振動しないため、真
のスピーキングレンクスは上記こじり位置を始点(又は
終点)とするものではない。また、弦枕107は、実際
には弦枕107の頂線107aで弦1、2、3を押圧し
ているのではなく、弦枕107の頂線107a付近の曲
面で弦1、2、3を押圧しているため、上記長さBL
は、駒ピン4a、5a、6aのこじり位置から弦枕10
7の押圧位置までの長さとは一致しないことが多かっ
た。
【0007】このため、バックストリングスの長さBL
とスピーキングレンクスSLとの比率を単純な整数比に
設定しても、実際には設定した整数比である場合は少な
く、従って倍音が発生しにくくなり、アリコートとして
の機能を十分に果たしていないことが多かった。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、倍音を発生し易くすることで楽音を豊かにすること
ができるピアノのアリコートを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、両端がフレームに固定された所定音程用
の複数の弦と、前記複数の弦をこじることにより該複数
の弦のスピーキングレンクスを定める弦こじり部材と、
前記複数の弦の一端と前記弦こじり部材のこじり位置と
の間で前記複数の弦を押圧する弦押圧部材とを備え、前
記複数の弦のうち前記弦こじり部材のこじり位置から前
記弦押圧部材の押圧位置までの部分が、前記スピーキン
グレンクスの振動と共振して倍音を発生するピアノのア
リコートにおいて、前記複数の弦の少なくとも1つの弦
は、他の弦と比較して、前記弦こじり部材のこじり位置
からの長さが異なる位置にて前記弦押圧部材により押圧
されていることを特徴とするものである。
【0010】ここで、前記弦押圧部材は、前記複数の弦
に対して、直線的にかつ非直角に交差するように掛け渡
されていてもよい。あるいは、前記弦押圧部材は、前記
複数の弦に対して、略円弧状に交差するように掛け渡さ
れていてもよい。また、前記複数の弦の少なくとも1つ
の弦は、他の弦と比較して、前記弦こじり部材のこじり
位置から前記押圧部材の押圧位置までの長さの差が2m
m以内であるように構成してもよい。
【0011】
【作用及び発明の効果】上記構成を備えた本発明のピア
ノのアリコートでは、所定音程用の複数の弦の少なくと
も1つの弦は、他の弦と比較して、弦こじり部材のこじ
り位置からの長さが異なる位置にて弦押圧部材により押
圧されている。即ち、本発明のピアノのアリコートで
は、弦こじり部材のこじり位置から弦押圧部材の押圧位
置まで(以下、「バック(又はフォア)ストリングス」
という)の長さは、相異なる値が2つ以上存在するので
ある。
【0012】ここで、従来のピアノのアリコートでは、
所定音程用の複数の弦のバックストリングスの長さは一
律同じ長さであったので、(1)真のスピーキングレン
クスは前記こじり位置を始点(又は終点)とするもので
はないこと、(2)バック(又はフォア)ストリングス
の弦の長さは、弦が弦枕の頂線付近の曲面で接している
ため、当初設定した値からずれることが多いこと、等よ
り、バック(又はフォア)ストリングスの長さとスピー
キングレンクスとを1:4とか2:3等の単純な整数比
にすることは実際上きわめて困難であった。これに対し
て、本発明では、所定音程用の複数の弦につき、2つ以
上のバック(又はフォア)ストリングスの長さが存在す
るので、そのうちのいずれかのバック(又はフォア)ス
トリングスの長さがスピーキングレンクスと上記単純な
整数比となる可能性が高い。
【0013】従って、所定音程用の複数の弦のスピーキ
ングレンクスが振動した際、それら複数の弦のうちのい
ずれかは、上記単純な整数比となるバック(又はフォ
ア)ストリングスを有している可能性が高く、その場合
当該バック(又はフォア)ストリングスはきわめて共振
しやすいため、倍音を発生してその所定音程の楽音を豊
かにするという効果が得られる。
【0014】このような本発明のピアノのアリコートを
構成する弦押圧部材は、例えば所定音程用の複数の弦に
対して、直線的にかつ非直角に交差するように掛け渡さ
れていてもよい。この場合、弦押圧部材は、複数の弦に
対して所定の傾きをもって直線的に掛け渡されているた
め、バック(又はフォア)ストリングスの長さは、各弦
毎に異なることになり、その結果上記効果を得ることが
できる。
【0015】あるいは、弦押圧部材は、所定音程用の複
数の弦に対して、略円弧状に交差するように掛け渡され
ていてもよい。この場合、バック(又はフォア)ストリ
ングスの長さは、少なくとも1つの弦は他の弦と異なる
ことになり、その結果上記効果を得ることができる。
【0016】また、所定音程用の複数の弦の少なくとも
1つの弦は、他の弦と比較して、バック(又はフォア)
ストリングスの長さの差が2mm以内であるように構成
してもよい。これは、所定音程用の複数の弦のバック
(又はフォア)ストリングスの長さが一律同じ長さであ
った従来のピアノのアリコートにおいて、そのバック
(又はフォア)ストリングスの長さとスピーキングレン
クスとの比が単純な整数比とならない場合、その整数比
からのずれは僅かであることが多く、従って、相異なる
2つ以上のバック(又はフォア)ストリングスの長さの
差が2mm以内(特に好ましくは1mm以内)であれ
ば、それらのうちのいずれかのバック(又はフォア)ス
トリングスの長さがスピーキングレンクスと上記単純な
整数比に一致する可能性がきわめて高くなり、上記効果
をきわめて有効に得ることができるのである。
【0017】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面に基づいて以下
に説明する。図1〜図3は第1実施例の説明図であり、
図1はピアノのアリコートの断面図、図2は同じく平面
図、図3は同じく部分斜視図である。
【0018】第1実施例は本発明のピアノのアリコート
をグランドピアノに適用した例である。本実施例のピア
ノのアリコート10は、図1及び図2に示すように、高
音の所定音程用の複数(3本)の弦1、2、3と、弦こ
じり部材としての駒ピン4a、4b、5a、5b、6
a、6bと、弦押圧部材としての弦枕7とから構成され
る。
【0019】高音の所定音程用の3本の弦1、2、3
は、図1に示すように(図1には弦1のみを示した)、
一端がフレーム12に立設されたチューニングピン14
に固定され、他端がフレーム12に立設されたヒッチピ
ン16に固定され、その結果、フレーム12に張架され
ている。
【0020】駒ピン4a、4b、5a、5b、6a、6
bは、図2に示すように、3本の弦1、2、3の各弦に
つき2つずつピアノの長駒18に打ち込まれ、各弦1、
2、3に横こじを与えて各弦1、2、3と長駒18との
結合を強固にするものである。また、駒ピン4a、5
a、6aは、弦1、2、3のバックストリングスの長さ
BL1、BL2、BL3の一端を定めるものであり、駒
ピン4b、5b、6bは、弦1、2、3のスピーキング
レンクスSLの一端を定めるものである。
【0021】弦枕7は、図2及び図3に示すように、所
定音程用の3本の弦1、2、3に対して一つ設けられ、
略放物線状の断面を有する柱状体に形成され、弦1、
2、3を上向きに押圧している。この弦枕7は、3本の
弦1、2、3の張架方向に対して直線的に掛け渡され、
かつ、これらの張架方向に対して非直角に交差してい
る。即ち、弦枕7は、3本の弦1、2、3に対して所定
の傾きをもって直線的に掛け渡されているのである。こ
のため、バックストリングス(即ち、駒ピン4a、5
a、6aのこじり位置から弦枕7の頂線7aまで)の長
さBL1、BL2、BL3は各弦毎に異なり、下記式
の関係にある。
【0022】BL1<BL2<BL3・・・ 本実施例では各バックストリングスの長さBL1、BL
2、BL3の差が1mm以内となるように設定されてい
る。また、本実施例では、中央の弦2のバックストリン
グスの長さBL2とスピーキングレンクスSLとの比率
が、1:4とか2:3等の単純な整数比となるように設
定されている。また、弦枕7は、量産性を考慮して、複
数の弦枕7が一つの台座20に設けられている。
【0023】尚、所定音程用の3本の弦1、2、3のチ
ューニングピン14側には、図1に示すように、各弦
1、2、3に下こじを与えてスピーキングレンクスSL
の他端を定めるカポ・ダストロ・バー8が配設され、ま
た、カポ・ダストロ・バー8のこじり位置からチューニ
ングピン14までの間には弦1、2、3を上方に押圧す
るベアリング9が配設されている。このベアリング9の
配設位置は、カポ・ダストロ・バー8のこじり位置から
ベアリング9の押圧位置まで(フォアストリングス)の
長さと、スピーキングレンクスSLとが、1:4とか
2:3等の単純な整数比となるように定められている。
【0024】また、上記スピーキングレンクスSLと
は、便宜上、カポ・ダストロ・バー8のこじり位置から
駒ピン4b、5b、6bのこじり位置までの長さを表す
用語として使用している。しかし、実際の弦振動は、弦
の剛性により両こじり位置が弦振動の始点または終点と
なるわけではなく、そのため、上記スピーキングレンク
スSLは、真のスピーキングレンクス(実際に弦1、
2、3が振動する部分)とは微妙に異なることが多い。
【0025】更に、上記バックストリングスの長さBL
1、BL2、BL3とは、便宜上、ヒッチピン16から
弦枕7の頂線7aまでの長さを表す用語として使用して
いる。しかし、弦枕7は、断面が略放物線状に形成され
ているため弦1、2、3を頂線7a近傍の曲面にて押圧
しているので、弦枕7の押圧位置は実際には頂線7aと
一致しないことが多く、そのため、上記バックストリン
グスの長さBL1、BL2、BL3は、真のバックスト
リングス(ヒッチピン16から弦枕7の実際の押圧位置
まで)の長さとは微妙に異なることが多い。
【0026】以上のように構成された第1実施例の作用
について説明する。高音の所定音程用の鍵(図示せず)
が押されると、アクション機構(図示せず)を介して一
のハンマー(図示せず)が所定音程用の3本の弦1、
2、3を同時に打弦し、これにより3本の弦1、2、3
の真のスピーキングレンクスが振動して、所定音程の楽
音が発生する。
【0027】上述した通り、スピーキングレンクスSL
は真のスピーキングレンクスとは必ずしも一致しておら
ず、また、弦2のバックストリングスの長さBL2も真
のバックストリングスの長さとは必ずしも一致していな
いため、中央の弦2の真のバックストリングスの長さと
真のスピーキングレンクスとは必ずしも単純な整数比に
なっているとは限らない。
【0028】ここで、中央の弦2の真のバックストリン
グスの長さと真のスピーキングレンクスとが単純な整数
比になっていれば、弦1、2、3が振動すると、中央の
弦2のバックストリングスは共振して倍音を発生しやす
いため、この中央の弦2のバックストリングスにより所
定音程の楽音は豊かな音になるという効果が得られる。
【0029】一方、中央の弦2の真のバックストリング
スの長さと真のスピーキングレンクスとが単純な整数比
になっていなければ、弦1、2、3が振動したとして
も、中央の弦2のバックストリングスの部分は共振しに
くいため、この中央の弦2のバックストリングスからは
倍音が発生しにくい。しかし、本実施例では、3本の弦
1、2、3のバックストリングスの長さBL1、BL
2、BL3は各々異なっている。従って、弦1、2、3
が振動した際、弦1、3のいずれかは、真のスピーキン
グレンクスと単純な整数比となる真のバックストリング
スを有している可能性が高く、その場合当該弦のバック
ストリングスは共振して倍音を発生しやすいため、当該
弦のバックストリングスにより所定音程の楽音は豊かな
音になるという効果が得られる。
【0030】また、スピーキングレンクスSLと真のス
ピーキングレンクスとのずれ、及びバックストリングス
の長さと真のバックストリングスの長さとのずれは、い
ずれも僅かであることから、所定音程用の3本の弦1、
2、3のバックストリングスの長さBL1、BL2、B
L3の差を1mm以内に設定し、いずれかの弦1、2、
3の真のバックストリングスと、真のスピーキングレン
クスとが単純な整数比となる可能性がきわめて高くなる
ようにした。このため、上述した所定音程の楽音を豊か
にするという効果を有効に得ることができる。
【0031】更に、従来のピアノのアリコートにおける
弦枕107は、図6及び図7に示すように、所定音程用
の3本の弦1、2、3に対して直線的に掛け渡され、該
弦の張架方向に対して直交するように構成されていた
が、この弦枕107を弦の張架方向に対して非直角に交
差するようにするだけで本実施例の構成とすることがで
きるため、従来の製造工程を概ねそのまま用いることが
できるという利点もある。
【0032】図4及び図5は第2実施例の説明図であ
り、図4はピアノのアリコートの平面図、図5は同じく
部分斜視図である。第2実施例は、弦枕17を除いては
第1実施例と同様の構成のため、第1実施例と同一の構
成要素については同一の符号を付し、その説明を省略す
る。
【0033】本実施例のピアノのアリコート50は、図
4に示すように、高音の所定音程用の複数(3本)の弦
1、2、3と、弦こじり部材としての駒ピン4a、4
b、5a、5b、6a、6bと、弦押圧部材としての弦
枕17とから構成される。弦枕17は、所定音程用の3
本の弦1、2、3に対して一つ設けられ、略放物線状の
断面を有すると共に全体が略円弧状の柱状体に形成さ
れ、弦1、2、3を上向きに押圧している。この弦枕7
は、3本の弦1、2、3に略円弧状に交差するように掛
け渡されている。このため、バックストリングスの長さ
BL1、BL2、BL3は、下記式の関係にある。
【0034】 BL1=BL3<BL2(但し、BL2−BL1≦1mm)・・・ また、本実施例では、左右の弦1、3のバックストリン
グスの長さBL1、BL3とスピーキングレンクスSL
との比率が、1:4とか2:3等の単純な整数比となる
ように設定されている。また、弦枕17は、量産性を考
慮して、複数の弦枕17が一つの台座20に設けられて
いる。
【0035】以上のように構成された第2実施例の作用
効果について説明する。高音の所定音程用の鍵(図示せ
ず)が押されると、アクション機構(図示せず)を介し
てハンマー(図示せず)が所定音程用の3本の弦1、
2、3を同時に打弦し、これにより3本の弦1、2、3
のスピーキングレンクスSLが振動して、所定音程の楽
音が発生する。
【0036】ここで、左右の弦1、3の真のバックスト
リングスの長さと真のスピーキングレンクスとが単純な
整数比になっていれば、弦1、2、3が振動すると、弦
1、3のバックストリングスは共振して倍音を発生しや
すいため、この弦1、3のバックストリングスにより所
定音程の楽音は豊かな音になるという効果が得られる。
【0037】一方、左右の弦1、3の真のバックストリ
ングスの長さと真のスピーキングレンクスとが単純な整
数比になっていなければ、弦1、2、3が振動したとし
ても、弦1、3のバックストリングスの部分は共振しに
くいため、この弦1、3のバックストリングスからは倍
音が発生しにくい。しかし、本実施例では、中央の弦2
のバックストリングスの長さBL2は弦1、3のバック
ストリングスの長さBL1、BL3とは異なっている。
従って、弦1、2、3が振動した際、中央の弦2は、真
のスピーキングレンクスと単純な整数比となる真のバッ
クストリングスを有している可能性が高く、その場合当
該弦のバックストリングスは共振して倍音を発生しやす
いため、当該弦のバックストリングスにより所定音程の
楽音は豊かな音になるという効果が得られる。
【0038】また、バックストリングスの長さBL1、
BL3とバックストリングスの長さBL2との差を1m
m以内に設定し、弦1、3又は弦2の真のバックストリ
ングスと、真のスピーキングレンクスとが単純な整数比
となる可能性がきわめて高くなるようにしたため、上述
した所定音程の楽音を豊かにするという効果を有効に得
ることができる。
【0039】更に、従来のピアノのアリコートにおける
弦枕107は、図6及び図7に示すように、所定音程用
の3本の弦1、2、3に対して直線的に掛け渡され、該
弦の張架方向に対して直交するように構成されていた
が、この弦枕107を弦枕17に交換するだけで本実施
例の構成とすることができるため、従来の製造工程を概
ねそのまま用いることができるという利点もある。
【0040】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。例えば、上
記実施例では、本発明のピアノのアリコートをバックス
トリングスに適用した例を説明したが、フォアストリン
グス(弦1、2、3のうちチューニングピン14からカ
ポ・ダストロ・バー8(本発明の弦こじり部材に相当)
まで)に適用してもよい。即ち、ベアリング9(本発明
の弦押圧部材に相当)を3本の弦1、2、3に対して直
線的にかつ非直角に交差するように構成したり、弦1、
2、3に対して略円弧状に交差するように掛け渡される
ように構成したりしてもよい。この場合、フォアストリ
ングスについて、上記実施例のバックストリングスと同
様の効果が得られる。
【0041】また、上記実施例では、本発明のピアノの
アリコートをグランドピアノに適用した例を説明した
が、アップライトピアノに適用してもよく、この場合に
も上記実施例と同様の効果が得られる。更に、上記実施
例では、ピアノの高音部の所定音程用の3本の弦につい
て説明したが、中音部の所定音程用の2本の弦について
適用してもよく、この場合にも上記実施例と同様の効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のピアノのアリコートの断面図で
ある。
【図2】 第1実施例のピアノのアリコートの平面図で
ある。
【図3】 第1実施例のピアノのアリコートの部分斜視
図である。
【図4】 第2実施例のピアノのアリコートの平面図で
ある。
【図5】 第2実施例のピアノのアリコートの部分斜視
図である。
【図6】 従来のピアノのアリコートの平面図である。
【図7】 従来のピアノのアリコートの部分斜視図であ
る。
【符号の説明】 1、2、3・・・弦、4a、4b、5a、5b、6a、
6b・・・駒ピン、7・・・弦枕、
7a・・・頂線、8・・・カポ・ダストロ・バー、 9
・・・ベアリング、10・・・ピアノのアリコート、
12・・・フレーム、14・・・チューニングピン、
16・・・ヒッチピン、17・・・弦枕、
18・・・長駒、20・・・台座、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端がフレームに固定された所定音程用
    の複数の弦と、 前記複数の弦をこじることにより該複数の弦のスピーキ
    ングレンクスを定める弦こじり部材と、 前記複数の弦の一端と前記弦こじり部材のこじり位置と
    の間で前記複数の弦を押圧する弦押圧部材とを備え、 前記複数の弦のうち前記弦こじり部材のこじり位置から
    前記弦押圧部材の押圧位置までの部分が、前記スピーキ
    ングレンクスの振動と共振して倍音を発生するピアノの
    アリコートにおいて、 前記複数の弦の少なくとも1つの弦は、他の弦と比較し
    て、前記弦こじり部材のこじり位置からの長さが異なる
    位置にて前記弦押圧部材により押圧されていることを特
    徴とするピアノのアリコート。
  2. 【請求項2】 前記弦押圧部材は、前記複数の弦に対し
    て、直線的にかつ非直角に交差するように掛け渡されて
    いることを特徴とする請求項1記載のピアノのアリコー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記弦押圧部材は、前記複数の弦に対し
    て、略円弧状に交差するように掛け渡されていることを
    特徴とする請求項1記載のピアノのアリコート。
  4. 【請求項4】 前記複数の弦の少なくとも1つの弦は、
    他の弦と比較して、前記弦こじり部材のこじり位置から
    前記押圧部材の押圧位置までの長さの差が2mm以内で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに
    記載のピアノのアリコート。
JP7012627A 1995-01-30 1995-01-30 ピアノのアリコート Pending JPH08202346A (ja)

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