JPH08204226A - 受光素子 - Google Patents
受光素子Info
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- JPH08204226A JPH08204226A JP7008083A JP808395A JPH08204226A JP H08204226 A JPH08204226 A JP H08204226A JP 7008083 A JP7008083 A JP 7008083A JP 808395 A JP808395 A JP 808395A JP H08204226 A JPH08204226 A JP H08204226A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光吸収部材の一表面上に一対の電圧印加部材
を形成し、これら一対の電圧印加部材間の光吸収部材表
面に入射する光を検出する受光素子において、一対の電
圧印加部材に印加し得る電圧の大きさを大きくできるよ
うにし、高速、高感度化を達成する。 【構成】 光吸収部材11の一表面上に一対の電圧印加部
材12,12を形成する。一対の電圧印加部材12,12の間の
光吸収部材11の表面上には、入射光Ipを透過することが
でき、入射光Ipの波長以下の幅寸法Wで、絶縁性の立体
構造体である光ガイド部材13を形成する。
を形成し、これら一対の電圧印加部材間の光吸収部材表
面に入射する光を検出する受光素子において、一対の電
圧印加部材に印加し得る電圧の大きさを大きくできるよ
うにし、高速、高感度化を達成する。 【構成】 光吸収部材11の一表面上に一対の電圧印加部
材12,12を形成する。一対の電圧印加部材12,12の間の
光吸収部材11の表面上には、入射光Ipを透過することが
でき、入射光Ipの波長以下の幅寸法Wで、絶縁性の立体
構造体である光ガイド部材13を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は通信、情報処理分野にお
いて必要となる、光信号を電気信号に変換する受光素子
の改良に関する。
いて必要となる、光信号を電気信号に変換する受光素子
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】光信号を電気信号に変換する受光素子と
して比較的高速な変換動作の見込まれるものに、従来か
らも図8にその原理構造を示す受光素子50が提案されて
いる。出典は「IEEE Journal of QUANTUM ELECTORONICS,
Vol.28, pp.2358-2368, 1992」であるが、一般に基板と
して構成できる半導体光吸収部材11の表面上に、対向す
る一対の電圧印加部12,12を金属薄膜により形成し、こ
れら一対の電極12,12の間における光吸収部材11の露呈
表面11a を検出対象の光Ipの入射窓とする。
して比較的高速な変換動作の見込まれるものに、従来か
らも図8にその原理構造を示す受光素子50が提案されて
いる。出典は「IEEE Journal of QUANTUM ELECTORONICS,
Vol.28, pp.2358-2368, 1992」であるが、一般に基板と
して構成できる半導体光吸収部材11の表面上に、対向す
る一対の電圧印加部12,12を金属薄膜により形成し、こ
れら一対の電極12,12の間における光吸収部材11の露呈
表面11a を検出対象の光Ipの入射窓とする。
【0003】このような構造において一対の電圧印加部
材12,12間に適当な電圧を印加しておくと、光入射窓
(光吸収部露呈表面)11a に光Ipが入射することで光吸
収部材11中に励起キャリア(電子及び正孔)が発生し、
その中、図中、白丸で示す正孔は相対的に負電位(−)
になる電圧印加部材12の方に、また黒丸で示す電子は相
対的に正電位(+)になる電圧印加部材12の方にそれぞ
れ引き込まれ、これにより一対の電圧印加部材12,12を
介し光伝導電流(光検出電流)が流れて、入射光Ipのあ
ったことが検出される。
材12,12間に適当な電圧を印加しておくと、光入射窓
(光吸収部露呈表面)11a に光Ipが入射することで光吸
収部材11中に励起キャリア(電子及び正孔)が発生し、
その中、図中、白丸で示す正孔は相対的に負電位(−)
になる電圧印加部材12の方に、また黒丸で示す電子は相
対的に正電位(+)になる電圧印加部材12の方にそれぞ
れ引き込まれ、これにより一対の電圧印加部材12,12を
介し光伝導電流(光検出電流)が流れて、入射光Ipのあ
ったことが検出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした図8に示す従
来素子50は、一般にMSM(金属/半導体/金属)型の
受光素子と呼ばれ、原理的には一対の電圧印加部材12,
12間の離間距離W、すなわち光入射窓となる光吸収部材
11の露呈表面11a の幅Wを狭める程、高速になるし、印
加電圧を高める程、高速、高感度になる。また特に、検
出対象の光Ipの波長に比し、露呈表面11a のWを同じか
それ以下にすると、光吸収部材11に入射する光Ipは近接
光電界(いわゆるエバネッセントな光電界)を持つもの
となり、入射光Ipは光吸収部材11の表面近傍にて吸収さ
れ、一方、電圧印加部材12,12による電界強度は光吸収
部材11の内部よりも表面の方が高いので、当該光吸収部
材11の表面近傍で発生した光励起キャリアを速やかに電
圧印加部材12,12の方に引き抜くことができるようにな
って、より高速な動作が可能となり、キャリア再結合の
影響も低減することができる。
来素子50は、一般にMSM(金属/半導体/金属)型の
受光素子と呼ばれ、原理的には一対の電圧印加部材12,
12間の離間距離W、すなわち光入射窓となる光吸収部材
11の露呈表面11a の幅Wを狭める程、高速になるし、印
加電圧を高める程、高速、高感度になる。また特に、検
出対象の光Ipの波長に比し、露呈表面11a のWを同じか
それ以下にすると、光吸収部材11に入射する光Ipは近接
光電界(いわゆるエバネッセントな光電界)を持つもの
となり、入射光Ipは光吸収部材11の表面近傍にて吸収さ
れ、一方、電圧印加部材12,12による電界強度は光吸収
部材11の内部よりも表面の方が高いので、当該光吸収部
材11の表面近傍で発生した光励起キャリアを速やかに電
圧印加部材12,12の方に引き抜くことができるようにな
って、より高速な動作が可能となり、キャリア再結合の
影響も低減することができる。
【0005】実際、図8に示された従来の受光素子50で
も、既存の微細加工技術である電子ビーム露光技術の適
用によって電圧印加部材12,12間の距離Wは 300nm程度
までには縮小化し得ており、その結果、パルス応答での
出力半値全幅も 870fsを得ている。これは他の既存受光
素子に比すとかなり高速ではある。しかし、同時にま
た、これは下記の理由で最早限界にあり、より高速化す
ることは困難である。
も、既存の微細加工技術である電子ビーム露光技術の適
用によって電圧印加部材12,12間の距離Wは 300nm程度
までには縮小化し得ており、その結果、パルス応答での
出力半値全幅も 870fsを得ている。これは他の既存受光
素子に比すとかなり高速ではある。しかし、同時にま
た、これは下記の理由で最早限界にあり、より高速化す
ることは困難である。
【0006】まず、一対の電圧印加部材12,12間の光吸
収部材11の表面11a は空間に露呈しているため、一対の
電圧印加部材12,12間により大きな電圧を印加しようと
すると、当該露呈表面11a に沿っての沿面放電が生じた
り、エアギャップを介しての放電が生じてしまい、素子
としての使用ができなくなる。換言すると、一対の電圧
印加部材12,12間の離間距離Wもほぼ限界状態にあり、
これ以上近付けようとすると低い電圧でも絶縁破壊を起
こしてしまう。逆に、入射光Ipの波長以下という限定の
下でも、場合によっては入射窓ないし露呈表面11a の幅
Wはもう少し大きくして良い場合もあるが、このような
場合でも印加電圧にはやはり大きな制約がある。また、
加工技術上からも限界にあり、既存の電子ビーム露光技
術では加工精度を重んずると 100nm以下は困難である。
収部材11の表面11a は空間に露呈しているため、一対の
電圧印加部材12,12間により大きな電圧を印加しようと
すると、当該露呈表面11a に沿っての沿面放電が生じた
り、エアギャップを介しての放電が生じてしまい、素子
としての使用ができなくなる。換言すると、一対の電圧
印加部材12,12間の離間距離Wもほぼ限界状態にあり、
これ以上近付けようとすると低い電圧でも絶縁破壊を起
こしてしまう。逆に、入射光Ipの波長以下という限定の
下でも、場合によっては入射窓ないし露呈表面11a の幅
Wはもう少し大きくして良い場合もあるが、このような
場合でも印加電圧にはやはり大きな制約がある。また、
加工技術上からも限界にあり、既存の電子ビーム露光技
術では加工精度を重んずると 100nm以下は困難である。
【0007】本発明は基本的にはこうした点に鑑みてな
されたもので、図8に示したような受光素子50の改良と
して、電圧印加部材12,12間の離間距離(光吸収部材11
の露呈表面11a の幅)Wや印加電圧に関する制約を緩和
し、より高速な受光素子を提供せんとするものである。
されたもので、図8に示したような受光素子50の改良と
して、電圧印加部材12,12間の離間距離(光吸収部材11
の露呈表面11a の幅)Wや印加電圧に関する制約を緩和
し、より高速な受光素子を提供せんとするものである。
【0008】さらに、上述の基本的な目的を達成した上
で、本発明はまた、より高機能ないし多機能な受光素子
をも提供せんとする。
で、本発明はまた、より高機能ないし多機能な受光素子
をも提供せんとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、光吸収部材の一表面上に一対の導電性電圧印
加部材を形成し、これら一対の電圧印加部材により挟ま
れた光吸収部材の露呈表面を検出対象の光の入射可能な
光入射部とする受光素子において、(a) 検出対象の光に
対し光透過性で(すなわち透明ないし半透明で)、(b)
検出対象の光の波長以下の幅寸法を有し、(c) 少なくと
も一対の電圧印加部材間にあって光吸収部材よりも高抵
抗を示す (d) 立体構造体である 光ガイド部材を、光入射部における光吸収部材の露呈表
面上に設けることを提案する。
するため、光吸収部材の一表面上に一対の導電性電圧印
加部材を形成し、これら一対の電圧印加部材により挟ま
れた光吸収部材の露呈表面を検出対象の光の入射可能な
光入射部とする受光素子において、(a) 検出対象の光に
対し光透過性で(すなわち透明ないし半透明で)、(b)
検出対象の光の波長以下の幅寸法を有し、(c) 少なくと
も一対の電圧印加部材間にあって光吸収部材よりも高抵
抗を示す (d) 立体構造体である 光ガイド部材を、光入射部における光吸収部材の露呈表
面上に設けることを提案する。
【0010】このような基本的構成の下に、本発明では
下位の態様として、光ガイド部材が絶縁体により構成さ
れていることや、さらにこの場合、当該絶縁体は上記一
対の電圧印加部材を形成する材料薄膜を酸化することで
形成されたものであることも提案する。場合により、上
記(c) における要件を満たす限り、光ガイド部材は半導
体(一般に「半絶縁性」と呼ばれるような材料も含む)
により構成することもできる。
下位の態様として、光ガイド部材が絶縁体により構成さ
れていることや、さらにこの場合、当該絶縁体は上記一
対の電圧印加部材を形成する材料薄膜を酸化することで
形成されたものであることも提案する。場合により、上
記(c) における要件を満たす限り、光ガイド部材は半導
体(一般に「半絶縁性」と呼ばれるような材料も含む)
により構成することもできる。
【0011】また、本発明の他の態様として、光ガイド
部材は複数種類の物性の材料を含んで構成することもで
きるし、例えば当該光ガイド部材の屈折率、吸収係数、
偏向方向等々、光学的性質を可変する可変機構を含んで
構成することもできる。後者の場合には、光ガイド部材
は当該光学的性質を可変するために電圧の印加を受ける
制御電圧印加部材を有することもでき、この制御電圧印
加部材の中の少なくとも一つは、上記一対の電圧印加部
材の一方により構成することもできる。
部材は複数種類の物性の材料を含んで構成することもで
きるし、例えば当該光ガイド部材の屈折率、吸収係数、
偏向方向等々、光学的性質を可変する可変機構を含んで
構成することもできる。後者の場合には、光ガイド部材
は当該光学的性質を可変するために電圧の印加を受ける
制御電圧印加部材を有することもでき、この制御電圧印
加部材の中の少なくとも一つは、上記一対の電圧印加部
材の一方により構成することもできる。
【0012】特に、光ガイド部材の光学的性質を可変す
る可変機構は、代表的には半導体超格子構造や、あるい
はまたファブリ・ペロー型共振器構造を含んで構成する
ことができる。
る可変機構は、代表的には半導体超格子構造や、あるい
はまたファブリ・ペロー型共振器構造を含んで構成する
ことができる。
【0013】そして、上記したいずれの態様の場合に
も、本発明により組込まれる立体構造体としての光ガイ
ド部材の厚さは、一対の電圧印加部材の厚さよりも厚く
することで当該一対の電圧印加部材間の沿面距離を長く
することが望ましい。
も、本発明により組込まれる立体構造体としての光ガイ
ド部材の厚さは、一対の電圧印加部材の厚さよりも厚く
することで当該一対の電圧印加部材間の沿面距離を長く
することが望ましい。
【0014】さらに、本発明の特定の態様によれば、光
ガイド部材は一対の電圧印加部材間にあって互いに並設
された複数個から成るものとし、これら複数個の光ガイ
ド部材にあって隣接する光ガイド部材間には検出対象の
光を透過しない光非透過性の中間部材を設けた構成も提
案できる。
ガイド部材は一対の電圧印加部材間にあって互いに並設
された複数個から成るものとし、これら複数個の光ガイ
ド部材にあって隣接する光ガイド部材間には検出対象の
光を透過しない光非透過性の中間部材を設けた構成も提
案できる。
【0015】
【実施例】図1には本発明に即して構成された一実施例
素子である受光素子10の概略的な断面構造が示されてい
る。図中において、既に図8に即し説明した従来素子50
の各構成要素に関し付した符号は、理解をたやすくする
ため、この本発明実施例素子10でも対応するものに用い
るもとのする。また、後述する他の実施例においても、
対応する構成要素には同じ符号を付す。
素子である受光素子10の概略的な断面構造が示されてい
る。図中において、既に図8に即し説明した従来素子50
の各構成要素に関し付した符号は、理解をたやすくする
ため、この本発明実施例素子10でも対応するものに用い
るもとのする。また、後述する他の実施例においても、
対応する構成要素には同じ符号を付す。
【0016】しかるに、例えばGaAs等、いわゆる半絶縁
性材料も含めて適当なる半導体により構成された光吸収
部材11の表面上には一対の電圧印加部材12,12が形成さ
れ、それら一対の電圧印加部材12,12の間が本受光素子
10における実質的な光入射部30となっている。電圧印加
部材12,12の材質はチタン等、一般に金属が良いが、適
当なる不純物を導入することで適当なる導電性の持たさ
れたシリコン等、半導体であっても良い。また、一般に
光吸収部材11は、それをそのまま、本受光素子10の構築
基板として利用することができるが、これは限定的なこ
とではなく、図示しない他の物理的支持基板上に図示構
造を構築するも差し支えない。
性材料も含めて適当なる半導体により構成された光吸収
部材11の表面上には一対の電圧印加部材12,12が形成さ
れ、それら一対の電圧印加部材12,12の間が本受光素子
10における実質的な光入射部30となっている。電圧印加
部材12,12の材質はチタン等、一般に金属が良いが、適
当なる不純物を導入することで適当なる導電性の持たさ
れたシリコン等、半導体であっても良い。また、一般に
光吸収部材11は、それをそのまま、本受光素子10の構築
基板として利用することができるが、これは限定的なこ
とではなく、図示しない他の物理的支持基板上に図示構
造を構築するも差し支えない。
【0017】光入射部30は、従来素子50の場合、空間に
露呈した露呈表面11a(図8)となっていて、これがその
まま光の入射窓となっていたが、本発明に即して構成さ
れたこの実施例素子10では、光入射部30には例えば酸化
チタン、酸化シリコン、窒化シリコン等々、適当なる絶
縁材料による立体構造体としての光ガイド部材13が設け
られ、換言すればこの光ガイド部材13により、光吸収部
材11の露呈表面は覆われている。ただし、この光ガイド
部材13は、検出対象とする光Ipに対しては少なくとも光
透過性、すなわち透明であるか、せめて半透明である必
要がある。もちろん、上記例記した材料群は、殆どの光
波長領域に対し透明として扱うことができる例である。
露呈した露呈表面11a(図8)となっていて、これがその
まま光の入射窓となっていたが、本発明に即して構成さ
れたこの実施例素子10では、光入射部30には例えば酸化
チタン、酸化シリコン、窒化シリコン等々、適当なる絶
縁材料による立体構造体としての光ガイド部材13が設け
られ、換言すればこの光ガイド部材13により、光吸収部
材11の露呈表面は覆われている。ただし、この光ガイド
部材13は、検出対象とする光Ipに対しては少なくとも光
透過性、すなわち透明であるか、せめて半透明である必
要がある。もちろん、上記例記した材料群は、殆どの光
波長領域に対し透明として扱うことができる例である。
【0018】このような構造になっていると、一対の電
圧印加部材12,12間の光吸収部材11の表面は空間に露呈
していないため、既述したように従来問題となった当該
光吸収部材11の露呈表面11a に沿っての沿面放電の問題
は解消ないし緩和され、一対の電圧印加部材12,12には
従来例におけると同じ離間距離Wを取った場合、より大
きな電圧を印加することができる。特に、望ましくは光
ガイド部材13の厚さを電圧印加部材12の厚さよりも厚く
すると、厚くする程に当該光ガイド部材13の外側面に沿
っての一対の電圧印加部材12,12間の沿面距離も長くな
るため、従来は一対の電圧印加部材12,12間のエアギャ
ップを介しての放電も生起し易かったのに対し、十分な
耐圧を見込むことができる。そのため、従来素子50では
一対の電圧印加部材12,12間をより近付けようとして
も、こうした絶縁破壊の問題から実質的な制約が生ま
れ、印加電圧に関しても上限値が制約されていたのに対
し、本発明受光素子10においてはそのような制約が飛躍
的に改善される。
圧印加部材12,12間の光吸収部材11の表面は空間に露呈
していないため、既述したように従来問題となった当該
光吸収部材11の露呈表面11a に沿っての沿面放電の問題
は解消ないし緩和され、一対の電圧印加部材12,12には
従来例におけると同じ離間距離Wを取った場合、より大
きな電圧を印加することができる。特に、望ましくは光
ガイド部材13の厚さを電圧印加部材12の厚さよりも厚く
すると、厚くする程に当該光ガイド部材13の外側面に沿
っての一対の電圧印加部材12,12間の沿面距離も長くな
るため、従来は一対の電圧印加部材12,12間のエアギャ
ップを介しての放電も生起し易かったのに対し、十分な
耐圧を見込むことができる。そのため、従来素子50では
一対の電圧印加部材12,12間をより近付けようとして
も、こうした絶縁破壊の問題から実質的な制約が生ま
れ、印加電圧に関しても上限値が制約されていたのに対
し、本発明受光素子10においてはそのような制約が飛躍
的に改善される。
【0019】そして、先にも述べたように、一対の電圧
印加部材12,12間に規定される光入射部30の幅Wを検出
対象の光Ipの波長以下とすると、光吸収部材11に入射す
る光Ipは近接光電界(エバネッセントな光電界)で表さ
れることになり、光吸収部材11の表面近傍のみ、光電界
強度が高くなって、入射光Ipは光吸収部材11の当該表面
近傍で吸収されることになる。そこで、本発明により一
対の電圧印加部材12,12間に従来よりも大きな電圧を印
加できるようになった受光素子10においては、光Ipの入
射により光吸収部材11の表面近傍に発生した励起キャリ
ア(電子及び正孔)は、電圧印加部材12,12に近いこと
で内部よりも高電界強度になっている表面電界により、
電子は相対的に正電位(+)側の電圧印加部材12に、ま
た正孔は相対的に負電位(−)側の電圧印加部材12に、
それぞれ高速で引き抜かれるようになる。これは言い換
えれば、従来よりも高速な光電変換動作(光検出動作)
が可能なことを意味し、また、高電圧の印加により励起
キャリアの寿命よりも高速に引き抜くことができもする
ので、当該励起キャリア対の再結合の影響も低減するこ
とができ、高感度化、高出力化に寄与する。
印加部材12,12間に規定される光入射部30の幅Wを検出
対象の光Ipの波長以下とすると、光吸収部材11に入射す
る光Ipは近接光電界(エバネッセントな光電界)で表さ
れることになり、光吸収部材11の表面近傍のみ、光電界
強度が高くなって、入射光Ipは光吸収部材11の当該表面
近傍で吸収されることになる。そこで、本発明により一
対の電圧印加部材12,12間に従来よりも大きな電圧を印
加できるようになった受光素子10においては、光Ipの入
射により光吸収部材11の表面近傍に発生した励起キャリ
ア(電子及び正孔)は、電圧印加部材12,12に近いこと
で内部よりも高電界強度になっている表面電界により、
電子は相対的に正電位(+)側の電圧印加部材12に、ま
た正孔は相対的に負電位(−)側の電圧印加部材12に、
それぞれ高速で引き抜かれるようになる。これは言い換
えれば、従来よりも高速な光電変換動作(光検出動作)
が可能なことを意味し、また、高電圧の印加により励起
キャリアの寿命よりも高速に引き抜くことができもする
ので、当該励起キャリア対の再結合の影響も低減するこ
とができ、高感度化、高出力化に寄与する。
【0020】特に、本発明によると一対の電圧印加部材
12,12間の離間距離W、すなわち光ガイド部材13の幅W
は十分に狭めることができるので、従来素子の限界より
もより狭めれば、上記の高速、高感度動作はより一層助
長されることになる。この場合、既存の電子ビーム露光
手法等、半導体デバイス加工における微細加工技術では
限界がある場合には、本出願人により昨今開発された
「走査プローブ加工法」を利用することができる。
12,12間の離間距離W、すなわち光ガイド部材13の幅W
は十分に狭めることができるので、従来素子の限界より
もより狭めれば、上記の高速、高感度動作はより一層助
長されることになる。この場合、既存の電子ビーム露光
手法等、半導体デバイス加工における微細加工技術では
限界がある場合には、本出願人により昨今開発された
「走査プローブ加工法」を利用することができる。
【0021】図2はこの走査プローブ加工法の原理を示
している。これは、トンネル顕微鏡(STM:Scanning
Tunnel Microscope)とか原子間力顕微鏡(AFM:At
omicForce Microscope)を試料加工装置として利用する
もので、基板A上に形成された導電性薄膜B(例えばチ
タン薄膜)に対し例えばSTMの走査プローブPの尖端
を近付け、電源Vにより当該尖端と導電性薄膜B間に高
電界を印加しながらプローブPを矢印Sで示すように相
対走査すると、その軌跡に従い導電性薄膜Bが酸化さ
れ、電気化学反応によって酸化物細線C(例えば酸化チ
タン細線)が形成される。AFMを用いても同様の結果
が得られ、むしろAFMの場合には、加工対象薄膜が導
電性薄膜に限定されない利点がある。
している。これは、トンネル顕微鏡(STM:Scanning
Tunnel Microscope)とか原子間力顕微鏡(AFM:At
omicForce Microscope)を試料加工装置として利用する
もので、基板A上に形成された導電性薄膜B(例えばチ
タン薄膜)に対し例えばSTMの走査プローブPの尖端
を近付け、電源Vにより当該尖端と導電性薄膜B間に高
電界を印加しながらプローブPを矢印Sで示すように相
対走査すると、その軌跡に従い導電性薄膜Bが酸化さ
れ、電気化学反応によって酸化物細線C(例えば酸化チ
タン細線)が形成される。AFMを用いても同様の結果
が得られ、むしろAFMの場合には、加工対象薄膜が導
電性薄膜に限定されない利点がある。
【0022】こうした手法によるとGaAs上に最高分解能
で18nm幅の酸化チタン細線の形成も可能になっているの
で、本発明者においてもこれを利用し、図1に原理構造
を示す本発明受光素子10を実際に作製してみた。この製
造工程例は図3に示されている。
で18nm幅の酸化チタン細線の形成も可能になっているの
で、本発明者においてもこれを利用し、図1に原理構造
を示す本発明受光素子10を実際に作製してみた。この製
造工程例は図3に示されている。
【0023】まず、図3(A) に示すように、光吸収部材
11として選んだ半絶縁性GaAs基板11の上に導電性薄膜1
2’としてチタン薄膜12’を蒸着した。このチタン薄膜1
2’の所定部分の表面にSTMの走査プローブPを近付
け、図3(B) に示すように大気環境下(すなわち水分を
含む環境下)でプローブPとチタン薄膜12’間に5Vの電
位を印加し、トンネル電流を流しながら図面紙面と直交
する走査方向に沿ってプローブSを相対走査した。この
とき、走査速度は形成される酸化チタン細線13の幅が10
0nm になるようにした。ちなみに印加電圧や走査速度を
調整することにより、形成される酸化チタンの幅や厚み
をかなり自由に調整することができる。
11として選んだ半絶縁性GaAs基板11の上に導電性薄膜1
2’としてチタン薄膜12’を蒸着した。このチタン薄膜1
2’の所定部分の表面にSTMの走査プローブPを近付
け、図3(B) に示すように大気環境下(すなわち水分を
含む環境下)でプローブPとチタン薄膜12’間に5Vの電
位を印加し、トンネル電流を流しながら図面紙面と直交
する走査方向に沿ってプローブSを相対走査した。この
とき、走査速度は形成される酸化チタン細線13の幅が10
0nm になるようにした。ちなみに印加電圧や走査速度を
調整することにより、形成される酸化チタンの幅や厚み
をかなり自由に調整することができる。
【0024】これにより形成された酸化チタン細線13
は、本発明の受光素子10の光入射部30における光ガイド
部材13となり、その両側にあって酸化されずに残ったチ
タン薄膜部分は一対の電圧印加部材12,12となる。換言
すると、この手法は、一対の電圧印加部材12,12とその
間に設けられるべき光ガイド部材13とを一遍に作る合理
的な手法ともなっている。
は、本発明の受光素子10の光入射部30における光ガイド
部材13となり、その両側にあって酸化されずに残ったチ
タン薄膜部分は一対の電圧印加部材12,12となる。換言
すると、この手法は、一対の電圧印加部材12,12とその
間に設けられるべき光ガイド部材13とを一遍に作る合理
的な手法ともなっている。
【0025】この後、図3(C) に示す通り、必要に応じ
外部回路と電気的接続を取るのに便利なように、一対の
電圧印加部材12,12上の所望の面積部分上に例えばTi/
Au取り付け電極14,14を形成する。さらに、実用的な素
子とするために、図3(D) に示すように、電圧印加部材
12,12と光ガイド部材13を含むストライプと平行に例え
ばTi/Au接地用電極15,15を形成する。各ストライプの
幅と隣接するストライプ間の寸法は本試作素子ではそれ
ぞれ 5μm とした。これにより、一対の電圧印加部材1
2,12の一方に対してはバイアス電圧Vbを印加するバイ
アス線Lbを、他方の電圧印加部材12に対しては抵抗Rで
模式的に示した負荷Rへの信号線Lrを接続することがで
き、シールド構造を形成する一対の接地用電極15,15に
はそれぞれ接地線Leを接続することができる。
外部回路と電気的接続を取るのに便利なように、一対の
電圧印加部材12,12上の所望の面積部分上に例えばTi/
Au取り付け電極14,14を形成する。さらに、実用的な素
子とするために、図3(D) に示すように、電圧印加部材
12,12と光ガイド部材13を含むストライプと平行に例え
ばTi/Au接地用電極15,15を形成する。各ストライプの
幅と隣接するストライプ間の寸法は本試作素子ではそれ
ぞれ 5μm とした。これにより、一対の電圧印加部材1
2,12の一方に対してはバイアス電圧Vbを印加するバイ
アス線Lbを、他方の電圧印加部材12に対しては抵抗Rで
模式的に示した負荷Rへの信号線Lrを接続することがで
き、シールド構造を形成する一対の接地用電極15,15に
はそれぞれ接地線Leを接続することができる。
【0026】このようにして作製した試作素子10の評価
には電気光学サンプリング法を用いた。これは、被測定
回路上に置かれた電気光学結晶中の電界変化に比例した
レーザ光の偏光変化を検出することにより、電気信号を
フェムト秒(fs)領域の時間分解能で計測し得る手法であ
るが、本試作素子10の評価には図4に示すような測定シ
ステムを構築した。
には電気光学サンプリング法を用いた。これは、被測定
回路上に置かれた電気光学結晶中の電界変化に比例した
レーザ光の偏光変化を検出することにより、電気信号を
フェムト秒(fs)領域の時間分解能で計測し得る手法であ
るが、本試作素子10の評価には図4に示すような測定シ
ステムを構築した。
【0027】光源はアルゴンイオンレーザ21から入力光
を受ける衝突モード同期(CPM:Colliding Pulse Mo
de-locked)色素レーザ22であって、レーザ出力は約10m
W、出力パルス幅は40fs、波長は620nm である。この波
長620nm の光に対し、試作素子10における酸化チタン製
の光ガイド部材13は十分な透明性を示し、かつ電気的に
は満足な絶縁体である。CPM色素レーザ22の出力はビ
ームスプリッタ23により9:1に分割し、前者を励起ビ
ームIp、後者をサンプリングビームIsとして、励起ビー
ムIpをサンプリングビームIs側との光路差調整用の可変
遅延装置32に通した後、本発明受光素子10の光ガイド部
材13に入射させ、一方、サンプリングビームIsは偏光方
向調整のための2/λ波長板24を介し偏光子25に入射させ
た後、電気光学(EO:Electro-Optical)プローブ31に
入射させる。EOプローブ31は電気光学係数が35.8pm/V
のLiTaO3板で、受光素子側に接する結晶裏面には誘電体
多層膜の反射コーティングが施され、大きさは縦 300μ
m 、横 250μm 、厚さ50μmである。また、このEOプ
ローブ31の結晶方位とサンプリングビームIsの偏光方向
は、ストライプ線路上における横方向電界に対して感度
が最大になるように設定した。
を受ける衝突モード同期(CPM:Colliding Pulse Mo
de-locked)色素レーザ22であって、レーザ出力は約10m
W、出力パルス幅は40fs、波長は620nm である。この波
長620nm の光に対し、試作素子10における酸化チタン製
の光ガイド部材13は十分な透明性を示し、かつ電気的に
は満足な絶縁体である。CPM色素レーザ22の出力はビ
ームスプリッタ23により9:1に分割し、前者を励起ビ
ームIp、後者をサンプリングビームIsとして、励起ビー
ムIpをサンプリングビームIs側との光路差調整用の可変
遅延装置32に通した後、本発明受光素子10の光ガイド部
材13に入射させ、一方、サンプリングビームIsは偏光方
向調整のための2/λ波長板24を介し偏光子25に入射させ
た後、電気光学(EO:Electro-Optical)プローブ31に
入射させる。EOプローブ31は電気光学係数が35.8pm/V
のLiTaO3板で、受光素子側に接する結晶裏面には誘電体
多層膜の反射コーティングが施され、大きさは縦 300μ
m 、横 250μm 、厚さ50μmである。また、このEOプ
ローブ31の結晶方位とサンプリングビームIsの偏光方向
は、ストライプ線路上における横方向電界に対して感度
が最大になるように設定した。
【0028】EOプローブ31中へのしみ出し電界により
位相変調を受けて反射されたサンプリングビームIsはソ
レイユ・バビネ位相補償板26により位相補償を受けた
後、偏光ビームスプリッタ27を介し一対の受光器28a,b
により強度変調に置き換えられて受光され、受光器出力
は差動増幅器29を介した後、試作素子10に印加すると同
じ1MHzの周期でロックイン増幅器34によりロックイン検
波される。
位相変調を受けて反射されたサンプリングビームIsはソ
レイユ・バビネ位相補償板26により位相補償を受けた
後、偏光ビームスプリッタ27を介し一対の受光器28a,b
により強度変調に置き換えられて受光され、受光器出力
は差動増幅器29を介した後、試作素子10に印加すると同
じ1MHzの周期でロックイン増幅器34によりロックイン検
波される。
【0029】ロックイン増幅器34の出力に基づきプロッ
トされた測定結果は図5に示されている。測定は試作素
子10から70μm 離れた地点で行なったが、電気パルスの
半値全幅としては570fs を得るに成功した。これは 3dB
帯域として790GHzに相当し、この種の光導電型受光素子
として、間違いなく現時点における世界最高速の値であ
る。
トされた測定結果は図5に示されている。測定は試作素
子10から70μm 離れた地点で行なったが、電気パルスの
半値全幅としては570fs を得るに成功した。これは 3dB
帯域として790GHzに相当し、この種の光導電型受光素子
として、間違いなく現時点における世界最高速の値であ
る。
【0030】以上のように、本発明に従うと図8に即し
て説明したような従来の受光素子50に比し、例えば 100
nm程度というように、一対の電圧印加部材12,12間の離
間距離Wをより一層短くしても絶縁破壊等は起こさずに
動作させ得るので、上記のように製造方法に走査プロー
ブ加工法等を用いれば、極めて小型で高速、高感度な受
光素子を構築することができる。しかし、この効果を逆
に言うと、従来素子における 300nm程度よりも、検出対
象の光Ipの波長以下という限定の下で一対の電圧印加部
材12,12間の離間距離Wをむしろ大きくしても、絶縁破
壊の恐れが少ないので当該一対の電圧印加部材12,12間
にはより大きな電圧を印加できるため、結果として従来
素子より高速、高感度な受光素子を提供できるとも言え
る。そして、この場合には製造工程に係る負担が軽くな
り、光ガイド部材13の形成に上記した走査プローブ加工
法を援用しても良いことはもちろんである(例えばプロ
ーブPの走査を横方向に少しずらしながら繰返すことで
任意の広幅酸化線路を描くこともできる)が、そうでな
く、例えば電子ビーム露光技術や選択成長技術等、既存
の他の微細加工技術をそのままに利用することもできる
利点が生まれる。
て説明したような従来の受光素子50に比し、例えば 100
nm程度というように、一対の電圧印加部材12,12間の離
間距離Wをより一層短くしても絶縁破壊等は起こさずに
動作させ得るので、上記のように製造方法に走査プロー
ブ加工法等を用いれば、極めて小型で高速、高感度な受
光素子を構築することができる。しかし、この効果を逆
に言うと、従来素子における 300nm程度よりも、検出対
象の光Ipの波長以下という限定の下で一対の電圧印加部
材12,12間の離間距離Wをむしろ大きくしても、絶縁破
壊の恐れが少ないので当該一対の電圧印加部材12,12間
にはより大きな電圧を印加できるため、結果として従来
素子より高速、高感度な受光素子を提供できるとも言え
る。そして、この場合には製造工程に係る負担が軽くな
り、光ガイド部材13の形成に上記した走査プローブ加工
法を援用しても良いことはもちろんである(例えばプロ
ーブPの走査を横方向に少しずらしながら繰返すことで
任意の広幅酸化線路を描くこともできる)が、そうでな
く、例えば電子ビーム露光技術や選択成長技術等、既存
の他の微細加工技術をそのままに利用することもできる
利点が生まれる。
【0031】以下、本発明の他の改変例につき説明する
が、まず、光ガイド部材13は、上記した絶縁体に限ら
ず、少なくとも一対の電圧印加部材12,12間にあって光
吸収部材11よりも十分なる高抵抗を示し、望ましくは絶
縁体に準ずるものであれば半導体を用いることもでき、
この場合、光吸収部11が例えばGaAsであるならば、光透
過性を示すために(そこではなるべく吸収されないよう
に)、GaAsよりもバンドギャップの大きな半導体として
AlAs,GaP 等を用いることができる。ただし、完全なる
絶縁性を確保するためには、これら半導体材料による立
体構造体である光ガイド部材13と少なくとも一方の電圧
印加部材12との間に若干の隙間を置くようにし、その間
に要すれば絶縁体を挟み込むと良い。後者の場合は、光
ガイド部材13が複数種類の物性の材料から構成されてい
る実施例の一つに相当する。
が、まず、光ガイド部材13は、上記した絶縁体に限ら
ず、少なくとも一対の電圧印加部材12,12間にあって光
吸収部材11よりも十分なる高抵抗を示し、望ましくは絶
縁体に準ずるものであれば半導体を用いることもでき、
この場合、光吸収部11が例えばGaAsであるならば、光透
過性を示すために(そこではなるべく吸収されないよう
に)、GaAsよりもバンドギャップの大きな半導体として
AlAs,GaP 等を用いることができる。ただし、完全なる
絶縁性を確保するためには、これら半導体材料による立
体構造体である光ガイド部材13と少なくとも一方の電圧
印加部材12との間に若干の隙間を置くようにし、その間
に要すれば絶縁体を挟み込むと良い。後者の場合は、光
ガイド部材13が複数種類の物性の材料から構成されてい
る実施例の一つに相当する。
【0032】次に、本発明受光素子の光入射部30には、
図6の本発明実施例素子10A に認められるように、図示
の場合は二つしか示していないが二つ以上の光ガイド部
材13を設け、これら隣接する光ガイド部材13,13間に光
を通さない光非透過性中間部材35を設けることができ
る。このような受光素子10A では、検出対象の光の波長
以下の幅寸法を有する光ガイド部材13が複数個ある分、
検出感度を上げることができる。光非透過性中間部材35
は原理的には導電性でも絶縁性でも良いが、導電性の方
が望ましく、この場合には両側の一対の電圧印加部材12
と同一の材料薄膜により形成することができる。各光ガ
イド部材13の形成は任意の微細加工技術によって良い
が、例えば既述した走査プローブ加工法による場合に
は、当該各光ガイド部材13,13を形成する工程によって
同時に両側の一対の電圧印加部材12,12と中間部材35の
形成が一度に行なえ、極めて合理的である。もちろん、
光ガイド部材13の数は任意である。
図6の本発明実施例素子10A に認められるように、図示
の場合は二つしか示していないが二つ以上の光ガイド部
材13を設け、これら隣接する光ガイド部材13,13間に光
を通さない光非透過性中間部材35を設けることができ
る。このような受光素子10A では、検出対象の光の波長
以下の幅寸法を有する光ガイド部材13が複数個ある分、
検出感度を上げることができる。光非透過性中間部材35
は原理的には導電性でも絶縁性でも良いが、導電性の方
が望ましく、この場合には両側の一対の電圧印加部材12
と同一の材料薄膜により形成することができる。各光ガ
イド部材13の形成は任意の微細加工技術によって良い
が、例えば既述した走査プローブ加工法による場合に
は、当該各光ガイド部材13,13を形成する工程によって
同時に両側の一対の電圧印加部材12,12と中間部材35の
形成が一度に行なえ、極めて合理的である。もちろん、
光ガイド部材13の数は任意である。
【0033】本発明受光素子における光ガイド部材13に
は、本願要旨構成中における限定条件から外れない限
り、先に少し述べたように、絶縁体と半導体等、物性の
異なる複数種の材料が混在したものも考えられる。ま
た、光ガイド部材13が自身の光学的性質を可変にする可
変機構を含む構成も提案できる。図7はそのような場合
の本発明実施例素子10B を示している。
は、本願要旨構成中における限定条件から外れない限
り、先に少し述べたように、絶縁体と半導体等、物性の
異なる複数種の材料が混在したものも考えられる。ま
た、光ガイド部材13が自身の光学的性質を可変にする可
変機構を含む構成も提案できる。図7はそのような場合
の本発明実施例素子10B を示している。
【0034】説明すると、光入射部30に形成される光ガ
イド部材13の一部は、光吸収部11の表面に接する側から
順に、n型(またはp型)半導体層37、GaAs/AlGaAsな
いしInAs/InGaAsの超格子構造層39、p型(またはn
型)半導体層38の積層構造体になっており、その上にこ
れまで述べてきたと同様の単一絶縁体または単一半導体
より成る光透過性絶縁部材13’があり、この絶縁部材1
3’を貫くようにして、外部からの光学的性質制御のた
めの金属または半導体製の制御電圧印加部材36が半導体
層38にオーミック接触するように形成されている。他方
の半導体層37にも制御電圧印加部材が付されるが、この
実施例ではこれは別途専用に付されたものではなく、一
対の電圧印加部材12,12の一方(図示左側)がこれを兼
ねている。
イド部材13の一部は、光吸収部11の表面に接する側から
順に、n型(またはp型)半導体層37、GaAs/AlGaAsな
いしInAs/InGaAsの超格子構造層39、p型(またはn
型)半導体層38の積層構造体になっており、その上にこ
れまで述べてきたと同様の単一絶縁体または単一半導体
より成る光透過性絶縁部材13’があり、この絶縁部材1
3’を貫くようにして、外部からの光学的性質制御のた
めの金属または半導体製の制御電圧印加部材36が半導体
層38にオーミック接触するように形成されている。他方
の半導体層37にも制御電圧印加部材が付されるが、この
実施例ではこれは別途専用に付されたものではなく、一
対の電圧印加部材12,12の一方(図示左側)がこれを兼
ねている。
【0035】このような構造では、一方の電圧印加部材
12と制御電圧印加部材36間に外部から電圧を印加するこ
とで超格子構造層39に電界を掛け、その電界の大きさ
(印加電圧の大きさ)に応じ、量子閉じ込めシュタルク
効果によりバンド端近傍の波長に対する吸収率や屈折率
を変化させ、特に量子構造において特徴的に現れるエキ
シトンによる吸収ピークを制御することができる。これ
により、各波長に対する吸収係数の変化から入射光Ipの
スペクトルが分かり、受光素子の高機能化ないし多機能
化に寄与できる。また、光ガイド部材13中にファブリ・
ペロー型共振器構造を組込めば、外部からの電極12,36
への印加電圧により屈折率を制御すると当該共振器の共
振波長を制御することもでき、波長選択性のある受光素
子10B を提供することもできる。この場合、図7におけ
る超格子構造層39は当該ファブリ・ペロー型共振器構造
中に必要な内部光導波路と読み替えれば良く、上下の半
導体層37,38は反射鏡を兼ねる屈折率制御用電圧印加部
材と見れば良い。その他、他の光学的性質の可変制御の
ための他の可変機構を含むことも本発明では何等妨げる
ものではない。
12と制御電圧印加部材36間に外部から電圧を印加するこ
とで超格子構造層39に電界を掛け、その電界の大きさ
(印加電圧の大きさ)に応じ、量子閉じ込めシュタルク
効果によりバンド端近傍の波長に対する吸収率や屈折率
を変化させ、特に量子構造において特徴的に現れるエキ
シトンによる吸収ピークを制御することができる。これ
により、各波長に対する吸収係数の変化から入射光Ipの
スペクトルが分かり、受光素子の高機能化ないし多機能
化に寄与できる。また、光ガイド部材13中にファブリ・
ペロー型共振器構造を組込めば、外部からの電極12,36
への印加電圧により屈折率を制御すると当該共振器の共
振波長を制御することもでき、波長選択性のある受光素
子10B を提供することもできる。この場合、図7におけ
る超格子構造層39は当該ファブリ・ペロー型共振器構造
中に必要な内部光導波路と読み替えれば良く、上下の半
導体層37,38は反射鏡を兼ねる屈折率制御用電圧印加部
材と見れば良い。その他、他の光学的性質の可変制御の
ための他の可変機構を含むことも本発明では何等妨げる
ものではない。
【0036】なお、図7に示される構造の場合、下側の
半導体層37を介して一対の電圧印加部材12,12間が電気
的に短絡するのを防ぐため、図示右側の電圧印加部材12
と超格子構造層39を含む光ガイド部材13との間には絶縁
層40を挟んでいるが、これは空隙に置き換えられても良
い。ただ、このような絶縁層40は、実質的に絶縁部材1
3’と同時の工程で形成することができ、特にこれを設
けるがために工程が複雑になることは一般にはない。
半導体層37を介して一対の電圧印加部材12,12間が電気
的に短絡するのを防ぐため、図示右側の電圧印加部材12
と超格子構造層39を含む光ガイド部材13との間には絶縁
層40を挟んでいるが、これは空隙に置き換えられても良
い。ただ、このような絶縁層40は、実質的に絶縁部材1
3’と同時の工程で形成することができ、特にこれを設
けるがために工程が複雑になることは一般にはない。
【0037】以上、本発明の幾つかの実施例に即し説明
したが、本発明の要旨構成に即する限り、当業者にとっ
て任意の改変は自由である。
したが、本発明の要旨構成に即する限り、当業者にとっ
て任意の改変は自由である。
【0038】
【発明の効果】本発明によると、光吸収部材の一表面上
に一対の導電性電圧印加部材を形成して、これら一対の
電圧印加部材により挟まれた光吸収部材の露呈表面を検
出対象の光の入射部とした受光素子において、光入射部
には絶縁体またはこれに準ずる物性で、検出対象の光の
波長以下の幅寸法の光透過性光ガイド部材が存在するの
で、従来よりも高い電圧を印加できるか、一対の電極間
を絶縁破壊の恐れなしにもっと近付けることができる。
そのため、高電界印加による光励起キャリアの高速な引
き抜きが可能となり、励起キャリアの再結合の影響も低
減するので、高速かつ高感度な受光素子を提供すること
ができる。また、光ガイド部材は光吸収部の表面を覆う
保護層としても働き、別途に保護層を形成する手間も省
き得る。
に一対の導電性電圧印加部材を形成して、これら一対の
電圧印加部材により挟まれた光吸収部材の露呈表面を検
出対象の光の入射部とした受光素子において、光入射部
には絶縁体またはこれに準ずる物性で、検出対象の光の
波長以下の幅寸法の光透過性光ガイド部材が存在するの
で、従来よりも高い電圧を印加できるか、一対の電極間
を絶縁破壊の恐れなしにもっと近付けることができる。
そのため、高電界印加による光励起キャリアの高速な引
き抜きが可能となり、励起キャリアの再結合の影響も低
減するので、高速かつ高感度な受光素子を提供すること
ができる。また、光ガイド部材は光吸収部の表面を覆う
保護層としても働き、別途に保護層を形成する手間も省
き得る。
【図1】本発明受光素子の基本的な一実施例の概略構成
図である。
図である。
【図2】本発明受光素子の作製に利用可能な走査プロー
ブ加工法の説明図である。
ブ加工法の説明図である。
【図3】本発明受光素子を走査プローブ加工法を援用し
て作製する場合の製造工程例の説明図である。
て作製する場合の製造工程例の説明図である。
【図4】試作された本発明受光素子の測定システムの説
明図である。
明図である。
【図5】試作された本発明受光素子を測定した結果の説
明図である。
明図である。
【図6】本発明の他の実施例としての受光素子の概略構
成図である。
成図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例としての受光素子の
概略構成図である。
概略構成図である。
【図8】従来におけるMSM型受光素子の概略構成図で
ある。
ある。
10,10A,10B 本発明受光素子, 11 光吸収部材, 12 電圧印加部材, 13 光ガイド部材, 30 光入射部, 35 光非透過中間部材, 36 制御電圧印加部材, 37,38 半導体層, 39 超格子構造層, 40 絶縁層.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 格 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 杉山 佳延 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】 光吸収部材の一表面上に一対の導電性電
圧印加部材を形成し、該一対の電圧印加部材により挟ま
れた光吸収部材の露呈表面を検出対象の光の入射部とす
る受光素子であって;上記光入射部における上記光吸収
部材の上記露呈表面上に、上記検出対象の光に対し光透
過性で、該検出対象の光の波長以下の幅寸法を有し、少
なくとも上記一対の電圧印加部材間にあって光吸収部材
よりも高抵抗を示す立体構造体である光ガイド部材を設
けたこと;を特徴とする受光素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の受光素子であって;上記
光ガイド部材は絶縁体により構成されていること;を特
徴とする受光素子。 - 【請求項3】 請求項2記載の受光素子であって;上記
絶縁体は上記一対の電圧印加部材を形成する材料薄膜を
酸化することで形成されたものであること;を特徴とす
る受光素子。 - 【請求項4】 請求項1記載の受光素子であって;上記
光ガイド部材は半導体により構成されていること;を特
徴とする受光素子。 - 【請求項5】 請求項1記載の受光素子であって;上記
光ガイド部材は複数種類の物性の材料を含むこと;を特
徴とする受光素子。 - 【請求項6】 請求項1記載の受光素子であって;上記
光ガイド部材は、該光ガイド部材の光学的性質を可変す
る可変機構を含むこと;を特徴とする受光素子。 - 【請求項7】 請求項6記載の受光素子であって;上記
可変機構は、上記光ガイド部材の上記光学的性質を可変
するために電圧の印加を受ける制御電圧印加部材を有す
ること;を特徴とする受光素子。 - 【請求項8】 請求項6または7記載の受光素子であっ
て;上記制御電圧印加部材の中の少なくとも一つは上記
一対の電圧印加部材の一方により構成されていること;
を特徴とする受光素子。 - 【請求項9】 請求項6,7,または8記載の受光素子
であって;上記可変機構は半導体超格子構造を含むこ
と;を特徴とする受光素子。 - 【請求項10】 請求項6,7,または8記載の受光素
子であって;上記可変機構はファブリ・ペロー型共振器
構造を含むこと;を特徴とする受光素子。 - 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9,または10記載の受光素子であって;上記光ガ
イド部材の厚さは上記一対の電圧印加部材の厚さよりも
厚いこと;を特徴とする受光素子。 - 【請求項12】 請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,または11記載の受光素子であって;上
記光ガイド部材は上記一対の電圧印加部材間にあって互
いに並設された複数個から成り;該複数個の光ガイド部
材にあって隣接する光ガイド部材間には上記検出対象の
光を透過しない光非透過性の中間部材が設けられている
こと;を特徴とする受光素子。
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