JPH08205459A - 動圧軸受形モータ及びポリゴンミラー駆動用スキャナモータ - Google Patents

動圧軸受形モータ及びポリゴンミラー駆動用スキャナモータ

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Publication number
JPH08205459A
JPH08205459A JP7010407A JP1040795A JPH08205459A JP H08205459 A JPH08205459 A JP H08205459A JP 7010407 A JP7010407 A JP 7010407A JP 1040795 A JP1040795 A JP 1040795A JP H08205459 A JPH08205459 A JP H08205459A
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JP
Japan
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bearing
rotor assembly
peripheral surface
rotary shaft
rotating shaft
Prior art date
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Application number
JP7010407A
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English (en)
Inventor
Kunio Hayashi
邦夫 林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータ組立の回転時において、ロータ組立に
軸方向の振動が引き起こされた場合に、その振動を自動
的に抑制できるようにする。 【構成】 ロータ組立36が浮上状態で回転している時
に、外乱によりロータ組立36が下降した場合、回転軸
35の下端部35aと気体流通孔58との間の隙間61
が小さくなり、気体流通孔61から軸受隙間39への空
気の流入量が少なくなるため、軸受隙間39における下
側の圧力が下がり、相対的に上側の圧力が高くなる。こ
の結果、ロータ組立36を上に引き戻す方向の力が働く
ようになる。逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、隙間61が大きくなり、気体流通孔58から軸受隙
間39への空気の流入量が多くなるため、軸受隙間39
における下側の圧力が上がり、相対的に上側の圧力が低
くなる。この結果、ロータ組立36を下に引き戻す方向
の力が働くようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動圧気体ラジアル軸受
を有する動圧軸受形モータ、及びこの動圧軸受形モータ
をポリゴンミラー駆動用のスキャナモータに適用したポ
リゴンミラー駆動用スキャナモータに関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑流体として空気を用いた動圧空気ラ
ジアル軸受を有する動圧軸受形モータを、レーザービー
ムプリンターのレーザースキャニングに使用されるポリ
ゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した従来構成に
ついて、図10を参照して説明する。
【0003】ハウジング1は、上面側に複数段の凹部を
有すると共に、中央部の底部に筒部2を有していて、そ
の筒部2に円筒状をなすセラミック製の軸受筒3が挿入
されて接着固定され、また、筒部2の底部に底蓋4がね
じ止めされている。このハウジング1の上面には軸受筒
3を覆う状態でカバー5がねじ止めされており、これら
ハウジング1とカバー5とにより、密閉状態のモータケ
ース6を構成している。このモータケース6内におい
て、ハウジング1の上部には配線基板7がねじ止めされ
ていて、この配線基板7の上面に複数個のステータコイ
ル8が接着固定されている。
【0004】そして、モータケース6の内部には、ステ
ンレス製の回転軸9を備えたロータ組立10が配設され
ている。回転軸9は、外周面に動圧空気軸受手段の一部
を構成するヘリングボーン状の溝部11を上下に2組形
成していて、上記軸受筒3内に回転自在でかつ軸方向に
移動可能に挿通されている。これら回転軸9と軸受筒3
とにより動圧空気軸受手段を構成している。
【0005】回転軸9の上部にはミラー取付部材12が
取付固定されており、このミラー取付部材12にロータ
ヨーク13が接着固定されている。このロータヨーク1
3の下面には環状をなすロータマグネット14が接着固
定されていて、このロータマグネット14が、上記ステ
ータコイル8に対して軸方向に所定の空隙を存する状態
で上方から対向配置されている。また、ミラー取付部材
12の上部には、ポリゴンミラー15が装着されてい
る。
【0006】ミラー取付部材12の下部には、取付部材
16が回転軸9と一体回転するように取付固定されてい
る。この取付部材16は軸受筒3を上方から包囲する状
態で配線基板7を貫通していて、下部に回転ヨーク16
aが配線基板7の下方に位置して取り付けられていると
共に、環状をなすロータ側磁気浮上用マグネット17が
取り付けられている。
【0007】回転ヨーク16aは磁気収束用のヨークで
あり、ロータマグネット14の磁気吸引力は常にこの回
転ヨーク16aに作用して引き付けようとするが、ロー
タマグネット14及び回転ヨーク16aは、共に回転軸
9にミラー取付部材12或いは取付部材16を介して固
定されているので、これらの距離は変ることなく常に一
定に維持される。従って、ロータマグネット14の磁気
吸引力をロータ組立10内で相殺することができ、結果
としてスラスト荷重をロータ組立10の自重のみに低減
することができる。
【0008】ハウジング1側には、ロータ側磁気浮上用
マグネット17を包囲するように環状のステータ側磁気
浮上用マグネット18が固定されていて、ロータ組立1
0のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用マグネ
ット17とステータ側磁気浮上用マグネット18の磁気
反発力を利用して受ける構成となっている。
【0009】しかして、上記構成において、ロータ組立
10が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部11
の作用で、軸受筒3の内周面と回転軸9の外周面との間
の数μmの軸受隙間19に空気が引き込まれて高圧の動
圧を発生し、この動圧空気軸受作用により、回転軸9は
軸受筒3に対して非接触状態で回転される。このような
動圧空気軸受を用いたモータは、高速回転に適してい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな動圧軸受形モータにおいては、次のような問題点が
ある。すなわち、ロータ組立10が軸方向(上下方向)
に移動可能であると共に、ロータ組立10の自重による
スラスト荷重は、ロータ側磁気浮上用マグネット17と
ステータ側磁気浮上用マグネット18の磁気反発力を利
用して受ける構成となっており、ロータ組立10は浮上
状態、すなわち浮上力と下降力とが釣り合った浮上状態
(ゼロバランス状態)で回転されることになり、僅かな
外乱(外部要因)にもすぐ反応してロータ組立10の上
下方向(スラスト方向)の振動が引き起こされる。
【0011】また、このような状態で引き起こされた上
下方向の振動は、なかなか止まることがなく、そればか
りか、外乱の状況(周波数)によっては共振作用で、ま
すます振動が大きくなり、これがロータ組立10が回転
している間中継続することにもなる。
【0012】そこで、本発明の目的は、ロータ組立の回
転時において、外乱によってロータ組立に軸方向の振動
が引き起こされた場合に、その振動を自動的に抑制する
ことが可能な動圧軸受形モータを提供することと、高精
度で高性能なスキャンニングを長期間にわたって行うこ
とが可能なポリゴンミラー駆動用スキャナモータを提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、動圧
軸受形モータにおいて、上記の目的を達成するために、
ハウジングに立設状態に設けられた軸受筒と、この軸受
筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能でかつ軸方向に
移動可能に挿通された回転軸を備えたロータ組立と、こ
のロータ組立のスラスト荷重を磁気力により受けるよう
に設けられた磁気浮上手段と、前記ロータ組立の回転時
に前記回転軸の外周面と前記軸受筒の内周面との間の軸
受隙間に下側から上側への気体の流れを発生させる気体
流発生手段と、前記軸受筒の下端側開口部を閉塞するよ
うに設けられ、前記回転軸の下端部と対向する部位に前
記軸受隙間の下端部と連通する気体流通孔が形成された
蓋部材とを具備する構成としたところに特徴を有する。
【0014】この場合、回転軸の下端部は、下方へ凸と
なる球面状に形成することが好ましい(請求項2の発
明)。また、回転軸の直径寸法をA1、回転軸の外周面
と軸受筒の内周面との間の軸受隙間の寸法をA2とした
ときに、気体流通孔の直径寸法A3と、回転軸の下端部
と気体流通孔との間の隙間の寸法A4を、 A1×A2≦A3×A4 の関係が成立するように設定することが好ましい(請求
項3の発明)。
【0015】さらに、動圧気体軸受手段は、回転軸の外
周面に形成されたヘリングボーン状の溝部を有する構成
とすることが好ましい(請求項4の発明)。また、軸受
筒の外側に、軸受隙間の上端部と気体流通孔とを連通さ
せる気体通路を設けることが好ましい(請求項5の発
明)。
【0016】請求項6の発明は、動圧軸受形モータにお
いて、請求項1と同様な目的を達成するために、ハウジ
ングに立設状態に設けられた軸受筒と、この軸受筒に回
転可能でかつ軸方向に移動可能に挿通された回転軸を備
えたロータ組立と、前記軸受筒と回転軸との間に設けら
れ、前記回転軸の外周面に形成されたヘリングボーン状
の溝部を有した動圧気体軸受手段と、前記ロータ組立の
スラスト荷重を磁気力により受けるように設けられた磁
気浮上手段とを具備し、前記回転軸の外周面における前
記溝部の軸方向の両端間距離B1と、前記軸受筒の軸方
向の長さ寸法B2とを、 B1≧B2 の関係が成立するように設定したことを特徴とするもの
である。
【0017】この場合、軸受筒の外側に、回転軸の外周
面と軸受筒の内周面との間の軸受隙間の上端部と下端部
とを連通させる気体通路を設けることが好ましい(請求
項7の発明)。
【0018】請求項8の発明は、動圧軸受形モータにお
いて、請求項1と同様な目的を達成するために、ハウジ
ングに立設状態に設けられた軸受筒と、この軸受筒に回
転可能でかつ軸方向に移動可能に挿通された回転軸を備
えたロータ組立と、前記軸受筒と回転軸との間に設けら
れ、前記回転軸の外周面に形成された2組のヘリングボ
ーン状の溝部を有した動圧気体軸受手段と、前記ロータ
組立のスラスト荷重を磁気力により受けるように設けら
れた磁気浮上手段と、前記軸受筒の内周部にあって前記
回転軸の外周面における2組のヘリングボーン状の溝部
の中間部に対応する部位にリング状に設けられたリング
溝とを具備する構成としたところに特徴を有する。
【0019】この場合、リング溝の幅寸法C1と、2組
のヘリングボーン状の溝部間の距離C2とを、 C1≧C2 の関係が成立するように設定することが好ましい(請求
項9の発明)。
【0020】また、軸受筒の外側に、回転軸の外周面と
軸受筒の内周面との間の軸受隙間の上端部と下端部とを
連通させる気体通路を設けると共に、軸受筒に、その気
体通路とリング溝とを連通させる連通孔を設けることが
好ましい(請求項10の発明)。
【0021】請求項11の発明は、上記した動圧軸受形
モータにおいて、回転軸に該回転軸と一体に回転するポ
リゴンミラーを備えたことを特徴とするポリゴンミラー
駆動用スキャナモータである。
【0022】
【作用】請求項1の動圧軸受形モータにおいて、ロータ
組立の回転時に、外乱によって例えばロータ組立が下降
した場合、回転軸の下端部とこれと対向する気体流通孔
との間の隙間が小さくなり、その気体流通孔から軸受隙
間への気体の流入量が少なくなるため、軸受隙間におけ
る下側の圧力が下がり、相対的に軸受隙間における上側
の圧力が高くなる。この結果、回転軸ひいてはロータ組
立を上に引き戻す方向の力が働くようになる。逆に、ロ
ータ組立が上昇した場合には、回転軸の下端部と気体流
通孔との間の隙間が大きくなり、その気体流通孔から軸
受隙間への気体の流入量が多くなるため、軸受隙間にお
ける下側の圧力が上がり、相対的に軸受隙間における上
側の圧力が低くなる。この結果、回転軸ひいてはロータ
組立を下に引き戻す方向の力が働くようになる。
【0023】したがって、外乱によってロータ組立に軸
方向の振動が引き起こされたとしても、その振動を自動
的に抑制することが可能となる。
【0024】請求項2,3,4,5の発明によれば、上
記作用効果を一層有効に発揮させることができる。
【0025】また、請求項6の動圧軸受形モータにおい
て、ロータ組立の回転時に、外乱によって例えばロータ
組立が下降した場合、回転軸の外周面に形成されたヘリ
ングボーン状の溝部のうちの下側の溝部の一部が軸受筒
から下方にはみ出し、そのはみ出した部分は動圧発生に
寄与しなくなる。このため、軸受隙間の下側に発生する
負荷が下がり、相対的に軸受隙間における上側の負荷が
高くなる。この結果、回転軸ひいてはロータ組立を上に
引き戻す方向の力が働くようになる。逆に、ロータ組立
が上昇した場合には、ヘリングボーン状の溝部のうちの
上側の溝部の一部が軸受筒から上方にはみ出し、そのは
み出した部分は動圧発生に寄与しなくなる。このため、
軸受隙間における上側の負荷が下がり、相対的に軸受隙
間における下側の負荷が高くなる。この結果、回転軸ひ
いてはロータ組立を下に引き戻す方向の力が働くように
なる。
【0026】したがって、請求項6の発明においても、
請求項1の場合と同様に、外乱によってロータ組立に軸
方向の振動が引き起こされたとしても、その振動を自動
的に抑制することが可能となる。
【0027】そして、請求項7の発明によれば、上記作
用効果を一層有効に発揮させることができる。
【0028】請求項8の動圧軸受形モータにおいて、ロ
ータ組立の回転時に、外乱によって例えばロータ組立が
下降した場合、回転軸の外周面に形成された2組のヘリ
ングボーン状の溝部のうちの上の組の下側の溝部の一部
が軸受筒の内周部に形成されたリング溝に臨むようにな
り、そのリング溝に臨んだ部分は動圧発生に寄与しなく
なる。このため、軸受隙間の中央部部分に発生する負荷
が下がり、相対的に軸受隙間における上側の負荷が高く
なる。この結果、回転軸ひいてはロータ組立を上に引き
戻す方向の力が働くようになる。逆に、ロータ組立が上
昇した場合には、2組のヘリングボーン状の溝部のうち
の下の組の上側の溝部の一部がリング溝に臨むようにな
り、そのリング溝に臨んだ部分は動圧発生に寄与しなく
なる。このため、軸受隙間における中央部部分の負荷が
下がり、相対的に軸受隙間における下側の負荷が高くな
る。この結果、回転軸ひいてはロータ組立を下に引き戻
す方向の力が働くようになる。
【0029】したがって、請求項8の発明においても、
請求項1の場合と同様に、外乱によってロータ組立に軸
方向の振動が引き起こされたとしても、その振動を自動
的に抑制することが可能となる。
【0030】そして、請求項9,10の発明によれば、
上記作用効果を一層有効に発揮させることができる。
【0031】請求項11のポリゴンミラー駆動用スキャ
ナモータによれば、上記したようにロータ組立の振動を
自動的に抑制することができる動圧軸受形モータを用い
ることにより、高精度で高性能なスキャンニングを長期
間にわたって行うことが可能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の動圧軸受形モータをレーザー
ビームプリンターのレーザースキャニングに使用される
ポリゴンミラー駆動用スキャナモータに適用した第1実
施例について図1ないし図3を参照して説明する。
【0033】まず全体構成を示す図2において、モータ
ケース21は、例えばアルミニウム製のハウジング22
と、これの上部にねじ23により装着されたカバー24
とから密閉状態となるように構成されている。
【0034】このうち、ハウジング22は、上面側に3
段の凹部25a〜25cを有すると共に、中央部の底部
に筒部26を一体に有している。その筒部26の内側
に、円筒状をなすセラミック製の軸受筒27が立設状態
となるように接着固定されている。また、筒部26の底
部には底蓋28がねじ29により取り付けられており、
筒部26の下面はこの底蓋28により閉塞されている。
【0035】ハウジング22の上段の凹部25aには配
線基板30がねじ31により取付固定されていて、この
配線基板30の上面に複数個のステータコイル32が接
着固定されている。また、ハウジング22の下段の凹部
25cには環状をなすステータ側磁気浮上用マグネット
33が固定されていて、これの上面に環状をなすヨーク
34が固定されている。
【0036】そして、モータケース21の内部には、例
えばステンレス製の回転軸35を備えたロータ組立36
が回転可能に配設されている。回転軸35の外周面に
は、図1にも示すように、動圧気体軸受手段の一部を構
成するヘリングボーン状の溝部37a,37b、38
a,38bが上下に2組形成されていて、この回転軸3
5が軸方向(上下方向)に移動可能な状態で上記軸受筒
27内に回転自在に挿通されている。軸受筒27の内周
面と回転軸35の外周面との間には数μmの軸受隙間3
9が形成されており、これら軸受筒27と回転軸35と
により空気を潤滑流体とする動圧気体軸受手段40を構
成している。
【0037】回転軸35の上部にはミラー取付部材41
が取付固定されており、このミラー取付部材41にロー
タヨーク42が接着固定されている。このロータヨーク
42の下面には環状をなすロータマグネット43が接着
固定されていて、このロータマグネット43が、上記ス
テータコイル32に対して軸方向に所定の空隙を存する
状態で上方から対向配置されている。また、ミラー取付
部材41の上部には、ポリゴンミラー44がミラー押え
45及びねじ46によって装着されており、このポリゴ
ンミラー44はロータ組立36と一体回転する構成とな
っている。
【0038】ミラー取付部材41の下部には取付部材4
7が回転軸35と一体回転するように取付固定されてい
る。この取付部材47は、軸受筒27を上方から覆う状
態で配線基板30の孔を貫通していて、その下部に回転
ヨーク48が配線基板30の下方に位置して該配線基板
30と平行となるように取り付けられていると共に、環
状をなすロータ側磁気浮上用マグネット49が取り付け
られている。
【0039】回転ヨーク48は磁気収束用のヨークであ
り、ロータマグネット43の磁気吸引力は常にこの回転
ヨーク48に作用して引き付けようとするが、ロータマ
グネット43及び回転ヨーク48は、共に回転軸35に
ミラー取付部材41或いは取付部材47を介して固定さ
れているので、これらの距離は変ることなく常に一定に
維持される。従って、ロータマグネット43の磁気吸引
力をロータ組立36内で相殺することができ、結果とし
てスラスト荷重をロータ組立36の自重のみに低減する
ことができる。
【0040】取付部材47の内面と軸受筒27の外面と
の間には所定の隙間が形成されている。また、ロータ側
磁気浮上用マグネット49は、上記ステータ側磁気浮上
用マグネット33内に挿入された状態となっており、こ
れらロータ側磁気浮上用マグネット49の外周面とステ
ータ側磁気浮上用マグネット33の内周面との間にも所
定の隙間が形成されている。
【0041】ロータ側磁気浮上用マグネット49とステ
ータ側磁気浮上用マグネット33は、それぞれ上部がN
極で、下部がS極となるように着磁されており、ロータ
組立36のスラスト荷重を、これらロータ側磁気浮上用
マグネット49とステータ側磁気浮上用マグネット33
の磁気反発力を利用して受ける構成となっており、これ
らロータ側磁気浮上用マグネット49とステータ側磁気
浮上用マグネット33により磁気浮上手段50を構成し
ている。
【0042】ハウジング22の下方には、駆動回路(図
示せず)を備えた基板51が配置されている。この基板
51は、ハウジング22にスペーサ52を介してねじ5
3により取付固定されている。この基板51の回路とモ
ータケース21内の配線基板30の回路とはコネクタ5
4を介して電気的に接続されている。また、カバー24
において、ポリゴンミラー44の外周部と対応する部位
の1箇所には窓部55が設けられていて、この窓部55
を通してレーザー光が出入りするようになっている。
【0043】ここで、図1に示すように、回転軸35に
おいて、これの外周面に形成された2組の溝部37a,
37b及び38a,38bのうち、上から3個の溝部3
7a,37b及び38aの軸方向の長さ寸法E1は同一
に設定していて、最下部の溝部38bの軸方向の長さ寸
法E2を、上記長さ寸法E1よりも大きくなるように設
定している(E2>E1)。このように、最下部の溝部
38bの軸方向の長さ寸法E2を、他の溝部37a,3
7b,38aの長さ寸法E1よりも大きく設定すること
によって、ロータ組立36の回転時に回転軸35の外周
面と軸受筒27の内周面との間の軸受隙間39に下側か
ら上側への空気の流れを発生させる気体流発生手段を構
成している。また、空気動圧を発生させるための2組の
溝部37a,37b及び38a,38bの流入角βは、
15度〜45度の範囲が好ましく、本実施例では約25
度に設定されている。
【0044】一方、回転軸35の下端部35aは、下方
へ凸となる球面状に形成されている。そして、底蓋28
の内側には、回転軸35の下端部35aと対応する部位
にスラスト受け部材56が配設されていて、これら底蓋
28とスラスト受け部材56により軸受筒27の下端側
開口部を閉塞する蓋部材57を構成している。このう
ち、スラスト受け部材56には、軸受隙間39の下端部
と連通する気体流通孔58が形成され、底蓋28には、
その気体流通孔58と連通する気体通路として第1の気
体通路59が形成されている。また、ハウジング22に
おける筒部26には第1の気体通路59と共に気体通路
を構成する第2の気体通路60が形成されており、この
第2の気体通路60は、一端部がモータケース21内を
介して軸受隙間39の上端部と連通し、他端部は第1の
気体通路59を介して気体流通孔58と連通している。
【0045】ここで、回転軸35の直径寸法をA1、回
転軸35の外周面と軸受筒27の内周面との間の軸受隙
間39の寸法をA2としたときに、気体流通孔58の直
径寸法A3と、ロータ組立36の回転時における回転軸
35の下端部35aと気体流通孔58との間の隙間61
の寸法A4を、 A1×A2≦A3×A4 の関係が成立するように設定している。
【0046】さて、上記構成において、ロータ組立36
が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部37a,
37b及び38a,38bの作用で、軸受筒27と回転
軸35との間の軸受隙間39に空気が引き込まれて高圧
の動圧を発生し、この動圧気体軸受作用により、回転軸
35は軸受筒27に対して非接触状態で回転されるよう
になる。
【0047】また、回転軸35の溝部37a,37b及
び38a,38bのうち、最下部の溝部38bの軸方向
の長さ寸法E2を、他の溝部37a,37b,38aの
長さ寸法E1よりも大きく設定していて、これにより気
体流発生手段を構成しているので、回転軸35の回転に
基づき軸受隙間39に発生する動圧の圧力は下側が上側
よりも大きくなり、軸受隙間39には、下側の空気を上
方へ押し上げる流れが発生し、図1に矢印aで示すよう
に、下から上へ向く空気の流れが発生する。
【0048】軸受隙間39を上向きに流れた空気は、軸
受筒27の上端に出た後、軸受筒27と取付部材47と
の間の隙間を通り軸受筒27の外面に沿って下降する
(矢印b参照)。そして、その空気は、第2の気体通路
60及び第1の気体通路59を通った後(矢印c参
照)、気体流通孔58を通して再び軸受隙間39に戻さ
れる(矢印d参照)というように循環するようになる。
【0049】そしてこの場合、ロータ組立36は、磁気
浮上手段50による浮上力と、ロータ組立36の自重
と、気体流発生手段による沈み込み力とがバランスした
浮上状態(ゼロバランス状態)で回転される。したがっ
て、ロータ組立36は、回転時には、停止状態のときよ
りもやや沈み込んだ状態で回転されることになる。図1
及び図2はこの状態が示されている。
【0050】このようなロータ組立36の回転状態で、
外乱によって例えばロータ組立36が下降した場合、回
転軸35の下端部35aとこれと対向する気体流通孔5
8との間の隙間61が小さくなり、その気体流通孔58
から軸受隙間39への空気の流入量が少なくなるため、
軸受隙間39における下側の圧力が下がり、相対的に軸
受隙間39における上側の圧力が高くなる。この結果、
回転軸35ひいてはロータ組立36を上に引き戻す方向
の力が働くようになる。
【0051】逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、回転軸35の下端部35aと気体流通孔58との間
の隙間61が大きくなり、その気体流通孔58から軸受
隙間39への空気の流入量が多くなるため、軸受隙間3
9における下側の圧力が上がり、相対的に軸受隙間39
における上側の圧力が低くなる。この結果、回転軸35
ひいてはロータ組立36を下に引き戻す方向の力が働く
ようになる。
【0052】ここで、このような作用の原理について、
図3も参照して説明する。ただし、この図3では、説明
を簡単にするため、簡略化して示している。すなわち、
回転軸35の外周面におけるヘリングボーン状の溝部6
2a,62bは1組のみで、しかも、軸方向の長さは同
一で示している。
【0053】いま、回転軸35と軸受筒27との間の軸
受隙間39における上側の圧力Paと下側の圧力Pbと
が等しい場合(Pa=Pb)には、回転軸35の回転に
伴い(回転方向をイで示す)ヘリングボーン状の溝部6
2a,62bの作用で発生する負荷W1,W2は等しい
(W1=W2)。この場合、W=w×P×L×Dで表さ
れる。なお、wは、角速度、気体の粘性係数、偏心率、
溝部の流入角、軸受隙間などにより定まる値であり、こ
の場合一定値であり、定数と見なしてよい。
【0054】したがって、このような場合には、それぞ
れのスラスト方向成分Ws1,Ws2が等しく(Ws1
=Ws2)、回転軸35を上下動させる力は働かない。
【0055】そして、外乱(外部要因)により、例えば
回転軸35(ロータ組立36)が下降した場合、前述し
たように、回転軸35の下端部35aとこれと対向する
気体流通孔58との間の隙間61が小さくなり、その気
体流通孔58から軸受隙間39への空気の流入量が少な
くなるため、軸受隙間39における下側の圧力Pbが下
がり、相対的に軸受隙間39における上側の圧力Paが
高くなる。この結果、下側の溝部62bによる発生負荷
W2は破線のように小さくなり、W1>W2となる。こ
れに伴い、スラスト方向成分Ws2も破線のように小さ
くなり、Ws1>Ws2となる。このスラスト方向成分
の差(Ws1−Ws2)の作用で、下降した回転軸35
ひいてはロータ組立36を上に引き戻す方向(矢印ロ参
照)の力が働くようになる。
【0056】逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、詳細な説明は省略するが、スラスト方向成分Ws
1,Ws2は、Ws1<Ws2となり、このスラスト方
向成分の差(Ws2−Ws1)の作用で、上昇した回転
軸35ひいてはロータ組立36を下に引き戻す方向(矢
印ロとは反対方向)の力が働くようになる。
【0057】また、図3の下部に示すように、回転軸3
5の回転状態で、軸受筒27の内周面に対して回転軸3
5が偏心した場合、軸受隙間39の広い部分の高圧空気
層が、その粘性により回転軸35につられて、軸受隙間
39の狭い部分に押し込まれ、その結果、回転軸35は
軸受隙間39の広い部分の方へ押しやられ(矢印ハ参
照)、軸受筒27に対して非接触状態が維持されること
になる。
【0058】このような第1実施例によれば、上述した
ように、外乱によってロータ組立36に軸方向の振動が
引き起こされたとしても、軸受隙間39に発生するスラ
スト方向成分の分力により、ロータ組立36に対してこ
れが移動する方向とは逆方向の力を作用させて、その振
動を自動的に抑制することが可能となる。これに伴い、
ポリゴンミラー駆動用スキャナモータとして、高精度で
高性能なスキャンニングを長期間にわたって行うことが
可能となる。
【0059】また、モータケース21が密閉構造のもの
でありながら、ロータ組立36の回転に基づき、モータ
ケース21内の空気が軸受隙間39、第2及び第1の気
体通路59,60を通して循環するようにしているの
で、回転軸35及び軸受筒27部分を良好に冷却するこ
とができると共に、軸受隙間39において結露が生ずる
ことも防止でき、しかも、モータケース21内に塵埃が
発生したとしても、その塵埃が軸受筒27の内周面や回
転軸35の外周面に付着堆積することも極力防止するこ
とができる利点がある。
【0060】図4は本発明の第2実施例を示したもので
あり、この第2実施例は上記した第1実施例とは次の点
が異なっている。すなわち、回転軸35の下端部35b
は平面状に形成されており、また、底蓋28と共に蓋部
材63を構成するスラスト受け部材64には、気体流通
孔58の回りに上方へ突出する筒部65が一体に設けら
れている。
【0061】このような第2実施例においても、ロータ
組立36の上下動に伴い、回転軸35の下端部35bと
気体流通孔58との間の隙間66が変化することに応じ
て、気体流通孔58から軸受隙間39への空気の流入量
が変化することにより、第1実施例と同様な作用効果を
得ることができる。
【0062】図5ないし図7は本発明の第3実施例を示
したものであり、この第3実施例は第1実施例とは次の
点が異なっている。
【0063】すなわち、図5において、軸受筒67は、
第1実施例における軸受筒27よりも軸方向の長さが短
く設定されていて、この軸受筒67の軸方向の長さ寸法
B2は、回転軸35の外周面における2組の溝部37
a,37b及び38a,38bの軸方向の両端間距離B
1よりも小さくなるように設定されている(B1>B
2)。
【0064】また、ハウジング21の筒部26を閉塞す
るように取り付けられた底蓋68には気体通路は形成さ
れておらず、この底蓋68と軸受筒67との間には空間
部69が形成されている。底蓋68の上面中央部にはス
ラスト受け部材70が配設されている。そして、ハウジ
ング21の筒部26には気体通路71が形成されてお
り、この気体通路71は、一端部がモータケース21内
を介して軸受隙間39の上端部と連通し、他端部は空間
部69を介して軸受隙間39の下端部と連通している。
【0065】さて、上記構成において、ロータ組立36
が回転駆動された場合、第1実施例と同様に、回転軸3
5と軸受筒67とから構成される動圧気体軸受手段40
の作用により、回転軸35は軸受筒67に対して非接触
状態で回転される。また、回転軸35の溝部37a,3
7b及び38a,38bによる気体流発生手段により、
軸受隙間39には、下側の空気を上方へ押し上げる流れ
が発生し、図5に矢印aで示すように、下から上へ向く
空気の流れが発生する。
【0066】軸受隙間39を上向きに流れた空気は、軸
受筒67の上端に出た後、軸受筒67と取付部材47と
の間の隙間を通り軸受筒67の外面に沿って下降する
(矢印b参照)。そして、その空気は、気体通路71を
通った後(矢印c参照)、空間部69を通して再び軸受
隙間39に戻される(矢印e参照)というように循環す
るようになる。
【0067】そしてこの場合も、ロータ組立36は、磁
気浮上手段50による浮上力と、ロータ組立36の自重
と、気体流発生手段による沈み込み力とがバランスした
浮上状態(ゼロバランス状態)で回転される。したがっ
て、ロータ組立36は、回転時には、停止状態のときよ
りもやや沈み込んだ状態で回転されることになる。図5
はこの状態が示されている。
【0068】このようなロータ組立36の回転状態で、
外乱によって例えばロータ組立36が下降した場合、回
転軸35の外周面に形成された2組の溝部37a,37
b及び38a,38bのうちの最も下側の溝部38b
が、図5の状態よりもさらに軸受筒67から下方にはみ
出し、そのはみ出した部分は動圧発生に寄与しなくな
る。このため、軸受隙間39の下側に発生する負荷が下
がり、相対的に軸受隙間39における上側の負荷が高く
なる。この結果、回転軸35ひいてはロータ組立36を
上に引き戻す方向の力が働くようになる。
【0069】逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、2組の溝部37a,37b及び38a,38bのう
ちの最も上側の溝部37aが、図5の状態よりもさらに
軸受筒67から上方にはみ出し、そのはみ出した部分は
動圧発生に寄与しなくなる。このため、軸受隙間39に
おける上側の負荷が下がり、相対的に軸受隙間39にお
ける下側の負荷が高くなる。この結果、回転軸35ひい
てはロータ組立36を下に引き戻す方向の力が働くよう
になる。
【0070】ここで、このような作用の原理について、
図6及び図7を参照して説明する。ただし、この図6及
び図7では、図3の場合と同様に、説明を簡単にするた
め、簡略化して示している。すなわち、回転軸35の外
周面におけるヘリングボーン状の溝部62a,62bは
1組のみで、しかも、軸方向の長さは同一で示してい
る。また、軸受筒67も短く示されている。
【0071】いま、図6に示されるように、上下の溝部
62a,62bの一部が軸受筒67から上下両側にはみ
出した状態となっており、上下の溝部62a,62bの
有効軸方向長さLa,Lbが等しい場合(La=Lb)
には、回転軸35の回転に伴い、ヘリングボーン状の溝
部62a,62bの作用で発生する負荷W1,W2は等
しい(W1=W2)。この場合、W=w×P×L×Dで
表される。なお、wは、角速度、気体の粘性係数、偏心
率、溝部の流入角、軸受隙間などにより定まる値であ
り、この場合一定値であり、定数と見なしてよい。
【0072】したがって、このような場合には、それぞ
れのスラスト方向成分Ws1,Ws2が等しく(Ws1
=Ws2)、回転軸35を上下動させる力は働かない。
【0073】そして、外乱(外部要因)により、例えば
回転軸35(ロータ組立36)が下降した場合、図7に
示されるように、下側の溝部62bが、図6の状態より
もさらに軸受筒67から下方にはみ出す一方、上側の溝
部62aは軸受筒67内にほとんど入った状態となり、
上下の溝部62a,62bの有効軸方向長さLc,Ld
は、Lc>Ldの関係となる。
【0074】この結果、下側の溝部62bによる発生負
荷W2は小さくなる一方、上側の溝部62aによる発生
負荷W1は大きくなるため、W1>W2となり、これに
伴い、それぞれのスラスト方向成分Ws1,Ws2も、
Ws1>Ws2となる。このスラスト方向成分の差(W
s1−Ws2)の作用で、下降した回転軸35ひいては
ロータ組立36を上に引き戻す方向(矢印ロ参照)の力
が働くようになる。
【0075】逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、詳細な説明は省略するが、スラスト方向成分Ws
1,Ws2は、Ws1<Ws2となり、このスラスト方
向成分の差(Ws2−Ws1)の作用で、上昇した回転
軸35ひいてはロータ組立36を下に引き戻す方向(矢
印ロとは反対方向)の力が働くようになる。
【0076】したがって、このような第3実施例におい
ても、第1実施例と同様に、外乱によってロータ組立3
6に軸方向の振動が引き起こされたとしても、軸受隙間
39に発生するスラスト方向成分の分力により、ロータ
組立36に対してこれが移動する方向とは逆方向の力を
作用させて、その振動を自動的に抑制することが可能と
なる。
【0077】なお、この第3実施例では、軸受筒67の
軸方向の長さ寸法B2を、2組の溝部37a,37b及
び38a,38bの軸方向の両端間距離B1よりも小さ
くなるように設定したが(B1>B2)、軸受筒67の
軸方向の長さ寸法B2と2組の溝部37a,37b及び
38a,38bの軸方向の両端間距離B1とを等しくな
るように設定しても(B1=B2)、同様な効果を得る
ことができる。
【0078】また、この第3実施例では、2組の溝部3
7a,37b及び38a,38bによる気体流発生手段
により、軸受隙間39に下側から上側への空気の流れを
形成する構成としているが、この気体流発生手段は必ず
しも必要としない。
【0079】図8は本発明の第4実施例を示したもので
あり、この第4実施例は上記した第3実施例とは次の点
が異なっている。
【0080】すなわち、軸受筒27は、第3実施例の軸
受筒67よりも軸方向の長さが長く設定されていて、こ
の軸受筒27の軸方向の長さ寸法は、第1実施例と同様
に、回転軸35の外周面における2組の溝部37a,3
7b及び38a,38bの軸方向の両端間距離よりも若
干大きくなるように設定されている。そして、この軸受
筒27の内周部にあって、2組の溝部37a,37b及
び38a,38bの中間部72に対応する部位にリング
溝73が設けられている。この場合、リング溝73の軸
方向の幅寸法C1は、2組の溝部37a,37b及び3
8a,38b間の軸方向の距離C2よりも大きく設定さ
れている(C1>C2)。また、軸受筒27には、モー
タケース21内とリング溝73内とを連通させる連通孔
74が複数個形成されている。
【0081】このような第4実施例においても、ロータ
組立36は、磁気浮上手段50による浮上力と、ロータ
組立36の自重と、気体流発生手段による沈み込み力と
がバランスした浮上状態(ゼロバランス状態)で回転さ
れる。したがって、ロータ組立36は、回転時には、停
止状態のときよりもやや沈み込んだ状態で回転されるこ
とになる。図8はこの状態が示されている。
【0082】このようなロータ組立36の回転状態で、
外乱によって例えばロータ組立36が下降した場合、回
転軸35の外周面に形成された2組のヘリングボーン状
の溝部37a,37b及び38a,38bのうちの上の
組の下側の溝部37bが、軸受筒27の内周部に形成さ
れたリング溝73に多く臨むようになり、そのリング溝
73に臨んだ部分は動圧発生に寄与しなくなる。このた
め、軸受隙間39の中央部部分に発生する負荷が下が
り、相対的に軸受隙間39における上側の負荷が高くな
る。この結果、第3実施例の場合と同様に、スラスト方
向成分の差の作用で、回転軸35ひいてはロータ組立3
6を上に引き戻す方向の力が働くようになる。
【0083】逆に、ロータ組立36が上昇した場合に
は、2組のヘリングボーン状の溝部37a,37b及び
38a,38bのうちの下の組の上側の溝部38aが、
リング溝73に多く臨むようになり、そのリング溝73
に臨んだ部分は動圧発生に寄与しなくなる。このため、
軸受隙間39における中央部部分の負荷が下がり、相対
的に軸受隙間39における下側の負荷が高くなる。この
結果、第3実施例の場合と同様に、スラスト方向成分の
差の作用で、回転軸35ひいてはロータ組立36を下に
引き戻す方向の力が働くようになる。
【0084】したがって、このような第4実施例におい
ても、第3実施例と同様に、外乱によってロータ組立3
6に軸方向の振動が引き起こされたとしても、軸受隙間
39に発生するスラスト方向成分の分力により、ロータ
組立36に対してこれが移動する方向とは逆方向の力を
作用させて、その振動を自動的に抑制することが可能と
なる。
【0085】なお、この第4実施例では、リング溝73
の軸方向の幅寸法C1は、2組の溝部37a,37b及
び38a,38b間の軸方向の距離C2よりも大きくな
るように設定したが(C1>C2)、リング溝73の軸
方向の幅寸法C1と2組の溝部37a,37b及び38
a,38b間の軸方向の距離C2とを等しくなるように
設定しても(C1=C2)、同様な効果を得ることがで
きる。
【0086】図9は本発明の第5実施例を示したもので
あり、この第5実施例は、本発明をラジアルギャップ形
のモータに適用したものである。なお、第1実施例と同
一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0087】モータケース81は、ハウジング82と、
これの上部に装着されたカバー24とから密閉状態とな
るように構成されている。ハウジング82には凹部83
が形成されていて、この凹部83の中央部に筒部材84
を介して円筒状をなす軸受筒27が立設状態となるよう
に設けられている。また、筒部材84の下面は、底蓋8
5により閉塞されている。ハウジング82の凹部83内
において、筒部材84の外周部には配線基板86及びリ
ング状をなすステータコア87が設けられ、このステー
タコア87にステータコイル88が設けられている。
【0088】そして、モータケース81の内部には、回
転軸35を備えたロータ組立89が回転可能に配設され
ている。回転軸35の外周面には、第1実施例と同様
に、動圧気体軸受手段の一部を構成するヘリングボーン
状の溝部37a,37b、38a,38bが上下に2組
形成されていて、この回転軸35が軸方向(上下方向)
に移動可能な状態で上記軸受筒27内に回転自在に挿通
されている。軸受筒27の内周面と回転軸35の外周面
との間には数μmの軸受隙間39が形成されており、こ
れら軸受筒27と回転軸35とにより動圧気体軸受手段
40を構成している。
【0089】回転軸35の上部にはミラー取付部材90
が取付固定されており、このミラー取付部材90にロー
タヨーク91が固定されている。このロータヨーク91
はステータコア87を囲繞するような筒状をなしている
と共に、内周面に筒状をなすロータマグネット92が接
着固定されていて、このロータマグネット92が、ステ
ータコア87に対して径方向に所定の空隙を存する状態
で対向配置されている。この場合、ロータマグネット9
2とステータコア87とにより、ロータ組立89のスラ
スト荷重を受ける磁気浮上手段93を構成している。ま
た、ミラー取付部材90の上部には、ポリゴンミラー4
4がミラー押え45及びねじ46によって装着されてお
り、このポリゴンミラー44はロータ組立89と一体回
転する構成となっている。カバー24において、ポリゴ
ンミラー44の外周部と対応する部位の1箇所には窓部
55が設けられていて、この窓部55を通してレーザー
光が出入りするようになっている。
【0090】回転軸35の下端部35aは、下方へ凸と
なる球面状に形成されている。そして、底蓋85の内側
には、回転軸35の下端部35aと対応する部位にスラ
スト受け部材56が配設されていて、これら底蓋85と
スラスト受け部材56により軸受筒27の下端側開口部
を閉塞する蓋部材94を構成している。このうち、スラ
スト受け部材56には、軸受隙間39の下端部と連通す
る気体流通孔58が形成され、底蓋85には、その気体
流通孔58と連通する気体通路として第1の気体通路9
5が形成されている。また、筒部材84及びハウジング
82には、第1の気体通路95と共に気体通路を構成す
る第2の気体通路96が形成されており、この第2の気
体通路96は、一端部がモータケース21内を介して軸
受隙間39の上端部と連通し、他端部は第1の気体通路
95を介して気体流通孔58と連通している。
【0091】ここで、回転軸35の直径寸法をA1、回
転軸35の外周面と軸受筒27の内周面との間の軸受隙
間39の寸法をA2としたときに、気体流通孔58の直
径寸法A3と、ロータ組立89の回転時における回転軸
35の下端部35aと気体流通孔58との間の隙間61
の寸法A4を、第1実施例と同様に、 A1×A2≦A3×A4 の関係が成立するように設定している。
【0092】さて、上記構成において、ロータ組立89
が回転駆動されると、ヘリングボーン状の溝部37a,
37b及び38a,38bの作用で、軸受筒27と回転
軸35との間の軸受隙間39に空気が引き込まれて高圧
の動圧を発生し、この動圧気体軸受作用により、回転軸
35は軸受筒27に対して非接触状態で回転されるよう
になる。
【0093】また、回転軸35の溝部37a,37b及
び38a,38bのうち、最下部の溝部38bの軸方向
の長さ寸法を、他の溝部37a,37b,38aの長さ
寸法よりも大きく設定していて、これらにより気体流発
生手段を構成しているので、回転軸35の回転に基づき
軸受隙間39に発生する動圧の圧力は下側が上側よりも
大きくなる。このため、軸受隙間39には、下側の空気
を上方へ押し上げる流れが発生し、矢印fで示すよう
に、下から上へ向く空気の流れが発生する。
【0094】軸受隙間39を上向きに流れた空気は、軸
受筒27の上端に出た後、ロータマグネット92とステ
ータコア87との間の隙間を通って下降する(矢印g参
照)。そして、その空気は、配線基板86の上面とロー
タマグネット92の下面との間、及び配線基板86の下
面と凹部83の上面との間を通り(矢印h参照)、第2
の気体通路96及び第1の気体通路95を通った後(矢
印i参照)、気体流通孔58を通して再び軸受隙間39
に戻される(矢印j参照)というように循環するように
なる。
【0095】そしてこの場合、ロータ組立89は、磁気
浮上手段93による浮上力と、ロータ組立89の自重
と、気体流発生手段による沈み込み力とがバランスした
浮上状態(ゼロバランス状態)で回転される。したがっ
て、ロータ組立89は、回転時には、停止状態のときよ
りもやや沈み込んだ状態で回転されることになる。図9
はこの状態が示されている。
【0096】このようなロータ組立89の回転状態で、
外乱によって例えばロータ組立89が下降した場合に
は、第1実施例と同様に、回転軸35の下端部35aと
これと対向する気体流通孔58との間の隙間61が小さ
くなり、その気体流通孔58から軸受隙間39への空気
の流入量が少なくなるため、軸受隙間39における下側
の圧力が下がり、相対的に軸受隙間39における上側の
圧力が高くなる。この結果、回転軸35ひいてはロータ
組立89を上に引き戻す方向の力が働くようになる。
【0097】逆に、ロータ組立89が上昇した場合に
は、回転軸35の下端部35aと空気流通孔58との間
の隙間61が大きくなり、その気体流通孔58から軸受
隙間39への空気の流入量が多くなるため、軸受隙間3
9における下側の圧力が上がり、相対的に軸受隙間39
における上側の圧力が低くなる。この結果、回転軸35
ひいてはロータ組立89を下に引き戻す方向の力が働く
ようになる。
【0098】このような第5実施例においても、第1実
施例と同様に、外乱によってロータ組立89に軸方向の
振動が引き起こされたとしても、軸受隙間39に発生す
るスラスト方向成分の分力により、ロータ組立89に対
してこれが移動する方向とは逆方向の力を作用させて、
その振動を自動的に抑制することが可能となる。
【0099】本発明は、上記した各実施例にのみ限定さ
れるものではなく、次のように変形または拡張すること
ができる。例えば気体流発生手段としては、上記した手
段に代えて、ヘリングボーン状の溝部37a,37b,
38a,38bの溝の深さを、流入側と流出側で変える
ことによっても達成できる。具体的には、溝部の深さ
を、軸受隙間39と同等としたときに最も大きな圧力が
得られるので、軸受隙間39において上向きの空気の流
れを発生させるためには、最下部の溝部38bの深さを
軸受隙間39と同等となるように設定し、他の溝部37
a,37b,38aの深さはそれよりも浅く設定しても
よいし、深く設定しても良い。
【0100】また、気体流発生手段としては、上記した
手段に代えて、軸受隙間39の寸法を流入側と流出側で
変えることによっても達成できる。具体的には、軸受隙
間39の寸法が小さい程大きな圧力が得られるので、軸
受隙間39において上向きの空気の流れを発生させるた
めには、軸受隙間39の寸法を下側が上側よりも小さく
なるように設定する。
【0101】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ロータ組立の
回転時において、外乱によってロータ組立に軸方向の振
動が引き起こされたとしても、軸受隙間に発生するスラ
スト方向成分の分力により、ロータ組立に対してこれが
移動する方向とは逆方向の力を作用させて、その振動を
自動的に抑制することが可能となる。
【0102】請求項2,3,4,5の発明によれば、上
記作用効果を一層有効に発揮させることができる。
【0103】請求項6の発明においても、請求項1の発
明の場合と同様に、ロータ組立の回転時において、外乱
によってロータ組立に軸方向の振動が引き起こされたと
しても、軸受隙間に発生するスラスト方向成分の分力に
より、ロータ組立に対してこれが移動する方向とは逆方
向の力を作用させて、その振動を自動的に抑制すること
が可能となる。
【0104】また、請求項7の発明によれば、上記作用
効果を一層有効に発揮させることができる。
【0105】請求項8の発明においても、請求項1の場
合と同様に、ロータ組立の回転時において、外乱によっ
てロータ組立に軸方向の振動が引き起こされたとして
も、軸受隙間に発生するスラスト方向成分の分力によ
り、ロータ組立に対してこれが移動する方向とは逆方向
の力を作用させて、その振動を自動的に抑制することが
可能となる。
【0106】また、請求項9,10の発明によれば、上
記作用効果を一層有効に発揮させることができる。
【0107】そして、請求項11のポリゴンミラー駆動
用スキャナモータによれば、上記したようにロータ組立
の振動を自動的に抑制することができる動圧軸受形モー
タを用いることにより、高精度で高性能なスキャンニン
グを長期間にわたって行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の縦断正面図
【図2】全体の縦断正面図
【図3】原理説明図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図6】原理説明図その1
【図7】原理説明図その2
【図8】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【図9】本発明の第5実施例を示す図2相当図
【図10】従来構成を示す図2相当図
【符号の説明】
21はモータケース、22はハウジング、27は軸受
筒、33はステータ側磁気浮上用マグネット、35回転
軸、35a,35bは下端部、36はロータ組立、37
a,37b,38a,38bは溝部(気体流発生手
段)、39は軸受隙間、40は動圧気体軸受手段、44
はポリゴンミラー、49はロータ側磁気浮上用マグネッ
ト、50は磁気浮上手段、57は蓋部材、58は気体流
通孔、59,60は第1,第2の気体通路(気体通
路)、61は隙間、63は蓋部材、66は隙間、67は
軸受筒、71は気体通路、72は中間部、73はリング
溝、74は連通孔、81はモータケース、82はハウジ
ング、89はロータ組立、93は磁気浮上手段、94は
蓋部材、95,96は第1,第2の気体通路(気体通
路)、A1は回転軸の直径寸法、A2は軸受隙間の寸
法、A3は気体流通孔の直径寸法、A4は回転軸の下端
部と気体流通孔との間の隙間の寸法、B1は溝部の軸方
向の両端間距離、B2は軸受筒の長さ寸法、C1はリン
グ溝の幅寸法、C2は2組の溝部間の距離である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに立設状態に設けられた軸受
    筒と、 この軸受筒に動圧気体軸受手段を介して回転可能でかつ
    軸方向に移動可能に挿通された回転軸を備えたロータ組
    立と、 このロータ組立のスラスト荷重を磁気力により受けるよ
    うに設けられた磁気浮上手段と、 前記ロータ組立の回転時に前記回転軸の外周面と前記軸
    受筒の内周面との間の軸受隙間に下側から上側への気体
    の流れを発生させる気体流発生手段と、 前記軸受筒の下端側開口部を閉塞するように設けられ、
    前記回転軸の下端部と対向する部位に前記軸受隙間の下
    端部と連通する気体流通孔が形成された蓋部材とを具備
    する構成としたことを特徴とする動圧軸受形モータ。
  2. 【請求項2】 回転軸の下端部は、下方へ凸となる球面
    状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の動
    圧軸受形モータ。
  3. 【請求項3】 回転軸の直径寸法をA1、回転軸の外周
    面と軸受筒の内周面との間の軸受隙間の寸法をA2とし
    たときに、気体流通孔の直径寸法A3と、回転軸の下端
    部と気体流通孔との間の隙間の寸法A4を、 A1×A2≦A3×A4 の関係が成立するように設定したことを特徴とする請求
    項2記載の動圧軸受形モータ。
  4. 【請求項4】 動圧気体軸受手段は、回転軸の外周面に
    形成されたヘリングボーン状の溝部を有していることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動圧軸
    受形モータ。
  5. 【請求項5】 軸受筒の外側に、軸受隙間の上端部と気
    体流通孔とを連通させる気体通路を設けたことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の動圧軸受形モ
    ータ。
  6. 【請求項6】 ハウジングに立設状態に設けられた軸受
    筒と、 この軸受筒に回転可能でかつ軸方向に移動可能に挿通さ
    れた回転軸を備えたロータ組立と、 前記軸受筒と回転軸との間に設けられ、前記回転軸の外
    周面に形成されたヘリングボーン状の溝部を有した動圧
    気体軸受手段と、 前記ロータ組立のスラスト荷重を磁気力により受けるよ
    うに設けられた磁気浮上手段とを具備し、 前記回転軸の外周面における前記溝部の軸方向の両端間
    距離B1と、前記軸受筒の軸方向の長さ寸法B2とを、 B1≧B2 の関係が成立するように設定したことを特徴とする動圧
    軸受形モータ。
  7. 【請求項7】 軸受筒の外側に、回転軸の外周面と軸受
    筒の内周面との間の軸受隙間の上端部と下端部とを連通
    させる気体通路を設けたことを特徴とする請求項6に記
    載の動圧軸受形モータ。
  8. 【請求項8】 ハウジングに立設状態に設けられた軸受
    筒と、 この軸受筒に回転可能でかつ軸方向に移動可能に挿通さ
    れた回転軸を備えたロータ組立と、 前記軸受筒と回転軸との間に設けられ、前記回転軸の外
    周面に形成された2組のヘリングボーン状の溝部を有し
    た動圧気体軸受手段と、 前記ロータ組立のスラスト荷重を磁気力により受けるよ
    うに設けられた磁気浮上手段と、 前記軸受筒の内周部にあって前記回転軸の外周面におけ
    る2組のヘリングボーン状の溝部の中間部に対応する部
    位にリング状に設けられたリング溝とを具備したことを
    特徴とする動圧軸受形モータ。
  9. 【請求項9】 リング溝の幅寸法C1と、2組のヘリン
    グボーン状の溝部間の距離C2とを、 C1≧C2 の関係が成立するように設定したことを特徴とする請求
    項8記載の動圧軸受形モータ。
  10. 【請求項10】 軸受筒の外側に、回転軸の外周面と軸
    受筒の内周面との間の軸受隙間の上端部と下端部とを連
    通させる気体通路を設けると共に、軸受筒に、その気体
    通路とリング溝とを連通させる連通孔を設けたことを特
    徴とする請求項8または9記載の動圧軸受形モータ。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の動圧軸受形モータにおいて、回転軸に該回転軸と一体
    に回転するポリゴンミラーを備えたことを特徴とするポ
    リゴンミラー駆動用スキャナモータ。
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