JPH08207045A - 合成樹脂粉末の製造方法および装置 - Google Patents

合成樹脂粉末の製造方法および装置

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JPH08207045A
JPH08207045A JP7016224A JP1622495A JPH08207045A JP H08207045 A JPH08207045 A JP H08207045A JP 7016224 A JP7016224 A JP 7016224A JP 1622495 A JP1622495 A JP 1622495A JP H08207045 A JPH08207045 A JP H08207045A
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Susumu Uchida
進 内田
Atsushi Yoshinaga
篤史 吉永
Toshio Shiraishi
敏夫 白石
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剪断摩砕型粉砕機によって樹脂ペレットを微
粉末に粉砕する場合において、粉砕刃間の粉砕隙間の温
度より正確に管理し、粉砕機のトラブルを軽減するとと
もに、製品粉末の品質を向上させること。 【構成】 剪断摩砕型粉砕機によって原料合成樹脂ペレ
ットから合成樹脂粉末を製造する場合において、上記粉
砕機の負荷に基づいて原料合成樹脂ペレットの供給量を
調節する第1の制御と、粉砕機内温度に基づいて粉砕機
冷却空気量を調節する第2の制御とを独立して行うよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、合成樹脂粉末の製造方法およ
び装置に関し、合成樹脂ペレットを粉砕してその微粉末
を得るための技術に関する。
【0002】
【従来技術】たとえば20メッシュパスの合成樹脂微粉
末は、粉体塗料としての用途はもちろん、回転成形、圧
縮成形等の合成樹脂成形素材、塗料充填剤、化粧品素材
等種々の分野に使用されており、その生産量も年々増大
している。一般に、このような合成樹脂微粉末は、たと
えば剪断摩砕型粉砕機を利用し、数ミリ角程度の大きさ
の合成樹脂ペレットを粉砕することによって生産されて
いる。
【0003】剪断摩砕型粉砕機の一例はたとえば本願の
出願人による特開平5−96193号公報に示されてい
る。すなわち、この粉砕機1は、本願の図9に示すよう
に、ハウジング2内に同一軸心をもって相対回転する雄
粉砕刃3と雌粉砕刃4とを備えて基本的に構成される。
雄粉砕刃3のコーン外面3aと雌粉砕刃4のコーン内面
4aは所定間隔をあけて対向させられており、その各々
には、図10および図11に示すように、軸心から放射
方向に延びる複数の突条で構成される刃部5が形成され
ている。この刃部5のピッチおよび刃高さは、どの程度
のメッシュの微粉末を製造するか、あるいはどの程度の
大きさのペレットを導入するかによって異なるが、それ
ぞれ、1〜2mmの範囲で設定される。このようにして、
両粉砕刃3,4の対向刃部5,5によって粉砕空間6が
形成される。
【0004】ハウジング2には、雄粉砕刃3の中心に開
けた導入孔7に連通するペレット導入部8と、両粉砕刃
3,4の周囲を取り囲むように形成される製品回収部9
とが設けられる。そして、この製品回収部9の適部には
製品粉末搬送管10がつなげられている。
【0005】上記両粉砕刃3,4の刃部5,5どうしの
間隔を所定に設定した上で両粉砕刃3,4を互いに逆方
向に回転させるなどして相対回転状態におき、図示しな
いフィーダによって原料ペレットがハウジング2のペレ
ット導入部8に導入される。原料ペレットは、上記粉砕
隙間6において両刃部5,5による剪断力を受け、粉砕
隙間6の外周部にいたる間に所定の大きさの微粉末に粉
砕される。
【0006】こうして製造された合成樹脂微粉末は、製
品回収部9を介して製品粉末搬送管10に送られる。な
お、製品粉末搬送管10には、所定の吸引力が作用させ
られており、この吸引力によって製品粉末の外部への搬
送が行われる。
【0007】ところで、熱可塑性の合成樹脂ペレットを
上記のような粉砕機によって粉砕して微粉末を生産する
場合、その樹脂の軟化点と融点との間の所定温度におい
て粉砕する必要がある。粉砕時の温度が樹脂の融点を超
えると、樹脂そのものが溶けて粉砕刃3,4に付着して
しまい、粉砕機1が運転不能に陥る。粉砕時の温度が樹
脂の軟化点より低いと、樹脂が完全な粉砕に至らず、粉
末表面に細かい髭状物が形成されるなどして、流動性が
悪くなる。一定品位の微粉末を連続的に得るために許さ
れる粉砕時の温度範囲はきわめて厳しく、好ましくは適
正温度の±1℃以内、理想的には±0.5℃以内に制御
する必要がある。
【0008】剪断摩砕型の粉砕機では、上記の粉砕温度
は樹脂粉砕時に粉砕刃と樹脂ペレットとの間に生じる摩
擦熱によって得ている。上記のような適正温度で樹脂ペ
レットの粉砕を行うには、厳密には粉砕刃の刃部の温度
を管理するべきである。しかしながら、刃部の温度を直
接的に計測することは事実上不可能であるため、従来
は、粉砕機内の雰囲気温度を常時計測し、こうして計測
される温度が所定の温度となるように樹脂ペレットの導
入量を調節するという温度調節方法をとらざるをえなか
った。
【0009】より詳細には、粉砕刃の回転速度が所定速
度で一定の場合、一般には、粉砕機への樹脂ペレット導
入量を増やせば内部温度が上昇し、樹脂ペレット導入量
を減らせば内部温度が低下する。従来においては、オペ
レータが粉砕機内部温度を常時監視しつつ、こうして監
視される粉砕機内部温度が所定の範囲となるように、原
料ペレットのフィーダの運転速度を手動で調整してい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の粉
砕機内温度調節方法では、次のような問題がある。
【0011】すなわち、粉砕機1の粉砕刃間、すなわ
ち、粉砕隙間6で発生する熱が粉砕機内の温度に反映さ
れるまでに時間的なずれがある上に、オペレータによる
ペレットフィーダの運転速度調節操作から実際に粉砕機
内に調節された量のペレットが導入されるまでに時間的
なずれがあるため、粉砕機内温度調節の正確さは、上記
のような各時間ずれを見越した操作というオペレータの
技量に大きく依存する。一般には、このような手法によ
って粉砕機内の温度を適正温度の±1℃の範囲内に調節
することは非常に困難であり、その結果、生産される合
成樹脂微粉末の品位のバラツキを一定範囲内に抑制する
ことがきわめて困難であった。
【0012】本願発明は、上述のような事情のもとで考
え出されたものであって、剪断摩砕型粉砕機によって合
成樹脂ペレットを微粉末に粉砕する場合において、粉砕
機の粉砕刃間の粉砕隙間の温度をより正確に管理するこ
とをその課題とする。
【0013】
【発明の要約】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の各技術的手段を講じている。
【0014】本願発明の第1の側面によれば、合成樹脂
粉末の製造方法が提供される。この方法は、剪断摩砕型
粉砕機によって原料合成樹脂ペレットから合成樹脂粉末
を製造する方法であって、上記粉砕機の負荷を検出して
それに基づいて原料合成樹脂ペレットの供給量を調節す
るとともに、粉砕機内温度を検出してそれに基づいて粉
砕機冷却空気量を調節するようにしたことに特徴づけら
れる。
【0015】より詳細には、上記粉砕機冷却空気量の調
節は、粉砕機内の検出温度が所定の設定値となるように
調節される。
【0016】粉砕機の負荷は、具体的には、粉砕機を作
動させるための電動モータの電流を測定することによっ
て検出することができる。本願発明では、まず、上記検
出電流値が所定の設定値となるように原料合成樹脂ペレ
ットの供給量を自動的に加減する。好ましい実施例にお
いては、上記自動調節の手法として、いわゆるPID制
御が採用される。この場合、上記モータの検出電流値を
移動平均フィルタ等のノイズカット処理を施した上でP
ID調節器を介して原料供給制御をするのが望ましい。
このようにすることにより、原料ペレットの形状の不揃
いや微妙な粉末の流れの違い等によって±数Aの範囲で
脈動的に電流値が振動することの影響をうけることな
く、ハンチングを起こさない安定した制御を得ることが
できる。
【0017】同時に本願発明では、粉砕機内温度を検出
してそれに基づいて粉砕機冷却空気量を自動的に調節す
る。より具体的には、粉砕機内温度を検出して、この検
出温度が所定の設定値となるように、粉砕機冷却空気量
を調節する。自動調節の手法としては、上記原料ペレッ
トの供給量の調節と同様、PID制御によることができ
る。また、粉砕機冷却空気量の調節は、具体的には、た
とえば、製品粉末搬送管の途中に設けたバタフライバル
ブ等のバルブの開度を調節することによって達成するこ
とができる。製品粉末搬送管は、低圧源によって粉砕隙
間から排出される樹脂微粉末製品を周囲空気とともに製
品回収部を介して搬送するようになっており、上記吸引
力によって粉砕機内に周囲空気が導入されることから、
この周囲空気が冷却空気として作用する。したがって、
上記の場合、製品粉末搬送管のバルブの開度を上げると
冷却空気量が増え、開度を絞ると冷却空気量が減る。こ
れによって、粉砕機内温度、より具体的には、2つの粉
砕刃の間の粉砕隙間の温度を実質的に制御することがで
きる。
【0018】本願発明の第2の側面によれば、合成樹脂
粉末の製造装置が提供される。この装置は、ハウジング
と、このハウジング内において粉砕隙間を挟んで刃部が
対向させられ、相対回転させられる一対の粉砕刃と、上
記一対の粉砕刃に相対回転を与えるモータと、上記粉砕
隙間に原料合成樹脂ペレットを供給するフィーダと、上
記ハウジングに連結され、吸引力によって製品粉末を搬
送する製品粉末搬送管とを備える合成樹脂粉末の製造装
置において、上記モータの負荷を検出する負荷検出手段
と、上記ハウジング内の適部の温度を検出する温度検出
手段とを設け、上記負荷検出手段によって検出されるモ
ータの負荷に基づいて上記フィーダによる原料樹脂ペレ
ットの供給量を制御する第1の制御と、上記温度検出手
段によって検出される温度に基づいて上記製品搬送管の
流量を制御する第2の制御とを行うようにしたことに特
徴づけられる。
【0019】本願発明は要するに、剪断型粉砕機によっ
て原料合成樹脂ペレットから合成樹脂粉末を製造する場
合において、粉砕機の駆動モータの負荷が所定の設定値
となるように原料樹脂ペレット供給量を制御する第1の
制御と、粉砕機内温度が所定の温度となるように粉砕機
冷却空気量を制御する第2の制御とを独立に行うことに
特徴づけられるものである。
【0020】従来技術の項で既に説明したように、原料
ペレットの供給量を増やすと原料ペレット粉砕時に生ず
る熱によって粉砕機内温度が上昇する傾向が生じ、原料
ペレット供給を減少させると原料ペレット粉砕時に生ず
る熱が少なくなるので粉砕機内温度上昇傾向が緩和され
る。したがって、上記第1の制御は、間接的に粉砕機内
の温度を一定に制御しようとするものであるといえる。
そして、上記第2の制御は、冷却空気量を調節して、粉
砕機内温度を直接的に制御しようとするものである。
【0021】本願発明では、上記2つの制御によって実
質的に粉砕機内温度を所定の設定値に制御しようとする
ものであり、従来のように、原料ペレット供給量の手動
調節のみによって粉砕機内温度を制御する場合に比較
し、精度の高い粉砕機内温度制御が可能となる。
【0022】しかも、本願発明は、上記第1の制御と第
2の制御とをいずれもPID制御等の自動制御によって
行っているので、粉砕機内温度を監視しながらオペレー
タが手動で原料ペレット供給フィーダの速度を調節する
場合に比較し、格段に精度のよい制御を行うことができ
るし、また、オペレータの技量の差による制御の精度の
バラツキが生じるといった問題もなくすことができる。
【0023】なお、本願発明の第3の側面によれば、粉
砕機内温度が所定の温度となるように冷却空気量を制御
する第2の制御を行う場合において、設定温度を所定の
演算式によって求められる予測値にしたがって変化させ
るが、この第3の側面の詳細について後述する。
【0024】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】図1は、本願発明の合成樹脂粉末の製造装
置1の概略合成図である。同図において、符号1は、剪
断摩砕型粉砕機を示しており、その内部構造は、図9な
いし図11を参照して既に従来技術の項で説明したもの
と同様である。この粉砕機1の一対の粉砕刃3,4(図
11)は、モータ11によって回転駆動される。このモ
ータ11の負荷が、電流値として、変換器12および移
動平均フィルタ13を介して第1の指示調節器14に入
力される。
【0026】図1において符号15は、原料ペレット供
給フィーダを示しており、この原料ペレット供給フィー
ダ15のモータ16には、上記第1の指示調節器14か
ら延びる制御線がモータ制御装置17を介して接続され
ている。
【0027】一方、粉砕機1のハウジング2内適部、よ
り好ましくは製品回収部9の両粉砕刃3,4(図9)の
周囲出口近傍に、温度センサ20が配置されており、こ
の温度センサ20からの検出温度出力は、シグナルコン
ディショナ21を介して第2の指示調節器22に入力さ
れている。
【0028】図1において符号10は、粉砕機1内で生
産された樹脂粉末を搬送する製品粉末搬送管を示してお
り、その出口側端は、図示しない吸引力発生手段に連結
されている。そして、この製品粉末搬送管10の中間部
には、バタフライバルブ等のバルブ24が設けられてい
る。このバルブ24の駆動アクチュエータ25は、第2
の指示調節器22から出力される制御信号によって制御
される。
【0029】上記第1の指示調節器14は、粉砕機1の
負荷値が所定の設定値となるように、原料ペレット供給
フィーダ15による原料ペレット供給量を制御する。す
なわち、この第1の指示調節器14は、粉砕機1のモー
タ11の電流値が所定の設定値となるように原料ペレッ
ト供給フィーダ15のモータ16を工業用コピュータを
介してPID制御する。原料ペレットの供給量が増える
と、粉砕機の負荷が増大するとともに、粉砕隙間で発生
する熱が増大するため、粉砕機1の内部温度、ないしは
粉砕隙間の温度が上昇する。逆に、原料ペレット供給量
が少なくなると、粉砕機の負荷が小さくなるとともに、
粉砕隙間での温度が低くなる。したがって、第1の指示
調節器14は、間接的に、粉砕機1の内部温度を制御し
ていることになる。
【0030】図1に示す実施例では、モータ11の電流
値を移動平均フィルタ13を介して第1の指示調節器1
4に入力するようにしているので、原料ペレットの形状
の不揃いや微妙な粉末の流れの違いによって生じる粉砕
機負荷の変動の影響を受けてハンチングを起こすといっ
たことを回避し、安定した制御を達成することができ
る。
【0031】一方、第2の指示調節器22は、粉砕機1
の内部温度が所定の設定値となるように、製品粉末搬送
管wのバルブ24の開度を調節する。前述したように、
製品粉末搬送管10には、粉砕機1で生産された製品粉
末を吸引排出する吸引力が作用しており、そのために、
粉砕機1では、周囲空気が粉砕隙間6に流れ込むととも
に、この空気流れによって製品粉末が搬送される。この
時の周囲空気は、冷却空気として作用することから、上
記のようにバルブ24の開度を調整することは、冷却空
気量を調節することになる。すなわち、第2の指示調節
器22は、粉砕機1の内部温度を冷却空気量を工業用コ
ンピュータを介してPID制御することにより加減して
直接的に制御していることになる。
【0032】このように、第1の指示調節器14と、第
2の指示調節器22とは、独立して、それぞれ粉砕機1
の内部温度を自動的に調節しているのであり、そのた
め、相互にハンチングを回避しつつ、安定した粉砕機内
部温度の制御が可能となる。
【0033】なお、上記第2の指示調節器22での設定
温度は、数3によって演算される温度予測値T(t)に
したがって変化させることにより、より適正な粉砕機内
温度調節が可能であることが本願の発明者によって確認
されている。
【0034】
【数3】
【0035】上記数3は、次のようにして導くことがで
きる。粉砕機の内部発熱量をq〔J・hr-1〕、粉砕機
の熱容量をC〔J・K-1〕、粉砕機の総括伝熱係数をU
〔J・hr-1・m-2・K-1〕、粉砕機の伝熱面積をA
〔m2 〕、粉砕時間t〔hr〕、粉砕機内部と外部との
温度差をT〔K〕とおくと、内部発熱量qは、蓄積熱量
(粉砕機の熱容量に温度上昇速度を乗じたもの)と放散
熱量との和であるので、数4のように表すことができ
る。
【0036】
【数4】
【0037】上記数4の微分方程式を解くと、数5を得
る。
【数5】
【0038】上記数5において、(q/UA)はT→∞
のときの漸近温度であるので、これをT∞とする。ま
た、exp の指数〔t/(C/UA)〕を、−1にするt
の値をτ(緩和時間)とし、この粉砕機に関する温度変
化の目安とする。そうすると、数6を得る。
【0039】
【数6】
【0040】上記数6中のTとT∞は、それそれ粉砕機
内部と外気との差で評価しているので、これらを粉砕機
内部温度T(t)と外気温度(T0 )と置き換えると、
上記数3を得る。
【0041】上記数3によって求められる温度予測値に
したがってポリエチレン樹脂を粉砕した場合において、
第2の指示調節器22で制御を行った際の粉砕機内昇温
曲線を図2に示す。この場合のτは400(sec)と
したものであるが、このτ=400は、粉砕機特有の値
であって、実測によって求めたものである。なお、比較
のためにコンピュータによるシミュレーションで得られ
た理想昇温曲線を図3に示すが、この2曲線を重ね合わ
せると、ほぼ一致することがわかる。
【0042】このように温度制御を行うことによって、
滑らかに、しかもできるかぎり自然に最適粉砕温度に近
づけることができ、加熱による樹脂の溶融等がほとんど
無くなる。
【0043】図4および図5に、同一のポリエチレン樹
脂粉末を生産する場合における、従来方法と本願発明方
法との温度記録例を示す。この図から判るように、従来
方法では、温度過上昇に起因する原料ペレット供給停止
が見られるが、本願発明方法の場合、定常運転以降は安
定した温度が維持されているのがわかる。なお、装置起
動後の温度上昇曲線は、前述のように、数3によって演
算される温度予測値にしたがって制御されていることか
ら、理想的な温度上昇を達成しており、加熱による樹脂
の溶融等が都合よく回避されつつ定常運転に移行してい
ることは前述したとおりである。
【0044】従来方法では、設定温度を中心として±
1.0ないし2.0℃の範囲で調整するのがやっとであ
ったが、本願発明によれば、設定温度に対し、±0.1
℃の範囲での高精度な温度調節が可能となったことが確
認されている。
【0045】また、上記のような高精度な粉砕機内温度
調節が可能となった結果、粉砕時の温度が樹脂の融点を
越えて粉砕機が運転不能に陥るといったトラブルが激減
するとともに、樹脂粉末製品の品質(嵩比重、安息角、
平均流量)が従来方法に比べて著しく向上することにな
った。
【0046】図6は、樹脂粉末製品嵩比重についての従
来方法と本願発明方法との比較を表している。同図から
わかるように、従来方法では、基準値付近で製品嵩比重
が時間とともに大きく変動しているのに対し、本願発明
方法では、基準値よりも良側において、時間による嵩比
重の変動が少なく、安定しているのがわかる。
【0047】図7は、樹脂粉末製品の安息角についての
従来方法と本願発明方法との比較を表している。同図か
らわかるように、従来方法では、基準値付近で安息角が
時間とともに大きく変動しているのに対し、本願発明方
法では、基準値よりも良側において、安息角の変動が少
なく、安定している。
【0048】図8は、樹脂粉末製品の平均粒径について
の従来方法と本願発明方法との比較を表している。同図
からわかるように、従来方法では、平均粒径が時間経過
にともなって大きく変動しているのに対し、本願発明方
法では、従来方法のような大きな変動はなく、きわめて
安定している。
【0049】なお、本願発明は、合成樹脂粉末、とりわ
け、熱可塑性合成樹脂粉末の製造技術の関するものであ
るが、製造するべき樹脂の種類は問われない。本願発明
を適用できる樹脂としては、たとえば、PE(ポリエチ
レン)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、E
AA(エチレン−アクリル酸共重合体)、PC(ポリカ
ーボネイト)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ
塩化ビニル)、EMMA(エチレン−メタアクリル酸メ
チル共重合体)、PVAc(ポリ酢酸ビニル)、PA
(ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンス
ルファイド)、PS(ポリスチレン)、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)等の合成樹脂粉末を得る場合
に本願発明を適用することができる。
【0050】また、本願発明において使用する粉砕機と
しては、いわゆる剪断摩砕型の粉砕機であれば、特定の
機種に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の全体概略構成図である。
【図2】本願発明の一態様の作用を説明するための図で
あり、本願発明の方法を用いて粉砕機を運転開始した時
点からの昇温曲線を示す。
【図3】本願発明の一態様において定義された数式によ
ってコンピュータで演算して得られた粉砕機内理想昇温
曲線を示す。
【図4】従来の制御方法による粉砕機内温度曲線を示
す。
【図5】本願発明方法による粉砕機内温度曲線を示す。
【図6】樹脂粉末製品の嵩比重についての従来方法と本
願発明方法との比較を示すチャートである。
【図7】樹脂粉末製品の安息角についての従来方法と本
願発明方法との比較を示すチャートである。
【図8】樹脂粉末製品の平均粒径についての従来方法と
本願発明方法との比較を示すチャートである。
【図9】剪断摩砕型粉砕機の一例の断面図である。
【図10】図9に示す粉砕機の粉砕刃の刃部を示す部分
平面図である。
【図11】図9に示す粉砕機の雄粉砕刃と雌粉砕刃とに
よって形成される粉砕隙間を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 粉砕機 3 雄粉砕刃 4 雌粉砕刃 6 粉砕隙間 10 製品粉末搬送管 11 モータ 14 第1の指示調節器 15 原料ペレット供給フィーダ 20 温度センサ 22 第2の指示調節器 24 バルブ 26 制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剪断摩砕型粉砕機によって原料合成樹脂
    ペレットから合成樹脂粉末を製造する方法であって、 上記粉砕機の負荷を検出してそれに基づいて原料合成樹
    脂ペレットの供給量を調節するとともに、粉砕機内温度
    を検出してそれに基づいて粉砕機冷却空気量を調節する
    ようにしたことを特徴とする、合成樹脂粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 剪断摩砕型粉砕機によって原料合成樹脂
    ペレットから合成樹脂粉末を製造する方法であって、 上記粉砕機の負荷を検出してそれに基づいて原料合成樹
    脂ペレットの供給量を調節するとともに、粉砕機内温度
    を検出し、検出温度が所定の設定値となるように粉砕機
    冷却空気量を調節するようにしたことを特徴とする、合
    成樹脂粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法において、数1によって
    演算される温度予測値T(t) を設定値とすることを特徴
    とする、合成樹脂粉末の製造方法。 【数1】
  4. 【請求項4】 ハウジングと、このハウジング内におい
    て粉砕空間を挟んで刃部が対向させられ、相対回転させ
    られる一対の粉砕刃と、上記一対の粉砕刃に相対回転を
    与えるモータと、上記粉砕空間に原料合成樹脂ペレット
    を供給するフィーダと、上記ハウジングに連結され、吸
    引力によって製品粉末を搬送する製品粉末搬送管とを備
    える合成樹脂粉末の製造装置において、 上記モータの負荷を検出する負荷検出手段と、上記ハウ
    ジング内の適部の温度を検出する温度検出手段とを設
    け、 上記負荷検出手段によって検出されるモータの負荷に基
    づいて上記フィーダによる原料樹脂ペレット供給量を制
    御する第1の制御と、上記温度検出手段によって検出さ
    れる温度に基づいて上記製品搬送管の流量を制御する第
    2の制御とを行うように構成したことを特徴とする、合
    成樹脂粉末の製造装置。
  5. 【請求項5】 上記第2の制御は、上記温度検出手段に
    よって検出される検出温度が所定の設定値となるように
    上記製品搬送管の流量を制御するものである、請求項4
    の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の装置において、数2によって
    演算される温度予測値T(t) を設定値とすることを特徴
    とする、合成樹脂粉末の製造装置。 【数2】
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