JPH08208268A - レーザーガラス及び光ファイバー - Google Patents

レーザーガラス及び光ファイバー

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JPH08208268A
JPH08208268A JP7275190A JP27519095A JPH08208268A JP H08208268 A JPH08208268 A JP H08208268A JP 7275190 A JP7275190 A JP 7275190A JP 27519095 A JP27519095 A JP 27519095A JP H08208268 A JPH08208268 A JP H08208268A
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裕昭 柳田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率が高く、かつホストであるガラスの
安定性が高く、ガラスを作製し易いレーザーガラス、こ
のレーザーガラスを用いた光ファイバー及び光ファイバ
ー増幅器の提供。 【解決手段】 Ga−Na−S系のガラスに1種又は2
種以上の発光種イオン、例えば希土類イオンを含有する
レーザーガラス。コアとクラッドとからなる光ファイバ
ーであって、前記コアが上記本発明のレーザーガラスか
ら構成されている光ファイバー。励起光源、信号光源、
光ファイバー及び前記励起光源から発生する励起光と前
記信号光源から発生する信号光とを前記光ファイバーに
入射させる手段を構成要素として含む光増幅器であっ
て、前記光ファイバーが上記本発明の光ファイバーであ
る光増幅器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザーガラス、こ
のレーザーガラスを用いた光ファイバー及びこの光ファ
イバーを用いた光増幅器に関する。本発明のレーザーガ
ラスは、例えば、光通信システムで使用される1.3μ
m帯の光増幅用ガラス、可視光レーザー用のアップコン
バージョンガラス、長波長レーザーガラス等として有用
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、結晶又はガラスに希土類イオン
を導入し、レーザー材料として利用する場合、その多フ
ォノン緩和による非輻射緩和速度(Wnr)は、次式で
示されることが知られている。 Wnr=Wnr(0)/exp〔−α・ΔE/(hω/2π)〕 ここで、Wnr(0)およびαは、その材料に特有な定
数、ΔEは発光準位とその直下の準位との間のエネルギ
ー差、hω/2πはガラスのもつ格子振動エネルギーで
ある。これらの因子のうちガラス中のWnrに支配的な
のは、hω/2πである。いいかえれば、大きなhω/
2πをもつガラス中では、非輻射緩和速度が大きく、発
光の効率が小さくなってしまうということができる。一
方、ガラスのもつ格子振動エネルギーは、そのガラスの
長波長域の透明限界によって決定されるため、より長波
長に透明限界が存在するガラスほど、小さい格子振動エ
ネルギーを有する。従来、酸化物ガラスやフッ化物ガラ
スがレーザー材料として一般に用いられてきたが、上述
の理由から、ΔEの小さい準位間の発光を必要とする場
合、即ち、長波長の発光あるいは発光始準位と直下の準
位のエネルギー差が小さい場合、十分な発光の効率が得
られないという欠点がある。
【0003】カルコゲナイドガラスは、酸化物ガラスや
フッ化物ガラスに比べて透明限界長がより長波長側に存
在する。そのため、より小さい格子振動エネルギーを有
することが知られており、これらのガラスをレーザー材
料として用いることで発光の効率を増大させることがで
きる。これまでに、カルコゲナイドガラスに発光種とし
て希土類イオンを導入したGa−La−S系のガラス
(P.C.Becker, M.M.Broder, V.G.Lambrecht, A.J.Bruce
and G.Nykolak, OSA, 1992, postdeadline paper PD5,P
20-23) が報告されている。この報告によれば、Prイ
オンの1.3μmの発光の効率は、ZrF4 系のフッ化
物ガラス(ZBLAN)を用いた場合の約15倍に相当
する。また、ZBLANでは発光が確認されなかったD
yイオンについても1.3μmの発光が確認されており
(Electron. Lett.,1994,30.P12) 、Prイオンとともに
注目を集めている。しかしながら、この系のガラスは熱
的な安定性が十分でないため、結晶化が起こりやすく、
ファイバーにしたときに光の透過損失の低下が難しいと
いう欠点がある。As−S系ガラス(S.Q.Gu, Q.Xu, S.R
amachandran, E.E.Reuter, J.T.Verdeyen, S.G.Bishop,
CLEO, 1994, technical digest series volume 8, P33
6)においては、ガラスに対する希土類イオンの溶解性が
悪いため、ガラスの均質性が低下するなどの欠点があ
る。Ge−Ga−S系ガラス(E.Snitzer, K.Wei and Pr
ohaska, The 4th International Symposium on New Gla
ss, 1993, P57)においても、ガラスの安定性に問題があ
り、ファイバー化がなされていない。また、さらに、カ
ルコゲナイドガラスは、その蒸気圧の高さから、一般的
に原料をガラスアンプルに真空封入して溶解しなければ
ならないため、ガラス作製時の作業手順が多く複雑であ
る上に、大型なガラスを得ることが難しいといった欠点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第1の
目的は、発光効率が高く、かつホストであるガラスの安
定性が高く、ガラスを作製し易いレーザーガラスを提供
することにある。さらに本発明の第2の目的は、上記レ
ーザーガラスを用いた光ファイバー及び光ファイバー増
幅器を提供することにある。特に、本発明では、1.3
μm帯で効率良く動作する光ファイバー増幅器を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
Ga−Na−S系のガラスに1種又は2種以上の発光種
イオンを含有することを特徴とするレーザーガラスに関
する。さらに本発明の第2の態様は、コアとクラッドと
からなる光ファイバーであって、前記コアが本発明のレ
ーザーガラスで構成されていることを特徴とする光ファ
イバーに関する。本発明の第3の態様は、励起光源、信
号光源、光ファイバー及び前記励起光源から発生する励
起光と前記信号光源から発生する信号光とを前記光ファ
イバーに入射させる手段を構成要素として含む光増幅器
であって、前記光ファイバーが本発明の光ファイバーで
あることを特徴とする光増幅器に関する。以下本発明を
詳説する。
【0006】本発明のレーザーガラスのホストガラスは
Ga−Na−S系のガラスである。Ga−Na−S系の
ガラス(M.Palazzi, C.R.Acal. Sci.(Paris) Serie II,
299(1984)529) は、透明限界波長が12〜13μmとフ
ッ化物ガラスよりも長波長側に存在することから格子振
動エネルギーが小さく、非輻射緩和速度が小さいため、
発光の効率を増大させることができ、さらに、発光種で
ある希土類イオンの溶解度が大きく、均質なガラスが得
られるという利点がある。Gaイオンはガラスの骨格を
形成し、Naイオンはそのガラス骨格を修飾する必須成
分であり、それぞれ、50〜80モル%、及び5〜45
モル%の範囲で含有される。この範囲外では結晶化し易
くなり安定なガラスが得られにくくなる。また陰イオン
としてはSイオンのみが含まれるか、又はSイオンに加
えてClイオンを含有することができ、Clイオンを含
有させることで安定性を向上させることができる。Cl
イオンを含有する場合、その量は15モル%以下である
ことが適当である。この値を越えた場合、結晶化し易く
なり安定なガラスが得られにくくなる。
【0007】本発明のレーザーガラスは、上記ホストガ
ラス中に1種又は2種以上の発光種イオンを含有する。
発光種イオンは、主に希土類元素のイオンから選ばれ
る。例えばPr3+(0.6、1.0、1.3μm)、N
3+(0.9、1.0、1.3、1.8μm)、Sm3+
(0.6、1.3μm)、Eu3+(0.6μm)、Tb
3+(0.5μm)、Dy3+(1.3、3.0μm)、H
3+(0.7、1.0、1.2、1.3、1.4、1.
5、1.7、2.1、2.4、2.9、3.9μm)、
Er3+(0.7、0.9、1.3、1.6、1.7、
2.8μm)、Tm3+(2.0、2.4μm)、Yb3+
(1.0μm)を挙げることができる。尚、括弧内は主
な発光波長である。また、発光種イオンは、希土類元素
のイオン以外に遷移金属元素のイオンから選ぶことでき
る。
【0008】発光種イオンの含有量は、0.01〜40
モル%(2種以上の場合は合量で)の範囲(ただし、G
aとNaと発光種イオンの合計は100%である)とす
ることが適当である。発光種イオンの含有量が0.01
モル%に満たない場合、発光種のイオン密度が低すぎる
ために、このガラスをレーザー発振や光増幅に利用する
際、低い励起効率しか得られず、結果として励起に高い
エネルギーが必要となる。一方、発光種イオンの含有量
が40モル%を越えると、ガラスが結晶化し易くなるこ
とから、40モル%以下であることが適当である。
【0009】本発明のレーザーガラスは、上記発光種イ
オンを増感させる増感イオンを含有させることもでき
る。増感イオンの種類は、発光種イオンにより適宜選択
することができる。発光種イオンと増感イオンの組み合
わせの例を以下に示す。括弧内に増感イオン、括弧の前
に発光種イオンを示す。 Nd3+(Ce3+、Cr3+)、Sm3+(Tb3+)、Tb3+
(Gd3+)、Dy3+(Er3+)、Ho3+(Cr3+、Yb
3+、Er3+、Tm3+)、Er3+(Yb3+、Cr3+)、T
3+(Cr3+、Er3+、Yb3+)、Yb3+(Nd3+、C
3+) 増感イオンの添加量は、発光種イオンの種類及び添加
量、並びに励起効率等を考慮して適宜決められる。尚、
増感イオンを含有するレーザーガラスの場合、GaとN
aと発光種イオンと増感イオンの合計は100%であ
る。
【0010】さらに本発明のレーザーガラスには、ガラ
スの耐失透性を向上させる目的、あるいはガラスの特
性、すなわち屈折率、ガラス転移点などを調整する目的
のために、追加の陽イオンを導入することができる。ガ
ラスの特性の調整は、このガラスをファイバー化して利
用する場合、特に重要である。また、このようにして特
性を調整したガラスは、発光種イオンを含有せずにファ
イバーのクラッドガラス等にも利用できる。
【0011】追加して含有できる陽イオンおよびその量
をモル%で表示すると以下のとおりである。 Li:0〜17%、K :0〜22% Mg:0〜12%、Ca:0〜17%、Sr:0〜17
% Ba:0〜12%、Zn:0〜12%、Cd:0〜17
% Sn:0〜17%、Pb:0〜17% Y :0〜12%、La:0〜40%、Ce:0〜37
% Gd:0〜17%、Lu:0〜12%、Al:0〜12
% In:0〜12% Ti:0〜12%、Zr 0〜12%、Si:0〜12
% Ge:0〜17%
【0012】これら陽イオンのうち、ガラスの耐失透性
を向上させる働きをもつイオンとしては、Li、K、C
a、Sr、Cd、Sn、Pb、La、Ce、Gd、L
u、Ge等のイオンが挙げられる。また、上述のイオン
の導入により屈折率を変化させることができる。例え
ば、Naの一部をK、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、L
a、Gd、Zn、Cd、Al、In、Si、Sn、Pb
等のイオンを導入することにより、ガラスの屈折率を上
げることができる。また、Gaの一部をLi、K、M
g、Ca、Al等のイオンで置換したり、Naの一部を
Liで置換することにより、ガラスの屈折率を下げるこ
ともできる。
【0013】前記追加の陽イオンは、合量を0.01〜
45モル%の範囲とすることが適当である。上記追加の
陽イオンの合量が0.01%に満たない場合、耐失透性
の向上あるいは特性の効果が小さい。一方、45%を超
えると結晶化しやすくなるので好ましくない。ただし、
GaとNaと発光種イオンと前記陽イオンの合計、又は
GaとNaと発光種イオンと増感イオンと前記陽イオン
の合計は100モル%である。
【0014】前記の追加陽イオンの好ましい含有量の範
囲は以下のとおりである。 Li:0〜12%、K :0〜17% Mg:0〜 7%、Ca:0〜12%、Sr:0〜12
% Ba:0〜 7%、Zn:0〜 7%、Cd:0〜12
% Sn:0〜12%、Pb:0〜12% Y :0〜 7%、La:0〜35%、Ce:0〜30
% Gd:0〜12%、Lu:0〜 7%、Al:0〜 7
% In:0〜 7% Ti:0〜 7%、Zr:0〜 7%、Si:0〜 7
% Ge:0〜12% さらに、前記陽イオンの合量は5〜40モル%であるこ
とが好ましい。ただし、GaとNaと発光種イオンと前
記陽イオンの合計、又はGaとNaと発光種イオンと増
感イオンと前記陽イオンの合計は100モル%である。
【0015】本発明のレーザーガラスは、各種元素の硫
化物を原料として用い、不活性ガス雰囲気下において、
例えばカーボンるつぼ中で加熱溶融し、徐冷することに
より得られる。本発明のガラスは超急冷を必要としない
安定なガラスであり、かつ、蒸気圧が一般のカルコゲナ
イドガラスに比べてはるかに低いため、石英アンプルな
どを用いて真空封入する必要がなく、フッ化物ガラスの
ようにグローブボックス中で溶解できる。このため、例
えば、硫化水素のような硫化剤を用いることでガラス中
の酸化物濃度を減少させ、非輻射緩和速度を小さくする
ことができる他、不活性ガスに塩素や酸素等の酸化性ガ
スを混合することで、Gaイオン等の還元を防ぎ、均質
なガラスを作製することができる。また、陰イオンとし
て塩素を含有する場合には、加熱溶融雰囲気中に適量
(例えば3〜10モル%)の塩素を含有させ、原料であ
る各種元素の硫化物を加熱溶融し、徐冷することにより
陰イオンとしてイオウと塩素とを含むガラスを得ること
ができる。
【0016】本発明の光ファイバーは、コアとクラッド
とからなる光ファイバーであり、前記コアが本発明のレ
ーザーガラスで構成されている。コアとするレーザーガ
ラスに含まれる発光種は、光ファイバーを使用する目的
に応じて適宜選択することができる。例えば、1.3μ
m帯増幅用の光ファイバーの場合、前記レーザーガラス
として、1.3μm帯に発光波長を有するPr、Nd、
Sm、Dy、Ho及びErからなる群から選ばれる1種
又は2種以上の発光種イオンを含有するレーザーガラス
を用いることができる。また、本発明の光ファイバーを
構成するクラッドとしては、特に制限はない。但し、ガ
ラス転移温度、熱膨張係数、粘性曲線等の熱的な特性や
コアガラスとの界面反応、屈折率等を考慮すると、本発
明のレーザーガラスのホストガラスとして用いられてい
るGa−Na−S系のガラス(発光種イオンを含有しな
い)やその他のカルコゲナイド系ガラスやオキシカルコ
ゲナイド系ガラス等のガラスを用いることが適当であ
る。
【0017】上記本発明の光ファイバーは、本発明のレ
ーザーガラスと適当なクラッド用ガラスとを用いて、常
法により作製することができる。例えば、まずコア用ガ
ラスとクラッド用ガラスの2層構造のロッド状のプリフ
ォームを作製し、次いでこのロッド状のプリフォームを
線引きしてファイバーとすることができる。ファイバー
の形状及び寸法等には特に制限はない。一般には、外径
100〜500μm、コア径1〜15μm、コア−クラ
ッド間の屈折率差(Δn)0.2〜3.5%とすること
が適当である。但し、これらに限定されるものではな
く、ファイバーの用途等を考慮して適宜決定することが
できる。
【0018】次に、本発明の光増幅器について説明す
る。本発明の光増幅器は、発振器で得られたレーザー光
の干渉性を維持したまま、出力をさらに増強するために
使用することができる。光ファイバー増幅器は、信号
光、励起光が長さ方向にわたって小さなコアに閉じこめ
られるため、比較的小さな利得係数でもファイバーを長
くすることで大きな利得が得られる。
【0019】本発明の光増幅器は、励起光源、信号光
源、光ファイバー及び前記励起光源から発生する励起光
と前記信号光源から発生する信号光とを前記光ファイバ
ーに入射させる手段を構成要素として含み、前記光ファ
イバーが本発明の光ファイバーであることを特徴とす
る。光ファイバー増幅器は、例えば特開平5−6328
5号公報や特開平5−136516号公報などに詳しく
説明されている。但し、本発明の光増幅器は、これら公
報に記載されている光ファイバー増幅器において、光フ
ァイバーとして本発明の光ファイバーを用いたものであ
る。特に発光種としてPrイオンやDyイオンなどをド
ープしたガラスをコアとする光ファイバーを用いた光フ
ァイバー増幅器は、1.3μm帯の光増幅器として実用
化されることが期待されている。前述のように、格子振
動エネルギーの小さい本発明のレーザーガラスを用いる
ことで、高い利得を得ることができる。
【0020】図6は、本発明の光ファイバー20を用い
た光ファイバー増幅器の一構成例を示す。図に示すよう
に、ファイバー増幅器は信号光を増幅する本発明の光フ
ァイバー20と、信号光源21と、レーザ光源である励
起光源22と、励起光源22から発生する励起光と信号
光源21から発生する信号光とを光ファイバー20内に
入射させる手段である光カプラ23とを備える。2本の
光ファイバー28、29の融着延伸により形成したカプ
ラ23の一方の入力用ファイバー28aには、信号光源
21が接続される。他方の入力ファイバー29aには、
上述の励起光源22が接続される。また、光カプラ23
の他方の出力用ファイバー29bは、戻り光を防止する
ためにマッチングオイル27に浸漬されることもでき
る。光カプラ23の他方の出力用ファイバー29aは、
コネクタ等を介して光ファイバー20に結合され、信号
光及び励起光をファイバー20内に導く。光ファイバー
20からの出力光は、光スペクトラムアナライザ25に
導かれる。光スペクトラムアナライザ25は、増幅され
た信号光の強度、波長等を測定する。尚、励起光をカッ
トする目的でフィルタ26を介した出力光を、光スペク
トラムアナライザ25に導くこともできる。
【0021】図6の光ファイバー増幅器の動作につい
て、信号光が波長1.3μm帯の場合について簡単に説
明する。信号光源21からの波長1.3μm帯の信号光
は、光カプラ23をへて光ファイバー20内に入射す
る。同時に、レーザ光源22からの励起光もカプラ23
をへて光ファイバー20内に入射する。この励起光は光
ファイバー20内の発光種イオンを励起する。発光種イ
オンがPr3+である場合、波長1.02μmの励起光を
用いてPr3+の電子を準位 14 に励起する。この状態
のPr3+は、信号光に誘導された遷移 14 35
対応する波長1.3μm帯の放射光を発生する。したが
って、励起光が所定の強度を超えると、信号光は増幅さ
れることとなる。
【0022】以上、波長1.3μm帯の信号光の例につ
いて説明したが、その他の波長の場合、信号光の波長に
発光波長を有する発光種イオンを含有するレーザーガラ
スをコアガラスとして用いた光ファイバーを用いること
で、光ファイバー増幅器を構成することができる。ま
た、励起光源の波長は、発光種イオン又は増感イオンの
種類により適宜決定でき、例えば発光種イオンがDyの
場合、1.25μmの励起光源を用いることもできる。
また、前記の光カプラ23に代えて、励起光源22から
発生する励起光と信号光源21から発生する信号光とを
光ファイバー20内に入射させる手段として、例えばハ
ーフミラー等を用いることもできる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 原料として、Ga2 3 、Na2 S、Pr2 3 を用
い、表1の実施例1の欄に示した組成となるよう秤量、
混合されたバッチ5gをカーボン製るつぼに入れ、窒素
ガスを雰囲気として950℃で1時間加熱溶融した。炉
からるつぼを取り出し後、そのまま室温まで徐冷を行
い、約15mmφ×3mm厚の円板状のガラスを得た。
結晶化に対する安定性は、ガラスの一部を破砕し、約3
5mgのガラス片を試料として、昇温速度10℃/分に
て、アルゴンガス雰囲気下でDSC(走査型示差熱分
析)測定を行い、その結果から得られる熱安定性指標に
より判定した。その結果、このガラスのガラス転移温度
(Tg)は470℃、結晶化開始温度(Tx)は572
℃であり、このことから実施例1のガラスは、熱安定性
指標であるΔT=Tx−Tgが102℃であることが分
かった。
【0024】また、上記で得られたガラスの一部を8m
m×8mm×3mmに成型し、両面を研磨して、光透過
スペクトル測定を行った。結果を図1に示す。図1に示
すように、上記ガラスは12.5μm付近まで透過特性
を有することが確認された。また、この試料片を用いて
ラマン散乱スペクトル測定を行い、そのスペクトルのピ
ークが400cm-1付近にあり、小さい格子振動エネル
ギーをもつことを確認した。
【0025】実施例2 雰囲気として窒素ガスに4%のC12 ガスを含む気体を
用いた以外は実施例1と同様にして本発明のガラスを得
た。このガラスのDSC測定を行った結果、ΔTは12
2℃となり安定性が実施例1に比べて向上することを確
認した。また、図2に示すX線光電子スペクトルの測定
の結果、164eV付近にGa−S結合の増加による肩
が生じ、実施例1のガラスと比較してGaイオンの還元
が抑制されていることを確認した。さらに、実施例1と
同様にして、ラマン散乱測定を行い、そのスペクトルの
ピークが400cm-1付近にあることを確認した。
【0026】実施例3 雰囲気として窒素ガスに20%の硫化水素ガスを含む気
体を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のガラス
を得た。このガラスの蛍光寿命を測定した結果、蛍光寿
命は345μsから355μsとなり、非輻射緩和速度
が小さくなり、発光効率が増大することを確認した。
【0027】実施例4〜15 原料として、Ga2 3 、Na2 S、Pr2 3 、Nd
2 3 、Sm2 3 、Eu2 3 、Tb2 3 、Dy2
3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2
3 を用い、表1に示す組成となるようにした以外は、実
施例2と同様にして本発明の各ガラスを得た。この結
果、Ga−Na−S系のガラスは発光種イオンである希
土類イオンを多量に含有することができ、溶解性が高い
ことを確認した。また、これら実施例のガラスのいくつ
かについてラマンスペクトル測定を行った。結果は表1
に示す。いずれもそのピークが400cm-1付近にある
ことを確認した。
【0028】実施例16〜17 原料として、Ga2 3 、Na2 S、Pr2 3 、Pr
C13 を用い、表2に示す組成となるようにした以外
は、実施例2と同様にして本発明の各ガラスを得た。こ
の結果、陰イオンとしてSとClを含む実施例17のガ
ラスは、陰イオンとしてSのみを含む実施例16のガラ
スと比較してΔT値が大きくなり、陰イオンとしてCl
を添加することでガラスの安定性が向上することを確認
した。
【0029】実施例18〜59 原料として、Ga2 3 、Na2 S、Pr2 3 、Li
2 S、K2 S、MgS、CaS、SrS、BaS、Zn
S、CdS、SnS、PbS、Y2 3 、La2 3
Ce2 3 、Gd2 3 、Lu2 3 、Al2 3 、I
2 3 、TiS2 、ZrS2 、SiS2 、GeS2
用い、表2〜5に示した組成となるようにした以外は、
実施例2と同様にして本発明の各ガラスを得た。この結
果、Li、K、Ca、Sr、Cd、Sn、Pb、La、
Ce、Gd、Lu、Geを添加した各ガラスにおいてΔ
T値が実施例2と比較して大きくなり、ガラスの安定性
が向上することを確認した。また、これら実施例のガラ
スのいくつかについてラマンスペクトル測定を行ったと
ころ、いずれもそのピークが400cm-1付近にあるこ
とを確認した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】実施例60 表5にコア用として示した組成のガラス20gを実施例
2と同様の方法により作製した。また、表5にクラッド
用として示した組成のガラス50gを実施例2と同様の
方法で5枚作製した。これらのガラスを用い、押し出し
成形法によってプリフォームを作製した。その詳細は以
下のとおりである。プリフォームの作製は、図3および
図4に示すような押し出し成形装置により行った。ま
ず、5枚のクラッド用ガラス1のそれぞれの両面とコア
用ガラス2の一面(片面)をλ/2以上の面精度で研磨
し、クリーンブース内でガラスの研磨面をオプティカル
コンタクトさせた後、内径約35mmのシリンダー3内
にコア用ガラス2が押し出しパンチ4側に位置するよう
にガラス1、2を入れ、490℃まで加熱した。そし
て、図4に示すように押し出しパンチ4に500Bar
の圧力を加え成形部5の直径5mmφの形成穴5aから
二層構造のロッド状ガラスをライナー部6に沿って押し
出し、プリフォームを得た。得られたプリフォームは、
クラッド径5.4mmφ、コア径0.17mmφ、長さ
120mmであった。
【0036】このようにして得られたプリフォームを線
引きし、外径125μmのファイバーを得た。ファイバ
ーは、長さ8m、コア径4μm、コア−クラッド間屈折
率差(Δn)0.5%、カットオフ波長1μmであっ
た。このファイバーの1.3μm帯光増幅特性を図5に
模式的に示す装置で測定した。図中の参照数字の説明は
以下のとおりである。7は1.02μmの励起光源であ
り、8は1.31μmの信号光源である。9は光カプラ
として作用するハーフミラーである。10は集光レン
ズ、11及び12は励起光及び信号光導光用石英ファイ
バーであり、13は試験用の光ファイバーである。14
は光スペクトラムアナライザである。また、図中の点線
は、光(励起光、信号光)の進行を模式的に示すもので
ある。
【0037】光信号増幅の測定は次のような方法で行っ
た。信号光源8からの1.31μm信号光と励起光源7
からの1.02μm励起光とを、ハーフミラー9を介し
て合波した後、集光レンズ10により集光し、導光用石
英ファイバー11に入射する。この導光用石英ファイバ
ー11の末端を試験用ファイバー13の端面につきあわ
せて信号光と励起光とを、同時に試験用ファイバー13
に入射することができる。試験用ファイバー13から出
力される光出力は、試験用ファイバー13の末端につき
合わせた導光用石英ファイバー12によって導かれ、光
スペクトラムアナライザ14に入力される。光スペクト
ラムアナライザ14は、信号光の強度、波長等を測定す
る。このような光学系を用い、励起光のオン、オフ時に
おける信号光強度を測定し、利得を求めた。この測定に
より、励起光100mWの入力に対し、8dBの1.3
1μm光増幅が得られた。
【0038】比較例1 実施例60と比較するために、同様の方法でコア用ガラ
スに0.04モル%のPrF3 をドープしたZBLAN
(ZrF4 −BaF2 −LaF3 −AlF3 −NaF)
系フッ化物ガラスファイバーを作製した。なお、用いた
コア用ガラスとクラッド用ガラスの組成は以下のとおり
である。 コア用ガラス クラッド用ガラス ZrF4 51 39.75 HfF4 ── 13.25 BaF2 23 18 LaF3 4 4 AlF3 3 3 NaF 18 22 PbF2 1 ── PrF3 0.04 ──
【0039】ファイバーは、外径125μm、コア径4
μm、コアークラッド間屈折率差(Δn)0.8%、長
さ8m、カットオフ波長1μmであった。このファイバ
ーの1.31μm帯光増幅特性を実施例60と同様に測
定したところ、100mWの入力に対し、3.5dBの
増幅しか得られなかった。実施例60と比較例1の比較
で明らかなように、本発明のレーザーガラス中では、発
光種イオンである希土類イオンの非輻射緩和速度が抑え
られ、発光の効率が高まることが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガラス
は、従来のカルコゲナイドガラスと比較して、希土類イ
オン等の発光種イオンの溶解性が大きいためにガラスの
均質度が高く、また、フッ化物ガラスと同様にグローブ
ボックス内で作製されるため、容易にガラスを作製する
ことが可能である。さらに、従来知られているZrF4
系ガラスより格子振動エネルギーが小さいため発光効率
が高く、可視−近赤外のレーザー材料、特に1.3μm
帯の光ファイバー増幅器としての応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のガラス材料の光透過率曲
線図である。
【図2】 本発明の実施例1および2のレーザーガラス
のX線光電子スペクトルである。
【図3】 ガラスプリフォーム成形に用いる押し出し成
形装置においてコア用ガラスおよびクラッド用ガラスを
装着した状態を示す説明図である。
【図4】 ガラスプリフォーム成形に用いる押し出し成
形装置においてガラスを押し出している状態を示す説明
図である。
【図5】 本発明の実施例60および比較例1のガラス
ファイバーの光増幅測定装置の説明図である。
【図6】 本発明の光増幅器の説明図である。
【符号の説明】
7:1.02μm励起光源 8:1.31μm信号光源 9:ハーフミラー 10:集光レンズ 11、12:励起光及び信号光導光用石英ファイバー 13、20:本発明の光ファイバー 14、25:光スペクトラムアナライザ 21:信号光源 22:励起光源 23:光カプラ 26:フィルター 28a、29a:入力用ファイバー 28b、29b:出力用ファイバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/17 (72)発明者 虎渓 久良 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ga−Na−S系のガラスに1種又は2
    種以上の発光種イオンを含有することを特徴とするレー
    ザーガラス。
  2. 【請求項2】 発光種イオンがPr、Nd、Sm、E
    u、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群
    から選ばれる1種又は2種以上の元素のイオンである請
    求項1記載のレーザーガラス。
  3. 【請求項3】 発光種イオンを増感させる増感イオンを
    含有する請求項1又は2記載のレーザーガラス。
  4. 【請求項4】 ガラスを構成する陽イオンとして50〜
    80モル%のGa及び5〜45モル%のNaを含有し、
    ガラスを構成する陰イオンとしてSまたはSおよびCl
    を含有し、Clの含有量は15モル%以下であり、発光
    種イオンを合量で0.01〜40モル%含有する(ただ
    し、GaとNaと発光種イオンの合計、又はGaとNa
    と発光種イオンと増感イオンの合計は100モル%であ
    る)請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザーガラ
    ス。
  5. 【請求項5】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    で表示して Li:0〜17%、K :0〜22% Mg:0〜12%、Ca:0〜17%、Sr:0〜17
    % Ba:0〜12%、Zn:0〜12%、Cd:0〜17
    % Sn:0〜17%、Pb:0〜17% Y :0〜12%、La:0〜40%、Ce:0〜37
    % Gd:0〜17%、Lu:0〜12%、Al:0〜12
    % In:0〜12% Ti:0〜12%、Zr 0〜12%、Si:0〜12
    % Ge:0〜17% を更に含有し、かつ前記陽イオンの合量が0.01〜4
    5モル%である(ただし、GaとNaと発光種イオンと
    前記陽イオンの合計、又はGaとNaと発光種イオンと
    増感イオンと前記陽イオンの合計は100モル%であ
    る)請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーガラ
    ス。
  6. 【請求項6】 ガラスを構成する陽イオンとしてモル%
    で表示して Li:0〜12%、K :0〜17% Mg:0〜 7%、Ca:0〜12%、Sr:0〜12
    % Ba:0〜 7%、Zn:0〜 7%、Cd:0〜12
    % Sn:0〜12%、Pb:0〜12% Y :0〜 7%、La:0〜35%、Ce:0〜30
    % Gd:0〜12%、Lu:0〜 7%、Al:0〜 7
    % In:0〜 7% Ti:0〜 7%、Zr:0〜 7%、Si:0〜 7
    % Ge:0〜12% を更に含有し、かつ前記陽イオンの合量が5〜40モル
    %である(ただし、GaとNaと発光種イオンと前記陽
    イオンの合計、又はGaとNaと発光種イオンと増感イ
    オンと前記陽イオンの合計が100モル%である)請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のレーザーガラス。
  7. 【請求項7】 コアとクラッドとからなる光ファイバー
    であって、前記コアが請求項1〜6いずれか一項に記載
    のレーザーガラスで構成されていることを特徴とする光
    ファイバー。
  8. 【請求項8】 コアとクラッドとからなる光ファイバー
    であって、前記コアが請求項1〜6いずれか一項に記載
    のレーザーガラスで構成され、前記レーザーガラスが発
    光種イオンとして、Pr、Nd、Sm、Dy、Ho及び
    Erからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有す
    ることを特徴とする1.3μm帯増幅用光ファイバー。
  9. 【請求項9】 励起光源、信号光源、光ファイバー及び
    前記励起光源から発生する励起光と前記信号光源から発
    生する信号光とを前記光ファイバーに入射させる手段を
    構成要素として含む光増幅器であって、前記光ファイバ
    ーが請求項7又は8記載の光ファイバーであることを特
    徴とする光増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999014168A1 (fr) * 1997-09-12 1999-03-25 Hoya Corporation Verre sulfure et procede de fabrication
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CN114349355A (zh) * 2022-01-21 2022-04-15 广东工业大学 一种1.7μm波段激光产生用的稀土掺杂多组分氧化物玻璃光纤及其应用

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