JPH0820836A - 焼結含油軸受およびその製造方法 - Google Patents

焼結含油軸受およびその製造方法

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JPH0820836A
JPH0820836A JP18041394A JP18041394A JPH0820836A JP H0820836 A JPH0820836 A JP H0820836A JP 18041394 A JP18041394 A JP 18041394A JP 18041394 A JP18041394 A JP 18041394A JP H0820836 A JPH0820836 A JP H0820836A
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powder
copper
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zinc
sintered
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Isamu Kikuchi
勇 菊池
Masanori Kikuchi
眞紀 菊池
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POORAITO KK
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POORAITO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電動機用軸受その他の原動機構用軸受やれら
原動機構により駆動される回転軸の軸受として起動時か
らの摩擦が僅少且つ一定状態であるなじみ性の良好な含
油軸受とその好ましい製造方法の提供。 【構成】 銅または銅合金によってメッキされた鉄粉に
よる圧粉成形焼結体の表層部に銅または銅合金と亜鉛を
主成分とした合金層が形成され、該成形体全体としての
気孔率が18容量%以上であって内層部気孔率が25容
量%以上であり、表層部気孔率が16容量%以下である
ことを特徴とした焼結含油軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は焼結含油軸受およびその
製造方法に係り、電動機用軸受その他の原動機構用軸
受、更にはそれら原動機構によって駆動される回転軸の
軸受として起動時からの摩擦が僅少且つ一定状態である
なじみ性の良好な含油軸受およびその好ましい製造方法
を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】電動機その他の回転軸を支承する部材と
しての軸受は従来から種々に利用されているところであ
って、特に近時においては圧粉成形し焼結された含油軸
受が広く使用されつつある。即ちこの圧粉成形焼結軸受
は、穿孔、切削ないし組立のような工数を必要としない
で、簡易且つ量産的な成形、焼結ないし矯正工程によっ
て目的の軸受が得られ、低コストな製品を提供し得る決
定的なメリットを有している。
【0003】然して、斯かる軸受としては摩擦の少いこ
とが好ましいことは当然であり、従来からその材質、潤
滑材の採用、構造などについてそれよりの発表がなされ
ており、本発明者等によってもそうした焼結軸受の強度
性、なじみ性などに関して種々の提案をなして来た。例
えば特公昭62-53580号公報においては黄銅粉末と鉄粉と
を主体とし、これに青銅粉を配合したものを圧粉成形し
てから焼結することが提案されている。
【0004】また、特公昭63-46139号公報では青銅粉末
と鉄粉の混合物をプレス成形した圧粉体を気化Znガス雰
囲気で700〜1000℃で焼結すること、前記気化Zn
ガス雰囲気を上記圧粉体の上層にZnまたはZnO を配列
し、あるいは容器内に共に入れて還元又は無酸化雰囲気
中で加熱することによって形成することが提案されてい
る。
【0005】更に、特開平2-73947 号公報においては、
Fe、Cu、SnおよびPbまたはSb、Biの何れか1種または2
種以上を含有した圧粉成形焼結体であって、該焼結体の
表面が最低厚さ5〜100μm のCu−Sn−Znを主体とす
る合金層で被覆された焼結金属製品およびその製造方法
が発表されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然し、これらの種々多
様な研究、改善努力にも拘わらず、なお必ずしも好まし
い製品が得られるに到っていない。即ちこのような従来
技術における課題の第1はなじみ性であって、従来軸受
においてはなじみ性に優れたものであってもなじみ時間
が10分前後で、一般的には20〜30分にも達し、そ
の間軸受温度の上昇を伴い、そうしたなじみ後に温度の
低下が生ずる。例えば一般家電製品の使用条件は連続運
転となるものでないことが多く、断続運転(ON−OF
Fの繰返し)となり、斯うした運転条件の場合、なじみ
性に劣った軸受はその都度温度の上昇を伴うこととなる
(なじみ後にはそれなりに低下するとしても)。
【0007】前記したような圧粉成形焼結含油軸受にお
いては、そのような温度上昇の都度、軸受材と含浸油の
熱膨脹係数の差から、含浸油が軸受の油孔から滲出し、
なじみ後(あるいは停止後)温度が低下すると、この滲
出油が軸受に吸収されることになるが、滲み出した油の
全量が吸収されることは困難で、一部にロスが発生し、
汚損原因となると共に、運転、停止が繰返される毎にな
じみ遅速による温度上昇の差が含油ロスの差として蓄積
され、寿命を変化せしめ、何れにしても耐用性が縮減さ
れる。
【0008】特に携帯用電気製品においては乾電池ある
いは充電式電源が用いられることとなり、その電力容量
は小さいから電力消費がより少いことが好ましいことは
言うまでもないところ、前記したようになじみ性が不充
分で起動時に温度上昇の大きい軸受はその起動時に大き
な電力消費を伴うこととなり、この点においても好まし
いものでない。
【0009】更に、従来における軸受の一般的通論とし
て耐摩耗性に優れた軸受はなじみ性に劣り、反対になじ
み性の好ましい含油軸受は摩耗が高い(多い)というこ
とが当然の認識であり、耐摩耗性となじみ性とを共に満
足させることは不可能状態である。
【0010】つまり前記したような従来技術によるもの
は、強度や耐用性、あるいはなじみ性の如きの夫々に対
してそれなりのメリットを有することが確認されるとし
ても、前記したような各課題に対して解決を与えるもの
は見当らず、これらの課題に対し具体的な解決を図った
技術は見当らない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
実情に鑑み、更に実地的に仔細な検討を重ねた結果、銅
または銅合金をメッキした鉄粉における各特性を高度に
利用し、しかも亜鉛の特性ないし機能をそうした原料粉
の条件下において特定状態に利用することにより、従来
技術において求めることのできない特異な構成関係を形
成し、前述したような課題を有効に解決し、特別な有利
性をもった焼結含油軸受を得ることに成功したものであ
って、以下の如くである。
【0012】(1) 銅または銅合金によってメッキさ
れた鉄粉による圧粉成形焼結体の表層部に銅または銅合
金と亜鉛を主成分とした合金層が形成され、該成形体全
体としての気孔率が18容量%以上であって内層部気孔
率が25容量%以上であり、表層部気孔率が16容量%
以下であることを特徴とした焼結含油軸受。
【0013】(2) 銅または銅合金によってメッキさ
れた鉄粉による圧粉成形焼結体であって、該圧粉成形焼
結体の表層部に銅または銅合金と亜鉛を主成分とした合
金層が形成され、この銅または銅合金と亜鉛を主成分と
した合金層によって表層部の圧粉成形焼結による多孔組
織空隙が微細化され、摩擦係数が回転スタート直後にお
いても連続して30分以上回転したときと同レベル程度
であることを特徴とした焼結含油軸受。
【0014】(3) 気孔率を18容量%以上に確保し
ながら通気度を30ダルシー以下とされたことを特徴と
した前記(1)項または前記(2)項に記載の焼結含油
軸受。
【0015】(4) 回転数2000rpm 、荷重:14
kgf/cm2 による1時間の試験条件における摩耗量が平均
1.5μm 以下であることを特徴とした前記(1)〜
(3)項に記載の焼結含油軸受。
【0016】(5) 二硫化モリブデン、黒鉛または窒
化硼素などの固体潤滑剤粉末が含有せしめられ、該固体
潤滑剤粉末が表層部において銅と亜鉛を主成分とした合
金層により定着されていることを特徴とした前記(1)
〜(4)項に記載の焼結含油軸受。
【0017】(6) 銅または銅合金によってメッキさ
れた鉄粉を圧粉成形した成形体を準備し、該圧粉成形体
を亜鉛雰囲気中で焼結処理し、該成形体表層部気孔率を
内層部気孔率より10容量%以上低下するよう亜鉛を吸
着した合金化を図ることを特徴とした焼結含油軸受の製
造方法。
【0018】(7) 銅または銅合金によってメッキさ
れた鉄粉および錫粉を主材として圧粉成形された圧粉成
形体を準備し、該圧粉成形体を亜鉛雰囲気中で表層部の
気孔率を内層部の気孔率より10容量%以下低下せしめ
るよう亜鉛を吸着し、銅−亜鉛を主成分とした合金化を
図る焼結処理をなすことを特徴とした焼結含油軸受の製
造方法。
【0019】(8) 二硫化モリブデン、黒鉛または窒
化硼素などの固体潤滑剤粉末をも主材とし、亜鉛吸着に
よる合金化により前記固体潤滑剤粉末の定着安定化をも
図ることを特徴とした前記(6)項および前記(7)項
に記載の焼結含油軸受の製造方法。
【0020】(9) 30〜60wt%の銅または銅合金
をメッキ被覆した鉄粉を圧粉成形することを特徴とした
前記(6)〜(8)項に記載の焼結含油軸受の製造方
法。
【0021】(10) 銅または銅合金が溶融し、鉄の
溶融しない温度条件下で焼結処理することを特徴とした
前記(6)〜(9)項に記載の焼結含油軸受の製造方
法。
【0022】
【作用】銅または銅合金によってメッキされた鉄粉によ
る圧粉成形焼結体の表層部に銅または銅合金と亜鉛を主
成分とした合金層が形成されることにより鉄粉を核とし
銅または銅合金で粒子レベルにおいて被覆結合された製
品となり、しかも表層部における圧粉成形焼結組織の孔
径を小となし、また表層部の強度を上昇する。
【0023】前記焼結体における成形体全体としての気
孔率が18容量%以上であって内層部気孔率が25容量
%以上であり、表層部気孔率が16容量%以下であるこ
とによって焼結体に含有された油分の量を適切に高く
し、しかも外周表層部は密度が高くて通気性が低いもの
となって該表層部孔隙から摺動面に供給される油分の量
を制御すると共に該摺動面における流体潤滑を図るのに
必要な油圧の逃げを少くして潤滑性能を向上しながら含
油軸受の寿命長大化を図る。即ち同一含油量のものにお
いて少なくとも従来のものの数倍以上の耐用性向上を図
らしめる。
【0024】銅または銅合金によってメッキされた鉄粉
による圧粉成形焼結体であって、該圧粉成形焼結体の表
層部に銅または銅合金と亜鉛を主成分とした合金層が形
成され、この銅または銅合金と亜鉛を主成分とした合金
層によって表層部の圧粉成形焼結による多孔組織空隙が
微細化され、摩擦係数が回転スタート直後においても連
続して30分以上回転したときと同レベル程度であるこ
とによって回転スタート直後から良好ななじみ性を得し
め摩擦係数の低い軸受とする。
【0025】気孔率を18容量%以上に確保しながら通
気度を30ダルシー以下とされたことにより適切な含油
量を具備しながら軸受時における摺動面での油圧の逃げ
を的確にコントロールして充分な潤滑性を保持した軸受
作用を得しめる。
【0026】回転数2000rpm 、荷重:14kgf/cm2
による1時間の試験条件における摩耗量が平均1.5μm
以下であることによって摩耗量を充分に低減し、特に上
述したようになじみ性がスタート時から変化のない良好
な軸受において磨耗量を最低状態に制限し、従来の軸受
において求め得ない有利な軸受特性を発揮させる。
【0027】二硫化モリブデン、黒鉛または窒化硼素な
どの固体潤滑剤粉末が含有せしめられ、該固体潤滑剤粉
末が表層部において銅と亜鉛を主成分とした合金層によ
り定着されていることによって液体潤滑性能と固体潤滑
性能とを兼備し、特に固体潤滑剤が安定に機能した軸受
となり、特に連続長時間に亘る回転軸受作用時において
も有利な軸受作用を維持せしめる。なお表層部気孔率が
14容量%以下とされたような条件下においても好まし
い低摩擦条件下の軸受作用を得しめる。固体潤滑剤の好
ましい添加量は鉄粉100部に対して0.5〜8部程度で
ある。
【0028】銅または銅合金によってメッキされた鉄粉
を圧粉成形した成形体を準備し、該圧粉成形体を亜鉛雰
囲気中で焼結処理し、該成形体表層部気孔率を内層部気
孔率より10容量%以上低下するよう亜鉛を吸着した合
金化を図ることによって上述したような特質をもった構
成関係を適切に確保した軸受を的確に得しめる。即ち亜
鉛吸着による合金化は単に亜鉛を混合したような場合と
は異り、焼結によって表層部が亜鉛を吸着合金化しその
孔隙の面積を小とするもので、内層部は密度が圧粉成形
に得られたままに低くて、表層部についてもその鉄粉粒
子はそのままでありながらこれを結着せしめている銅ま
たは銅合金のみが亜鉛と合金化せしめられることにより
体積を大とすると共に強度も高められることになり、既
述したような本発明の特性を有効に得しめることができ
る。
【0029】銅または銅合金によってメッキされた鉄粉
および錫粉を主材として圧粉成形された圧粉成形体を準
備し、該圧粉成形体を亜鉛雰囲気中で表層部の気孔率を
内層部の気孔率より10容量%以下低下せしめるよう亜
鉛を吸着し、銅−亜鉛を主成分とした合金化を図る焼結
処理をなすことにより、錫分によるなじみ特性を適切に
得しめた製品とする。即ち上記のようにして得られる本
発明のものは亜鉛吸着により鉄粉による骨格組織が確保
された条件下で軸受として好ましい構成関係を得しめる
が、斯うして吸着された亜鉛分は摩擦係数が低い有利性
にも拘わらず耐焼付き性においては、青銅系軸受材より
劣ることが認められ、このような耐焼付き性を錫分の添
加でカバーし、実用的に夫々の有利性を完備した軸受と
する。このような目的において用いられる錫量は吸着さ
れる亜鉛分とも関係するが、一般的に好ましい範囲とし
ては2〜10wt%程度である。
【0030】二硫化モリブデン、黒鉛または窒化硼素な
どの固体潤滑剤をも主材とすることによって上述特性に
固体潤滑剤による特性を加味することができ、しかも上
述したような亜鉛吸着による合金化により前記固体潤滑
剤粉末の定着安定化をも図ることが可能で充分な特性を
もった製品とすることができる。
【0031】30〜60wt%の銅または銅合金をメッキ
被覆した鉄粉を圧粉成形することにより、一般的鉄粉量
が適切に高められ、該鉄粉による骨格組織の確保された
条件下で、しかも銅または銅合金によるメッキ被覆を有
効に図り、好ましい耐食性と共に焼結時における銅分
(銅または銅合金)を主体とした焼結を的確に達成せし
める。またこのような銅分における亜鉛吸着とそれに伴
う前述したような特性を適切に得しめる。
【0032】銅または銅合金が溶融し、鉄の溶融しない
温度条件下で焼結処理することによって前記したような
鉄粉によって得られる骨核構造を有効に確保しながら、
しかも銅または銅合金による焼結一体化構造を適切に形
成せしめる。また該焼結一体化構造を利用して前記した
ような本発明の特異な機能を充分に発揮させることが可
能となる。
【0033】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的実
施例を示し、併せてその比較例についても説明すると以
下の如くである。 実施例1 鉄粉100wt部に対し銅を30wt部メッキしその表面に
付着せしめたCu被覆鉄粉に対し325メッシュ以下の噴
霧法による錫粉(AT−Sn)と黒鉛粉末または窒化ボロン
粉末(BN)を次の表1のようなwt%で配合した〜
の4種の材料を調整し、これらを気孔率20%の一定状
態に圧粉成形してから〜についてはZn雰囲気で、7
60℃により焼結し、はZnなしの常法雰囲気で焼結し
た。即ち〜は本発明例であり、は参考例である。
【0034】
【表1】
【0035】また上記とは別に従来法による銅粉を用い
た2種の銅−錫系材料を気孔率20%に圧粉成形し、同
じく760℃によって夫々焼結した2種の軸受を比較参
考例として準備した。
【0036】上述したようにして得られた本発明例と比
較例および比較参考例について回転数:2000rpm 、
荷重:14kgf/cm2 による摩擦特性試験を夫々60分間
に亘って実施し、測定記録した結果は図1に〜とし
て示す如くである。
【0037】即ち〜のものは何れも回転スタート直
後から摩擦係数が0.01〜0.02程度の非常に低い値を
示し、しかも60分経過後においてもこの摩擦係数の変
動が殆んどなく(のものが若干低下しているが60分
でも変動幅は0.01以内)、なじみの甚だしく優れたも
のであることが確認された。これらに対しのものは用
いた原料としては同じで単にZn雰囲気による焼結を実施
しないだけであるが、その摩擦係数はスタート直後が0.
14近くであり、この値が60分後には0.07近くまで
低下している。
【0038】またとして示した比較参考例のものは錫
を9wt%含有する青銅合金粉によるもので回転開始直後
において摩擦係数が0.15程度であり、60分後におい
ても0.12程度である。また比較参考例のものは銅粉
に錫粉を5wt%配合したものでスタート時においては
のものと同様であったが60分後においては摩擦係数が
0.10近くまで低下しているものであるが、前記をも
含めこれら参考例のものは何れも60分後においても摩
擦係数が低下傾向を示しており、必ずしもなじんでいな
いことは明らかである。
【0039】更に上記したような試験を経たものについ
て、その摩耗量を測定した結果は別に次の表2として示
す如くであって、本発明による〜のものは最高(M
AX)においても1.4μm であり、最低(MIN)は勿
論、平均(AVE)において少くともこの試験条件で1.
5μm 以下を確保し得ることは明かである。これに対し
比較例〜のものは、少くとも3μm 以上であり、
のものは最高が15μm 程度に達していて本発明により
少くとも10分の1以下に低減し得ることが確認され
た。
【0040】
【表2】
【0041】特に固形潤滑材として窒化硼素を0.5wt%
配合したのものは、この摩耗量においてMAX、MI
Nを含めて0.4μm であり、摩耗量の頗る少い、優れた
特性を示すことが確認された。
【0042】実施例2 実施例1におけると同じにCuをメッキし、別に錫粉を添
加したものを圧粉成形することに代え、銅合金として錫
を5wt%含有した真鍮を鉄粉に対し実施例1と同様にメ
ッキしたものを用いて圧粉成形焼結し、気孔率を全体で
18%、表層部で16%、内層部で25%とした軸受を
製造した。
【0043】このものについて実施例1におけると同じ
試験条件で摩擦係数を測定した結果はスタート直後から
0.03程度であって、60分後においても略同様であ
り、実施例1と同様に好ましいなじみ性を有することが
確認された。また60分後における摩耗量は0.6〜1.2
μm であって、この点でも実施例1と同様なレベルのも
のであることが確認された。
【0044】実施例3 実施例1におけると同じにCuをメッキした鉄粉のみを用
い、即ち錫粉を用いず、またSnを含有しないCuメッキ鉄
粉を採用し、気孔率については次の表3のように全体お
よび表層部、内層部の夫々において変化したものを製造
した。
【0045】
【表3】
【0046】上記のようにして得られた〜の各焼結
含油軸受について実施例1におけると同様に試験測定し
た結果は摩擦係数がスタート直後から60分後の間にお
いて黒鉛を用いたものが図2(A)、窒化ボロンを配合
したものが図2(B)、固体潤滑剤を用いないものが図
2(C)の如くであり、また60分後における摩耗量に
ついては表4に示す如く最高が1.2μm と相当に低いも
のであって、本発明による有利性を充分に確認すること
ができた。
【0047】
【表4】
【0048】実施例4 鉄粉に対しwt%でCuを50%メッキさせた銅メッキ鉄粉
を用い、この銅メッキ鉄粉100wt部に対し錫粉を2wt
部添加した原料粉を用い、全体の気孔率、表層部の気孔
率および内層部の気孔率を夫々次の表5の如く変化させ
た複数の含油軸受を製作した。
【0049】
【表5】
【0050】然して上記のようにして得られた各含油軸
受について前記した実施例1〜3のものと同様に摩擦係
数を測定した結果は黒鉛を配合したものが図3(A)、
窒化ボロンを配合したものが図3(B)、このような固
体潤滑剤を用いないものが図3(C)の如くであり、ま
た60分の試験後における摩耗量を測定した結果は次の
表6の如くであって、何れも好ましいなじみ性および耐
用性をもった軸受であることが確認された。
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
焼結含油軸受として生産性に優れ、簡易低コストに製造
することのできる軸受であって、しかも卓越したなじみ
性ないし低摩耗特性を有し、従来技術において予想し得
ないような特別の特質をもった製品を的確に製造するこ
とができ、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1についての発明例、比較例お
よび比較参考例の摩擦係数測定結果を要約して示した記
録図表である。
【図2】本発明の実施例3についての摩擦係数測定結果
を示した記録図表である。
【図3】本発明の実施例4についての摩擦係数測定結果
を示した記録図表である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金によってメッキされた鉄
    粉による圧粉成形焼結体の表層部に銅または銅合金と亜
    鉛を主成分とした合金層が形成され、該成形体全体とし
    ての気孔率が18容量%以上であって内層部気孔率が2
    5容量%以上であり、表層部気孔率が16容量%以下で
    あることを特徴とした焼結含油軸受。
  2. 【請求項2】 銅または銅合金によってメッキされた鉄
    粉による圧粉成形焼結体であって、該圧粉成形焼結体の
    表層部に銅または銅合金と亜鉛を主成分とした合金層が
    形成され、この銅または銅合金と亜鉛を主成分とした合
    金層によって表層部の圧粉成形焼結による多孔組織空隙
    が微細化され、摩擦係数が回転スタート直後においても
    連続して30分以上回転したときと同レベル程度である
    ことを特徴とした焼結含油軸受。
  3. 【請求項3】 気孔率を18容量%以上に確保しながら
    通気度を30ダルシー以下とされたことを特徴とした請
    求項1または請求項2に記載の焼結含油軸受。
  4. 【請求項4】 回転数2000rpm 、荷重:14kgf/cm
    2 による1時間の試験条件における摩耗量が平均1.5μ
    m 以下であることを特徴とした請求項1〜3に記載の焼
    結含油軸受。
  5. 【請求項5】 二硫化モリブデン、黒鉛または窒化硼素
    などの固体潤滑剤粉末が含有せしめられ、該固体潤滑剤
    粉末が表層部において銅と亜鉛を主成分とした合金層に
    より定着されていることを特徴とした請求項1〜4に記
    載の焼結含油軸受。
  6. 【請求項6】 銅または銅合金によってメッキされた鉄
    粉を圧粉成形した成形体を準備し、該圧粉成形体を亜鉛
    雰囲気中で焼結処理し、該成形体表層部気孔率を内層部
    気孔率より10容量%以上低下するよう亜鉛を吸着した
    合金化を図ることを特徴とした焼結含油軸受の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 銅または銅合金によってメッキされた鉄
    粉および錫粉を主材として圧粉成形された圧粉成形体を
    準備し、該圧粉成形体を亜鉛雰囲気中で表層部の気孔率
    を内層部の気孔率より10容量%以下低下せしめるよう
    亜鉛を吸着し、銅−亜鉛を主成分とした合金化を図る焼
    結処理をなすことを特徴とした焼結含油軸受の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 二硫化モリブデン、黒鉛または窒化硼素
    などの固体潤滑剤粉末をも主材とし、亜鉛吸着による合
    金化により前記固体潤滑剤粉末の定着安定化をも図るこ
    とを特徴とした請求項6および請求項7に記載の焼結含
    油軸受の製造方法。
  9. 【請求項9】 30〜60wt%の銅または銅合金をメッ
    キ被覆した鉄粉を圧粉成形することを特徴とした請求項
    6〜8に記載の焼結含油軸受の製造方法。
  10. 【請求項10】 銅または銅合金が溶融し、鉄の溶融し
    ない温度条件下で焼結処理することを特徴とした請求項
    6〜9に記載の焼結含油軸受の製造方法。
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