JPH08209357A - 鉄酸化膜の形成方法 - Google Patents
鉄酸化膜の形成方法Info
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- JPH08209357A JPH08209357A JP1949795A JP1949795A JPH08209357A JP H08209357 A JPH08209357 A JP H08209357A JP 1949795 A JP1949795 A JP 1949795A JP 1949795 A JP1949795 A JP 1949795A JP H08209357 A JPH08209357 A JP H08209357A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 作業の危険性を低減し、基材部品の軟化、変
形を抑制するために、高温の強アルカリ溶液を用いない
で、耐食性鉄酸化膜を形成させることを目的とする。ま
た、鉄基金属素地の露出する微小箇所に鉄酸化膜を形成
させ、欠陥部分での腐食を抑制することを目的とする。 【構成】 前処理工程において、鉄基金属表面の自然酸
化膜を除去し、つづく後処理工程において、この鉄基金
属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させ
て、その鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させる。
形を抑制するために、高温の強アルカリ溶液を用いない
で、耐食性鉄酸化膜を形成させることを目的とする。ま
た、鉄基金属素地の露出する微小箇所に鉄酸化膜を形成
させ、欠陥部分での腐食を抑制することを目的とする。 【構成】 前処理工程において、鉄基金属表面の自然酸
化膜を除去し、つづく後処理工程において、この鉄基金
属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させ
て、その鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、TV用マスクなどに
用いる、Fe3 O4 を主成分とする耐食性に優れた鉄酸
化膜の形成方法に関するものである。
用いる、Fe3 O4 を主成分とする耐食性に優れた鉄酸
化膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄基金属に耐食性を付与する方法
としては、その表面に、Fe3 O4 を主成分とする鉄酸
化膜を形成させる方法、種々の成膜法によって皮膜を形
成させる方法が提案されている。
としては、その表面に、Fe3 O4 を主成分とする鉄酸
化膜を形成させる方法、種々の成膜法によって皮膜を形
成させる方法が提案されている。
【0003】上記耐食性鉄酸化膜の形成方法としては、
約140℃の強アルカリ溶液を用いるアルカリ化成処
理、550℃以上の水蒸気やガスを用いる水蒸気処理お
よびCO―CO2 ガス処理が行なわれている。
約140℃の強アルカリ溶液を用いるアルカリ化成処
理、550℃以上の水蒸気やガスを用いる水蒸気処理お
よびCO―CO2 ガス処理が行なわれている。
【0004】一般に、鉄基金属の表面には自然酸化膜が
存在するため、鉄基金属の表面への鉄酸化膜の形成が阻
害される。そのため、自然酸化膜の除去が必要となり、
酸洗が一般的に行なわれている。
存在するため、鉄基金属の表面への鉄酸化膜の形成が阻
害される。そのため、自然酸化膜の除去が必要となり、
酸洗が一般的に行なわれている。
【0005】一方、上記皮膜の成膜方法としては、めっ
き、気相成膜法、塗装、溶射などが行なわれている。し
かし、これらの成膜法で形成された皮膜にはピンホール
などの欠陥が存在するために、外気と接触する金属素地
部分が腐食する。そこで、耐食性を向上させるために、
多層めっきが施される。このような多層めっきとして
は、例えば鉄基金属上にニッケルめっきが施される場合
には、ニッケルめっきの下地に、シアン系のめっき液を
用いた銅ストライクめっきが施されたり、ニッケルめっ
きの上にさらにクロムめっきが重ねて施されたり、ある
いは硫黄含有量の異なるニッケルめっきが何層かに分け
て施されている。さらに、場合によっては形成された皮
膜上に防錆油が塗布される。
き、気相成膜法、塗装、溶射などが行なわれている。し
かし、これらの成膜法で形成された皮膜にはピンホール
などの欠陥が存在するために、外気と接触する金属素地
部分が腐食する。そこで、耐食性を向上させるために、
多層めっきが施される。このような多層めっきとして
は、例えば鉄基金属上にニッケルめっきが施される場合
には、ニッケルめっきの下地に、シアン系のめっき液を
用いた銅ストライクめっきが施されたり、ニッケルめっ
きの上にさらにクロムめっきが重ねて施されたり、ある
いは硫黄含有量の異なるニッケルめっきが何層かに分け
て施されている。さらに、場合によっては形成された皮
膜上に防錆油が塗布される。
【0006】図7は従来のめっき皮膜が表面に形成され
た鉄基金属の断面図である。図において、1は鉄基金
属、5は鉄基金属1の表面に施された銅ストライクめっ
き層、2は銅ストライクめっき層5の表面に重ねて、ワ
ット浴を用いた電気めっきにより施された厚さ5μmの
ニッケルめっき層、4は鉄基金属1が露出する微小箇所
であってニッケルめっき層2のピンホールである。
た鉄基金属の断面図である。図において、1は鉄基金
属、5は鉄基金属1の表面に施された銅ストライクめっ
き層、2は銅ストライクめっき層5の表面に重ねて、ワ
ット浴を用いた電気めっきにより施された厚さ5μmの
ニッケルめっき層、4は鉄基金属1が露出する微小箇所
であってニッケルめっき層2のピンホールである。
【0007】多層めっきを施す方法や防錆油を塗布する
方法以外としては、次のような方法が提案されている。
特開平4−193964号公報には、めっきを施す前の
鋳鉄表面にあらかじめ耐食性鉄酸化膜(Fe3 O4 )を
形成させておき、その上にめっきを施す方法が開示され
ている。また、特開平5−33189号公報には、鉄系
素材に施したニッケルめっき皮膜に存在する小孔のめっ
き欠陥部に、アルカリ化成処理、あるいは陽極酸化処理
によってFe3 O4 を主体とする鉄の酸化層を形成させ
る方法が開示されている。
方法以外としては、次のような方法が提案されている。
特開平4−193964号公報には、めっきを施す前の
鋳鉄表面にあらかじめ耐食性鉄酸化膜(Fe3 O4 )を
形成させておき、その上にめっきを施す方法が開示され
ている。また、特開平5−33189号公報には、鉄系
素材に施したニッケルめっき皮膜に存在する小孔のめっ
き欠陥部に、アルカリ化成処理、あるいは陽極酸化処理
によってFe3 O4 を主体とする鉄の酸化層を形成させ
る方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の鉄酸化膜の形成
方法は以上のように構成されているので、アルカリ化成
処理では、高温の強アルカリ溶液を用いるために作業に
危険を伴うという問題点があり、水蒸気処理、CO―C
O2 ガス処理では、処理温度が高温となるために、処理
作業に危険を伴うとともに、基材部品が軟化したり変形
するなどの問題点があった。
方法は以上のように構成されているので、アルカリ化成
処理では、高温の強アルカリ溶液を用いるために作業に
危険を伴うという問題点があり、水蒸気処理、CO―C
O2 ガス処理では、処理温度が高温となるために、処理
作業に危険を伴うとともに、基材部品が軟化したり変形
するなどの問題点があった。
【0009】また、鉄基金属表面の自然酸化膜を除去す
るのに酸洗を行なう場合は、酸洗後の洗浄工程で新たに
自然酸化膜が形成されるため、これまた鉄酸化膜の形成
を阻害するという問題点があった。
るのに酸洗を行なう場合は、酸洗後の洗浄工程で新たに
自然酸化膜が形成されるため、これまた鉄酸化膜の形成
を阻害するという問題点があった。
【0010】さらに、鉄基金属の表面に形成される鉄酸
化膜の成長に伴って、この鉄酸化膜中での鉄イオンの移
動が困難になるため、鉄酸化膜の形成速度が減少すると
いう問題点もあった。
化膜の成長に伴って、この鉄酸化膜中での鉄イオンの移
動が困難になるため、鉄酸化膜の形成速度が減少すると
いう問題点もあった。
【0011】また、従来の皮膜の成膜方法は以上のよう
に構成されているので、多層めっきを施す場合はコスト
が増大したり、また、銅ストライクめっきを施す場合
は、シアン系のめっき液を用いるために、処理作業に危
険を伴うとともに、廃液処理が困難となり、防錆油を塗
布する方法では、保存中の防錆油が爆発する危険性があ
るなどの問題点があった。特開平4−193964号公
報に開示される方法では、耐食性鉄酸化膜の上にめっき
を施すために、めっきの付着力が低下し、さらに、特開
平5−33189号公報に開示される方法では、高温の
強アルカリ溶液を用いるために処理作業に危険を伴うな
どの問題点があった。
に構成されているので、多層めっきを施す場合はコスト
が増大したり、また、銅ストライクめっきを施す場合
は、シアン系のめっき液を用いるために、処理作業に危
険を伴うとともに、廃液処理が困難となり、防錆油を塗
布する方法では、保存中の防錆油が爆発する危険性があ
るなどの問題点があった。特開平4−193964号公
報に開示される方法では、耐食性鉄酸化膜の上にめっき
を施すために、めっきの付着力が低下し、さらに、特開
平5−33189号公報に開示される方法では、高温の
強アルカリ溶液を用いるために処理作業に危険を伴うな
どの問題点があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、処理作業の危険性が少なく、基
材部品が軟化したり変形することのない、鉄酸化膜の形
成方法を得ることを目的とする。
ためになされたもので、処理作業の危険性が少なく、基
材部品が軟化したり変形することのない、鉄酸化膜の形
成方法を得ることを目的とする。
【0013】また、この発明は、鉄酸化膜の形成速度の
減少を防止して膜厚の大きな鉄酸化膜の形成方法を得る
ことを目的とする。
減少を防止して膜厚の大きな鉄酸化膜の形成方法を得る
ことを目的とする。
【0014】さらに、この発明は、被覆鉄基金属表面の
金属素地が露出する部分の腐食を抑制するために、処理
作業の危険性が少なく、めっき工程や防錆油を塗布する
工程が不要な鉄酸化膜の形成方法を得ることを目的とす
る。
金属素地が露出する部分の腐食を抑制するために、処理
作業の危険性が少なく、めっき工程や防錆油を塗布する
工程が不要な鉄酸化膜の形成方法を得ることを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る鉄
酸化膜の形成方法は、前処理工程において鉄基金属表面
の自然酸化膜を除去し、後処理工程においてこの鉄基金
属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させ
て、この鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させるものであ
る。
酸化膜の形成方法は、前処理工程において鉄基金属表面
の自然酸化膜を除去し、後処理工程においてこの鉄基金
属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させ
て、この鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させるものであ
る。
【0016】請求項2の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、前処理工程において鉄または鉄合金からなる部品表
面の自然酸化膜を、50℃以上の水中、蒸気中もしくは
水溶液中で除去するか、または大気中、非酸化性雰囲気
中もしくは弱酸化性雰囲気中で機械的もしくは物理的に
除去し、後処理工程において上記部品を50℃以上13
0℃以下の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下の水
溶液に接触させて、この部品表面にFe3 O4 を主成分
とする鉄酸化膜を形成させるものである。
は、前処理工程において鉄または鉄合金からなる部品表
面の自然酸化膜を、50℃以上の水中、蒸気中もしくは
水溶液中で除去するか、または大気中、非酸化性雰囲気
中もしくは弱酸化性雰囲気中で機械的もしくは物理的に
除去し、後処理工程において上記部品を50℃以上13
0℃以下の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下の水
溶液に接触させて、この部品表面にFe3 O4 を主成分
とする鉄酸化膜を形成させるものである。
【0017】請求項3の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、前処理工程と後処理工程の間に、鉄基金属を非酸化
性雰囲気中で後処理工程の接触温度以上に加熱するもの
である。
は、前処理工程と後処理工程の間に、鉄基金属を非酸化
性雰囲気中で後処理工程の接触温度以上に加熱するもの
である。
【0018】請求項4の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、後処理工程で鉄イオンを含有する水溶液を鉄基金属
に接触させるものである。
は、後処理工程で鉄イオンを含有する水溶液を鉄基金属
に接触させるものである。
【0019】請求項5の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、後処理工程で極性が変化する電圧を鉄基金属に少な
くとも一回印加する工程を含むものである。
は、後処理工程で極性が変化する電圧を鉄基金属に少な
くとも一回印加する工程を含むものである。
【0020】請求項6の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、表面が皮膜で被覆されているが部分的に金属素地が
露出する鉄基金属を、水、蒸気またはpHが6以上の水
溶液に接触させ、その露出する金属素地表面に鉄酸化膜
を形成させるものである。
は、表面が皮膜で被覆されているが部分的に金属素地が
露出する鉄基金属を、水、蒸気またはpHが6以上の水
溶液に接触させ、その露出する金属素地表面に鉄酸化膜
を形成させるものである。
【0021】請求項7の発明に係る鉄酸化膜の形成方法
は、金属素地が表面に部分的に露出する膜被覆鉄基金属
部品を、50℃以上130℃以下の水、蒸気もしくはp
Hが6以上13以下の水溶液に接触させて、その露出す
る金属素地表面に鉄酸化膜を形成させるものである。
は、金属素地が表面に部分的に露出する膜被覆鉄基金属
部品を、50℃以上130℃以下の水、蒸気もしくはp
Hが6以上13以下の水溶液に接触させて、その露出す
る金属素地表面に鉄酸化膜を形成させるものである。
【0022】
【作用】請求項1の発明における鉄酸化膜の形成方法
は、前処理工程によって鉄基金属表面の自然酸化膜をあ
らかじめ除去する。これにより、後処理工程においてこ
の鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させるのに、水、蒸気
もしくはpHが6以上の水溶液を用いることができるた
め、高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がない。従
って、処理作業の危険性が低減され、基材部品が軟化し
たり変形することがない。なお、後処理に用いる水溶液
のpHが6未満では、鉄基金属表面の鉄成分を溶解する
ため、このような酸性水溶液は用いられない。
は、前処理工程によって鉄基金属表面の自然酸化膜をあ
らかじめ除去する。これにより、後処理工程においてこ
の鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させるのに、水、蒸気
もしくはpHが6以上の水溶液を用いることができるた
め、高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がない。従
って、処理作業の危険性が低減され、基材部品が軟化し
たり変形することがない。なお、後処理に用いる水溶液
のpHが6未満では、鉄基金属表面の鉄成分を溶解する
ため、このような酸性水溶液は用いられない。
【0023】請求項2の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、後処理工程において用いる処理媒体を水、蒸気も
しくはpHが6以上13以下の水溶液としたので、装置
に要求される耐食性能も低くすることができ、また、処
理作業の危険性も著しく低減される。しかも、接触温度
を50℃以上130℃以下としたので、酸化膜の厚さの
制御が容易になるばかりでなく、装置の大型化を回避で
き、また、作業環境が良好でかつ基材部品の軟化、変形
が防止できる。
法は、後処理工程において用いる処理媒体を水、蒸気も
しくはpHが6以上13以下の水溶液としたので、装置
に要求される耐食性能も低くすることができ、また、処
理作業の危険性も著しく低減される。しかも、接触温度
を50℃以上130℃以下としたので、酸化膜の厚さの
制御が容易になるばかりでなく、装置の大型化を回避で
き、また、作業環境が良好でかつ基材部品の軟化、変形
が防止できる。
【0024】請求項3の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、前処理工程と後処理工程の間に、この鉄基金属を
非酸化性雰囲気中で後処理工程の接触温度以上に加熱す
る工程を設けることにより、後処理工程において鉄酸化
膜が急速に生成し、膜厚の大きな鉄酸化膜が形成され
る。なお、上記加熱工程が、酸化性雰囲気中や後処理工
程の温度未満で行われる場合には、後処理工程において
鉄酸化膜の急速な生成が図れない。
法は、前処理工程と後処理工程の間に、この鉄基金属を
非酸化性雰囲気中で後処理工程の接触温度以上に加熱す
る工程を設けることにより、後処理工程において鉄酸化
膜が急速に生成し、膜厚の大きな鉄酸化膜が形成され
る。なお、上記加熱工程が、酸化性雰囲気中や後処理工
程の温度未満で行われる場合には、後処理工程において
鉄酸化膜の急速な生成が図れない。
【0025】請求項4の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、鉄イオンを含有する水溶液を鉄基金属に接触させ
る後処理工程により、鉄イオンが鉄基金属素地からだけ
でなく上記水溶液からも供給されるので、鉄酸化膜の形
成速度が増大する。
法は、鉄イオンを含有する水溶液を鉄基金属に接触させ
る後処理工程により、鉄イオンが鉄基金属素地からだけ
でなく上記水溶液からも供給されるので、鉄酸化膜の形
成速度が増大する。
【0026】請求項5の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、鉄イオンを含有している水溶液中において極性が
変化する電圧を鉄基金属に少なくとも一回印加すること
により、この鉄基金属表面への鉄イオン、水酸イオンお
よび酸素などの供給が促進されるので膜厚の大きな鉄酸
化膜が形成される。
法は、鉄イオンを含有している水溶液中において極性が
変化する電圧を鉄基金属に少なくとも一回印加すること
により、この鉄基金属表面への鉄イオン、水酸イオンお
よび酸素などの供給が促進されるので膜厚の大きな鉄酸
化膜が形成される。
【0027】請求項6の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、金属素地が表面に部分的に露出する被覆鉄基金属
を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させる
だけで、その露出する金属素地表面に耐食性鉄酸化膜を
形成させるので、処理作業の危険性が低減されるととも
に、めっき工程や防錆油を塗布する工程が不要となる。
法は、金属素地が表面に部分的に露出する被覆鉄基金属
を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接触させる
だけで、その露出する金属素地表面に耐食性鉄酸化膜を
形成させるので、処理作業の危険性が低減されるととも
に、めっき工程や防錆油を塗布する工程が不要となる。
【0028】請求項7の発明における鉄酸化膜の形成方
法は、用いる処理媒体を水、蒸気もしくはpHが6以上
13以下の水溶液とし、接触温度を50℃以上130℃
以下としたので、請求項6の作用をより確実に達成でき
処理作業の危険性の低減およびめっき工程や防錆油を塗
布する工程が不要となるばかりでなく、請求項2の作用
に示したとおりの効果がある。
法は、用いる処理媒体を水、蒸気もしくはpHが6以上
13以下の水溶液とし、接触温度を50℃以上130℃
以下としたので、請求項6の作用をより確実に達成でき
処理作業の危険性の低減およびめっき工程や防錆油を塗
布する工程が不要となるばかりでなく、請求項2の作用
に示したとおりの効果がある。
【0029】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の実施例1による鉄酸化膜の形成
方法のチャート図である。前処理工程において大気中で
のブラスト処理(ステップST1)を行なった鉄基金属
を、次の後処理工程において120℃の蒸留水中に4時
間浸漬して(ステップST2)、その鉄基金属表面に鉄
酸化膜を形成させた。このようにして得られた試料を用
いて、JIS Z2371の規定に基づいて塩水噴霧試
験を行なった。その結果を図2に示す。
する。図1はこの発明の実施例1による鉄酸化膜の形成
方法のチャート図である。前処理工程において大気中で
のブラスト処理(ステップST1)を行なった鉄基金属
を、次の後処理工程において120℃の蒸留水中に4時
間浸漬して(ステップST2)、その鉄基金属表面に鉄
酸化膜を形成させた。このようにして得られた試料を用
いて、JIS Z2371の規定に基づいて塩水噴霧試
験を行なった。その結果を図2に示す。
【0030】この実施例1の構成においては、前処理工
程として大気中でのブラスト処理を行なったが、処理方
法としては乾式または湿式の処理がある。このうち乾式
処理としては、ブラスト処理の他にブラッシング処理な
どの機械的な方法、あるいはスパッタ処理などの物理的
な方法が用いられ、これらの処理は、大気中の他に窒
素、アルゴンなどの不活性ガスや低圧真空などの非酸化
性雰囲気中、あるいは例えば、大気より若干酸素量が多
い弱酸化性雰囲気中で行なってもよい。一方、湿式処理
としては、50℃以上の水中、蒸気中もしくは水溶液中
で処理する方法が用いられる。このような湿式処理方法
を採用するのは、前処理に用いる媒体を後処理において
も、そのまま使用できる利点があるからである。これら
の処理方法のうち、大気中でのブラスト処理が好まし
い。
程として大気中でのブラスト処理を行なったが、処理方
法としては乾式または湿式の処理がある。このうち乾式
処理としては、ブラスト処理の他にブラッシング処理な
どの機械的な方法、あるいはスパッタ処理などの物理的
な方法が用いられ、これらの処理は、大気中の他に窒
素、アルゴンなどの不活性ガスや低圧真空などの非酸化
性雰囲気中、あるいは例えば、大気より若干酸素量が多
い弱酸化性雰囲気中で行なってもよい。一方、湿式処理
としては、50℃以上の水中、蒸気中もしくは水溶液中
で処理する方法が用いられる。このような湿式処理方法
を採用するのは、前処理に用いる媒体を後処理において
も、そのまま使用できる利点があるからである。これら
の処理方法のうち、大気中でのブラスト処理が好まし
い。
【0031】後処理工程としては120℃の蒸留水中で
4時間の処理を行なったが、水は水道水やイオン交換水
でもよく、蒸気やpHが6以上の水溶液も用いられる。
装置の耐食性および作業の危険性を考慮すると、水溶液
のpHは6以上13以下の範囲が好ましい。これらのう
ち、蒸留水中で処理するのが特に好ましい。処理温度に
ついては、50℃未満では鉄酸化膜の形成速度が大きく
なく、130℃を越えると、酸化膜の厚さの制御が困難
になるばかりでなく装置も大型化する必要があり、作業
の危険性の低減も図れないため、50℃以上130℃以
下の範囲が好ましい。また、処理時間は処理媒体の種
類、温度および媒体が水溶液の場合にはpHによって異
なるが、5時間以内が好ましい。
4時間の処理を行なったが、水は水道水やイオン交換水
でもよく、蒸気やpHが6以上の水溶液も用いられる。
装置の耐食性および作業の危険性を考慮すると、水溶液
のpHは6以上13以下の範囲が好ましい。これらのう
ち、蒸留水中で処理するのが特に好ましい。処理温度に
ついては、50℃未満では鉄酸化膜の形成速度が大きく
なく、130℃を越えると、酸化膜の厚さの制御が困難
になるばかりでなく装置も大型化する必要があり、作業
の危険性の低減も図れないため、50℃以上130℃以
下の範囲が好ましい。また、処理時間は処理媒体の種
類、温度および媒体が水溶液の場合にはpHによって異
なるが、5時間以内が好ましい。
【0032】(比較例1)上記実施例1における、前処
理工程およびそれに続く後処理工程を行なわなかった未
処理の鉄基金属を試料として用いて、上記塩水噴霧試験
を行なった。その結果を同じく図2に示す。
理工程およびそれに続く後処理工程を行なわなかった未
処理の鉄基金属を試料として用いて、上記塩水噴霧試験
を行なった。その結果を同じく図2に示す。
【0033】(参考例1)上記実施例1における前処理
工程およびそれに続く後処理工程に代えて、防錆油を表
面に塗布した鉄基金属を試料として用いて、上記塩水噴
霧試験を行なった。その結果を同じく図2に示す。
工程およびそれに続く後処理工程に代えて、防錆油を表
面に塗布した鉄基金属を試料として用いて、上記塩水噴
霧試験を行なった。その結果を同じく図2に示す。
【0034】図2より明らかなように、上記実施例1に
用いた試料は、防錆油を塗布した上記参考例1の試料よ
り耐食性が劣るものの、上記比較例1の未処理の試料と
比較すると耐食性が向上している。
用いた試料は、防錆油を塗布した上記参考例1の試料よ
り耐食性が劣るものの、上記比較例1の未処理の試料と
比較すると耐食性が向上している。
【0035】実施例2.上記実施例1では後処理を12
0℃で行なったが、この実施例2ではこれ以上の温度で
後処理を行なった。上記実施例1と同様にして大気中で
ブラスト処理(前処理工程)を行なった鉄基金属を、1
20〜200℃の蒸留水中に4時間浸漬した(後処理工
程)。このようにして得られた試料の表面に形成された
鉄酸化膜の膜厚を、Arイオンによるスパッタエッチン
グを併用したオージェ電子分光法を用いて、深さ方向の
酸素濃度分布を調べて測定した。その結果を図3に示
す。
0℃で行なったが、この実施例2ではこれ以上の温度で
後処理を行なった。上記実施例1と同様にして大気中で
ブラスト処理(前処理工程)を行なった鉄基金属を、1
20〜200℃の蒸留水中に4時間浸漬した(後処理工
程)。このようにして得られた試料の表面に形成された
鉄酸化膜の膜厚を、Arイオンによるスパッタエッチン
グを併用したオージェ電子分光法を用いて、深さ方向の
酸素濃度分布を調べて測定した。その結果を図3に示
す。
【0036】(比較例2)上記実施例2における前処理
に代えて酸洗処理した以外、上記実施例2と同様にして
処理して得られた鉄基金属を試料として用いて、その表
面に形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同様に
して測定した。その結果を同じく図3に示す。
に代えて酸洗処理した以外、上記実施例2と同様にして
処理して得られた鉄基金属を試料として用いて、その表
面に形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同様に
して測定した。その結果を同じく図3に示す。
【0037】図3より明らかなように、酸洗による前処
理ではその後の鉄酸化膜の形成が阻害され大きな膜厚が
得られないが、前処理として上記実施例2のブラスト処
理を行なうことによって膜厚の大きな鉄酸化膜が得られ
る。
理ではその後の鉄酸化膜の形成が阻害され大きな膜厚が
得られないが、前処理として上記実施例2のブラスト処
理を行なうことによって膜厚の大きな鉄酸化膜が得られ
る。
【0038】実施例3.上記実施例1および実施例2で
は前処理工程に続いて後処理を行なったが、これらの処
理工程の間に下記のような加熱工程を設けても同様の効
果が得られる。大気中でブラスト処理(前処理工程)を
行なった鉄基金属を、窒素雰囲気中で150℃の温度で
加熱した(非酸化性雰囲気中で加熱する工程)。次い
で、この鉄基金属を70℃の蒸留水中に4時間浸漬した
(後処理工程)。このようにして得られた試料の表面に
形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同様にして
測定した。その結果を図4に示す。
は前処理工程に続いて後処理を行なったが、これらの処
理工程の間に下記のような加熱工程を設けても同様の効
果が得られる。大気中でブラスト処理(前処理工程)を
行なった鉄基金属を、窒素雰囲気中で150℃の温度で
加熱した(非酸化性雰囲気中で加熱する工程)。次い
で、この鉄基金属を70℃の蒸留水中に4時間浸漬した
(後処理工程)。このようにして得られた試料の表面に
形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同様にして
測定した。その結果を図4に示す。
【0039】この実施例3の構成においては、非酸化性
雰囲気中として窒素雰囲気中で加熱したが、窒素の他に
アルゴンなどの不活性ガスや低圧真空などの雰囲気中で
加熱してもよい。
雰囲気中として窒素雰囲気中で加熱したが、窒素の他に
アルゴンなどの不活性ガスや低圧真空などの雰囲気中で
加熱してもよい。
【0040】実施例4.実施例1と同様にしてブラスト
処理を行った後に、20〜90℃の蒸留水にそれぞれ4
時間浸漬して得られた鉄基金属を試料として用いて、そ
の表面に形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同
様にして測定した。その結果を同じく図4に示す。
処理を行った後に、20〜90℃の蒸留水にそれぞれ4
時間浸漬して得られた鉄基金属を試料として用いて、そ
の表面に形成された鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と同
様にして測定した。その結果を同じく図4に示す。
【0041】実施例5.上記実施例3では、後処理工程
において蒸留水を用いたが、鉄イオンを含有する水溶液
を用いても同様の効果が得られる。空気中でブラスト処
理(前処理工程)を行なった鉄基金属を、温度80℃、
濃度5mg/L (鉄イオン濃度として5.6×10-5モ
ル/L )の水酸化第一鉄水溶液中に浸漬した(後処理工
程)。このようにして得られた試料の表面に形成された
鉄酸化膜の膜厚を実施例2と同様にして測定した。その
結果を同じく図4に示す。
において蒸留水を用いたが、鉄イオンを含有する水溶液
を用いても同様の効果が得られる。空気中でブラスト処
理(前処理工程)を行なった鉄基金属を、温度80℃、
濃度5mg/L (鉄イオン濃度として5.6×10-5モ
ル/L )の水酸化第一鉄水溶液中に浸漬した(後処理工
程)。このようにして得られた試料の表面に形成された
鉄酸化膜の膜厚を実施例2と同様にして測定した。その
結果を同じく図4に示す。
【0042】この実施例5の構成においては、鉄イオン
を含有する水溶液として水酸化第一鉄水溶液を用いた
が、これに限定されることはない。水酸化第一鉄の他に
は、硫酸第一鉄、塩酸第一鉄など水に溶解して鉄イオン
を供給できるものであれば用いることができる。鉄イオ
ンを水溶液に供給するのは、鉄基金属を水溶液中に浸漬
する前でも、あるいは浸漬後でもよい。また、鉄イオン
濃度が5.6×10-5モル/L の水溶液を用いたが、鉄
酸化膜の形成速度を増大させるには5×10-5〜2モル
/L の鉄イオンの濃度が好ましい。
を含有する水溶液として水酸化第一鉄水溶液を用いた
が、これに限定されることはない。水酸化第一鉄の他に
は、硫酸第一鉄、塩酸第一鉄など水に溶解して鉄イオン
を供給できるものであれば用いることができる。鉄イオ
ンを水溶液に供給するのは、鉄基金属を水溶液中に浸漬
する前でも、あるいは浸漬後でもよい。また、鉄イオン
濃度が5.6×10-5モル/L の水溶液を用いたが、鉄
酸化膜の形成速度を増大させるには5×10-5〜2モル
/L の鉄イオンの濃度が好ましい。
【0043】実施例6.上記実施例5では、後処理にお
いて鉄イオンを含有する水溶液を用いたが、さらに極性
が変化する電圧を試料に印加することによって、より大
きな膜厚の鉄酸化膜が得られる。空気中でブラスト処理
(前処理工程)を行なった鉄基金属を、温度80℃、濃
度5mg/L (鉄イオン濃度として5.6×10-5モル
/L )の水酸化第一鉄水溶液中に浸漬し、これにPRパ
ルスによってプラス0.5Vの電圧を10ms、マイナ
ス0.5Vの電圧を7ms交互に印加して合計4時間処
理することにより、鉄基金属の表面に鉄酸化膜を形成さ
せた(後処理工程)。なお、対極には鉄板を用いた。こ
のようにして得られた鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と
同様にして測定した。この結果を同じく図4に示す。
いて鉄イオンを含有する水溶液を用いたが、さらに極性
が変化する電圧を試料に印加することによって、より大
きな膜厚の鉄酸化膜が得られる。空気中でブラスト処理
(前処理工程)を行なった鉄基金属を、温度80℃、濃
度5mg/L (鉄イオン濃度として5.6×10-5モル
/L )の水酸化第一鉄水溶液中に浸漬し、これにPRパ
ルスによってプラス0.5Vの電圧を10ms、マイナ
ス0.5Vの電圧を7ms交互に印加して合計4時間処
理することにより、鉄基金属の表面に鉄酸化膜を形成さ
せた(後処理工程)。なお、対極には鉄板を用いた。こ
のようにして得られた鉄酸化膜の膜厚を上記実施例2と
同様にして測定した。この結果を同じく図4に示す。
【0044】また、この実施例6の構成においては、極
性が変化する電圧を印加する工程としては、PRパルス
によってプラス0.5Vの電圧を10ms、マイナス
0.5Vの電圧を7ms交互にそれぞれ印加して合計4
時間処理したが、プラス電圧およびマイナス電圧とも
に、0.01〜10Vの電圧を1〜500ms印加する
のが好ましく、また印加処理を施す合計時間は5時間以
内が好ましい。なお、印加方法はPRパルスの他、単相
不完全整流波による非対称交流めっきなどが用いられ
る。
性が変化する電圧を印加する工程としては、PRパルス
によってプラス0.5Vの電圧を10ms、マイナス
0.5Vの電圧を7ms交互にそれぞれ印加して合計4
時間処理したが、プラス電圧およびマイナス電圧とも
に、0.01〜10Vの電圧を1〜500ms印加する
のが好ましく、また印加処理を施す合計時間は5時間以
内が好ましい。なお、印加方法はPRパルスの他、単相
不完全整流波による非対称交流めっきなどが用いられ
る。
【0045】図4より明らかなように、実施例3、5お
よび6に用いた試料の鉄酸化膜の膜厚は、それぞれ前処
理工程に続く加熱工程、鉄イオンを含有する水溶液を用
いた後処理工程、極性が変化する電圧を印加する工程に
より鉄酸化膜の形成速度が大きくなったため、実施例4
に示す20〜90℃の蒸留水によって処理しただけの試
料の膜厚より大きい。
よび6に用いた試料の鉄酸化膜の膜厚は、それぞれ前処
理工程に続く加熱工程、鉄イオンを含有する水溶液を用
いた後処理工程、極性が変化する電圧を印加する工程に
より鉄酸化膜の形成速度が大きくなったため、実施例4
に示す20〜90℃の蒸留水によって処理しただけの試
料の膜厚より大きい。
【0046】実施例7.図6はこの発明の実施例7によ
る、鉄素地の露出する微小箇所に鉄酸化膜を形成させた
ニッケルめっきが施された鉄基金属を示す断面図であ
る。従来技術である図7に示した相当部分には同一符号
を付しその説明を省略する。図において3はピンホール
4を通して露出する鉄基金属1の微小箇所表面に形成さ
せた鉄酸化膜である。なお、鉄酸化膜3はニッケルめっ
き層2を備える上記鉄基金属を120℃の蒸留水中に4
時間浸漬して形成させた。このように得られた試料を用
いて、JIS H 8617の附属書3の規定に基づい
てフェロキシル試験を行なった。その結果を図5に示
す。
る、鉄素地の露出する微小箇所に鉄酸化膜を形成させた
ニッケルめっきが施された鉄基金属を示す断面図であ
る。従来技術である図7に示した相当部分には同一符号
を付しその説明を省略する。図において3はピンホール
4を通して露出する鉄基金属1の微小箇所表面に形成さ
せた鉄酸化膜である。なお、鉄酸化膜3はニッケルめっ
き層2を備える上記鉄基金属を120℃の蒸留水中に4
時間浸漬して形成させた。このように得られた試料を用
いて、JIS H 8617の附属書3の規定に基づい
てフェロキシル試験を行なった。その結果を図5に示
す。
【0047】この実施例7の構成においては、120℃
の蒸留水中で4時間の処理を行なったが、水は水道水や
イオン交換水でもよく、また蒸気やpHが6以上の水溶
液も用いられる。装置の耐食性および作業の危険性を考
慮すると、水溶液のpHは6以上13以下の範囲が好ま
しい。これらのうち、蒸留水中で処理するのが特に好ま
しい。処理温度については、50℃未満では鉄酸化膜の
形成速度が大きくなく、130℃を越えると酸化膜の厚
さの制御が困難になるばかりでなく装置も大型化する必
要があり、また、作業の危険性の低減も図れないため、
50℃以上130℃以下の範囲が好ましい。また、処理
時間は処理媒体の種類、温度および媒体が水溶液の場合
にはpHによって異なるが、5時間以内が好ましい。
の蒸留水中で4時間の処理を行なったが、水は水道水や
イオン交換水でもよく、また蒸気やpHが6以上の水溶
液も用いられる。装置の耐食性および作業の危険性を考
慮すると、水溶液のpHは6以上13以下の範囲が好ま
しい。これらのうち、蒸留水中で処理するのが特に好ま
しい。処理温度については、50℃未満では鉄酸化膜の
形成速度が大きくなく、130℃を越えると酸化膜の厚
さの制御が困難になるばかりでなく装置も大型化する必
要があり、また、作業の危険性の低減も図れないため、
50℃以上130℃以下の範囲が好ましい。また、処理
時間は処理媒体の種類、温度および媒体が水溶液の場合
にはpHによって異なるが、5時間以内が好ましい。
【0048】この実施例7の構成においては、被覆鉄基
金属として表面を電気ニッケルめっきした鉄基金属を用
いているが、鉄基金属表面の被覆方法としては、めっき
に限定されるものではなく、気相成膜法、塗装、溶射な
どの皮膜形成方法も用いられる。また、形成される皮膜
の材質も金属膜に限定されるものではなく、セラミック
膜、有機膜などでもよい。
金属として表面を電気ニッケルめっきした鉄基金属を用
いているが、鉄基金属表面の被覆方法としては、めっき
に限定されるものではなく、気相成膜法、塗装、溶射な
どの皮膜形成方法も用いられる。また、形成される皮膜
の材質も金属膜に限定されるものではなく、セラミック
膜、有機膜などでもよい。
【0049】めっきについても、ニッケルめっきに限定
されるものではなく、銅めっき、クロムめっきなどを施
したものでもよい。ニッケルめっきでは、電気めっき法
または無電解めっき法のいずれの方法も用いられる。ま
た、ニッケルめっきの下地に銅ストライクめっきを施し
たり、ニッケルめっきの上にさらにクロムめっきを重ね
て施したり、あるいは硫黄含有量の異なるニッケルめっ
きを何層かに分けて施した皮膜のピンホールに鉄酸化膜
を形成させてもよく、この場合は耐腐食効果を一層発揮
する。
されるものではなく、銅めっき、クロムめっきなどを施
したものでもよい。ニッケルめっきでは、電気めっき法
または無電解めっき法のいずれの方法も用いられる。ま
た、ニッケルめっきの下地に銅ストライクめっきを施し
たり、ニッケルめっきの上にさらにクロムめっきを重ね
て施したり、あるいは硫黄含有量の異なるニッケルめっ
きを何層かに分けて施した皮膜のピンホールに鉄酸化膜
を形成させてもよく、この場合は耐腐食効果を一層発揮
する。
【0050】この実施例7の構成においては、金属素地
が表面に部分的に露出する鉄基金属として、ニッケルめ
っきにピンホール欠陥のあるものを示したが、金属素地
表面に部分的に露出しているものであればピンホール欠
陥に限られず、例えば、めっきが一部分剥離したよう
な、比較的大きな露出部分にも適用される。
が表面に部分的に露出する鉄基金属として、ニッケルめ
っきにピンホール欠陥のあるものを示したが、金属素地
表面に部分的に露出しているものであればピンホール欠
陥に限られず、例えば、めっきが一部分剥離したよう
な、比較的大きな露出部分にも適用される。
【0051】(比較例3)めっき後の蒸留水中での浸漬
処理を行なわなかった以外、上記実施例7と同様にして
処理して得られた鉄基金属を試料として用いて、上記フ
ェロキシル試験を行なった。その結果を同じく図5に示
す。
処理を行なわなかった以外、上記実施例7と同様にして
処理して得られた鉄基金属を試料として用いて、上記フ
ェロキシル試験を行なった。その結果を同じく図5に示
す。
【0052】(比較例4)めっき後の蒸留水中での浸漬
処理に代えてCO―CO2 ガス処理を行なった以外、上
記実施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を試
料として用いて、上記フェロキシル試験を行なった。そ
の結果を同じく図5に示す。
処理に代えてCO―CO2 ガス処理を行なった以外、上
記実施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を試
料として用いて、上記フェロキシル試験を行なった。そ
の結果を同じく図5に示す。
【0053】(比較例5)めっき後の蒸留水中での浸漬
処理に代えてアルカリ化成処理を行なった以外、上記実
施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を試料と
して用いて、上記フェロキシル試験を行なった。その結
果を同じく図5に示す。
処理に代えてアルカリ化成処理を行なった以外、上記実
施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を試料と
して用いて、上記フェロキシル試験を行なった。その結
果を同じく図5に示す。
【0054】(参考例2)めっき後の蒸留水中での浸漬
処理に代えて、鉄基金属表面に防錆油を塗布した以外、
上記実施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を
試料として用いて、上記フェロキシル試験を行なった。
その結果を同じく図5に示す。
処理に代えて、鉄基金属表面に防錆油を塗布した以外、
上記実施例7と同様にして処理して得られた鉄基金属を
試料として用いて、上記フェロキシル試験を行なった。
その結果を同じく図5に示す。
【0055】図5より明らかなように、実施例7の蒸留
水処理によってピンホールを通じて鉄基金属表面に現れ
る錆の個数は、上記参考例2の防錆油を塗布したものよ
りは多いが、上記比較例3のニッケルめっき処理のみの
ものに比較して1/15以下、上記比較例4のCO―C
O2 ガス処理のものに比較して2/5以下、上記比較例
5のアルカリ化成処理のものに比較して1/2以下に減
少している。
水処理によってピンホールを通じて鉄基金属表面に現れ
る錆の個数は、上記参考例2の防錆油を塗布したものよ
りは多いが、上記比較例3のニッケルめっき処理のみの
ものに比較して1/15以下、上記比較例4のCO―C
O2 ガス処理のものに比較して2/5以下、上記比較例
5のアルカリ化成処理のものに比較して1/2以下に減
少している。
【0056】なお、この発明の実施例1〜7において形
成された鉄酸化膜は、Fe3 O4 を主成分とすることが
X線回折法によって判明した。また、この発明において
「鉄基金属」とは、鉄および鉄合金を意味するものとす
る。
成された鉄酸化膜は、Fe3 O4 を主成分とすることが
X線回折法によって判明した。また、この発明において
「鉄基金属」とは、鉄および鉄合金を意味するものとす
る。
【0057】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、前処理工程において鉄基属表面の自然酸化膜を除去
し、後処理工程において上記鉄基金属を、水、蒸気また
はpHが6以上の水溶液に接触させて、その表面に鉄酸
化膜を形成させるように構成したので、後処理工程にお
いて高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がないため
処理作業の危険性が低減でき、さらに、基材部品が軟
化、変形しないようにできる効果がある。
ば、前処理工程において鉄基属表面の自然酸化膜を除去
し、後処理工程において上記鉄基金属を、水、蒸気また
はpHが6以上の水溶液に接触させて、その表面に鉄酸
化膜を形成させるように構成したので、後処理工程にお
いて高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がないため
処理作業の危険性が低減でき、さらに、基材部品が軟
化、変形しないようにできる効果がある。
【0058】請求項2の発明によれば、前処理工程にお
いて鉄または鉄合金からなる部品表面の自然酸化膜を、
50℃以上の水中、蒸気中もしくは水溶液中で除去する
か、または大気中、非酸化性雰囲気中もしくは弱酸化性
雰囲気中で機械的もしくはあるいは物理的に除去し、後
処理工程において前記部品を、50℃以上130℃以下
の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下の水溶液に接
触させて、この部品表面に鉄酸化膜を形成させるように
構成したので、高温の強アルカリ溶液などを用いる必要
がないため処理作業の危険性が著しく低減でき、さら
に、めっき工程や防錆油を塗布する工程を確実に不要に
できる効果がある。
いて鉄または鉄合金からなる部品表面の自然酸化膜を、
50℃以上の水中、蒸気中もしくは水溶液中で除去する
か、または大気中、非酸化性雰囲気中もしくは弱酸化性
雰囲気中で機械的もしくはあるいは物理的に除去し、後
処理工程において前記部品を、50℃以上130℃以下
の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下の水溶液に接
触させて、この部品表面に鉄酸化膜を形成させるように
構成したので、高温の強アルカリ溶液などを用いる必要
がないため処理作業の危険性が著しく低減でき、さら
に、めっき工程や防錆油を塗布する工程を確実に不要に
できる効果がある。
【0059】請求項3の発明によれば、前処理工程と後
処理工程の間に、鉄基金属を非酸化性雰囲気中で後処理
工程の接触温度以上に加熱するように構成したので、こ
の加熱工程により、後処理工程において鉄酸化膜を急速
に生成させることができ、従って、膜厚の大きな鉄酸化
膜を形成させることができる効果がある。
処理工程の間に、鉄基金属を非酸化性雰囲気中で後処理
工程の接触温度以上に加熱するように構成したので、こ
の加熱工程により、後処理工程において鉄酸化膜を急速
に生成させることができ、従って、膜厚の大きな鉄酸化
膜を形成させることができる効果がある。
【0060】請求項4の発明によれば、後処理工程で鉄
イオンを含有する水溶液を鉄基金属に接触させるように
構成したので、鉄イオンを鉄基金属素地からだけでなく
上記水溶液からも供給することができ、従って、鉄酸化
膜の形成速度を増大させることができる効果がある。
イオンを含有する水溶液を鉄基金属に接触させるように
構成したので、鉄イオンを鉄基金属素地からだけでなく
上記水溶液からも供給することができ、従って、鉄酸化
膜の形成速度を増大させることができる効果がある。
【0061】請求項5の発明によれば、後処理工程で極
性が変化する電圧を鉄基金属に少なくとも一回印加する
ように構成したので、鉄基金属表面への鉄イオン、水酸
イオンおよび酸素などの供給を促進させることができ、
従って、膜厚の大きな鉄酸化膜を形成させることができ
る効果がある。
性が変化する電圧を鉄基金属に少なくとも一回印加する
ように構成したので、鉄基金属表面への鉄イオン、水酸
イオンおよび酸素などの供給を促進させることができ、
従って、膜厚の大きな鉄酸化膜を形成させることができ
る効果がある。
【0062】請求項6の発明によれば、金属素地が表面
に部分的に露出する鉄基金属を、水、蒸気またはpHが
6以上の水溶液に接触させるだけで、その露出する金属
素地表面に鉄酸化膜を形成させるように構成したので、
高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がないため処理
作業の危険性が低減でき、さらに、めっき工程や防錆油
を塗布する工程を不要にできる効果がある。
に部分的に露出する鉄基金属を、水、蒸気またはpHが
6以上の水溶液に接触させるだけで、その露出する金属
素地表面に鉄酸化膜を形成させるように構成したので、
高温の強アルカリ溶液などを用いる必要がないため処理
作業の危険性が低減でき、さらに、めっき工程や防錆油
を塗布する工程を不要にできる効果がある。
【0063】請求項7の発明によれば、金属素地が表面
に部分的に露出する膜被覆鉄基金属部品を、50℃以上
130℃以下の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下
の水溶液に接触させて鉄酸化膜を形成させるように構成
したので、後処理工程において高温の強アルカリ溶液な
どを用いる必要がないため処理作業の危険性が著しく低
減でき、さらに、基材部品の軟化、変形を確実に防止で
きる効果がある。
に部分的に露出する膜被覆鉄基金属部品を、50℃以上
130℃以下の水、蒸気もしくはpHが6以上13以下
の水溶液に接触させて鉄酸化膜を形成させるように構成
したので、後処理工程において高温の強アルカリ溶液な
どを用いる必要がないため処理作業の危険性が著しく低
減でき、さらに、基材部品の軟化、変形を確実に防止で
きる効果がある。
【図1】 この発明の実施例1による鉄酸化膜の形成方
法のチャート図である。
法のチャート図である。
【図2】 この発明の実施例1、比較例1および参考例
1における塩水噴霧試験の結果を示すグラフ図である。
1における塩水噴霧試験の結果を示すグラフ図である。
【図3】 この発明の実施例2および比較例2におけ
る、処理水温度と鉄酸化膜の膜厚との関係を示すグラフ
図である。
る、処理水温度と鉄酸化膜の膜厚との関係を示すグラフ
図である。
【図4】 この発明の実施例3〜5における、処理水温
度と鉄酸化膜の膜厚との関係を示すグラフ図である。
度と鉄酸化膜の膜厚との関係を示すグラフ図である。
【図5】 この発明の実施例7、比較例3〜5およびに
参考例2におけるフェロキシル試験の結果を示すグラフ
図である。
参考例2におけるフェロキシル試験の結果を示すグラフ
図である。
【図6】 この発明の実施例7における鉄素地の露出す
る微小箇所に鉄酸化膜を形成させたニッケルめっき鉄基
金属を示す断面図である。
る微小箇所に鉄酸化膜を形成させたニッケルめっき鉄基
金属を示す断面図である。
【図7】 従来のめっき皮膜が表面に形成された鉄基金
属を示す断面図である。
属を示す断面図である。
1 鉄基金属、3 鉄酸化膜。
Claims (7)
- 【請求項1】 鉄基金属表面の自然酸化膜を除去する前
処理工程と、上記前処理工程により自然酸化膜を除去さ
れた鉄基金属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液
に接触させて、この鉄基金属表面に鉄酸化膜を形成させ
る後処理工程とを備えた鉄酸化膜の形成方法。 - 【請求項2】 鉄または鉄合金からなる部品表面の自然
酸化膜を、50℃以上の水中、蒸気中もしくは水溶液中
で除去するか、または大気中、非酸化性雰囲気中もしく
は弱酸化性雰囲気中で機械的もしくは物理的に除去する
前処理工程と、上記前処理工程により自然酸化膜を除去
された上記部品を、50℃以上130℃以下の水、蒸気
もしくはpHが6以上13以下の水溶液に接触させて、
この部品表面に鉄酸化膜を形成させる後処理工程とを備
えた鉄酸化膜の形成方法。 - 【請求項3】 上記前処理工程と上記後処理工程の間
に、上記鉄基金属を非酸化性雰囲気中で上記後処理工程
の接触温度以上に加熱する工程を備えたことを特徴とす
る請求項1または請求項2記載の鉄酸化膜の形成方法。 - 【請求項4】 上記後処理工程において、上記鉄基金属
を接触させる水溶液が鉄イオンを含有することを特徴と
する請求項1または請求項2記載の鉄酸化膜の形成方
法。 - 【請求項5】 上記後処理工程において、極性が変化す
る電圧を上記鉄基金属に少なくとも一回印加する工程が
含まれることを特徴とする請求項4記載の鉄酸化膜の形
成方法。 - 【請求項6】 金属素地が表面に部分的に露出する被覆
鉄基金属を、水、蒸気またはpHが6以上の水溶液に接
触させて、その露出する金属素地表面に鉄酸化膜を形成
させる工程を備えた鉄酸化膜の形成方法。 - 【請求項7】 金属素地が表面に部分的に露出する膜被
覆鉄基金属部品を、50℃以上130℃以下の水、蒸気
もしくはpHが6以上13以下の水溶液に接触させて、
その露出する金属素地表面に鉄酸化膜を形成させる工程
を備えた鉄酸化膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1949795A JPH08209357A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 鉄酸化膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1949795A JPH08209357A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 鉄酸化膜の形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209357A true JPH08209357A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=12001016
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1949795A Pending JPH08209357A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 鉄酸化膜の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209357A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008010799A (ja) * | 2006-05-30 | 2008-01-17 | Orient Sokki Computer Kk | 磁気記憶媒体ケースおよび磁気遮断シート |
| CN119932462A (zh) * | 2025-03-24 | 2025-05-06 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种低温离子渗氮的方法及应用 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP1949795A patent/JPH08209357A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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