JPH08209457A - 炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents
炭素繊維およびその製造方法Info
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- JPH08209457A JPH08209457A JP1911695A JP1911695A JPH08209457A JP H08209457 A JPH08209457 A JP H08209457A JP 1911695 A JP1911695 A JP 1911695A JP 1911695 A JP1911695 A JP 1911695A JP H08209457 A JPH08209457 A JP H08209457A
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- carbon fiber
- boron
- elastic modulus
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Abstract
(57)【要約】
【構成】ホウ素含有量が0.1%以上であって、引張弾
性率が35×103 kgf/mm2 以上、層間せん断強
度が5kgf/mm2 以上であることを特徴とする炭素
繊維、およびその製造方法。 【効果】複合材料となしたときの複合材料特性、特に複
合材料の繊維方向圧縮強度および引張弾性率を優れたも
のとし得る炭素繊維を提供することができる。
性率が35×103 kgf/mm2 以上、層間せん断強
度が5kgf/mm2 以上であることを特徴とする炭素
繊維、およびその製造方法。 【効果】複合材料となしたときの複合材料特性、特に複
合材料の繊維方向圧縮強度および引張弾性率を優れたも
のとし得る炭素繊維を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性率の高く、かつ複
合材料としたときに優れた圧縮強度を与える炭素繊維お
よびその製造方法に関する。
合材料としたときに優れた圧縮強度を与える炭素繊維お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は比強度、比弾性率が金属材料
などに比べて高いため、近年、マトリックス樹脂などと
組合せた複合材料として、主に、ゴルフシャフト、釣竿
などのスポーツ、レジャー用途や航空宇宙用途における
軽量構造体に大量に使用されるに至り、その需要の拡大
にともなって品質の一層の向上が望まれている。
などに比べて高いため、近年、マトリックス樹脂などと
組合せた複合材料として、主に、ゴルフシャフト、釣竿
などのスポーツ、レジャー用途や航空宇宙用途における
軽量構造体に大量に使用されるに至り、その需要の拡大
にともなって品質の一層の向上が望まれている。
【0003】たとえば、より高弾性率の炭素繊維を得る
ためには、より高い温度で焼成することが不可欠である
が、現在の技術では、実用的に達成される最高の熱処理
温度はほぼ3000℃であるとされている。それは、こ
の温度を越えて黒鉛化炉を使用すると炉の寿命が極端に
短くなり、実質的に生産が困難となるからである。そこ
で、できるだけ低い熱処理温度で高い弾性率の炭素繊維
を得るために、触媒を用いて黒鉛化する方法が以前より
報告されている。
ためには、より高い温度で焼成することが不可欠である
が、現在の技術では、実用的に達成される最高の熱処理
温度はほぼ3000℃であるとされている。それは、こ
の温度を越えて黒鉛化炉を使用すると炉の寿命が極端に
短くなり、実質的に生産が困難となるからである。そこ
で、できるだけ低い熱処理温度で高い弾性率の炭素繊維
を得るために、触媒を用いて黒鉛化する方法が以前より
報告されている。
【0004】たとえば、特公昭47−50331号公報
には、黒鉛ルツボに一旦ホウ素を浸透させ、その中に炭
素繊維を入れて黒鉛化する方法が提案されており、その
他、原料繊維中にホウ素化合物の微粉末を混入させたり
(特開平2−251609号公報)、原料繊維をホウ素
化合物溶液中に浸漬したり(特公昭48−9801号公
報)する方法等が提案されている。
には、黒鉛ルツボに一旦ホウ素を浸透させ、その中に炭
素繊維を入れて黒鉛化する方法が提案されており、その
他、原料繊維中にホウ素化合物の微粉末を混入させたり
(特開平2−251609号公報)、原料繊維をホウ素
化合物溶液中に浸漬したり(特公昭48−9801号公
報)する方法等が提案されている。
【0005】また、特開平2−200819号公報に
は、ホウ素あるいは分子中に酸素を含まないホウ素化合
物の固体粉末と原料炭素繊維とをホウ素あるいはホウ素
化合物が実質的に溶融を起こさない処理温度で直接接触
させながら黒鉛化処理する方法が提案されている。
は、ホウ素あるいは分子中に酸素を含まないホウ素化合
物の固体粉末と原料炭素繊維とをホウ素あるいはホウ素
化合物が実質的に溶融を起こさない処理温度で直接接触
させながら黒鉛化処理する方法が提案されている。
【0006】さらに、特開平6−322616号公報に
は、不活性雰囲気中、2000℃以上でホウ素の存在下
連続的に黒鉛化して高弾性率炭素繊維を製造するにあた
り、ホウ素またはその化合物と処理糸条とを接触させず
に黒鉛化処理する方法が提案されている。
は、不活性雰囲気中、2000℃以上でホウ素の存在下
連続的に黒鉛化して高弾性率炭素繊維を製造するにあた
り、ホウ素またはその化合物と処理糸条とを接触させず
に黒鉛化処理する方法が提案されている。
【0007】しかし、これら技術をそのまま適用する
と、比較的低い黒鉛化処理温度で炭素繊維の弾性率をよ
り高めることはできるが、そのような炭素繊維は、その
後、従来用いられている表面処理を施しても、得られる
炭素繊維とマトリックス樹脂などとの接着力を予期する
ほど高めることができず、複合材料としたときの機械的
特性、特に複合材料の繊維方向(0°)圧縮強度を満足
するものとできなかったのが実状である。
と、比較的低い黒鉛化処理温度で炭素繊維の弾性率をよ
り高めることはできるが、そのような炭素繊維は、その
後、従来用いられている表面処理を施しても、得られる
炭素繊維とマトリックス樹脂などとの接着力を予期する
ほど高めることができず、複合材料としたときの機械的
特性、特に複合材料の繊維方向(0°)圧縮強度を満足
するものとできなかったのが実状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を解決し、複合材料特性、特に0°圧縮強度に優
れ、かつ弾性率の高い炭素繊維、およびその製造方法を
提供することにある。
題点を解決し、複合材料特性、特に0°圧縮強度に優
れ、かつ弾性率の高い炭素繊維、およびその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の炭素繊維は、上
記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、ホ
ウ素含有量が0.1%以上であって、引張弾性率が35
×103 kgf/mm2 以上、層間せん断強度が5kg
f/mm2 以上であることを特徴とする炭素繊維であ
る。
記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、ホ
ウ素含有量が0.1%以上であって、引張弾性率が35
×103 kgf/mm2 以上、層間せん断強度が5kg
f/mm2 以上であることを特徴とする炭素繊維であ
る。
【0010】また、本発明の炭素繊維の製造方法は、上
記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、前
駆体繊維を、ホウ素の存在下2000℃以上の温度で黒
鉛化処理して、高弾性率炭素繊維を製造するに際して、
黒鉛化処理の雰囲気を、窒素を実質的に含有しない希ガ
ス雰囲気とすることを特徴とする炭素繊維の製造方法で
ある。
記課題を解決するため次の構成を有する。すなわち、前
駆体繊維を、ホウ素の存在下2000℃以上の温度で黒
鉛化処理して、高弾性率炭素繊維を製造するに際して、
黒鉛化処理の雰囲気を、窒素を実質的に含有しない希ガ
ス雰囲気とすることを特徴とする炭素繊維の製造方法で
ある。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明者らは、ホウ素を触媒とした黒鉛化
処理により得られる炭素繊維のマトリックス樹脂などと
の低接着の原因について鋭意検討の結果、従来技術の黒
鉛化処理ではその不活性雰囲気として、最も安価で入手
の容易な窒素を用いているため、窒素とホウ素との共存
による熱処理により、炭素繊維表面に窒化ホウ素が生成
し、かかる窒化ホウ素が樹脂との接着性を阻害し、複合
材料としての性能、例えば曲げ強度や繊維方向の圧縮強
度が低下していることを見出した。かかる窒化ホウ素
は、従来用いられている表面処理方法では効果的に処理
されにくく、それにより炭素繊維とマトリックス樹脂等
との接着力を高めることができなかったのである。
処理により得られる炭素繊維のマトリックス樹脂などと
の低接着の原因について鋭意検討の結果、従来技術の黒
鉛化処理ではその不活性雰囲気として、最も安価で入手
の容易な窒素を用いているため、窒素とホウ素との共存
による熱処理により、炭素繊維表面に窒化ホウ素が生成
し、かかる窒化ホウ素が樹脂との接着性を阻害し、複合
材料としての性能、例えば曲げ強度や繊維方向の圧縮強
度が低下していることを見出した。かかる窒化ホウ素
は、従来用いられている表面処理方法では効果的に処理
されにくく、それにより炭素繊維とマトリックス樹脂等
との接着力を高めることができなかったのである。
【0013】本発明の炭素繊維は、ホウ素を触媒とした
黒鉛化処理により得られるため、0.1%以上のホウ素
含有量を示す。ホウ素含有量としては、それが大きいほ
ど、圧縮強度の向上幅は大きくなるので、好ましくは
0.2%以上、より好ましくは0.4%以上、さらに好
ましくは0.8%以上であるのが良い。一方、炭素繊維
中のホウ素含有量が多過ぎると、炭化ホウ素の生成量が
多くなりすぎて、炭素繊維の機械的特性が低下すること
もあり、また、ホウ素が固溶体として黒鉛中に存在でき
なくなる場合もあるので、ホウ素含有量は3.0%以下
であることが好ましい。
黒鉛化処理により得られるため、0.1%以上のホウ素
含有量を示す。ホウ素含有量としては、それが大きいほ
ど、圧縮強度の向上幅は大きくなるので、好ましくは
0.2%以上、より好ましくは0.4%以上、さらに好
ましくは0.8%以上であるのが良い。一方、炭素繊維
中のホウ素含有量が多過ぎると、炭化ホウ素の生成量が
多くなりすぎて、炭素繊維の機械的特性が低下すること
もあり、また、ホウ素が固溶体として黒鉛中に存在でき
なくなる場合もあるので、ホウ素含有量は3.0%以下
であることが好ましい。
【0014】本発明におけるホウ素含有量は次のとおり
に測定する。
に測定する。
【0015】サイジング剤が付着していない炭素繊維試
料を準備する。すでにサイジング剤が付着している炭素
繊維試料の場合は、それをソックスレー抽出器を用いて
ジメチルホルムアミド中で1時間還流してからアセトン
で洗浄、乾燥してサイジング剤を除去する。このような
炭素繊維試料について、その0.05gを石英皿に秤取
して、プラズマリアクターで出力500W、酸素流量1
00cc/minで2日間低温灰化する。得られた灰分
を濃硝酸と濃塩酸との混酸(1:1)で溶解して残さを
濾過する。これを濾紙ごと灰化し、灰分を炭酸ナトリウ
ム0.5gで熔融する。これを希硝酸に溶解して濾液と
合わせ、50mlに定容とし、誘導結合プラズマ(IC
P)発光分析によって、ホウ素含有量を元の炭素繊維試
料重量に対する比率(百分率)として定量する。実施例
では、プラズマリアクターとして、ヤマト科学製PR−
503型を、ICP発光分析装置として、セイコー電子
工業製SPS1200VR型を用いた。
料を準備する。すでにサイジング剤が付着している炭素
繊維試料の場合は、それをソックスレー抽出器を用いて
ジメチルホルムアミド中で1時間還流してからアセトン
で洗浄、乾燥してサイジング剤を除去する。このような
炭素繊維試料について、その0.05gを石英皿に秤取
して、プラズマリアクターで出力500W、酸素流量1
00cc/minで2日間低温灰化する。得られた灰分
を濃硝酸と濃塩酸との混酸(1:1)で溶解して残さを
濾過する。これを濾紙ごと灰化し、灰分を炭酸ナトリウ
ム0.5gで熔融する。これを希硝酸に溶解して濾液と
合わせ、50mlに定容とし、誘導結合プラズマ(IC
P)発光分析によって、ホウ素含有量を元の炭素繊維試
料重量に対する比率(百分率)として定量する。実施例
では、プラズマリアクターとして、ヤマト科学製PR−
503型を、ICP発光分析装置として、セイコー電子
工業製SPS1200VR型を用いた。
【0016】また、本発明の炭素繊維は、引張弾性率が
35×103 kgf/mm2 以上、好ましくは40×1
03 kgf/mm2 以上、より好ましくは45×103
kgf/mm2 以上、さらに好ましくは50×103 k
gf/mm2 以上、最も好ましくは55×103 kgf
/mm2 以上であって、かつ、層間せん断強度を5kg
f/mm2 以上、好ましくは5.5kgf/mm2 以
上、より好ましくは6kgf/mm2 以上、さらに好ま
しくは6.5kgf/mm2 以上とするものである。こ
れにより、マトリックス樹脂などと組合せて複合材料と
なした場合に、曲げ強度や圧縮強度などの複合材料特性
を優れたものとすることができる。また、ホウ素を含有
する炭素繊維は、層間せん断強度が上記範囲であれば、
引張弾性率が同程度の、ホウ素を含有しない炭素繊維に
比較して、複合材料の圧縮強度が大幅に向上する。一
方、引張弾性率が104×103 kgf/mm2 を越え
る炭素繊維を得ることは理論的に困難である。また、層
間せん断強度が10kgf/mm2 を越える炭素繊維と
すると、圧縮強度以外の複合材料特性、例えば複合材料
の繊維方向の引張強度などが低下する場合があり、ま
た、そのような炭素繊維を前記引張弾性率の範囲内で得
ることが困難である場合もあるので、好ましくは、炭素
繊維の引張弾性率が104×103 kgf/mm2 以下
であって、かつ、層間せん断強度が10kgf/mm2
以下であるのが良い。
35×103 kgf/mm2 以上、好ましくは40×1
03 kgf/mm2 以上、より好ましくは45×103
kgf/mm2 以上、さらに好ましくは50×103 k
gf/mm2 以上、最も好ましくは55×103 kgf
/mm2 以上であって、かつ、層間せん断強度を5kg
f/mm2 以上、好ましくは5.5kgf/mm2 以
上、より好ましくは6kgf/mm2 以上、さらに好ま
しくは6.5kgf/mm2 以上とするものである。こ
れにより、マトリックス樹脂などと組合せて複合材料と
なした場合に、曲げ強度や圧縮強度などの複合材料特性
を優れたものとすることができる。また、ホウ素を含有
する炭素繊維は、層間せん断強度が上記範囲であれば、
引張弾性率が同程度の、ホウ素を含有しない炭素繊維に
比較して、複合材料の圧縮強度が大幅に向上する。一
方、引張弾性率が104×103 kgf/mm2 を越え
る炭素繊維を得ることは理論的に困難である。また、層
間せん断強度が10kgf/mm2 を越える炭素繊維と
すると、圧縮強度以外の複合材料特性、例えば複合材料
の繊維方向の引張強度などが低下する場合があり、ま
た、そのような炭素繊維を前記引張弾性率の範囲内で得
ることが困難である場合もあるので、好ましくは、炭素
繊維の引張弾性率が104×103 kgf/mm2 以下
であって、かつ、層間せん断強度が10kgf/mm2
以下であるのが良い。
【0017】ここで、本発明における引張弾性率は、次
のようにして求める。
のようにして求める。
【0018】“ベークライト”(登録商標)ERL−4
221(ユニオン・カーバイド(株)製)/三フッ化ホ
ウ素モノエチルアミン(BF3 ・MEA)/アセトン=
100/3/4部を炭素繊維に含浸し、130℃で30
分間加熱して硬化させる。得られた樹脂含浸ストランド
を、JIS−R−7601に規定する樹脂含浸ストラン
ド試験法に従って測定し、引張弾性率を求める。
221(ユニオン・カーバイド(株)製)/三フッ化ホ
ウ素モノエチルアミン(BF3 ・MEA)/アセトン=
100/3/4部を炭素繊維に含浸し、130℃で30
分間加熱して硬化させる。得られた樹脂含浸ストランド
を、JIS−R−7601に規定する樹脂含浸ストラン
ド試験法に従って測定し、引張弾性率を求める。
【0019】また、本発明における層間せん断強度(I
LSS)は、次のようにして求める。
LSS)は、次のようにして求める。
【0020】樹脂組成物を特公平4−80054号公報
開示の実施例1に従って次のように調整する。すなわ
ち、油化シェルエポキシ社製エピコート(登録商標)1
001を3.5kg(35重量部)、油化シェルエポキ
シ社製エピコート828を2.5kg(25重量部)と
大日本インキ化学工業社製エピクロン(登録商標)N7
40を3.0kg(30重量部)、油化シェルエポキシ
社製エピコート152を1.5kg(15重量部)およ
び電気化学工業社製デンカホルマール(登録商標)#2
0を0.8kg(8重量部)とジクロロフェニルジメチ
ルウレア0.5kg(5重量部)を添加し、30分間撹
拌して樹脂組成物を得る。
開示の実施例1に従って次のように調整する。すなわ
ち、油化シェルエポキシ社製エピコート(登録商標)1
001を3.5kg(35重量部)、油化シェルエポキ
シ社製エピコート828を2.5kg(25重量部)と
大日本インキ化学工業社製エピクロン(登録商標)N7
40を3.0kg(30重量部)、油化シェルエポキシ
社製エピコート152を1.5kg(15重量部)およ
び電気化学工業社製デンカホルマール(登録商標)#2
0を0.8kg(8重量部)とジクロロフェニルジメチ
ルウレア0.5kg(5重量部)を添加し、30分間撹
拌して樹脂組成物を得る。
【0021】このようにして得られる樹脂組成物を離型
紙上にコーティングして樹脂フィルムとする。
紙上にコーティングして樹脂フィルムとする。
【0022】コンポジット試験片は以下のように作製す
る。まず円周約2.7mの鋼製ドラムに炭素繊維と組み
合わせる樹脂をシリコン塗布ペーパー上にコーティング
した樹脂フィルムを巻き、次に該樹脂フィルム上にクリ
ールから引き出した炭素繊維をトラバースを介して巻き
取り、配列して、さらにその繊維の上から前記樹脂フィ
ルムを再度かぶせて後、加圧ロールで回転加圧して樹脂
を繊維内に含浸せしめ、巾300mm、長さ2.7mの
一方向プリプレグを作製する。
る。まず円周約2.7mの鋼製ドラムに炭素繊維と組み
合わせる樹脂をシリコン塗布ペーパー上にコーティング
した樹脂フィルムを巻き、次に該樹脂フィルム上にクリ
ールから引き出した炭素繊維をトラバースを介して巻き
取り、配列して、さらにその繊維の上から前記樹脂フィ
ルムを再度かぶせて後、加圧ロールで回転加圧して樹脂
を繊維内に含浸せしめ、巾300mm、長さ2.7mの
一方向プリプレグを作製する。
【0023】このとき、繊維間への樹脂含浸を良くする
ためにドラムは60〜70℃に加熱し、またプリプレグ
の繊維目付はドラムの回転数とトラバースの送り速度を
調整することによって繊維目付約200g/m2 、樹脂
量約35重量%のプリプレグを作製する。
ためにドラムは60〜70℃に加熱し、またプリプレグ
の繊維目付はドラムの回転数とトラバースの送り速度を
調整することによって繊維目付約200g/m2 、樹脂
量約35重量%のプリプレグを作製する。
【0024】このようにして作製されるプリプレグを裁
断し、プリプレグを一方向に積層し、厚み約2mmの一
方向硬化板を作製する。硬化は3kgf/cm2 ・Gの
加圧下、135℃、2時間で行なう。
断し、プリプレグを一方向に積層し、厚み約2mmの一
方向硬化板を作製する。硬化は3kgf/cm2 ・Gの
加圧下、135℃、2時間で行なう。
【0025】ILSS用試験片は巾12.7mm、長さ
は肉厚の7倍とし、測定は通常の3点曲げ試験治具を用
いて支持スパンを試験片肉厚の4倍に設定し、歪速度
1.27mm/minとして、破壊荷重を測定する。試
験片8本について測定を行ない、その破壊荷重の平均値
より次式を用いてILSSを求める。
は肉厚の7倍とし、測定は通常の3点曲げ試験治具を用
いて支持スパンを試験片肉厚の4倍に設定し、歪速度
1.27mm/minとして、破壊荷重を測定する。試
験片8本について測定を行ない、その破壊荷重の平均値
より次式を用いてILSSを求める。
【0026】ILSS=(3/4)×(破壊荷重)/
{(試験片厚み)×(試験片幅)} また、本発明の炭素繊維は、得られる複合材料特性から
見て、X線光電子分光法(XPS)により求めたB/C
が0.0005以上であるのが良く、また、XPSによ
り求めたN/Cが0.100以下、好ましくは0.05
0以下、より好ましくは0.010以下であるのが良
い。なお、B/Cがあまりに多過ぎると、炭素繊維表面
での炭化ホウ素や窒化ホウ素の生成が懸念されるため、
好ましくは、0.035以下であるのが良い。また、N
/Cは最も理想的には0であるのが良いが、窒素を含有
する前駆体の場合には黒鉛化処理において窒素を完全に
脱離させるのは一般的に困難である。
{(試験片厚み)×(試験片幅)} また、本発明の炭素繊維は、得られる複合材料特性から
見て、X線光電子分光法(XPS)により求めたB/C
が0.0005以上であるのが良く、また、XPSによ
り求めたN/Cが0.100以下、好ましくは0.05
0以下、より好ましくは0.010以下であるのが良
い。なお、B/Cがあまりに多過ぎると、炭素繊維表面
での炭化ホウ素や窒化ホウ素の生成が懸念されるため、
好ましくは、0.035以下であるのが良い。また、N
/Cは最も理想的には0であるのが良いが、窒素を含有
する前駆体の場合には黒鉛化処理において窒素を完全に
脱離させるのは一般的に困難である。
【0027】ここで、XPSによるB/CおよびN/C
は次のようにして求める。
は次のようにして求める。
【0028】測定に供する炭素繊維試料は、すでに施さ
れている表面処理やサイジング剤による影響を排除する
ため、事前に、ソックスレー抽出器を用いてジメチルホ
ルムアミド中で1時間還流してからアセトンで洗浄、乾
燥した後、アルゴン中、1000℃で1分間熱処理す
る。
れている表面処理やサイジング剤による影響を排除する
ため、事前に、ソックスレー抽出器を用いてジメチルホ
ルムアミド中で1時間還流してからアセトンで洗浄、乾
燥した後、アルゴン中、1000℃で1分間熱処理す
る。
【0029】X線源としてはMgのKα1,2 線を用い、
X線の出力を8kV、30mAとして、試料表面に対す
る検出器の傾き角度を90°とする。中性炭素のC1Sピ
ーク値を284.6eVとしてピーク面積を求め、かつ
398〜400eVに観察されるN1S、190.5eV
付近に観察されるB1Sのピーク面積を求める。N1S/C
1S、B1S/C1Sを計算し、装置固有の感度因子で割って
B/C、N/Cを原子数比として求める。実施例では、
XPS装置として、島津製作所製ESCA750を用
い、B/Cの感度因子を1.70、N/Cの感度因子を
0.78とした。次に、本発明の炭素繊維の製造方法に
ついて説明する。
X線の出力を8kV、30mAとして、試料表面に対す
る検出器の傾き角度を90°とする。中性炭素のC1Sピ
ーク値を284.6eVとしてピーク面積を求め、かつ
398〜400eVに観察されるN1S、190.5eV
付近に観察されるB1Sのピーク面積を求める。N1S/C
1S、B1S/C1Sを計算し、装置固有の感度因子で割って
B/C、N/Cを原子数比として求める。実施例では、
XPS装置として、島津製作所製ESCA750を用
い、B/Cの感度因子を1.70、N/Cの感度因子を
0.78とした。次に、本発明の炭素繊維の製造方法に
ついて説明する。
【0030】本発明の炭素繊維の原料は、アクリル系、
ピッチ系、レーヨン系などいずれであってもよい。以
下、アクリル系原料の場合を例にとって説明する。
ピッチ系、レーヨン系などいずれであってもよい。以
下、アクリル系原料の場合を例にとって説明する。
【0031】アクリル系原料としては、アクリロニトリ
ル85%以上、アクリロニトリルと共重合可能な重合性
不飽和単量体を15%以下含むようなポリアクリロニト
リル系重合体であることが好ましい。重合性不飽和単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸お
よびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびア
ルキルエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド
およびそれらの誘導体、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸およびそれらの塩類またはアルキルエステル類
等をあげることができる。また、不飽和カルボン酸等、
耐炎化反応を促進する重合性不飽和単量体を共重合する
ことが好ましい。その共重合量は0.1〜10%である
ことが好ましく、0.3〜5%であることがより好まし
く、0.5〜3%であることがさらに好ましい。不飽和
カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリ
ル酸、マレイン酸、メサコン酸等をあげることができ
る。重合方法としては、懸濁重合、溶液重合、乳化重合
など従来公知の方法を採用することができる。重合度と
しては、極限粘度([η])で、好ましくは1.0以
上、より好ましくは1.35以上、さらに好ましくは
1.7以上であるのが良い。
ル85%以上、アクリロニトリルと共重合可能な重合性
不飽和単量体を15%以下含むようなポリアクリロニト
リル系重合体であることが好ましい。重合性不飽和単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸お
よびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩およびア
ルキルエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド
およびそれらの誘導体、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸およびそれらの塩類またはアルキルエステル類
等をあげることができる。また、不飽和カルボン酸等、
耐炎化反応を促進する重合性不飽和単量体を共重合する
ことが好ましい。その共重合量は0.1〜10%である
ことが好ましく、0.3〜5%であることがより好まし
く、0.5〜3%であることがさらに好ましい。不飽和
カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリ
ル酸、マレイン酸、メサコン酸等をあげることができ
る。重合方法としては、懸濁重合、溶液重合、乳化重合
など従来公知の方法を採用することができる。重合度と
しては、極限粘度([η])で、好ましくは1.0以
上、より好ましくは1.35以上、さらに好ましくは
1.7以上であるのが良い。
【0032】溶液紡糸の場合の溶媒は、有機、無機の公
知の溶媒を使用することができる。重合体は公知の方法
によってポリアクリロニトリル系繊維とすることができ
る。紡糸は、直接凝固浴中へ紡出する湿式紡糸法や、一
旦空気中へ紡出した後に浴中凝固させる乾湿式紡糸法、
あるいは乾式紡糸法、さらには溶融紡糸によってもよ
い。溶媒、可塑剤を使用する紡糸方法による時には、紡
出糸を直接浴中延伸してもよいし、また、水洗して溶
媒、可塑剤を除去した後に浴中延伸してもよい。浴中延
伸の条件は、通常、50〜98℃の延伸浴中で約2〜6
倍に延伸される。浴中延伸後の糸条はホットドラムなど
で乾燥することによって乾燥緻密化が達成される。乾燥
温度、時間などは適宜選択することができる。また、必
要に応じて乾燥緻密化後の糸条をより高温(たとえば加
圧スチーム中)で延伸することもおこなわれ、これらに
よって、所定のデニール、配向度を有するポリアクリロ
ニトリル系繊維とすることができる。また、乾燥緻密化
に先立って、焼成中の単糸間接着を防止するために、耐
熱性の高いシリコン油剤を付与することが好ましい。
知の溶媒を使用することができる。重合体は公知の方法
によってポリアクリロニトリル系繊維とすることができ
る。紡糸は、直接凝固浴中へ紡出する湿式紡糸法や、一
旦空気中へ紡出した後に浴中凝固させる乾湿式紡糸法、
あるいは乾式紡糸法、さらには溶融紡糸によってもよ
い。溶媒、可塑剤を使用する紡糸方法による時には、紡
出糸を直接浴中延伸してもよいし、また、水洗して溶
媒、可塑剤を除去した後に浴中延伸してもよい。浴中延
伸の条件は、通常、50〜98℃の延伸浴中で約2〜6
倍に延伸される。浴中延伸後の糸条はホットドラムなど
で乾燥することによって乾燥緻密化が達成される。乾燥
温度、時間などは適宜選択することができる。また、必
要に応じて乾燥緻密化後の糸条をより高温(たとえば加
圧スチーム中)で延伸することもおこなわれ、これらに
よって、所定のデニール、配向度を有するポリアクリロ
ニトリル系繊維とすることができる。また、乾燥緻密化
に先立って、焼成中の単糸間接着を防止するために、耐
熱性の高いシリコン油剤を付与することが好ましい。
【0033】ポリアクリロニトリル系繊維の単繊維繊度
としては、弾性率向上の観点から引き続く耐炎化工程に
おいて焼成ムラを起こさないよう細い方が好ましく、好
ましくは1.5d以下、より好ましくは1.0d以下、
さらに好ましくは0.8d以下である。
としては、弾性率向上の観点から引き続く耐炎化工程に
おいて焼成ムラを起こさないよう細い方が好ましく、好
ましくは1.5d以下、より好ましくは1.0d以下、
さらに好ましくは0.8d以下である。
【0034】かかるポリアクリロニトリル系繊維を焼成
することにより高性能な炭素繊維とすることができる。
耐炎化処理としては、従来公知の方法を採用することが
でき、酸化性雰囲気中、200〜300℃の温度範囲
で、好ましくは緊張あるいは延伸条件下で、耐炎化処理
された糸条の密度が好ましくは1.25g/cm3 以
上、より好ましくは1.30g/cm3 以上に達するま
で加熱処理される。この耐炎化処理された糸条の密度
は、1.60g/cm3 以下にとどめるのが一般的であ
り、これ以上にすると、得られる炭素繊維の物性が低下
する場合がある。一般に耐炎化処理の雰囲気について
は、空気、酸素、二酸化窒素、塩化水素などの酸化性雰
囲気を使用できるが、経済性の面から空気であるのが好
ましい。
することにより高性能な炭素繊維とすることができる。
耐炎化処理としては、従来公知の方法を採用することが
でき、酸化性雰囲気中、200〜300℃の温度範囲
で、好ましくは緊張あるいは延伸条件下で、耐炎化処理
された糸条の密度が好ましくは1.25g/cm3 以
上、より好ましくは1.30g/cm3 以上に達するま
で加熱処理される。この耐炎化処理された糸条の密度
は、1.60g/cm3 以下にとどめるのが一般的であ
り、これ以上にすると、得られる炭素繊維の物性が低下
する場合がある。一般に耐炎化処理の雰囲気について
は、空気、酸素、二酸化窒素、塩化水素などの酸化性雰
囲気を使用できるが、経済性の面から空気であるのが好
ましい。
【0035】耐炎化処理を完了した糸条は、従来公知の
方法で不活性雰囲気中で炭化処理をおこなうが、弾性率
向上の観点からは糸条に毛羽を発生させない可能な範囲
で延伸することが好ましい。このようにして得た前駆体
繊維を、さらに不活性雰囲気中で黒鉛化処理をおこな
う。かかる黒鉛化処理は、窒素を実質的に含まない希ガ
ス雰囲気中、2000℃以上の温度で、ホウ素の存在
下、黒鉛化処理することにより本発明の炭素繊維を得る
ことができる。現在の技術では、あまりに高い熱処理温
度を実用的に得ることは困難なことがあるので、黒鉛化
処理の温度としては、好ましくは3000℃以下である
のが良い。
方法で不活性雰囲気中で炭化処理をおこなうが、弾性率
向上の観点からは糸条に毛羽を発生させない可能な範囲
で延伸することが好ましい。このようにして得た前駆体
繊維を、さらに不活性雰囲気中で黒鉛化処理をおこな
う。かかる黒鉛化処理は、窒素を実質的に含まない希ガ
ス雰囲気中、2000℃以上の温度で、ホウ素の存在
下、黒鉛化処理することにより本発明の炭素繊維を得る
ことができる。現在の技術では、あまりに高い熱処理温
度を実用的に得ることは困難なことがあるので、黒鉛化
処理の温度としては、好ましくは3000℃以下である
のが良い。
【0036】黒鉛化処理の際、ホウ素を共存させるため
にはたとえば以下の態様によることができる。
にはたとえば以下の態様によることができる。
【0037】(1)ホウ素含有不飽和単量体をアクリロ
ニトリルと共重合する。
ニトリルと共重合する。
【0038】(2)ホウ素含有化合物を紡糸原液に混合
して紡糸する。
して紡糸する。
【0039】(3)紡糸、焼成工程中の糸条にホウ素化
合物を含浸する。
合物を含浸する。
【0040】(4)紡糸、焼成工程中の糸条にホウ素化
合物を付着させる。
合物を付着させる。
【0041】(5)黒鉛化雰囲気中にホウ素化合物蒸気
を混合する。
を混合する。
【0042】(6)黒鉛化炉内にホウ素化合物を共存さ
せる。
せる。
【0043】また、希ガスとは、周期律表の第8族元
素、すなわち、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノン、またはラドンからなる気体のことであ
り、その中でも汎用性などの点からアルゴンが好まし
い。また、希ガス雰囲気は、窒素を実質的に含まないこ
とが必要である。雰囲気中に、窒素が実質的に存在して
いる場合には、得られる炭素繊維表面に窒化ホウ素が生
成し、前記した問題が生じる。具体的には、希ガス雰囲
気中の窒素含有率が、1000ppm以下、好ましくは
300ppm以下、より好ましくは100ppm以下、
さらに好ましくは30ppm以下であるのが良く、最も
理想的には0ppmであるのが良い。
素、すなわち、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプト
ン、キセノン、またはラドンからなる気体のことであ
り、その中でも汎用性などの点からアルゴンが好まし
い。また、希ガス雰囲気は、窒素を実質的に含まないこ
とが必要である。雰囲気中に、窒素が実質的に存在して
いる場合には、得られる炭素繊維表面に窒化ホウ素が生
成し、前記した問題が生じる。具体的には、希ガス雰囲
気中の窒素含有率が、1000ppm以下、好ましくは
300ppm以下、より好ましくは100ppm以下、
さらに好ましくは30ppm以下であるのが良く、最も
理想的には0ppmであるのが良い。
【0044】さらに、ホウ素による触媒効果、得られる
炭素繊維の強度の面から、ホウ素の存在下連続的に黒鉛
化して高弾性率炭素繊維を製造するにあたり、ホウ素ま
たはその化合物と処理糸条とを接触させずに黒鉛化する
ことが好ましい。その場合、ホウ素またはその化合物
は、室温で固体のもの、たとえばホウ素、炭化ホウ素、
窒化ホウ素、酸化ホウ素、ホウ化チタン等を挙げること
ができるが、室温で固体のものであればよく、特に限定
されるものではない。しかし、ホウ素化合物中に酸素を
含んでいると、炉芯管、処理する炭素繊維、あるいは混
合した黒鉛と反応して気体を発生することがあるため、
ホウ素化合物は酸素を含んでいないことが好ましい。ホ
ウ素またはその化合物は、粉末状態、成型品等その形態
を問わない。
炭素繊維の強度の面から、ホウ素の存在下連続的に黒鉛
化して高弾性率炭素繊維を製造するにあたり、ホウ素ま
たはその化合物と処理糸条とを接触させずに黒鉛化する
ことが好ましい。その場合、ホウ素またはその化合物
は、室温で固体のもの、たとえばホウ素、炭化ホウ素、
窒化ホウ素、酸化ホウ素、ホウ化チタン等を挙げること
ができるが、室温で固体のものであればよく、特に限定
されるものではない。しかし、ホウ素化合物中に酸素を
含んでいると、炉芯管、処理する炭素繊維、あるいは混
合した黒鉛と反応して気体を発生することがあるため、
ホウ素化合物は酸素を含んでいないことが好ましい。ホ
ウ素またはその化合物は、粉末状態、成型品等その形態
を問わない。
【0045】また、ホウ素またはその化合物の融点以上
の温度で処理することがあるため、流動化して炉芯管か
ら流れ出したり、炉芯管内での位置が変わったりするこ
とを抑制するため炭素と混合されていることが好まし
く、たとえば、ホウ素またはその化合物粉末と黒鉛粉末
との混合物、ホウ素またはその化合物を含有する黒鉛成
型体等が挙げられる。黒鉛成型体の形状は特に限定しな
いが、円筒状または多角形筒状のパイプであることが好
ましい。この場合、黒鉛パイプは処理糸条に垂直あるい
は平行な方向に複数個に分割することもできる。この黒
鉛パイプは炉芯管の中に静置して使用することもできる
し、また特に、処理糸条に平行な方向に複数個に分割さ
れている場合には、連続的または断続的に炉芯管に挿入
して使用することもできる。
の温度で処理することがあるため、流動化して炉芯管か
ら流れ出したり、炉芯管内での位置が変わったりするこ
とを抑制するため炭素と混合されていることが好まし
く、たとえば、ホウ素またはその化合物粉末と黒鉛粉末
との混合物、ホウ素またはその化合物を含有する黒鉛成
型体等が挙げられる。黒鉛成型体の形状は特に限定しな
いが、円筒状または多角形筒状のパイプであることが好
ましい。この場合、黒鉛パイプは処理糸条に垂直あるい
は平行な方向に複数個に分割することもできる。この黒
鉛パイプは炉芯管の中に静置して使用することもできる
し、また特に、処理糸条に平行な方向に複数個に分割さ
れている場合には、連続的または断続的に炉芯管に挿入
して使用することもできる。
【0046】また、従来公知の黒鉛化処理方法を併用す
ることもできる。その際、従来公知の黒鉛化処理に先立
って本発明のホウ素存在下での黒鉛化処理をおこなって
もよいし、逆に従来公知の黒鉛化処理の後に本発明のホ
ウ素存在下での黒鉛化処理を行なうこともできる。
ることもできる。その際、従来公知の黒鉛化処理に先立
って本発明のホウ素存在下での黒鉛化処理をおこなって
もよいし、逆に従来公知の黒鉛化処理の後に本発明のホ
ウ素存在下での黒鉛化処理を行なうこともできる。
【0047】本発明における黒鉛化処理時間は、比較的
短時間で効果があることに特徴があるが、処理時間を長
くすればさらに弾性率は向上するため、滞留時間は1分
以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上が
さらに好ましい。
短時間で効果があることに特徴があるが、処理時間を長
くすればさらに弾性率は向上するため、滞留時間は1分
以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上が
さらに好ましい。
【0048】さらに、高弾性率の炭素繊維を得るために
は黒鉛化処理時に延伸することが好ましい。処理温度が
高くなるほど高延伸することができ、毛羽などが発生し
ない可能な範囲で延伸倍率を高くすることが高弾性率の
炭素繊維を得るためには好ましい。
は黒鉛化処理時に延伸することが好ましい。処理温度が
高くなるほど高延伸することができ、毛羽などが発生し
ない可能な範囲で延伸倍率を高くすることが高弾性率の
炭素繊維を得るためには好ましい。
【0049】このようにして得た炭素繊維に対して、I
LSSを前記した範囲とするには、従来公知の技術によ
り表面処理を施すことが好ましい。各種表面処理方法の
中でも、電気分解により陽極に酸素を生成し得る電解質
水溶液中で炭素繊維を陽極として酸化処理する方法、い
わゆる電解処理方法を用いるのが、その簡便性ならびに
強度低下が少ないという利点から好ましい。電解処理量
は、電解表面処理による接着度合を向上でき、かつ電解
表面処理により受ける炭素繊維のダメージをできるだけ
小さいものとするため、炭素繊維1g当たりの電気量を
好ましくは10〜1000クーロン/g、より好ましく
は30〜500クーロン/gの範囲とするのが良い。
LSSを前記した範囲とするには、従来公知の技術によ
り表面処理を施すことが好ましい。各種表面処理方法の
中でも、電気分解により陽極に酸素を生成し得る電解質
水溶液中で炭素繊維を陽極として酸化処理する方法、い
わゆる電解処理方法を用いるのが、その簡便性ならびに
強度低下が少ないという利点から好ましい。電解処理量
は、電解表面処理による接着度合を向上でき、かつ電解
表面処理により受ける炭素繊維のダメージをできるだけ
小さいものとするため、炭素繊維1g当たりの電気量を
好ましくは10〜1000クーロン/g、より好ましく
は30〜500クーロン/gの範囲とするのが良い。
【0050】電解処理の電解液に用いられる電解質とし
ては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、シュウ
酸などの無機もしくは有機の酸、または、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチ
ルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムなど
の無機もしくは有機のアルカリ化合物、または、それら
の塩などをもちいることができる。これらの電解質は単
独で水溶液として用いても良いし、目的に合せて適宜選
択して二種以上溶解した水溶液として用いても良い。
ては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、シュウ
酸などの無機もしくは有機の酸、または、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチ
ルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムなど
の無機もしくは有機のアルカリ化合物、または、それら
の塩などをもちいることができる。これらの電解質は単
独で水溶液として用いても良いし、目的に合せて適宜選
択して二種以上溶解した水溶液として用いても良い。
【0051】このようにして得られた炭素繊維には、必
要に応じて、サイジング剤が付与される。
要に応じて、サイジング剤が付与される。
【0052】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
する。
【0053】本実施例中、炭素繊維の引張強度は、前記
引張弾性率の測定と同様、JIS−R−7601に規定
する樹脂含浸ストランド試験法によるものである。
引張弾性率の測定と同様、JIS−R−7601に規定
する樹脂含浸ストランド試験法によるものである。
【0054】また、複合材料の0°圧縮強度は次のよう
にして測定した。マトリックスであるエポキシ樹脂組成
物を東レ(株)製#3620に変更した以外は、前記し
たILSSの測定法の場合と同様にしてプリプレグを得
た後、ASTM−D695に規定される試験片を作製
し、同規定の試験方法で測定を行った。
にして測定した。マトリックスであるエポキシ樹脂組成
物を東レ(株)製#3620に変更した以外は、前記し
たILSSの測定法の場合と同様にしてプリプレグを得
た後、ASTM−D695に規定される試験片を作製
し、同規定の試験方法で測定を行った。
【0055】(実施例1)ジメチルスルホキシドを溶媒
とする溶液重合法により、アクリロニトリル98%とメ
タクリル酸2%とからなる重合体濃度20%の紡糸原液
を得た。これを3000ホールの口金を通じて一旦空気
中に吐出して空間部分を走行させた後、ジメチルスルホ
キシド水溶液中で凝固させ、凝固糸条を水洗後、4倍ま
で浴延伸し、工程油剤を付与した後、乾燥緻密化した。
さらに、加圧スチーム中で2.5倍まで延伸して単繊維
繊度0.8d、総繊度2400Dのプリカーサーを得
た。
とする溶液重合法により、アクリロニトリル98%とメ
タクリル酸2%とからなる重合体濃度20%の紡糸原液
を得た。これを3000ホールの口金を通じて一旦空気
中に吐出して空間部分を走行させた後、ジメチルスルホ
キシド水溶液中で凝固させ、凝固糸条を水洗後、4倍ま
で浴延伸し、工程油剤を付与した後、乾燥緻密化した。
さらに、加圧スチーム中で2.5倍まで延伸して単繊維
繊度0.8d、総繊度2400Dのプリカーサーを得
た。
【0056】得られたプリカーサーを240〜280℃
の空気中で、延伸比1.05で加熱して密度1.37g
/cm3 の耐炎化糸を得た。ついで、窒素雰囲気中35
0〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃/分と
し、8%の延伸をおこなった後、さらにアルゴン中、2
500℃まで焼成し、さらに0.1規定の硫酸水溶液
中、炭素繊維1gあたり100クーロンの電気量で電解
処理をおこなって炭素繊維を得た。2500℃での焼成
においては、炉芯管の底部に炭化ホウ素50部、黒鉛粉
末50部からなる混合物を処理糸条に接触しないように
充填して処理をおこなった。得られた炭素繊維の評価結
果を表1に示す。
の空気中で、延伸比1.05で加熱して密度1.37g
/cm3 の耐炎化糸を得た。ついで、窒素雰囲気中35
0〜500℃の温度領域での昇温速度を200℃/分と
し、8%の延伸をおこなった後、さらにアルゴン中、2
500℃まで焼成し、さらに0.1規定の硫酸水溶液
中、炭素繊維1gあたり100クーロンの電気量で電解
処理をおこなって炭素繊維を得た。2500℃での焼成
においては、炉芯管の底部に炭化ホウ素50部、黒鉛粉
末50部からなる混合物を処理糸条に接触しないように
充填して処理をおこなった。得られた炭素繊維の評価結
果を表1に示す。
【0057】(実施例2)アルゴン中での焼成温度を2
800℃に変更した以外は、実施例1と同様にして炭素
繊維を得た。得られた炭素繊維の評価結果を表1に示
す。
800℃に変更した以外は、実施例1と同様にして炭素
繊維を得た。得られた炭素繊維の評価結果を表1に示
す。
【0058】(比較例1)2500℃の焼成において、
雰囲気としてアルゴンに替えて窒素を用いたこと以外は
実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の評価結果を表1に示す。
雰囲気としてアルゴンに替えて窒素を用いたこと以外は
実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の評価結果を表1に示す。
【0059】(比較例2)2500℃の焼成において、
炉芯管内部に炭化ホウ素、黒鉛粉末を充填せず、雰囲気
としてアルゴンに替えて窒素を用いたこと以外は実施例
1と同様に処理して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の評価結果を表1に示す。
炉芯管内部に炭化ホウ素、黒鉛粉末を充填せず、雰囲気
としてアルゴンに替えて窒素を用いたこと以外は実施例
1と同様に処理して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の評価結果を表1に示す。
【0060】(比較例3)炉芯管内部に炭化ホウ素、黒
鉛粉末を充填せず、雰囲気としてアルゴンに替えて窒素
を用い、かつ焼成温度を2500℃から2800℃に変
更した以外は実施例1と同様に処理して炭素繊維を得
た。得られた炭素繊維の評価結果を表1に示す。
鉛粉末を充填せず、雰囲気としてアルゴンに替えて窒素
を用い、かつ焼成温度を2500℃から2800℃に変
更した以外は実施例1と同様に処理して炭素繊維を得
た。得られた炭素繊維の評価結果を表1に示す。
【0061】(比較例4)2500℃での焼成におい
て、雰囲気であるアルゴンに窒素を0.5%含有せしめ
た以外は実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。得
られた炭素繊維の評価結果を表1に示す。
て、雰囲気であるアルゴンに窒素を0.5%含有せしめ
た以外は実施例1と同様に処理して炭素繊維を得た。得
られた炭素繊維の評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明は、以上述べたような構成を採用
することにより、複合材料となしたときの複合材料特
性、特に複合材料の繊維方向圧縮強度および引張弾性率
を優れたものとし得る炭素繊維を提供することができ
る。
することにより、複合材料となしたときの複合材料特
性、特に複合材料の繊維方向圧縮強度および引張弾性率
を優れたものとし得る炭素繊維を提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】ホウ素含有量が0.1%以上であって、引
張弾性率が35×103 kgf/mm2 以上、層間せん
断強度が5kgf/mm2 以上であることを特徴とする
炭素繊維。 - 【請求項2】光電子分光法により測定されるB/Cが
0.0005以上であって、光電子分光法により測定さ
れるN/Cが0.100以下であることを特徴とする請
求項1記載の炭素繊維。 - 【請求項3】前駆体繊維を、ホウ素の存在下2000℃
以上の温度で黒鉛化処理して、高弾性率炭素繊維を製造
するに際して、黒鉛化処理の雰囲気を、窒素を実質的に
含有しない希ガス雰囲気とすることを特徴とする炭素繊
維の製造方法。 - 【請求項4】希ガスとしてアルゴンを用いることを特徴
とする請求項3記載の炭素繊維の製造方法。 - 【請求項5】ホウ素またはその化合物と処理糸状とを接
触させずに黒鉛化処理することを特徴とする請求項3ま
たは請求項4記載の炭素繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1911695A JPH08209457A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 炭素繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1911695A JPH08209457A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 炭素繊維およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08209457A true JPH08209457A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11990511
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1911695A Pending JPH08209457A (ja) | 1995-02-07 | 1995-02-07 | 炭素繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08209457A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011195361A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Teijin Ltd | 炭素材料及びその製造方法 |
| CN114474787A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-05-13 | 福建优安纳伞业科技有限公司 | 一种碳素纤维基树脂复合材料制备伞骨的方法 |
-
1995
- 1995-02-07 JP JP1911695A patent/JPH08209457A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011195361A (ja) * | 2010-03-18 | 2011-10-06 | Teijin Ltd | 炭素材料及びその製造方法 |
| CN114474787A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-05-13 | 福建优安纳伞业科技有限公司 | 一种碳素纤维基树脂复合材料制备伞骨的方法 |
| CN114474787B (zh) * | 2021-12-31 | 2023-05-02 | 福建优安纳伞业科技有限公司 | 一种碳素纤维基树脂复合材料制备伞骨的方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040810 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |