JPH082108A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光記録媒体及びその製造方法

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JPH082108A
JPH082108A JP6214247A JP21424794A JPH082108A JP H082108 A JPH082108 A JP H082108A JP 6214247 A JP6214247 A JP 6214247A JP 21424794 A JP21424794 A JP 21424794A JP H082108 A JPH082108 A JP H082108A
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Toru Yashiro
徹 八代
Yutaka Ueda
裕 上田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光吸収層がフタロシアニン環のβ位に−OR
基又は−SR基(Rは脂肪族、芳香族又は脂環式の炭化
水素基)を有する特定の金属フタロシアニン系化合物
と、置換又は環状化されていてもよいアミノ化合物、イ
ミノ化合物及びアゾ化合物から選ばれた窒素含有化合物
との混合物を主成分としてなる光記録媒体、並びに基体
上に光吸収層を塗布成膜手段により形成させ、且つその
上に光反射層を真空成膜手段により形成させるその製造
方法。 【効果】 本記録媒体はフタロシアニン系化合物の分子
会合が抑制され、レーザー波長域(760〜800n
m)において適切な複素屈折率をもつという優れた光学
特性と耐光性を有する。また、本製造方法によると、本
発明の光記録媒体を容易に安定して得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された光学特性を有
する光記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、追記型CD(コンパクトディス
ク)の開発が活発化してきている。これは、従来のCD
と異なりユーザが情報を記録することが可能で且つ記録
後の信号は従来のCDの規格を満足するため、市販CD
プレーヤで再生可能であるという特徴をもつ。このよう
なメディアを実現する方法の1つとして、特開平2−4
2652号公報において、基板上に色素をスピンコーテ
ィングして光吸収層を設け、その背後に金属反射層を設
けることが提案されている。更に、後の特開平2−13
2656号公報に述べられているように、光吸収層の複
素屈折率、膜厚を適当に選ぶことにより、記録後の信号
がCD規格を満足するようになり、追記型CDが実現で
きる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平2−
42652号公報及び特開平2−132656号公報で
示されている色素を用いた追記型CDは、耐光性の点で
は未だ十分なものではなかった。即ち、太陽光に長時間
さらされて放置された場合等に信号特性が変化し、CD
規格を満足することができないという欠点があった。こ
れは光吸収層に用いられる色素材料、特に従来用いられ
ていたシアニン系色素が光により変化することに起因し
ている。そこでこの変化を抑制するために、特開昭63
−159090号公報に示されているように、光吸収層
に光安定化剤を含有することが知られている。しかし、
光安定化剤を少量(20%以下)添加した場合には、十
分な耐光性を得ることができず、逆に多量(20%以
上)に添加すると、光吸収層の光学的及び/又は熱的な
特性が変化し、各種の信号品質が低下するという問題点
があった。
【0004】一方、耐光性を向上する他の手段として、
光吸収層材料に高耐光性色素であるフタロシアニン系化
合物を用いることも提案されている(特開昭58−18
3296号、同58−37851号各公報)。しかし、
フタロシアニン系化合物では、光吸収層に要求される光
学特性、特に高屈折率を満足することが困難であった。
それは、光吸収層の光学特性は、記録再生するレーザー
光波長近傍での膜の吸光係数(単位膜厚当たりの吸光度
のことをいう)に依存し、追記型CDに要求される光学
特性を満足するためには、ある程度の吸光係数が必要で
あるが、一般的に、フタロシアニン系化合物の膜は従来
のシアニン系色素に比べ吸光係数が小さい(シアニン色
素の1/3〜1/2程度)ということによる。
【0005】従って、本発明の目的は、高耐光性でしか
も要求される光学特性を備えた光吸収層を有する光記録
媒体、より具体的には改良された光学特性を有する特定
のフタロシアニン系化合物の膜を光吸収層とする光記録
媒体、及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、前記従来技術の光記録媒体において、光吸
収層であるフタロシアニン系化合物の膜の吸光係数が小
さいのは、フタロシアニン系化合物の分子が平面構造で
あり分子会合しやすく、フタロシアニン系化合物の分子
が会合すると、分子間相互作用により光吸収スペクトル
がブロードになるということ、更にはフタロシアニン系
化合物においては、レーザー光波長域(760〜800
nm)で適当な複素屈折率を得るためには、光吸収層の
吸収ピーク波長(λmax)が710〜750nmの範
囲にあることがより好ましいということを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、基板上に少なくと
も光吸収層を設けてなる光記録媒体において、該光吸収
層が下記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン
系化合物と、置換又は環状化されていてもよいアミノ化
合物、イミノ化合物及びアゾ化合物から選ばれた窒素含
有化合物とを、主成分とするものであることを特徴とす
る光記録媒体が提供される。
【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表わ
す。 M:Mn、Fe、Co、Zn又はCd原子。 A1とA2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれ
のどちらか一方は−OR又は−SR基、他方は水素原
子。 R:脂肪族、芳香族又は脂環式の炭化水素基。)
【0008】また、本発明によれば、好ましい態様とし
て、前記窒素含有化合物としてN原子を複素環に含むも
のを使用した光吸収層を設けてなる光記録媒体が、また
前記光吸収層が710〜750nmの範囲に光吸収ピー
ク波長(λmax)を有するものである光記録媒体が提
供される。
【0009】更に、本発明によれば、表面に情報ピット
及び/又は案内溝が形成されてなる基板上に、直接又は
他の層を介して前記一般式(I)で表わされる金属フタ
ロシアニン系化合物と、置換又は環状化されていてもよ
いアミノ化合物、イミノ化合物及びアゾ化合物から選ば
れた窒素含有化合物とを、主成分とする光吸収層を塗布
成膜手段により設け、その上に直接又は他の層を介して
光反射層を真空成膜手段により設け、更にその上に保護
層を設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法が提
供される。
【0010】本発明の光記録媒体は、前記一般式(I)
で表わされる金属フタロシアニン系化合物と前記の窒素
含有化合物との混合物を主成分とする光吸収層を設けた
ものとしたことから、薄層化したときのフタロシアニン
系化合物の分子会合が抑制されて、光吸収スペクトルが
ブロードになることが回避され、レーザー光波長近傍で
適切な複素屈折率を得ることができるものとなる。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光記録媒体は、光吸収層が前記一般式(I)で表わされ
る金属フタロシアニン系化合物と、置換又は環状化され
ていてもよいアミノ化合物、イミノ化合物及びアゾ化合
物から選ばれた窒素含有化合物とを、主成分とするもの
であることを特徴とする。即ち、本発明の光記録媒体に
おいては、光吸収層として前記一般式(I)で表わされ
る金属フタロシアニン系化合物と、置換又は環状化され
ていてもよいアミノ化合物、イミノ化合物及びアゾ化合
物から選ばれた窒素含有化合物との混合物が使用され
る。該金属フタロシアニン系化合物は、中心金属Mに前
記窒素含有化合物中の−N=又は−N<基が配位しやす
く、金属フタロシアニン系化合物の分子間に前記窒素含
有化合物が入ることによって、金属フタロシアニン系化
合物の分子会合を防ぐことができるものとなる。また、
前述したように、金属フタロシアニン系化合物において
は、光吸収層の吸収ピーク波長(λmax)が710〜
750nmの範囲にあることが、レーザー光波長近傍で
適切な複素屈折率を得るのに非常に好ましいことが、本
発明者により見い出されたが、フタロシアニン環のβ位
(A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8)のOR基
又はSR基の効果により、光吸収層膜のλmaxがほぼ
710〜750nmの範囲に入るものとなる。
【0012】本発明で使用される置換又は環状化されて
いてもよいアミノ化合物、イミノ化合物及びアゾ化合物
から選ばれた窒素含有化合物は、分子内に−N=又は−
N<基を有する化合物である。その具体例としては、以
下のような化合物が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。これらの中で、金属フタロシアニン系化
合物の会合を防ぐ効果が高く、且つ耐久性(耐熱性、耐
光性)に優れているという点から、N原子を複素環に含
む化合物が好ましい。更に、光吸収層の熱安定性を維持
するという点から、該窒素含有化合物は、融点が150
℃以上のものであることが好ましい。融点が150℃未
満の場合には、高温環境下で膜の特性(特に光学特性)
が変化しやすい。
【0013】n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、
t−ブチルアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミ
ン、ジメチルホルムアミド、ピロール、ピロリジン、イ
ミダゾール、ベンズイミダゾール、メチルベンズイミダ
ゾール、ジメチルベンズイミダゾール、トリメチルベン
ズイミダゾール、ピリジン、ピペリジン、カルバゾー
ル、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ベンズキ
ノリン、フェナンスリジン、インドリン、7−アザイン
ドール、テトラヒドロキノリン、ベンゾトリアゾール、
5−クロロベンゾトリアゾール、トリフェニルイミダゾ
ール、ベンゾイソキノリン5,10−ジオン、フタルイ
ミド、1(2H)フタラジノン、フタルヒドラジド、
1,3ジイミノイソインドリン、テトラブロモフタルイ
ミド、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ノルハルマ
ン、トリアジン、トリクロロキノキサリン、アゾベンゼ
ン等。
【0014】また、本発明で用いられる金属フタロシア
ニン系化合物は、前記一般式(I)で表わされる構造を
有し、中心金属Mとしては、Mn、Fe、Co、Zn及
びCdを用いることができる。これらの中心金属を有す
るフタロシアニン系化合物は、中心金属に前記窒素含有
化合物中の−N=又は−N<基が配位しやすく、会合を
防ぐ効果が高い。一方、前記フタロシアニン系化合物
は、フタロシアニン環のβ位にOR基又はSR基を有す
るが、この場合Rは脂肪族、芳香族又は脂環式の炭化水
素基であり、炭素数1〜20のものが好ましい。また、
R及びフタロシアニン骨格のベンゼン環には、光吸収層
の吸収帯波長を調節する、塗布溶媒に対する溶解性を向
上する等の理由で、前記OR基、SR基以外に他の基を
付加してもよい。このような基としては、ハロゲン原
子、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチ
オ基などを挙げることができる。
【0015】前記金属フタロシアニン系化合物に配位す
ることができる基(−N=又は−N<基)を有する前記
窒素含有化合物と、前記金属フタロシアニン系化合物と
の混合比は、モル比で1/2〜2/1(窒素含有化合物
/金属フタロシアニン系化合物の比)の範囲が好まし
い。モル比が1/2未満では、窒素含有化合物の効果が
十分に得られないし、逆に2/1超過では膜中の色素濃
度が低くなり、いずれの場合にも膜の吸光係数が小さく
なる。
【0016】また、光吸収層材料としては、前記フタロ
シアニン系化合物のみではなく、該フタロシアニン系化
合物に加えて、従来より情報記録媒体の記録材料として
知られている任意の色素を混合して用いることができ
る。このような色素として、例えば、シアニン系色素、
ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系
色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯
塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、イ
ンドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフ
ェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニ
ウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙
げることができる。更に、必要に応じて他の第3成分、
例えばバインダー、安定剤等を含有させることができ
る。なお、光吸収層の膜厚は、100〜5000Åが好
ましく、特に500〜3000Åが望ましい。光吸収層
の膜厚が、この範囲より薄くなると記録感度が低下し、
また厚くなると反射率が低下するからである。
【0017】本発明において使用する基板は、従来の情
報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から
任意に選択することができる。基板材料の例としては、
ポリメチルメタクリレートのようなアクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル、ソーダ石灰ガラス等
のガラス及びセラミックスを挙げることができる。特に
寸法安定性、透明性及び平面性などの点から、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル及びガ
ラスなどを挙げることができる。
【0018】光吸収層が設けられる側の基板表面には、
平面性の改善、接着力の向上及び光吸収層の変質の防止
の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料と
しては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル
酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアク
リルアミド、スチレン/スルホン酸共重合体、スチレン
/ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチ
レン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ
オレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/
塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の
高分子物質:シランカップリング剤などの有機物質:及
び無機酸化物(SiO2、Al23等)、無機フッ化物
(MgF2)などの無機物質を挙げることができる。な
お、下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲
にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0019】また、基板(又は下塗層)上には、トラッ
キング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸の形
成の目的で、プレグループ層が設けられてもよい。プレ
グループ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのう
ちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光
重合開始剤との混合物を用いることができる。
【0020】更に、光吸収層の上には、S/N比、反射
率の向上及び記録時における感度の向上の目的で、反射
層が設けられてもよい。反射層の材料である光反射性物
質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その
例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、
Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、A
g、Au、Zn、Cd、Al、Ca、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Siなどの金属及び半金
属を挙げることができる。これらのうちで好ましいもの
はAu、Al及びAgである。これら物質は単独で用い
てもよいし、あるいは二種以上の組合せで又は合金とし
て用いてもよい。なお、反射層の層厚は一般に100〜
3000Åの範囲にある。また、反射層は基板と光吸収
層との間に設けられてもよく、この場合には情報の記録
再生は光吸収層側(基板とは反対の側)から行なわれ
る。
【0021】また、光吸収層(又は反射層)の上には、
光吸収層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護
層が設けられてもよい。この保護層は、基板の光吸収層
が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的
で設けられてもよい。保護層に用いられる材料の例とし
ては、Si、O、SiO2、MgF2、SnO2等の無機
物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂を
挙げることができる。なお、保護層の層厚は一般的には
500Å〜50μmの範囲にある。
【0022】次に、本発明の光記録媒体の製造方法につ
いて説明する。本発明の光記録媒体の製造方法は、表面
に情報ピット及び/又は案内溝が形成されてなる基板上
に、直接又は他の層を介して前記一般式(I)で表わさ
れる金属フタロシアニン系化合物と前記窒素含有化合物
とを主成分とする光吸収層を塗布成膜手段により設け、
その上に直接又は他の層を介して光反射層を真空成膜手
段により設け、更にその上に保護層を設けることを特徴
とする。即ち、本発明の製造方法は、下記の工程からな
る。 (イ)表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成されて
いる基板上に、直接又は他の層を介して前記一般式
(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物と前記
窒素含有化合物とを主成分とする光吸収層を塗布成膜手
段により設ける工程、(ロ)光吸収層上に直接又は他の
層を介して光反射層を真空成膜手段により設ける工程、
及び(ハ)光吸収層上に保護層を設ける工程。
【0023】(光吸収層形成工程)本発明の方法におい
ては、先ず表面に情報ピット及び/又は案内溝が形成さ
れている基板上に、直接又は他の層を介して、前記金属
フタロシアニン系化合物と前記窒素含有化合物とを主成
分とする光吸収層が塗布成膜手段により設けられる。即
ち、前記金属フタロシアニン系化合物と前記窒素含有化
合物との混合物を、液状の塗布液として基板上にコート
することにより、光吸収層が形成される。前記液状の塗
布液は、前記2つの化合物を溶媒に溶解することにより
得られる。この塗布液を調整するための溶媒としては、
公知の有機溶媒(例えばアルコール、セルソルブ、ハロ
ゲン化炭素、ケトン、エーテル等)を使用することがで
きる。また、光吸収層の形成手段としては、蒸着法、L
B法、スピンコート法等が挙げられるが、光吸収層の濃
度、粘度、溶剤の乾燥温度を調節することにより層厚を
制御できるため、スピンコート法が望ましい。
【0024】なお、光吸収層が設けられる側の基体表面
に下塗層を設けることが、基板表面の平面性の改善や接
着力の向上あるいは光吸収層の変質防止等の目的で、行
なわれる。この場合の下塗層は、例えば前述した下塗層
用物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調整し
たのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、
エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面
に塗布することにより形成することができる。
【0025】(光反射層形成工程)本発明の方法におい
ては、次に光吸収層上に直接又は他の層を介して光反射
層が真空成膜手段により設けられる。即ち、前述した光
反射性物質を、例えば蒸着、スパッタリング又はイオン
プレーティングすることにより、光反射層が光吸収層の
上に形成される。
【0026】(保護層形成工程)本発明の方法において
は、光反射層上に保護層が設けられる。即ち、前述した
無機物質や種々の樹脂からなる保護層用材料を、真空成
膜又は塗布成膜することにより形成される。特にUV硬
化性樹脂を用いるのが、好ましく、該樹脂をスピンコー
ト後、紫外線照射により硬化して形成される。
【0027】
【実施例】以下実施例について本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 後記表1中(A)で表わされるテトラアルキルチオ金属
フタロシアニンと5,6−ジメチルベンズイミダゾール
をモル比1:1の割合でクロロホルムに溶解して塗布液
とし、直径120mm、厚さ1.2mmのガラス基板に
スピンコーティングすることにより光吸収層を設けた。
この光吸収層の光吸収スペクトル図を図1に示す。図1
から明らかなように、この光吸収層の光吸収スペクトル
は、吸収帯の右側ピーク(長波長側)が高いシャープな
形状をしていた。
【0029】比較例1 後記表1中(A)で表わされるテトラアルキルチオ金属
フタロシアニンをクロロホルムに溶解して塗布液とし、
直径120mm、厚さ1.2mmのガラス基板にスピン
コーティングすることにより光吸収層を設けた。この光
吸収層の光吸収スペクトル図を図1に示す。図1から明
らかなように、この光吸収層の光吸収スペクトルは、実
施例1の光吸収スペクトルと比べ、吸収帯の形状がブロ
ードであった。
【0030】実施例2 実施例1において、テトラアルキルチオ金属フタロシア
ニンを後記表1中(B)で表わされるテトラアルコキシ
金属フタロシアニンに代えたこと以外は、実施例1と同
様にして吸収層を設けた。この光吸収層の光吸収スペク
トル図を図2に示す。図2から明らかなように、この光
吸収層の光吸収スペクトルは、吸収帯の右側ピーク(長
波長側)が高いシャープな形状をしていた。
【0031】比較例2 比較例1において、テトラアルキルチオ金属フタロシア
ニンを後記表1中(B)で表わされるテトラアルコキシ
金属フタロシアニンに代えたこと以外は、比較例1と同
様にして光吸収層を設けた。この光吸収層の光吸収スペ
クトル図を図2に示す。図2から明らかなように、この
光吸収層の光吸収スペクトルは、実施例2の光吸収スペ
クトルと比べ、吸収帯の形状がブロードであった。
【0032】実施例3〜8 熱記表1中(A)〜(F)で表わされる色素を用いて、
実施例1と同様に光吸収層を形成し、λmaxを求め
た。これらの光吸収層のλmaxは710〜750μm
の範囲にあった(表1参照)。
【0033】比較例3〜5 後記表1中(H)〜(J)で表わされる色素を用いて、
実施例1と同様に光吸収層を形成し、λmaxを求め
た。これらの光吸収層のλmaxは710〜750μm
の範囲になかった(表1参照)。
【0034】実施例9〜11 後記表1中、(A)、(B)、(D)で表わされる色素
を用いて、実施例1と同様に光吸収層を設けた。これら
の光吸収層について、半導体レーザー光波長近傍での屈
折率を膜の反射率から概算した(図3参照)。
【0035】比較例6〜8 後記表1中(A)、(G)、(I)で表わされる色素を
用いて、比較例1と同様に光吸収層を設けた。これらの
光吸収層について、半導体レーザー光波長近傍での屈折
率を膜の反射率から概算した(図4参照)。図3と図4
から、本発明の光吸収層は従来法の光吸収層に比べ、半
導体レーザー光波長近傍で高い屈折率が得られることが
判る。
【0036】実施例12 直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネイト基
板の表面上に、深さ約1200Åの案内溝凹凸パターン
を有する基板を用意し、後記表1中(A)で表わされる
色素と5,6−ジメチルベンズイミダゾールをモル比
1:1の割合でエチルセロソルブを主成分とする溶媒に
溶解してスピンコーティングすることにより、基板表面
上に光吸収層を設けた。光吸収層の膜厚は約1500Å
であった。光吸収層の上にAuスパッタ法によりAuを
約800Åの厚さに設け反射層とし、更にその上に紫外
線硬化樹脂からなる保護層を約5μmの厚さに設けて、
本発明の光記録媒体を作製した。得られた光記録媒体に
波長785nm、N.A.0.5、線速1.4m/sの
条件でEFM信号を記録し、再生を行なったところ、I
topは65%、Clエラーは220以下であり、CD
規格を満足する値であった。
【0037】実施例13 実施例12において、色素として後記表1中(B)で表
わされる化合物を用いたこと以外は、実施例12と同様
にして光記録媒体を作製し、評価したところ、Itop
は72%、Clエラーは220以下であり、CD規格を
満足する値であった。
【0038】比較例9 実施例12において、5,6−ジメチルベンズイミダゾ
ールを添加しないこと以外は、実施例12と同様にして
光記録媒体を作製し、評価したところ、Itopは38
%、Clエラーは220以上であり、CD規格を満足で
きなかった。
【0039】比較例10 実施例12において、色素として後記表1中(G)で表
わされる化合物を用いたこと以外は、実施例12と同様
にして光記録媒体を作製し、評価したところ、Itop
は40%、Clエラーは220以上であり、CD規格を
満足できなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】請求項1の光記録媒体は、光記録層が前
記一般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合
物と前記窒素含有化合物とを主成分とするものとしたこ
とから、フタロシアニン系化合物の分子会合が抑制さ
れ、レーザー光波長域(760〜800nm)において
適切な複素屈折率をもつという優れた光学特性を有す
る。
【0042】請求項2の光記録媒体は、前記窒素含有化
合物がN原子を複素環に含むものとしたことから、フタ
ロシアニン系化合物の分子会合を防ぐ効力がより向上
し、且つ耐久性(耐熱性、耐光性)に優れるという効果
が加わる。
【0043】請求項3の光記録媒体は、光吸収層の光吸
収ピーク波長が710〜750nmの範囲にあるものと
したことから、レーザー光波長において、適切な複素屈
折率をより確実に得られるという効果が加わる。
【0044】請求項4の光記録媒体の製造方法は、光吸
収層を塗布成膜手段により形成させ、且つ光反射層を真
空成膜手段により形成させるものとしたことから、本発
明の光記録媒体を容易に安定して製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1で得られた光吸収層の光
吸収スペクトル図である。
【図2】実施例2及び比較例2で得られた光吸収層の光
吸収スペクトル図である。
【図3】実施例9〜11で得られた光吸収層の半導体レ
ーザー光波長近傍における屈折率と波長との関係を示す
グラフである。
【図4】比較例6〜8で得られた光吸収層の半導体レー
ザー光波長近傍における屈折率と波長との関係を示すグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも光吸収層を設けてな
    る光記録媒体において、該光吸収層が下記一般式(I)
    で表わされる金属フタロシアニン系化合物と、置換又は
    環状化されていてもよいアミノ化合物、イミノ化合物及
    びアゾ化合物から選ばれた窒素含有化合物とを、主成分
    とするものであることを特徴とする光記録媒体。 【化1】 (式中、M及びA1〜A8は、それぞれ以下のものを表わ
    す。 M:Mn、Fe、Co、Zn又はCd原子。 A1とA2、A3とA4、A5とA6及びA7とA8:それぞれ
    のどちらか一方は−OR又は−SR基、他方は水素原
    子。 R:脂肪族、芳香族又は脂環式の炭化水素基。)
  2. 【請求項2】 前記窒素含有化合物がN原子を複素環に
    含むものである請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光吸収層が710〜750nmの範
    囲に光吸収ピーク波長(λmax)を有するものである
    請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 表面に情報ピット及び/又は案内溝が形
    成されてなる基板上に、直接又は他の層を介して前記一
    般式(I)で表わされる金属フタロシアニン系化合物
    と、置換又は環状化されていてもよいアミノ化合物、イ
    ミノ化合物及びアゾ化合物から選ばれた窒素含有化合物
    とを、主成分とする光吸収層を塗布成膜手段により設
    け、その上に直接又は他の層を介して光反射層を真空成
    膜手段により設け、更にその上に保護層を設けることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録
    媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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