JPH0821297A - 内燃機関の摺接部構造 - Google Patents

内燃機関の摺接部構造

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JPH0821297A
JPH0821297A JP6173624A JP17362494A JPH0821297A JP H0821297 A JPH0821297 A JP H0821297A JP 6173624 A JP6173624 A JP 6173624A JP 17362494 A JP17362494 A JP 17362494A JP H0821297 A JPH0821297 A JP H0821297A
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JP
Japan
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cylinder body
inner peripheral
peripheral surface
sliding contact
piston
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JP6173624A
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Toshiichi Ozawa
敏一 小沢
Chizuko Imai
智津子 今井
Hiromitsu Matsumoto
広満 松本
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J10/00Engine or like cylinders; Features of hollow, e.g. cylindrical, bodies in general
    • F16J10/02Cylinders designed to receive moving pistons or plungers
    • F16J10/04Running faces; Liners
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/18Other cylinders
    • F02F1/20Other cylinders characterised by constructional features providing for lubrication
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2203/00Non-metallic inorganic materials
    • F05C2203/04Phosphor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1に、シリンダ本体の内周面とピストンと
の摺接部に生じる摩擦損失を抑制して、エンジン性能を
向上させる。第2に、同上摺接部における潤滑油の消費
量を少なくさせる。第3に、ピストンを小形化、軽量化
させる。 【構成】 アルミ合金製のシリンダ本体10と、このシ
リンダ本体10に軸方向に摺動自在に嵌入されたピスト
ン15とを備えている。上記シリンダ本体10の内周面
37にメッキによりNi‐P‐SiC、もしくはNi‐
SiCのメッキ層38を形成する。このメッキ層38を
形成したシリンダ本体10の内周面37に面粗さが1.
0μmRz以下のホーニング仕上げを施す。上記メッキ
層38を形成したシリンダ本体10の内周面37に摺接
する同上ピストン15のピストンリング34,35の摺
接面34a,35aに、物理蒸着によりTiN、もしく
はCrNの蒸着層42を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等に搭載され
る内燃機関のシリンダ内周面の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダ本体にはピストンが
摺動自在に嵌入されており、駆動時には、高温下で上記
ピストンが上記シリンダ本体の内周面に対し高速で繰り
返し摺接する。このため、上記シリンダ本体の内周面と
ピストンとの摺接部には、摩耗や、焼き付きが生じ易く
なる。そこで、これを防止するために、通常、上記摺接
部には潤滑油が供給されるようになっている。
【0003】また、上記構成において、従来、シリンダ
本体の内周面をホーニング仕上げして無数の周溝を形成
し、これら周溝内に上記のように供給された潤滑油を保
持させて、これにより、上記摺接部における潤滑の効果
を向上させるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、次の問題がある。
【0005】即ち、第1に、潤滑油の保持能力を高める
ため、上記周溝はある程度深く(例えば、数μmRz)
されているが、このために、シリンダ本体の内周面が粗
くなって、上記潤滑に拘らず、上記摺接部における摩擦
係数が大きくなり、よって、摺接部に生じる摩擦損失に
より、エンジン性能の向上が阻害される。
【0006】第2に、上記摩擦係数を小さくさせるため
に、摺接部に潤滑油が供給されるが、この場合、前記し
たように、ホーニング加工の周溝を深くして潤滑油を十
分に保持させるようにしているために、潤滑油の消費量
が多くなる。
【0007】第3に、従来では、シリンダ本体がアルミ
製のブロックと、これに嵌入される鋳鉄製のスリーブと
で構成されているため、熱伝達率が小さくて放熱性が悪
く、また、両者の熱膨張係数が異なるために、シリンダ
本体の内周面が変形し易くなり、この変形で、上記内周
面に対しピストンが片当りして摩耗が激しくなるおそれ
がある。しかも、上記したようにシリンダ本体の内周面
が粗くなると、上記内周面に対しピストンが圧接すると
きの面圧が局部的に大きくなり、よって、摩耗が激しく
なるおそれもある。
【0008】そこで、従来では、ピストンのスカート部
をその軸方向に十分長くして、上記内周面に対するピス
トンの接触面積を大きくして面圧を下げている。しか
し、このために、ピストンの小形化、軽量化が促進され
ない。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、次の点を目的とする。
【0010】第1に、シリンダ本体の内周面とピストン
との摺接部に生じる摩擦損失を抑制して、エンジン性能
を向上させる。
【0011】第2に、同上摺接部に供給される潤滑油の
消費量を少なくさせる。
【0012】第3に、ピストンを小形化、軽量化させ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明は、次の如くである。
【0014】請求項1の内燃機関の摺接部構造は、アル
ミ合金製のシリンダ本体と、このシリンダ本体に軸方向
に摺動自在に嵌入されたピストンとを備えた場合におい
て、上記シリンダ本体の内周面にメッキによりNi‐P
‐SiC、もしくはNi‐SiCのメッキ層を形成する
と共に、このメッキ層を形成したシリンダ本体の内周面
に面粗さが1.0μmRz以下のホーニング仕上げを施
し、上記メッキ層を形成したシリンダ本体の内周面に摺
接する同上ピストンのピストンリングの摺接面に、物理
蒸着によりTiN、もしくはCrNの蒸着層を形成した
ものである。
【0015】請求項2の内燃機関の摺接部構造は、アル
ミ合金製のシリンダ本体と、このシリンダ本体に軸方向
に摺動自在に嵌入されたピストンとを備えた場合におい
て、上記シリンダ本体の内周面にメッキによりNi‐P
‐SiC、もしくはNi‐SiCのメッキ層を形成する
と共に、このメッキ層を形成したシリンダ本体の内周面
にプラトーホーニング仕上げを施し、上記メッキ層を形
成したシリンダ本体の内周面に摺接する同上ピストンの
ピストンリングの摺接面に、物理蒸着によりTiN、も
しくはCrNの蒸着層を形成したものである。
【0016】上記の場合、シリンダ本体の内周面に沿っ
てメッキ液を一方向に流動させた状態で、シリンダ本体
の内周面に対しメッキ層を形成するようにしてもよい。
【0017】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0018】請求項1の内燃機関の摺接部構造によれ
ば、特に、図1で示すように、メッキ層38が形成され
たシリンダ本体10の内周面37に、面粗さが1.0μ
mRz以下のホーニング仕上げが施されている。
【0019】このため、従来、上記面粗さが1.5μm
〜数μmRzであったことに比べて、上記内周面37の
面粗さが小さくなる。
【0020】よって、上記シリンダ孔12の内周面37
と、ピストンリング34,35の摺接面34a,35a
との摺接部における摩擦係数が小さくなる。
【0021】ところで、上記のようにシリンダ孔12の
内周面37の面粗さが小さくなり、つまり、周溝39の
深さが浅くなると、その分、この周溝39における潤滑
油の保持量が減って、焼き付きが生じ易くなる。
【0022】しかし、上記シリンダ孔12の内周面37
にはNi‐P‐SiC等のメッキ層38が形成されてお
り、かつ、同上メッキ層38に対し摺接するピストンリ
ング34,35の摺接面34a,35aにTiN等の蒸
着層42が形成されており、上記した材質同士の摺接に
よれば、耐焼付性が向上するのであって、その分、周溝
39の深さを浅くでき、つまり、摩擦係数を小さくでき
る。
【0023】即ち、上記構成によれば、シリンダ孔12
の内周面37における潤滑油の保持量が減ったとして
も、従来に比べ、全体として上記摺接部における摩擦係
数が極めて小さくなる。
【0024】請求項2の内燃機関の摺接部構造によれ
ば、前記請求項1における「面粗さが1.0μmRz以
下のホーニング仕上げ」に代えて、特に図6で示すよう
に「プラトーホーニング仕上げ」としてある。
【0025】これによれば、隣り合う周溝39,39間
の山部40の頂部55は平坦な仕上げとなるため、この
ように頂部55が平坦なシリンダ孔12の内周面37
と、ピストンリング34,35の摺接面34a,35a
との摺接部の摩擦係数は、請求項1のものに比べて更に
小さくなる。
【0026】請求項3の内燃機関の摺接部構造によれ
ば、上記請求項1、もしくは2のものにおいて、シリン
ダ本体10の内周面37に沿ってメッキ液47を一方向
に流動させた状態で、シリンダ本体10の内周面37に
対しメッキ層38を形成するようにしてある。
【0027】このようにすれば、メッキ作業の工程が従
来に比べて少なくなる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0029】(実施例1)
【0030】図1から図5は、実施例1を示している。
【0031】図2において、符号1はガソリンを燃料と
する4サイクル内燃機関で、この内燃機関1はクランク
ケース2を有している。このクランクケース2内のクラ
ンク室3にクランク軸4が収容されると共に、このクラ
ンク軸4はその軸心5回りに回転自在となるよう上記ク
ランクケース2に支承されている。また、上記クランク
ケース2は上下に分割されて上ケース6と下ケース7と
で構成され、これら上ケース6と下ケース7とは締結具
8により、互いに着脱自在に締結されている。
【0032】上記クランクケース2の上ケース6にはシ
リンダ本体10が突設され、これら上ケース6とシリン
ダ本体10はアルミ合金製で互いに一体成形されてい
る。
【0033】上記シリンダ本体10内には軸心11が縦
向きの断面円形のシリンダ孔12が形成されている。こ
のシリンダ孔12の下端は上記クランク室3に連通し、
同上シリンダ孔12の上端はシリンダヘッド13によっ
て閉じられている。このシリンダヘッド13は上記シリ
ンダ本体10の上端に着脱自在に締結されている。
【0034】上記シリンダ本体10内であるシリンダ孔
12にピストン15が軸方向摺動自在に嵌入されてい
る。また、一端が上記クランク軸4に連結され、他端が
上記ピストン15にピストンピン16により連結される
連接棒17が設けられ、この連接棒17によりクランク
軸4とピストン15とが互いに連動連結されている。
【0035】上記シリンダ孔12内で、上記シリンダヘ
ッド13とピストン15とで囲まれた空間が燃焼室19
とされている。この燃焼室19とシリンダヘッド13の
外部とを連通させる吸気ポ−ト20と排気ポ−ト21と
が、上記シリンダヘッド13に形成され、上記各ポート
20,21を開閉する吸気弁22と排気弁23とが設け
られている。また、上記燃焼室19に放電部が臨む点火
プラグが設けられている。
【0036】そして、上記ピストン15の下降と吸気弁
22の開弁により吸気ポ−ト20を通して混合気26が
シリンダ孔12に吸入され、これがピストン15の上昇
で圧縮されて上記点火プラグにより着火、燃焼させられ
る。これにより、内燃機関1が駆動して、上記クランク
軸4を介して出力される。上記燃焼により生じた排気2
7は、上記排気弁23の開弁により排気ポ−ト21を通
して排出される。
【0037】また、上記シリンダ本体10には冷却水ジ
ャケット28が形成されていて、燃焼熱により上記シリ
ンダ本体10が高温になることが抑制される。
【0038】図1において、上記ピストン15は上記軸
心11を中心とするピストン本体29を有している。こ
のピストン本体29は円板状のピストンヘッド30と、
このピストンヘッド30の外周線からその軸方向で下方
に向って一体的に延びる円筒状のスカート31とを備
え、アルミ合金製である。
【0039】また、上記ピストン本体29の上部である
燃焼室19側端部の外周面には上リング溝32と下リン
グ溝33とが軸方向に少し離れて形成されている。この
上リング溝32には上側のピストンリング34が、下リ
ング溝33には下側のピストンリング35がそれぞれ嵌
脱自在に嵌入されている。上記各ピストンリング34,
35の各外周面は、上記シリンダ本体10のシリンダ孔
12の内周面37に弾性的に圧接して、軸方向で上記内
周面37に摺動自在とされている。つまり、上記各ピス
トンリング34,35の外周面は上記内周面37に対す
る摺接面34a,35aとされ、上記摺接により、燃焼
室19の気密性が保たれている。
【0040】上記内周面37にはメッキにより、Ni‐
P‐SiC、もしくはNi‐SiCのメッキ層38が形
成されている。
【0041】上記メッキ層38を形成した上記内周面3
7にホーニング仕上げが施され、つまり、上記軸心11
を中心にした無数の周溝39が上記内周面37に形成さ
れ、かつ、隣り合う周溝39,39間には山部40が形
成されている。
【0042】上記ホーニング仕上げによる上記内周面3
7の面粗さは、1.0μmRz以下とされている。ここ
で、Rzとは、JIS規格のB0601に定められたも
のである。
【0043】上記ピストンリング34,35の各摺接面
34a,35aには、物理蒸着(PVD)によりTi
N、もしくはCrNの蒸着層42が形成されている。こ
のため、上記内周面37にピストンリング34,35の
各摺接面34a,35aが摺接するとき、ホーニング加
工が施されたメッキ層38に対し、蒸着層42が摺接す
ることとなる。
【0044】図3において、従来では、上記ピストンリ
ング34,35の各摺接面34a,35aに、それぞれ
SUS窒化やCrメッキを施すことにより、上記内周面
37と各摺接面34a,35aとの摺接部における摩擦
係数を小さく抑えている。また、上記シリンダ本体10
の内周面37の面粗さについては、1.0μmRz以下
にすると、上記摩擦係数が急に大きくなるため、従来、
上記面粗さを 1.5μm〜数μmRzにしている。
【0045】しかし、これに対し、上記摺接面34a,
35aにTiNやCrNの蒸着層42を形成した場合に
は、上記シリンダ本体10の内周面37の面粗さを 1.
0μm以下とすると、上記摩擦係数が急激する。そこ
で、上記実施例では、シリンダ本体10の内周面37の
面粗さを 1.0μm以下としている。
【0046】そして、上記したように、メッキ層38が
形成されたシリンダ本体10の内周面37に、面粗さが
1.0μmRz以下のホーニング仕上げが施されてい
る。
【0047】このため、従来、上記面粗さが1.5μm
〜数μmRzであったことに比べて、上記内周面37の
面粗さが小さくなる。
【0048】よって、上記シリンダ孔12の内周面37
と、ピストンリング34,35の摺接面34a,35a
との摺接部における摩擦係数が小さくなる。
【0049】ところで、上記のようにシリンダ孔12の
内周面37の面粗さが小さくなり、つまり、周溝39の
深さが浅くなると、その分、この周溝39における潤滑
油の保持量が減って、焼き付きが生じ易くなる。
【0050】しかし、上記シリンダ孔12の内周面37
には、前記したように、Ni‐P‐SiC等のメッキ層
38が形成されており、かつ、同上メッキ層38に対し
摺接するピストンリング34,35の摺接面34a,3
5aには、TiN等の蒸着層42が形成されており、上
記した材質同士の摺接によれば、耐焼付性が向上するの
であって、その分、周溝39の深さを浅くでき、つま
り、摩擦係数を小さくできる。
【0051】即ち、上記構成によれば、シリンダ孔12
の内周面37における潤滑油の保持量が減ったとして
も、従来に比べ、全体として上記摺接部における摩擦係
数が極めて小さくなる。
【0052】上記したように、同上摺接部における摩擦
係数が小さくなるため、上記シリンダ本体10の内周面
37に対するピストン15の接触面積は小さくて足りる
ことから、このピストン15の軸方向の長さが短くされ
ている。
【0053】この実施例では、図2で示すように、ピス
トン15の軸方向において、スカート31の長さが十分
短くされている。より具体的には、ピストンピン16の
中心からスカート31の下端までの長さlは、ピストン
15の頂面から同上ピストンピン16の中心までの長さ
Lの約 1/2とされ、これにより、上記ピストン15の
軸方向の長さが、このピストン15の直径に比べて十分
小さくされている。
【0054】また、上記両ピストンリング34,35の
うち、燃焼室19に近い側の上側のピストンリング34
は、燃焼熱を受けて高温になり易いものである。
【0055】そこで、少なくとも、ピストン15の上死
点(図2中実線図示)から下死点(図2中仮想線図示)
に至るピストンリング34の移動範囲に相当するだけ、
シリンダ本体10の内周面37に前記メッキ層38が形
成されている。
【0056】図4と図5において、上記シリンダ本体1
0の内周面37にメッキ層38を形成する構成につき説
明する。
【0057】図4は、43は電気的なメッキ装置で、こ
れはいわゆる複数分散メッキを可能とする装置である。
【0058】上記メッキ装置43は、上記シリンダ本体
10を倒立させて載置させる載置台44と、このシリン
ダ本体10のシリンダ孔12の上側の開口を開閉自在に
閉じる蓋体45と、上記シリンダ孔12の下側の開口を
通してこのシリンダ孔12内に挿入されるパイプ46を
備えている。また、同上メッキ装置43は、メッキ液4
7を収容する槽48と、この槽48内のメッキ液47を
上記シリンダ孔12内に送り込むポンプ49とを備えて
いる。
【0059】上記ポンプ49を作動させれば、槽48内
のメッキ液47がシリンダ孔12内に送り込まれ、ここ
から上記メッキ液47はポンプ49内を通って上記槽4
8に戻されるようになっている。また、上記シリンダ本
体10とパイプ46の間に電圧が与えられている。
【0060】そして、上記メッキ液47が軸心11に沿
った方向で、内周面37に沿いながらシリンダ孔12内
を一方向(上方)に向けて流動する状態で、上記内周面
37に対し電気メッキが施され、メッキ層38が形成さ
れる。
【0061】図5において、上記シリンダ孔12に対し
メッキが施されるときの工程を説明する。
【0062】第1工程で、シリンダ本体10のシリンダ
孔12の表層50が切削除去される。この場合、51は
シリンダ本体10を構成するアルミ地、52は初晶Si
である。
【0063】第2工程で、上記切削した後の表面53が
脱脂される。
【0064】第3工程で、上記表面53が流動するエッ
チング液によりアルカリエッチングされ、上記表面53
におけるアルミ地51が少し溶解させられる。
【0065】第4工程で、上記表面53が流動するエッ
チング液により混酸エッチングされ、上記表面53にお
ける初晶Si52が更に溶解させられる。
【0066】上記した第1〜第4工程については、従来
では、エッチング液は流動しておらず、この点を除いて
は従来と同じであるが、この工程後における従来の工程
と、上記図5で示した実施例の工程とは相違している。
【0067】即ち、従来では、上記第4工程以降におい
ても、上記内周面37に対しメッキ液47は静止状態の
ままとされる。そして、上記第4工程の後、第5工程と
して、上記エッチングした表面に亜鉛被膜が形成され
る。また、第6工程として、上記亜鉛被膜が硝酸エッチ
ングにより除去され、更に、第7工程として、その表面
に、第2亜鉛置換によって再び亜鉛被膜が形成される。
そして、第8工程として、上記亜鉛被膜上にNi‐P‐
SiCのメッキ層38が形成される。
【0068】これに対し、実施例では、図5で示した上
記内周面37に対しメッキ液47は流動状態であって、
第5工程では、上記表面53に多孔質アルマイト層54
が形成される。次に、第6工程で、上記アルマイト層5
4の表面にNi‐P‐SiCのメッキ層38が形成され
る。
【0069】よって、この実施例によれば、従来に比べ
て、工程が少なくなるため、その分メッキ作業が容易に
なる。また、メッキ速度も速くなる。
【0070】(実施例2)
【0071】図6と図7は、実施例2を示している。
【0072】これによれば、前記実施例1における「ホ
ーニング仕上げ」に代えて、「プラトーホーニング仕上
げ」としてある。
【0073】これによれば、隣り合う周溝39,39間
の山部40の頂部55は平坦な仕上げであり、かつ、下
記(表1)と図7とで示すように、山部40の最大高さ
Tを1.0〜1.8μmとし、つまり、周溝39の深
さを十分に大きくしたため、シリンダ孔12の内周面3
7における潤滑油の保持量が向上して、摩擦係数が小さ
くされる。
【0074】
【表1】
【0075】他の構成や、作用は前記実施例1と同様で
あるため、図面に共通の符号を付してその説明を省略す
る。
【0076】
【発明の効果】請求項1の内燃機関の摺接部構造によれ
ば、アルミ合金製のシリンダ本体と、このシリンダ本体
に軸方向に摺動自在に嵌入されたピストンとを備えた場
合において、上記シリンダ本体の内周面にメッキにより
Ni‐P‐SiC、もしくはNi‐SiCのメッキ層を
形成すると共に、このメッキ層を形成したシリンダ本体
の内周面に面粗さが1.0μmRz以下のホーニング仕
上げを施し、上記メッキ層を形成したシリンダ本体の内
周面に摺接する同上ピストンのピストンリングの摺接面
に、物理蒸着によりTiN、もしくはCrNの蒸着層を
形成してあるため、次の効果がある。
【0077】即ち、上記したようにメッキ層が形成され
たシリンダ本体の内周面に面粗さが1.0μmRz以下
のホーニング仕上げが施されたため、従来、上記面粗さ
が1.5μm〜数μmRzであったことに比べて、上記
内周面の面粗さが小さくなる。
【0078】よって、上記シリンダ孔の内周面と、ピス
トンリングの摺接面との摺接部における摩擦係数が小さ
くなる。
【0079】ところで、上記のようにシリンダ孔の内周
面の面粗さが小さくなり、つまり、周溝の深さが浅くな
ると、その分、この周溝における潤滑油の保持量が減っ
て、焼き付きが生じ易くなる。
【0080】しかし、上記シリンダ孔の内周面にはNi
‐P‐SiC等のメッキ層が形成されており、かつ、同
上メッキ層に対し摺接するピストンリングの摺接面にT
iN等の蒸着層が形成されており、上記した材質同士の
摺接によれば、耐焼付性が向上するのであって、その
分、周溝の深さを浅くでき、つまり、摩擦係数を小さく
できる。
【0081】即ち、上記構成によれば、シリンダ孔の内
周面における潤滑油の保持量が減ったとしても、従来に
比べ、全体として上記摺接部における摩擦係数が極めて
小さくなる。よって、上記摺接部における摩擦損失が少
なく抑えられて、エンジン性能が向上する。
【0082】また、同上摺接部の摩擦係数が小さくなる
ことから、その分、上記摺接部への潤滑油の供給量を少
なくでき、潤滑油量の消費量を少なくさせることができ
る。
【0083】更に、同上摺接部における摩擦係数が小さ
くなるため、上記シリンダ本体の内周面に対するピスト
ンの接触面積は小さくて足りることから、このピストン
の軸方向の長さを短くできる。この結果、ピストンの小
形化、軽量化が達成される。
【0084】また、上記した諸効果に加えて、請求項2
の内燃機関の摺接部構造によれば、次の効果がある。即
ち、前記請求項1における「面粗さが1.0μmRz以
下のホーニング仕上げ」に代えて、「プラトーホーニン
グ仕上げ」としてある。
【0085】これによれば、隣り合う周溝間の山部の頂
部は平坦な仕上げとなるため、このように頂部が平坦な
シリンダ孔の内周面と、ピストンリングの摺接面との摺
接部の摩擦係数は小さくなる。
【0086】請求項3の内燃機関の摺接部構造によれ
ば、上記請求項1、もしくは2のものにおいて、シリン
ダ本体の内周面に沿ってメッキ液を一方向に流動させた
状態で、同上シリンダ本体の内周面に対しメッキ層を形
成するようにしてある。
【0087】このようにすれば、メッキ作業の工程が従
来に比べて少なくなる。このため、このメッキ作業が容
易にできる。また、メッキ速度も速くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、図2の部分拡大図である。
【図2】実施例1で、全体側面断面図である。
【図3】実施例1で、シリンダ本体の内周面の面粗さ
と、摺動部における摩擦係数との関係の実験結果を示す
グラフ図である。
【図4】実施例1で、メッキ装置の簡略側面断面図であ
る。
【図5】実施例1で、メッキの作業工程を示す図であ
る。
【図6】実施例2で、図1に相当する図である。
【図7】実施例2で、プラトーホーニングによる面粗さ
を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 内燃機関 4 クランク軸 10 シリンダ本体 11 軸心 12 シリンダ孔 15 ピストン 19 燃焼室 34,35 ピストンリング 34a,35a 摺接面 37 内周面 38 メッキ層 39 周溝 40 山部 42 蒸着層 47 メッキ液 55 頂部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ合金製のシリンダ本体と、このシ
    リンダ本体に軸方向に摺動自在に嵌入されたピストンと
    を備えた内燃機関において、 上記シリンダ本体の内周面にメッキによりNi‐P‐S
    iC、もしくはNi‐SiCのメッキ層を形成すると共
    に、このメッキ層を形成したシリンダ本体の内周面に面
    粗さが1.0μmRz以下のホーニング仕上げを施し、
    上記メッキ層を形成したシリンダ本体の内周面に摺接す
    る同上ピストンのピストンリングの摺接面に、物理蒸着
    によりTiN、もしくはCrNの蒸着層を形成した内燃
    機関の摺接部構造。
  2. 【請求項2】 アルミ合金製のシリンダ本体と、このシ
    リンダ本体に軸方向に摺動自在に嵌入されたピストンと
    を備えた内燃機関において、 上記シリンダ本体の内周面にメッキによりNi‐P‐S
    iC、もしくはNi‐SiCのメッキ層を形成すると共
    に、このメッキ層を形成したシリンダ本体の内周面にプ
    ラトーホーニング仕上げを施し、上記メッキ層を形成し
    たシリンダ本体の内周面に摺接する同上ピストンのピス
    トンリングの摺接面に、物理蒸着によりTiN、もしく
    はCrNの蒸着層を形成した内燃機関の摺接部構造。
  3. 【請求項3】 シリンダ本体の内周面に沿ってメッキ液
    を一方向に流動させた状態で、同上シリンダ本体の内周
    面に対しメッキ層を形成するようにした請求項1、もし
    くは2に記載の内燃機関の摺接部構造。
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