JPH08214514A - かご形誘導電動機、そのステータ鋳造金型およびステータ鋳造方法 - Google Patents

かご形誘導電動機、そのステータ鋳造金型およびステータ鋳造方法

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JPH08214514A
JPH08214514A JP7015281A JP1528195A JPH08214514A JP H08214514 A JPH08214514 A JP H08214514A JP 7015281 A JP7015281 A JP 7015281A JP 1528195 A JP1528195 A JP 1528195A JP H08214514 A JPH08214514 A JP H08214514A
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JP
Japan
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stator core
slot
aluminum
induction motor
casting
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Application number
JP7015281A
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English (en)
Inventor
Shigeki Maekawa
滋樹 前川
Yasushi Tokuge
やすし 徳毛
Mikio Yamashita
幹生 山下
Akio Yoshida
章男 吉田
Yoshinori Higuchi
芳則 樋口
Michio Sugiura
三千雄 杉浦
Yuji Kurata
裕次 倉田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実験的試行錯誤を繰り返すことなく、コイル
やスロットセルに熱損傷を与えないステータを容易に成
形可能にする。 【構成】 ロータ1の周囲に隙間を介して対向配置した
ステータコア2の内周側に、内部にスロットセル5を介
してコイル3を収納するステータコアスロット2aを設
け、上記ステータコア2の外周部にアルミフレーム4を
設けて、ステータコアスロット2aの頂点およびステー
タコア2の外周部間のコアバックの厚みと、放熱フィン
4aを除くアルミニウム系フレーム4の厚みとの比を、
スロットセル5の熱損傷を回避できる一定値に設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モータフレームをア
ルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造によって作成
したかご形誘導電動機、そのステータ鋳造金型およびス
テータ鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、汎用のかご形誘導電動機はあら
ゆる用途に用いられるため、駆動力の強い、いわゆるト
ルクの大きな誘導電動機が求められている。過去には、
ロータの二次導体が導電率100%程度の銅バーを用い
た銅ロータが主流の時期があったが、現在では、生産性
が良い導電率60%程度のアルミニウムを用いたアルミ
ダイキャストロータが用いられている。
【0003】このアルミダイキャストロータの場合は導
電率が60%程度と銅バーを用いたロータに比べて落ち
るが、二次導体の二次抵抗が大きいため、始動トルクが
大きくなる特性を有している。
【0004】しかし、一方では二乗トルク負荷特性を持
つ機器、例えばファン、ポンプのように始動トルクは低
くても十分使用できる用途では、余分なトルクを出さず
に、より小形で軽量なかご形誘導電動機が求められてい
る。
【0005】このような場合には、二次抵抗の低い銅ロ
ータを採用する方がより小さなロータで定格トルクを必
要分得ることができるため、結果としてかご形誘導電動
機の大きさを定格出力を変えずに小型化することができ
る。しかし、小型化したために、各種損失で生じる発熱
により、かご形誘導電動機の温度が上昇する。そこで効
率的に内部の発熱を外気に逃がす必要がある。
【0006】図18は例えば実開昭60―77248号
公報に示された、ステータをアルミダイキャスト材のア
ルミニウム系フレームによって同時に鋳ぐるんだかご形
誘導電動機を示す正面断面図で、図において、4はステ
ータコア2の外周側に、このステータコア2と一体にア
ルミニウム鋳ぐるみでダイキャスト鋳造成形されたアル
ミニウム系フレームである。また、3はステータコア2
に取り付けられたコイルである。
【0007】この例では、ステータコア2をアルミニウ
ム系フレーム4で一体にアルミニウム鋳ぐるみしている
が、アルミニウム系フレーム4の長さがステータコア2
を若干上回るだけの短いフレーム幅によるステータコア
2のアルミニウム鋳ぐるみ例が開示されているだけであ
る。また、このステータコア2は磁束を通すため、磁化
特性の優れた材質で、鉄損を小さくする電気鋼板の薄板
を積層して形成したものである。
【0008】ところが、かかる従来のステータコア2の
アルミニウムで鋳ぐるんだアルミニウム系フレーム4の
場合、ステータコア2の外径D(cm)およびアルミニ
ウム系フレーム4の肉厚t(cm)の関係t/Dが0.
03よりかなり大きいものとなっている。
【0009】また、図19に示すような全閉外扇形のか
ご形誘導電動機も従来から広く提供されている。このか
ご形誘導電動機は運転中において主にコイル3で発熱す
るが、この熱はステータコア2を経由して、ブラケット
18間に取り付けられたフレーム17から外部に放熱さ
れている。
【0010】しかし、フレーム17の内周にステータコ
ア2を焼きばめ等で嵌合させた場合、フレーム17とス
テータコア2の締め代が大きくできず、また、ステータ
コア2は鉄系金属で熱膨張率が大きいため、両者の温度
が高くなるとステータコア2とフレーム17の間に隙間
を生じ、空気の断熱層ができる。
【0011】このため、コイル3からステータコア2お
よびフレーム17への熱伝達が阻害され、コイル3の温
度が高くなる。これに対して、図18のステータコア2
上のアルミニウム系フレーム4の場合、溶融したアルミ
ニウム系フレーム4で鋳ぐるむため、計算上では焼きば
めする場合の約10倍の締め代が得られ、アルミニウム
系フレーム4とステータコア2との間に隙間ができるこ
とはない。さらに、大きな力でアルミニウム系フレーム
4はステータコア2を締め付けているので、打ち込みね
じも不要となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のアルミニウムで
鋳ぐるんだステータを有するかご型誘導電動機は以上の
ように構成されているので、約700℃の溶融したアル
ミニウム系フレーム4をステータコア2の外周に一体に
形成することにより、アルミニウム系フレーム4の熱影
響でステータコア2の特性が変化して鉄損が増加した
り、ステータコアのコイル3が熱損傷を受けたりするな
どの問題点があった。
【0013】また、このアルミニウム系フレーム4につ
いて、放熱フィン付きの高冷却のフレームを有効利用す
るためや、ストックする場合等にコイルエンドを保護す
るためおよび口出し線引きだしの自動化を容易にするた
め等から、長さをコイルエンドより長くすることが望ま
れる。
【0014】しかし、アルミニウム系フレームを長くす
ると、フレーム鋳ぐるみ後のコイルの巻線や結線作業が
困難となる。従来の製造工程は、ステータコア完成→フ
レーム鋳ぐるみ→機械加工→コイル巻線→ワニス処理→
ワニス落し→洗浄(下地処理)→リード通し→かご形誘
導電動機組立→塗装の順となっているが、これではワニ
スの上に塗装がのりにくいほか、機械加工面にワニスが
付着し、ワニス落し工程が必要になるなどの問題点があ
った。
【0015】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、コアバックの厚さとアルミ
ニウム系フレームの厚さの比を設定値に選ぶことで、実
験的試行錯誤を繰り返すことなく、アルミ系フレームの
鋳造時にコイルやスロットセルに熱損傷を与えないステ
ータを容易に成形できるかご形誘導電動機を得ることを
目的とする。
【0016】この発明は熱堰穴によりアルミニウム系フ
レームからステータコアへの熱伝導を確実に抑えること
ができるかご形誘導電動機を得ることを目的とする。
【0017】この発明は冷却用ガスによるステータコア
の冷却により、アルミニウム系フレームからステータコ
アへの熱伝導を確実に抑えることができるかご形誘導電
動機を得ることを目的とする。
【0018】この発明はセラミックスの断熱層によりア
ルミニウム系フレームからステータコアへの熱伝導を確
実に抑えることができるかご形誘導電動機を得ることを
目的とする。
【0019】この発明はステータコアスロットの対応部
にそれぞれ設けた断熱層によって、そのステータコアス
ロット内のコイルやスロットセルがアルミニウム系フレ
ームの鋳造熱によって熱損傷するのを十分に防止できる
かご形誘導電動機を得ることを目的とする。
【0020】この発明はステータコアスロット内の頂点
付近に断熱材を介装することで、アルミニウム系フレー
ムの鋳造熱によってステータスロット内のコイルやスロ
ットセルが熱損傷するのを確実に回避できるかご形誘導
電動機を得ることを目的とする。
【0021】この発明はステータスロットの頂点から内
部のスロットセルやコイルにアルミニウム系フレームの
鋳造熱が伝わるのを空気層によって十分に抑えることが
できるかご形誘導電動機を得ることを目的とする。
【0022】この発明はステータコアに伝わったアルミ
ニウム系フレームからの熱をワニスにより分散させるこ
とで、コイルの熱損傷を確実に防止できるかご形誘導電
動機を得ることを目的とする。
【0023】この発明はスロットセルに予め設けた金属
薄膜によって、スロットセルおよびコイルの温度上昇を
十分に抑制できるかご形誘導電動機を得ることを目的と
する。
【0024】この発明はステータコアからの熱輻射を抑
えて、スロットセルの耐熱グレードを下げることができ
るかご形誘導電動機を得ることを目的とする。
【0025】この発明はアルミニウム系フレームの鋳造
熱を積極的に金型材料へ逃がして、ステータコアの温度
上昇を抑制することができるかご形誘導電動機のステー
タ鋳造金型を得ることを目的とする。
【0026】この発明はステータコアに対するアルミニ
ウム系フレームの鋳造時に、一部を突出させてスロット
セルとステータコアスロットの壁面との間に断熱用の空
気層を形成することができるかご形誘導電動機のステー
タ鋳造金型を得ることを目的とする。
【0027】この発明はステータコアに伝わったアルミ
ニウム系フレームからの熱を効率的に金型に逃がしなが
ら、このアルミニウム系フレームの鋳造を行うことがで
きるかご形誘導電動機のステータ鋳造方法を得ることを
目的とする。
【0028】この発明はアルミニウム系フレームの鋳造
時におけるコイルおよびスロットセルの冷却を十分に行
えるかご形誘導電動機のステータ鋳造方法を得ることを
目的とする。
【0029】この発明はスロットセルに塗布されたオイ
ルの気化熱によって、このスロットセルおよびコイルの
アルミニウム系フレームからの鋳造熱による熱障害を効
果的に回避可能にするかご形誘導電動機のステータ鋳造
方法を得ることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るか
ご形誘導電動機は、ロータの周囲に隙間を介して対向配
置したステータコアの内周側に、内部にスロットセルを
介してコイルを収納するステータコアスロットを設け、
上記ステータコアの外周部にアルミニウム系フレームを
設けて、ステータコアスロットの頂点とステータコアの
外周部間のコアバックの厚みと、放熱フィンを除くアル
ミニウム系フレームの厚みとの比を、アルミニウム系フ
レームの鋳造時にスロットセルの熱損傷を回避できる一
定値に設定したものである。
【0031】請求項2の発明に係るかご形誘導電動機
は、ステータコアの外周部とステータコアスロットとの
間の上記ステータコアの肉厚内に熱堰穴を設けたもので
ある。
【0032】請求項3の発明に係るかご形誘導電動機
は、ステータコアの外周部とステータコアスロットとの
間の上記ステータコアの肉厚内に、冷却用ガスを流す熱
堰穴を設けものである。
【0033】請求項4の発明に係るかご形誘導電動機
は、ステータコアの外周にセラミックスの断熱層を設け
たものである。
【0034】請求項5の発明に係るかご形誘導電動機
は、複数のステータコアスロットに対応する各位置のス
テータコアの外周に、セラミックスの断熱層を設けたも
のであめる。
【0035】請求項6の発明に係るかご形誘導電動機
は、スロットセルおよびステータコアスロットの壁面間
の全部または一部に断熱材を配置したものである。
【0036】請求項7の発明に係るかご形誘導電動機
は、スロットセルのステータコアスロットの頂点に対向
する部分に、上記ステータコアスロットの壁面との間に
空気層を形成する折り目を設けたものである。
【0037】請求項8の発明に係るかご形誘導電動機
は、ステータコアスロット内にスロットセルを介して収
容されたコイルの線間に、高分子絶縁材料を流し込んで
形成したものである。
【0038】請求項9の発明に係るかご形誘導電動機
は、ステータコアスロットの壁面に対向するスロットセ
ルの外側面の全体または一部に熱伝導性の良好な金属薄
膜を配置したものである。
【0039】請求項10の発明に係るかご形誘導電動機
は、スロットセルをアルミニウムを蒸着した高分子フィ
ルムとしたものである。
【0040】請求項11の発明に係るかご形誘導電動機
のステータ鋳造金型は、ロータの周囲に対向配置された
ステータコアの外周部にアルミニウム系フレームを形成
するためのステータ鋳造金型であって、上記アルミニウ
ム系フレームを鋳込む少なくとも金型キャビティ部分を
熱伝導性の良好な金属材料で形成したものである。
【0041】請求項12の発明に係るかご形誘導電動機
のステータ鋳造金型は、ステータコアのステータコアス
ロットの壁面とこのステータコアスロット内にコイルを
収容するスロットセルとの間に、断熱用の空気層を形成
するための突起を一体に設けたものである。
【0042】請求項13の発明に係るかご形誘導電動機
のステータ鋳造方法は、ロータの周囲に対向配置され、
かつコイルを収容するステータコアスロットを持ったス
テータコアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレー
ムを形成し、この鋳ぐるみ時に、上記ステータコアの内
周面に導電性の中子を配置するようにしたものである。
【0043】請求項14の発明に係るかご形誘導電動機
のステータ鋳造方法は、ロータの周囲に対向配置され、
かつコイルを収容するステータコアスロットを持ったス
テータコアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレー
ムを形成し、この鋳ぐるみ時に、上記コイルの線間に冷
却気を流すようにしたものである。
【0044】請求項15の発明に係るかご形誘導電動機
のステータ鋳造方法は、アルミニウム系フレームの鋳ぐ
るみ前に、スロットセルにおけるステータコアスロット
の壁面に対向する側の周面の全部または一部に、低温で
揮発する揮発物質を塗布するようにしたものである。
【0045】
【作用】請求項1の発明におけるかご形誘導電動機は、
ステータコアのコアバックの厚さと冷却フィン付きのア
ルミニウム系フレームの肉厚との関係から、熱伝導解析
および実験結果をもとに上記ステータコアのコイル部分
の温度上昇を求めることにより、そのコイル部分とステ
ータコアスロットの壁面との間に設けられたスロットセ
ルが耐熱温度を越えないような鋳造条件下で、アルミニ
ウム系フレームの鋳込みを可能にする。
【0046】請求項2の発明におけるかご形誘導電動機
は、アルミニウム系フレームで鋳ぐるまれるステータコ
アの外周部で最も温度が上昇する部位付近に熱堰穴を設
けることで、この熱堰穴によりステータコアの内部へ熱
伝導しようとする熱流を防ぐようにし、アルミニウム系
フレームの鋳込み時におけるスロットセルやコイルの熱
損傷を回避可能にする。
【0047】請求項3の発明におけるかご形誘導電動機
は、アルミニウム系フレームで鋳ぐるまれるステータコ
アの外周部で最も温度が上昇する部位付近に熱堰穴を設
け、この熱堰穴に冷却用ガスを流すことでその熱堰穴付
近の熱を奪い、ステータコアの内部へ熱伝導しようとす
る熱流を防ぐようにして、ステータコア内部の温度上昇
を抑制する。
【0048】請求項4の発明におけるかご形誘導電動機
は、アルミニウム系フレームで鋳ぐるまれるステータコ
アの外周部に施したセラミックスの断熱層により、アル
ミニウム系フレームの鋳造時のステータコアへの過度的
な入熱を抑制し、ステータコアの温度上昇を抑えて、コ
イルの熱損傷を防ぐ。
【0049】請求項5の発明におけるかご形誘導電動機
は、セラミックスコーティングした断熱層を、ステータ
コア外周面に局所的に施すことで、アルミニウム系フレ
ームの鋳造時のステータコアへの過度的な入熱を抑制
し、ステータコアの温度上昇を抑えて、巻線部の熱損傷
を防ぐとともに、定常運転時の損失による放熱を阻害し
ないようにする。
【0050】請求項6の発明におけるかご形誘導電動機
は、ステータコアスロットに配置されたコイルとステー
タコアの間に設けられたスロットセルの外周面側の全部
もしくは一部に、セラミックス繊維等でできた断熱材を
配置することで、放熱フィンを有するアルミニウム系フ
レームをダイキャスト法で鋳込みを行ったときの熱がス
テータコアおよびコイルに伝わらないようにする。
【0051】請求項7の発明におけるかご形誘導電動機
は、アルミニウム系フレームの鋳造時にステータコアと
スロットセルの間で最も温度が高くなる部分で、スロッ
トセルに折り目をつけることによって空気層が形成され
ていることで、スロットセルによるステータコアスロッ
トの壁面への直接接触を避け、コイルに熱が伝わらない
ようにする。
【0052】請求項8の発明におけるかご形誘導電動機
は、ステータコアを鋳ぐるむ前に、ステータコアスロッ
トに配置されたコイルに予めワニス等の硬化可能な高分
子絶縁材料を流し込んでおき、その後にアルミニウム系
フレームを鋳造することで、このアルミニウム系フレー
ムからステータコアに伝わり、さらにコイルに伝わって
くる熱をコイルと高分子絶縁材料に分散してコイルの温
度上昇を抑制する。
【0053】請求項9の発明におけるかご形誘導電動機
は、ステータコアスロットに配置されたコイルとステー
タコアスロットの壁面との間に設けられたスロットセル
と呼ばれる絶縁紙もしくは絶縁用フィルムの外周面側の
全部もしくは一部に、銅、アルミニウムなどの熱伝導の
良い金属薄膜を配置することで、放熱フィンを有するア
ルミニウム系フレームをダイキャスト法で成形したとき
に、熱伝導によるコイルでの温度上昇が局所的に起こら
ないようにする。
【0054】請求項10の発明におけるかご形誘導電動
機は、スロットセルに銅、アルミニウムを蒸着した高分
子フィルムを使用することで、ステータコアからの輻射
によるスロットセルの温度上昇を防ぐようにする。
【0055】請求項11の発明におけるかご形誘導電動
機のステータ鋳造金型は、アルミニウム系フレームでス
テータコアを鋳ぐるむための金型構造において、アルミ
ニウム系フレームを形成する金型キャビティを厚さ5m
m以上の熱伝導の良い銅および銅合金、タングステン合
金等で構成することにより、鋳物の凝固冷却に伴う伝熱
量を外型に多く伝導するようにする。
【0056】請求項12の発明におけるかご形誘導電動
機のステータ鋳造金型は、アルミニウム系フレームの鋳
造時にステータコアを鋳造金型に組み込む際に突起部分
をスロットセルとステータコアの間に挿入することによ
り、この間に断熱層としての空気層を形成させて、アル
ミニウム系フレームからコイルへ熱が伝わりにくいよう
にする。
【0057】請求項13の発明におけるかご形誘導電動
機のステータ鋳造方法は、アルミニウム系フレームでス
テータコアを鋳ぐるむ場合において、ステータコアを金
型内にセットしたときに、ステータコアの内径部に銅お
よび銅合金、タングステン合金等の熱伝導の良い金属材
料でできた中子を挿入することで、アルミニウム系フレ
ームを鋳造するときに、ステータコアに入る熱を積極的
に中子に逃がせるようにし、これによってステータコア
の温度上昇を抑制させる。
【0058】請求項14の発明におけるかご形誘導電動
機のステータ鋳造方法は、ステータコアのコイルの線間
に冷却用ガスを流すことで、放熱フィンを有するアルミ
ニウム系フレームをダイキャスト法で鋳造するときのス
テータコアの温度上昇を抑制可能にする。
【0059】請求項15の発明におけるかご形誘導電動
機のステータ鋳造方法は、スロットセルの外側表面にオ
イルを塗布し、このオイルの気化潜熱でステータコアを
冷却し、アルミニウム系フレームの鋳造熱による巻線の
熱損傷を抑制させる。
【0060】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1および図2において、1は全閉外扇形かご形
誘導電動機のロータ、2はロータ1の外側に僅かな隙間
1aを介して対向配置され、かつ珪素鋼板が多数枚積層
されたステータコア、3はステータコア2の内周部に放
射状に設けたステータコアスロット2aに巻線されたコ
イルである。
【0061】また、4は筒状部の外周に多数の放射フィ
ン4aが設けられ、上記筒状部の内径部にステータコア
2の外周を鋳ぐるむアルミニウム系フレームである。な
お、図2中のDはステータコアスロット2aの頂点であ
る、アルミニウム系フレーム4を鋳ぐるんだ時にステー
タコアスロット付近でも最も温度の高くなる部分2b
と、ステータコア2の外周部との間(以下、コアバック
という)の厚みを示している。
【0062】さらに、dはアルミニウム系フレーム4の
厚さを示し、5はスロットセルと呼ばれる絶縁紙もしく
は絶縁フィルムで、これがステータコア2とコイル3の
間に挿入されて、これらを電気的に絶縁している。
【0063】なお、この実施例ではスロットセル5に耐
熱温度260℃の高分子フィルムを使用しており、アル
ミニウム系フレーム4をダイキャスト成形した場合に、
ステータコアスロットの頂点2bの温度が260℃以下
になるようなステータコア2とアルミニウム系フレーム
4の設計条件を与えるものである。
【0064】次に動作について説明する。この実施例の
場合には、ステータコア2の直径として100〜250
mmを前提とし、この時のコアバックの厚さDとアルミ
ニウム系フレーム4の厚さdの関係を実験で求めると、
図3に示すようになる。この図3は上記のようにコアバ
ックDとアルミニウム系フレーム4の厚さに対してステ
ータコアスロット2aの頂点温度が260℃付近となる
点を実験的に求めて、頂点温度曲線lとして示してあ
る。
【0065】すなわち、この図3に示す実験結果によれ
ば、例えばコアバックの厚さDが6mmの時、アルミニ
ウム系フレーム4の厚さを7.5mmにしてダイキャス
トで鋳ぐるむと、ステータコアスロット2aの頂点2b
の最高到達温度が260℃となることが分かる。
【0066】従って、コアバックの厚さDが6mmの時
にはアルミニウム系フレーム4の厚さが7.5mm以下
であれば、絶縁フィルム5を介してのアルミニウム系フ
レーム4への熱伝導が良好となり、コイル3および絶縁
フィルム5が熱損傷を免れることができる。なお、この
図3の場合、アルミニウム系フレーム4の厚さdとコア
バックの厚さDの間には、d=1.06D+1.13な
る関係がある。
【0067】実施例2.図4はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例では、ステータコア2外周部とステー
タコアスロット2aとの間に熱堰穴6を設けてある。こ
れによって、アルミニウム系フレーム4をダイキャスト
で成形したときのステータコア2への入熱量を制限する
ことができ、その結果、ステータコアスロット2aの頂
点2bの温度上昇を抑制できる。
【0068】従って、この実施例の場合、例えばステー
タコア2の外形を150mm、コアバックの厚さDを1
5mm、アルミニウム系フレーム4の厚さを3mmとし
て鋳ぐるみ実験をした場合には、上記熱堰穴6を設けな
い場合、ステータコアスロット2aの頂点2bの最高到
達温度が180℃となるのに対して、直径3mmの上記
熱堰穴6をコア外周付近に設けることによって、160
℃まで下がることが確かめられた。
【0069】なお、この熱堰穴6の位置はステータコア
スロット2aの頂点に近いほど効果はあるが、ステータ
コア2としての磁気特性に影響があるため、ステータコ
ア2の外周付近に設けても効果は十分に期待できる。ま
た、上記熱堰穴6の穴形状は円に限らず、どのような形
状のものでも良い。
【0070】実施例3.図5はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例では、上記熱堰穴6と同様の熱堰穴6
Aに冷却用ガス、例えば窒素ガスを流してアルミニウム
系フレーム4からの熱を上記窒素ガスで冷却するように
したものである。従って、この実施例はコアバックの厚
さDの小さいステータコア2の場合などにおいて、熱堰
穴6Aの大きさが制限される場合に有効となる。なお、
この実施例においては、冷却用ガスとして窒素ガスを用
いた場合を示したが、空気やアルゴンガスなどを用いて
も良く、同様の効果が得られる。
【0071】実施例4.図6はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例では、ステータコア2の外周面にアル
ミナセラミックスの溶射による断熱層7を設けてあり、
その断熱層7の厚さは10〜100μm程度である。従
って、この実施例の場合には、上記のようにステータコ
ア2を使ったアルミニウム系フレーム4の鋳ぐるみ実験
を行った結果、ステータコアスロット2aの頂点2bの
最高到達温度が160℃程度に抑えられることが確かめ
られた。
【0072】なお、この実施例の断熱層7はモータとし
て運転したときの内部発熱を外部に逃がすときの妨げと
なるが、モータのロータ回転軸および軸方向面からも熱
が逃げるため定常運転には全く支障はない。
【0073】また、上記のアルミナセラミックスの他
に、SiO2 の粉末等をコーティングして断熱層7とし
ても良い。さらに、断熱層7を形成できるものなら耐熱
性の良好なアルミナセラミックスのほかのセラミックス
を用いることができる。なお、上記コーティングの方法
としては、溶射の他に印刷と乾燥工程を組み合わせたも
のを任意に選択して実施できる。
【0074】実施例5.図7はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例では、上記断熱層7と同様の断熱層7
Aを分離してステータコアスロット2aの位置と合わせ
るように縞模様状に配置してある。これによれば、アル
ミニウム系フレーム4による鋳ぐるみ時の入熱を抑制す
る効果を得ることができるほか、モータとして定常運転
時に内部発熱を効率良く外部に逃がすことができ、運転
時の冷却特性を向上できる。
【0075】実施例6.図8はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例はステータコア2の内周部分に銅およ
び銅合金、タングステン合金などの熱伝導率の良い材料
でできた中子8を配置したものであり、アルミニウム系
フレーム4を鋳ぐるむ時に、ステータコア2の温度が上
昇する際には、ステータコア鉄心2cに伝わる熱を積極
的に中子8に逃がすことで、コイル付近のステータコア
スロット2aの温度を下げることができる。
【0076】また、この実施例において、図2に示した
ステータコア2を使って、上記アルミニウム系フレーム
4による鋳ぐるみ実験を行った結果、ステータコアスロ
ット2aの頂点2bの最高到達温度が170℃程度に抑
えられることが確認された。
【0077】実施例7.図9はこの発明の他の実施例を
示す。この実施例では、アルミニウム系フレーム4を成
形する金型の外型9の全体または少なくとも金型キャビ
ティ部分9cを銅および銅合金、タングステン合金など
の熱伝導率の良い金属材料で構成することにより、アル
ミニウム系フレーム4によるステータコア2を鋳ぐるむ
時に、積極的に熱を外型9に逃がすようにしている。こ
れにより、コイル3付近のステータコアスロット2aの
温度を効果的に下げることができる。
【0078】また、この実施例において、金型キャビテ
ィ部分9cに厚さ5mmのタングステン合金材料ででき
た内張りを施した金型を使用し、図2に示したステータ
コア2を使ったアルミニウム系フレーム4の鋳ぐるみ実
験を行った結果、ステータコアスロット2aの頂点2b
における最高到達温度が160℃程度に抑えられること
が確認された。
【0079】実施例8.図10はこの発明の他の実施例
を示す。この実施例は、ステータコアスロット2aの内
面とコイル3との間に、絶縁用のスロットセル5を設
け、さらにこのスロットセル5の熱損傷を防ぐために、
スロットセル5とステータコアスロット2aの内面との
間にセラミックペーパーでできた断熱材10を挿入した
ものである。
【0080】この実施例によれば、ステータコア2をア
ルミニウム系フレーム4で鋳ぐるんだ場合、熱伝導によ
りステータコアスロット2a周辺の温度が上昇し、スロ
ットセル5の耐熱温度を越えてスロットセル5が熱損傷
を受け、さらにコイル3が熱損傷し、電気絶縁が破れる
ことがあり、特に、この現象はステータコアスロット2
aの頂点2bで起こる。
【0081】この実施例では、上記のようにステータコ
アスロット2aの頂点2b付近に幅8mmのアルミナセ
ラミックペーパーを配置し、図2に示したステータコア
2を使ったアルミニウム系フレーム4の鋳ぐるみ実験を
行った結果、スロットセル5およびコイル3が熱損傷を
受けないことが確認された。なお、この実施例では、幅
8mmのアルミナセラミックペーパーを使用した場合に
ついて説明したが、必要に応じて幅を変えても良いし、
スロットセル5の全体を覆うサイズとしてもよい。
【0082】実施例9.図11はこの発明の他の実施例
を示す。この実施例は、アルミニウム系フレーム4の鋳
造時に、最も熱損傷を受けるスロットセル5の頂点部分
にスロットセル折り目5aを設けることで、ステータコ
アスロット2aの内面との間に空気層Aを設けたもので
ある。従って、この空気層Aがスロットセル5の熱損傷
を確実に防ぐことができる。
【0083】実施例10.図12はステータコアスロッ
ト2aとスロットセル5との間に図9に示すような空気
層Bを設ける金型構造を示す。この実施例では、アルミ
ニウム系フレーム4を成形する外型9を固定型9aおよ
び移動型9bから構成し、これらにステータコアスロッ
ト2aの内面とスロットセル5との間に入り込む断熱用
突起11を設けたものである。
【0084】従って、アルミニウム系フレーム4を鋳造
する時には、上記断熱用突起11がステータコアスロッ
ト2aとスロットセル5との間に常に空気層Bをつくる
ような状態となっており、上記鋳造熱を受けるステータ
コア2の温度上昇によるスロットセル5の熱損傷を防ぐ
ことができる。
【0085】実施例11.図13はこの発明の他の実施
例を示す。この実施例では、ステータコアスロット2a
内にスロットセル5を介して、コイル3を巻線した後、
コイル3の間に高分子絶縁材料としてのワニス12を流
し込んでおき、この状態でアルミニウム系フレーム4を
鋳込むようにしている。こうすることによって、ステー
タコア2の温度が上昇した場合でも、この温度上昇に伴
いワニス12自体の温度が上がり、スロットセル5の急
激な温度上昇および最高到達温度が抑制される。
【0086】従来のダイキャストフレームを持つステー
タコアの製作は、ステータ鉄芯積み→フレームダイキャ
スト→コイル巻線→ワニス含浸の順番であったが、この
実施例では、ステータ鉄芯積み→コイル巻線→ワニス含
浸→フレームダイキャストの順番となる。
【0087】実施例12.図14はこの発明の他の実施
例を示すもので、スロットセル5の外側全面にアルミニ
ウムや銅などの金属薄膜13を一層設けたものであり、
これによれば金属薄膜13の熱伝導特性と輻射特性によ
りスロットセル5の熱吸収を抑制することで、スロット
セル5の熱損傷を防ぐことができる。
【0088】なお、この実施例では図示のように、スロ
ットセル5の全体を金属薄膜13で覆ったものを示した
が、最も温度上昇が大きい一部分だけを覆うようにして
もよく、同様の効果が期待できる。
【0089】実施例13.図15はこの発明の他の実施
例を示すもので、ここでは上記スロットセル5の代わり
にアルミニウムを蒸着した高分子フィルム14をスロッ
トセルとして使用している。この実施例によれば、熱伝
達の遮断には金属薄膜を蒸着することだけでもかなりの
有効性があり、PET(ポリエチレンテレフタレート)
のフィルムにアルミニウムを1μm蒸着したものを使っ
て、コイル3が熱損傷を受けないことが、実験によって
確かめられた。なお、上記アルミニウムの他に銅、白
金、金、銀、クロム等の蒸着薄膜もしくはメッキ層とし
ても、同様の効果が得られる。
【0090】実施例14.図16はこの発明の他の実施
例を示す。この実施例では、アルミニウム系フレーム4
の鋳造中にコイル3部分の線間に冷却用ガス15を流す
ことで、コイル3の熱損傷を防ぐようにしている。この
実施例では、冷却用ガスとして窒素ガスのほか空気やア
ルゴンガスなどの冷却気を選択して用いることができ
る。なお、この方法は、上記の各実施例と組み合わせる
ことで、さらにスロットセル5およびコイル3の大きな
冷却効果が期待できる。
【0091】実施例15.図17はこの発明の他の実施
例を示すもので、スロットセル5の外側にオイルを塗布
して、オイル膜(揮発物質)16を形成したものであ
る。これによれば、ステータコア2の温度上昇により、
揮発物質としてのオイル膜16の温度が上昇し、従っ
て、オイルが蒸発することとなるため、オイルの気化熱
が奪われ、オイルの沸点以上にスロットセル5が温度上
昇することが抑制される。
【0092】なお、実験によれば、沸点160℃のオイ
ルを刷毛でスロットセル5の外側に塗布した場合には、
アルミニウム系フレーム4の鋳造後にオイルは蒸発して
おり、コイル3やスロットセル5に熱損傷が発生してい
ないことが確かめられた。
【0093】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
ロータの周囲に隙間を介して対向配置したステータコア
内周側に、内部にスロットセルを介してコイルを収納す
るステータコアスロットを設け、上記ステータコアの外
周部にアルミニウム系フレームを設けて、ステータコア
スロットの頂点とステータコアの外周部間のコアバック
の厚みと、放熱フィンを除くアルミニウム系フレームの
厚みとの比を、アルミニウム系フレームの鋳造時にスロ
ットセルの熱損傷を回避できる一定値に設定するように
構成したので、コアバックの厚さとアルミニウム系フレ
ームの厚さの比を設定値に選ぶことで、実験的試行錯誤
を繰り返すことなく、コイルやスロットセルに熱損傷を
与えないステータを容易に成形できるものが得られる効
果がある。
【0094】請求項2の発明によれば、ステータコアの
外周部とステータコアスロットとの間の上記ステータコ
アの肉厚内に熱堰穴を設けるように構成したので、熱堰
穴によりアルミニウム系フレームからステータコアへの
熱伝導を確実に抑えることができるものが得られる効果
がある。
【0095】請求項3の発明によれば、ステータコアの
外周部とステータコアスロットとの間の上記ステータコ
アの肉厚内に、冷却用ガスを流す熱堰穴を設けるように
構成したので、冷却用ガスによるステータコアの冷却に
より、アルミニウム系フレームからステータコアへの熱
伝導を確実に抑えることができるものが得られる効果が
ある。
【0096】請求項4の発明によれば、かご形誘導電動
機は、ステータコアの外周にセラミックスの断熱層を設
けるように構成したので、セラミックスの断熱層により
アルミニウム系フレームからステータコアへの熱伝導を
十分に抑えることができるものが得られる効果がある。
【0097】請求項5の発明によれば、複数のステータ
コアスロットに対応する各位置のステータコアの外周
に、セラミックスの断熱層を設けるように構成したの
で、ステータコアスロットの対応部にそれぞれ設けた断
熱層によって、そのステータコアスロット内のコイルや
スロットセルがアルミニウム系フレームの鋳造熱によっ
て熱損傷するのを十分に防止できるものが得られる効果
がある。
【0098】請求項6の発明によれば、スロットセルお
よびステータコアスロットの壁面間の全部または一部に
断熱材を配置するように構成したので、ステータコアス
ロット内の頂点付近に断熱材を介装することで、アルミ
ニウム系フレームの鋳造熱によってステータスロット内
のコイルやスロットセルが熱損傷するのを確実に回避で
きるものが得られる効果がある。
【0099】請求項7の発明によれば、スロットセルの
ステータコアスロットの頂点に対向する部分に、上記ス
テータコアスロットの壁面との間に空気層を形成する折
り目を設けるように構成したので、ステータスロットの
頂点から内部のスロットセルやコイルにアルミニウム系
フレームの鋳造熱が伝わるのを空気層によって確実に抑
えることができるものが得られる効果がある。
【0100】請求項8の発明によれば、ステータコアス
ロット内にスロットセルを介して収容されたコイルの線
間に、高分子絶縁材料を流し込んで形成するように構成
したので、ステータコアに伝わったアルミニウム系フレ
ームからの熱をワニスにより分散させることで、コイル
の熱損傷を確実に防止できるものが得られる効果があ
る。
【0101】請求項9の発明によれば、ステータコアス
ロットの壁面に対向するスロットセルの外側面の全体ま
たは一部に熱伝導性の良好な金属薄膜を配置するように
構成したので、スロットセルに予め設けた金属薄膜によ
って、スロットセルおよびコイルの温度上昇を十分に抑
制できるものが得られる効果がある。
【0102】請求項10の発明によれば、スロットセル
をアルミニウムを蒸着した高分子フィルムとするように
構成したので、ステータコアからの熱輻射を抑えて、ス
ロットセルの耐熱グレードを下げることができるものが
得られる効果がある。
【0103】請求項11の発明によれば、ロータの周囲
に対向配置されたステータコアの外周部に、アルミニウ
ム系フレームを形成するためのステータ鋳造金型であっ
て、上記アルミニウム系フレームを鋳込む少なくとも金
型キャビティ部分を熱伝導性の良好な金属材料で形成す
るように構成したので、アルミニウム系フレームの鋳造
熱を積極的に金型材料へ逃がして、ステータコアの温度
上昇を抑制することができるものが得られる効果があ
る。
【0104】請求項12の発明によれば、ステータコア
のステータコアスロットの壁面とこのステータコアスロ
ット内にコイルを収容するスロットセルとの間に、断熱
用の空気層を形成するための突起を一体に設けるように
構成したので、ステータコアに対するアルミニウム系フ
レームの鋳造時に、一部を突出させてスロットセルとス
テータコアスロットの壁面との間に断熱用の空気層を形
成することができるものが得られる効果がある。
【0105】請求項13の発明によれば、ロータの周囲
に対向配置され、かつコイルを収容するステータコアス
ロットを持ったステータコアの外周部を、アルミニウム
またはアルミニウム合金によって鋳ぐるんでアルミニウ
ム系フレームを形成し、この鋳ぐるみ時に、上記ステー
タコアの内周面に導電性の中子を配置するようにしたの
で、ステータコアに伝わったアルミニウム系フレームか
らの熱を効率的に金型に逃がしながら、このアルミニウ
ム系フレームの鋳造を行うことができるものが得られる
効果がある。
【0106】請求項14の発明によれば、ロータの周囲
に対向配置され、かつコイルを収容するステータコアス
ロットを持ったステータコアの外周部を、アルミニウム
またはアルミニウム合金により鋳ぐるんでアルミニウム
系フレームを形成し、この鋳ぐるみ時に、上記コイルの
線間に冷却気を流すように構成したので、アルミニウム
系フレームの鋳造時におけるコイルおよびスロットセル
の冷却を十分に行えるものが得られる効果がある。
【0107】請求項15の発明によれば、鋳ぐるみ前
に、スロットセルにおけるステータコアスロットの壁面
に対向する側の周面の全部または一部に、低温で揮発す
る揮発物質を塗布するように構成したので、スロットセ
ルに塗布されたオイルの気化熱によって、このスロット
セルおよびコイルのアルミニウム系フレームからの鋳造
熱による熱障害を効果的に回避できるものが得られる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるかご形誘導電動機
を示す正面断面図である。
【図2】 図1におけるかご形誘導電動機を示す側面断
面図である。
【図3】 この発明におけるスロットセルを260℃以
下にするためのコアバック厚さとアルミニウム系フレー
ム厚さの関係を示す説明図である。
【図4】 この発明におけるステータコアを示す側面断
面図である。
【図5】 この発明における他のステータコアを示す側
面断面図である。
【図6】 この発明における他のステータコアを示す側
面断面図である。
【図7】 この発明における他のステータコアを示す側
面断面図である。
【図8】 この発明における他のステータコアを示す側
面断面図である。
【図9】 この発明における他のステータコアを示す側
面断面図である。
【図10】 この発明におけるスロットセルとステータ
コアスロットとの断熱構造の一実施例を拡大して示す要
部の側面断面図である。
【図11】 この発明におけるスロットセルとステータ
コアスロットとの断熱構造の他の実施例を拡大して示す
要部の側面断面図である。
【図12】 この発明におけるアルミニウム系フレーム
を鋳造する金型を示す断面図である。
【図13】 この発明におけるステータコアスロットと
コイルとの断熱構造の一実施例を拡大して示す要部の側
面断面図である。
【図14】 この発明におけるステータコアスロットと
コイルおよびスロットセルとの断熱構造の一実施例を拡
大して示す要部の側面断面図である。
【図15】 この発明におけるステータコアスロットと
コイルおよびスロットセルとの断熱構造の他の実施例を
拡大して示す要部の側面断面図である。
【図16】 この発明におけるステータコアスロットと
コイルとの断熱構造の他の実施例を拡大して示す要部の
側面断面図である。
【図17】 この発明におけるステータコアスロットと
コイルおよびスロットセルとの断熱構造の他の実施例を
拡大して示す要部の側面断面図である。
【図18】 従来のかご形誘導電動機を示す断面正面図
である。
【図19】 従来の全閉外扇形誘導電動機を示す半断面
側面図である。
【符号の説明】
1 ロータ、2 ステータコア、2a ステータコアス
ロット、2b 頂点、3 コイル、4 アルミニウム系
フレーム、4a 放熱フィン、5 スロットセル、5a
折り目、6,6A 熱堰穴、7,7A 断熱層、8
中子、9c 金型キャビティ部分、10 断熱材、11
突起、12 高分子絶縁材料(ワニス)、13 金属
薄膜、14 高分子フィルム、15 冷却用ガス(冷却
気)、16 オイル膜(揮発物質)、A,B 空気層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 15/12 C 15/14 Z (72)発明者 吉田 章男 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術センター内 (72)発明者 樋口 芳則 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内 (72)発明者 杉浦 三千雄 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内 (72)発明者 倉田 裕次 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三菱 電機株式会社名古屋製作所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータの周囲に隙間を介して対向配置さ
    れたステータコアと、該ステータコアの内周側に設けら
    れて、内部にスロットセルを介してコイルを収納するス
    テータコアスロットと、上記ステータコアの外周部を鋳
    ぐるんで成形された放熱フィンを有するアルミニウム系
    フレームとを備えたかご形誘導電動機において、上記ス
    テータコアスロットの頂点と上記ステータコアの外周部
    間のコアバックの厚みと上記放熱フィンを除く上記アル
    ミニウム系フレームの厚みとの比を、アルミニウム系フ
    レームの鋳造時に上記スロットセルの熱損傷を回避でき
    る一定値に選定したことを特徴とするかご形誘導電動
    機。
  2. 【請求項2】 ステータコアの外周部とステータコアス
    ロットとの間の上記ステータコアの肉厚内に熱堰穴を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載のかご形誘導電動
    機。
  3. 【請求項3】 ステータコアの外周部とステータコアス
    ロットとの間の上記ステータコアの肉厚内に、冷却用ガ
    スを流す熱堰穴を設けたことを特徴とする請求項1に記
    載のかご形誘導電動機。
  4. 【請求項4】 ステータコアの外周にセラミックスの断
    熱層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のかご形
    誘導電動機。
  5. 【請求項5】 複数のステータコアスロットに対応する
    各位置のステータコアの外周に、セラミックスの断熱層
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のかご形誘導
    電動機。
  6. 【請求項6】 スロットセルおよびステータコアスロッ
    トの壁面間の全部または一部に断熱材を配置したことを
    特徴とする請求項1に記載のかご形誘導電動機。
  7. 【請求項7】 スロットセルのステータコアスロットの
    頂点に対向する部分に、ステータコアスロットの壁面と
    の間に空気層を形成する折り目を形成したことを特徴と
    する請求項1に記載のかご形誘導電動機。
  8. 【請求項8】 ステータコアスロット内にスロットセル
    を介して収容されたコイルの線間に、高分子絶縁材料が
    流し込まれていることを特徴とする請求項1に記載のか
    ご形誘導電動機。
  9. 【請求項9】 ステータコアスロットの壁面に対向する
    スロットセルの外側面の全体または一部に熱伝導性の良
    好な金属薄膜を配置したことを特徴とする請求項1に記
    載のかご形誘導電動機。
  10. 【請求項10】 スロットセルをアルミニウムを蒸着し
    た高分子フィルムとしたことを特徴とする請求項1に記
    載のかご形誘導電動機。
  11. 【請求項11】 ロータの周囲に対向配置されたステー
    タコアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレームを
    形成するかご形誘導電動機のステータ鋳造金型におい
    て、上記アルミニウム系フレームを鋳込む少なくとも金
    型キャビティ部分が熱伝導性の良好な金属材料とされて
    いることを特徴とするかご形誘導電動機のステータ鋳造
    金型。
  12. 【請求項12】 ロータの周囲に対向配置されたステー
    タコアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレームを
    形成するかご形誘導電動機のステータ鋳造金型におい
    て、上記ステータコアのステータコアスロットの壁面と
    このステータコアスロット内にコイルを収容するスロッ
    トセルとの間に、断熱用の空気層を形成するための突起
    を一体に設けたことを特徴とするかご形誘導電動機のス
    テータ鋳造金型。
  13. 【請求項13】 ロータの周囲に対向配置され、かつコ
    イルを収容するステータコアスロットを持ったステータ
    コアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレームを形
    成し、この鋳ぐるみ時に、上記ステータコアの内周面に
    導電性の中子を配置するかご形誘導電動機のステータ鋳
    造方法。
  14. 【請求項14】 ロータの周囲に対向配置され、かつコ
    イルを収容するステータコアスロットを持ったステータ
    コアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレームを形
    成し、この鋳ぐるみ時に、上記コイルの線間に冷却気を
    流すかご形誘導電動機のステータ鋳造方法。
  15. 【請求項15】 ロータの周囲に対向配置され、かつコ
    イルを収容するステータコアスロットを持ったステータ
    コアの外周部を鋳ぐるんでアルミニウム系フレームを形
    成し、この鋳ぐるみ前に、スロットセルにおけるステー
    タコアスロットの壁面に対向する側の周面の全部または
    一部に、低温で揮発する揮発物質を塗布するかご形誘導
    電動機のステータ鋳造方法。
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