JPH08215205A - 医療用マニピュレータ - Google Patents

医療用マニピュレータ

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JPH08215205A
JPH08215205A JP7024245A JP2424595A JPH08215205A JP H08215205 A JPH08215205 A JP H08215205A JP 7024245 A JP7024245 A JP 7024245A JP 2424595 A JP2424595 A JP 2424595A JP H08215205 A JPH08215205 A JP H08215205A
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JP
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manipulator
insertion hole
slave
axis
point
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JP7024245A
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Inventor
Akihiro Horii
章弘 堀井
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マニピュレータを用いて内視鏡下外科手術を行
うにあたって、挿入孔の位置を簡便な手段でマニピュレ
ータ制御装置に教示することができる医療用マニピュー
タを提供すること。 【構成】生体に形成した挿入孔を介して脱着可能な挿入
体を遠隔操作によって駆動して生体内組織部位の観察ま
たは処置を行う医療用マニピュレータにおいて、挿入孔
の位置を指示するポインタ36を有する位置決め冶具2
9を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用マニピュレータに
関し、特に、内視鏡用外科手術を行う際に内視鏡や処置
具を把持して移動させるために用いる外科手術支援用の
マニピュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、内視鏡下で外科手術を行うことが
行われるようになってきた。この内視鏡下外科手術は例
えば腹壁等の体壁に挿入孔を開け、この挿入孔を通じて
内視鏡や処置具を経皮的に体腔内に挿入し、体腔内の観
察及び処置を行うものである。このような内視鏡下外科
手術にあたって、患者の体内に導き入れた内視鏡や処置
具の操作は患者の体外に設置したマニピュレータを駆動
して行う。この種の医療用マニピュレータ装置が米国特
許第5,217,003号明細書に開示されている。
【0003】また、特開平6−30896号公報は、患
者の体内での内視鏡の動きを操作するための観察用マニ
ピュレータ装置を開示している。さらに、特願平6−1
31809号は着脱自在の観察・処置用の挿入体を有す
る医療用マニピュレータを開示している。上記したマニ
ピュレータはいずれもマニピュレータ制御装置によって
その動きが制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】内視鏡下外科手術で
は、トラカールにより体壁に挿入孔を開け、そのトラカ
ールを通じて体腔内に内視鏡や処置具を挿通する。この
状態で、内視鏡や処置具を操作するため、内視鏡及び処
置具の動きは体壁に開けた挿入孔の位置によって拘束さ
れることになる。これにより、内視鏡及び処置具をマニ
ピュレータ装置によって操作するようにした前記米国特
許第5,217,003号明細書や特開平6−3089
6号公報に開示された医療用マニピュレータ装置でも、
内視鏡及び処置具の動きは体壁に開けた挿入孔の位置に
拘束される。
【0005】したがって、マニピュレータによって体腔
内の内視鏡および処置具の位置を制御するためには、挿
入孔の位置情報をその処置作業に先だってマニピュレー
タ制御装置に教示する必要がある。しかし、挿入孔の位
置情報をキーボード操作で入力する作業は面倒であり、
また、挿入孔の位置を入力するために、挿入孔の位置を
検出する別の位置検出手段、例えば磁気や光学的なマー
カを用いた位置センサ、画像処理による位置検出、多関
節マニピュレータを用いた位置センサ等を設けることも
考えられるが、かなり複雑な構成で高価な装置となって
しまう。
【0006】本発明の医療用マニピュレータはこのよう
な課題に着目してなされたものであり、その目的とする
ところは、マニピュレータを用いて内視鏡下外科手術を
行う場合、挿入孔の位置を簡便な手段でマニピュレータ
制御装置に教示することができる医療用マニピュレータ
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の医療用マニピュレータは、生体
に形成した挿入孔を介して脱着可能な挿入体を遠隔操作
によって駆動して生体内組織部位の観察または処置を行
う医療用マニピュレータにおいて、前記挿入孔の位置を
指示するポインタを有する位置決め手段を具備する。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。まず、図1乃至図4を参照して本発明の第
1実施例を説明する。図1は第1実施例の構成を示す図
である。本構成は患者の体内で手術操作を行う処置用マ
ニピュレータシステム1と、体内を観察する内視鏡3を
術者の意志に従って操作するための観察用マニピュレー
タシステム2より構成されている。
【0009】処置用マニピュレータシステム1は、操作
入力装置4によって術者の手5の位置、姿勢、把持の情
報を読みとり、その位置、姿勢情報に基づき、処置用マ
ニピュレータ制御装置6によって処置用マニピュレータ
7を駆動する。処置用マニピュレータ7の先端処置具1
5は手術台8上に固定された患者9の体内に挿入された
筒状のトラカール10を通して挿入されており、患部の
処置を行う。
【0010】また、観察用マニピュレータシステム2で
は、術者は内視鏡像を立体観察するためのFMD11
(フェイスマウンテッドディスプレイ)を装着し、術者
の頭の動きをこのFMD11に設けられた3次元ディジ
タイザ12により検出し、得られた位置、姿勢の情報に
基づき観察用マニピュレータ制御装置13によって、観
察用マニピュレータ14を駆動して先端の内視鏡3を術
者の見たい方向に向ける。
【0011】図2に処置用マニピュレータ7の構成を示
す。処置用マニピュレータ7は、円筒座標系に基づいて
上下・回転・進退の動作を行う3軸(A1軸16(回
転)、A2軸17(上下)、A3軸18(進退))のロ
ボットアームおよびA3軸18に対し自在に回転する自
由関節A4軸19およびA4軸19に対し垂直に回転自
在の自由関節20(A5軸)と、先端処置具15を動作
させる挿入体22および挿入体22を自由関節20(A
5軸)に対し垂直に回転させるホルダ21(A6軸)よ
りなる。
【0012】なお、観察用マニピュレータ2の挿入体2
3については、先端処置具15の代わりに内視鏡3が設
けられている以外は処置用マニピュレータ7と同様の構
成である。
【0013】図3に体内操作時の処置用マニピュレータ
7の状態を示す。挿入体22は、トラカール10を通し
て体内に挿入される。体内への挿入孔の位置P0 24は
固定点であると考えることができる。エンドエフェクタ
部25の位置Pe26は、湾曲部57の付け根で規定さ
れ、操作入力装置4により位置決められる。処置用マニ
ピュレータ制御装置6は、操作入力装置4によって指示
された位置Pe26に位置決めするために、Pe26と
P0 24の位置と挿入基準長l27(位置Pe26と挿
入体取付位置28への距離)より挿入体取付部の位置P
m28を算出しA1軸16、A2軸17、A3軸18を
駆動する。このためには、挿入孔の位置P0 24を知る
必要がある。
【0014】図4に挿入孔の位置P0 24を知るための
位置決め手段である位置決め治具29を示す。位置決め
治具29は、挿入体22の代わりにホルダ21に挿入で
き、ネジ部56を締め付けナット30で締めることで、
着脱自在にホルダ21に固定できる。位置決め治具29
はA4軸19の自由回転を止め、常に定まった位置に位
置決めするための、A3軸18に設けられた穴32に嵌
合する回転止め31を有し、またA5軸20の自由回転
を止め、水平に保持できるための水平板33および挿入
孔の位置24を指示するための、パイプ34及び先端部
35からなるポインタ36を有している。
【0015】以下に上記した構成の作用を述べる。本実
施例では挿入孔の位置P0 24を検出するためには以下
の通り操作する。まず、処置用マニピュレータ7の挿入
体22を取り外し、代わりに位置決め治具29をホルダ
21に挿入し、締め付けナット30によって固定する。
位置決め治具29により、A4軸19およびA5軸20
の回転は定まった位置に固定されるため、位置決め治具
29の先端部35の位置は、A1軸16、A2軸17、
A3軸18の駆動量によって一意的に定まる。この状態
で、操作入力装置4を用いてA1軸16、A2軸17、
A3軸18を駆動し、位置決め治具29の先端部35を
挿入孔の位置P0 24に位置決めし、処置用マニピュレ
ータ制御装置6に挿入孔P0 24の位置を記憶させる。
【0016】このときの位置決め治具29の操作手段と
しては、操作入力装置4以外の手段、例えば、ジョイス
ティックやカーソル入力、3次元マウスなどを別途設け
ることもできる。
【0017】挿入孔の位置P0 24を記憶させた後、位
置決め治具29をホルダ21より脱着し、代わりに挿入
体22を装着する。挿入孔の位置P0 24が既知である
ので、操作入力装置4により入力されたエンドエフェク
タ部25の位置Pe26に対して挿入体取付位置Pm2
8を算出できる。位置Pm28に位置決めするようにA
1軸16、A2軸17、A3軸18を動作させること
で、エンドエフェクタ部25はPe26に位置決めされ
る。
【0018】以上、処置用マニピュレータ7を中心に説
明を行ったが、エンドエフェクタ部25が、先端処置具
15から内視鏡3に置き換えられ、操作入力装置4が3
次元ディジタイザ12に置き換えられる点を除けば、観
察用マニピュレータ14についても全く同様である。
【0019】上記した第1実施例によれば、内視鏡下外
科手術において術者の見たい方向を観察することがで
き、また処置具の操作性を向上させることができる。内
視鏡下外科手術で用いられるこのような医療用マニピュ
レータを操作するためには、内視鏡または処置具の挿入
孔の位置P0 24を検出する必要があるが、本実施例に
示されるような位置決め治具29を用いることで、挿入
孔の位置検出のための、磁気や光学的なマーカを用いた
位置センサ、画像処理による位置検出、多関節マニピュ
レータを用いた位置センサなどの別途機器が不要にな
る。
【0020】また、本実施例では、位置決め治具29が
挿入孔の位置検出手段と自由関節A4軸19、A5軸2
0の拘束手段を兼ねるので使用時のマニピュレータへの
着脱操作が簡単になる。
【0021】以下に、図5〜図7を参照して本発明の第
2実施例を説明する。まず、図5を参照して第2実施例
の構成を説明する。第2実施例では第1実施例の図2に
示されるA4’軸19およびA5軸20の代わりに駆動
手段を有する関節、A4軸37およびA5軸38が設け
られている。本実施例においては、関節が受動的に動か
ないため、図3に示される挿入孔の位置P0 24を挿入
体22が通るように、A1軸16,A2軸17,A3軸
18,A4’軸37,A5’軸38を制御しなければ、
挿入孔24付近の皮膚や近傍組織に強い力がかかり、損
傷を与える可能性がある。
【0022】図6に本実施例における位置決め治具39
を示す。本実施例では、A4’軸37およびA5’軸3
8が駆動手段を有するため、位置決め治具39は固定用
ネジ40及びパイプ34および先端部35よりなるポイ
ンタ36で構成される。第1実施例と同様、挿入体22
を脱着し、代わりに位置決め治具39を締め付けナット
30によってホルダ21に取り付ける。操作入力装置4
(観察用マニピュレータの場合は3Dディジタイザ1
2)を用いてマニピュレータ7を操作し、ポインタ先端
部35を挿入孔の位置P0 24を指示するように制御
し、マニピュレータ制御装置6に挿入点を記憶させる。
また、基準挿入長l’42(挿入体取付位置28とポイ
ンタ先端部35との間の距離)を調整するために、パイ
プ34の取付位置をパイプ取付ネジ41により可変でき
る構造になっている。
【0023】図7には異なった種類の挿入体を示す。挿
入体A43は先端処置具15を有し、挿入体B44は内
視鏡3を有している。挿入体B44の挿入基準長lB 4
6は、挿入体A43の挿入基準長lA 45に対して長
い。パイプ34の取付位置を挿入体の挿入基準長に対応
して、l’A 47、l’B 48と可変することで、位置
決め治具39の挿入基準長l’を挿入体の基準挿入長l
と同じ長さとして扱うことができる。
【0024】上記した第2実施例によれば、A4’軸3
7,A5’軸38に駆動手段があるため、患者の呼吸や
術中の動き、気腹の状態の変化などにより、挿入孔の位
置P0 24が若干変化しても、マニピュレータのエンド
エフェクタ部25の位置決めに影響しない。また本実施
例では、ポインタ先端部35と挿入体取付位置Pm28
の間の長さを可変できるため、挿入孔回りの機器などと
マニピュレータや治具が干渉して操作がしにくい場合に
も位置教示が容易となる。
【0025】また、位置決め治具の挿入基準長l’42
と挿入体の挿入基準長l27が同じ長さになるように設
定した場合,位置決め治具の挿入基準長l’42に対し
て特別な定数を設定する必要がなくなる。この結果、一
つの位置決め治具39を複数の挿入体、マニピュレータ
に用いることができる。
【0026】以下に図8を参照して本発明の第3実施例
を説明する。第3実施例では第1実施例の図2に示され
るA3軸18に、位置決め治具49の締め付けネジ51
により脱着機構50を設けている。位置決め治具49は
パイプ34およびポインタ先端部35より構成されてい
る。本実施例では、挿入体22を装着したままで、処置
用マニピュレータ7および位置決め治具49を用いて挿
入孔の位置P0 24を指示できる。
【0027】上記した第3実施例によれば、術中に体位
の変化などにより、挿入孔の位置P0 24が変化し、新
たに教示する必要がある場合にも、挿入体22を抜去す
ることなく教示できるという効果を有する。
【0028】以下に図9、図10を参照して本発明の第
4実施例を説明する。第4実施例では第3実施例のパイ
プ34の先端にあるポインタ先端部35の代わりに、2
台のレーザ69、70が設けられている。2本のレーザ
光線の交点71を指示点とし、挿入孔の位置P0 24と
光線の交点71が一致するように処置用マニピュレータ
7を操作し、挿入孔の位置P0 24を教示する。
【0029】また、図10に示すように一台のレーザ6
9が回転可能な台58に取り付けられており、2本のレ
ーザ光線のなす角度52がネジ53とバネ54から構成
される角度可変機構55により変更できるようになって
いる。これによってレーザ光線の交点の位置71も可変
されるため、第2実施例における位置決め治具の挿入基
準長l’42を可変した場合と同様の効果が得られる。
【0030】上記した実施例によれば、生体と非接触で
挿入孔の位置を教示できるので、術中に体位の変化等に
より挿入孔の位置が変化した場合、また挿入孔まわりの
機器などと干渉して操作がしにくい場合にも容易に挿入
孔の位置を教示することができる。
【0031】以下に上記した実施例の付加的説明を行な
う。体腔内の観察、処置のために内視鏡等の手術器械を
体腔内に挿入可能な手術用マニピュレータが知られてい
る。すなわち、腹壁等の体壁に挿入孔を開け、この挿入
孔を通じて内視鏡や処置具を経皮的に体腔内に挿入する
ことにより体腔内で様々な処置を行なう内視鏡下手術が
従来から行なわれており、こうした術式は大きな切開を
要しない低侵襲なものとして胆のう摘出手術や肺の一部
を摘出除去する手術等で広く行なわれている。
【0032】内視鏡下手術では、一般的に体壁に第1の
挿入孔を開け内視鏡を体腔内に挿入し、それを第1の術
者が保持し術野を確保する。そして、第2、第3の挿入
口を体壁に開け、鉗子等手術器具を体腔内に挿入し第2
の術者が手術を行う。
【0033】このように内視鏡下手術では一般の開腹手
術では不要な内視鏡を保持する術者が必要である。そこ
で、特願平4−221571号は、内視鏡を保持する術
者がいなくとも術野を確保できるように、内視鏡装置を
保持するスコープホルダーを開示している。
【0034】このようなスコープホルダーを電動化し術
者が直接操作できるようにすることは内視鏡下手術の省
力化を進める上で望ましい。しかし、体腔内に挿入され
た内視鏡は挿入孔において拘束されている。これを生体
に無理な力が加わらないようにマニュピュレータを動作
させる必要がある。
【0035】特開平6−30896号公報は内視鏡装置
等を保持し、電動で動作可能なマニュピュレータを開示
している。ここでは、内視鏡を体腔内に挿入する挿入孔
とマニュピュレータ先端に取り付けられた電動可動装置
の動作中心を位置させることにより、内視鏡を動作させ
た場合でも、内視鏡を挿入した生体に無理な力が加わら
ない構造になっている。
【0036】しかし、上記した特開平6−30896号
公報に開示されたマニュピュレータでは、マニュピュレ
ータ先端に取り付けられた可動装置が大きくなってしま
い操作性を低下させてしまう。また、挿入孔と可動装置
の動作中心の位置合わせを行う方法については何等記述
していない。
【0037】以下にこのような問題点を解決して、内視
鏡の動きを拘束する拘束点を決定させる操作を正確に短
時間で行えるようにし、手術用マニピュレータの操作を
容易に行える手術用マニピュレータについて述べる。
【0038】図11〜図16は第1の実施例を示し、手
術器械を体腔内に挿入し、体内の観察およびまたは処置
を行う手術用マニピュレータにおいて、マスターマニピ
ュレータを操作することにより、スレーブマニピュレー
タを動作させる場合に、スレーブマニピュレータの手術
器械の挿入部が、体壁の挿入孔に対し無理な力が働かな
いように、マスターマニピュレータの位置および姿勢と
スレーブマニピュレータの位置および姿勢を対応させる
ように構成したものである。
【0039】すなわち、図11に示すように、手術用マ
ニピュレータにおいて、マニピュレータとしてのスレー
ブマニピュレータ101は、その先端部を患者の体壁a
の挿入孔bを介して体腔c内に挿入する挿入部102を
有した手術器械103と、この手術器械103を支持す
るための直動および回転の自由度を有する複数の軸を有
するロボット104から構成されている。挿入部102
の先端部には3次元(立体)スコープ105と、一対の
処置具106,107とを備えている。3次元(立体)
スコープ105の先端部および一対の処置具106,1
07は、それぞれ多自由度にて湾曲可能となっている。
【0040】一方、操作手順としては、多関節構造を有
する操作手段としてのマスターマニピュレータ111が
あり、そのマスターマニピュレータ111の先端部に
は、HMD(ヘッドマウンティッドディスプレー)11
2と、一対の処置具操作用操作アーム113,114が
設けられている。
【0041】スレーブマニピュレータ101およびマス
ターマニピュレータ111は、制御装置121に接続さ
れており、マスターマニピュレータ111の先端部の位
置がスレープマニピュレータ101の位置に対応し、ま
た、HMD112の回転部の位置が3次元(立体)スコ
ープ105の湾曲角に対応し、さらに、処置操作用操作
アーム113,114が処置具106,107の位置に
対応して動作するよう制御される。
【0042】なお、スレーブマニピュレータ101の軸
には、アクチュエータ(図示しない)とその回転位置を
検出するエンコーダ118および減速機(図示しない)
が設けてある。また、マスターマニピュレータ111の
関節部、HMD112の回転部および処置操作用アーム
の関節部には、エンコーダ120が設けられている。
【0043】なお、図11においては、内視鏡としての
3次元(立体)スコープ105と処置具167を一体と
する挿入部を示しているが、内視鏡だけ、あるいは、処
置具だけの構成でも構わない。また、内視鏡としては、
先端部に湾曲機構を有する実施例を示しているが、硬性
鏡でも構わない。以上の構成について、リンク機構をわ
かりやすく示した図を図13に示す。
【0044】図12は、手術用マニピュレータの動作を
制御するシステムの構造を示す。すなわち、スレーブマ
ニピュレータ101と、スレーブマニピュレータ101
を制御する制御装置121と、操作手段122および操
作スイッチ124が設けられている。制御装置121に
は、MPU125と、アクチュエータ駆動回路120お
よび入出力インターフェース(I/F)127を備えて
おり、それぞれ操作手段122と、スレーブマニピュレ
ータ101および操作スイッチ124が接続されてい
る。
【0045】次に、前述のように構成された手術用マニ
ピュレータの作用について説明する。前記構成におい
て、体壁aの挿入孔bに無理な力が作用しないように、
ポイントロックという動作を行わせる。本手術用マニピ
ュレータにおいては、マスターマニピュレータ111を
操作者が操作して、スレーブマニピュレータ101を動
作させるが、この時、マスターマニピュレータ111の
動きに追従してスレーブマニピュレータ101が動作し
てしまうため、例えば、術者が誤ってマスターマニピュ
レータ111を操作した場合、患者の体腔c内に挿入さ
れている手術器械103が挿入孔bによって動きを拘束
されているにもかかわらず、スレーブ動作を行なうこと
による挿入孔bへの無理な力をかけるということが生じ
る。
【0046】そこで、手術器械103が挿入孔bを支点
として動作するような制御を行わせるように、スレーブ
マニピュレータ101の動作を制限することによって前
述した問題点を解決することができる。ここでは、この
前記動作制限のことを、ポイントロックということにす
る。
【0047】ポイントロックによる動作制限方法を説明
すると、図14(a)は、スレーブマニピュレータ10
1の挿入部102の先端部128を示し、同図(b)
は、マスターマニピュレータ111の先端部129を示
す。
【0048】マスタースレーブモードのマスターマニピ
ュレータ111とスレーブマニピュレータ101との動
作関係は、マスターマニピュレータ111の先端部12
9の座標系の相対移動量をスレーブマニピュレータ10
1の先端部128の座標系に反映させて動作を行わせて
いる。
【0049】初めに、図14(b)に示すように、マス
ターマニピュレータ111の先端部129のTCP(ツ
ール先端点)の状態をTCPm130とし、図14
(a)に示したスレーブマニピュレータ101の先端部
128のTCPの状態をTCPs131とする。
【0050】前記マスターマニピュレータ111のTC
Pを求め、スレーブマニピュレータ101のTCPを求
めてスレーブを動作させる処理は、まずマスターマニピ
ュレータ111の各軸に配置されたエンコーダからの移
動量から関節変数を求め、TCPの位置・姿勢を求める
順座標変換処理を行う。これによって、マスターマニピ
ュレータ111のTCPが求まる。その後、その求めた
TCPの値からスレーブマニピュレータ101の各軸の
制御量を求めるための逆座標変換を行わせる処理からな
っている。
【0051】前記状態から、図14(b)に示すよう
に、術者がマスターマニピュレータ111の先端部12
9のTCPm130の位置・姿勢をTCPm132の状
態に移動させたとする。この時、TCPm130からT
CPm132へ移動した位置・姿勢を示すベクトルをA
とする。また、同時に、マスターマニピュレータ111
の先端部129を図の様にθ回転させたとする。
【0052】制御装置121は、マスターマニピュレー
タ111の位置相対関係(同次座標変換行列A)と同一
になるように、図14(a)に示した同次座標変換行列
A′(図14(a)中のTCPs131からTCPs1
33を結んだベクトル)の算出を行う。同時に、TCP
s131とポイントロック位置134とを結んだ線分を
O軸と定義し、ポイントロック位置134とTCPs1
33との結んだ線分をP軸と定義する。またO軸とP軸
とをなす角α、前記O軸とP軸の2直線が作る平面に垂
直なベクトルQの算出を行う。
【0053】スレーブマニピュレータ101の先端部1
28をマスターマニピュレータ111の先端部129に
追従させるため、スレーブマニピュレータ101の先端
部128のTCPs131からTCPs133に移動さ
せるが、この時、スレーブマニピュレータ101の先端
部128の軸がポイントロック位置134を通るという
条件にしなければならないので、スレーブマニピュレー
タ101の先端部128をTCPs133へ移動させる
と同時に、前記求めたO軸とP軸のなす角α分だけQベ
クトル回りに回転させながら移動させる。
【0054】また、マスターマニピュレータ111の先
端部129を図14(b)中θ回転させているので、ス
レーブマニピュレータ101の先端部128の軸(P
軸)に対してθ回転させるようにする。
【0055】以上の動作を制御装置121内において、
一定時間毎に計算を行っている。この計算の繰り返しに
よって、実時間でのポイントロック動作付きマスタース
レーブモードが実現される。
【0056】さて、以上は、スレーブマニピュレータ1
01を患者体腔内に挿入した後の場合の説明であるが、
スレーブマニピュレータ101を挿入孔bに挿入する
際、あるいは、抜去する際に生じる特異点の対策につい
て示す。
【0057】スレーブマニピュレータ101の先端部1
28を挿入する際に生じる特異点とは、挿入孔bの位置
とスレーブマニピュレータ101のTCPとが一致した
場合に、位置は求まっているが、挿入する姿勢が無数に
存在するため、ロボット104の姿勢を決定することが
できなくなることである。また、挿入孔bの位置とスレ
ーブマニピュレータ101のTCPが一致しない場合で
も、近傍においては演算精度の問題を生じるため、姿勢
決定ができないこともある。
【0058】そこで、スレーブマニピュレータ101の
先端部128のTCPと挿入孔bが一致する部分におい
て、姿勢に関しては、挿入してきた姿勢を決定すること
で、この問題を解決している。
【0059】ただし、どの部分から前記示した以前の姿
勢を採用するかを予め決めておく必要があるので、挿入
孔bの近傍にある一定範囲の不感帯を設けることによっ
て、ロボット104の特異点が生じてもスムーズな動き
ができるようにしてある。
【0060】一方、操作手段としては、図11に示すよ
うにスレーブマニピュレータ101に設けられた把持部
154に力覚センサ153a,153bが設けられてい
る。スレーブマニピュレータ101および力覚センサ1
53a,153bは、制御装置121に接続されてお
り、力覚センサ153a,153bにより決定される位
置および姿勢がスレーブマニピュレータ101の位置お
よび姿勢に対応するよう動作させる。
【0061】力覚センサ153aは力の3つの方向ベク
トル(B1,B2,B3)を、力覚センサ153bは力
の2つの方向ベクトル(B4,B5)と1つの回転(B
6)を検出できるように、内部に歪みゲージが搭載され
ている。力覚センサ153a,153bにより決定され
る位置および姿勢は、図11における力覚センサ153
a,153bの成分B1,B2,B3,B4,B5,B
6を意味するが、挿入孔bに対し内視鏡105の長軸が
交わるような拘束条件を設定しない場合においては、ス
レーブマニピュレータ101のA1,A2,A3,A
4,A5,A6に各々対応するように制御されている
が、ポイントロック時の場合、B1〜B5により決定さ
れる挿入部102の注目点の位置により、スレーブマニ
ピュレータ101の先端部の位置および挿入部102の
長軸が挿入孔bを通るための挿入部102の傾きを決定
し、B6による挿入部102の回転角により、挿入部1
02の注目点および位置の回転を制御する。
【0062】すなわち、術者がロボットの把持部154
を握り、矢印方向に移動させるようとすると、第1の実
施例で示した拘束条件を満たすように、内視鏡105の
先端部のTCPが第1の実施例と同様にベクトルAのよ
うに移動しようとする。力覚センタ153a,153b
からは、B1〜B6までの独立した位置・姿勢情報が検
出されるため、第1の実施例で行ったマスターマニピュ
レータ111の各関節に配置されたエンコーダ120の
情報からマスターマニピュレータ111のTCPの位置
・姿勢を求め、マスターマニピュレータ111側の移動
するベクトルAの成分を計算する順座標変換は必要な
く、そのまま力覚センサ153a,153bの情報を使
用し、各関節の制御量によるスレーブ動作を行えば良
い。
【0063】さて、前述した本実施例の動作方法の一連
の流れを示す。まず、ベッド上の患者の挿入孔bの位置
を求めるために、例えば、スレーブマニピュレータ10
1に手術器械103を取り付け、挿入孔bの位置と手術
器械103のTCPの位置とを力覚センサ153a、1
53bを操作することにより合わせる(姿勢はどのよう
な状態でも構わない)。位置合わせを行ったときのTC
Pの位置はスレーブマニピュレータ101の各軸に取り
付けられたエンコーダの出力に基づいて制御装置121
で計算することにより求められる。また、このTCPの
座標は挿入孔bの位置として制御装置121に内部にあ
る記憶手段に記憶される。このことによって、挿入孔b
とスレーブマニピュレータ101との相対的な位置が求
まり、スレーブマニピュレータ101の位置は固定され
ているため、挿入孔bの位置が求まる。
【0064】次に、術者の操作により、マスターマニピ
ュレータ111を動作させる。図16に示すように、制
御装置121側ではマスターマニピュレータ111の先
端部における位置および回転を動作指令として読み込
む。マスターマニピュレータ111より求めた位置・姿
勢情報をスレーブマニピュレータ101の位置または姿
勢に座標変換する。
【0065】前記座標変換処理を終えたら、手術器械1
03の操作対象部位(スレーブマニピュレータ101の
先端TCP)が挿入孔bの近傍にあるか、ないかを判断
する。ここでは、スレーブマニピュレータ101の先端
TCPが体腔c内にあるか否かを判断する。もし、体腔
c外にあるのであれば、挿入部102の長軸の傾きの値
として、手術器械103の操作対象部位(スレーブマニ
ピュレータ101の先端TCP)の位置が、挿入孔bの
近傍に入る直前の値を用い、さらに、挿入部102の長
軸まわりの回転がスレーブマニピュレータ101の回転
の指令に一致するように動作させる。もし、スレーブマ
ニピュレータ101の先端TCPの位置が患者の体腔c
内に位置する場合は、挿入部102が挿入孔bの位置を
通り、手術器械103の操作対象部位(スレーブマニピ
ュレータ101の先端TCP)の位置が、マスターマニ
ピュレータ111により決定された指令位置に一致する
ようにし、さらに、挿入部102の長軸まわりの回転が
マスターマニピュレータ111の回転の指令に一致する
ように動作させる。
【0066】したがって、マスターマニピュレータ11
1の操作により決定される位置および姿勢が、スレーブ
マニピュレータ101の手術器械103の挿入孔bを通
る拘束条件を満たさない場合においても、この拘束条件
を満たすよう動作させることができ、ひいては手術器械
103の挿入部102が挿入孔bに対し無理な力を作用
させることがない。また、術者は、マスターマニピュレ
ータ111の操作を行うと、これに追従してスレーブマ
ニピュレータ101が動作し、体腔c内に挿入された手
術器械103を操作することができ、また術者の頭部に
HMD112およびHMD112の回転軸のエンコーダ
120が設けてあるため、術者が頭部を動かすと、エン
コーダ120の動きに追従して、スレーブマニピュレー
タ101に固定された3次元(立体)スコープ105が
術野の画像をHMD112に表示し、術者はHMD11
2に表示された画像を観察しながら手術器械103で処
置ができる。したがって、体腔c内に居るような臨場感
の中で処置が可能となるため開腹術の感覚で内視鏡下手
術が可能となる。
【0067】図17〜図21は第2実施例を示し、第1
実施例と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略す
る。本実施例は、手術器械を体腔内に挿入し、体内の観
察およびまたは処置を行う手術用マニピュレータにおい
て、スレーブマニピュレータに取り付けた力覚センサを
操作することにより、スレーブマニピュレータを動作さ
せる場合に、スレーブマニピュレータの手術器械の挿入
部が、観察および処置を行う対象部位に対し、挿入部を
真っ直ぐ挿入するように、力覚センサにより決定される
位置および姿勢をスレーブマニピュレータの位置および
姿勢を対応させるように構成したものである。
【0068】この手術用マニピュレータにおいて、スレ
ーブマニピュレータ171は、その先端部を患者の頭部
d内に挿入する挿入部172aを有した手術器械172
と、この手術器械172を支持するための直動および回
転の自由度を有する複数の軸を有するロボット173か
ら構成されている。挿入部172aの先端部には、3次
元(立体)スコープ174と、一対の処置具175,1
76とを備えている。3次元(立体)スコープ174の
先端部および一対の処置具175,176は、それぞれ
多自由度にて湾曲可能となっている。また、術者の頭部
には、HMD177と3次元位置センサ178が設けら
れている。
【0069】一方、操作手順としては、スレーブマニピ
ュレータ171に設けられた力覚センサ179a,17
9bが設けられている。スレーブマニピュレータ17
1、3次元位置センサ178および力覚センサ179
a,179bは、制御装置121に接続されており力覚
センサ179a,179bにより決定される位置および
姿勢がスレーブマニピュレータ171の位置および姿勢
に対応するよう動作し、3次元位置センサ178により
決定される位置および姿勢が3次元(立体)スコープ1
74の湾曲角に対応するよう動作させる。
【0070】また、一対の処置具175,176は、操
作部180a,180b,180c,180dにより機
械的に操作される。また、力覚センサ179aは力の3
つの方向ベクトルを力覚センサ179bは力の2つの方
向ベクトルと1つの回転を検出できるように、内部に歪
みゲージが搭載されている。
【0071】なお、図17においては、3次元(立体)
スコープとしての内視鏡と処置具を一体とする挿入部を
示しているが、内視鏡だけ、あるいは、処置具だけの構
成でも構わない。また、内視鏡としては、先端部に湾曲
機構を有する実施例を示しているが、硬性鏡でも構わな
い。また、本実施例の手術用マニピュレータの動作を制
御するシステムの構造は、第1実施例の図2に示したも
のと同一であり、説明を省略する。
【0072】次に、本実施例の作用について説明する。
脳外分野でのポイントロック位置は患者頭部d内に位置
する部分であるため、例えば、予めCT等の画像観察装
置によって、目的部位の位置を認識しておく必要があ
る。この目的部位の位置を知るためには、例えば、制御
装置121の標準入力装置から位置情報を入力したりす
ることによって、制御装置121側で目的部位(ポイン
トロック位置)とスレーブマニピュレータ101との位
置関係を認識させることも可能である。
【0073】また、ポイントロック位置が内視鏡を挿入
する予め開けられた挿入孔より確認できる場合には、ス
レーブマニピュレータ101より手術器械103をいっ
たん取り外し、その代わりに図21に示すレーザーポイ
ンタ191と光学的測距手段192を備えるポイントロ
ック点指示冶具190をスレーブマニピュレータに取り
付ける。ここで測距手段にはカメラのオートフォーカス
機構の焦点調節に用いられる機構などが利用できる。こ
のポイントロック点指示冶具を使用するのに適した例
は、本実施例のように脳外科分野など不用意に患部に触
れると患者に対して大きなダメージを与えてしまう場合
が考えられる。また、本実施例の装置は、ポイントロッ
ク点を患者に対して非接触測定できるため、ポイントロ
ック点指示冶具を使用するたびに洗浄、消毒、滅菌する
必要がない。
【0074】次に本実施例におけるポイントロック点の
求め方について説明する。図21のようにスレーブマニ
ピュレータ101に冶具190を取り付け、力覚センサ
153a、153bを操作し、スレーブマニピュレータ
101の位置、姿勢を変化させることにより、冶具19
0に取り付けられているレーザーポインタ191の指し
示す位置とポイントロック点とを一致させる。このとき
のレーザーポインタ191の指し示す位置と、冶具19
0の先端との距離は光学的測距手段192により検出さ
れる。レーザーポインタ191の指し示す位置はスレー
ブマニピュレータ101の各軸に取り付けられたエンコ
ーダの出力と光学的測距手段192により検出された距
離情報を制御装置121で計算することで求められ、こ
れを制御装置121内に設けられた記憶手段にポイント
ロック点として記憶させる。
【0075】その後、冶具190をスレーブマニピュレ
ータ101より取り外し、手術器械103をスレーブマ
ニピュレータ101に取り付ける。その後の操作作用等
については第1実施例と同様なので省略する。
【0076】次に、具体的な動作について説明すると、
図18(a)で示したように、手術器械172をS1の
状態から水平方向(矢印方向)に移動させるために、ス
レーブマニピュレータ171のA3軸を伸長するように
操作(力覚センサ179aをB3方向に押す)したとす
る。ポイントロックモードでない時には、図18(a)
の点線で示されたように手術器械172の先端が移動す
るが、ポイントロックモードの時には、ポイントロック
位置Aと手術器械172の長軸とが一致するように動作
するため、図18(a)に示されているS1の状態から
S2の状態に移動する。
【0077】手術器械172を図18(b)に示すよう
にS3の状態から垂直方向(矢印方向に移動させるため
に、図17に示すように、スレーブマニピュレータ17
1のA2軸を短縮するように操作(力覚センサ179a
−B2方向に押す)したとする。ポイントロックモード
でない場合には、手術器械172は図18(b)の点線
で示す部分に移動するが、ポイントロックモード時に
は、図18(b)に示すS4の状態に移動する。
【0078】また、水平・垂直についての移動方法を示
したが、スレーブマニピュレータ171は、回転を行わ
せることも可能であり、それについては、図18(c)
に示したS3の状態からスレーブマニピュレータ171
のA5軸が回転するように力覚センサ179bのB5を
操作する。ポイントロックモードでない時は、図18
(c)のS5の状態から点線で示す部分に手術器械17
2が移動するが、ポイントロックモードの時は、ポイン
トロック拘束条件を満たすために、姿勢をS6に移動さ
せる。
【0079】以上脳外分野で使用される手術器械172
をスレーブマニピュレータ171に取り付けた時の、ス
レーブマニピュレータ171の操作方法を説明したが、
脳外分野で使用する場合、ポイントロック位置というの
は、患者頭部d内にある。
【0080】したがって、第1実施例で示したように、
ポイントロック位置を通過するということは実際には無
いが、もし、ポイントロック位置と手術器械172の先
端部の位置が一致した場合、第1実施例で示したよう
に、特異点が生じるようになるため、本実施例でも制御
装置121側で第1の実施例で示した不感帯の処理を行
い、姿勢を決定できなくなった場合、不感帯に入る直前
の姿勢に決定する処理を制御装置121側で行わせてい
る。
【0081】前述した一連の作業を図19に示す。図1
9により、術者はダイレクトムーブの操作を行う。操作
後は、力覚センサによって、ダイレクトムーブの先端に
おける位置および回転を動作指令として制御装置に入力
される。ダイレクトムーブの位置および回転情報が入力
されると、ダイレクトムーブより求めた位置・姿勢情報
をスレーブマニピュレータの手術器械の位置または姿勢
に座標変換する。
【0082】座標変換された後、手術器械の操作対象部
位の位置が、処置または観察対象とする部位の位置に対
して近傍にあるか否かを判断し、対象部位近傍にある場
合には、挿入部の長軸の傾きの値として、手術器械の操
作対象部位の位置が、処置または観察を対象とする部位
の位置に対して近傍の距離に入る直前の値を用い、さら
に、挿入部の長軸まわりの回転が、スレーブマニピュレ
ータの回転の指令に一致するように動作させる。
【0083】もし、手術器械の操作対象部の位置がマス
タースレーブマニピュレータにより決定された指令位置
に一致するように、挿入部の長軸まわりの回転がスレー
ブマニピュレータの回転の指令に一致するように動作さ
せる。
【0084】したがって、力覚センサの操作により決定
される位置および姿勢が、スレーブマニピュレータの手
術器械の挿入部が、観察および処置を行う対象部位に対
し、挿入部を真っ直ぐ挿入する拘束条件を満たさない場
合においても、この拘束条件を満たすよう動作させるこ
とができる。
【0085】また、術者は、力覚センサの操作を行う
と、これに追従してスレーブマニピュレータが動作し、
体腔内に挿入された手術器械をスムーズに操作すること
ができる。
【0086】また、術者は、また術者の頭部にHMDお
よび3次元位置センサを設けているので、術者が頭部を
動かすと、3次元位置センサの動きに追従して、3次元
スコープの湾曲部が動作するため、術者はHMDに表示
された画像を観察しながら手術器械で処置ができる。し
たがって、体腔内に居るような臨場感の中で処置が可能
となるため開腹術の感覚で内視鏡下手術が可能となる。
【0087】図20(a)は現在の処置具181の先端
TCPと患者頭部dとの位置関係を示す。このまま、処
置具181を患者頭部dに挿入しようとすると、図20
(b)のように患者頭部dに接触して危険である。
【0088】そこで、患者頭部d内の所望の位置と処置
具Z軸とが同一になるように姿勢変換させる。制御装置
121側での処理としては、所望位置と現在の処置具1
81の先端TCPの位置とを結ぶ線分Rを引く。次に、
線分Rの空間上の姿勢を求め、現在位置での処置具18
1の先端TCPの姿勢を求める。
【0089】前記処理が終わったら、処置具181の先
端TCPの位置をそのまま保持しながら線分Rの姿勢と
処置具181との姿勢が同一になるようにスレーブマニ
ピュレータ171を動作させる。具体的には、制御装置
121側で処置具181の姿勢の値と線分Rの姿勢の値
との差がゼロになるように動作させる。これによって、
図20(c)に示すように、処置具181の挿入のため
の姿勢変換がなされ、姿勢変換後ポイントロックを行い
ながら処置具181を患者頭部dに挿入していく。
【0090】したがって、スレーブマニピュレータ17
1に設けた処置具181の長軸が頭部dの挿入孔に向か
っていない場合においても、長軸の延長線上に挿入孔が
くるように動作させることができ、ひいては処置具18
1の挿入が容易となる。
【0091】また、術者は、マスターマニピュレータの
操作を行うと、これに追従してスレーブマニピュレータ
171が動作し、体腔内に挿入された処置具181を操
作することができ、また術者の頭部dにHMD177お
よびHMD177の回転軸にエンコーダ120が設けて
あるため、術者が頭部を動かすと、エンコーダ120の
動きに追従して、スレーブマニピュレータ171に固定
された3次元(立体)スコープ174が術野の画像をH
MD177に表示し、術者はHMD177に表示された
画像を観察しながら処置具181で処置ができる。した
がって、体腔内に居るような臨場感の中で処置が可能と
なるため開腹術の感覚で内視鏡下手術が可能となる。
【0092】次に第3実施例について説明する。図22
は第1実施例にて説明した手術用マニピュレータの手術
器械103をスレーブマニピュレータより取り外しポイ
ントロック位置決定用冶具195を取り付けた状態を示
す。ポイントロック位置決定用の冶具195はスレーブ
マニピュレータに取り付ける取り付け部を有する棒状の
ものであり、手術器械103の挿入部102よりも長い
全長を有している。好ましくは冶具195の全長は挿入
部102よりも1cmから数cm長いことが望ましい。
これは冶具195を使用してポイントロック点を求めた
後、スレーブマニピュレータの位置、姿勢を変化させる
ことなく冶具195を取り外し、手術器械103を取り
付けたとしても、取り付け作業中において手術器械10
3の先端がポイントロック点より先に行かないようにす
るためである。本実施例の冶具195を使用すると好ま
しい条件は手術器械103の先端にある装置に湾曲機構
が存在し、手術器械103の剛性が低く、わずかな接触
圧で変形してしまい、正確なポイントロック点を手術器
械103の先端では求められない場合や、複数の機器が
手術器械103の先端に取り付けられていて、正確なポ
イントロック点を手術器械103では指し示せない場合
に特に有効である。
【0093】次に本実施例におけるポイントロック点の
求め方について述べる。図22のように、スレーブマニ
ピュレータ101に冶具195を取り付け、力覚センサ
153a、153bを操作し、スレーブマニピュレータ
101の位置、姿勢を変化させることにより、冶具19
5の先端とポイントロック点とを一致させる。このとき
の冶具195の先端位置はスレーブマニピュレータ10
1の各軸に取り付けられたエンコーダの出力を制御装置
121で計算することで求められ、これを制御装置12
1内に設けられた記憶手段にポイントロック点として記
憶させる。
【0094】その後、冶具195をスレーブマニピュレ
ータ101より取り外し、手術器械103をスレーブマ
ニピュレータ101に取り付ける。その後の操作作用等
については第1実施例と同様なので省略する。
【0095】以上、図11乃至図22を参照して上記し
た第1乃至第3実施例によれば、術者が手術器械の動き
を拘束する拘束点を予め計測するときに、マニピュレー
タに取り付けられた入力手段をマニピュレータ先端を動
かしたいと思う方向に操作し、拘束点を指示する装置の
指示点を拘束点に合わせることのみで拘束点の位置を容
易に手術用マニピュレータの記憶手段に記憶させ、記憶
手段で記憶された拘束点に拘束された動きをマニピュレ
ータに行わせることができる。また、これによりマニピ
ュレータが患者に過大な力を加えることがなくなるの
で、安全に手術を行うことができるようになる。
【0096】上記した具体的実施例から以下のような構
成の技術的思想が導き出される。 (1) 生体に形成した挿入孔を介して脱着可能な挿入
体を遠隔操作によって駆動して生体内組織部位の観察ま
たは処置を行う医療用マニピュレータにおいて、前記挿
入孔の位置を指示するポインタを有する位置決め手段を
具備することを特徴とする医療用マニピュレータ。 (2) 前記挿入体の代わりに挿入でき着脱自在に固定
する固定手段を有する構成(1)に記載の医療用マニピ
ュレータ。 (3) 前記医療用マニピュレータの関節を拘束する拘
束手段を有する構成(1)に記載の医療用マニピュレー
タ。 (4) 前記挿入体の代わりに挿入して着脱自在に固定
する固定手段と、前記医療用マニピュレータの関節を拘
束する拘束手段を有する構成(1)に記載の医療用マニ
ピュレータ。 (5) 前記固定手段が前記拘束手段と連動している構
成(4)に記載の医療用マニピュレータ。 (6) 前記ポインタと位置決め手段の前記医療用マニ
ピュレータへの取付け位置との位置関係を可変する可変
手段を有する構成(1)乃至(5)のいずれかに記載の
医療用マニピュレータ。 (7) 前記ポインタが光線を使用して位置を指示する
構成(1)に記載の医療用マニピュレータ。 (8) 2本以上の光線を使用し、各光線は交点を有す
るようにアライメントされている構成(7)に記載の医
療用マニピュレータ。 (9) 前記2本以上の光線がなす交点の位置が可変で
ある構成(8)に記載の医療用マニピュレータ。 (10) 前記医療用マニピュレータを操作する操作手
段と、構成(1)乃至(9)のいずれかに記載の位置決
め手段を有する医療用マニピュレータ。 (11) 術者が操作できる領域内に設置された操作手
段と、術野にアクセスするように設置された前記操作手
段の操作に追従した動きを行うマニピュレータと、前記
マニピュレータにより保持され、体腔内に挿入される挿
入部を有した手術器具とを具備して、前記手術器具が拘
束点により拘束された動きを行う手術用マニピュレータ
システムにおいて、前記マニピュレータに取り付けら
れ、前記マニピュレータの動きを指示する術者が操作可
能な入力手段と、前記拘束点を指示する指示手段と、こ
の指示手段で指示された位置を記憶する拘束点記憶手段
と、前記手術器具が前記拘束点で拘束された動きを行う
ように前記マニピュレータを制御する制御手段とを具備
する手術用マニピュレータ。 (12) 前記指示手段が前記マニピュレータの先端に
着脱自在に取り付けられ、前記入力手段を操作して前記
マニピュレータを動作させることにより、前記拘束点を
前記指示手段により指示する構成(11)に記載の手術
用マニピュレータ。 (13) 前記指示手段の長さが、前記手術器具の挿入
部の長さよりも長い構成(11)に記載の手術用マニピ
ュレータ。
【0097】上記した構成(1)〜(13)の作用は以
下の通りである。 1.構成(1)〜(10)に係る発明の作用は、マニピ
ュレータに着脱自在で、挿入孔の位置を指示するポイン
タを有する位置決め手段をマニピュレータに装着した状
態で、マニピュレータに対する操作入力手段を用いてマ
ニピュレータを操作し、挿入孔をポインタで指示するこ
とで、挿入孔の位置をマニピュレータ制御装置に取り込
むことである。 2.構成(2)、(4)に係る発明の作用は、挿入体を
有する医療用マニピュレータにおいて、位置決め手段の
脱着機構を挿入体の脱着機構と共用することにより、マ
ニピュレータの構成を単純にすることである。 3.構成(3)、(4)に係る発明の作用は、自由関節
を有するマニピュレータにおいて、位置決め手段によっ
て自由関節を拘束することで、ポインタの位置を一意的
に定めることである。 4.構成(5)に係る発明の作用は、挿入体および自由
関節を有するマニピュレータの場合、位置決め手段の脱
着と自由関節の拘束を連動させることにより、一つの動
作で位置決め手段の固定と自由関節の拘束を行うことで
ある。 5.構成(6)に係る発明の作用は、ポインタと位置決
め手段のマニピュレータへの取付位置を可変すること
で、周囲機器とマニピュレータとの干渉を避けて挿入孔
検出を行うことである。また、挿入体と位置決め手段の
位置関係を同等にすることで、位置決め手段の位置関係
の定数を入力することを不要にする。 6.構成(7)に係る発明の作用は、光線を位置指示の
ポインタとして用いることで、非接触で挿入孔の位置を
指示することができることである。 7.構成(8)に係る発明の作用は、2本の光線の交点
を位置指示のポインタとして用いることで、非接触で挿
入孔の位置を正確に指示することである。 8.構成(9)に係る発明の作用は、2本の光線の交点
の位置を可変することで光線が他の機器と干渉して見え
なくなることを避けられることである。 9.構成(11)〜(13)に係る発明の作用は、マニ
ピュレータの動きを指示する術者が操作可能な入力手段
をマニピュレータに取り付けるとともに、指示手段によ
って拘束点を指示する。そして、この指示手段で指示さ
れた位置を記憶して、手術器具が前記拘束点で拘束され
た動きを行うように前記マニピュレータを制御すること
である。
【0098】上記した構成(1)〜(13)の効果は以
下の通りである。 1.構成(1)〜(10)に係る発明の効果は、マニピ
ュレータに着脱自在の位置決め手段を取り付けることに
よって、別途3次元位置検出手段を設けることなく、マ
ニピュレータの操作手段を用いて、挿入孔の位置を検出
できることである。 2.構成(2)、(4)に係る発明の効果は、位置決め
手段の脱着機構を挿入体の脱着機構と共用することによ
り、マニピュレータの構成を単純化できることである。 3.構成(3)、(4)に係る発明の効果は、位置決め
手段によってマニピュレータの自由関節を拘束すること
で、ポインタの位置を一意的に定めることである。 4.構成(5)に係る発明の効果は、位置決め手段の脱
着と自由関節の拘束を連動させることにより、挿入孔の
検出時の操作者の労力を減らしたことである。 5.構成(6)に係る発明の効果は、位置決め手段を取
付けた状態でマニピュレータが周囲機器と干渉した場合
にも、ポインタと位置決め手段のマニピュレータへの取
付位置を可変することで干渉を避けられることである。
また、先端処置具の種類、内視鏡や、挿入部の長さとい
った挿入体の位置関係の違いが存在するが、位置決め手
段の位置関係を挿入体と一致させることで、位置決め手
段の位置関係の定数を入力する必要がなくなる。また、
一つの位置決め手段で、多数の挿入体の位置決め手段と
して共通に用いることができるという効果がある。 6.構成(7)に係る発明の効果は、非接触で位置を指
示できるため、周辺機器で挿入孔付近に障害物が多くて
も、容易に挿入孔の位置を教示できることである。 7.構成(8)に係る発明の効果は、2本の光線の交点
を位置指示のポインタとして用いることで、非接触で挿
入孔の位置を正確に指示できることである。 8.構成(9)に係る発明の効果は、2本の光線の交点
の位置を可変することで光線が他の機器と干渉して見え
なくなることを防止できることである。 9.構成(11)〜(13)に係る発明の効果は、術者
が手術器械の動きを拘束する拘束点を予め計測するとき
に、マニピュレータに取り付けられた入力手段をマニピ
ュレータ先端を動かしたいと思う方向に操作し、拘束点
を指示する装置の指示点を拘束点に合わせることのみで
拘束点の位置を容易に手術用マニピュレータの記憶手段
に記憶させ、記憶手段で記憶された拘束点に拘束された
動きをマニピュレータに行わせることができる。また、
これによりマニピュレータが患者に過大な力を加えるこ
とがなくなるので、安全に手術を行うことができるよう
になる。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、マニピュレータを用い
て内視鏡下外科手術を行うにあたって、挿入孔の位置を
簡便な手段でマニピュレータ制御装置に教示することが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るシステム構成図であ
る。
【図2】第1実施例の処置用マニピュレータの構成を示
す図である。
【図3】生体内操作時の処置用マニピュレータの状態を
示す図である。
【図4】挿入孔の位置を知るための第1実施例の方法を
説明するための図である。
【図5】第2実施例の処置用マニピュレータの構成を示
す図である。
【図6】挿入孔の位置を知るための第2実施例の方法を
説明するための図である。
【図7】異なる種類の挿入体を示す図である。
【図8】挿入孔の位置を知るための第4実施例の方法を
説明するための図である。
【図9】挿入孔の位置を知るための第4実施例の方法を
説明するための図である。
【図10】挿入孔の位置を知るための第3実施例の他の
方法を説明するための図である。
【図11】第1の実施例に係る手術用マニピュレータの
全体構成図である。
【図12】手術用マニピュレータの制御装置のブロック
図である。
【図13】手術用マニピュレータの概略的構成図であ
る。
【図14】手術用マニピュレータの作用を説明するため
の図である。
【図15】スレーブマニピュレータの側面図である。
【図16】第1実施例の作用を示すフローチャート図で
ある。
【図17】第2実施例を示す手術用マニピュレータの斜
視図である。
【図18】手術用マニピュレータの作用を説明するため
の図である。
【図19】第2実施例の作用を示すフローチャートであ
る。
【図20】現在の処置具の先端と患者頭部との位置関係
を示す図である。
【図21】第2実施例において、ポイントロック点の求
め方を説明するための図である。
【図22】第3実施例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…処置用マニピュレータシステム、2…観察用マニピ
ュレータ、3…内視鏡、7…処置用マニピュレータ、1
4…観察用マニピュレータ、15…先端処置具、24…
挿入孔の位置、29…位置決め冶具。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体に形成した挿入孔を介して脱着可能
    な挿入体を遠隔操作によって駆動して生体内組織部位の
    観察または処置を行う医療用マニピュレータにおいて、 前記挿入孔の位置を指示するポインタを有する位置決め
    手段を具備することを特徴とする医療用マニピュレー
    タ。
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