JPH0821728B2 - 半導体受光素子と、これを用いた検出器 - Google Patents

半導体受光素子と、これを用いた検出器

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JPH0821728B2
JPH0821728B2 JP63143367A JP14336788A JPH0821728B2 JP H0821728 B2 JPH0821728 B2 JP H0821728B2 JP 63143367 A JP63143367 A JP 63143367A JP 14336788 A JP14336788 A JP 14336788A JP H0821728 B2 JPH0821728 B2 JP H0821728B2
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徹 廣畑
和利 中嶋
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体受光素子と、これを利用して温度や入
射光の波長を検出する検出器に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、半導体受光素子として例えばフォトダイオード
が知られている。これは、半導体のpn接合あるいは金属
と半導体のショットキ接合を有しており、半導体のバン
ドギャップエネルギーEg以上のエネルギーを持った光
(より短波長の光)が入射されると光電流が得られる。
そして、その光電流出力に対応した放射感度の波長依存
性は、例えば第2図に点線および一点鎖線で示したPD−
1,2のようになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
第2図から明らかなように、従来の半導体受光素子に
よる放射感度は数百ナノメーター(nm)の広い波長範囲
で得られるため、特定の狭い波長範囲の入射光の検出に
は、そのままの構成では用いることができなかった。そ
こで、従来はフォトダイオードの入射面側に特定波長の
光のみを透過させるフィルタを取り付けていた。しか
し、これでは上記のフィルタが不可欠なものとなってし
まう。
そこで本発明は、フィルタなどを用いることなく、狭
帯域の入射光のみを検出できる新規な半導体受光素子を
提供することを目的とする。
また本発明は、このような半導体受光素子を利用して
環境温度や入射光の波長を検出できる検出器を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る半導体受光素子は、半導体基板の上面に
第1の電極が形成され、かつ下面に第2の電極が形成さ
れ、上面側から入射光を受けるようにした半導体受光素
子であって、第1の電極は入射光を透過させる材料もし
くは厚さで形成され、半導体基板の入射光方向の厚さが
当該半導体基板に対する入射光の特性吸収長と対応して
いることを特徴とする。
また、本発明に係る温度検出器は、上記の半導体受光
素子と、第1および第2の電極からの出力信号の入射光
の波長に対する依存性にもとづいて半導体受光素子の温
度に対応した検出信号を出力する検出信号出力手段とを
備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る波長検出器は、上記の半導体受
光素子において第1の電極を複数とし、かつこの複数の
電極ごとに半導体基板の厚さを所定の範囲で異ならせる
と共に、第1の電極を形成する複数の電極から得られる
出力信号にもとづいて入射光の波長に対応した検出信号
を出力する検出信号出力手段を備えることを特徴とす
る。
〔作用〕
本発明の構成によれば、半導体基板を挟む第1の電極
と第2の電極の電極間隔を半導体基板に対する入射光の
特性吸収長と対応させたので、特定の波長でピークを示
す放射感度特性が得られる。そして、この放射感度のピ
ークが現れる波長帯は電極間隔に依存して変化し、また
温度に依存して変化するので、波長検出器や温度検出器
に応用することが可能になる。
〔実施例〕
以下、添付図面の第1図ないし第6図にもとづいて、
本発明の実施例を説明する。なお、図面の説明において
同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略す
る。
第1図は本発明の実施例に係る半導体受光素子の断面
図である。例えば高抵抗のGaAs(ガリウムヒ素)からな
る半導体基板1の上面には、第1の電極2としてAu
(金)によるショットキ電極が形成され、下面には第2
の電極3としてAuGe(金・ゲルマニウム)、Ni(ニッケ
ル)およびAuの三層からなるオーミック電極が形成され
ている。そして、第1の電極2には端子4、第2の電極
3には端子5がそれぞれ接続され、これによって半導体
受光素子のショットキ接合に逆バイアスが印加されるよ
うになっている。
半導体受光素子への光の入射は、第1図で矢印Aによ
り示す如く第1の電極2の方向からなされ、従って第1
の電極2はこの入射光を透過できる程度に十分薄く(例
えばl=80Å)となっている。また、半導体基板1の厚
さLは半導体基板1に対する入射光の特性吸収長と対応
しており、実施例の場合には百〜数百ミクロン(μm)
となっている。なお、この特性吸収長の意義については
後述する。
本発明者は上記のような半導体受光素子について放射
感度の波長依存性を調べた結果、第2図に実線(PD−
3)で示すような特性が得られることを見出した。第2
図において、一点鎖線で示すPD−1はSi(シリコン)か
らなる市販のフォトダイオードの放射感度であり、点線
で示すPD−2はGaAsP(ガリウムヒ素リン)からなる市
販のフォトダイオードの放射感度である。これに対し、
実線で示すPD−3は第1図の構造において、高抵抗のGa
Asからなる半導体基板1の厚さすなわち第1の電極2と
第2の電極3の間の電極間隔Lを225μmとしたときの
放射感度である。第2図から、波長870〜880nm付近に鋭
いピークを持っていることがわかる。
上記のような放射感度の鋭いピークは、次のような理
由で生成するものと考えられる。これを第3図により説
明する。同図(a)は波長λ〜λ(λ<λ<λ
<λ)の光が第1の電極2を透過して半導体基板1
中に入射する様子を示す半導体受光素子の断面図であ
り、同図(b)は吸収係数のフォトンエネルギーに対す
る依存性を片対数で示した図であり、同図(c)は放射
感度(A/W)の波長(nm)依存性を片対数で示した図で
ある。
まず、波長の短い光(λ)はエネルギが大きく、第
3図(a)のように半導体基板1に入射すると直ちに吸
収され、従って第3図(b)のように吸収係数は大き
い。そして、吸収の過程において電子/正孔対が生成さ
れる。この光生成キャリアは半導体基板1の表面で再結
合され(表面再結合)、従ってこの場合の放射感度は第
3図(c)のように十分に低い値となっている。
次に、より長い波長の光(λ)が半導体基板1のバ
ンドギャップエネルギーEg近傍のエネルギーを有してい
るときには、吸収係数は第2図(b)のように急に低下
しはじめる。そして、第2図(a)のように半導体基板
1の内部に入って中間近傍で吸収され、電子/正孔対を
生成させる。ところが、高抵抗のGaAsからなる半導体基
板1ではCr(クロム)あるいはEL2補償等による深いレ
ベルのトラップ準位が含まれており、従って上記の光生
成キャリアはこの深いレベルのトラップにて捕獲あるい
は再結合され、検出されることがない。このため、放射
感度は第3図(c)のようにあまり高くなることはな
い。このような高抵抗状態は真性状態と呼ばれている。
次に、より波長の長い光(λ)が半導体基板1のバ
ンドギャップエネルギーEgよりもわずかに低いエネルギ
ーを有しているときは、第3図(b)のように吸収係数
が指数関数的に低くなり、従って半導体基板1に入射さ
れると端子4の近傍まで到達し、電子/正孔対を生成さ
せる。この光生成キャリアの中には前述の深いレベルの
トラップ準位に捕獲されるものもあるが、第3図(a)
に記号L0で示す深い部分でキャリアが生成されるとき
は、その多くは端子4にまで達し、このため第3図
(c)のように放射感度のピークを生じさせる。なお、
ピークを生じさせる光の到達深さL0は、キャリアの寿命
をτとし、走行時間をtとすると、 L0=t・τ として求められる。
次に、十分に長い波長(λ)の光が入射されると、
吸収係数は第3図(b)のように十分に低く、従って光
は第3図(a)のように半導体基板1を通過してキャリ
アを生成させることがない。このため、放射感度は第3
図(c)のように低くなってしまう。
以上の考察から、本発明の必須の構成要件をまとめる
と、次のようになる。
まず、本発明においては半導体基板1の両面に第1の
電極2および第2の電極3が形成されていることが必要
であり、かつ光入射側の第1の電極2は透光性を有して
いることが必要である。ここで、第1の電極2がショッ
トキ電極であれば暗電流を低減させることができるが、
オーミック電極であってもよい。また、第1の電極は実
施例のように薄くすることで透光性を持たせてもよい
が、それ自体を透光性の材料で形成してもよい。
次に、半導体基板1の光入射方向の厚さすなわち電極
間隔Lは、半導体基板1に対する入射光の特性吸収長と
対応していることが必要である。すなわち、入射光のあ
る波長域において半導体基板1の吸収係数が大きく変化
していることが必要であり、この変化領域の波長の光が
到達できる半導体基板1の深さ(特性吸収長)が電極間
隔Lと対応していることが必要である。従って、上記実
施例では半導体基板1のバンドギャップエネルギーEg
傍での吸収係数の変化に着目しているが、このような変
化を有するものであればバンドギャップエネルギーEg
傍の特性に限定されるものではない。さらに、放射感度
のピークを急峻なものとするためには、半導体基板1に
トラップ準位を含ませることが好ましいが、本発明はこ
れに限られるものではない。
次に、放射感度の電極間隔Lに対する依存性について
説明する。
第4図は電極間隔Lを414μm、225μm、70μmと変
化させたときの放射感度の波長依存性を示している。な
お、半導体基板1はGaAsとし、0℃で測定した結果を示
している。同図において着目すべき点は、放射感度のピ
ークを示す波長が電極間隔Lによって微妙に変化してい
ることである。これは、入射光が長波長になるに従っ
て、特性吸収長が長くなることを意味している。また、
ピークが短波長側にシフトするにつれて、ピークの半値
幅が大きくなっていることがわかる。
このように電極間隔Lによってピークの現れる波長域
がシフトするため、本発明の半導体受光素子は第5図の
ような波長センサとして応用することができる。すなわ
ち、半導体基板1の厚さをLa,Lb,Lc(La<Lb<Lc)と段
階的に変化させる。すると、第1の電極2a,2b,2cのそれ
ぞれから出力される検出信号の放射感度のピークは、波
長λab(λ<λ<λ)となり、従って入
射光の波長を検出することが可能になる。また、バンド
ギャップエネルギーEg近傍の波長で吸収特性の変化に着
目する場合には、このバンドギャップエネルギーEgは半
導体の種類ごとに異なるものであり、従って複数種類の
半導体基板1を用いてこれらのそれぞれに第5図のよう
な段差をつければ、更に広い波長範囲での波長検出が可
能になる。
次に、放射感度の周囲温度に対する依存性を説明す
る。
第6図は電極間隔Lが225μmのときに、温度を−40
℃,−20℃,0℃,+19℃と変化させたときの放射感度の
波長依存性を示している。同図において着目すべき点
は、放射感度のピークを示す波長が低温になるにつれて
短波長側にシフトしていることである。これは、温度に
よって半導体基板1のハンドギャップエネルギーEgが変
化することと対応している。
このため、本発明の半導体受光素子は極めて敏感な温
度センサに用いることができる。すなわち、第1図のよ
うな半導体受光素子に光を入射し、放射感度のピークが
生じる波長を検出すれば、半導体受光素子の温度を知る
ことができる。このとき、入射光は外部からのものであ
ってもよく、別途に光源が付設されていてもよい。な
お、この温度依存性を利用すれば、温度可変フィルタ機
能付きの受光素子を実現することもできる。
〔発明の効果〕
以上、詳細に説明した通り本発明では、半導体基板を
挟む第1の電極と第2の電極の電極間隔を半導体基板1
に対する入射光の特性吸収長と対応させたので、特定の
波長でピークを示す放射感度特性が得られる。そして、
この放射感度のピークが生じる波長は電極間隔Lに依存
して変化し、また温度に依存して変化するので、フィル
タなどを設けることなく狭帯域の波長の光を検出できる
だけでなく、極めて高感度の波長センサや温度センサに
も応用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例に係る半導体受光素子の断面
図、第2図は、その放射感度を従来のフォトダイオード
と比較して説明する特性図、第3図は、第1図に示す実
施例の作用の説明図、第4図は、放射感度の電極間隔L
に対する依存性を説明する特性図、第5図は、波長セン
サとして応用するときの断面図、第6図は、放射感度の
温度に対する依存性を説明する特性図である。 1……半導体基板、2……第1の電極、3……第2の電
極、L……電極間隔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 和利 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 飯田 孝 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 藁科 禎久 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−121668(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高抵抗半導体基板の上面に第1の電極が形
    成され、かつ下面に第2の電極が形成され、前記上面側
    から入射光を受けるようにした半導体受光素子であっ
    て、 前記第1の電極は前記入射光を透過させる材料もしくは
    厚さで形成され、 前記半導体基板の前記入射光方向の厚さが吸収係数が大
    きく変化する領域の波長の前記入射光が到達する基板深
    さに対応していることを特徴とする半導体受光素子。
  2. 【請求項2】高抵抗半導体基板の上面に第1の電極が形
    成され、かつ下面に第2の電極が形成され、前記上面側
    から入射光を受けるようにした半導体受光素子であっ
    て、前記第1の電極は前記入射光を透過させる材料もし
    くは厚さで形成され、前記半導体基板の前記入射光方向
    の厚さが吸収係数が大きく変化する領域の波長の前記入
    射光が到達する基板深さに対応している半導体受光素子
    と、 前記第1および第2の電極からの出力信号の前記入射光
    の波長に対する依存性にもとづいて前記半導体受光素子
    の温度に対応した検出信号を出力する検出信号出力手段
    と を備えることを特徴とする温度検出器。
  3. 【請求項3】高抵抗半導体基板の上面に第1の電極が形
    成され、かつ下面に第2の電極が形成され、前記上面側
    から入射光を受けるようにした半導体受光素子であっ
    て、前記半導体基板は前記入射光方向の厚さが互いに異
    なる複数の領域を有し、 前記第1の電極は前記厚さの異なる領域ごとに形成され
    た複数の電極を含んで前記入射光を透過させる材料もし
    くは厚さで形成され、かつ前記半導体基板の前記厚さの
    異なる領域における各半導体基板材料は同じ材料が選ば
    れ、しかも、前記半導体基板の前記厚さの異なる領域に
    おける前記入射方向の厚さのそれぞれが、前記入射光中
    の異なる波長の光成分に対してそれぞれ異なる放射感度
    のピークを示す厚さに選ばれている半導体受光素子と、 前記第1の電極を構成する複数の電極から得られる出力
    信号にもとづいて前記入射光の波長に対応した検出信号
    を出力する検出信号出力手段と を備えることを特徴とする波長検出器。
  4. 【請求項4】高抵抗半導体基板の上面に第1の電極が形
    成され、かつ下面に第2の電極が形成され、前記上面側
    から入射光を受けるようにした半導体受光素子であっ
    て、前記半導体基板は前記入射光方向の厚さが互いに異
    なる複数の領域を有し、 前記第1の電極は前記厚さの異なる領域ごとに形成され
    た複数の電極を含んで前記入射光を透過させる材料もし
    くは厚さで形成され、かつ前記半導体基板の前記厚さの
    異なる領域における各半導体基板材料は異なる材料が選
    ばれ、しかも、前記半導体基板の前記厚さの異なる領域
    における前記入射方向の厚さのそれぞれが、吸収係数が
    大きく変化する領域の波長の前記入射光が到達する基板
    深さに対応している半導体受光素子と、 前記第1の電極を構成する複数の電極から得られる出力
    信号にもとづいて前記入射光の波長に対応した検出信号
    を出力する検出信号出力手段と を備えることを特徴とする波長検出器。
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