JPH08218144A - スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板 - Google Patents
スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板Info
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- JPH08218144A JPH08218144A JP2522695A JP2522695A JPH08218144A JP H08218144 A JPH08218144 A JP H08218144A JP 2522695 A JP2522695 A JP 2522695A JP 2522695 A JP2522695 A JP 2522695A JP H08218144 A JPH08218144 A JP H08218144A
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- corrosion cracking
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャン
エンド用Al合金板の提供。 【構成】 重量%でMg:3.00〜5.50%、M
n:0.35〜0.60%、Fe:0.10〜0.60
%、Cu:0.03〜0.20%、Si:0.05〜
0.25%を含み、残部がAlおよび不可避不純物から
構成され、アルミニウム合金中の水素含有量が0.08
cc/100g以下であることを特徴とするスコア部の
耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板。 【効果】 応力腐食割れによる破裂の抑制に優れ、薄
肉、高強度化にも充分対応し、低コストで安定して製造
できる。
エンド用Al合金板の提供。 【構成】 重量%でMg:3.00〜5.50%、M
n:0.35〜0.60%、Fe:0.10〜0.60
%、Cu:0.03〜0.20%、Si:0.05〜
0.25%を含み、残部がAlおよび不可避不純物から
構成され、アルミニウム合金中の水素含有量が0.08
cc/100g以下であることを特徴とするスコア部の
耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板。 【効果】 応力腐食割れによる破裂の抑制に優れ、薄
肉、高強度化にも充分対応し、低コストで安定して製造
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール、炭酸飲料等の
容器に用いられるキャンエンド用Al合金板に係り、さ
らに詳細には、内容物充填、捲き締め後の内圧負荷状態
におけるスコア部の対応力腐食割れに優れたキャンエン
ド用Al合金板に関する。
容器に用いられるキャンエンド用Al合金板に係り、さ
らに詳細には、内容物充填、捲き締め後の内圧負荷状態
におけるスコア部の対応力腐食割れに優れたキャンエン
ド用Al合金板に関する。
【0002】
【従来の技術】環境問題の観点から、現在の金属缶容器
のキャンエンドの多くはプルタブがキャンエンドから離
れないステイオンタブ方式(SOT)が採用されている
が、SOT式のキャンエンドは、これまで主流であった
プルタブがキャンエンドから離れるリングプル方式(R
P)に比べ、開缶荷重が高いため、スコア加工後の残厚
を薄くし、開缶性の向上を図っている。しかしながら、
このスコア残厚の薄肉化により種々の問題が生じてい
る。
のキャンエンドの多くはプルタブがキャンエンドから離
れないステイオンタブ方式(SOT)が採用されている
が、SOT式のキャンエンドは、これまで主流であった
プルタブがキャンエンドから離れるリングプル方式(R
P)に比べ、開缶荷重が高いため、スコア加工後の残厚
を薄くし、開缶性の向上を図っている。しかしながら、
このスコア残厚の薄肉化により種々の問題が生じてい
る。
【0003】その中でも、JIS 5082、5182
等のAl合金板を使用している炭酸飲料等の内圧の高い
陽圧缶エンドにおいて、保管時にスコア部が破断し、開
口部が破裂するという問題を生じている。このスコア部
の破断はRP方式の場合でもごく稀に生じていたが、S
OT方式の導入によってその頻度は急激に増加してい
る。これら飲料缶は、内容物充填、捲き締め、缶洗浄後
にシュリンク包装等を施して倉庫等に保管されるが、高
温・多湿の保管状態では早くて一週間程で破裂を生ずる
ものがある。このスコアの破裂は、スコア部に内圧によ
る応力集中が生じ、タブの内側等に残留した洗浄液が腐
食液となりうることから応力腐食割れであるが、一般的
にAl−Mg系合金で生じる応力腐食割れとは異なる形
態を示す。
等のAl合金板を使用している炭酸飲料等の内圧の高い
陽圧缶エンドにおいて、保管時にスコア部が破断し、開
口部が破裂するという問題を生じている。このスコア部
の破断はRP方式の場合でもごく稀に生じていたが、S
OT方式の導入によってその頻度は急激に増加してい
る。これら飲料缶は、内容物充填、捲き締め、缶洗浄後
にシュリンク包装等を施して倉庫等に保管されるが、高
温・多湿の保管状態では早くて一週間程で破裂を生ずる
ものがある。このスコアの破裂は、スコア部に内圧によ
る応力集中が生じ、タブの内側等に残留した洗浄液が腐
食液となりうることから応力腐食割れであるが、一般的
にAl−Mg系合金で生じる応力腐食割れとは異なる形
態を示す。
【0004】一般的なAl−Mg系合金の応力腐食割れ
は、結晶粒界に析出した第2相であるβ相(Al3 Mg
2 )が、電気化学的不均一性により優先的に溶解し、溶
解により生じた亀裂が伝播して破壊に到ることが知られ
ている。しかしながら、キャンエンドで生じているスコ
ア割れは、結晶粒界からの破壊を示しておらず、一般的
な応力腐食割れの事例とは合致しない。
は、結晶粒界に析出した第2相であるβ相(Al3 Mg
2 )が、電気化学的不均一性により優先的に溶解し、溶
解により生じた亀裂が伝播して破壊に到ることが知られ
ている。しかしながら、キャンエンドで生じているスコ
ア割れは、結晶粒界からの破壊を示しておらず、一般的
な応力腐食割れの事例とは合致しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−33160
5号公報(文献1)には、割れはスコア加工による剪断
帯に沿って生じるため、Mg量を規制することにより、
結晶粒内、粒界を問わずβ相を低減し、スコア割れを低
減させることを述べている。この文献1では基本的にβ
相の溶解を抑制することを目的としているが、実際のキ
ャンエンドでは結晶粒内、粒界ともほとんどβ相の析出
のないものでも割れを生じている。また、これらの破面
を観察すると明らかにβ相の溶解による破面とは異なる
形態を示している。したがって文献1に示すようなβ相
を抑制する従来技術ではスコア割れを防止するには充分
とはいえない。
5号公報(文献1)には、割れはスコア加工による剪断
帯に沿って生じるため、Mg量を規制することにより、
結晶粒内、粒界を問わずβ相を低減し、スコア割れを低
減させることを述べている。この文献1では基本的にβ
相の溶解を抑制することを目的としているが、実際のキ
ャンエンドでは結晶粒内、粒界ともほとんどβ相の析出
のないものでも割れを生じている。また、これらの破面
を観察すると明らかにβ相の溶解による破面とは異なる
形態を示している。したがって文献1に示すようなβ相
を抑制する従来技術ではスコア割れを防止するには充分
とはいえない。
【0006】キャンエンドのスコア部の応力腐食割れの
原因について米国の文献「BLOWOUT OF AL
UMINIUM ALLOY 5182 CAN EN
DSCAUSED BY TRANSGRANULAR
STRESS CORROSION CRACKIN
G」[T.D.Burleigh,E.H.Gille
spie and S.C.Biondich,Alu
minum Alloys for Packagin
g,The Minerals,Metal&Mate
rials Society,1993](文献2)で
は、タブ内側に残留する洗浄水から水素が発生して微小
欠陥の多いスコア部に吸着し、水素脆性割れを生じさせ
ると明記している。したがって残留する洗浄水の水分そ
のものが水素の発生を招くため、洗浄後の水分および保
管雰囲気中の水分除去が重要である。しかしながら、洗
浄時、保管時の飲料メーカーでのコストアップを招くと
ともに小売店ごとの保管条件を統一する必要があるた
め、完全に水分を除去することは困難である。
原因について米国の文献「BLOWOUT OF AL
UMINIUM ALLOY 5182 CAN EN
DSCAUSED BY TRANSGRANULAR
STRESS CORROSION CRACKIN
G」[T.D.Burleigh,E.H.Gille
spie and S.C.Biondich,Alu
minum Alloys for Packagin
g,The Minerals,Metal&Mate
rials Society,1993](文献2)で
は、タブ内側に残留する洗浄水から水素が発生して微小
欠陥の多いスコア部に吸着し、水素脆性割れを生じさせ
ると明記している。したがって残留する洗浄水の水分そ
のものが水素の発生を招くため、洗浄後の水分および保
管雰囲気中の水分除去が重要である。しかしながら、洗
浄時、保管時の飲料メーカーでのコストアップを招くと
ともに小売店ごとの保管条件を統一する必要があるた
め、完全に水分を除去することは困難である。
【0007】また、外的要因である洗浄水の影響の他
に、Al合金板中に含有される水素も洗浄水と同様の影
響を及ぼし、Al合金板中の水素含有量の低減が重要と
なってくる。これまで、Al合金板中の水素含有量の規
制については、特開平5−320808号公報(文献
3)に示されるように、絞りしごき加工(DI加工)用
のAl合金板として提案されている。しかしながら文献
3はキャンボディ等に使用されるDI加工用Al合金板
であり、成形性向上のため水素含有量を規制している
が、応力腐食割れ(水素脆性割れ)については一切述べ
られていない。また、文献3の実施例の耐力値と化学成
分を考慮すると、本発明の対象である高内圧の陽圧缶用
キャンエンドに必要な耐力を得ることは困難であるとと
もに、Mn量が比較的多いためにリベット成形時の割
れ、スコア加工による割れを招く可能性があり、キャン
エンドの特性を満足するものではない。本発明は、前記
した従来技術における問題点を解消し、前述した要望に
応えるべくなされたものであって、特にスコア部の対応
力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板を提供す
ることを目的としている。
に、Al合金板中に含有される水素も洗浄水と同様の影
響を及ぼし、Al合金板中の水素含有量の低減が重要と
なってくる。これまで、Al合金板中の水素含有量の規
制については、特開平5−320808号公報(文献
3)に示されるように、絞りしごき加工(DI加工)用
のAl合金板として提案されている。しかしながら文献
3はキャンボディ等に使用されるDI加工用Al合金板
であり、成形性向上のため水素含有量を規制している
が、応力腐食割れ(水素脆性割れ)については一切述べ
られていない。また、文献3の実施例の耐力値と化学成
分を考慮すると、本発明の対象である高内圧の陽圧缶用
キャンエンドに必要な耐力を得ることは困難であるとと
もに、Mn量が比較的多いためにリベット成形時の割
れ、スコア加工による割れを招く可能性があり、キャン
エンドの特性を満足するものではない。本発明は、前記
した従来技術における問題点を解消し、前述した要望に
応えるべくなされたものであって、特にスコア部の対応
力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Al合金板中
の水素含有量が少ないほどスコア割れの発生率が低減す
ることと、高内圧の陽圧缶用キャンエンドに必要な耐
力、成形性を考慮して化学成分を調整することにより所
期の目的達成が可能であることを知見し、本発明を完成
するに至った。前記知見に基づいてなされた本発明は、
重量%でMg:3.00〜5.50%、Mn:0.35
〜0.60%、Fe:0.10〜0.60%、Cu:
0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.25%を
含み、残部がAlおよび不可避不純物から構成され、ア
ルミニウム合金中の水素含有量が0.08cc/100
g以下であることを特徴とするスコア部の対応力腐食割
れに優れたキャンエンド用Al合金板を要旨としてい
る。
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Al合金板中
の水素含有量が少ないほどスコア割れの発生率が低減す
ることと、高内圧の陽圧缶用キャンエンドに必要な耐
力、成形性を考慮して化学成分を調整することにより所
期の目的達成が可能であることを知見し、本発明を完成
するに至った。前記知見に基づいてなされた本発明は、
重量%でMg:3.00〜5.50%、Mn:0.35
〜0.60%、Fe:0.10〜0.60%、Cu:
0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.25%を
含み、残部がAlおよび不可避不純物から構成され、ア
ルミニウム合金中の水素含有量が0.08cc/100
g以下であることを特徴とするスコア部の対応力腐食割
れに優れたキャンエンド用Al合金板を要旨としてい
る。
【0009】
【作用】本発明の構成と作用を説明する。先ず、本発明
において使用されるAl合金の化学成分を限定した理由
について説明する。 Mg: Mgは強度を付与するために重要な元素であ
り、本発明では必須成分とするものである。炭酸飲料等
のキャンエンド材としては少なくとも3.00%以上添
加しないと十分な強度を得ることが出来ない。しかし過
剰に添加すると強度が高くなりすぎることによって成形
性の低下を招くため、添加量の上限は5.50%であ
る。したがってMgの添加量は3.00〜5.50%と
する。
において使用されるAl合金の化学成分を限定した理由
について説明する。 Mg: Mgは強度を付与するために重要な元素であ
り、本発明では必須成分とするものである。炭酸飲料等
のキャンエンド材としては少なくとも3.00%以上添
加しないと十分な強度を得ることが出来ない。しかし過
剰に添加すると強度が高くなりすぎることによって成形
性の低下を招くため、添加量の上限は5.50%であ
る。したがってMgの添加量は3.00〜5.50%と
する。
【0010】Mn: Mnは強度を付与するために重要
な元素であり、開缶性の向上にも寄与するため本発明で
は必須成分とするものである。炭酸飲料等のキャンエン
ド材として十分な強度、開缶性を得るためには、少なく
とも0.35%以上添加する必要がある。ただし過剰に
添加すると微細な晶出物の生成数が多くなり過ぎ、リベ
ット張り出し性、スコア加工性等の成形性が著しく低下
するため、上限は0.60%とする。したがってMnの
添加量は0.35〜0.60%とする。
な元素であり、開缶性の向上にも寄与するため本発明で
は必須成分とするものである。炭酸飲料等のキャンエン
ド材として十分な強度、開缶性を得るためには、少なく
とも0.35%以上添加する必要がある。ただし過剰に
添加すると微細な晶出物の生成数が多くなり過ぎ、リベ
ット張り出し性、スコア加工性等の成形性が著しく低下
するため、上限は0.60%とする。したがってMnの
添加量は0.35〜0.60%とする。
【0011】Fe: Feの添加は、キャンエンド材と
して重要な特性である成形性を向上させる結晶粒微細化
に大きな効果を示すとともに、開缶性を改善するAl−
Fe−Mn系晶出物の生成に効果を有するため、本発明
では必須成分とするものである。その添加量が多いほど
結晶粒微細化、開缶性は向上するものの、0.10%未
満ではその効果が認められず、0.60%を超える添加
は、巨大晶出物の生成および晶出物の生成数が多くなり
すぎて、リベット張り出し性、スコア加工性等の成形性
が著しく低下する。したがってFeの添加量は0.10
〜0.60%とする。
して重要な特性である成形性を向上させる結晶粒微細化
に大きな効果を示すとともに、開缶性を改善するAl−
Fe−Mn系晶出物の生成に効果を有するため、本発明
では必須成分とするものである。その添加量が多いほど
結晶粒微細化、開缶性は向上するものの、0.10%未
満ではその効果が認められず、0.60%を超える添加
は、巨大晶出物の生成および晶出物の生成数が多くなり
すぎて、リベット張り出し性、スコア加工性等の成形性
が著しく低下する。したがってFeの添加量は0.10
〜0.60%とする。
【0012】Cu: Cuの添加は強度向上に効果を示
すため、本発明では必須成分とするものである。0.0
3%未満では強度向上にほとんど寄与せず、0.30%
を超える過多の添加では加工効果が大きくなるために強
度が高くなり過ぎ、成形性の低下を招く。したがってC
uの添加量は0.10〜0.30%とする。
すため、本発明では必須成分とするものである。0.0
3%未満では強度向上にほとんど寄与せず、0.30%
を超える過多の添加では加工効果が大きくなるために強
度が高くなり過ぎ、成形性の低下を招く。したがってC
uの添加量は0.10〜0.30%とする。
【0013】Si: Siの添加は、キャンエンド材と
して重要な特性である開缶性を向上させるMg−Si系
晶出物の生成および組織の安定化に効果を有するため、
本発明では必須成分とするものである。0.05%未満
ではその効果が認められず、0.25%を超えて過剰に
添加すると晶出物生成数が多くなりすぎて、成形性の低
下を招く。したがってSiの添加量は0.05〜0.2
5%とする。その他、不純物としてはZr、Zn、T
i、B、Cr等が考えられるが、0.05%以下であれ
ば本発明に重大な影響は与えない。
して重要な特性である開缶性を向上させるMg−Si系
晶出物の生成および組織の安定化に効果を有するため、
本発明では必須成分とするものである。0.05%未満
ではその効果が認められず、0.25%を超えて過剰に
添加すると晶出物生成数が多くなりすぎて、成形性の低
下を招く。したがってSiの添加量は0.05〜0.2
5%とする。その他、不純物としてはZr、Zn、T
i、B、Cr等が考えられるが、0.05%以下であれ
ば本発明に重大な影響は与えない。
【0014】さらに本発明ではAl合金板中の水素含有
量を規制することにより、スコア部の応力腐食割れを抑
制することを重要なポイントとしている。スコア部の応
力腐食割れは水素量を低減すればするほど減少する。こ
れは、スコア割れメカニズムがアルミニウム合金中に存
在する水素を原因とする水素脆性であるためであり、、
この水素脆性を抑制するためにはアルミニウム合金中の
水素量を0.08cc/100g以下とすることが好ま
しく、より好ましくは0.06cc/100g以下であ
る。
量を規制することにより、スコア部の応力腐食割れを抑
制することを重要なポイントとしている。スコア部の応
力腐食割れは水素量を低減すればするほど減少する。こ
れは、スコア割れメカニズムがアルミニウム合金中に存
在する水素を原因とする水素脆性であるためであり、、
この水素脆性を抑制するためにはアルミニウム合金中の
水素量を0.08cc/100g以下とすることが好ま
しく、より好ましくは0.06cc/100g以下であ
る。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を説明するが、これによって
本発明はなんら限定されるものではない。 実施例 表1に示す化学成分を有するAl合金の溶湯に脱ガスを
実施し、表2に示すそれぞれの水素量となった後、鋳造
を行なった。
本発明はなんら限定されるものではない。 実施例 表1に示す化学成分を有するAl合金の溶湯に脱ガスを
実施し、表2に示すそれぞれの水素量となった後、鋳造
を行なった。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表2のA、Bの合金の脱ガスは、ポーラス
プラグを使用することにより水素量を低減させた。ま
た、Cの合金ではSNIFプロセスにより脱ガスを行な
った。鋳造後、鋳塊を均質化処理(510℃×4hr)
し、熱間圧延を施して3.00mmの板厚とした後、中
間焼鈍工程を含む冷間圧延を施し、0.26mmの製品
板厚とした。その後リン酸クロメート処理(皮膜量30
mg/dm2 )を施し、エポキシ系塗料を塗布してP.
M.T260℃で焼付けを行なった後、キャンエンド加
工を行ない、応力腐食割れの試験、その他キャンエンド
特性、材料特性測定を実施した。その結果を表3および
表4に示した。なお、P.M.Tとは、Al板の最高到
達温度のことで焼き付け時にAl板が加熱された温度で
ある。
プラグを使用することにより水素量を低減させた。ま
た、Cの合金ではSNIFプロセスにより脱ガスを行な
った。鋳造後、鋳塊を均質化処理(510℃×4hr)
し、熱間圧延を施して3.00mmの板厚とした後、中
間焼鈍工程を含む冷間圧延を施し、0.26mmの製品
板厚とした。その後リン酸クロメート処理(皮膜量30
mg/dm2 )を施し、エポキシ系塗料を塗布してP.
M.T260℃で焼付けを行なった後、キャンエンド加
工を行ない、応力腐食割れの試験、その他キャンエンド
特性、材料特性測定を実施した。その結果を表3および
表4に示した。なお、P.M.Tとは、Al板の最高到
達温度のことで焼き付け時にAl板が加熱された温度で
ある。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】本発明例である表3および表4の1−A〜
9−Aおよび1−B〜3−Bは、従来例の水素含有量で
ある比較例1−C〜3−Cと比べ、材料特性、キャンエ
ンド特性は同等であるが、応力腐食によるスコア割れの
発生率が低くなっている。比較例の中には応力腐食割れ
の発生率を満足するものも認められるが(10−A、1
2−A、16−Aは内圧によりキャンエンドが変形し、
測定不可能)、本発明の化学成分範囲外であるため、成
形性、耐圧強度、開缶性等のキャンエンド特性が充分で
ないため、炭酸飲料等の陽圧缶用キャンエンドに使用す
ることは困難である。
9−Aおよび1−B〜3−Bは、従来例の水素含有量で
ある比較例1−C〜3−Cと比べ、材料特性、キャンエ
ンド特性は同等であるが、応力腐食によるスコア割れの
発生率が低くなっている。比較例の中には応力腐食割れ
の発生率を満足するものも認められるが(10−A、1
2−A、16−Aは内圧によりキャンエンドが変形し、
測定不可能)、本発明の化学成分範囲外であるため、成
形性、耐圧強度、開缶性等のキャンエンド特性が充分で
ないため、炭酸飲料等の陽圧缶用キャンエンドに使用す
ることは困難である。
【0022】なお、キャンエンド特性は次のようにして
測定した。また、機械的性質は、通常の引張試験を行な
った。スコア部破断率は、キャンエンド成型後、クエン
酸水溶液(2.5%)+炭酸水素ナトリウム(0.4g
/100cc)を充填して捲き締めし、内圧を3.0k
gf/cm2 に調整した後イオン交換水をキャンエンド
外面に満たし、密閉したのち40℃−RH85%の雰囲
気下で2週間保管後の破断率を調査した。張出限界高さ
は、6mmφの球頭ポンチによって張出測定をした。耐
圧強度は、水圧により缶内に圧力をかけ、キャンエンド
がバックリングした圧力を測定した。開缶荷重は、スコ
ア開缶開始時の荷重POPと、開缶中の最大荷重TEA
Rを測定した。
測定した。また、機械的性質は、通常の引張試験を行な
った。スコア部破断率は、キャンエンド成型後、クエン
酸水溶液(2.5%)+炭酸水素ナトリウム(0.4g
/100cc)を充填して捲き締めし、内圧を3.0k
gf/cm2 に調整した後イオン交換水をキャンエンド
外面に満たし、密閉したのち40℃−RH85%の雰囲
気下で2週間保管後の破断率を調査した。張出限界高さ
は、6mmφの球頭ポンチによって張出測定をした。耐
圧強度は、水圧により缶内に圧力をかけ、キャンエンド
がバックリングした圧力を測定した。開缶荷重は、スコ
ア開缶開始時の荷重POPと、開缶中の最大荷重TEA
Rを測定した。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、炭酸飲料等の比較的内圧の高い陽圧缶用キャ
ンエンド材において、スコア部の応力腐食割れによる破
裂の抑制に優れ、かつその他のキャンエンド特性を充分
に満足させることが可能であり、薄肉、高強度化にも充
分対応し、低コストで安定して製造できることが可能で
あり、産業上極めて有用である。
いるから、炭酸飲料等の比較的内圧の高い陽圧缶用キャ
ンエンド材において、スコア部の応力腐食割れによる破
裂の抑制に優れ、かつその他のキャンエンド特性を充分
に満足させることが可能であり、薄肉、高強度化にも充
分対応し、低コストで安定して製造できることが可能で
あり、産業上極めて有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月15日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 スコア部の耐応力腐食割れに優れたキ
ャンエンド用Al合金板
ャンエンド用Al合金板
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビール、炭酸飲料等の
容器に用いられるキャンエンド用Al合金板に係り、さ
らに詳細には、内容物充填、捲き締め後の内圧負荷状態
におけるスコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエン
ド用Al合金板に関する。
容器に用いられるキャンエンド用Al合金板に係り、さ
らに詳細には、内容物充填、捲き締め後の内圧負荷状態
におけるスコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエン
ド用Al合金板に関する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、外的要因である洗浄水の影響の他
に、Al合金板中に含有される水素も洗浄水と同様の影
響を及ぼし、Al合金板中の水素含有量の低減が重要と
なってくる。これまで、Al合金板中の水素含有量の規
制については、特開平5−320808号公報(文献
3)に示されるように、絞りしごき加工(DI加工)用
のAl合金板として提案されている。しかしながら文献
3はキャンボディ等に使用されるDI加工用Al合金板
であり、成形性向上のため水素含有量を規制している
が、応力腐食割れ(水素脆性割れ)については一切述べ
られていない。また、文献3の実施例の耐力値と化学成
分を考慮すると、本発明の対象である高内圧の陽圧缶用
キャンエンドに必要な耐力を得ることは困難であるとと
もに、Mn量が比較的多いためにリベット成形時の割
れ、スコア加工による割れを招く可能性があり、キャン
エンドの特性を満足するものではない。本発明は、前記
した従来技術における問題点を解消し、前述した要望に
応えるべくなされたものであって、特にスコア部の耐応
力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板を提供す
ることを目的としている。
に、Al合金板中に含有される水素も洗浄水と同様の影
響を及ぼし、Al合金板中の水素含有量の低減が重要と
なってくる。これまで、Al合金板中の水素含有量の規
制については、特開平5−320808号公報(文献
3)に示されるように、絞りしごき加工(DI加工)用
のAl合金板として提案されている。しかしながら文献
3はキャンボディ等に使用されるDI加工用Al合金板
であり、成形性向上のため水素含有量を規制している
が、応力腐食割れ(水素脆性割れ)については一切述べ
られていない。また、文献3の実施例の耐力値と化学成
分を考慮すると、本発明の対象である高内圧の陽圧缶用
キャンエンドに必要な耐力を得ることは困難であるとと
もに、Mn量が比較的多いためにリベット成形時の割
れ、スコア加工による割れを招く可能性があり、キャン
エンドの特性を満足するものではない。本発明は、前記
した従来技術における問題点を解消し、前述した要望に
応えるべくなされたものであって、特にスコア部の耐応
力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板を提供す
ることを目的としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Al合金板中
の水素含有量が少ないほどスコア割れの発生率が低減す
ることと、高内圧の陽圧缶用キャンエンドに必要な耐
力、成形性を考慮して化学成分を調整することにより所
期の目的達成が可能であることを知見し、本発明を完成
するに至った。前記知見に基づいてなされた本発明は、
重量%でMg:3.00〜5.50%、Mn:0.35
〜0.60%、Fe:0.10〜0.60%、Cu:
0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.25%を
含み、残部がAlおよび不可避不純物から構成され、ア
ルミニウム合金中の水素含有量が0.08cc/100
g以下であることを特徴とするスコア部の耐応力腐食割
れに優れたキャンエンド用Al合金板を要旨としてい
る。
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、Al合金板中
の水素含有量が少ないほどスコア割れの発生率が低減す
ることと、高内圧の陽圧缶用キャンエンドに必要な耐
力、成形性を考慮して化学成分を調整することにより所
期の目的達成が可能であることを知見し、本発明を完成
するに至った。前記知見に基づいてなされた本発明は、
重量%でMg:3.00〜5.50%、Mn:0.35
〜0.60%、Fe:0.10〜0.60%、Cu:
0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.25%を
含み、残部がAlおよび不可避不純物から構成され、ア
ルミニウム合金中の水素含有量が0.08cc/100
g以下であることを特徴とするスコア部の耐応力腐食割
れに優れたキャンエンド用Al合金板を要旨としてい
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】Cu: Cuの添加は強度向上に効果を示
すため、本発明では必須成分とするものである。0.0
3%未満では強度向上にほとんど寄与せず、0.30%
を超える過多の添加では加工硬化が大きくなるために強
度が高くなり過ぎ、成形性の低下を招く。したがってC
uの添加量は0.10〜0.30%とする。
すため、本発明では必須成分とするものである。0.0
3%未満では強度向上にほとんど寄与せず、0.30%
を超える過多の添加では加工硬化が大きくなるために強
度が高くなり過ぎ、成形性の低下を招く。したがってC
uの添加量は0.10〜0.30%とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】さらに本発明ではAl合金板中の水素含有
量を規制することにより、スコア部の応力腐食割れを抑
制することを重要なポイントとしている。スコア部の応
力腐食割れは水素量を低減すればするほど減少する。こ
れは、スコア割れメカニズムがアルミニウム合金中に存
在する水素を原因とする水素脆性であるためであり、こ
の水素脆性を抑制するためにはアルミニウム合金中の水
素量を0.08cc/100g以下とすることが好まし
く、より好ましくは0.06cc/100g以下であ
る。
量を規制することにより、スコア部の応力腐食割れを抑
制することを重要なポイントとしている。スコア部の応
力腐食割れは水素量を低減すればするほど減少する。こ
れは、スコア割れメカニズムがアルミニウム合金中に存
在する水素を原因とする水素脆性であるためであり、こ
の水素脆性を抑制するためにはアルミニウム合金中の水
素量を0.08cc/100g以下とすることが好まし
く、より好ましくは0.06cc/100g以下であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 隆 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%でMg:3.00〜5.50%、
Mn:0.35〜0.60%、Fe:0.10〜0.6
0%、Cu:0.03〜0.20%、Si:0.05〜
0.25%を含み、残部がAlおよび不可避不純物から
構成され、アルミニウム合金中の水素含有量が0.08
cc/100g以下であることを特徴とするスコア部の
対応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2522695A JPH08218144A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2522695A JPH08218144A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08218144A true JPH08218144A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12160061
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2522695A Withdrawn JPH08218144A (ja) | 1995-02-14 | 1995-02-14 | スコア部の耐応力腐食割れに優れたキャンエンド用Al合金板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08218144A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009504918A (ja) * | 2005-08-16 | 2009-02-05 | アレリス、アルミナム、コブレンツ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング | 高強度の溶接可能なAl−Mg合金 |
| WO2012070391A1 (ja) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | 住友軽金属工業株式会社 | 陽圧缶蓋用アルミニウム合金塗装板およびその製造方法 |
| JP2014009398A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用のAl−Mg系合金 |
-
1995
- 1995-02-14 JP JP2522695A patent/JPH08218144A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009504918A (ja) * | 2005-08-16 | 2009-02-05 | アレリス、アルミナム、コブレンツ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング | 高強度の溶接可能なAl−Mg合金 |
| WO2012070391A1 (ja) * | 2010-11-26 | 2012-05-31 | 住友軽金属工業株式会社 | 陽圧缶蓋用アルミニウム合金塗装板およびその製造方法 |
| JP2012112007A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 陽圧缶蓋用アルミニウム合金塗装板およびその製造方法 |
| JP2014009398A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-20 | Uacj Corp | 高圧水素ガス容器用のAl−Mg系合金 |
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