JPH08218156A - 舶用プロペラ製作方法 - Google Patents

舶用プロペラ製作方法

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JPH08218156A
JPH08218156A JP2528995A JP2528995A JPH08218156A JP H08218156 A JPH08218156 A JP H08218156A JP 2528995 A JP2528995 A JP 2528995A JP 2528995 A JP2528995 A JP 2528995A JP H08218156 A JPH08218156 A JP H08218156A
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JP
Japan
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propeller
hardness
marine propeller
marine
heat treatment
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JP2528995A
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Shintaro Matsuo
信太郎 松尾
Masahiro Saito
正洋 斉藤
Yoshiaki Hirayama
義明 平山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のニッケルアルミニウム青銅鋳物の硬さ
を高くすると共に焼来の熱処理では低下していた延性お
よび靱性保持して耐エロージョン性を向上させたアルミ
ニウム青銅製プロペラを提供すること。 【構成】 舶用プロペラボス中心部より、半径比0.8
〜1.0R(R:プロペラ半径)範囲のプロペラ翼後進
面表面のみを1,055〜1,077℃で0.5〜1.
0時間保持後直ちに急冷し、その後プロペラ翼後進面の
0.8〜1.0Rのみを400〜500℃の温度範囲で
1〜5時間熱処理することを特徴とする舶用プロペラ製
作方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高硬度で耐エロージョン
性が優れた舶用プロペラ製作法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から海水中の耐食性と耐エロージョ
ン性を必要とする舶用プロペラ材にはアルミニウム青銅
鋳物が多く使用されてきた。舶用プロペラは海水中で6
0〜1,000r.p.mで回転させて使用するため、
船の速度が30ノットを越す高速条件下では従来のアル
ミニウム青銅製プロペラは数時間で激しいエロージョン
を受け、短時間で損傷する欠点があった。この様な現状
から高速艇用プロペラは一種の消耗品と考えられ、入渠
時に新品と交換されてきた。又、プロペラの推進効率を
向上させるため翼表面積を減少させるとキヤビテーショ
ン・エロージョンが発生する。このためプロペラ材の耐
エロージョン性改善は高速艇のみならず推進効率向上面
からも大きな課題であった。
【0003】このためブリネル硬さが150程度のアル
ミニウム青銅製鋳物を800〜1050℃に加熱して、
水冷、油冷又は空冷して焼入れを行ない続いて第二段熱
処理として400〜600℃において焼戻しを行ない硬
さをブリネル硬さ230以上と高くし、エロージョンを
向上させる方法が知られている。この方法では硬さは向
上するが、硬さと反比例して延性および衝撃値が低下す
ると共に高温での加熱のため変形するのでプロペラとし
て実用化されていない。舶用プロペラでは航行中流木や
浮遊物等との衝突もあり、プロペラ翼端では延性および
靱性が必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来のニッケ
ルアルミニウム青銅鋳物の硬さを高くすると共に従来の
熱処理では低下していた延性および靱性を保持して耐エ
ロージョン性を向上させたアルミニウム青銅製プロペラ
を提供することを目的とするものである。即ち、船舶が
航行中キヤビテーション・エロージョンが発生する翼後
進面翼端の硬さを高くすると共に、反対側の同翼前進面
翼端の硬さを鋳物と同程度の150HB程度にして延性
を得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、舶用プロペラ
ボス中心部より半径比0.8〜1.0R(R:プロペラ
半径)の範囲のプロペラ翼後進面表面のみを1055〜
1070℃で0.5〜1.0時間保持した後、直ちに急
冷し、その後後進面のみを450〜500℃の温度範囲
で2〜4時間熱処理することを特徴とする舶用プロペラ
の製作方法である。ここで耐エロージョン性改善の熱処
理区域を舶用プロペラボス中心部より半径比0.8〜
1.0R(R:プロペラ半径)と限定したのは次の理由
による。舶用プロペラで高速又は翼面積減少(推進効率
向上)のためキヤビテーション・エロージョンが発生す
ることが多いのはプロペラ翼の後進面0.8〜1.0R
であるから、このエロージョン発生部のみの耐エロージ
ョン性を向上させるのが効率的であるためである。上記
プロペラ翼後進面表面の熱処理は、いずれも、電熱ヒー
ターを組み込んだパネルヒーターを翼表面に当てて加熱
する方法又は高周波誘導装置により表面に渦電流を発生
させ加熱する方法等により行う。
【0006】
【作用】本発明でプロペラ翼後進面の加熱温度を105
0〜1070℃と従来より高くしたのは次の理由によ
る。アルミニウム青銅の機械的性質は高温からの冷却速
度が大きい程、引張強さ、耐力および硬さは高いが、伸
び、衝撃値は低くなる。これは金属組織的に冷却速度が
遅いと硬さが低く延性のあるα相の中に含有元素のA
l、Ni、Feの金属間化合物であるκ相が大きく成長
し、延性を増加させるためである。冷却速度が速いとκ
相を固溶し、硬さの高いβ相量の多いα+β+κ組織と
なり、引張強さおよび硬さが向上して耐エロージョン性
が改善される。これ等の金属組織変化を説明するため公
知のアルミニウム青銅状態図を文献〔日本学術振興会、
アルミニウム青銅委員会編“アルミニウム青銅196
7”〕から抜粋して図1に示す。従来の熱処理はα+β
+κ,α+β又はβ相となる800〜1050℃から急
冷(水冷、油冷、空冷)されていたため、焼入前の影響
で硬さ向上に限界があった。又、焼入前の組織でβ相と
なるのはAl含有量が10%以上で延性が低下する化学
成分範囲である。
【0007】本発明はAl含有量が9〜10%で機械的
性質に優れ、現在実用化されているアルミニウム青銅の
化学成分範囲内の合金でκ相を完全固溶したβ相から急
冷しようとして、1055〜1070℃と急冷温度を高
くしたものである。本合金の融点は1075〜1090
℃であり、本発明の加熱温度1055〜1070℃はほ
とんど融点直下である。従来の800〜1050℃にお
ける熱処理も熱処理材の変形を考えると1000℃以下
となり、又プロペラの様の曲面形状で湾曲部のある製品
では変形が大きく実用化出来なかった。本発明で、熱処
理温度を高くできた理由は加熱部分を翼後進面に限定し
たため翼前進面側が高温に加熱されず変形防止に寄与す
るためである。溶融点近傍迄加熱できる利点は溶接と同
様に、結晶粒が微細になり、その後の急冷と合せて含有
化学成分を完全固溶した組織が得られ,急冷後の400
〜500℃の時効処理で硬さが、従来の800〜105
0℃の熱処理に比較して著しく向上する。
【0008】加熱保持時間を0.5〜1時間としたのは
鋳造組織のα+κ相をβ相に変化し、均一化するのに
0.5時間以上加熱保持する必要があり、1時間を超え
ると表面層の溶融により翼面の荒れが激しくなり、翼面
仕上げの際、支障をきたすためである。又、加熱処理を
後進面のみに限定し、前進面を除外したのは前進面側に
金属粒をおき冷却するとことによって、後進面および前
進面温度を調節して、加熱による曲りを防止するため
で、本方法により後進面表面の高温加熱が可能となっ
た。加熱後急冷したのは、耐エロージョン性向上のため
に硬さを高くするためで金属組織的には析出物κ相を過
飽和固溶させたβ相を常温で得るためである。後進面表
面を1055〜1070℃に加熱後急冷した部分には加
熱急冷による残留応力が残存しており、海水中で使用さ
れる舶用プロペラでは疲労強度面から残留応力を除去し
ておく必要がある。アルミニウム青銅の残留応力を除去
するためには400℃加熱では最大5時間、500℃加
熱では最大1時間必要とするので保持時間を1〜5時間
に限定した。残留応力除去温度を400℃以上と限定し
たのは400℃未満では15時間以上を必要とし、実用
的でないためである。又、500℃を超えると熱処理に
よって硬さが著しく低下するためである。水冷後の後進
面を400〜500℃×1〜5時間保持することにより
過飽和にκ相を固溶したβ相からκ相が、微細に析出
し、硬さが焼入時より著しく向上し、耐エロージョン性
が向上する。
【0009】供試材の化学成分としては重量%で、A
l:9.0〜10.0%、Ni:4.0〜6.0%、F
e:4.0〜6.0%、Mn:4.0%以下および通常
の不純物を含み残部Cuからなる合金組成の材料が本発
明製作法に最も適している。その成分限定理由は下記の
通りである。 Al:9.0%未満では400〜500℃の熱処理で析
出するκ相による硬化に寄与せず硬さ向上が得られない
ため耐エロージョン性向上が期待出来ない。10%を超
えると硬さは向上するが、脆化が著しいので10%以下
とした。 Ni:4%未満ではプロペラ材としての海水中の耐食性
が十分でなく、6%を超えると延性が低下する。 Fe:4%未満ではNi量との関係で析出物が微細とな
らず硬さが低下する。又、6%を超えるとFe成分が多
いκ相が粗大に析出してくるため耐食性が低下する。 Mn:焼入性に効果があるが、4.0%を超えると脆化
傾向があるので4.0%以下とした。
【0010】
【実施例】次に本発明の一実施例を示し、本発明の効果
を説明する。表1は本発明プロペラ素材の化学成分を示
したもので、試料No.1〜No.4は本発明材料、試
料No.5〜No.8は比較材料、No.9,No.1
0は現用材である。表2は本発明の製作法、硬さおよび
耐エロージョン性を示したものでNo.1〜No.4は
本発明の熱処理条件、No.5〜No.8は本発明外の
熱処理、No.9およびNo.10は鋳造材のままの現
用材でそれぞれビッカーズ硬さ(荷重10kg),超音
波エロージョン試験によるエロージョン減量を示してい
る。以上の表1および表2より次のことが明らかであ
る。製造法が本発明以外のNo.5〜No.8では、硬
さおよび耐エロージョン性が本発明材のNo.1〜N
o.4に比較して著しく低い。又、本発明材のNo.1
〜No.4は鋳造のままの現用材No.9,No.10
に対して3倍以上の耐エロージョン性を示しており、高
速艇および推進効率を向上させたプロペラの製作が可能
となる。焼入試験片は重油炉溶解試験素材より製作し、
加熱は特殊ヒータを組みこんだ平板型焼入装置で試験し
た。なお、エロージョン試験は超音波エロージョン試験
機を使用し、試験は学振試験方法(案)に準拠した。そ
の条件は振動数:6.5KHz,試験振巾:90μm,
試験時間:120分,試験液:海水,試験温度:25±
1℃である。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】本発明により現用舶用プロペラ材に比較
して海水中の耐エロージョン性で3倍以上優れたものが
得られるので、翼面積を減らし、推進効率を高めたプロ
ペラが製作可能となり、燃料費の節減等省エネルギーに
貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はアルミニウム四元系合金の状態図を示
す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舶用プロペラボス中心部より、半径比
    0.8〜1.0R(R:プロペラ半径)範囲のプロペラ
    翼後進面表面のみを1,055〜1,070℃で0.5
    〜1.0時間保持後直ちに急冷し、その後プロペラ翼後
    進面の0.8〜1.0Rのみを400〜500℃の温度
    範囲で1〜5時間熱処理することを特徴とする舶用プロ
    ペラ製作方法。
  2. 【請求項2】 プロペラの材質がAl:9〜10%、N
    i:4〜6%、Fe:4〜6%、Mn:4%以下、不可
    避的不純物及び残部Cuからなる合金である請求項1に
    記載の舶用プロペラの製作方法。
JP2528995A 1995-02-14 1995-02-14 舶用プロペラ製作方法 Withdrawn JPH08218156A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010229504A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Yamato Hatsudoki Kk アルミニウム青銅製競艇用プロペラ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20020507