JPH08220280A - プラント監視装置 - Google Patents

プラント監視装置

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JPH08220280A
JPH08220280A JP7051996A JP5199695A JPH08220280A JP H08220280 A JPH08220280 A JP H08220280A JP 7051996 A JP7051996 A JP 7051996A JP 5199695 A JP5199695 A JP 5199695A JP H08220280 A JPH08220280 A JP H08220280A
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幸太郎 田中
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保則 坂元
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仁 佐藤
Jiro Matsuno
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原子力発電プラントの定検時の安全性維持の
ための監視を行うにあたり、運転員の負担の軽減を図
り、安全性維持に必要な情報を統合して運転員に提供す
ることができるプラントの監視装置を得ることである。 【構成】 原子力発電プラントのプラントデータ、この
プラントデータのうち予め定められた重要パラメータの
基準値及び許容範囲、原子力発電プラントの安全維持系
統に関する設計情報を記憶するための記憶装置2と、重
要パラメータがその基準値及び許容範囲を満たすか否か
判定すると共にその変化率を算出する重要パラメータ監
視装置5と、安全維持系統の機器状態に基づいて安全維
持系統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する
系統状態監視装置6と、重要パラメータ監視装置及び系
統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置4
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントの
定期検査の際に、安全維持系統の監視を行うプラント監
視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電プラントでは、定期
的に運転を停止し一定の安全基準にしたがって定期検査
(以下定検という)を行っており、この定検時において
安全性維持のための監視を行っている。この定検時の原
子力発電プラントにおける安全基準としては、原子炉の
未臨界性の確保、燃料からの崩壊熱の除熱機能の確保、
原子炉水位確保、工学的安全系の待機、電源の確保等が
ある。このうち、燃料からの崩壊熱の除去と原子炉水位
の維持とを目的とした監視は、以下のようにして行われ
ている。
【0003】すなわち、安全基準で定められている原子
炉冷却材温度及び原子炉水位などの安全パラメータが中
央制御室の定検用監視盤に表示され、運転員はその安全
パラメータに基づいて安全性の維持のための監視を行
う。
【0004】この場合、定検用監視盤に表示されている
安全パラメータだけでは、安全性維持の監視には不十分
であるので、運転員は安全性維持の監視に必要な他の情
報を定期的に収集している。すなわち、崩壊熱除去のた
めの冷却系統のプラントデータや冷却系統に冷却水を流
す補機冷却水系統のプラントデータ、さらには冷却系統
の代替系統の待機情報などの必要な情報を定期的に手作
業で収集している。収集した情報は、チェックシート等
の管理シートに記入され、この収集した情報と定検用監
視盤に表示されているプラントデータとを使用して原子
力発電プラントの安全性維持のための監視を行ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、定検用監視
盤に表示されている原子炉冷却材温度及び原子炉水位以
外の情報は、運転員が手作業で収集しているので、その
収集のための負担が大きく、又収集に当たって記録間違
いを起こすこともあった。又、監視にあたっての異常か
正常かの判断は、定検用監視盤及び手作業で収集したプ
ラントデータに基づいて行うことになるので、運転員の
負担が大きく、又運転員によってその判断に個人差が生
じていた。
【0006】本発明の目的は、原子力発電プラントの定
検時の安全性維持のための監視を行うにあたり、運転員
の負担の軽減を図り、安全性維持に必要な情報を統合し
て運転員に提供することができるプラントの監視装置を
得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のプラント監視装
置は、プラントデータ入力装置で読み込まれた原子力発
電プラントのプラントデータ、このプラントデータのう
ち予め定められた重要パラメータの基準値及び許容範
囲、原子力発電プラントの定期検査の際に燃料からの崩
壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な
注水系統からなる安全維持系統に関する設計情報を記憶
するための記憶装置と、重要パラメータがその基準値及
び許容範囲を満たすか否か判定すると共にその変化率を
算出する重要パラメータ監視装置と、プラントデータの
うち安全維持系統の機器状態に基づいて安全維持系統が
適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統状態
監視装置と、重要パラメータ監視装置及び系統状態監視
装置の演算結果を表示するための表示装置とを備えてい
る。
【0008】そして、系統状態監視装置は、複数個ある
冷却系統のそれぞれの除熱量を算出するための除熱量算
出手段と、燃料の崩壊熱を算出する崩壊熱算出手段とを
有し、算出した除熱量及び崩壊熱と待機中の冷却系統が
待機状態から運転状態に至るまでに要する時間とに基づ
いて、各々の冷却系統の使用可能期間あるいは安全基準
を逸脱する時期を予測し、その予測結果を表示装置に表
示する。
【0009】一方、重要パラメータ監視装置は、重要パ
ラメータとして、定検中の原子炉水位、スキマサージタ
ンク水位、サプレッションプール水位、原子炉残留熱除
去系熱交換器の炉水側入り口温度、原子炉冷却材浄化系
統熱交換器の炉水側入り口温度、燃料貯蔵プール冷却浄
化系ポンプ入り口温度又は燃料貯蔵プール水温度、サプ
レッションプール水温度及び中性子源領域モニタ計数率
につき、それぞれの絶対値とその履歴データとから計算
した変化率とを表示装置に表示する。この場合、重量パ
ラメータを棒グラフや円形又は半円形のグラフで変化率
ともに表示する。また、重要パラメータに追加して、原
子炉圧力容器、燃料貯蔵プールゲート、燃料貯蔵プール
及びスキマサージタンクとそれぞれの水位とゲート開閉
状態を模式的に表示すると共に、原子炉残留熱除去系、
原子炉冷却材浄化系、燃料貯蔵プール冷却浄化系の各冷
却系統と復水補給系、制御棒駆動系、燃料プール補給水
系、原子炉隔離時冷却系、高圧炉心スプレイ系、低圧ス
プレイ系、低圧注入系の補給水注入系統を示すブロック
を表示装置に表示する。
【0010】また、動作中の冷却系統や補機冷却系統の
異常判定を行いその判定結果を表示装置に表示したり、
原子炉と燃料貯蔵プールとが分離されているときは燃料
プール冷却系統以外に原子炉冷却材の冷却系統及び代替
系統が確保されているか否かの判定を行い、その判定結
果を表示装置に表示する。
【0011】
【作用】本発明のプラント監視装置は、プラント停止時
に運転員の要求により起動される。起動がかけられる
と、重要パラメータ監視装置はプラントデータ入力装置
により読み込まれた原子炉冷却材温度および原子炉水位
が、安全基準で定められた基準値を満たしているか否
か、また、これらの安全維持のために動作している安全
維持系統が正常な状態にあるか否かを表示装置に表示す
る。これにより、運転員は重要パラメータの監視が可能
となると共に、安全維持系統の正常な運用が可能とな
る。
【0012】一方、系統状態監視装置は、崩壊熱算出手
段により求めた現在の発生崩壊熱と除熱量算出手段によ
り求めた各冷却系統の除熱量と各冷却系統の待機中から
運転開始までの時間とから、動作中以外の冷却系統の使
用可能期間あるいは安全基準を逸脱する時期を予測して
適切な代替系統が確保されているか否かを判定し、その
結果を表示装置に表示する。注水系については安全基準
に規定された系統数だけ待機していることを監視する。
【0013】崩壊熱除去のための動作中の冷却系統を代
替系統に切替る場合には、系統状態監視装置により適切
な代替系統と判定された系統の中から運転員が選択して
行う。動作系統の切り替えが行われると、それ以降の重
要パラメータ監視装置は新たに指定された冷却系統の状
態を監視する。また、系統状態監視装置は新たに指定さ
れた動作中系統以外の適切な代替系統が確保されている
か否かを監視する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明のプラント監視装置のブロック構成図を示すもので
ある。原子力発電プラントが定検のために停止される
と、本発明のプラント監視装置は、運転員によりマンマ
シンインターフェースの入力装置3にて起動される。す
なわち、原子力発電プラントの定期検査にあたって、本
発明のプラント監視装置は、燃料からの崩壊熱を除去す
る冷却系統及び原子炉水位の維持に必要な注水系統から
なる安全維持系統の監視を行う。
【0015】プラント監視装置が起動されると、プラン
トデータ入力装置1を介して原子力発電プラントからの
プラントデータが記憶装置2に読み込まれる。記憶装置
2には、プラントデータのうち予め定められた重要パラ
メータの基準値及び許容範囲が記憶されており、入力さ
れた重要パラメータは、重要パラメータ監視装置5にて
その基準値及び許容範囲と比較判定される。また、記憶
装置2には、燃料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び
原子炉水位の維持に必要な注水系統からなる安全維持系
統に関する設計情報が記憶されており、系統状態監視装
置6にて安全維持系統が適切に運転できる状態にあるか
否かを評価する際に使用される。そして、重要パラメー
タ監視装置及び系統状態監視装置の演算結果は、表示装
置4に表示されるようになっている。
【0016】重要パラメータ監視装置5は、重要パラメ
ータがその基準値及び許容範囲を満たすか否か判定する
と共にその変化率を算出し、その結果を表示装置4に表
示するものである。図2は、重要パラメータ監視装置5
により重要パラメータを表示装置4に表示した表示内容
の説明図である。
【0017】図2において、定検時に監視すべき重要パ
ラメータとして、プラントデータ入力装置1により読み
込んだ原子炉水位の絶対値7とその履歴データから計算
した変化率8、スキマサージタンク水位の絶対値9とそ
の履歴データから計算した変化率10、サプレッション
プール(S/P)水位の絶対値11とその履歴データか
ら計算した変化率12、残留熱除去系(RHR)熱交換
器(HX)の炉水側入り口温度の絶対値13とその履歴
データから計算した変化率14、原子炉冷却材浄化系
(CUW)熱交換器(HX)の炉水側入口温度の絶対値
15とその履歴データから計算した変化率16、燃料プ
ール冷却浄化系(FPC)ポンプ入口温度又は燃料貯蔵
プール水温度の絶対値17とその履歴データから計算し
た変化率18、サプレッションプール(S/P)水温度
の絶対値19とその履歴データから計算した変化率2
0、及び中性子源領域モニタ(SRM)計数率の絶対値
21とその履歴データから計算した変化率22をそれぞ
れ表示装置4に表示したものを示している。
【0018】図2の表示データは、重要パラメータ監視
装置5において作成される。重要パラメータの絶対値は
バーチャートで表示され、必要に応じて数値も合わせて
表示される。図2では数値の表示は省略している。ま
た、変化率は上向きと下向きとの三角形により表示され
る。絶対値を示した各バーチャートには安全基準で決め
られている基準値及び許容範囲を記憶装置2より読み込
んで合わせて表示される。又、重要パラメータ監視装置
5において重要パラメータが許容範囲内にあると判定さ
れた場合には、正常であることを示すのにバーチャート
の棒を青色に表示し、許容範囲外にあると判定された場
合には運転員に警告を発するためにバーチャートの棒を
赤色に表示し、更にこれを点滅させる。
【0019】次に、変化率を示した各上向きと下向きの
三角形は、上向きが増加で下向きが減少を表し、三角形
の個数が変化率の大きさを表している。変化率の計算は
重要パラメータ監視装置5において行われ、重要パラメ
ータの現在値及び現在から過去の一定期間、つまり、温
度変化率がほとんど変わらない程度の短期的な期間の値
を記憶装置2に記憶させておき、これを一次式で最小自
乗法によりフィッティングすることにより求める。各重
要パラメータの変化率は、ゆっくりと変化すると判定し
た場合、すなわち、変化率が小さい場合には三角形を一
つだけ表示し、変化率が大きくなるにつれて表示する三
角形の個数を増やす。こうして求めた変化率を予め設定
しているしきい値に基づいて三角形の表示数を決めてい
る。
【0020】重要パラメータのうちの温度の変化率を示
す三角形の表示色は、重要パラメータ監視装置5におい
て、記憶装置2にある安全基準で決められている許容範
囲により、以下の(1)、(2)のように重要パラメー
タ監視装置5で判定して表示装置4に表示し運転員に状
況を知らせる。 (1)許容範囲内または許容範囲の最高温度より大きい
場合は、減少する方を安全側と判定して下向き三角形を
青色で表示し、増加する方を危険側と判定して上向き三
角形を赤色で点滅させて表示する。 (2)許容範囲の最低温度より低い場合は、増加する方
を安全側と判定して上向き三角形を青色で表示し、減少
する方を危険側と判定して下向き三角形を赤色で点滅さ
せて表示する。
【0021】重要パラメータのうち、水位の変化率を示
す三角形の表示色は、重要パラメータ監視装置5におい
て、以下の(1)〜(4)のように判定して表示装置4
に表示し、運転員に状況を知らせる。
【0022】(1)ウェル水張り開始後に通常水位から
ウェル満水になるまでの期間は、増加する方を安全側と
判定して上向き三角形を青色で表示し、減少する方を危
険側と判定して下向き三角形を赤色で点滅させて表示す
る。
【0023】(2)ウェル満水後の燃料貯蔵プールゲー
トが開いている期間は、増加減少ともに危険側と判定し
て上向き下向きとも赤色で点滅させて表示する。
【0024】(3)ウェル水抜き開始後にウェル満水か
ら通常水位に戻るまでの期間は、減少する方を安全側と
判定して下向き三角形を青色で表示し、増加する方を危
険側と判定して上向き三角形を赤色で点滅させて表示す
る。
【0025】(4)通常水位で燃料貯蔵プールゲートが
閉まっている期間は、増加減少ともに危険側と判定して
上向き下向きともに赤色で点滅させて表示する。
【0026】次に、図3は安全維持系統の系統模式図を
表示した表示画面の説明図である。前述の重要パラメー
タの表示に追加してこの系統模式図の表示を行う。すな
わち、原子炉圧力容器23、燃料貯蔵プールゲート2
4、燃料貯蔵プール25、スキマサージタンク26、そ
れぞれの水位及びゲート開閉状態を模式的に表示すると
共に、残留熱除去系(RHR−A系)27、残留熱除去
系(RHR−B系)28、原子炉冷却材浄化系(CUW
系)29、燃料プール冷却浄化系(FCP系)30等の
各冷却系統を示すブロックと、復水補給水系(MUWC
系)31、制御棒駆動系(CRD系)32、燃料プール
補給水系(MUWF系)33、原子炉隔離時冷却系(R
CIC系)34、高圧炉心スプレイ系(HPCS系)3
5、低圧炉心スプレイ系(LPCS系)36、低圧注入
系(LPCI系)37の補給水注水系統を示すブロック
を表示する。
【0027】また、図3の原子炉圧力容器23、燃料貯
蔵プール25、及びスキマサージタンク26の模式図に
は、併せて水位も表示する。表示色を重要パラメータ監
視装置5において、原子炉冷却材及び燃料貯蔵プール水
の温度が許容範囲内にあると判定した場合には、正常で
あることを示すために青色で表示し、許容範囲外と判定
された場合には運転員に警告を発するために赤色で表示
して点滅させる。
【0028】次に、重要パラメータ監視装置5において
は、プラントデータ入力装置1によりプラントデータと
して読み込んだポンプの運転状態、主要な弁の開閉状態
から、各冷却系統及び各注水系統が運転状態か、待機中
か、点検中かを判定する。また、各冷却系統及び注水系
統に対し、それぞれの運転状態に応じて定められている
安全基準を記憶装置2から読み込み、この安全基準に基
づいて、各重要パラメータの基準値及び許容範囲を更新
して表示装置4に表示する。
【0029】さらに、図2において、温度の絶対値を示
すバーチャート及び変化率を示す三角形を含む領域38
の表示色は、各冷却系統と各注水系統を示すブロックを
各冷却系統及び各注水系統が運転中か、待機中か、点検
中かに基づいて表示色を更新して表示する。また、水位
の絶対値を示すバーチャート及び変化率を示す三角形を
囲む領域39の表示色は、前述した(1)〜(4)のど
の期間であるかを入力装置3により入力することによ
り、重要パラメータ監視装置5において決められる。す
なわち、前述の(1)、(3)の場合には、基準値の変
更にともなって水位が連動的に変更されており、
(2)、(4)の場合には、原子炉水位は一定に保たれ
ることから、両者を容易に区別することができるよう領
域39の表示色を変える。
【0030】このように、重要パラメータの絶対量と変
化率を、基準値及び許容範囲と共に運転員に判り易く表
示するので、運転員の監視の負担を軽減することができ
る。また、系統模式図と共に表示した場合には、さらに
監視のし易いものとなる。
【0031】次に、系統状態監視装置6は、安全維持系
統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価するもの
で、特に動作中以外の冷却系統の除熱量能力を評価し、
適切な代替系統が確保されるように監視するものであ
る。前述の重要パラメータ監視装置5は、主として動作
中の冷却系統を監視することになるが、この系統状態監
視装置6は、待機中の冷却系統の冷却能力を判定しプラ
ント状態に応じて適切な代替系統を運転員に知らせるよ
うにするものである。
【0032】系統状態監視装置6は、崩壊熱算出手段と
除熱量算出手段とを有し、除熱量算出手段で推定した複
数個の冷却系統のそれぞれの除熱量と、崩壊熱算出手段
で推定した崩壊熱の変化と、記憶装置2に記憶されてい
る待機中の冷却系統が待機中から運転開始するまでに要
する時間とから、各冷却系統の使用可能期間あるいは安
全基準を逸脱する時期を予測するものである。
【0033】崩壊熱算出手段としては、定検直前までの
運転期間中の燃料燃焼度等のプラント運転履歴データを
記憶装置2に記憶しておき、これとプラント停止後の経
過時間とから現在の発生崩壊熱を推定する崩壊熱モデル
を用いる。燃料燃焼度の等のプラント履歴データは、運
転期間中、既設のプロセス計算機で計算されており、こ
れからネットワーク或いはフロッピーディスク等補助記
憶媒体を介して記憶装置2に記憶させる。また、プラン
ト停止後の経過時間は、系統状態監視装置6においてプ
ラント停止時刻と現在の時刻とから計算するものとし、
プラント停止時刻は運転員がプラント監視装置2に記憶
させておくものとする。崩壊熱算出手段の一例として、
NUCLEAR REACTOR ENGINEERI
NG(著者:S.Gclasstone and A.Sesonske, 出版社:
D.VAN NOSTRANDCOMPANY,IN
C)の100ページに記載されている(2.56)式に
よれば、運転期間中の定格出力P0 、プラント停止後の
経過時間をtとすると、崩壊熱Qは、次の(1)式で与
えられる。
【0034】 Q=A×P0 ×tB ・・・(1) ここで、A=6.1×10-3 , B=−0.2 とな
っている。
【0035】崩壊熱算出手段の別の例として、系統状態
監視装置において、プラント停止後にプラントデータ入
力装置1から入力した炉水温度と、除熱量算出手段で求
めた除熱量とから燃料の崩壊熱を推定し、これをプラン
ト停止後の経過時間と共に一定時間、記憶装置2に記憶
させておく。炉水の除熱は、各冷却系統似も受けられた
熱交換器において、高温の炉水から低温側の冷却水に熱
が伝達されることによって行われる。その除熱量の算出
は、次の(2)式を用いて行われる。
【0036】 Qc=Qd×(Tc−Te)/(Tx−Te)・・・(2) ここで、Qcは現在動作中の冷却系統による除熱量を表
しており、Qdは設計で決められた当該冷却系統の除熱
量、Tcは炉水温度、Teは冷却水温度、Txは設計時
に用いられた炉水温度をそれぞれ表している。また、Q
d、Txは予め与えておくものとし、Tc、Teはプラ
ントデータ入力装置1から入力した現在値である。
【0037】動作中の冷却系統の運転条件が変わらない
場合、(2)式で求めた除熱量は崩壊熱と均衡してほぼ
等しいと考えられることから、冷却系統の運転条件を監
視して運転条件が変わらないと判断した場合に、(2)
式の除熱量を崩壊熱として記憶装置2に記憶させてお
く。
【0038】冷却系統の運転条件が変化しないことを監
視する方法として、冷却系統の機器の運転状態を直接監
視する方法と、炉水温度の温度変化率から冷却系統の運
転条件が変化したことを判定させる方法とがある。後者
の判定方法は、冷却系統の運転条件が変わらない場合に
は、炉水温度の温度変化率が炉水温度と冷却水温度との
温度差にほぼ比例する特性を用いたものである。これを
次の(3)式に示す。
【0039】 dTc/dt=C×(Tc−Te)・・・(3) 炉水温度の温度変化率dTcは重要パラメータ監視装置
5において計算された現在値を用い、これと炉水温度T
c、冷却水温度Teから比例係数Cを計算し、これがほ
ぼ一定の場合に冷却系統の運転条件が変わらないと判定
する。炉水温度Tcの変化率の計算方法は、たとえば、
炉水温度Tcの現在値及び現在から過去の一定期間、す
なわち、温度変化率がほとんど変わらない程度の短期的
な期間の値を記憶装置2に記憶させておき、これを一次
式で最小自乗法によりフィッティングすることにより求
める。
【0040】上記の方法により記録された崩壊熱を
(1)式の如くプラント停止後の経過時間の関数とし
て、フィッティングして(1)式の定数A、Bを決める
ことにより崩壊熱モデルを作成し、これを用いてプラン
ト停止後の経過時間のみを入力して現在の発生崩壊熱を
推定するようにする。
【0041】除熱量算出手段としては、冷却系統の機器
構成及び機器仕様等の設計情報に基づいて、冷却系統に
おける熱収支を計算する除熱モデルを用い、これにプラ
ントデータ入力装置1で読み込んだ炉水温度Tc及び動
作中の冷却系統の冷却水温度Teと機器の運転/停止等
の運転状態を入力することにより現在の除熱量を推定す
る。除熱モデルは(2)式を用いることができる。
(2)式において、機器の運転状態より設計で決められ
た当該冷却系統の除熱量Qdの値を決定する。
【0042】このようにして、系統状態監視装置6は、
除熱算出手段で複数個の冷却系統のそれぞれの除熱量を
算出し、崩壊熱算出手段で燃料の崩壊熱の変化を算出す
る。そして、算出した除熱量及び崩壊熱変化と、記憶装
置2に記憶されている待機中の冷却系統が待機中から運
転開始するまでに要する時間とから、各冷却系統の使用
可能期間あるいは安全基準を逸脱する時期を予測する。
すなわち、崩壊熱と除熱量とが等しければ炉水温度の変
化はなく一定であるが、崩壊熱が除熱量より大きい場合
は、炉水温度は徐々に上昇する。その上昇が継続すれば
炉水温度の許容範囲を逸脱することになる。そこで、系
統状態監視装置6では、各々の冷却系統につきその冷却
系統の設計上の除熱量Qdと炉水温度Tc及び冷却水温
度Teに基づいて各々の冷却能力Qcを算出し、その冷
却系統を起動した場合の崩壊熱の熱収支との関係から、
その冷却系統を起動して運転した場合に、炉水温度が安
全基準を満たす状態での運転を継続できる期間を冷却系
統の使用可能期間として算出する。この場合、冷却系統
に起動指令を出力してから実際に除熱を開始するまでに
は時間が掛るので、その時間も考慮に入れている。
【0043】これにより、待機中の冷却系統の各々につ
き、それを起動した場合の各冷却系統の使用可能期間あ
るいは安全基準を逸脱する時期を表示装置4に表示する
ので、運転員はどの冷却系統を起動すれば、現状のプラ
ント状態に最も適切なものであるかを容易に判断できる
ようになる。
【0044】次に、崩壊熱除去のために動作中の冷却系
統を代替系統に切替える場合には、次の2通りの基準で
切り替える。運転員は表示装置4に表示されている代替
系統の中から、入力装置3により起動する冷却系統を選
択し指定する。
【0045】(1)現在動作中の冷却系統を停止してか
ら、その後に代替系統を運転開始する場合は、一時的に
崩壊熱除去機能の停止期間が存在することになる。そこ
で、系統状態監視装置6は、一時的に崩壊熱除去機能の
停止期間も考慮に入れて、系統状態監視装置6により予
測した安全基準を逸脱する時期までに代替系統への運転
切替えを終了するように、表示装置4に運転切替のガイ
ドを表示する。そして、切替え前に代替系統が一系統し
かなかった場合には、切り替えた後に代替系統がなくな
るので、代替系統なしの警告を表示装置4に表示する。
【0046】(2)代替系統を動作中の冷却系統に切替
えてから現在動作中の冷却系統を停止する場合は、一時
的に動作中の冷却系統が二系統になる。この場合、代替
系統がなくなる場合でも動作中の冷却系統のうちのどち
らかが代替系統になるので、警報は出さないようにす
る。切替え前に代替系統が一系統しかなかった場合や、
動作中の二系統の一方を停止した場合には、代替系統な
しの警告を表示装置4に表示する。
【0047】このように、動作中系統の監視をそれまで
の代替系統の中から新たに選択して切替える際にも、適
切な冷却能力を有する冷却系統から動作中系統を選択す
るようにガイドすることができると共に、動作中系統の
切替え後も代替系統の必要性を判断して、運転員が代替
系統の確保を見落とすことのないように監視することが
可能となる。
【0048】このように、本発明のプラント監視装置
は、動作中の冷却系統の監視だけでなく、冷却機能を持
つ動作中以外の待機中の冷却系統についてもそれぞれの
冷却能力を評価して、常に適切な代替系統が一系統以上
確保されているを監視する。
【0049】次に、動作中の冷却系統による運転中にお
いて、重要パラメータは許容範囲内にあるが、動作中の
冷却系統には正常時の運転能力がないことを監視する場
合について説明する。この監視は重要パラメータ監視装
置5においてなされる。
【0050】重要パラメータ監視装置5は、系統状態監
視装置6の崩壊熱算出手段で求めた現在の発生崩壊熱
と、除熱量算出手段で求めた動作中の冷却系統の除熱能
力より正常時の原子炉冷却材温度を推定し、これとプラ
ントデータ入力装置1より読み込んだ現在の原子炉冷却
材温度とを比較することにより、動作中の冷却系統の異
常を早期に検知して表示装置4に表示する。
【0051】この場合、崩壊熱算出手段での崩壊熱モデ
ルは(1)式の崩壊熱モデルを用いて、プラント停止後
の経過時間から現在の発生崩壊熱を算出する。動作中の
冷却系統の運転状態が変わらなければ、除熱量は崩壊熱
と均衡してほぼ等しいとの考えから、除熱モデルである
(2)式に、(1)式で求めた崩壊熱Qと、記憶装置2
から取り出した冷却系統の運転状態で決められる設計上
の除熱量Qcと、プラントデータ入力装置1で読み込ん
だ冷却水温度Teとを代入して正常時の原子炉冷却材温
度Tcを推定する。そして、現在の発生崩壊熱と動作中
の冷却系統の除熱量から推定した正常時の原子炉冷却材
温度と現在の原子炉冷却材温度とを比較し、現在の原子
炉冷却材温度が許容範囲内にあるが、正常時の原子炉冷
却材温度より高い場合には、正常時の除熱能力がないと
判定する。この場合、動作中の冷却系統の運転状態の監
視は、前述した原子炉冷却材温度Tcの変化率dTc/
dtにより可能である。
【0052】表示装置4への表示は、前述した重要パラ
メータと同じ表示が適用できる。たとえば、推定した正
常時の原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度との
比の絶対値をバーチャートで表示し、原子炉冷却材温度
と現在の原子炉冷却材温度との絶対値はバーチャートと
数値で表示し、また、原子炉冷却材温度と現在の原子炉
冷却材温度との絶対値から算出した変化率を上向きと下
向きの三角形で表示する。
【0053】このように、重要パラメータである原子炉
冷却材温度が安全基準で定められた許容範囲内にあるこ
とを監視するだけでなく、動作中の冷却系統に正常時の
除熱能力がないことも監視するので、動作中の冷却系統
の異常をいち早く発見することができ、プラントの安全
を維持する上で大きな効果がある。
【0054】以上の説明は、動作中の冷却系統による運
転中において、重要パラメータは許容範囲内にあるが、
動作中の冷却系統には正常時の運転能力がないことを監
視するものであるが、動作中の冷却系統だけではなく、
その冷却系統の冷却水を冷却するための補機冷却水系統
についても除熱評価を行い、冷却系統と補機冷却系統の
除熱能力の双方を監視するようにすることも可能であ
る。
【0055】この場合、冷却系統の監視は上述の場合と
同様にして行う。一方、補機冷却系統についても同様
に、除熱算出手段の除熱モデルから正常時の冷却水温度
を推定する。つまり、冷却水系統の監視の場合における
原子炉冷却材を冷却系統の冷却水に置き換えて、補機冷
却水系統の監視を行うことになる。除熱算出手段では、
原子炉冷却材を冷却する冷却系統と冷却系統の冷却水を
冷却する補機冷却水系統との設計情報に基づいて、冷却
系統及び補機冷却水系統における熱収支を除熱モデルで
計算する。この計算にあたり、プラントデータ入力装置
1で取り込んだ動作中の冷却系統及び補機冷却系統のプ
ロセス量、つまり、原子炉冷却材温度や冷却水温度、補
機冷却水温度等と、機器の運転/停止等の運転状態とを
入力して現在の除熱量を推定することになる。
【0056】これにより、異常箇所が冷却系統か補機冷
却水系統かを判断することが可能となり、動作中の冷却
水系統に異常があった場合、その異常が冷却水系統なの
かその補機冷却水系統なのかを判断することが可能とな
る。したがって、異常箇所に対して速やかに対応するこ
とが可能となる。つまり、動作中の冷却水系統の監視だ
けでなく、補機冷却水系統についても除熱量の評価を行
い、常に冷却系統と補機冷却系統の除熱能力を監視する
ので、動作中の冷却系統に不具合があった場合に、異常
が冷却系統か補機冷却系統かを判断できる。したがっ
て、異常箇所に対して速やかに対処することができるの
で、プラントの安全を確保できる。
【0057】また、燃料貯蔵プールは燃料貯蔵プール冷
却系統で冷却される。この場合、燃料貯蔵プールと原子
炉とが連通している場合は、原子炉冷却材の冷却は燃料
貯蔵プール冷却系統でも行うことができるが、燃料貯蔵
プールと原子炉とが分離されている状態ではそれができ
ない。そこで、重要パラメータ監視装置5は、原子炉水
位とスキマサージタンク26の水位から燃料貯蔵プール
25の水位を推定し、推定された燃料貯蔵プール25の
水位と原子炉水位との差が、所定値以上に拡大した場合
には、原子炉と燃料貯蔵プール25とが分離されている
と判定する。原子炉と燃料貯蔵プール25とが分離され
ていると判定したときは、燃料プール冷却系統以外に原
子炉冷却材の冷却系統及び代替系統が確保されているか
否かを判定し、その判定結果を表示装置4に表示する。
代替系統が確保されていない場合には、警告を出力する
ことになる。
【0058】次に、重要パラメータ監視装置5による重
要パラメータの表示形態の他の実施例を図4に示す。図
4では、プラントデータ入力装置1により読み込んだ温
度データの絶対値と変化率とを円の右半分からなる半円
の表示部上に円の中心を起点とする矢印または直線40
を描くことにより表示したものである。矢印または直線
40の終点が現在の温度データを示している。温度デー
タの絶対値は、矢印なたは直線40の伝の中心からの距
離で示し、温度データの変化率は、円の中心から右方向
に引いた水平線である基準軸41から反時計回りを正の
とする矢印または直線40の回転角で示す。つまり、矢
印または直線40の回転角が正の場合は温度は上昇して
おり、負の場合は温度は下降しているということを示
す。
【0059】温度データの現在までの傾向を見る場合
は、入力装置3から表示したい過去から現在までの時間
を入力し、記憶装置2にある入力した時間に対応した履
歴データを、半円の表示部に矢印または直線40の終点
部分の点の奇跡43として表示する。
【0060】温度データの監視の一例としては、半円の
表示部には安全基準で定められている許容範囲42が記
憶装置2より読み込んで表示されている。重要パラメー
タ監視装置5において、許容範囲内にあると判定された
場合には、正常であることを示すのに矢印または直線4
0を青色で表示し、許容範囲外と判定された場合には、
運転員に警告を発するために矢印または直線40を赤色
で表示し、さらにこれを点滅させることで監視を行う。
つまり、矢印または直線40は、その終点部が表示した
許容範囲42内にある場合は青色で表示され、許容範囲
外にある場合は赤色で点滅して表示される。
【0061】このように、この表示形態は温度データの
絶対値と変化率とが同じ表示部で示され、変化率の表示
が矢印または直線40の傾きで示されるので、温度デー
タの現在の傾向が一目で分かり、トレンドも併せて表示
できるので、入力装置3で指定した過去の時間から現在
までの温度の傾向も分かり、運転員の監視の負担を軽減
することができる。
【0062】図5は、重要パラメータを円形状に表示し
た場合の表示画面の説明図である。図5では、プラント
データ入力装置1により読み込んだ温度データを、入力
装置3より入力した一定時間を円の一周りの長さに定め
て、円の中心から上方向に引いた垂直線を基準時刻に、
これから時計回りに時刻を設定した表示部の円上に、円
の中心を起点とする矢印または直線44を描くことによ
り表示する。矢印または直線44の終点が現在の時刻を
示しており、矢印または直線44上に現在の温度データ
と現在から円の一周分時間前の温度データを表示してい
る。
【0063】温度の絶対値は、円の中心からの距離で示
しており、図5では表示の一例として、矢印または直線
44上の矢じりが現在の温度データ45を示し、黒丸が
円の一周分時間前の温度データ46を示している。つま
り、黒丸と矢じりとの間の距離が円の一周分時間の温度
データの平均変化量を示している。
【0064】表示部である円上には、時間が進むにつれ
て表示されている最も古いデータ、つまり円の一周分時
間前の温度データ46が消されて、最も新しいデータ、
つまり現在の温度データ45の一つ先のデータが新たに
表示される。こうして、円一周分時間前から現在までの
温度データの履歴が示されている。現在までの温度デー
タの履歴は全て記憶装置2に記憶されており、入力装置
3で過去の任意の時間を指定すると、指定した過去の時
間から現在までの温度の履歴データを表示することもで
きるようになっている。
【0065】温度データの監視の一例としては、表示部
である円上には安全基準で定められている許容範囲47
が記憶装置2より読み込んで表示されている。重要パラ
メータ監視装置5において、許容範囲内にあると判定さ
れた場合には正常であることを示すのに、矢印または直
線44の円の中心から現在の温度データ45の矢じりま
でを青色で表示し、許容範囲外と判定された場合には、
運転員に警告を発するために矢印または直線44の円の
中心から現在の温度データ45の矢じりまでを赤色で表
示し、さらにこれを点滅させることで監視を行う。つま
り、矢印または直線44の現在の温度データ45の矢じ
りが表示した許容範囲47内にある場合は青色で表示さ
れ、許容範囲外にある場合は赤色で点滅して表示され
る。
【0066】このように、この表示形態では、入力装置
3により指定した円一周分時間前から現在までの温度デ
ータの平均の変化量が、矢印または直線44上で一目で
分かるように表示される。また、円一周分時間前から現
在までのトレンド48も表示されているので、温度デー
タの傾向も分かり、運転員の監視の負担を軽減すること
ができる。
【0067】次に、図6に、重要パラメータを円形状に
表示すると共に代替系統や作業名を併せて表示した場合
の表示画面の説明図を示す。図6では、上述した図5の
温度データの表示形態において、温度データの表示部で
ある円のすぐ外側の円が崩壊熱除去のために運転中の冷
却系統49を示し、もう一つ外側の円が冷却系統の代替
系統50を示している。又、関連する作業件名51も直
線で表示されている。運転中の冷却系統49と関連する
作業件名51は入力装置3により運転員が指定したもの
で、代替系統50については系統状態監視装置6により
判定した系統である。
【0068】この表示形態によれば、温度データのみの
監視だけではなく、崩壊熱除去のために運転中の冷却系
統とその代替系統及び関連する作業件名を併せて表示す
るので、温度データの傾向と関連作業との関係が一目で
分かり、運転員の監視の負担を軽減することができる。
【0069】又、この表示形態は、温度データの傾向と
関連作業との関係が判り易いので、崩壊熱モデルと除熱
モデルとから予測した温度データを使用して、一日の作
業計画を検討する際の作業性が向上する。また、温度デ
ータの傾向と関連作業との関係が判り易いので、作業開
始後には、実際の温度データを予測したデータを併せて
表示することにより監視の支援となり、作業終了後に
は、記憶装置2にある予測データと実データとを比較検
討する際に、実施した作業との関係が判り易いものとな
る。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、原子炉の
安全維持系統の重要パラメータを絶対値と変化率とで表
示し、その変化方向を運転員に分かり易く表示するの
で、運転員の監視が容易にできるようになる。また、動
作中の冷却系統の監視だけでなく、冷却機能を持つ動作
中の冷却系統以外の冷却系統についても、それぞれの冷
却能力を評価して、常に適切な代替系統が一系統以上確
保されていることを監視することができるので、動作中
の冷却系統に不具合があった場合にも、速やかに冷却機
能を維持することができる。
【0071】また、冷却系統内の機器の点検により、動
作中の冷却系統の監視をそれまでの代替系統の中から新
たに選択して切替る際にも、適切な冷却能力を有する冷
却系統から動作中の冷却系統を選択するようにガイドす
るので、動作中の冷却系統の切り替え後も代替系統の必
要性を判断して運転員が代替系統の確保を見落とすこと
のないように監視することができる。
【0072】本発明では、重要パラメータが安全基準で
定められた許容範囲内にあることを監視するだけではな
く、動作中以外の冷却系統や補機冷却系統が正常時の除
熱能力があるか否かも監視するので、動作中の冷却系統
や補機冷却系統の異常をいち早く発見することができ
る。
【0073】一方、温度データの絶対値と変化率とを同
じ表示部で表示し、温度データのトレンド表示を行うの
で、過去から現在までの温度の傾向も分かり、また、そ
れに関連する作業件名も併せて表示することにより温度
データの傾向と関連作業との関係が一目で分かり、運転
員の監視の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラント監視装置のブロック構成図
【図2】本発明の重要パラメータを表示するための表示
画面の説明図
【図3】本発明の安全維持系統の系統模式図を表示する
ための表示画面の説明図
【図4】本発明の重要パラメータを半円形状に表示した
場合の表示画面の説明図
【図5】本発明の重要パラメータを円形状に表示した場
合の表示画面の説明図
【図6】本発明の重要パラメータを円形状に表示すると
共に代替系統や作業名を併せて表示した場合の表示画面
の説明図
【符号の説明】
1 プラントデータ入力装置 2 記憶装置 3 入力装置 4 表示装置 5 重要パラメータ監視装置 6 系統状態監視装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松野 二朗 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力発電プラントの定期検査の際に燃
    料からの崩壊熱を除去する冷却系統及び原子炉水位の維
    持に必要な注水系統からなる安全維持系統の監視を行う
    プラント監視装置において、前記原子力発電プラントか
    らのプラントデータを読み込むプラントデータ入力装置
    と、このプラントデータ入力装置で読み込まれたプラン
    トデータを記憶すると共に前記プラントデータのうち予
    め定められた重要パラメータの基準値及び許容範囲と前
    記安全維持系統に関する設計情報とを記憶するための記
    憶装置と、前記重要パラメータがその基準値及び許容範
    囲を満たすか否か判定すると共にその変化率を算出する
    重要パラメータ監視装置と、前記プラントデータのうち
    前記安全維持系統の機器状態に基づいて前記安全維持系
    統が適切に運転できる状態にあるか否かを評価する系統
    状態監視装置と、前記重要パラメータ監視装置及び前記
    系統状態監視装置の演算結果を表示するための表示装置
    とを備えたことを特徴とするプラント監視装置。
  2. 【請求項2】 前記系統状態監視装置は、複数個ある前
    記冷却系統のそれぞれの除熱量を算出するための除熱量
    算出手段と、前記燃料の崩壊熱を算出する崩壊熱算出手
    段とを有し、算出した除熱量及び崩壊熱と待機中の前記
    冷却系統が待機状態から運転状態に至るまでに要する時
    間とに基づいて、前記各々の冷却系統の使用可能期間あ
    るいは安全基準を逸脱する時期を予測し、その予測結果
    を前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に
    記載のプラント監視装置。
  3. 【請求項3】 前記崩壊熱算出手段は、前記記憶装置に
    記憶されている定検直前までのプラント運転履歴データ
    とプラント停止後の経過時間とを入力して現在の発生崩
    壊熱を計算する崩壊熱モデルを用いて前記崩壊熱を計算
    することを特徴とする請求項2に記載のプラント監視装
    置。
  4. 【請求項4】 前記除熱量算出手段は、前記安全維持系
    統のうちの前記冷却系統の設計情報に基づいて前記冷却
    系統における熱収支を計算する除熱モデルを用い、炉水
    温度及び動作中である前記冷却系統の冷却水温度を入力
    して前記除熱量を算出するようにしたことを特徴とする
    請求項2に記載のプラント監視装置。
  5. 【請求項5】 前記崩壊熱算出手段は、プラント停止後
    に前記除熱量算出手段で算出した除熱量から燃料の崩壊
    熱を推定し、これを一定期間、前記記憶装置に記憶させ
    たものをプラント停止後の経過時間の関数としてフィッ
    ティングすることにより崩壊熱モデルを作成し、プラン
    ト停止後の経過時間のみを入力して現在の発生崩壊熱を
    推定するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の
    プラント監視装置。
  6. 【請求項6】 前記崩壊熱算出手段は、前記プラントデ
    ータ入力装置から取り込んだ炉水温度の変化率から動作
    中の冷却系統の運転条件が変化したか否かを判定し、前
    記運転条件が変化しないと判定したときの除熱量のみか
    ら崩壊熱を推定してフィッテイングするようにしたこと
    を特徴とする請求項5に記載のプラント監視装置。
  7. 【請求項7】 前記重要パラメータ監視装置は、前記崩
    壊熱算出手段より求めた現在の発生崩壊熱と前記除熱量
    算出手段より求めた動作中の冷却系統の除熱量とに基づ
    いて正常時の原子炉冷却材温度を推定し、この推定した
    正常時の原子炉冷却材温度と現在の原子炉冷却材温度と
    を比較し、動作中の冷却系統の異常判定を行い、その結
    果を前記表示装置に表示するようにしたことを特徴とす
    る請求項2に記載のプラント監視装置。
  8. 【請求項8】 前記除熱量算出手段は、原子炉冷却材を
    冷却する冷却系統とこの冷却系統の冷却水を冷却する補
    機冷却水系統との設計情報に基づいて、前記冷却系統及
    び補機冷却水系統における熱収支を計算する除熱モデル
    を用い、これに前記プラントデータ入力装置で取り込ん
    だ動作中の冷却系統及び補機冷却系統のプロセス量と機
    器の運転状態とを入力して現在の除熱量を推定し、前記
    重要パラメータ監視装置は、推定された除熱量に基づい
    て前記冷却系統及び前記補機冷却系統の異常判定を行
    い、その判定結果を前記表示装置に表示するようにした
    ことを特徴とする請求項2に記載のプラント監視装置。
  9. 【請求項9】 前記重要パラメータ監視装置は、原子炉
    水位とスキマサージタンクの水位とから燃料貯蔵プール
    の水位を推定し、前記推定された燃料貯蔵プールの水位
    と原子炉水位との差が、所定値以上に拡大した場合に
    は、原子炉と燃料貯蔵プールとが分離されていると判定
    し、前記原子炉と前記燃料貯蔵プールとが分離されてい
    ると判定したときは、前記燃料プール冷却系統以外に原
    子炉冷却材の冷却系統及び代替系統が確保されているか
    否かを判定し、その判定結果を前記表示装置に表示する
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載のプラント
    監視装置。
  10. 【請求項10】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    重要パラメータとして、定検中の原子炉水位、スキマサ
    ージタンク水位、サプレッションプール水位、原子炉残
    留熱除去系熱交換器の炉水側入り口温度、原子炉冷却材
    浄化系統熱交換器の炉水側入り口温度、燃料貯蔵プール
    冷却浄化系ポンプ入り口温度又は燃料貯蔵プール水温
    度、サプレッションプール水温度及び中性子源領域モニ
    タ計数率につき、それぞれの絶対値とその履歴データと
    から計算した変化率とを前記表示装置に表示するように
    したことを特徴とする請求項1に記載のプラント監視装
    置。
  11. 【請求項11】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    定検時に監視すべき前記重要パラメータの絶対値の大き
    さをバーチャートとし、その変化率が増側のときは上向
    きの三角形を、また減側のときは下向きの三角形を変化
    率の大きさに応じた個数とし、さらに変化率を示す三角
    形の表示色を水位の場合は増側及び減側とも危険を示す
    表示色を用い、温度の場合には増側に対しては危険を示
    す表示色を用い、減側に対しては安全を示す表示色を用
    いて前記表示装置に表示するようにしたことを特徴とす
    る請求項10に記載のプラント監視装置。
  12. 【請求項12】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    定検中に前記原子炉水位の基準水位が変更される場合に
    は原子炉水位の変更期間中、原子炉水位の絶対値の大き
    さを表わすバーチャートの表示部全体の表示色を変え、
    前記原子炉水位の変更期間中であることを明示すると共
    に、前記バーチャートの表示部には変更前後の基準水位
    を表示し、前記原子炉水位が両基準水位内で変化してい
    る場合には、前記原子炉水位の変化率の大きさを示す三
    角形及び原子炉水位の絶対値の大きさを示すバーチャー
    トを正常であることを示す表示色とし、両基準水位から
    逸脱して原子炉水位が変化する場合には前記三角形及び
    前記バーチャートを危険を示す色として前記表示装置に
    表示するようにしたことを特徴とする請求項10に記載
    のプラント監視装置。
  13. 【請求項13】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    重要パラメータに追加して、原子炉圧力容器、燃料貯蔵
    プールゲート、燃料貯蔵プール及びスキマサージタンク
    とそれぞれの水位とゲート開閉状態を模式的に表示する
    と共に、原子炉残留熱除去系、原子炉冷却材浄化系、燃
    料貯蔵プール冷却浄化系の各冷却系統と復水補給系、制
    御棒駆動系、燃料プール補給水系、原子炉隔離時冷却
    系、高圧炉心スプレイ系、低圧スプレイ系、低圧注入系
    の補給水注入系統を示すブロックを前記表示装置に表示
    すると共に、前記各ブロックを選択し選択されたブロッ
    クの詳細な系統図とポンプの運転状態及び主要な弁の開
    閉状態を色分けして前記表示装置に表示するようにした
    ことを特徴とする請求項10、請求項11又は請求項1
    2に記載のプラント監視装置。
  14. 【請求項14】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    重要パラメータの表示及び冷却系統を示すブロックの表
    示を現在動作中の冷却系、代替系として選択されている
    系、現在点検中の系及びその他の系に色分けして前記表
    示装置に表示すると共に、原子炉圧力容器等を示す模式
    図の水位の表示色を水の温度によって変更するようにし
    たことを特徴とする請求項13に記載のプラント監視装
    置。
  15. 【請求項15】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示
    するにあたり、円の右半分からなる半円の表示部上に前
    記円の中心を起点とする矢印又は直線を描き、前記円の
    中心から右方向に引いた水平線を基準軸として、これか
    ら反時計回りを正とする回転角を温度の変化率に比例し
    て与え、また温度の絶対値を中心からの距離で与え、前
    記矢印又は直線の終点を決定して前記温度データを前記
    表示装置に表示するようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のプラント監視装置。
  16. 【請求項16】 前記重要パラメータ監視装置は、前記
    重要パラメータのうち温度データを前記表示装置に表示
    するにあたり、円上に円の中心を起点とする矢印又は直
    線を描き、円の一周りを一定時間長さに定めて円の中心
    から上方向に引いた垂直線を基準時刻にしてこれから時
    計回りに時刻を設定し、前記矢印又は直線の終点を現在
    の時刻を示す位置に定め、温度の絶対値を円の中心から
    距離で与えたときの現在までの温度の履歴を合わせて前
    記表示装置に表示するようにしたことを特徴とする請求
    項1に記載のプラント監視装置。
  17. 【請求項17】 前記重要パラメータ表示装置は、温度
    の表示部である円の外周に温度データとそれに関連する
    作業名とを合わせて表示するようにしたことを特徴とす
    る請求項16に記載のプラント監視装置。
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