JPH0822298A - 符号化装置および復号化装置 - Google Patents

符号化装置および復号化装置

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JPH0822298A
JPH0822298A JP6156172A JP15617294A JPH0822298A JP H0822298 A JPH0822298 A JP H0822298A JP 6156172 A JP6156172 A JP 6156172A JP 15617294 A JP15617294 A JP 15617294A JP H0822298 A JPH0822298 A JP H0822298A
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bits
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JP6156172A
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Shiyuuichi Kawama
修一 河間
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビット配分部2が割り当てた量子化ビット数
Bnが多いほど、スケーリングファクタ量子化部3dが
スケーリングファクタを量子化する際の量子化ビット数
SBnおよび/または量子化幅dFQnを変化させること
により量子化範囲rFQnを減少させるスケーリングフ
ァクタ量子化調整部3eが設けられた。また、ビット配
分部2が割り当てた量子化ビット数Bnが少ないほど、
スケーリングファクタ量子化部3dがスケーリングファ
クタを量子化する際の量子化ビット数SBnを増加させ
るスケーリングファクタ量子化調整部3eが設けられ
た。 【効果】 データの量子化ビット数Bnに応じてスケー
リングファクタの量子化ビット数SBnや量子化幅dF
Qnを変更することにより、ビットレートの低減化を図
り、また、量子化雑音を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号や音声
信号などを帯域分割符号化などによりデータ圧縮して符
号化する符号化装置とこれを復号化する復号化装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ信号を高品質でディジ
タル化しPCM[Pulse Code Modulation]信号に変換す
る場合、サンプリング周波数を44.1kHzまたは4
8kHzとし、量子化ビット数を16ビットとするのが
一般的である。サンプリング周波数を40kHz以上と
することにより、人間の可聴範囲の上限である20kH
zまでの信号成分を確実に再生することができる。ま
た、量子化ビット数は、ダイナミックレンジに対応し、
16ビットで96dB以上のダイナミックレンジを確保
することができる。しかしながら、このようなPCM信
号は、ビットレートが705.6kbps(44.1k
Hz)または768kbps(48kHz)となって、
極めて高い値となるため、そのまま通信したり記録媒体
に記録したのでは効率が悪い。例えば、直径12cmの
光ディスクを用いたCD[Compact Disc]の場合、オーデ
ィオ信号をステレオ両チャンネルで70分程度しか記録
することができない。
【0003】このため、上記PCM信号を高能率でデー
タ圧縮する高能率符号化装置が従来から種々開発されて
いる。音声信号のデータ圧縮手法としては、主として波
形符号化によるものと周波数次元での符号化の帯域分割
符号化(SBC[Sub-Band Coding])と適応変換符号化
(ATC[Adaptive Transform Coding])によるものと
分析合成符号化によるものがある。このうち帯域分割符
号化、適応変換符号化は、人間の聴覚特性を利用したデ
ータ圧縮が容易となるため、波形符号化よりも高能率の
圧縮が可能となり、分析合成符号化ほど音質が低下しな
いという特徴を有する。したがって、高能率符号化装置
は、主としてこの帯域分割符号化を用い、適宜他のデー
タ圧縮手法を組み合わせることにより、PCM信号を高
能率にデータ圧縮して、ビットレートを4分の1〜8分
の1程度まで低減化させている。なお、このように帯域
分割符号化を用いた高能率符号化装置は、音声信号と同
じく非可逆圧縮が可能で帯域に偏りが大きい画像信号の
データ圧縮にも利用されている。
【0004】上記高能率符号化装置は、PCM信号をま
ず複数の周波数帯域に分割する必要がある。この帯域の
分割は、周波数帯域を等間隔に分割する場合と、聴覚特
性における同時マスキングを考慮して臨界帯域幅間隔に
分割する場合とが一般的である。臨界帯域幅間隔に分割
する場合には、高域になるほど間隔が広くなる。分割の
方法としては、ディジタルフィルタによる帯域通過フィ
ルタを用いる場合とDCT[Discrete Cosine Transfor
m](離散コサイン変換)やDFT[Discrete Fourier Tr
ansform](離散フーリエ変換)などの直交変換を用いる
場合がある。帯域通過フィルタを用いる場合には、分割
後に分割数分だけダウンサンプリングを行う。また、D
CTやDFTでは、PCM信号を所定サンプル数ずつ変
換し、この所定サンプル数と同数のデータを得る(DF
Tでは実数部と虚数部のデータを所定サンプル数の半分
ずつ得る)。したがって、この帯域分割ではデータ量は
変化しない。なお、DFTによる変換には、これの高速
アルゴリズムであるFFT[Fast Fourier Transform]
(高速フーリエ変換)を用いるのが通常である。
【0005】帯域分割に帯域通過フィルタを用いる高能
率符号化装置としては、例えばDCC[Digital Compact
Cassette]の高能率符号化手法であるPASC[Precisi
on Adaptive Subband Coding]と、国際規格であるMP
EG[Moving Picture ExpertGroup]1/Audio(I
SO/IEC 11172−3)レイヤー1,2があ
る。また、帯域フィルタと直交変換の1種であるMDC
T[Modified DCT]を組み合わせた高能率符号化装置とし
ては、MPEGI/Audioレイヤー3や、MD[Min
i Disc]の高能率符号化手法であるATRAC[Adaptive
Transform Acoustic Coding]がある。
【0006】上記高能率符号化装置は、分割した各帯域
のデータを量子化する際にスケーリングファクタを用い
る場合がある。オーディオ信号を帯域分割した場合、各
帯域ごとにデータの全体的な信号レベルが大きく相違す
るので、これを一律に量子化すると、量子化されたデー
タが使用するビットに偏りが多くなり、特に信号レベル
が低い帯域では高い信号レベルを示す上位ビットがほと
んど使われないという無駄が生じる。そこで、PCM信
号を所定サンプル数ずつのブロックに分け、各ブロック
ごとに、例えばそれぞれの帯域におけるデータの信号レ
ベルの絶対値が最大となる値をその帯域のスケーリング
ファクタとして定めると共に、各帯域のスケーリングフ
ァクタによってその帯域のそれぞれのデータを除算する
と、全ての帯域のデータが−1から+1まで(データが
正の数のみの場合には0から1まで)の間にほぼ同様に
分布する。そして、データをこのように正規化すると、
信号レベルの低い帯域も信号レベルが高い帯域と同等に
扱うことができるようになるので、後に説明するデータ
を量子化する際の量子化ビット数の割り当てと協調して
使用ビットの無駄を省くことができる。なお、スケーリ
ングファクタによる正規化は、このように帯域分割符号
化を用いた高能率符号化装置に特に適した手法ではある
が、データの分布に同様の偏りが生じる場合には、他の
方式の符号化装置にも利用することが可能である。
【0007】上記スケーリングファクタは、人間の聴覚
特性を考慮して信号レベルの対数が等間隔となるような
量子化幅(量子化ステップ)で量子化されるのが一般的
である。例えば、図4に示すように、信号レベルがデシ
ベル表記で0dB〜20dBとなる量子化範囲のデータ
を正規化する場合、スケーリングファクタの量子化ビッ
ト数を2ビットとすると、このスケーリングファクタの
量子化幅はデシベル表記で5dB間隔の等間隔となる。
そして、上記スケーリングファクタが0dB〜5dBで
ある場合には5dBに対応する2進符号002に量子化
され、順次同様にして15dB〜20dBである場合に
は20dBに対応する2進符号112に量子化される。
なお、この場合、基準電圧との比で表した信号レベルで
は、量子化範囲は1〜10となり、スケーリングファク
タの量子化幅は最大の約4.38(=10−5.62)
から最小の約0.78(=1.78−1)まで、信号レ
ベルが低くなるほど狭くなる。
【0008】ここで、量子化されたスケーリングファク
タが5dB(2進符号002)の場合には、図5に示す
ように、その帯域の正規化前のデータの信号レベルが0
dB〜5dB(1〜1.78)の狭い範囲に分布する。
また、量子化されたスケーリングファクタが20dB
(2進符号112)の場合には、図6に示すように、そ
の帯域の正規化前のデータの信号レベルが0dB〜20
dB(1〜10)のダイナミックレンジ一杯に広く分布
する。したがって、これらのデータを正規化すると、デ
ータはそれぞれ同じような分布状態を呈することにな
り、例えばこのデータの量子化ビット数が共に3ビット
であれば、図5および図6に示すように、それぞれのデ
ータの分布範囲を8段階に区切って同等の量子化が行わ
れることになる。
【0009】なお、上記例では、データの量子化ビット
数を3ビットに固定して説明したので、スケーリングフ
ァクタが20dBの場合の図6に示したデータの量子化
幅が粗くなっていた。しかし、この量子化ビット数は、
後に説明するように、聴覚特性を考慮して割り当て数が
増減されるので、必要があればこの量子化幅はより細か
くすることができる。
【0010】また、上記スケーリングファクタは、浮動
小数点数と対比される場合がある。この場合、スケーリ
ングファクタは浮動小数点数の指数に対応し、正規化さ
れたデータは浮動小数点数の仮数に対応する。しかしな
がら、このスケーリングファクタは、同じブロック内に
おいて各帯域ごとに共通の値となるので、常に小数点以
下第1位のビットが1となるように規格化され指数が変
動する浮動小数点数とは必ずしも同じ性質を有するもの
ではない。そして、仮数に対応する正規化されたデータ
の量子化ビット数も、後に説明するように動的に変更さ
れるという点で浮動小数点数とは異なる。
【0011】上記スケーリングファクタは、正規化によ
り各帯域ごとにデータの信号レベルを同じように分布さ
せるためのものなので、信号レベルの最大値に限るもの
ではなく、信号レベルの平均値などを用いることもでき
る。例えば、各帯域におけるブロック内のm個のデータ
のそれぞれの信号レベルをxi(iは1〜mの整数)と
して、下記数1で示されるパワーの平均値をスケーリン
グファクタとしてもよく、
【0012】
【数1】
【0013】また、このブロック内の信号レベルの平均
値をxとして、分布の散らばりの程度を表す下記数2の
標準偏差を考慮することも可能である。
【0014】
【数2】
【0015】上記従来の高能率符号化装置の一例を図7
に基づいて説明する。
【0016】オーディオ信号をA/D変換したPCM信
号は、帯域分割部1とビット配分部2に送られる。帯域
分割部1は、入力されたPCM信号の周波数帯域をN個
の帯域に分割するものであり、ここでは帯域通過フィル
タとダウンサンプラを組み合わせたフィルタバンクによ
って構成している。この帯域分割部1でN分割された各
帯域のデータは、それぞれの帯域の符号化器3に送られ
る。符号化器3は、実際にはN組設けられるが、図7で
は、第1番目の符号化器31と第n番目の符号化器3nと
第N番目の符号化器3Nのみを示している。ここで、n
は、1〜Nの範囲の整数を示す。
【0017】ビット配分部2は、入力したPCM信号を
所定サンプル数ごとのブロックに分け、各ブロック(以
下、このブロックを「フレーム」という)ごとに人間の
聴覚特性に基づいて各帯域に割り当てる量子化ビット数
を定めると共に、割り当てた量子化ビット数を各符号化
器3とマルチプレクサ4にそれぞれ送るようになってい
る。このビット配分部2は、まず入力したPCM信号を
例えばDFTによって各周波数ごとの信号レベルのパワ
ーを示す周波数スペクトルに変換する。そして、この周
波数スペクトルにおけるパワーの分布状態と聴覚特性と
を比較することにより各帯域に割り当てる量子化ビット
数を決定する。聴覚特性としては、等ラウドネス特性や
同時マスキング効果などがある。等ラウドネス特性は、
3kHz〜4kHz付近を最高としてこれより低域や高
域では信号レベルに対する聴覚の感度が低下するという
特性を示すものである。また、同時マスキング効果は、
ある帯域に信号レベルのピークがあると、近隣の他の帯
域のデータがマスクされ帯域が近いほど聴き取り難くな
るという効果である。量子化ビット数の割り当ては、割
り当てた量子化ビット数に応じて発生する量子化雑音が
これらの聴覚特性に基づく各帯域の許容範囲内に収まる
ように最適化することにより行われる。
【0018】上記帯域分割部1で分割されたデータは、
各符号化器3のデータ正規化部3aとスケーリングファ
クタ計算部3cとに送られる。また、上記ビット配分部
2で割り当てられた量子化ビット数は、各符号化器3の
データ量子化部3bに送られる。スケーリングファクタ
計算部3cでは、例えば各フレームごとにデータの信号
レベルの最大値を検出して、これをスケーリングファク
タとして定める。また、スケーリングファクタ量子化部
3dでは、このスケーリングファクタを所定の量子化ビ
ット数と所定の量子化幅で量子化し、これをデータ正規
化部3aに送ると共に、符号化器3の出力としてマルチ
プレクサ4にも送る。データ正規化部3aでは、帯域分
割部1から送られて来たデータを量子化されたスケーリ
ングファクタで除算し、これによって正規化されたデー
タをデータ量子化部3bに送る。データ量子化部3b
は、割り当てられた量子化ビット数に基づいてこの正規
化されたデータを量子化し、符号化器3の出力としてマ
ルチプレクサ4に送る。
【0019】マルチプレクサ4では、ビット配分部2と
各符号化器3から送られて来た量子化ビット数とデータ
とスケーリングファクタをフレーム単位でまとめ各帯域
ごとに順に出力する。そして、これにより、オーディオ
信号のPCM信号が高能率符号化したビットストリーム
に変換される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の高能率符号
化装置では、スケーリングファクタの量子化ビット数や
量子化幅が固定され、これに伴い量子化範囲もPCM信
号のダイナミックレンジ以上の範囲に固定されていた。
例えば、上記MPEG1/Audioの場合には、スケ
ーリングファクタの量子化ビット数が6ビット、量子化
幅が2dBに固定され、量子化範囲も126dBに固定
されている。なお、量子化範囲が128dB(=64×
2dB)ではなく126dB(=63×2dB)となる
のは、スケーリングファクタが取り得る値が実際には6
ビットで表し得る64種類の値から1つ除外されためで
ある。
【0021】また、特開平3−139923号公報に
は、聴覚特性上あまり多くのビット数の割り当てを必要
としない高域について、スケーリングファクタの量子化
ビット数を減少させる発明が開示されている。しかし、
この発明の場合には、量子化ビット数の減少に伴って量
子化幅を広げているので、スケーリングファクタの量子
化範囲は常に一定であった。しかも、このスケーリング
ファクタの量子化ビット数の減少は、帯域に応じて一律
に定められるものであり、データの量子化ビット数に応
じて動的に変化するようなものではなかった。
【0022】ところで、上記高能率符号化装置のビット
配分部2が割り当てるデータの量子化ビット数は、等ラ
ウドネス特性や同時マスキング効果により、帯域内のデ
ータの信号レベルがある程度大い場合であっても割り当
て数が少なくなることはあり得る。しかし、一般的に
は、データの量子化ビット数が多く割り当てられている
帯域には、必ずある程度以上の信号レベルのデータが存
在する。また、データはスケーリングファクタによって
正規化されてから量子化されるので、図5と図6に示し
たように、同じ量子化ビット数が割り当てられるなら
ば、データの信号レベルが低い帯域の方、即ち図5に示
したスケーリングファクタの値が小さい方がデータの量
子化幅は狭くなり、量子化ビット数の割り当ても少なく
て済む。したがって、このことからも、適正な量子化ビ
ット数の割り当てが行われているならば、この量子化ビ
ット数が多く割り当てられている帯域のデータの信号レ
ベルがある程度より低くなることはあり得ない。
【0023】したがって、データの量子化ビット数とス
ケーリングファクタの値との間には、少なくとも量子化
ビット数が多ければスケーリングファクタもある程度以
上の値であるという相関関係が成立し、ビット配分部2
における量子化ビット数の割り当てアルゴリズムを検討
すれば、この量子化ビット数に応じてスケーリングファ
クタが取り得る値の最小値を確実に定めることは可能で
ある。即ち、複号化側から見れば、データの量子化ビッ
ト数が多い場合には、同時に送られて来るスケーリング
ファクタの値もある程度大きいものであることが予測で
き、高能率符号化されたビットストリームにもまだ冗長
性が存在しデータ圧縮の余地が残っていることになる。
【0024】また、特願平5−295015号における
特許請求の範囲の請求項4には、各帯域のデータの信号
レベルの大きさに応じてデータの量子化ビット数に上限
を設ける発明が開示されている。上記ビット配分部2が
同時マスキング効果等によるマスキング閾値と量子化雑
音との比によってのみデータの量子化ビット数の割り当
てを行った場合に、特定の帯域の信号レベルのみが高い
信号(例えば単一周波数の正弦波信号)を入力すると、
当該信号レベルが高い帯域とそこから十分に離れた信号
レベルの低い帯域との間の割り当て数の差があまり大き
くならず、当該信号レベルの高い帯域に割り当てられる
量子化ビット数が相対的に減少するという不都合が生じ
る。しかしながら、各帯域の信号レベルの大きさに応じ
て割り当てる量子化ビット数に上限を設ければ、信号レ
ベルが低い帯域の量子化ビット数を制限してこのような
不都合を解消することができる。
【0025】ここで、上記発明の場合に、例えば特定の
信号レベルに対してデータの量子化ビット数の上限が4
ビットに定められていたとすると、5ビットの量子化ビ
ット数が割り当てられていれば、この帯域の信号レベル
は必ず特定の信号レベルよりも高い筈である。したがっ
て、このような場合には、上記量子化ビット数とスケー
リングファクタとの相関関係がより強くなるため、高能
率符号化されたビットストリームの冗長性も大きくな
り、データ圧縮の余地がさらに広がる。
【0026】この高能率符号化されたビットストリーム
の冗長性を図4に示した例に基づいて詳しく説明する。
ここではスケーリングファクタの量子化ビット数が2ビ
ットであり、データの量子化ビット数が少ない場合に
は、信号レベルの高低が定められないため、スケーリン
グファクタの値も5dB〜20dBのいずれかになる。
しかし、データの量子化ビット数が所定数以上の場合に
は信号レベルが必ず10dBを超えるものとすると、ス
ケーリングファクタの値は15dBか20dBのいずれ
かになり、このスケーリングファクタの2進符号の上位
ビットは常に1となる。したがって、図8に示すよう
に、この場合のスケーリングファクタの量子化範囲を1
0dB〜20dBに半減させれば、スケーリングファク
タの量子化ビット数は1ビットで足りることになる。ま
た、複号化側では、送られて来たデータの量子化ビット
数が所定数以上であれば、スケーリングファクタを10
dB〜20dBの量子化範囲で1ビットの逆量子化を行
うことにより、15dBか20dBのいずれかのスケー
リングファクタの値を確実に再生することができる。
【0027】この結果、従来の高能率符号化装置は、ス
ケーリングファクタの量子化範囲が固定されているため
に、このスケーリングファクタの2進符号に冗長なビッ
トが生じるという問題があった。
【0028】また、例えばデータの量子化ビット数を1
ビット増加すると、データ数に比例してビットレートが
増加する。しかし、スケーリングファクタのビット数を
1ビット増加しても1フレームごとに帯域分割数分のビ
ット数しか増加しない。しかも、このようにスケーリン
グファクタの量子化ビット数を増加すると、特に信号レ
ベルが低くスケーリングファクタの値が小さい帯域での
データの量子化幅が大幅に狭まるので、量子化雑音を低
減する効果が極めて著しいものとなる。
【0029】ところが、従来の高能率符号化装置では、
上記のようにスケーリングファクタの量子化ビット数を
動的に変化させるようなものがなく、量子化雑音を効果
的に低減化する工夫がなされていないという問題があっ
た。
【0030】なお、上記問題は、帯域分割符号化による
高能率符号化装置に限らず、スケーリングファクタを用
いる全ての符号化装置と復号化装置に共通するものであ
る。本発明は、上記従来の問題を解決するもので、デー
タの量子化ビット数に応じてスケーリングファクタの量
子化ビット数や量子化範囲を動的に変化させることによ
り、符号化された信号のビットレートをさらに低減化
し、また、量子化雑音を効果的に低減することができる
符号化装置および復号化装置を提供することを目的とす
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の符号化装置は、
入力データの信号レベルに応じてスケーリングファクタ
を算出するスケーリングファクタ計算部と、該スケーリ
ングファクタ計算部が算出したスケーリングファクタを
量子化するスケーリングファクタ量子化部と、該スケー
リングファクタ量子化部が量子化したスケーリングファ
クタに基づいて該入力データを正規化するデータ正規化
部と、該データ正規化部が正規化したデータの量子化の
際に割り当てる量子化ビット数を算出するビット配分部
と、該ビット配分部が割り当てた量子化ビット数に基づ
いて該正規化部で正規化したデータを量子化するデータ
量子化部とを備えた符号化装置において、該ビット配分
部によって割り当てられた量子化ビット数が多いほど、
該スケーリングファクタ量子化部がスケーリングファク
タを量子化する際の量子化ビット数および/または量子
化幅を変化させることにより量子化範囲を減少させるス
ケーリングファクタ量子化調整部が設けられたものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。また、好ま
しくは、本発明の符号化装置におけるビット配分部が、
量子化ビット数を割り当てる最大数を入力データの絶対
値の大きさに応じて制限するものである。
【0032】また、本発明の複合化装置は、量子化ビッ
ト数に基づいて量子化されたデータの逆量子化を行うデ
ータ逆量子化部と、量子化されたスケーリングファクタ
を逆量子化するスケーリングファクタ逆量子化部と、該
スケーリングファクタ逆量子化部が逆量子化したスケー
リングファクタに基づいて該データ逆量子化部が逆量子
化したデータを逆正規化するデータ逆正規化部とを備え
た復号化装置において、該量子化ビット数が多いほど、
該スケーリングファクタ逆量子化部がスケーリングファ
クタを逆量子化する際の量子化ビット数および/または
量子化幅を変化させることにより量子化範囲を減少させ
るスケーリングファクタ逆量子化調整部が設けられたも
のであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0033】さらに、本発明の符号化装置は、入力デー
タの信号レベルに応じてスケーリングファクタを算出す
るスケーリングファクタ計算部と、該スケーリングファ
クタ計算部が算出したスケーリングファクタを量子化す
るスケーリングファクタ量子化部と、該スケーリングフ
ァクタ量子化部が量子化したスケーリングファクタに基
づいて該入力データを正規化するデータ正規化部と、該
データ正規化部が正規化したデータの量子化の際に割り
当てる量子化ビット数を算出するビット配分部と、該ビ
ット配分部が割り当てた量子化ビット数に基づいて該正
規化部で正規化したデータを量子化するデータ量子化部
とを備えた符号化装置において、該ビット配分部によっ
て割り当てられた量子化ビット数が少ないほど、該スケ
ーリングファクタ量子化部がスケーリングファクタを量
子化する際の量子化ビット数を増加させるスケーリング
ファクタ量子化調整部が設けられたものであり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0034】さらに、本発明の復号化装置は、量子化ビ
ット数に基づいて量子化されたデータの逆量子化を行う
データ逆量子化部と、量子化されたスケーリングファク
タを逆量子化するスケーリングファクタ逆量子化部と、
該スケーリングファクタ逆量子化部が逆量子化したスケ
ーリングファクタに基づいて該データ逆量子化部が逆量
子化したデータを逆正規化するデータ逆正規化部とを備
えた復号化装置において、該量子化ビット数が少ないほ
ど、該スケーリングファクタ逆量子化部がスケーリング
ファクタを逆量子化する際の量子化ビット数を増加させ
るスケーリングファクタ逆量子化調整部が設けられたも
のであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0035】
【作用】入力データは、通常はPCM信号であるが、そ
の他のアナログ信号などであってもよい。符号化装置が
帯域分割符号化による高能率符号化装置の場合には、複
数の周波数帯域に分割された各帯域のデータがこの入力
データとなる。
【0036】請求項1の発明によれば、データの量子化
ビット数が多いほどスケーリングファクタの量子化範囲
が減少する。そして、スケーリングファクタの量子化幅
を一定とし量子化ビット数を減少させることによりこの
量子化範囲を減少させた場合には、スケーリングファク
タの量子化ビット数の減少分だけビットレートを低減す
ることができる。また、スケーリングファクタの量子化
ビット数を一定とし量子化幅を狭めることによりこの量
子化範囲を減少させた場合には、スケーリングファクタ
の量子化幅が狭まった分だけデータの量子化幅も狭くな
り、量子化雑音を低減することができる。
【0037】ここで、量子化ビット数が多いほど量子化
範囲が減少するとは、量子化ビット数が増加するにした
がって、途中で一度でも量子化範囲が減少することがな
く、しかも、少なくとも量子化ビット数が最小の場合と
最大の場合では量子化範囲は必ず減少していることを意
味する。したがって、途中で量子化ビット数が増加して
も量子化範囲は変化しない場合があってもよい。量子化
ビット数と量子化幅は、量子化範囲がこのように減少す
るものであれば、どのように変化させてもよい。例えば
量子化幅が固定であれば量子化ビット数を減少させるこ
とにより量子化範囲が減少する。また、量子化ビット数
が一定であれば各ステップの量子化幅を狭くすることに
より量子化範囲を減少させることができる。さらに、こ
れらの変化を組み合わせて結果的に量子化範囲を減少さ
せるようにすることもできる。
【0038】請求項2の発明は、量子化ビット数を割り
当てる最大数を入力データの絶対値の大きさに応じて制
限することにより、データの量子化ビット数とスケーリ
ングファクタの値との相関関係がさらに強くなり、請求
項1の発明の効果をより一層高めることができる。
【0039】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の符号化装置のスケーリングファクタ量子化調整部に
対応させて、データの量子化ビット数が多いほどスケー
リングファクタ逆量子化部における量子化範囲を減少さ
せることにより、これらの符号化装置で符号化された信
号を復号化することができる。
【0040】請求項4の発明によれば、データの量子化
ビット数が少ないほど、スケーリングファクタの量子化
ビット数が増加するので、これによってスケーリングフ
ァクタの量子化幅が狭くなる分だけデータの量子化幅も
狭くなり、特にデータの信号レベルが低い場合にデータ
の量子化ビット数を増加させた場合とほぼ同等の量子化
雑音の低減効果を得ることができる。しかも、この場
合、スケーリングファクタの量子化ビット数が増加する
だけなので、データの量子化ビット数が増加する場合に
比べビットレートはわずかに上昇するにすぎない。
【0041】請求項5の発明は、請求項4の符号化装置
のスケーリングファクタ量子化調整部に対応させて、デ
ータの量子化ビット数が多いほどスケーリングファクタ
逆量子化部における量子化ビット数を増加させることに
より、この符号化装置で符号化された信号を復号化する
ことができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0043】図1および図2は本発明の第1実施例を示
すものであって、図1は高能率符号化装置のブロック
図、図2はスケーリングファクタとデータの量子化ビッ
ト数の上限値との関係を示す図である。なお、図7に示
した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号
を付記する。
【0044】本実施例は、帯域分割符号化を用いた高能
率符号化装置について説明する。ただし、本発明は、ス
ケーリングファクタによるデータの正規化を行うもので
あれば、他の符号化方式を用いた符号化装置についても
同様に実施することができる。
【0045】オーディオ信号をサンプリングし線形量子
化したPCM信号は、帯域分割部1とビット配分部2に
送られる。帯域分割部1は、ディジタルフィルタからな
る帯域通過フィルタとダウンサンプラを組み合わせたフ
ィルタバンクによって、入力されたPCM信号の周波数
帯域をN個の帯域に分割する回路である。ただし、この
帯域分割は、上記DCTなどの直交変換を用いて行って
もよい。なお、オーディオ信号をアナログ信号のまま直
接入力する場合には、帯域分割部1にアナログフィルタ
を用いる。この帯域分割部1でN分割された各帯域のデ
ータは、それぞれの帯域の符号化器3に送られる。符号
化器3は、実際にはN組設けられるが、図1では、第1
番目の符号化器31と第n番目の符号化器3nと第N番目
の符号化器3Nのみを示している。ここで、nは、1〜
Nの範囲の整数を示す。
【0046】ビット配分部2は、入力したPCM信号を
所定サンプル数ごとのフレームに分け、各フレームごと
に人間の聴覚特性に基づいてそれぞれの帯域に割り当て
る量子化ビット数を定めると共に、割り当てた量子化ビ
ット数を各符号化器3とマルチプレクサ4にそれぞれ送
るようになっている。このビット配分部2は、入力した
PCM信号をDFTなどによってパワースペクトルに変
換することにより各帯域のパワーの分布状態を検出して
いるが、帯域分割部1で分割した各帯域のデータを入力
し、これに基づいて各帯域のパワーの分布状態を検出す
ることもできる。
【0047】上記各符号化器3は、データ正規化部3a
とデータ量子化部3bとスケーリングファクタ計算部3
cとスケーリングファクタ量子化部3dとスケーリング
ファクタ量子化調整部3eとで構成されている。そし
て、帯域分割部1で分割されたデータは、各符号化器3
のデータ正規化部3aとスケーリングファクタ計算部3
cとに送られる。また、上記ビット配分部2で割り当て
られた量子化ビット数は、各符号化器3のデータ量子化
部3bとスケーリングファクタ量子化調整部3eに送ら
れる。
【0048】スケーリングファクタ計算部3cでは、例
えば各フレームごとにデータの信号レベルの絶対値の最
大値を検出して、これをスケーリングファクタFnとし
て定める。ただし、このスケーリングファクタは、数1
や数2に示したパワーの平均値などを用いることもでき
る。スケーリングファクタ計算部3cが定めたスケーリ
ングファクタFnは、スケーリングファクタ量子化部3
dに送られる。
【0049】スケーリングファクタ量子化調整部3e
は、ビット配分部2から送られて来たデータの量子化ビ
ット数Bnに応じて、スケーリングファクタFnの量子化
ビット数SBnや量子化幅dFQnの値をフレームごとに
動的に設定する回路であり、ここで設定された量子化ビ
ット数SBnや量子化幅dFQnは、スケーリングファク
タ量子化部3dに送られる。このスケーリングファクタ
量子化調整部3eについては、後にさらに詳細に説明す
る。
【0050】スケーリングファクタ量子化部3dは、ス
ケーリングファクタ量子化調整部3eによって設定され
た量子化ビット数SBnと量子化幅dFQnに基づいてス
ケーリングファクタFnを量子化する回路であり、量子
化されたスケーリングファクタFQnはデータ正規化部
3aに送られると共に、このスケーリングファクタFQ
nに対応する2進符号FCnが符号化器3の出力としてマ
ルチプレクサ4に送られる。データ正規化部3aは、帯
域分割部1から送られて来たデータをスケーリングファ
クタFQnで除算し正規化する回路であり、正規化され
たデータはデータ量子化部3bに送られる。なお、デー
タ正規化部3aは、スケーリングファクタFQnの性質
に応じて除算以外の他の演算を行うようにすることもで
きる。データ量子化部3bは、ビット配分部2によって
割り当てられた量子化ビット数に基づいてこの正規化さ
れたデータを量子化する回路であり、量子化されたデー
タは、符号化器3の出力としてマルチプレクサ4に送ら
れる。
【0051】マルチプレクサ4では、ビット配分部2と
各符号化器3から送られて来た量子化ビット数とデータ
とスケーリングファクタをフレーム単位で帯域ごとに順
に出力する。そして、これにより、オーディオ信号のP
CM信号は、高能率符号化したビットストリームに変換
される。なお、高能率符号化の結果は、必ずしもビット
ストリームとして出力する必要はなく、パラレル信号と
して取り扱うことも可能である。
【0052】ここで、上記スケーリングファクタの量子
化ビット数SBnと量子化幅dFQnと量子化範囲rFQ
nは、下記数3に示す関係となる。
【0053】
【数3】
【0054】ただし、量子化幅dFQnと量子化範囲r
FQnは、デシベル表記で表している。数3における左
辺の−1は、スケーリングファクタが取り得る値が実際
には量子化ビット数SBnで表し得る数から1つ除外さ
れためである。この数3から明らかなように、量子化ビ
ット数SBnと量子化幅dFQnのいずれか一方または双
方を変化させることにより量子化範囲rFQnを変化さ
せることができる。この量子化範囲rFQnは、下記数
4に示すように、スケーリングファクタの上限値fun
と下限値flnをデシベル表記としたものの差によって
表される。
【0055】
【数4】
【0056】また、スケーリングファクタ量子化部3d
におけるスケーリングファクタFnの量子化は、下記数
5を満たす最小の2進符号FCnを求めることにより行
われる。
【0057】
【数5】
【0058】即ち、スケーリングファクタの下限値fl
nをデシベル表記したものに量子化幅dFQnを2進符号
FCnでカウントしながら繰り返し加算すると共に、こ
の加算によって算出されたスケーリングファクタFQn
が最初にスケーリングファクタ計算部3cで定められた
スケーリングファクタFn以上の値となったときの2進
符号FCnを量子化の結果とする。また、この際のスケ
ーリングファクタFQnが量子化されたスケーリングフ
ァクタの実際の値となる。なお、このスケーリングファ
クタFQnは、デシベル表記となる。
【0059】上記スケーリングファクタ量子化調整部3
eによる量子化ビット数SBnと量子化幅dFQnの設定
を詳細に説明する。ただし、スケーリングファクタの上
限値funは65536に固定する。また、下限値fln
の最小値は、帯域分割部1での演算精度に基づいてここ
では0.03125とする。
【0060】
【表1】
【0061】表1は、データの量子化ビット数Bnが1
ビット〜16ビットの間で1ビットずつ増加するに従っ
て、スケーリングファクタの量子化ビット数SBnを6
ビット〜4ビットの間で段階的に減少させると共に、こ
の量子化ビット数SBnが変化しない間は量子化幅dF
Qnを徐々に狭めるように設定する場合を示す。量子化
ビット数SBnと量子化幅dFQnをこのように設定した
場合、量子化範囲rFQnの値は上記数3によって求め
ることができる。そして、この量子化範囲rFQnを上
記数4に代入することにより、表1に示したスケーリン
グファクタの下限値flnの値を求めることができる。
量子化範囲rFQnは、固定された上限値funとこの下
限値flnとの差である。そして、表1によれば、デー
タの量子化ビット数Bnの増加に伴ってこの下限値fln
が順次大きくなるので、量子化範囲rFQnもこれに応
じて減少することになる。なお、データの量子化ビット
数Bnが0の場合には、データそのものを削除すること
を意味するので、量子化ビット数SBnも0とし量子化
幅dFQnは設定しない。
【0062】例えば、データの量子化ビット数Bnが1
ビット〜16ビットのいずれの場合にも下限値flnの
値を0.03125に固定して量子化範囲rFQnを変
化させず、量子化ビット数SBnも6ビットに固定する
と、上記数3に数4を代入して得た下記数6の計算から
量子化幅dFQnの値は2.007に固定される。
【0063】
【数6】
【0064】これに対して表1に示すような設定を行う
と、量子化幅dFQnを2.007以下の値に保ちなが
ら、データの量子化ビット数Bnが多い場合に量子化ビ
ット数SBnを減少させることができ、これによってビ
ットレートを低減することができる。また、ここで余っ
たビットをデータの量子化ビット数Bnに割り当てれ
ば、量子化雑音の低減化に貢献することができる。
【0065】
【表2】
【0066】表2は、データの量子化ビット数Bnが4
ビット〜16ビットの間はスケーリングファクタの量子
化ビット数SBnを6ビットに設定し、データの量子化
ビット数Bnが1ビット〜3ビットに減少した場合にの
み量子化ビット数SBnを7ビットに増加させて設定す
る場合を示す。この場合、量子化範囲rFQnは変化さ
せないので、量子化幅dFQnは、量子化ビット数SBn
が7ビットのときにほぼ2分の1の値に減少して設定さ
れる。
【0067】この表2に示すような設定を行うと、デー
タの量子化ビット数Bnが少ない場合に量子化ビット数
SBnが1ビット増加することになるが、これに伴って
量子化幅dFQnを減少させることができるので、デー
タの量子化幅も減少することになり量子化雑音を低減化
させることができる。ここで、データの信号レベルが比
較的低い場合には、量子化幅dFQnの減少によるデー
タの量子化幅の減少の程度がデータの量子化ビット数B
nを1ビット増加させた場合に近いものとなる。しか
し、量子化ビット数Bnが増加すると全データのビット
数が増加するのに対して、スケーリングファクタの量子
化ビット数SBnが1ビット増加しても、1フレームに
つき分割帯域数分のビット数が増加するだけで済む。し
たがって、表2に示す設定を行った場合の量子化雑音の
低減効果は、ビットレートの上昇を補って余りあるもの
となる。
【0068】
【表3】
【0069】表3は、上記表1と表2の設定を組み合わ
せた場合を示す。即ち、データの量子化ビット数Bnが
4ビット以上の場合には、上記表1と同じ設定を行う。
また、量子化ビット数Bnが3ビット以下となった場合
には、量子化ビット数SBnを7ビットに増加させると
共に量子化幅dFQnも減少させる設定を行い、量子化
ビット数Bnが多くなるほど量子化範囲rFQnを減少さ
せるようにしている。
【0070】したがって、データの量子化ビット数Bn
が多い場合には、量子化ビット数SBnを減少させるこ
とによりビットレートを低減すると共に、データの量子
化ビット数Bnが少ない場合には、ビットレートの増加
以上の量子化雑音の低減効果を得ることができる。
【0071】上記ビット配分部2は、各帯域の信号レベ
ルに応じてデータの量子化ビット数の上限を定めるよう
にすることができる。この場合、ビット配分部2は、入
力したPCM信号に基づいて各帯域の信号レベルを求め
てもよいが、本実施例では、各帯域の符号化器3のスケ
ーリングファクタ計算部3cが信号レベルの最大値から
スケーリングファクタを定めているので、このスケーリ
ングファクタを利用した方がスケーリングファクタ量子
化調整部3eの処理との対応上都合がよい。このデータ
の量子化ビット数の上限は、スケーリングファクタの値
が大きくなるほど大きくなるように設定する。即ち、例
えば図2に示すように、スケーリングファクタの値がf
1からfMまでの間で大きくなるに従って量子化ビット数
の上限を1ビットからMビットまで増加させる。なお、
本実施例では、このMを16ビットとしている。
【0072】このようにしてデータの量子化ビット数の
上限を制限すると、信号レベルが低い帯域に割り当てら
れる量子化ビット数を制限することができ、信号レベル
が高い帯域に割り当てられる量子化ビット数が相対的に
減少するという不都合を解消することができる。しか
も、このようなデータの量子化ビット数の上限を設ける
と、データの量子化ビット数とスケーリングファクタの
値との相関関係がさらに強くなり、本実施例の効果をよ
り一層高めることができる。
【0073】なお、ここでは各帯域で共通に量子化ビッ
ト数の上限を定めているが、帯域ごとに異なる上限を定
めることもできる。この一例を以下に示す。表1や表2
のようにスケーリングファクタの下限値flnがデータ
の量子化ビット数Bnによって変化する場合に図2に示
すようなデータの量子化ビット数の上限を設け、この上
限を決めるスケーリングファクタの境界値(図2のf1
〜fM)を下限値flnと一致させるようにする。この
ようにすると、例えばデータの量子化ビット数Bnが5
のとき、データの量子化ビット数の上限は必ず5以上で
あり、スケーリングファクタFnは図2のスケーリング
ファクタの境界値f5以上の値を取っているはずであ
る。したがって、量子化ビット数Bn=5におけるスケ
ーリングファクタの下限値として、fln=f5にする
のが最もよいことがわかる。
【0074】図3は本発明の第2実施例を示すものであ
って、高能率復号化装置のブロック図である。
【0075】本実施例は、帯域分割符号化を用いた高能
率復号化装置について説明する。ただし、本発明は、ス
ケーリングファクタによるデータの逆正規化を行うもの
であれば、他の符号化方式を用いた復号化装置について
も同様に実施することができる。
【0076】本発明の符号化装置で符号化したビットス
トリームは、伝送路を介して本実施例の復号化装置にお
けるデマルチプレクサ5に入力される。ここでいう伝送
路は、無線または有線の通信路の他、ビットストリーム
を蓄積する半導体メモリや光ディスクなどの記録媒体も
含む。
【0077】デマルチプレクサ5に入力されたビットス
トリームは、時分割により各帯域ごとの量子化されたデ
ータとこのデータの量子化ビット数とスケーリングファ
クタの2進符号として取り出され、フレーム単位でそれ
ぞれの帯域の復号化器6に送られる。復号化器6は、実
際にはN組設けられるが、図1では、第1番目の復号化
器61と第n番目の復号化器6nと第N番目の復号化器6
Nのみを示している。ここで、nは、1〜Nの範囲の整
数を示す。
【0078】復号化器6は、データ逆量子化部6aとデ
ータ逆正規化部6bとスケーリングファクタ逆量子化調
整部6cとスケーリングファクタ逆量子化部6dとで構
成されている。そして、量子化されたデータは、データ
逆量子化部6aに送られ、データの量子化ビット数は、
このデータ逆量子化部6aとスケーリングファクタ逆量
子化調整部6cに送られ、スケーリングファクタの2進
符号は、スケーリングファクタ逆量子化部6dに送られ
る。データ逆量子化部6aは、データの量子化ビット数
に基づいてこのデータの逆量子化を行う回路であり、逆
量子化したデータは、データ逆正規化部6bに送られ
る。
【0079】スケーリングファクタ逆量子化調整部6c
は、第1実施例で示した表1,表2または表3を用い
て、データの量子化ビット数Bnに応じたスケーリング
ファクタの量子化ビット数SBnと量子化幅dFQnと下
限値flnの値を設定し、スケーリングファクタ逆量子
化部6dに送る。なお、デマルチプレクサ5がビットス
トリームを各帯域への振り分ける際にスケーリングファ
クタの量子化ビット数SBnを知る必要がある場合に
は、このスケーリングファクタ逆量子化調整部6cの機
能をデマルチプレクサ5に組み込んでもよい。
【0080】スケーリングファクタ逆量子化部6dは、
スケーリングファクタ逆量子化調整部6cが設定したス
ケーリングファクタの量子化ビット数SBnと量子化幅
dFQnと下限値flnに基づき2進符号を逆量子化して
スケーリングファクタの値を得る回路であり、このスケ
ーリングファクタは、データ逆正規化部6bに送られ
る。
【0081】データ逆正規化部6bは、このスケーリン
グファクタに基づいて第1実施例におけるデータ正規化
部3aの逆の演算を行うことにより、逆量子化されたデ
ータを逆正規化する回路である。そして、ここで逆正規
化されたデータは、帯域合成部7に送られる。帯域合成
部7は、各帯域の復号化器6から送られて来たデータを
帯域合成して全帯域のPCM信号に逆変換する回路であ
り、これによって元のPCM信号を復号化することがで
きる。この帯域合成部7は、第1実施例の高能率符号化
装置における帯域分割部1がDCTやDFTなどの直交
変換を行うものである場合には、これらの逆変換である
IDCT[Inverse DCT]やIDFT[Inverse DFT]を行
う。
【0082】以上説明したように本実施例の高能率復号
化装置によれば、第1実施例で示した高能率符号化装置
でデータ圧縮したビットストリームを元のPCM信号に
復号化することができる。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明の符号化装置および
復号化装置によれば、データの量子化ビット数に応じて
スケーリングファクタの量子化ビット数や量子化幅を変
更することにより、ビットレートの低減化を図り、ま
た、量子化雑音を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すものであって、高能
率符号化装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すものであって、スケ
ーリングファクタとデータの量子化ビット数の上限値と
の関係を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例を示すものであって、高能
率復号化装置のブロック図である。
【図4】スケーリングファクタの量子化を説明するため
の図である。
【図5】スケーリングファクタの値が小さい場合の正規
化を説明するための図である。
【図6】スケーリングファクタの値が大きい場合の正規
化を説明するための図である。
【図7】従来例を示すものであって、高能率符号化装置
のブロック図である。
【図8】スケーリングファクタの冗長性を説明するため
の図である。
【符号の説明】
2 ビット配分部 3a データ正規化部 3b データ量子化部 3c スケーリングファクタ計算部 3d スケーリングファクタ量子化部 3e スケーリングファクタ量子化調整部 6a データ逆量子化部 6b データ逆正規化部 6c スケーリングファクタ逆量子化調整部 6d スケーリングファクタ逆量子化部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力データの信号レベルに応じてスケー
    リングファクタを算出するスケーリングファクタ計算部
    と、 該スケーリングファクタ計算部が算出したスケーリング
    ファクタを量子化するスケーリングファクタ量子化部
    と、 該スケーリングファクタ量子化部が量子化したスケーリ
    ングファクタに基づいて該入力データを正規化するデー
    タ正規化部と、 該データ正規化部が正規化したデータの量子化の際に割
    り当てる量子化ビット数を算出するビット配分部と、 該ビット配分部が割り当てた量子化ビット数に基づいて
    該正規化部で正規化したデータを量子化するデータ量子
    化部とを備えた符号化装置において、 該ビット配分部によって割り当てられた量子化ビット数
    が多いほど、該スケーリングファクタ量子化部がスケー
    リングファクタを量子化する際の量子化ビット数および
    /または量子化幅を変化させることにより量子化範囲を
    減少させるスケーリングファクタ量子化調整部が設けら
    れた符号化装置。
  2. 【請求項2】 前記ビット配分部が、量子化ビット数を
    割り当てる最大数を入力データの絶対値の大きさに応じ
    て制限するものである請求項1記載の符号化装置。
  3. 【請求項3】 量子化ビット数に基づいて量子化された
    データの逆量子化を行うデータ逆量子化部と、 量子化されたスケーリングファクタを逆量子化するスケ
    ーリングファクタ逆量子化部と、 該スケーリングファクタ逆量子化部が逆量子化したスケ
    ーリングファクタに基づいて該データ逆量子化部が逆量
    子化したデータを逆正規化するデータ逆正規化部とを備
    えた復号化装置において、 該量子化ビット数が多いほど、該スケーリングファクタ
    逆量子化部がスケーリングファクタを逆量子化する際の
    量子化ビット数および/または量子化幅を変化させるこ
    とにより量子化範囲を減少させるスケーリングファクタ
    逆量子化調整部が設けられた復号化装置。
  4. 【請求項4】 入力データの信号レベルに応じてスケー
    リングファクタを算出するスケーリングファクタ計算部
    と、 該スケーリングファクタ計算部が算出したスケーリング
    ファクタを量子化するスケーリングファクタ量子化部
    と、 該スケーリングファクタ量子化部が量子化したスケーリ
    ングファクタに基づいて該入力データを正規化するデー
    タ正規化部と、 該データ正規化部が正規化したデータの量子化の際に割
    り当てる量子化ビット数を算出するビット配分部と、 該ビット配分部が割り当てた量子化ビット数に基づいて
    該正規化部で正規化したデータを量子化するデータ量子
    化部とを備えた符号化装置において、 該ビット配分部によって割り当てられた量子化ビット数
    が少ないほど、該スケーリングファクタ量子化部がスケ
    ーリングファクタを量子化する際の量子化ビット数を増
    加させるスケーリングファクタ量子化調整部が設けられ
    た符号化装置。
  5. 【請求項5】 量子化ビット数に基づいて量子化された
    データの逆量子化を行うデータ逆量子化部と、 量子化されたスケーリングファクタを逆量子化するスケ
    ーリングファクタ逆量子化部と、 該スケーリングファクタ逆量子化部が逆量子化したスケ
    ーリングファクタに基づいて該データ逆量子化部が逆量
    子化したデータを逆正規化するデータ逆正規化部とを備
    えた復号化装置において、 該量子化ビット数が少ないほど、該スケーリングファク
    タ逆量子化部がスケーリングファクタを逆量子化する際
    の量子化ビット数を増加させるスケーリングファクタ逆
    量子化調整部が設けられた復号化装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008309875A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Casio Comput Co Ltd 音声符号化装置、音声復号装置、音声符号化方法、音声復号方法、及び、プログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008309875A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Casio Comput Co Ltd 音声符号化装置、音声復号装置、音声符号化方法、音声復号方法、及び、プログラム

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