JPH08224536A - 撥水撥油性基材 - Google Patents

撥水撥油性基材

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JPH08224536A
JPH08224536A JP7287170A JP28717095A JPH08224536A JP H08224536 A JPH08224536 A JP H08224536A JP 7287170 A JP7287170 A JP 7287170A JP 28717095 A JP28717095 A JP 28717095A JP H08224536 A JPH08224536 A JP H08224536A
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oil
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Kazufumi Ogawa
一文 小川
Sanemori Soga
眞守 曽我
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス、セラミックス、繊維、金属、毛皮、布
などの基材表面の水酸基やイミノ基等の官能基とクロロ
シラン系化学吸着剤とを反応させることにより、耐久性
が高くきわめて撥水撥油効果の高い化学吸着ポリマー膜
を形成する。 【解決手段】フッ化炭素基を含むシラン系化学吸着物質
を非水系の溶媒に溶解した溶液に、表面に水酸基3やイ
ミノ基等の官能基を含む基材1を浸漬した後、前記溶液
中より基材を取り出し水分を殆ど含まない雰囲気中で乾
燥し非水系溶媒を除去すると、前記単分子膜表面に前記
シラン系化学吸着物質の塗膜が形成される。そこでさら
に空気中にさらすと、この塗膜は空気中の水分と脱塩酸
反応してポリマー化される。このとき塗膜5はフッ素を
多数含み空気中の水分や基材表面の水酸基やイミノ基ま
たはカルボキシル基と反応して、−SiO−または−S
iN<結合を介して基材表面に化学結合した状態で形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面を撥水撥油性
化させた基材に関するものである。さらに詳しくは、金
属やセラミック、ガラス、プラスチック、繊維、紙等の
表面に撥水撥油性の超薄膜を形成して表面を撥水撥油化
させた基材に関するものである。さらにまた本発明は、
撥水撥油性アパレル用部材に関するものである。さらに
詳しくは、スキーウェア、雨具やスポーツウェア、手袋
用布、あるいは毛皮や皮革等で代表される高性能撥水撥
油防汚性アパレル用部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属、セラミック、ガラス、プラ
スチック、繊維、紙、木材等の表面を撥水撥油化させる
方法として、各種樹脂や塗料を含浸又はコーティングし
たり、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂の
エマルジョンを塗布したり、焼き付ける方法が用いられ
ていた。
【0003】さらにまた、スキーウェア、雨具、スポー
ツウエア、手袋用布、あるいは毛皮や皮革を撥水撥油処
理することは、汚れ防止や雨天対策上重要な課題であ
る。従来、繊維製品などのアパレル用部材については、
通気性をある程度保有したまま、撥水性を付与するに
は、フロロカーボン系のエマルジョン(フッ素樹脂)を
スプレー法などでコートし、微細な穴を有する多孔質性
コーティング膜を設ける方法が提案されている。別の手
段としては、ウレタン樹脂等の樹脂を薄くコーティング
し、微細な穴を有する多孔質性コーティング膜を設ける
方法も提案されている。また別の手段としては、収縮率
の比較的高い細い繊維を高密度に織り、織物の状態で高
温処理して収縮させることも知られている。
【0004】さらにミンク等の天然毛皮については、シ
リコーン化合物やフッ素化合物を含む塗布液を用いてポ
リッシャー加工などが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、塗膜は基材表面に化学結合しておらず耐久性
が悪いという大きな欠点があった。また基材自体が有す
る表面の美観を損ねるという問題点もあった。さらに、
従来の撥水剤をコートする方法では効果が少なく、耐久
性も殆ど無いものであった。また、部材表面に樹脂をコ
ートする方法では、着用時蒸れるなどの欠点があった。
繊維の光沢や肌合さらに通気性を損なうことなく繊維表
面のみ撥水撥油処理する事は、アパレル用部材の改良で
重要な課題であった。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、金属やセラミック、ガラス、プラスチック、繊
維、紙、木材等の基材の表面を耐久性の高い超薄膜で被
い撥水撥油化させる技術を提供する。さらに本発明は前
記従来技術の課題を解決するため、着用時の蒸れがな
く、かつ耐久性に優れた撥水撥油性アパレル用部材など
の基材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の撥水撥油性基材は、撥水撥油性の官能基を
多数含む化学吸着ポリマー膜が−Si−を含む共有結合
を介して部材表面に形成されているという構成を備えた
ものである。
【0008】前記構成においては、撥水撥油性の官能基
がフロロカーボン基であり、かつ共有結合がシロキサン
結合であることが好ましい。また前記構成においては、
基材が、繊維、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ック及び紙から選ばれる少なくとも一つであることが好
ましい。また前記構成においては、基材が、アパレル用
繊維であることが好ましい。
【0009】次に本発明の表面を撥水撥油処理された基
材を得るための方法は、フッ化炭素基とクロル基または
アルコキシル基を複数個含むシラン系化学吸着物質を非
水系の溶媒に溶解した溶液に、表面に親水性基を含む基
材を浸漬する工程と、前記溶液中より基材を取り出し水
分をまったく含まないか実質的に含まない雰囲気中で乾
燥し、前記非水系溶媒を除去する工程と、前記処理物を
空気中に取り出す工程により、基材表面に化学吸着ポリ
マー膜を形成するものである。
【0010】前記方法においては、フッ化炭素基とクロ
ル基を複数個含むシラン系化学吸着物質として、CF3
−(CF2 n −R−SiXp Cl3-p (ただし、nは
整数、Rはアルキレン基またはシリコン若しくは酸素原
子を含む置換基、または化学結合、XはHまたはアルキ
ル基、アルコキシ基から選ばれる置換基、pは0,1ま
たは2)を用いることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、非水系の溶媒と
して炭化水素系またはフッ化炭素系の溶媒を用いること
が好ましい。また前記構成においては、基材表面の親水
性基が、水酸基、カルボキシル基、イミノ基、アミノ基
のいずれかであることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、基材材料とし
て、表面をプラズマ処理、またはコロナ処理した基材を
用いることが好ましい。前記構成によれば、撥水撥油性
の官能基を多数含む化学吸着ポリマー膜が−Si−結合
を含む共有結合を介して部材表面に形成されているの
で、撥水・撥油性に優れ、かつ耐久性に優れた基材とす
ることができる。
【0013】すなわち本発明においては、きわめて撥水
撥油性の高いフッ素を多数含んだ超薄膜を化学結合を介
して基材表面に形成できるので、耐久性の高い撥水撥油
処理が行える作用がある。また基材がたとえばアパレル
用繊維の場合は、基材表面には、ナノメーターレベルの
超薄膜が形成されているので、織物や編み物の通気性を
妨げることがなく、着用時の蒸れ感は極めて少ない。ま
た、撥水撥油性の官能基がフッ素であり、かつ共有結合
がシロキサン結合であるという本発明の好ましい構成に
よれば、きわめて撥水撥油性の高いフッ素を多数含んだ
超薄膜を化学結合を介してアパレル用部材表面に形成で
きるので、耐久性の高い撥水撥油処理したアパレル用部
材を供給できる。
【0014】次に本発明の撥水撥油性基材を製造するた
めの方法によれば、フッ化炭素基とクロル基またはアル
コキシル基を複数個含むシラン系化学吸着物質を非水系
の溶媒に溶解した溶液に、表面に親水性基を含む基材を
浸漬した後、前記溶液中より基材を取り出し水分を殆ど
含まない雰囲気中で乾燥し非水系溶媒を除去すると、前
記基材表面に前記シラン系化学吸着物質の塗膜が形成さ
れる。そこでさらに空気中に取り出すとこの塗膜は空気
中の水分と脱塩酸反応してポリマー化される。このと
き、塗膜は前記基材表面とも脱塩酸反応して共有結合を
生じるので、化学結合を介して基材表面に結合したきわ
めて撥水撥油性の超薄膜を形成できる。
【0015】なお、フッ化炭素基とクロル基を複数個含
むシラン系化学吸着物質としてCF 3 (CF2 7 (C
2 2 SiCl3 、CF3 (CF2 5 (CH2 2
SiCl3 、CF3 CH2 O(CH2 15SiCl3
CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15Si
Cl3 、F(CF2 4 (CH2 2 Si(CH3 2
(CH2 9 SiCl3 、CF3 COO(CH2 15
iCl3 などを使用できる。
【0016】また、非水系の溶媒として炭化水素系また
はフッ化炭素系の溶媒を用いること毒性が無いので都合
がよい。また基材表面の親水性基が、水酸基、カルボキ
シル基、イミノ基、アミノ基のいずれかであると、前記
シラン系化学吸着物質が共有結合しやすい。
【0017】また基材材料として、表面をプラズマ処
理、またはコロナ処理した基材を用いると、当初は反応
性が低い材料であっても化学吸着膜を形成し易くでき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下実施例を用いて本発明方法を
さらに具体的に説明する。以下の実施例は、本発明に関
する代表的な撥水撥油処理方法である。
【0019】さらにアパレル用部材を撥水・撥油処理す
る場合の具体例を説明する。フッ化炭素基とクロル基を
複数個含むシラン系化学吸着物質を非水系の溶媒に溶解
した溶液に、表面に水酸基やイミノ基またはカルボキシ
ル基を含むアパレル用部材を浸漬した後、前記溶液中よ
りアパレル用部材を取り出し水分を殆ど含まない雰囲気
中で乾燥し非水系溶媒を除去すると、前記単分子膜表面
に前記シラン系化学吸着物質の塗膜が形成される。そこ
でさらに空気中に取り出すとこの塗膜は空気中の水分と
脱塩酸反応してポリマー化される。このとき、塗膜は前
記アパレル用部材表面とも脱塩酸反応して共有結合を生
じるので、化学結合を介してアパレル用部材表面に結合
したフッ素を多数含むきわめて撥水撥油性の超薄膜を形
成できる。以下具体的実施例を説明する。
【0020】
【実施例】
実施例1 まず、加工の終了したガラス基材(金属やセラミック、
プラスチック、繊維等表面に水酸基やイミノ基、カルボ
キシル基などクロロシリル基と脱塩酸反応を生じる官能
基を表面に含むものであればなんでもよい)1を用意し
(図1(a))、洗浄した後、フッ化炭素基と、複数個
のクロル基を持つシラン系化学吸着物質、たとえば CF3 −(CF2 n −R−SiXp Cl3-p (ただし、nは整数、Rはアルキル基またはシリコンや
酸素原子を含む置換基、または化学結合、XはHまたは
アルキル基、アルコキシ基等の置換基、pは0,1また
は2)で表わされる物質、例えばCF3 (CF2
7 (CH2 2 SiCl3 をフッ化炭素系溶媒(例えば
旭ガラス製:アフルード)に1wt%溶解した溶液に10
分程度浸漬し、その後有機溶剤で洗浄することなく、そ
のまま水分をほとんど含まない(好ましくは相対湿度5
%以下)雰囲気中で溶媒を蒸発させ乾燥させると、表面
に残ったフッ化炭素基と複数個のクロル基を持つシラン
系化学吸着物質で200オングストローム(20nm)
程度の膜厚で塗膜2が形成される。このとき、一部のシ
ラン系化学吸着物質は、基材表面の水酸基3と脱塩酸反
応してシロキサン結合(−SiO−)4を生じ、基材表
面に固定される(図1(b))。そこでさらに基材を水
分を含む(相対湿度30%程度以上)雰囲気中に移す
と、この塗膜内の固定されたフッ化炭素基とクロロシリ
ル基を含む物質の残ったクロロシリル基は空気中の水分
と脱塩酸反応してポリマー化される。この様にして作成
された塗膜はフッ素を多数含みシロキサン結合4で基材
表面に結合されるため、きわめて撥水撥油性の高い超薄
膜5が基材表面に形成される(図1(c))。
【0021】なお、この超薄膜は基材とシロキサン結合
を介して共有結合しており、こすっても洗浄しても剥が
れることが無かった。また水に対する濡れ角度を計ると
約150度であった。
【0022】実施例2 加工の終了したナイロン−ABS樹脂(ポリマーアロ
イ)基材11を用意し(図2(a))、洗浄した後、フ
ッ化炭素基と複数個のクロル基を持つシラン系化学吸着
物質、例えば、CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiC
3 を炭化水素系溶媒(ノルマルヘキサン)に1wt%溶
解した溶液に20分程度浸漬し、その後有機溶剤で洗浄
することなく、そのまま水分をほとんど含まない(好ま
しくは相対湿度5%以下)雰囲気中で溶媒を蒸発させ乾
燥させると、表面に残った前記シラン系化学吸着物質で
100オングストローム(10nm)程度の膜厚で塗膜
12が形成される。このとき、一部の前記クロロシラン
系化学吸着物質は、基材表面のイミノ基13と脱塩酸反
応してシロキサン結合(−SiO−)14を生じ、基材
表面に固定される(図2(b))。そこで、さらに基材
を水分を含む(相対湿度30%程度以上)雰囲気中に移
すと、この塗膜および固定された前記クロロシラン系化
学吸着物質の残ったクロロシリル基は空気中の水分と脱
塩酸反応してポリマー化される。この様にして作成され
た塗膜は、フッ素を多数含み−SiN<結合14で基材
表面に結合されるため、きわめて撥水撥油性の高い超薄
膜15が基材表面に形成される(図2(c))。
【0023】なお、この超薄膜は基材と−SiN<結合
を介して共有結合しており、こすっても洗浄しても剥が
れることが無かった。水に対する濡れ角度も130度と
非常に高かった。
【0024】なお上記実施例では、クロロシラン系化学
吸着物質として、CF3 (CF2 7 (CH2 2 Si
Cl3 、CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl3
用いたが、これ以外に、CF3 CH2 O(CH2 15
iCl3 、CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH
2 15SiCl3 、F(CF2 4 (CH2 2 Si
(CH3 2 (CH2 9 SiCl3 、CF3 COO
(CH2 15SiCl3 等が利用できた。
【0025】また、あらかじめ表面を10〜0.1ミク
ロン程度粗面処理しておいた基材を用いると、実施例1
及び2において撥水角度はそれぞれ約160度および1
70度のものが得られた。
【0026】実施例3 まず、加工の終了したレインコート用木綿製布(繊維等
表面に水酸基やイミノ基、カルボキシル基などクロロシ
リル基と脱塩酸反応を生じる官能基を表面に含むもので
あれば毛皮や皮革等なんでもよい)を用意し(図1
(a))、洗浄した後、フッ化炭素基とクロロシリル基
を複数個持つ下記一般式 CF3 −(CF2 n −R−SiXp Cl3-p (ただし、nは整数、Rはアルキル基またはシリコンや
酸素原子を含む置換基、または化学結合、XはHまたは
アルキル基、アルコキシ基等の置換基、pは0,1また
は2)で表わされる物質で処理する。処理に当たっては
非水系溶媒に稀釈して用いる。
【0027】前記一般式で示されるシラン系化学吸着物
質の具体的化合物としては、例えば、CF3 (CF2
7 (CH2 2 SiCl3 がある。この化合物をフッ化
炭素系溶媒(例えば旭ガラス製:アフルード)に1wt%
溶解した溶液に10分程度浸漬し、その後有機溶剤で洗
浄することなく、そのまま水分をほとんど含まない(好
ましくは相対湿度5%以下)雰囲気中で溶媒を蒸発させ
乾燥させると、木綿繊維1表面に残ったシラン系化学吸
着物質で約200オングストローム(20nm)程度の
膜厚で塗膜2が形成される。このとき、一部の前記シラ
ン系化学吸着物質は、綿繊維表面の水酸基3と脱塩酸反
応してシロキサン結合(−SiO−)4を生じ、繊維表
面に固定される(図1(b))。そこでさらに綿製布を
水分を含む(相対湿度30%程度以上)雰囲気中に移す
と、この繊維表面に塗膜および固定された前記シラン系
化学吸着物質の残ったクロロシリル基は、空気中の水分
と脱塩酸反応してポリマー化される。この様にして作成
された塗膜は、フッ素を多数含みシロキサン結合4で綿
繊維表面に結合されるため、きわめて撥水撥油性の高い
超薄膜5が木綿繊維表面に形成される(図1(c))。
【0028】なお、CF3 (CF2 7 (CH2 2
iCl3 をアフルードに溶解した溶液に、等モル濃度で
ピリジン(クロロシリル基と反応せず、水分を含まない
アルカリなら何でもよい)を添加しておくと、木綿製布
を劣化させずに処理が行えた。この理由は、木綿繊維の
水酸基(−OH基)またはカルボキシル基と、前記CF
3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3 のクロロシリル
基(−Cl基)との反応によって脱塩酸が起こるが、こ
の塩酸によって木綿は酸劣化するものと思われる。しか
しながら、ピリジンを相当量加えておくと、脱塩酸はピ
リジンによって中和し、木綿繊維を傷めないからと思わ
れる。
【0029】このようにして得られたフッ素を含む超薄
膜は綿繊維とシロキサン結合を介して共有結合してお
り、こすっても洗浄しても剥がれることが無かった。ま
たこのようにして撥水撥油処理された綿製布の水に対す
る濡れ角度を測定すると約170度であった。
【0030】実施例4 加工の終了したナイロン繊維11を用意し(図2
(a))、洗浄した後、フッ化炭素基とクロル基を複数
個持つシラン系化学吸着物質、例えば、CF3 (C
2 5 (CH2 2 SiCl3 をフッ化炭素系溶媒
(ノルマルヘキサン)に1wt%溶解した溶液に20分程
度浸漬し、その後有機溶剤で洗浄することなく、そのま
ま水分をほとんど含まない(好ましくは相対湿度5%以
下)雰囲気中で溶媒を蒸発させ乾燥させると、表面に残
った前記シラン系化学吸着物質で100オングストロー
ム(10NM)程度の膜厚で塗膜12が形成される。こ
のとき、一部のフッ化炭素基とクロロシリル基を含む物
質は、繊維表面のイミノ基13と脱塩酸反応して−Si
N<結合14を生じ、繊維基材表面に固定される(図2
(b))。そこでさらに繊維を水分を含む(相対湿度3
0%程度以上)空気雰囲気中に移すと、この塗膜および
固定されたフッ化炭素基とクロロシリル基を含む物質の
残ったクロロシリル基は空気中の水分と脱塩酸反応して
ポリマー化される。この様にして作成された塗膜は、フ
ッ素を多数含み−SiN<結合14で繊維表面に結合さ
れるため、きわめて撥水撥油性の高い超薄膜15が繊維
表面に形成される(図2(c))。
【0031】なお、この超薄膜は繊維と−SiN<結合
を介して共有結合しており、こすっても洗浄しても剥が
れることが無かった。このようにして撥水撥油処理され
たナイロン繊維を布に織りあげた後、水に対する濡れ角
度を測定すると、約170度と非常に高かった。
【0032】なお、上記実施例ではフッ化炭素基とクロ
ロシリル基を含む物質として、 CF3 (CF2 7 (CH2 2 SiCl3 、 CF3 (CF2 5 (CH2 2 SiCl3 を用いたが、これ以外に下記の物質等も利用できた。
【0033】CF3 CH2 O(CH2 15SiCl3 CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15Si
Cl3 F(CF2 4 (CH2 2 Si(CH3 2 (C
2 9 SiCl3 CF3 COO(CH2 15SiCl3
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法を用い
ると、フッ化炭素基を含むシラン系化学吸着物質を非水
系の溶媒に溶解した溶液に、表面に水酸基やイミノ基等
の官能基を含む基材を浸漬した後、前記溶液中より基材
を取り出し水分を殆ど含まない雰囲気中で乾燥し非水系
溶媒を除去すると、前記単分子膜表面に前記シラン系化
学吸着物質の塗膜が形成される。そこでさらに空気中に
さらすとこの塗膜は空気中の水分と脱塩酸反応してポリ
マー化される。このとき塗膜はフッ素を多数含み空気中
の水分や基材表面の水酸基やイミノ基あるいはカルボキ
シル基と反応して、−SiO−または−SiN<結合を
介して基材表面に化学結合した状態で形成される。この
結果、きわめて撥水撥油効果の高い超薄膜を化学結合を
介して基材表面に形成できるので、耐久性の高い撥水撥
油処理をきわめて簡単に行える効果がある。
【0035】また本発明を用いると、きわめて撥水撥油
効果の高い超薄膜を共有結合を介して基材表面に形成で
きるので、耐久性の高い撥水撥油処理したアパレル用部
材を低コストで提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び3の実施例である基材の撥水
撥油処理方法を説明するためにもちいた工程断面図であ
る。
【図2】本発明の第2及び4の実施例である基材の撥水
撥油処理方法を説明するためにもちいた工程断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11 基材 2,12 塗膜 3 水酸基 13 イミノ基 4 シロキサン結合 14 −SiN<結合 5,15 撥水撥油性超薄膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の撥水撥油性基材は、撥水撥油性の官能基を
多数含む化学吸着ポリマー膜が−Si−を含む共有結合
を介して材表面に形成されているという構成を備えた
ものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また前記構成においては、基材材料とし
て、表面をプラズマ処理、またはコロナ処理した基材を
用いることが好ましい。前記構成によれば、撥水撥油性
の官能基を多数含む化学吸着ポリマー膜が−Si−結合
を含む共有結合を介して材表面に形成されているの
で、撥水・撥油性に優れ、かつ耐久性に優れた基材とす
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/00 101 B32B 27/00 101 27/10 27/10 27/12 27/12 C08J 7/04 C08J 7/04 S

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水撥油性の官能基を多数含む化学吸着
    ポリマー膜が−Si−結合を含む共有結合を介して部材
    表面に形成されている撥水撥油性基材。
  2. 【請求項2】 撥水撥油性の官能基がフロロカーボン基
    であり、かつ共有結合がシロキサン結合である請求項1
    記載の撥水撥油性性基材。
  3. 【請求項3】 基材が、繊維、金属、セラミックス、ガ
    ラス、プラスチック及び紙から選ばれる少なくとも一つ
    である請求項1記載の撥水撥油性性基材。
  4. 【請求項4】 基材が、アパレル用繊維である請求項1
    記載の撥水撥油性性基材。
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