JPH08229657A - 鋳造用部材及びその製造方法 - Google Patents

鋳造用部材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08229657A
JPH08229657A JP3816095A JP3816095A JPH08229657A JP H08229657 A JPH08229657 A JP H08229657A JP 3816095 A JP3816095 A JP 3816095A JP 3816095 A JP3816095 A JP 3816095A JP H08229657 A JPH08229657 A JP H08229657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance
weight
plating
casting
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3816095A
Other languages
English (en)
Inventor
Takenori Nakayama
武典 中山
Kenji Yamamoto
兼司 山本
Yasunori Wada
恭典 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP3816095A priority Critical patent/JPH08229657A/ja
Publication of JPH08229657A publication Critical patent/JPH08229657A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐溶損性、耐溶着性及び耐ヒートクラック性
を有すると共に、優れた機械的性質及び耐摩耗性を有
し、また良好な保温性及び軽量性を有する鋳造用部材及
びその製造方法を提供する。 【構成】 Ni、Co、Cr及びFeからなる群から選
択された1種以上の元素で、その総計が30重量%以上
含有すると共に、Bを1重量%以上含有するめっき膜
で、基材の表面の全面又は一部を被覆する。このめっき
膜に炭化物粒子又は酸化物粒子を3重量%以上含有させ
ることが好ましく、また前記基材がオーステナイト合金
又はチタン若しくはチタン合金からなることが好まし
い。前記めっき膜は湿式めっきにより形成され、湿式め
っき法には電気めっきを使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウムダイカスト
等に使用されるプランジャースリーブ、プランジャーチ
ップ、鋳抜きピン又は金型本体等のように、鋳造時に高
温の溶融金属と接触し、激しい熱サイクルが作用する状
態で使用される鋳造金型の鋳造用部材及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造用部材は鋳造時に高温の溶融金属と
接触するため、激しい熱サイクルを受け、溶損、溶着又
はヒートクラック等が発生し易い。このため、従来、ア
ルミニウムダイカスト金型等に使用される鋳造用部材に
は、高温環境において強度及び靱性が優れているJIS
・SKD61に代表される熱間工具鋼等が広く使用され
ている。
【0003】通常、熱間工具鋼をダイカスト用部材とし
て使用する場合、疲労強度及び耐ヒートクラック性を確
保するため、引張強度、降伏強度、靱性及び延性等を向
上させるべく、焼入れ及び焼戻しによる調質が行われ
る。
【0004】しかし、熱間工具鋼に上述のような熱処理
が施されると、機械的性質を向上させることはできる
が、溶融金属との反応により溶損、溶着又は摩耗等によ
り、耐溶融金属性、耐熱サイクル性及び耐高温摩耗性が
劣化してしまう。
【0005】そこで、上述の熱処理後において、塩浴法
(タフトライド法)、ガス法若しくはプラズマ法等によ
る窒化処理、TDプロセス等による浸炭処理、硬質膜コ
ーティングのためのPVD(物理蒸着)若しくはCVD
(化学蒸着)又は自溶性合金の溶射を初めとする各種溶
射処理等の適用が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化処
理、浸炭処理又はPVD若しくはCVD等の熱処理は、
耐摩耗性を向上させることはできるが、ダイカスト金型
等の鋳造用部材に最も要求される耐溶損性及び耐ヒート
サイクル性の改善については十分ではない。
【0007】また、窒化処理、浸炭、TDプロセス又は
溶射等は高温処理によるものであるため、母材の変形又
は熱変質が生じる場合もある。
【0008】更に、溶融金属の温度が低下すると、湯流
れ性等が悪化し、ダイカスト製品の品質を劣化させてし
まうため、特に溶融金属と接触するプランジャースリー
ブ又は湯口等の金型部品については、溶融金属と接触し
てもその温度の低下を極力抑制するものであることが必
要である。溶融金属の温度低下を防止するため、プラン
ジャースリーブ又は湯口等の金型部品には、SKD鋼よ
り熱伝導度が小さいチタン合金が使用されたり又は使用
が検討されているが、SKD鋼と同様に溶損又は溶着等
が発生してしまう。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐溶損性、耐溶着性及び耐ヒートクラック
性を有すると共に、優れた機械的性質及び耐摩耗性を有
し、また良好な保温性及び軽量性を有する鋳造用部材及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋳造用部材
は、基材と、この基材表面の全面又は一部に形成され、
Ni、Co、Cr及びFeからなる群から選択された1
種以上の元素:総計で30重量%以上と、B:1重量%
以上とを含有する合金のめっき膜とを有することを特徴
とする。また、前記めっき膜は炭化物粒子を3重量%以
上含有することが好ましく、更に前記めっき膜は酸化物
粒子を3重量%以上含有することが好ましい。更にま
た、前記めっき膜はB、炭化物又は酸化物の含有率が表
層側の方が高いことが好ましい。一方、前記基材はオー
ステナイト合金又はチタン若しくはチタン合金からなる
ことが好ましい。
【0011】本発明に係る鋳造用部材の製造方法は、基
材の表面に、Ni、Co、Cr及びFeからなる群から
選択された1種以上の元素:総計で30重量%以上と、
B:1重量%とを含有する合金膜を湿式めっきにより形
成する工程を有することを特徴とする。また、前記湿式
めっきは電気めっきであることが好ましい。
【0012】
【作用】本願発明者等は、耐溶損性及び耐ヒートクラッ
ク性を有すると共に、優れた機械的性質及び耐摩耗性を
有し、また良好な保温性及び軽量性を有する鋳造用部材
を開発すべく種々の実験研究を行った。その結果、所定
の成分組成からなるめっき膜を基材の表面に形成させる
ことにより、極めて優れた鋳造用部材を得ることができ
ることを見出した。以下、めっき方法、めっき膜の成分
組成及び基材の限定理由について説明する。
【0013】めっき方法:湿式めっき 鋳造用部材では耐溶損性、耐溶着性及び耐ヒートクラッ
ク性等を向上させるために、鋳造用部材には表面処理等
が施される。これには、例えば窒化処理、浸炭、TDプ
ロセス又は溶射等が考えられる。しかし、これらの処理
は高温環境において行われるため、基材の熱変形又は熱
変質が生じる場合がある。また、鋳造用部材には大型の
もの又は形状が複雑なものがあるため、このような鋳造
用部材に対しても容易に処理を施すことができる必要が
ある。更に、鋳造金型部品であるスリーブ等の内面への
処理も容易である必要がある。以上のことを考慮して、
本発明では鋳造用部材の処理には湿式めっきを採用し
た。湿式めっきは100℃未満の低温度で処理が可能で
あるため、上述のような基材の熱変形等が生じることは
なく、また大型又は形状が複雑なものであっても、容易
に被膜を形成することができる。
【0014】また、この湿式めっきには大きく分けて無
電解めっき及び電気めっきがあり、形状が複雑なものに
対して、均一なめっき膜を形成するには無電解めっきに
よるめっきが有効である。
【0015】一方、電気めっきでは以下のような点で無
電解めっきに比べて優れている。即ち、無電解めっきで
は、形成される膜厚が最大約50〜100μmであり、
鋳造部品によっては、めっき膜の浸食速度を考慮する
と、前記範囲の膜厚では十分ではない場合がある。とこ
ろが、電気めっきでは、膜厚が100μmを超える被膜
を形成することができるため、鋳造用部材の使用部位に
応じて必要な膜厚を形成させることができる。
【0016】また、電気めっきでは、めっき膜の形成に
使用可能な金属又は合金の選択範囲が広く、鋳造用部材
の使用部位に応じて種々の組成を有するめっき膜を形成
することができる。
【0017】更に、電気めっきでは、合金の成分組成に
よっては無電解めっきに比べて成膜速度が3〜5倍早く
なる場合もあり、まためっき溶液の寿命が長いため、生
産性が優れ、めっきに要するコストを低減することがで
きる。
【0018】以上のように、鋳造用部材の被膜形成処理
における湿式めっきでは、無電解めっきに比べて電気め
っきを使用する方が利点は多いが、鋳造用部材の使用部
位等を考慮して両めっきを適宜使い分けることが好まし
い。
【0019】次にめっき膜の成分組成の限定理由につい
て説明する。
【0020】Ni、Co、Cr及びFe:1種以上且つ
総計30重量%以上 Ni、Co、Cr及びFeはいずれも靱性を向上させる
元素であり、めっき膜の靱性が向上すると、これに伴い
鋳造用部材の耐ヒートクラック性が向上する。めっき膜
におけるこれらの元素の添加量が30重量%未満である
と、めっき膜の靱性を向上させることができない。従っ
て、めっき膜にNi、Co、Cr及びFeのうち1種以
上で、その総計が30重量%以上含有する。
【0021】B:1重量%以上 Bは耐溶融金属性を向上させる元素である。鋳造用部材
は溶融金属と接触するため、特に鋳造用部材の表面に形
成されるめっき膜には優れた耐溶融金属性が要求され
る。めっき膜におけるBの添加量が1重量%未満である
と、めっき膜の耐溶融金属性を向上させることができな
い。従って、Bの含有量は1重量%以上とする。なお、
めっき膜が顕著な耐溶融金属性を有するためには、Bの
添加量を3重量%以上とすることが好ましく、より一層
耐溶融金属性を向上させるためには、Bの添加量を5重
量%以上とすることが好ましい。
【0022】なお、Bをめっき膜に添加するには、N
i、Co、Cr又はFeのホウ化物粉末としたり、ホウ
素原子をマトリックス中に固溶化させることにより、添
加することができる。また、TiB2又はZrB2等のN
i、Co、Cr又はFe以外のホウ化物をめっき膜に添
加することもできる。
【0023】炭化物粒子:3重量%以上 炭化物粒子が添加されためっき膜で基材の表面が被覆さ
れると、その部材は耐摩耗性及び耐溶損性が向上する。
これは炭化物がめっき膜の硬度を向上させる性質を有す
ると共に、めっき膜の成分として含まれるNi、Co、
Cr及びFeとの共存状態が安定し、また溶融金属に対
する耐濡れ性が極めて大きいからである。炭化物粒子の
添加量が3重量%未満であると、部材は耐摩耗性及び耐
溶損性を有することができない。従って、炭化物粒子の
含有量は3重量%以上とする。
【0024】なお、炭化物の種類としてWC、Cr
32、WTiC2、ZrC又はSiC等が好ましいが、
特にこれらの炭化物に限定されるものではない。また、
部材が顕著な耐摩耗性等を有するためには、炭化物粒子
の添加量を6重量%以上とすることが好ましく、より一
層耐摩耗性等を向上させるためには、炭化物粒子の添加
量を10重量%以上とすることが好ましい。
【0025】酸化物粒子:3重量%以上 酸化物粒子がめっき膜に添加されると、上述の炭化物粒
子と同様に、部材の耐摩耗性及び耐溶損性を向上させる
ことができる。これは酸化物がめっき膜の硬度を向上さ
せる性質を有すると共に、溶融金属に対する耐濡れ性が
大きいからである。
【0026】また、上述の炭化物粒子に加えて、酸化物
粒子をめっき膜に添加すると、その部材は炭化物粒子の
みを添加する場合に比べて、極めて優れた耐摩耗性等を
有する。しかし、酸化物粒子の添加量が3重量%未満で
あると、部材はこのような特性を有することができな
い。従って、酸化物粒子の含有量は3重量%以上とす
る。
【0027】なお、酸化物の種類としてSiO2、Mg
O、CaO、ZrO2、Al23、Y23又はTiO2
が好ましいが、特にこれらの酸化物に限定されるもので
はない。また、部材が顕著な耐摩耗性等を有するために
は、酸化物粒子の添加量を6重量%以上とすることが好
ましい。
【0028】B、炭化物及び酸化物の濃度勾配 めっき膜の表層側であるほど、B、ホウ化物、炭化物又
は酸化物の含有率が高いめっき膜により基材が被覆され
ると、その部材の表面の硬度が向上すると共に、溶融金
属に対する耐浸食性が向上する。また、めっき膜におけ
る基材との界面では、B又は化合物の濃度が低下して、
金属成分が多くなるため、基材とめっき膜との密着性が
向上する。従って、このような濃度勾配を有するめっき
膜を形成することにより、極めて優れた特性を有する鋳
造用部材を得ることができる。
【0029】基材:オーステナイト合金、チタン又はチ
タン合金 鋳造用部材の保温性が低いと、溶融金属の温度低下が早
いため、湯流れ性等が悪化し、鋳造製品の品質を劣化さ
せてしまう。そこで、基材としてオーステナイト合金を
使用すると、その熱伝導率は、SKD鋼に比べて1/2
以下と小さいため、極めて良好な保温性を有する鋳造用
部材を得ることができる。
【0030】また、オーステナイト合金として、時効析
出型の合金、例えばA286合金(C:0.05重量
%、Cr:15重量%、Ni:26重量%、Mo:1.
2重量%、Ti:2重量%、Al:0.2重量%、V:
0.3重量%、Fe:残部)を使用することが好まし
い。このような合金は、部材の強度が時効硬化により向
上するため、強度面における信頼性をより一層向上させ
ることができる。
【0031】更に、A286合金のように、時効硬化元
素として、例えばC、P、Ti、Al、Nb又はV等を
オーステナイト合金に添加すると、時効により炭化物、
窒化物若しくはリン化物等の金属化合物又はTi若しく
はAl等の金属が析出して、部材の強度が向上するた
め、耐久性が優れた鋳造用部材を得ることができる。
【0032】なお、このような時効硬化は、アルミニウ
ム合金の溶融温度(アルミニウムの融点:660.2
℃)又はそれより若干高温である700〜750℃の温
度において、効果的に進行し、析出物が安定的に存在す
る。このため、時効硬化による部材をアルミニウム鋳造
金型等として使用する場合には、溶融金属の温度が適正
に保持されると共に、時効硬化によるオーステナイト合
金の基材の強度が向上する。これにより、部材の耐久性
は極めて向上する。
【0033】次に、鋳造用部材の基材としてチタン又は
チタン合金を使用する場合について説明する。チタン又
はチタン合金は上述したオーステナイト合金と同様に熱
電導率が小さいため、チタン又はチタン合金を基材とす
ると、極めて良好な保温性を有する鋳造用部材を得るこ
とができる。
【0034】また、チタン又はチタン合金は、他の材料
にはない極めて高強度な特性を有するため、部材の厚さ
を薄くしても十分使用可能な部材を製造することができ
る。このため、チタン又はチタン合金を鋳造用部材とし
て使用する場合、部材の軽量化を図ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明の特
許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0036】本実施例における供試材として、通常使用
されている熱間工具鋼であるSKD61鋼、オーステナ
イト合金鋼であるSUS304鋼、時効硬化元素を含有
するオーステナイト合金鋼であるA286合金鋼及びチ
タン合金を使用した。
【0037】なお、A286合金鋼は、C:0.05重
量%、Si:0.50重量%、Mn:1.35重量%、
Cr:15重量%、Ni:26重量%、Mo:1.24
重量%、Ti:2.1重量%、Al:0.26重量%及
びV:0.32重量%含有し残部がFeの成分組成から
なる。また、チタン合金はAl:6重量%及びV:4重
量%含有するTi基合金である。これらの供試材の熱処
理及び表面処理等の材料履歴は下記表1に示すとおりで
ある。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1に示す実施例No1〜14及び比
較例No1〜4の供試材を使用して、機械的性質、耐摩
耗性、耐溶損性及び耐ヒートクラック性に対する試験を
行った。
【0040】機械的性質の試験では、最終処理を終えた
サンプルを切り出して、硬度測定及びUノッチシャルピ
ー衝撃試験を行った。
【0041】耐摩耗性の試験では、ピンオンディスクタ
イプの摺動摩耗試験を行った。この場合、各供試材の表
面と同一処理が施されたものをディスクとし、アルミニ
ウム合金(6021)をピンとして、下記表2に示すよ
うな状況により摩耗試験を行った。
【0042】
【表2】
【0043】耐溶損性の試験では、750℃の温度にA
C8Cアルミニウムを溶融し、その中に供試材を3時間
浸漬した後、断面を観察した。
【0044】また、耐ヒートクラック性の試験では、大
気圧の下で、供試材を水中と650℃の温度の炉中の環
境へ交互に移動させることによって、1000サイクル
の熱サイクル試験を行い、試験後の供試材の断面又は表
面における単位面積当たりのクラック発生数を観察し
た。
【0045】以上の試験により、その試験結果を各試験
ごとに4段階の相対評価によって比較し、評価が優れて
いる順に優、良、可及び不可の評価を行い、夫々を
「◎」、「○」、「△」及び「×」により、また保温性
及び軽量性については2段階評価により、優れている順
に良、不可の評価を行い夫々を「○」及び「×」により
下記表3に示す。なお、熱歪は、表面処理時において生
じた熱歪を相対評価して示す。
【0046】
【表3】
【0047】上記表1及び3に示すように、従来鋳造用
部材として使用されているSKD鋼及びTi合金に対し
て、焼入れ等の調質熱処理、窒化処理、自溶性溶射及び
無電解めっき処理を行った比較例No1〜4は、いずれ
も総合的に実施例No1〜14に比べて劣っている。
【0048】即ち、比較例No1は、焼入れ及び焼戻し
が施されているため、機械的性質は優れているが、その
他の耐摩耗性等の特性はいずれも向上せず極めて劣って
いる。
【0049】また、比較例No2は、比較例No1と同
一の処理を施した後、窒化による表面処理を施している
ため、耐摩耗性が比較例No1に比べて若干向上した
が、まだ十分ではなく、逆に窒化により機械的性質が比
較例No1に比べて劣化してしまった。それにまた、耐
溶損性及び耐ヒートクラック性については何等向上しな
かった。
【0050】更に、比較例No3は、チタン合金に対し
て自溶性溶射を施し、その後1100℃の温度で再溶融
した。本比較例ではチタン合金を使用しているため、保
温性及び軽量性についてはSKD61鋼に比べて優れて
いるが、溶射による熱歪が極めて大きいため、機械的性
質が比較例No1及び2に比べて劣化してしまった。ま
た、比較例No2と比べても他の耐摩耗性等の特性につ
いては何等向上しなかった。
【0051】更にまた、比較例No4は、SKD61鋼
に無電解めっきを施したため、機械的性質は優れている
が、めっき膜におけるBの含有量が本発明の限定範囲の
下限値1重量%より少ないため、その他の耐摩耗性等の
特性はいずれも向上せず極めて劣っている。
【0052】一方、実施例No1〜14については、各
々めっき処理における条件が異なっているが、いずれも
総合的には優れた結果を示している。以下、実施例No
1〜14の試験結果について説明する。
【0053】実施例No1は、比較例No4と同様にS
KD61鋼に無電解めっきを施したが、めっき膜におけ
るBの含有量が1.4重量%で本発明範囲内であるた
め、比較例No4に比べて耐摩耗性、耐溶損性及び耐ヒ
ートクラック性はいずれも向上した。
【0054】実施例No2は、実施例No1と同様にS
KD61鋼に無電解めっきを施しているが、めっき膜に
おけるBの含有量が3.4重量%で本発明範囲内であっ
て、より一層好ましい範囲の値である。このため、実施
例No1に比べて耐溶損性が向上した。
【0055】実施例No3は、実施例No2と同様にS
KD61鋼に無電解めっきを施し、めっき膜におけるB
の含有量は本発明範囲内であって、より一層好ましい範
囲の値である。また、炭化物であるWCの含有量が4.
5重量%で本発明範囲内であって、より一層好ましい範
囲の値である。このため、表面強度が向上し、実施例N
o2に比べて耐摩耗性及び耐ヒートクラック性が向上し
た。
【0056】実施例No4は、SKD61鋼に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本発
明範囲内であってより一層好ましい範囲の値である。ま
た、酸化物であるSiO2の含有量が4.8重量%で本
発明範囲内である。このように、炭化物と酸化物とを共
に含有しているため、耐摩耗性及び耐溶損性は極めて優
れた結果となった。
【0057】実施例No5は、SKD61鋼に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本発
明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値である。
また、めっき膜の表層側であるほどB及びWCの濃度が
高くなるようにめっき膜を形成した。このため、めっき
膜の表層側の強度が向上して、実施例No4に比べて耐
ヒートクラック性が極めて向上した。
【0058】実施例No6は、オーステナイト合金であ
るSUS304鋼に無電解めっきを施し、めっき膜にお
けるBの含有量は本発明範囲内であって、より一層好ま
しい範囲の値である。これにより、耐溶融金属性が向上
するため、機械的性質及び耐溶損性は良好な結果となっ
た。しかし、耐摩耗性及び耐ヒートクラック性について
はあまり良好とはいえないが、鋳造用部材として十分使
用可能な特性を有している。また、オーステナイト合金
は熱伝導率がSKD61鋼に比べて小さいため、保温性
は良好な結果となった。
【0059】実施例No7は、SUS304鋼に電気め
っきを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本
発明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値であ
る。このため、めっき膜の表面強度が向上し、実施例N
o6に比べて、耐摩耗性及びヒートクラック性が向上す
ると共に、耐溶損性は極めて優れたものとなった。な
お、無電解めっきと異なり電気めっきでは膜厚を厚く形
成することができるため、本実施例では250μmの厚
さのメッキ膜を形成した。
【0060】実施例No8は、時効硬化元素を含有する
オーステナイト合金であるA286合金鋼に電気めっき
を施し、めっき膜におけるB及び炭化物ZrCの含有量
は本発明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値で
ある。また、めっき処理の前には720℃の温度で15
時間保持の時効処理を施した。このため、本実施例では
機械的性質及び耐溶損性は極めて優れており、耐摩耗性
及び耐ヒートクラック性についても良好な結果となっ
た。
【0061】実施例No9は、チタン合金に無電解めっ
きを施し、めっき膜におけるBの含有量は本発明範囲内
であって、より一層好ましい範囲の値である。チタン合
金自体は機械的性質が極めて優れているため、本実施例
に係る供試材の機械的性質も極めて優れたものとなっ
た。また、耐摩耗性については優れているとはいえない
が、鋳造用部材として十分使用可能な特性を有してお
り、耐溶損性及び耐ヒートクラックについては、いずれ
も良好な結果であった。更に、チタン合金は熱伝導率が
SKD61鋼と比べて小さく、また極めて優れた強度を
有しているため、保温性及び軽量性については良好な結
果であった。
【0062】実施例No10は、チタン合金に無電解め
っきを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本
発明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値であ
る。めっき膜に炭化物が含有されているため、実施例N
o9に比べて耐摩耗性及び耐溶損性が向上した。
【0063】実施例No11は、チタン合金に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本発
明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値である。
また、めっき処理が電気めっきによるため、めっき膜の
厚さが実施例No10に比べて極めて厚く形成すること
ができた。このため、実施例No10に比べて耐ヒート
クラック性が向上した。
【0064】実施例No12は、チタン合金に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本発
明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値である。
また、酸化物であるSiO2を所定量含有している。こ
のため、めっき膜の表面強度が向上し、実施例No11
に比べて耐摩耗性が向上した。
【0065】実施例No13は、チタン合金に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB及びWCの含有量は本発
明範囲内であって、より一層好ましい範囲の値である。
また、めっき膜の表層側であるほどB及びWCの濃度が
高くなるようにめっきされている。このようなめっきが
施されると、めっき膜の表層側の強度及び耐浸食性が向
上する。このため、実施例No12に比べて耐ヒートク
ラック性が向上すると共に、他の特性についても極めて
優れた結果となった。
【0066】実施例No14は、チタン合金に電気めっ
きを施し、めっき膜におけるB、WC及びCr32の含
有量は本発明の範囲内であって、より一層好ましい範囲
の値である。また、めっき膜の表層側であるほどB及び
WCの濃度が高くなるようにめっきされている。本実施
例は、実施例No13と同様に機械的性質、耐摩耗性、
耐溶損性及び耐ヒートクラック性の全てについて極めて
優れており、また基材がチタン合金であるため、保温性
及び軽量性についても良好な結果となった。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の成分組成を有するめっき膜を基材の表面に形成す
ることにより、耐溶損性、耐溶着性及び耐ヒートクラッ
ク性を有すると共に、優れた機械的性質及び耐摩耗性を
有し、また良好な保温性及び軽量性を有する鋳造用部材
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/58 C22C 38/58

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、この基材表面の全面又は一部に
    形成され、Ni、Co、Cr及びFeからなる群から選
    択された1種以上の元素:総計で30重量%以上と、
    B:1重量%以上とを含有する合金のめっき膜とを有す
    ることを特徴とする鋳造用部材。
  2. 【請求項2】 前記めっき膜は炭化物粒子を3重量%以
    上含有することを特徴とする請求項1に記載の鋳造用部
    材。
  3. 【請求項3】 前記めっき膜は酸化物粒子を3重量%以
    上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳
    造用部材。
  4. 【請求項4】 前記めっき膜はB、炭化物又は酸化物の
    含有率が表層側の方が高いことを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載の鋳造用部材。
  5. 【請求項5】 前記基材はオーステナイト合金からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の鋳造用部材。
  6. 【請求項6】 前記基材がチタン又はチタン合金からな
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載の鋳造用部材。
  7. 【請求項7】 基材の表面に、Ni、Co、Cr及びF
    eからなる群から選択された1種以上の元素:総計で3
    0重量%以上と、B:1重量%とを含有する合金膜を湿
    式めっきにより形成する工程を有することを特徴とする
    鋳造用部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記湿式めっきは電気めっきであること
    を特徴とする請求項7に記載の鋳造用部材の製造方法。
JP3816095A 1995-02-27 1995-02-27 鋳造用部材及びその製造方法 Pending JPH08229657A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3816095A JPH08229657A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 鋳造用部材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3816095A JPH08229657A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 鋳造用部材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08229657A true JPH08229657A (ja) 1996-09-10

Family

ID=12517662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3816095A Pending JPH08229657A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 鋳造用部材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08229657A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090637A1 (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha 鋳造機械部品用金属材料およびアルミニウム溶湯接触部材並びにその製造方法
JP2006224156A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Ube Machinery Corporation Ltd ダイカストマシン及びダイカスト鋳造法
JP2007136466A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nippon Steel Corp 鉄系合金の半溶融・半凝固鋳造用の金型
KR100844603B1 (ko) * 2005-12-02 2008-07-07 도시바 기카이 가부시키가이샤 알루미늄 다이캐스팅용 용융물 공급파이프
US8580187B2 (en) 2006-03-24 2013-11-12 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Melt supply pipe for aluminum die casting

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005090637A1 (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha 鋳造機械部品用金属材料およびアルミニウム溶湯接触部材並びにその製造方法
KR100847911B1 (ko) * 2004-03-22 2008-07-22 도시바 기카이 가부시키가이샤 주조기계 부품용 금속재료 및 알루미늄 용탕 접촉부재와 그제조방법
US7829138B2 (en) 2004-03-22 2010-11-09 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Metal material for parts of casting machine, molten aluminum alloy-contact member and method for producing them
US8349468B2 (en) 2004-03-22 2013-01-08 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Metal material for parts of casting machine, molten aluminum alloy-contact member
JP2006224156A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Ube Machinery Corporation Ltd ダイカストマシン及びダイカスト鋳造法
JP2007136466A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nippon Steel Corp 鉄系合金の半溶融・半凝固鋳造用の金型
KR100844603B1 (ko) * 2005-12-02 2008-07-07 도시바 기카이 가부시키가이샤 알루미늄 다이캐스팅용 용융물 공급파이프
US8333920B2 (en) 2005-12-02 2012-12-18 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Melt supply pipe for aluminum die casting
US8771789B2 (en) 2005-12-02 2014-07-08 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Method for producing melt supply pipe for aluminum die casting
US8580187B2 (en) 2006-03-24 2013-11-12 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Melt supply pipe for aluminum die casting

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5711366A (en) Apparatus for processing corrosive molten metals
JP4513058B2 (ja) 鋳造用部材
CN113718136A (zh) Ni基合金、Ni基合金制品及用于制造Ni基合金制品的方法
WO2005061747A1 (ja) 耐溶損性に優れた熱間工具鋼及び金型部材
JP3410303B2 (ja) 耐溶融金属溶損性および耐摩耗性に優れたFe−Ni−Cr−Al系フェライト合金およびその製造方法
EP2915965B1 (en) Engine valve
JPH08229657A (ja) 鋳造用部材及びその製造方法
JP3381812B2 (ja) 耐溶損性の優れた鋳造用金型または接溶湯部材
JP3029642B2 (ja) 溶融金属に対する耐溶損性の優れた鋳造用金型または接溶湯器具
JP2002194477A (ja) 非鉄金属溶湯用部材
JPH08232058A (ja) ダイカスト用部材及びその製造方法
CN108998816A (zh) 一种氯化铵助渗的Cr/氮化复合涂层及其制备方法
JP3150291B2 (ja) AlまたはAl合金鋳造用の銅合金製金型
JP4883400B2 (ja) 鋳造用部材
JP2000301279A (ja) 複合材製鍛造金型
JP4279029B2 (ja) Ni基ホウ化物分散耐食、耐摩耗性合金の複合化方法
JP7582776B2 (ja) 表面処理性に優れた高靭性冷間工具鋼からなる工具
JP7546594B2 (ja) チタン基材及びチタン合金基材の表面改質方法
JP2006075867A (ja) 鋳造用部材
Dhongade et al. Optimizing mechanical properties of AA7075 Metal Matrix Composites reinforced with TiB2 and ZrO2 particulates
KR960007771B1 (ko) 표면경화용 금속간화합물 복합재 및 이를 이용한 표면경화방법
JP3113234B2 (ja) 射出成形機用スクリュおよび該スクリュの製造方法
JP2003155527A (ja) Ni基耐食耐摩耗合金、並びにこの合金を用いた複合部材およびダイカストマシン用の部材
JPH0353046A (ja) 鋳造用金型または接溶湯器具ならびに耐溶損性の優れた金型または治工具材料
JPH11256309A (ja) 耐溶損性に優れる鋳造用部材