JPH0823063B2 - 無機質薄膜で被覆されたプラスチツク物品の製法 - Google Patents

無機質薄膜で被覆されたプラスチツク物品の製法

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JPH0823063B2 JP61259383A JP25938386A JPH0823063B2 JP H0823063 B2 JPH0823063 B2 JP H0823063B2 JP 61259383 A JP61259383 A JP 61259383A JP 25938386 A JP25938386 A JP 25938386A JP H0823063 B2 JPH0823063 B2 JP H0823063B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、無機質薄膜を有するプラスチック物品、特
に耐擦傷性と耐熱性の両方に優れた無機質薄膜を有する
プラスチック物品に関する。
<従来の技術> プラスチック物品表面に無機質の薄膜を設けて種々の
機能を付与する処理は広く行われており、たとえばプラ
スチックメガネレンズやCRTパネルなどについての処理
は最近急速に普及しつつある。これらは反射防止多層膜
を有したものが一般的であるが、今後も例えば熱線反射
膜を有したプラスチック製窓材など、新たに市場を拡大
するものも多数出現することが予想される。
これらの無機質薄膜としては金属の酸化物や窒化物、
または金属そのものより成る単層または多層膜が用いら
れている。一般にプラスチック物品表面にこの様な無機
質薄膜を設けた場合に生ずる主な問題点としては、傷が
つき易いこと、及び温度上昇によるクラックが発生し易
いことの2点が挙げられる。
傷のつき易さに関しては、該無機質薄膜の厚味が一般
的に1ミクロンを越えることがないため、この薄膜自体
の強度が大きくても下地のプラスチック基板が軟いこと
によって耐擦傷性が劣るという結果をもたらす事が知ら
れている。軟い基板上に硬質の膜を設けて耐擦傷性を向
上させるためには、該硬質膜の厚味が2ミクロン以上な
いと効果がない。そこで、プラスチック基板と無機質薄
膜の間に2ミクロン以上の厚味を有するハードコーティ
ングを設けることによって耐擦傷性を向上させる事が試
みられ、耐擦傷性に関してはほぼ満足できるものが最近
では見られる様になった。
<発明が解決しようとする問題点> しかし乍ら、このようなハードコートを無機薄膜とプ
ラスチック基板の間に設ける方法を用いることにより耐
擦傷性を向上させることはできるけれども、該無機薄膜
が高密度の硬い膜であるため、製品の使用時または無機
薄膜の真空蒸着時に必然的に生ずる温度上昇時のプラス
チック基材と無機薄膜との熱膨張係数の違いにより、無
機質薄膜にクラックの発生が起こり易くなるという重大
な問題点があった。
<問題点を解決するための手段> 上記従来の問題点を解決するために、本発明は、該無
機質薄膜を、イオンビームを照射しつつ遅い蒸着速度で
形成したものである。好ましくはその無機質薄膜の表面
に更に高分子物質の薄膜を設ける。
すなわち本発明は、ポリシロキサン系塗料組成物によ
り被覆・硬化されたプラスチック基材の表面に、イオン
ビームを照射しながら、真空蒸着により金属酸化物薄膜
を被覆させる際に、成膜速度を、金属酸化物薄膜の全光
学的厚みの2〜50%の厚みに成膜される初期期間は、多
くとも毎秒10オングストロームに維持し、その後に、成
膜速度を毎秒10オングストロームを越える値に維持する
ことを特徴とする金属酸化物薄膜で被覆されたプラスチ
ック物品の製法である。
本発明において、プラスチック基材、好ましくは後述
するハードコートを施こしたプラスチック基材はその表
面に真空蒸着によって無機質薄膜が被覆される。この
際、蒸着速度はその初期段階、すなわち総厚味(光学的
厚み)のすくなくとも最初の2%の部分、より好ましく
は10%の部分が形成される迄は遅くしておくことが好ま
しい。
具体的には毎秒10オングストローム以下であることが
好ましい。この成膜速度は蒸着源の加熱温度、その他を
変化させることにより制御することができる。
もし初期の成膜速度が毎秒10オングストロームを越え
る大きさである場合には、製品の使用時または成膜時の
昇温による無機薄膜と基材との熱膨張係数の差により無
機薄膜にクラックが発生しやすくなる。その理由は、お
そらくは、大きな成膜速度で基材上に付着した無機物質
はマイグレーション効果により均一化され、基材と無機
薄膜との境界の全面において両者が密着しているため、
前記熱膨張差による応力が境界面に集中しその結果クラ
ックが発生するのではないかと考えられる。本発明にお
けるように蒸着のすくなくとも初期において成膜速度を
小さくすると、おそらくは前記マイグレーション効果が
生じ難くなって膜のミクロの不均一化又は膜の多孔質化
が生じ、前記の熱膨張差による応力は薄膜内部に分散す
るため応力集中が緩和され、その結果無機質薄膜のクラ
ック発生は防止されると考えられる。
蒸着の初期段階を過ぎた後の成膜速度は初期のそれと
同一に保持してもよいが、生産速度を向上させるために
通常は、大きな値、例えば毎秒20オングストローム程度
に保たれる。一例として、成膜速度を無機質薄膜の全光
学的厚味の2〜50%の厚みに成膜される期間は、多くと
も毎秒10オングストロームに維持し、その後成膜速度を
毎秒10オングストロームを越える値、たとえば毎秒20オ
ングストロームに維持する。
本発明において、上記の真空蒸着による無機薄膜の形
成と同時にその薄膜にイオンビームを照射させる。照射
したイオンビームは真空蒸着の源から蒸発した蒸着無機
物質の分子をイオン化させ、これにより基板に付着する
蒸着物質の充填密度が高められ、その結果無機物質薄膜
と基材との付着強度が増大する。
イオンビーム照射に使用するイオンの種類は、窒素、
酸素、アルゴンなど、通常用いられる気体を使用できる
が、最も有効なのはアルゴンである。イオンビーム照射
のパワーは基板及びその上のハードコートが冒されない
限り高い方が良い。通常は反射防止膜を被覆すべきプラ
スチック物品の単位表面積1cm2あたり1〜1000μA,好ま
しくは10〜500μAのエネルギー密度で照射される。
エネルギー密度が1μA/cm2よりも低いときは、イオ
ンビーム照射による無機質薄膜中の蒸着粒子の充填度増
加の効果が不十分である。逆にエネルギー密度が1000μ
A/cm2よりも高いときは、無機質薄膜がエッチング効果
により侵蝕されやすくなるので好まきくない。
一般に、真空蒸着による無機質薄膜被覆工程の前に、
被覆すべきプラスチック基材の表面に吸着されている水
分を加熱除去する必要があるが、本発明においては上述
のイオンビームの予備的照射によりこの水分除去を兼ね
ることができる。
すなわち、たとえばイオンビーム源および真空蒸着源
を備えた真空チャンバー内に被覆すべきプラスチック基
材を起き、イオンビーム照明および真空蒸着を同時に開
始する前に、イオンビーム照明のみを前記エネルギー密
度で5秒〜20分間、より好ましくは20秒〜10分間おこな
うことが好ましい。
イオンビームの発生源となるイオン銃は現在既に上市
されているもので2種類あり、それらはカウフマン型と
コールドカーソド型と呼ばれるものである。カウフマン
型は熱電子の衝撃によって気体原子をイオン化させるも
のであり、コールドカソード型は高圧電界を使用して電
離させるものであるが、本発明に於いてはこれら両タイ
プのどちらを用いても良い。
本発明に於ける無機質薄膜とは、反射防止膜や熱線反
射膜のような光学薄膜である。たとえば反射防止膜の場
合、通常三層反射防止膜が使用される。これは、反射を
防止したい波長域の中心波長をλとすれば、基板側か
ら厚味がλO/4−λO/2−λO/4という構成で中屈折率層
−高屈折率層−低屈折率層が順次積層されて成るもので
ある。低屈折率層には通常SiO2が使用される。高屈折率
層にはTiO2,ZrO2,Ta2O5など、あるいはこれらの混合
物、これらにイットニウムやプラセオジミウムを添加し
たものが使用される。また、中屈折率層にはAl2O3,Si2O
3,Yb2O3などが使用されるが、この中屈折率層の場合、
屈折率を或る程度限定された範囲に合わせる必要がある
ことから、適当な物質がないために、等価膜法を用いて
低屈折率−高屈折率−低屈折率層の順にそれぞれ、λO/
12ずつの厚味で積層した三層膜を用いる事が最近多く行
われている。また、熱線反射膜の場合には、金属膜を高
屈折率誘電体膜ではさんだ三層膜が多く用いられる。
本発明により製造される無機質薄膜はいわゆる多孔構
造をもっているかも知れないがそれは原子オーダーの大
きさであり、薄膜の透明性が何ら損われることはない。
一般に無機質薄膜は低い成膜速度をもつ真空蒸着によ
り多孔質となった場合には通常はもろくなってしまい、
耐擦傷性が低下する恐れがあるが、本発明に於いては、
該無機質薄膜をイオンを照射し乍ら真空蒸着によって形
成することによって、耐擦傷性の低下は防止される。
本発明に使用できるプラスチック基板の材料として
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA),ジエチレング
リコールビスアリルカーボネート(CR−39),ポリカー
ボネート,ポリスチレン,ポリエステルなど、透明部材
として使われる樹脂を挙げることができる。
上記したプラスチック基板表面に無機質薄膜を被覆す
る前にあらかじめハードコートを設けてその表面の耐擦
傷性を高めておくことが好ましい。本発明におけるプラ
スチック用ハードコートとしては、シリコーン系とアク
リル系に大別されるいずれのものも使用することができ
る。シリコーン系ハードコートは一般にシリカ微粒子が
ポリオルガノシロキサンマトリクスに分散した構造のも
のが多い。多く用いられるハードコートは、エポキシ基
を有するシランカップリング剤の部分加水分解縮合物に
コロイダルシリカを含んだもの、またはそれに樹脂族多
官能エポキシ化合物を添加したものを塗布して焼付けた
ものである。アクリル系ハードコートは多官能アクリル
酸エステルとそのプレポリマーの混合物を塗布し、紫外
線を照射することによって硬化させたものが一般的であ
る。場合によってはこれにコロイダルシリカまたはその
表面をメタクリロキシ基を含むシランカップリング剤や
チタンカップリング剤、長鎖のアルコールなどで処理し
たコロイダルシリカを添加することもある。上記シリコ
ーン系及びアクリル系ハードコートの両方が本発明物品
に使用するに適している。
本発明において、前述の無機物質の薄膜を被覆させた
プラスチック物品は、その表面の平滑性を向上させるた
めに、その表面にある種の高分子物質の層を形成させる
ことが好ましい。
この高分子物質とはすなわち油脂類のことであり、た
とえばパラフィン,シリコーンオイル,グリース,フレ
オンオイルなどが好適に用いられる。該高分子物質の層
は前記した無機質薄膜の上に設けられ、これが最上層と
なる。この層は柔らかい材質より成るので、この厚味が
厚すぎると物体が接触した場合に跡が残る上に、無機質
光学薄膜の光学特性にも影響するので、この層の平均厚
味は極力薄いことが望ましく、20nm以下であることが好
ましく、より好ましくは0.5〜1.0nmである。
前記したような油脂類より成る超薄層を形成するには
次のような方法を用いる。すなわち、真空蒸着によって
無機質薄膜を形成したプラスチック物品の表面に、塗布
又は浸漬によって前記したような油脂類を接触させる。
この状態では分厚くついたままなので、これを拭き取る
か洗浄することによって余分な油脂類を除く。以上の工
程を経ることによって膜厚20nm以下の高分子物質層を形
成することができる。該高分子物質層は蒸着したばかり
の、イオンビームによって非常に活性になっている無機
質薄膜の表面に強力に結合しており、余分な高分子物質
を除くために洗浄した後においても残っている。
この高分子物質層を最外層に設けることにより、無機
質薄膜の表面構造がもたらす大きな摩擦係数を低下させ
ることができる。
<作 用> 本発明によれば、プラスチック基板上の無機質薄膜に
は、使用状態における温度上昇時のプラスチック基板と
の熱膨張係数の違いが原因で発生する従来は避けること
のできなかったクラックの発生が抑制できる。また、こ
の無機質薄膜自体はイオン化蒸着で形成するので凝集力
は大きく、従って高い耐擦傷性が得られ、本発明によれ
ば耐擦傷性と耐熱性というプラスチック基板上の無機質
薄膜に於いては相反する特性を共に向上させることがで
きる。
<実施例> 1. 5ミリメートル厚で10cm角のポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)の平板(三菱レイヨン(株)製)に、メチル
トリメトキシシラン部分加水分解物とコロイダルシリカ
より成るシリコーン系ハードコート材(トスガード:東
芝シリコーン(株)製)を浸漬法で塗布し、80℃で2時
間焼付けてハードコートPMMA板を作製した。
このハードコートPMMA板を真空蒸着装置内の基板ドー
ムに装着し、1.0×10-5Torrまで減圧しておいてカウフ
マン型イオン銃(真空器械工業(株)製KP−80)を用い
てアルゴンイオンを1KV×100mAのパワーで真空蒸着すべ
きハードコートPMMA板の表面に向けて5分間照射した。
エネルギー密度はPMMA板表面積1cm2あたり約20μAであ
った。次いでイオン銃への導入ガスをアルゴン/酸素=
9/1の混合ガスに変え、500V×50mAのパワー(エネルギ
ー密度10μA/cm2)で照射しながら、Yb2O3−Ta2O5−SiO
2の順で蒸着した。ここでYb2O3の層は毎秒5オングスト
ロームの速度でnd=125nm,Ta2O5及びSiO2の層は毎秒20
オングストロームの速度でそれぞれnd=250nm及びnd=1
25nm蒸着した。
蒸着が完了したら真空槽内を常圧に戻して蒸着の完了
したPMMA板をとり出し、表面にシリコーングリースを塗
ってから拭き取り、リグロインできれいに拭いたあとで
トリクレン槽2槽及びフレオン蒸気槽を含んだ7槽の洗
浄ラインを通して洗浄した。
洗浄の完了したPMMA板表面のすべりは良好であり、PM
MA板の表面のシリコーングリースの層の平均厚みは約2n
mであった。これにスチールウールを5kgの荷重をかけて
20回往復させても傷つかなかった。また、これを80℃に
設定したエアーオーブンに10分間入れておいても何等変
化が見られなかった。そしてこのPMMA板は510nmの波長
の光に対して垂直入射時の反射率1.0%を有していた。
2. 65ミリメートル径のCR−39製メガネレンズ(ハイル
クス ,HOYA(株)製)に、トリメチロールプロパント
リアクリレート,ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート,ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート,ジ
エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコー
ルジアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート等の
アクリル酸エステル類の部分プレポリマーにアゾビスイ
ソブチロニトリルとベンゾインメチルエーテル及び弗素
界面活性剤少量を加えたものをスピンコート法により塗
布し、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射して硬化さ
せ、ハードコートレンズを作製した。
このハードコートレンズを真空蒸着装置内の基板ドー
ムに装着し、3.0×10-5Torrまで減圧しておいて、コー
ルドカソード型イオン銃(デントン・ヴァキュウム社製
CC−101B)を用いてアルゴンイオンをパワーサプライ80
0V×800mA,バイアスパワーサプライ100V×100mAで10分
間照射した。エネルギー密度は約200μA/cm2であった。
次いでイオン銃への導入ガスを酸素に変えて1.0×10-4T
orrの圧力でイオンを照射しつつ、(エネルギー密度約1
00μA/cm2)λ=500nmの中心波長で制御し乍ら、5層
とも毎秒5オングストロームの一定の成膜速度で膜圧nd
=λO/12の各層をSiO2,ZrO2,SiO2の順で3層積層し、次
いでZrO2をnd=λO/2,SiO2をnd=λO/4積層して5層の
反射防止膜を形成した。
蒸着が完了したら真空槽内を常圧に戻して蒸着の完了
したレンズをとり出し、フレオンオイル1槽−フレオン
ソルベント2槽−フレオン蒸気槽1槽より構成された4
槽の洗浄ラインを通して洗浄した。
洗浄の完了したレンズ表面のすべりは良好であり、ス
チールウールに5kgかけて20回往復させても傷つかなか
った。また、これを90℃に設定した恒温水槽に10分間入
れておいても何等変化が見られなかった。500nmの波長
の光に対する反射率は1.0%であった。
なお、前述のフレオンオイル処理をしなかった5層反
射防止膜を形成させたレンズは表面のすべりはそれほど
良好ではないが、上述の恒温水槽のテストでも何等変化
はみられず、反射率も同一の値を有していた。
また、比較のため、5層の反射防止膜の真空蒸着と同
時におこなっていたイオンビームの照射を中止し、その
他は本実施例と同じ処理をおこなったところ、耐擦傷性
は本実施例とほぼ等しいけれども、10分間の恒温水槽の
テストでは反射防止膜にクラックが発生した。
3. 5ミリメートル厚で10cm角のポリカーボネート板
(筒中プラスチック(株)製)に、ヒドロキシエチルメ
タクリレートとグリシジルメタクリレートのコポリマー
を主成分として含む塗料を塗布し、乾燥硬化させた後、
メチルトリメトキシシラン部分加水分解物とコロイダル
シリカを含むシリコーン系ハードコート材(トスガー
ド;東芝シリコーン(株)製)を塗布し、乾燥硬化させ
た。
このハードコートポリカーボネート板を真空蒸着装置
内の基板ドームに装着し、10×10-5Torrまで減圧してお
いてカウフマン型イオン銃(コモンウルス社製ミラトロ
ン3cm型)を用いてアルゴンイオンを1KV×100mAのパワ
ーで5分間照射した。(約20μA/cm2)次いでイオン銃
への導入ガスをアルガン/酸素=9/1の混合ガスに変え
(イオンビームのエネルギー密度約10μA/cm2)、TiO2
を130オングストローム蒸着し、再びガスをアルゴンに
変えて銀を300オングストローム蒸着し、次いで導入ガ
スを再びアルゴン/酸素=9/1に変えてTiO2を2500オン
グストローム蒸着し、最後にSiO2を1250オングストロー
ム蒸着した。
蒸着が完了したポリカーボネート板は、シリコーンオ
イルに浸漬した後、1ルアルヘキサンで余分なシリコー
ンオイルをおとし、7槽の洗浄ラインを通して洗浄し
た。
洗浄の完了したポリカーボネート板表面のすべりは良
好であり、スチールウールに5kgかけて20回往復させて
も傷つかなかった。また、これを80℃に設定したエアー
オーブンに10分間入れておいても何等変化が見られなか
った。500nmおよび1000nmの波長の光に対する垂直入射
時の反射率はそれぞれ2.0%および80%であった。
4. 上記実施例3において、シリコン系ハードコート処
理されたポリカーボネート板を、真空蒸着装置内でのイ
オンビームの単独に照射にかえて、真空蒸着装置内でポ
リカーボネートを電気加熱ヒーターにより約150℃で約1
0分間加熱し、その他は上記実施例3と同様に処理した
ところ、実施例3とほぼ等しい表面すべり性、対擦傷
性、耐熱性、反射防止性能を示した。
<発明の効果> 本発明によれば従来不可能であったプラスチック基板
/無機薄膜被合体の高耐熱性と高耐擦傷性の両立が実現
できる。これによって、プラスチック基板に種々の無機
薄膜を設けた部材を自動車その他の輸送機器の部品,種
々の光学装置の部品などとして使用することも可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 良幸 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日 本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−9906(JP,A) 特公 昭49−47910(JP,B2)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシロキサン系塗料組成物により被覆・
    硬化されたプラスチック基材の表面に、イオンビームを
    照射しながら、真空蒸着により金属酸化物薄膜を被覆さ
    せる際に、成膜速度を、金属酸化物薄膜の全光学的厚み
    の2〜50%の厚みに成膜される初期期間は、多くとも毎
    秒10オングストロームに維持し、その後に、成膜速度を
    毎秒10オングストロームを越える値に維持することを特
    徴とする金属酸化物薄膜で被覆されたプラスチック物品
    の製法。
  2. 【請求項2】前記金属酸化物薄膜は反射防止多層膜であ
    る特許請求の範囲第1項記載のプラスチック物品の製
    法。
  3. 【請求項3】前記イオンビームを前記プラスチック基材
    の単位表面積1cm2あたり1〜1000μAのエネルギー密度
    で照射する特許請求の範囲第1項記載のプラスチック物
    品の製法。
  4. 【請求項4】前記イオンビームは窒素、酸素、およびア
    ルゴンより選ばれるすくなくとも1種のイオンを用いる
    ものである特許請求の範囲第1項記載のプラスチック物
    品の製法。
  5. 【請求項5】前記金属酸化物薄膜を被覆させた後に、そ
    の膜の表面に更に油脂の層を形成する特許請求の範囲第
    1項記載のプラスチック物品の製法。
  6. 【請求項6】前記油脂の層は0.5〜10nmの平均厚みを有
    するものである特許請求の範囲第5項記載のプラスチッ
    ク物品の製法。
  7. 【請求項7】前記金属酸化物薄膜を被覆する前のプラス
    チック基材の表面にあらかじめイオンビームを照射する
    特許請求の範囲第1項記載のプラスチック物品の製法。
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