JPH08230768A - タンカーのタンク構造 - Google Patents

タンカーのタンク構造

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JPH08230768A
JPH08230768A JP6342395A JP6342395A JPH08230768A JP H08230768 A JPH08230768 A JP H08230768A JP 6342395 A JP6342395 A JP 6342395A JP 6342395 A JP6342395 A JP 6342395A JP H08230768 A JPH08230768 A JP H08230768A
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Kazuhisa Yanagi
柳  和久
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造。 【構成】 液体を貯溜,運搬するタンカーの上甲板1と
そのタンク内隔壁2との両部材にわたって外端が溶接さ
れた横鉛直平面上に延びるタンク内構材3と、上記3部
材に沿って平行的に延びる3辺がそれぞれ同タンク内隔
壁,同タンク内構材及びタンク内構材内端コーミングに
溶接された複数段の水平長方形防撓材により形成された
タンクにおいて、同タンク内構材2の上部コーミングの
左右の隅角部の若干下方に中央がそれぞれ固着された水
平管部8の前後端にそれぞれ上端が閉塞された同一高さ
の上端閉塞の竪管部7a,7b を形成してなる縦鉛直平面上
のU字型連通管と、同各U字型連通管の両竪管部の下端
にそれぞれ穿設された小径孔10とを具え、タンカーの動
揺の際に同U字型連通管に動吸振器としての作用を行わ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンカーのタンク構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】タンカーのタンク構造では、従来、図6
(A)横断面に示すようなシングルハル,同図(B)に
示すようなダブル ハルがそれぞれ採用されている。い
ずれのタンク構造においても、タンクに搭載する貨液の
液圧を考慮して設計されており、その外板,タンク内隔
壁,タンク内構材の寸法や防撓材の寸法はタンク下部の
方がタンク上部よりも大きく、振動し難くなっており、
タンク上部の方は相対的に振動しやすくなっている。こ
こで、外板(上甲板)とタンク内隔壁との取り合い部VI
I 部は、図7拡大図に示すように、上甲板1,タンク内
隔壁2とタンク内構材3から構成される。上甲板1やタ
ンク内隔壁2には防撓材4が配設され、またタンク内構
材3にも防撓材5や倒れ止め肘板6が配設されている。
この種のタンカーにおいては、タンク内構材3の横倒れ
固有円振動数は、一般に空液時には十分高く、問題ない
のであるが、貨液満載時には接液効果による重量増加の
ため低下し、船舶の推進装置の起振力振動数域に存在す
る場合があるので、タンク内構材3が横倒れ振動におい
て共振を起こしてタンク構造が損傷することもしばしば
ある。このようなタンク構造の損傷を防止するために、
タンク内構材3の横倒れ固有円振動数を船舶の推進装置
の起振力振動数域から引き離す工夫が必要であり、従来
は、図7に示すように、防撓材5間に倒れ止め肘板6を
増設して剛性を増加することで固有円振動数の上昇を図
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のタンク構造では、本来横倒れ防止の観点から
必要な倒れ止め肘板6に対して大幅に多くの倒れ止め肘
板6が必要となるので、タンク構造の重量増加を招くと
ともに工作性が低下する。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、倒れ止め肘板の増設を必要とすることなく、
接液時の固有円振動数の低下を防止して、重量の低減を
図る経済的なタンカーのタンク構造を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、液体を貯溜もしくは運搬するタン
カーの上甲板とそのタンク内隔壁との両部材にわたって
外端が溶接された横鉛直平面上に延びるタンク内構材
と、上記3部材に沿って平行的に延びる3辺がそれぞれ
同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構材内端
コーミングに溶接された複数段の水平長方形防撓材によ
り形成されたタンクにおいて、同タンク内構材の上部コ
ーミングの左右の隅角部の若干下方に中央がそれぞれ固
着された水平管部の前後端にそれぞれ上端が閉塞された
同一高さの竪管部を形成してなる縦鉛直平面上のU字型
連通管と、同各U字型連通管の両竪管部の下端にそれぞ
れ穿設された小径孔とを具え、タンカーの動揺の際に、
同U字型連通管に動吸振器としての作用を行わせること
を特徴とする。
【0006】
【作用】このような構成によれば、U字型連通管を配設
したことにより、タンク内に液体を貯溜する場合、その
小径孔を介してU字型連通管にも液体が流入するととも
に、その両竪管部の上端部には空気が封入されるので、
このU字型連通管は、船体のピッチングの際に動吸振器
としての効果が発生する。したがって、このU字型連通
管に作用する力の反力によってタンク内構材の横倒れ方
向の振動を抑制することができる。
【0007】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図1はそのタンク内構材の上端コーナ部を示す正面
図、図2は図1のII−II矢視側面図、図3は図2のU字
型連通管による動吸振器としての作用を示す説明図、図
4は図1の各部材に作用する力学的諸量の経時的変化を
示す線図、図5は図1のU字型連通管による振動数とタ
ンク内構材の振動加速度との関係を示す線図である。
【0008】上図において、図7と同一の符号はそれぞ
れ同図と同一の部材を示し、まず、図1〜図2におい
て、U字型連通管は等長の2本の竪管部7a,7bと、
その各下端をそれぞれ前後端に連通する前後方向の水平
管部8とから構成されており、水平管部8はタンク内構
材3の頂部付近にてタンク内構材3を前後方向に立体交
叉的に横断するように固定されている。
【0009】ここで、竪管部7a,7bの上端はそれぞ
れ閉塞されている。また、竪管部7a,7bや水平管部
8には、図2に示すように、複数の小孔10が設けられ
ている。小孔は、基本的には、同図に示すように、竪管
部7a,7bと水平管部8との外側連通部や竪管部7
a,7bの中間位置に設けられるが、必要に応じてその
他の場所にも設けることができる。このようなタンクに
液体9を貯溜する場合、小孔10を経てU字型連通管に
も液体9は流入する。しかし、竪管部の上部であって最
上位の小孔以上の部分の空気は竪管部7a,7bの上端
内部に残留するとともに、液体9の液圧によって圧縮さ
れ竪管部7a,7bの上端に封入される。
【0010】このようなU字型連通管には、図3に示す
ように、この残留した封入空気11a,11bをばね要
素,U字型連通管内の液体12を質量要素とすると1自
由度振動系が形成される。この振動系の固有円振動数ω
0 は簡単のため左右対称構造とすると、式(1)で与え
られる。 ω0 =√{2G[1+K・(D/h)]/[2・lL +(a/A)L] } ……(1) ただし、h:封入空気11a,11bの高さ K:空気の比熱比 G:重力加速度 D:タンク内の液体9の液面から連通管内に残留する液
体12の液面までの深さ a,lL :竪管部7a,7bの断面積,液位 A,L:水平管部8の断面積,液位 式(1)により、U字型連通管の固有振動数がタンク内
構材3の横倒れ振動の固有振動数と一致するように竪管
部7a,7bや水平管部8の寸法や小孔10の最上位置
は決定されている。
【0011】さて、タンカーの航行中のピッチングによ
る貨液の動揺により、タンク内構材3の横倒れ固有振動
数が共振した場合を考えると、この場合の起振力をFと
すると、起振力Fとタンク内構材3の振動変位yの関係
は、図4(A),(B)に示すように振動変位yは起振
力Fに対してその位相は90°遅れる。
【0012】次に、タンク内構材3の振動変位によって
発生する連通管内の液体12の振動変位xも、前述の振
動系により同図(C)に示すように、タンク内構材3の
振動変位yに対してさらに位相は90°遅れる。このと
き連通管内の液体12に発生する慣性力F1 の反作用と
して作用力Fc がタンク内構材3に作用する。 ここで、FI =M・〔d(dx/dt)/(dt)〕 ・・・・・(2) Fc =−FI ・・・・・(2) ただし、M:連通管内の液体12の有効質量 x=連通管内の液体12の振動変位 式(2)より Fc =−FI =−M・[d(dx/dt)/(dt)] =Mω2 x ・・・・・(3) ただし、ω=タンク内構材3の横倒れ固有円振動数 すなわち、式(3)より作用力Fc と連通管内の液体1
2の振動変位xとは同位相であることがわかる(同図
(D)参照)。
【0013】以上をまとめると、前記の作用力Fc は起
振力Fと逆位相になる。すなわち、作用力FC は起振力
Fを打ち消す方向に作用するから、本タンク構造への有
効起振力F+FC は、同図(E)の実線に示すように、
破線で示す起振力Fに比べて十分小さくすることができ
る。したがって、本タンク構造の振動応答はU字型連通
管がない場合に比べて十分小さくすることができる。
【0014】このような本発明の効果を従来のタンク構
造の効果と比較すると、図5に示すようになる。すなわ
ち、同図の破線13は図7に示した従来の未対策構造の
タンク内構材3の振動加速度を表す曲線であり、一点鎖
線14は同図において倒れ止め肘板6を増設した従来対
策構造の場合、実線15は図1に示した本発明のタンク
構造の場合をそれぞれ示す。図7に示した従来構造で
は、その固有振動数を上昇させるために多数の倒れ止め
肘板6を必要とする上に新たな固有振動数が別の起振力
と共振する可能性が残った。これに対して、本発明のタ
ンク構造では、その振動応答を全体的に抑制することが
でき、別起振力との共振現象の懸念もなくなる。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように本発明タンク構造は、
小孔を適宜設けるとともに、上端を閉塞したU字型連通
管を配設することにより、タンク内構材の振動応答を抑
制することができるので、従来の構造に比べて簡易な構
造で、しかも高い信頼性でタンク内構材の共振現象によ
る損傷発生を防止することができる。
【0016】要するに本発明によれば、液体を貯溜もし
くは運搬するタンカーの上甲板とそのタンク内隔壁との
両部材にわたって外端が溶接された横鉛直平面上に延び
るタンク内構材と、上記3部材に沿って平行的に延びる
3辺がそれぞれ同タンク内隔壁,同タンク内構材及びタ
ンク内構材内端コーミングに溶接された複数段の水平長
方形防撓材により形成されたタンクにおいて、同タンク
内構材の上部コーミングの左右の隅角部の若干下方に中
央がそれぞれ固着された水平管部の前後端にそれぞれ上
端が閉塞された同一高さの竪管部を形成してなる縦鉛直
平面上のU字型連通管と、同各U字型連通管の両竪管部
の下端にそれぞれ穿設された小径孔とを具え、タンカー
の動揺の際に、同U字型連通管に動吸振器としての作用
を行わせることにより、倒れ止め肘板の増設を必要とす
ることなく、接液時の固有円振動数の低下を防止して、
重量の低減を図る経済的なタンカーのタンク構造を得る
から、本発明は産業上極めて有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタンク構造を示す部分正面
図である。
【図2】図1のII−II矢視側面図である。
【図3】図2のU字型連通管の力学的諸量を示す同じく
側面図である。
【図4】図1の各部材に作用する力学的諸量の経時的変
化を示す線図である。
【図5】本発明による振動数とタンク内構材の加速度と
の関係を示す線図である。
【図6】従来のタンカーのタンクを示す横断面図であ
る。
【図7】図6の上甲板と縦通隔壁との取り合い部VII の
構造を示す拡大図である。
【符号の説明】
1 外板(上甲板) 2 タンク内隔壁 3 タンク内構材 4 防撓材 5 防撓材 6 倒れ止め肘板 7,7a,7b 竪管部 8 水平管部 9 液体 10 小孔 11 封入空気 12 連通管内液体 13 図7の従来構造のタンク内構材の振動応答曲線 14 図7の従来構造のタンクで肘板を増設した場合の
内構材の振動応答曲線 15 図1の本発明構造のタンク内構材の振動応答曲線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯溜もしくは運搬するタンカーの
    上甲板とそのタンク内隔壁との両部材にわたって外端が
    溶接された横鉛直平面上に延びるタンク内構材と、上記
    3部材に沿って平行的に延びる3辺がそれぞれ同タンク
    内隔壁,同タンク内構材及びタンク内構材内端コーミン
    グに溶接された複数段の水平長方形防撓材により形成さ
    れたタンクにおいて、同タンク内構材の上部コーミング
    の左右の隅角部の若干下方に中央がそれぞれ固着された
    水平管部の前後端にそれぞれ上端が閉塞された同一高さ
    の竪管部を形成してなる縦鉛直平面上のU字型連通管
    と、同各U字型連通管の両竪管部の下端にそれぞれ穿設
    された小径孔とを具え、タンカーの動揺の際に、同U字
    型連通管に動吸振器としての作用を行わせることを特徴
    とするタンカーのタンク構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018176985A (ja) * 2017-04-12 2018-11-15 三菱重工業株式会社 船舶の船体構造及び防振器の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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