JPH08231731A - ポリマー粒子およびそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents
ポリマー粒子およびそれを用いた樹脂組成物Info
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- JPH08231731A JPH08231731A JP3516095A JP3516095A JPH08231731A JP H08231731 A JPH08231731 A JP H08231731A JP 3516095 A JP3516095 A JP 3516095A JP 3516095 A JP3516095 A JP 3516095A JP H08231731 A JPH08231731 A JP H08231731A
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- polymer
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Abstract
(57)【要約】
【構成】下記(A)のポリマー芯体と、これを被覆する
下記(B)のポリマー殻体から構成され、上記(A)の
ポリマー芯体および上記(B)のポリマー殻体の少なく
とも一方が、カルボキシル基,エポキシ基,アミノ基か
らなる群から選ばれたすくなくとも1種類の官能基を有
するポリマー粒子である。 (A)動的粘弾性測定により得られるtanδのピーク
を示す温度(ガラス転移温度)が、−50〜150℃の
範囲であるポリマー芯体。 (B)ガラス転移温度が、25℃以上のポリマーから構
成されるポリマー殻体。 【効果】上記ポリマー粒子を樹脂組成物に配合すると、
その成形体に優れた制振特性を付与することが可能とな
る。
下記(B)のポリマー殻体から構成され、上記(A)の
ポリマー芯体および上記(B)のポリマー殻体の少なく
とも一方が、カルボキシル基,エポキシ基,アミノ基か
らなる群から選ばれたすくなくとも1種類の官能基を有
するポリマー粒子である。 (A)動的粘弾性測定により得られるtanδのピーク
を示す温度(ガラス転移温度)が、−50〜150℃の
範囲であるポリマー芯体。 (B)ガラス転移温度が、25℃以上のポリマーから構
成されるポリマー殻体。 【効果】上記ポリマー粒子を樹脂組成物に配合すると、
その成形体に優れた制振特性を付与することが可能とな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物の成形体に
対し、優れた制振特性を付与することが可能なポリマー
粒子およびこれを用いた樹脂組成物に関するものであ
る。
対し、優れた制振特性を付与することが可能なポリマー
粒子およびこれを用いた樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成
物は、その性能から様々の製品に使用されている。すな
わち、熱硬化性樹脂組成物は、接着性や成形性に優れ、
その成形体は、耐熱性や構造強度等の力学的特性に優れ
るため、例えば、半導体装置の封止用部材、精密電子機
器等の構造部材、あるいは接着剤の用途等の広い範囲で
使用されている。また、熱可塑樹脂組成物も、成形性等
に優れるとともに、その成形体は構造強度や耐摩耗性等
の力学的特性に優れることから、テレビやワープロを始
めとする種々の電子機器,OA機器等の構造部材等とし
て賞用されている。
物は、その性能から様々の製品に使用されている。すな
わち、熱硬化性樹脂組成物は、接着性や成形性に優れ、
その成形体は、耐熱性や構造強度等の力学的特性に優れ
るため、例えば、半導体装置の封止用部材、精密電子機
器等の構造部材、あるいは接着剤の用途等の広い範囲で
使用されている。また、熱可塑樹脂組成物も、成形性等
に優れるとともに、その成形体は構造強度や耐摩耗性等
の力学的特性に優れることから、テレビやワープロを始
めとする種々の電子機器,OA機器等の構造部材等とし
て賞用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】他方、精密電子機器や
その構成部品である半導体装置等を搭載する配線板は、
その微細な配線等が振動により切断されるおそれがある
ため、振動に弱いという性質を有する。したがって、例
えば、自動車や洗濯機等に搭載される計測器等の精密電
子機器は、エンジンやモーター等により発生する振動あ
るいは精密電子機器等自身が発生する振動により、微細
配線の切断に起因して故障するおそれがある。また、こ
のような振動は、上記精密電子機器等の故障の問題だけ
でなく、人間に対しても強い不快感を与えるという問題
がある。そこで、このような振動を抑制するために、各
種製品の構造部材あるいは接着剤として汎用されている
熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物への制振特性
の付与が検討されている。
その構成部品である半導体装置等を搭載する配線板は、
その微細な配線等が振動により切断されるおそれがある
ため、振動に弱いという性質を有する。したがって、例
えば、自動車や洗濯機等に搭載される計測器等の精密電
子機器は、エンジンやモーター等により発生する振動あ
るいは精密電子機器等自身が発生する振動により、微細
配線の切断に起因して故障するおそれがある。また、こ
のような振動は、上記精密電子機器等の故障の問題だけ
でなく、人間に対しても強い不快感を与えるという問題
がある。そこで、このような振動を抑制するために、各
種製品の構造部材あるいは接着剤として汎用されている
熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物への制振特性
の付与が検討されている。
【0004】従来から、樹脂組成物の成形体に対し、制
振特性を付与する技術として、例えば、エポキシ樹脂組
成物を例にとると、エポキシ樹脂とアクリルポリマー等
とを相互貫入網目構造(IPNs)をとらせる方法が検
討されている。また、樹脂組成物に対し、制振特性付与
剤として、カーボン繊維やアラミド繊維等を配合する試
みがなされている。しかしながら、IPNsによる方法
は、実用的な方法ではなく、また、カーボン繊維やアラ
ミド繊維等を配合する方法では、充分な制振特性を付与
することができないという問題がある。また、熱可塑性
樹脂組成物の制振方法としては、その成形体にブチルゴ
ム製の制振シートを貼着する方法があげられる。しか
し、この方法では、OA機器等の製造工程を著しく煩雑
にさせて、製造コストが大幅に上昇するという問題があ
る。さらに、ブチルゴム製の制振シートの貼着により、
熱可塑性樹脂組成物の成形体の重量が増加して、OA機
器等の軽量化を阻害する。
振特性を付与する技術として、例えば、エポキシ樹脂組
成物を例にとると、エポキシ樹脂とアクリルポリマー等
とを相互貫入網目構造(IPNs)をとらせる方法が検
討されている。また、樹脂組成物に対し、制振特性付与
剤として、カーボン繊維やアラミド繊維等を配合する試
みがなされている。しかしながら、IPNsによる方法
は、実用的な方法ではなく、また、カーボン繊維やアラ
ミド繊維等を配合する方法では、充分な制振特性を付与
することができないという問題がある。また、熱可塑性
樹脂組成物の制振方法としては、その成形体にブチルゴ
ム製の制振シートを貼着する方法があげられる。しか
し、この方法では、OA機器等の製造工程を著しく煩雑
にさせて、製造コストが大幅に上昇するという問題があ
る。さらに、ブチルゴム製の制振シートの貼着により、
熱可塑性樹脂組成物の成形体の重量が増加して、OA機
器等の軽量化を阻害する。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、樹脂組成物の成形体に優れた制振特性を付与す
ることが可能なポリマー粒子およびこれを用いた樹脂組
成物の提供をその目的とする。
もので、樹脂組成物の成形体に優れた制振特性を付与す
ることが可能なポリマー粒子およびこれを用いた樹脂組
成物の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するために、本
発明は、下記(A)のポリマー芯体と、これを被覆する
下記(B)のポリマー殻体とから構成され、上記(A)
のポリマー芯体および上記(B)のポリマー殻体の少な
くとも一方が、カルボキシル基,エポキシ基,アミノ基
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の官能基を有
するポリマー粒子を第1の要旨とする。 (A) 動的粘弾性測定により得られるtanδのピー
クを示す温度(ガラス転移温度)が、−50〜150℃
の範囲であるポリマー芯体。 (B) ガラス転移温度が25℃以上のポリマーから構
成されるポリマー殻体。
発明は、下記(A)のポリマー芯体と、これを被覆する
下記(B)のポリマー殻体とから構成され、上記(A)
のポリマー芯体および上記(B)のポリマー殻体の少な
くとも一方が、カルボキシル基,エポキシ基,アミノ基
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の官能基を有
するポリマー粒子を第1の要旨とする。 (A) 動的粘弾性測定により得られるtanδのピー
クを示す温度(ガラス転移温度)が、−50〜150℃
の範囲であるポリマー芯体。 (B) ガラス転移温度が25℃以上のポリマーから構
成されるポリマー殻体。
【0007】また、本発明は、上記ポリマー粒子を含有
する樹脂組成物を第2の要旨とする。
する樹脂組成物を第2の要旨とする。
【0008】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記課題を解決する
ために、一連の研究を重ねた。その過程で、熱硬化性樹
脂組成物および熱可塑性樹脂組成物に対する制振特性付
与剤として、上記のような、芯−殻構造をとり、かつ特
殊なガラス転移温度をとるポリマー粒子を試作した。そ
して、このポリマー粒子を熱硬化性樹脂組成物および熱
可塑性樹脂組成物に配合し、それぞれの成形体を作製し
たところ、これら成形体は、広い温度領域で優れた制振
特性を発揮することを見出し、本発明に到達した。
ために、一連の研究を重ねた。その過程で、熱硬化性樹
脂組成物および熱可塑性樹脂組成物に対する制振特性付
与剤として、上記のような、芯−殻構造をとり、かつ特
殊なガラス転移温度をとるポリマー粒子を試作した。そ
して、このポリマー粒子を熱硬化性樹脂組成物および熱
可塑性樹脂組成物に配合し、それぞれの成形体を作製し
たところ、これら成形体は、広い温度領域で優れた制振
特性を発揮することを見出し、本発明に到達した。
【0009】なお、本発明において、ガラス転移温度
(Tg)は、動的粘弾性測定により得られるtanδの
ピークを示す温度をいい、この動的粘弾性測定は、周波
数10Hz,温度−150℃〜300℃,昇温速度5℃
/分の条件での測定をいう。また、上記ポリマー粒子の
動的粘弾性測定は、このポリマー粒子を配合した樹脂組
成物の成形体についての動的粘弾性測定により行うこと
ができる。そして、本発明のtanδ曲線は、単独重合
のポリマーの場合と異なり、明確でシャープなピークを
示さずに、略台形状となり、そのピークは上記台形状の
上底部に該当する部分となる。このため、本発明では、
tanδのピークを示す温度とは、略台形状をとるta
nδ曲線の上底部に相当するブロードな温度範囲をい
う。
(Tg)は、動的粘弾性測定により得られるtanδの
ピークを示す温度をいい、この動的粘弾性測定は、周波
数10Hz,温度−150℃〜300℃,昇温速度5℃
/分の条件での測定をいう。また、上記ポリマー粒子の
動的粘弾性測定は、このポリマー粒子を配合した樹脂組
成物の成形体についての動的粘弾性測定により行うこと
ができる。そして、本発明のtanδ曲線は、単独重合
のポリマーの場合と異なり、明確でシャープなピークを
示さずに、略台形状となり、そのピークは上記台形状の
上底部に該当する部分となる。このため、本発明では、
tanδのピークを示す温度とは、略台形状をとるta
nδ曲線の上底部に相当するブロードな温度範囲をい
う。
【0010】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0011】本発明のポリマー粒子は、特殊なガラス転
移温度を示すポリマー芯体とポリマー殻体から構成され
るものである。
移温度を示すポリマー芯体とポリマー殻体から構成され
るものである。
【0012】上記ポリマー芯体は、例えば、重合性単量
体を、特殊な重合法により重合して作製することができ
る。
体を、特殊な重合法により重合して作製することができ
る。
【0013】上記重合性単量体は、これを重合して得ら
れるポリマーのガラス転移温度が、−50〜150℃の
範囲のものであれば、特に制限するものではない。ま
た、上記ガラス転移温度は、好ましくは−30〜140
℃、特に好ましくは、−10〜120℃である。このよ
うな重合性単量体としては、アクリル酸エステルあるい
はメタクリル酸エステルがあげられる。そして、この好
適例としては、アクリル酸アルキルエステルあるいはメ
タクリル酸アルキルエステルがあげられ、アクリル酸ア
ルキルエステルのアルキル基としては、メチル基,エチ
ル基,n−プロピル基,直鎖状もしくは分岐状のブチル
基,アミル基,ヘキシル基,オクチル基,シクロヘキシ
ル基,フェニル基,2−エチルヘキシル基があげられ
る。また、メタクリル酸アルキルエステルの具体例とし
ては、ブチル基,イソブチル基,ヘキシル基,シクロヘ
キシル基,イソヘキシル基,オクチル基,ドデシル基,
オクタデシル基,フェニル基,ウンデシル基等の炭素数
4〜12の直鎖状および分岐状のアルキル基のメタクリ
ル酸アルキルエステルがあげられる。また、この他、メ
タクリル酸オクタデシル,メタクリル酸2−エチルヘキ
シル,メタクリル酸ヒドロキシエチル等の側鎖が直鎖状
および分岐状のものも好適例としてあげられる。そし
て、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸プロピル等も用いることができる。
れるポリマーのガラス転移温度が、−50〜150℃の
範囲のものであれば、特に制限するものではない。ま
た、上記ガラス転移温度は、好ましくは−30〜140
℃、特に好ましくは、−10〜120℃である。このよ
うな重合性単量体としては、アクリル酸エステルあるい
はメタクリル酸エステルがあげられる。そして、この好
適例としては、アクリル酸アルキルエステルあるいはメ
タクリル酸アルキルエステルがあげられ、アクリル酸ア
ルキルエステルのアルキル基としては、メチル基,エチ
ル基,n−プロピル基,直鎖状もしくは分岐状のブチル
基,アミル基,ヘキシル基,オクチル基,シクロヘキシ
ル基,フェニル基,2−エチルヘキシル基があげられ
る。また、メタクリル酸アルキルエステルの具体例とし
ては、ブチル基,イソブチル基,ヘキシル基,シクロヘ
キシル基,イソヘキシル基,オクチル基,ドデシル基,
オクタデシル基,フェニル基,ウンデシル基等の炭素数
4〜12の直鎖状および分岐状のアルキル基のメタクリ
ル酸アルキルエステルがあげられる。また、この他、メ
タクリル酸オクタデシル,メタクリル酸2−エチルヘキ
シル,メタクリル酸ヒドロキシエチル等の側鎖が直鎖状
および分岐状のものも好適例としてあげられる。そし
て、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸プロピル等も用いることができる。
【0014】また、上記重合性単量体として、上記アク
リル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル以外の重
合性単量体をあげることができる。例えば、上記アクリ
ル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル以外のビニ
ルエステル類,ビニルエーテル類,ビニルシアニイド
類,ビニルアマイド類,ジエン等があげられる。そし
て、上記アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エス
テル以外のビニルエステルとしては、酢酸ビニルエステ
ル,プロピオン酸ビニル,ビニルブチラート等があげら
れる。また、ビニルエーテル類としては、例えば、アル
キルビニルエーテル類があげられ、上記アルキル基とし
ては、エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘ
キシル基等があげられる。そして、ビニルシアニイド類
としては、メタクリロニトリル,マレイックニトリル,
ビニリデンジアニド等があげられる。また、ビニルアマ
イド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アルキル基置換アクリルアミド、アルキル基置換メタク
リルアミド等があげられ、具体的には、N−メチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等があげ
られる。ジエン類としては、イソプレン,クロロプレ
ン,ブタジエン等があげられる。
リル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル以外の重
合性単量体をあげることができる。例えば、上記アクリ
ル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル以外のビニ
ルエステル類,ビニルエーテル類,ビニルシアニイド
類,ビニルアマイド類,ジエン等があげられる。そし
て、上記アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エス
テル以外のビニルエステルとしては、酢酸ビニルエステ
ル,プロピオン酸ビニル,ビニルブチラート等があげら
れる。また、ビニルエーテル類としては、例えば、アル
キルビニルエーテル類があげられ、上記アルキル基とし
ては、エチル基,プロピル基,ブチル基,アミル基,ヘ
キシル基等があげられる。そして、ビニルシアニイド類
としては、メタクリロニトリル,マレイックニトリル,
ビニリデンジアニド等があげられる。また、ビニルアマ
イド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、
アルキル基置換アクリルアミド、アルキル基置換メタク
リルアミド等があげられ、具体的には、N−メチルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等があげ
られる。ジエン類としては、イソプレン,クロロプレ
ン,ブタジエン等があげられる。
【0015】このような、重合性単量体は、単独である
いは2種類以上併用することができる。そして、2種類
以上の重合性単量体を併用する場合は、それぞれの重合
性単量体からなるポリマーのガラス転移温度が、相互に
大きく相違するもの、換言すれば、20℃以上の間隔で
相互に離れている関係にあるものを使用することが好ま
しい。好ましくは30℃以上の間隔で相互に離れている
ことである。具体的な好適組合わせとしては、例えば、
スチレンとメタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸メチ
ルとメタクリル酸n−プロピル,メタクリル酸エチルと
メタクリル酸2−エチルヘキシルの組合わせがあげられ
る。これらの好適組合わせによれば、得られるポリマー
芯体のガラス転移温度がより一層広い範囲となって、ポ
リマー粒子の制振特性付与効果の温度範囲が広くなる。
いは2種類以上併用することができる。そして、2種類
以上の重合性単量体を併用する場合は、それぞれの重合
性単量体からなるポリマーのガラス転移温度が、相互に
大きく相違するもの、換言すれば、20℃以上の間隔で
相互に離れている関係にあるものを使用することが好ま
しい。好ましくは30℃以上の間隔で相互に離れている
ことである。具体的な好適組合わせとしては、例えば、
スチレンとメタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸メチ
ルとメタクリル酸n−プロピル,メタクリル酸エチルと
メタクリル酸2−エチルヘキシルの組合わせがあげられ
る。これらの好適組合わせによれば、得られるポリマー
芯体のガラス転移温度がより一層広い範囲となって、ポ
リマー粒子の制振特性付与効果の温度範囲が広くなる。
【0016】つぎに、上記ポリマー殻体は、上記ポリマ
ー芯体の外周において、例えば、重合性単量体を重合す
ることにより作製することができる。
ー芯体の外周において、例えば、重合性単量体を重合す
ることにより作製することができる。
【0017】上記ポリマー殻体の構成材料となる重合性
単量体としては、ポリマーとした時のガラス転移温度
が、室温(25℃)以上となるものであれば、特に制限
するものではない。なお、上記ガラス転移温度の好まし
い範囲としては、70℃以上、特に好ましくは、70℃
〜200℃の範囲である。このような、重合性単量体と
しては、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル、メタ
クリロニトリル、ビニルカルバゾール、ビニルホルマー
ル、ビニルピロリドン、o−ビニルベンジルアルコー
ル、スチレン、o−,m−,p−メチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、
3,4−ジメチルスチレン、p−tertブチルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−フェノキシスチレン、
p−クロルスチレン、2,5−ジクロルスチレン、メチ
ルスチレン、α−ビニルナフタレン等があげられる。こ
れらは単独であるいは2種類以上併用される。このなか
で、上記条件(ガラス転移温度)を満たすものが好まし
いが、この条件の他に、上記ポリマー芯体の重合性単量
体と比較して親水性が高いものが好ましい。この条件を
最も良く満たし、かつ使用が容易なものとして、メタク
リル酸メチルがあげられる。
単量体としては、ポリマーとした時のガラス転移温度
が、室温(25℃)以上となるものであれば、特に制限
するものではない。なお、上記ガラス転移温度の好まし
い範囲としては、70℃以上、特に好ましくは、70℃
〜200℃の範囲である。このような、重合性単量体と
しては、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル、メタ
クリロニトリル、ビニルカルバゾール、ビニルホルマー
ル、ビニルピロリドン、o−ビニルベンジルアルコー
ル、スチレン、o−,m−,p−メチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、
3,4−ジメチルスチレン、p−tertブチルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−フェノキシスチレン、
p−クロルスチレン、2,5−ジクロルスチレン、メチ
ルスチレン、α−ビニルナフタレン等があげられる。こ
れらは単独であるいは2種類以上併用される。このなか
で、上記条件(ガラス転移温度)を満たすものが好まし
いが、この条件の他に、上記ポリマー芯体の重合性単量
体と比較して親水性が高いものが好ましい。この条件を
最も良く満たし、かつ使用が容易なものとして、メタク
リル酸メチルがあげられる。
【0018】そして、上記ポリマー芯体およびポリマー
殻体の少なくとも一方は、カルボキシル基,エポキシ
基,アミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種類
の官能基を有する必要がある。なお、本発明において、
上記エポキシ基には、グリシジル基も含める趣旨であ
る。そして、ポリマー芯体およびポリマー殻体に、上記
官能基を導入するためには、ポリマー芯体やポリマー殻
体の構成材料として、上記官能基を有する重合性単量体
を用いればよい。このような官能基を有する重合性単量
体としては、以下に示すようなものがあげられる。すな
わち、エポキシ基を有する重合性単量体としては、アク
リル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル,アリルグ
リシジルエーテル等があげられる。また、アミノ基を有
する重合性単量体としては、メタクリ酸ジメチルアミノ
エチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸t−ブチルアミノエチル、ビニルピリジン等があ
る。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、ア
クリル酸,メタクリル酸,α−クロロアクリル酸,α−
ブロムアクリル酸,α−シアノアクリル酸,マレイン
酸,イタコン酸等およびこれらの酸無水物があげられ
る。
殻体の少なくとも一方は、カルボキシル基,エポキシ
基,アミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種類
の官能基を有する必要がある。なお、本発明において、
上記エポキシ基には、グリシジル基も含める趣旨であ
る。そして、ポリマー芯体およびポリマー殻体に、上記
官能基を導入するためには、ポリマー芯体やポリマー殻
体の構成材料として、上記官能基を有する重合性単量体
を用いればよい。このような官能基を有する重合性単量
体としては、以下に示すようなものがあげられる。すな
わち、エポキシ基を有する重合性単量体としては、アク
リル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル,アリルグ
リシジルエーテル等があげられる。また、アミノ基を有
する重合性単量体としては、メタクリ酸ジメチルアミノ
エチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸t−ブチルアミノエチル、ビニルピリジン等があ
る。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、ア
クリル酸,メタクリル酸,α−クロロアクリル酸,α−
ブロムアクリル酸,α−シアノアクリル酸,マレイン
酸,イタコン酸等およびこれらの酸無水物があげられ
る。
【0019】つぎに、本発明のポリマー粒子の製法の一
例について説明する。
例について説明する。
【0020】本発明のポリマー粒子は、特定の物性(ガ
ラス転移温度)を示すポリマー芯体と、これを被覆する
ポリマー殻体から構成され、例えば、まず、前述の重合
性単量体を用いてポリマー芯体を形成し、これを被覆す
るようにしてポリマー殻体を形成することにより作製す
ることができる。
ラス転移温度)を示すポリマー芯体と、これを被覆する
ポリマー殻体から構成され、例えば、まず、前述の重合
性単量体を用いてポリマー芯体を形成し、これを被覆す
るようにしてポリマー殻体を形成することにより作製す
ることができる。
【0021】まず、特殊なガラス転移温度を示すポリマ
ー芯体は、以下に示す特殊な重合法により作製すること
ができる。この特殊な重合法は、乳化重合法,分散重合
法,懸濁重合法等を応用した方法であり、水系溶媒に重
合性単量体を供給する方法に特徴がある。図1に、上記
特殊な重合法に用いる重合装置の一例の概略図を示す。
図示のように、この装置は、3機の単量体供給装置1,
2,3と、1機の反応装置4とから構成される。そし
て、上記単量体供給装置1,2,3は、それぞれ、容器
5a,5b,5cと、攪拌機6a,6b,6cとを備
え、同様に、反応装置4も反応容器7と攪拌機8とを備
えている。そして、上記容器5c,容器5b,容器5a
および反応容器7は、この順序でパイプにより直列に連
通されている。すなわち、単量体供給装置3の容器5c
の底部からバルブ付きパイプが伸び、このパイプの先端
が単量体供給装置2の容器5bの上部に連結し、容器5
cと容器5bとが連通されている。同様に、単量体供給
装置2の容器5bの底部からバルブ付きパイプが伸び、
このパイプの先端が単量体供給装置1の容器5aの上部
に連結し、容器5bと容器5aとが連通されている。さ
らに、単量体供給装置1の容器5aの底部からバルブ付
きパイプが伸び、このパイプの先端が反応装置4の反応
容器7の上部に連結され、容器5aと反応容器7とが連
通されている。なお、重合反応前では、上記各パイプの
バルブは閉塞され、また、容器5a,5b,5cには、
ポリマー芯体の材料となる単量体A,B,Cが、それぞ
れ充填されている。また、反応容器7には水系溶媒が充
填されており、この水系溶媒中には、乳化重合法や分散
重合法に用いる、界面活性剤,親水性高分子,重合開始
剤等が配合されている。
ー芯体は、以下に示す特殊な重合法により作製すること
ができる。この特殊な重合法は、乳化重合法,分散重合
法,懸濁重合法等を応用した方法であり、水系溶媒に重
合性単量体を供給する方法に特徴がある。図1に、上記
特殊な重合法に用いる重合装置の一例の概略図を示す。
図示のように、この装置は、3機の単量体供給装置1,
2,3と、1機の反応装置4とから構成される。そし
て、上記単量体供給装置1,2,3は、それぞれ、容器
5a,5b,5cと、攪拌機6a,6b,6cとを備
え、同様に、反応装置4も反応容器7と攪拌機8とを備
えている。そして、上記容器5c,容器5b,容器5a
および反応容器7は、この順序でパイプにより直列に連
通されている。すなわち、単量体供給装置3の容器5c
の底部からバルブ付きパイプが伸び、このパイプの先端
が単量体供給装置2の容器5bの上部に連結し、容器5
cと容器5bとが連通されている。同様に、単量体供給
装置2の容器5bの底部からバルブ付きパイプが伸び、
このパイプの先端が単量体供給装置1の容器5aの上部
に連結し、容器5bと容器5aとが連通されている。さ
らに、単量体供給装置1の容器5aの底部からバルブ付
きパイプが伸び、このパイプの先端が反応装置4の反応
容器7の上部に連結され、容器5aと反応容器7とが連
通されている。なお、重合反応前では、上記各パイプの
バルブは閉塞され、また、容器5a,5b,5cには、
ポリマー芯体の材料となる単量体A,B,Cが、それぞ
れ充填されている。また、反応容器7には水系溶媒が充
填されており、この水系溶媒中には、乳化重合法や分散
重合法に用いる、界面活性剤,親水性高分子,重合開始
剤等が配合されている。
【0022】上記界面活性剤としては、アルキルベンゼ
ンスルホン酸ソーダ,アルキルスルホン酸ソーダ等のア
ニオン性のもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノ
ニオン性のものがあげられる。
ンスルホン酸ソーダ,アルキルスルホン酸ソーダ等のア
ニオン性のもの、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノ
ニオン性のものがあげられる。
【0023】上記親水性高分子としては、その代表例を
あげると、ポリビニルアルコール(ポバール)があげら
れる。
あげると、ポリビニルアルコール(ポバール)があげら
れる。
【0024】上記重合開始剤としては、特に制限するも
のではなく、通常の水系溶媒での重合に使用されるもの
があげられ、水溶性,油溶性のいずれを用いてもよい。
このような重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、4,4−アゾビス−4−シアノバレリ
ン酸、2,2−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸
塩等が好ましく、特に好ましくは、過硫酸カリウム,
2,2−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩であ
る。また、この重合開始剤の配合割合は、全単量体成分
100部に対して0.2〜5部程度が好ましい。
のではなく、通常の水系溶媒での重合に使用されるもの
があげられ、水溶性,油溶性のいずれを用いてもよい。
このような重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、4,4−アゾビス−4−シアノバレリ
ン酸、2,2−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸
塩等が好ましく、特に好ましくは、過硫酸カリウム,
2,2−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩であ
る。また、この重合開始剤の配合割合は、全単量体成分
100部に対して0.2〜5部程度が好ましい。
【0025】この重合装置での重合は、つぎのようにし
て行われる。すなわち、単量体供給装置1,2,3のそ
れぞれの攪拌機6a,6b,6cと、反応装置7の攪拌
機8を作動させるとともに、各容器5a,5b,5cお
よび反応容器7とを連結するパイプのバルブを同時に開
放する。すると、上記容器5c,5b,5aと反応容器
7が、この順序で直列に連通されているため、反応容器
7内の水系溶媒中に、1番目に単量体A,2番目に単量
体Aと単量体Bの混合物,3番目に単量体Aと単量体B
と単量体Cの混合物,4番目に単量体Bと単量体Cの混
合物,5番目に単量体Cの順序で導入され、これらが水
系溶媒中で順次重合されてポリマー芯体が形成される。
て行われる。すなわち、単量体供給装置1,2,3のそ
れぞれの攪拌機6a,6b,6cと、反応装置7の攪拌
機8を作動させるとともに、各容器5a,5b,5cお
よび反応容器7とを連結するパイプのバルブを同時に開
放する。すると、上記容器5c,5b,5aと反応容器
7が、この順序で直列に連通されているため、反応容器
7内の水系溶媒中に、1番目に単量体A,2番目に単量
体Aと単量体Bの混合物,3番目に単量体Aと単量体B
と単量体Cの混合物,4番目に単量体Bと単量体Cの混
合物,5番目に単量体Cの順序で導入され、これらが水
系溶媒中で順次重合されてポリマー芯体が形成される。
【0026】このようにして形成されるポリマー芯体の
推定構造図を図2に示す。図示のように、生成するポリ
マー芯体9は、その最内層が単量体Aのみから形成され
るポリマー〔Ap〕となり、この外周に、単量体Aと単
量体Bのコポリマー〔(A+B)p〕の層、単量体Aと
単量体Bと単量体Cとのコポリマー〔(A+B+C)
p〕の層、単量体Bと単量体Cとのコポリマー〔(B+
C)p〕の層、単量体C単独からなるポリマー〔Cp〕
の層が、順次積層形成される。すなわち、ポリマー芯体
9は、特殊な多層構造をとり、かつポリマー芯体9の各
層を形成するポリマーの分子構造は、層が径方向に変わ
る毎に、単量体に由来する構造単位の組成が、連続的に
変化するようになる。換言すれば、このポリマー芯体9
の多層構造は、芯体9を構成する一つの層を形成するポ
リマーの分子構造が、これと隣接する層を形成するポリ
マーの分子構造に対し、ポリマーの構造単位を1種類増
加または減少した分子構造となるものと思われる。
推定構造図を図2に示す。図示のように、生成するポリ
マー芯体9は、その最内層が単量体Aのみから形成され
るポリマー〔Ap〕となり、この外周に、単量体Aと単
量体Bのコポリマー〔(A+B)p〕の層、単量体Aと
単量体Bと単量体Cとのコポリマー〔(A+B+C)
p〕の層、単量体Bと単量体Cとのコポリマー〔(B+
C)p〕の層、単量体C単独からなるポリマー〔Cp〕
の層が、順次積層形成される。すなわち、ポリマー芯体
9は、特殊な多層構造をとり、かつポリマー芯体9の各
層を形成するポリマーの分子構造は、層が径方向に変わ
る毎に、単量体に由来する構造単位の組成が、連続的に
変化するようになる。換言すれば、このポリマー芯体9
の多層構造は、芯体9を構成する一つの層を形成するポ
リマーの分子構造が、これと隣接する層を形成するポリ
マーの分子構造に対し、ポリマーの構造単位を1種類増
加または減少した分子構造となるものと思われる。
【0027】なお、上記製法では、容器5a等を直列状
に連通し、かつ各容器を連通するパイプのバルブを同時
に開放するため、多層構造のポリマー芯体の一つの層内
において、その層を形成するコポリマーの分子構造、す
なわち、単量体に由来する構造単位の組成が、径方向
(芯体中心から外周への方向)に連続的に変化したもの
となる。例えば、図2の模式図に示す、単量体Aと単量
体Bのコポリマー〔(A+B)p〕の層において、最内
層〔Ap〕に近い部分は、単量体Aに由来の構造単位が
多く単量体Bに由来の構造単位が少ない組成であるが、
芯体中心から外周へ向かうしたがい、この組成比が逆転
し、単量体Aに由来の構造単位が少なく単量体Bに由来
の構造単位が多い組成となる。したがって、実際には、
図2に示すような明確な層の界面は存在せず、組成(成
分)が徐々に連続して変化する多層構造をとるものと思
われる。このような構成をとることにより、本発明のポ
リマー粒子の芯体は、幅広い温度で単一ピークを示す特
殊なガラス転移温度を示すようになるものと思われる。
に連通し、かつ各容器を連通するパイプのバルブを同時
に開放するため、多層構造のポリマー芯体の一つの層内
において、その層を形成するコポリマーの分子構造、す
なわち、単量体に由来する構造単位の組成が、径方向
(芯体中心から外周への方向)に連続的に変化したもの
となる。例えば、図2の模式図に示す、単量体Aと単量
体Bのコポリマー〔(A+B)p〕の層において、最内
層〔Ap〕に近い部分は、単量体Aに由来の構造単位が
多く単量体Bに由来の構造単位が少ない組成であるが、
芯体中心から外周へ向かうしたがい、この組成比が逆転
し、単量体Aに由来の構造単位が少なく単量体Bに由来
の構造単位が多い組成となる。したがって、実際には、
図2に示すような明確な層の界面は存在せず、組成(成
分)が徐々に連続して変化する多層構造をとるものと思
われる。このような構成をとることにより、本発明のポ
リマー粒子の芯体は、幅広い温度で単一ピークを示す特
殊なガラス転移温度を示すようになるものと思われる。
【0028】また、この重合装置は、5層構造のポリマ
ー芯体を作製するための装置であるが、本発明のポリマ
ー芯体は、この5層構造に限定されない。例えば、上記
重合装置において、単量体供給装置の数を増減すること
により、種々の多層構造のポリマー芯体を作製すること
ができる。この場合、本発明のポリマー芯体として、好
ましくは2〜8層構造であり、特に好ましくは3〜6層
構造である。すなわち、2層未満であると、ポリマー芯
体のガラス転移温度が幅広い温度で単一ピークを示さな
い傾向があり、樹脂組成物の成形体に対し、充分な制振
特性を付与することができなくなるおそれがある。これ
とは逆に、8層を越えると、重合操作が煩雑になるばか
りで、これに見合う効果が得られない傾向があるからで
ある。
ー芯体を作製するための装置であるが、本発明のポリマ
ー芯体は、この5層構造に限定されない。例えば、上記
重合装置において、単量体供給装置の数を増減すること
により、種々の多層構造のポリマー芯体を作製すること
ができる。この場合、本発明のポリマー芯体として、好
ましくは2〜8層構造であり、特に好ましくは3〜6層
構造である。すなわち、2層未満であると、ポリマー芯
体のガラス転移温度が幅広い温度で単一ピークを示さな
い傾向があり、樹脂組成物の成形体に対し、充分な制振
特性を付与することができなくなるおそれがある。これ
とは逆に、8層を越えると、重合操作が煩雑になるばか
りで、これに見合う効果が得られない傾向があるからで
ある。
【0029】つぎに、このポリマー芯体を被覆するよう
に、ポリマー殻体を形成する。すなわち、上記反応装置
(図1参照)において、ポリマー芯体が生成した反応容
器7の水系溶媒中に、先に述べたポリマー殻体の材料と
なる重合性単量体を投入し、重合させてポリマーを形成
させる。このようにすると、図3に示すような、ポリマ
ー芯体9と、これを被覆するポリマー殻体10とから構
成されるポリマー粒子を作製することができる。
に、ポリマー殻体を形成する。すなわち、上記反応装置
(図1参照)において、ポリマー芯体が生成した反応容
器7の水系溶媒中に、先に述べたポリマー殻体の材料と
なる重合性単量体を投入し、重合させてポリマーを形成
させる。このようにすると、図3に示すような、ポリマ
ー芯体9と、これを被覆するポリマー殻体10とから構
成されるポリマー粒子を作製することができる。
【0030】なお、本発明のポリマー粒子において、ポ
リマー芯体およびポリマー殻体の少なくとも一方が、カ
ルボキシル基,エポキシ基,アミノ基のなかの少なくと
も1つの官能基を有する必要がある。好ましくは、両者
が上記官能基を有することである。したがって、ポリマ
ー芯体およびポリマー殻体の材料となる重合性単量体の
少なくとも一方として、上記官能基を有する重合性単量
体を使用する必要がある。なお、ポリマー芯体が上記官
能基を有する場合は、ポリマー芯体の表層部に上記官能
基が存在することが好ましい。これは、熱硬化性樹脂組
成物にポリマー粒子を配合する際に、熱硬化性樹脂の官
能基とポリマー粒子の官能基との間に反応が起こること
を期待できるからである。このように、両者の間に反応
が起こると、異なる種類のポリマーの分子レベルでの分
散性を向上させる効果を得ることができる。したがっ
て、上記ポリマー芯体の製法において、最後に上記官能
基を有する単量体を反応容器7に投入することが好まし
い。
リマー芯体およびポリマー殻体の少なくとも一方が、カ
ルボキシル基,エポキシ基,アミノ基のなかの少なくと
も1つの官能基を有する必要がある。好ましくは、両者
が上記官能基を有することである。したがって、ポリマ
ー芯体およびポリマー殻体の材料となる重合性単量体の
少なくとも一方として、上記官能基を有する重合性単量
体を使用する必要がある。なお、ポリマー芯体が上記官
能基を有する場合は、ポリマー芯体の表層部に上記官能
基が存在することが好ましい。これは、熱硬化性樹脂組
成物にポリマー粒子を配合する際に、熱硬化性樹脂の官
能基とポリマー粒子の官能基との間に反応が起こること
を期待できるからである。このように、両者の間に反応
が起こると、異なる種類のポリマーの分子レベルでの分
散性を向上させる効果を得ることができる。したがっ
て、上記ポリマー芯体の製法において、最後に上記官能
基を有する単量体を反応容器7に投入することが好まし
い。
【0031】また、上記官能基のポリマー粒子中の存在
割合は、原料基準(配合時の割合)で、全重合性単量体
中0.5〜20重量部(以下「部」と略す)、好ましく
は1〜15部、特に好ましくは2〜10部である。
割合は、原料基準(配合時の割合)で、全重合性単量体
中0.5〜20重量部(以下「部」と略す)、好ましく
は1〜15部、特に好ましくは2〜10部である。
【0032】なお、エポキシ基およびアミノ基は、配合
時の官能基量とポリマー粒子中の官能基量とは、略等し
くなるが、カルボキシル基は、若干減少する傾向があ
る。
時の官能基量とポリマー粒子中の官能基量とは、略等し
くなるが、カルボキシル基は、若干減少する傾向があ
る。
【0033】そして、水系溶媒中に生成したポリマー粒
子は、このまま、エマルジョンや分散液の形態で用いて
もよいが、水系溶媒を除去して、粒子の集合体(粉末
状)とすることが好ましい。これは、熱硬化性樹脂組成
物が、通常、疎水性であるため、水系溶媒が存在する
と、ポリマー粒子の熱硬化性樹脂組成物への配合に支障
が生じるおそれがあるからである。上記水系溶媒の除去
法としては、塩析法,スプレードライ法,凍結乾燥法等
が適用できる。
子は、このまま、エマルジョンや分散液の形態で用いて
もよいが、水系溶媒を除去して、粒子の集合体(粉末
状)とすることが好ましい。これは、熱硬化性樹脂組成
物が、通常、疎水性であるため、水系溶媒が存在する
と、ポリマー粒子の熱硬化性樹脂組成物への配合に支障
が生じるおそれがあるからである。上記水系溶媒の除去
法としては、塩析法,スプレードライ法,凍結乾燥法等
が適用できる。
【0034】このようにして、特殊なガラス転移温度を
示すポリマー芯体と、これを被覆するポリマー殻体とか
らなる本発明のポリマー粒子を得ることができる。この
ポリマー粒子において、ポリマー芯体とポリマー殻体の
重量比率は、ポリマー芯体/ポリマー殻体=80/20
が好ましく、特に好ましくは、ポリマー芯体/ポリマー
殻体=50/50である。また、ポリマー芯体の粒径
は、通常0.01〜20μmであり、好ましくは0.0
2〜10μm、特に好ましくは0.05〜5μmであ
る。そして、ポリマー粒子全体の粒径は、通常0.02
〜22μmであり、好ましくは0.03〜11μm、特
に好ましくは0.05〜6μmである。
示すポリマー芯体と、これを被覆するポリマー殻体とか
らなる本発明のポリマー粒子を得ることができる。この
ポリマー粒子において、ポリマー芯体とポリマー殻体の
重量比率は、ポリマー芯体/ポリマー殻体=80/20
が好ましく、特に好ましくは、ポリマー芯体/ポリマー
殻体=50/50である。また、ポリマー芯体の粒径
は、通常0.01〜20μmであり、好ましくは0.0
2〜10μm、特に好ましくは0.05〜5μmであ
る。そして、ポリマー粒子全体の粒径は、通常0.02
〜22μmであり、好ましくは0.03〜11μm、特
に好ましくは0.05〜6μmである。
【0035】つぎに、このようにして得られた本発明の
ポリマー粒子のガラス転移温度について説明する。
ポリマー粒子のガラス転移温度について説明する。
【0036】まず、単独重合体から形成された層が積層
されたポリマー芯体について、動的粘弾性測定によるt
anδのピーク(ガラス転移温度)を測定すると、図4
(a)に示すように、上記単独重合体に由来する鋭いピ
ークが層の数だけ現れる。そして、複数の重合性単量体
を共重合させて形成されたポリマー芯体では、図4
(b)に示すように、各重合性単量体に由来するガラス
転移温度を平均した鋭いピークが1個現れる。これに対
し、本発明のポリマー芯体は、図4(c)に示すよう
な、幅広い温度での単一ピークを示す。これは、先に述
べたように、上記の製法により作製した本発明のポリマ
ー粒子のポリマー芯体の構造が、明確な界面を示さず、
粒子の径方向に連続して組成が変化する特殊な多層構造
をとることにより、重合物のガラス転移反応が、広い温
度領域に渡って連続的に起こることによるものと推察で
きる。
されたポリマー芯体について、動的粘弾性測定によるt
anδのピーク(ガラス転移温度)を測定すると、図4
(a)に示すように、上記単独重合体に由来する鋭いピ
ークが層の数だけ現れる。そして、複数の重合性単量体
を共重合させて形成されたポリマー芯体では、図4
(b)に示すように、各重合性単量体に由来するガラス
転移温度を平均した鋭いピークが1個現れる。これに対
し、本発明のポリマー芯体は、図4(c)に示すよう
な、幅広い温度での単一ピークを示す。これは、先に述
べたように、上記の製法により作製した本発明のポリマ
ー粒子のポリマー芯体の構造が、明確な界面を示さず、
粒子の径方向に連続して組成が変化する特殊な多層構造
をとることにより、重合物のガラス転移反応が、広い温
度領域に渡って連続的に起こることによるものと推察で
きる。
【0037】また、本発明のポリマー殻体は、25℃以
上の範囲にガラス転移温度を有するものである。このガ
ラス転移温度にかかるピーク状態は、通常のポリマーの
ガラス転移温度ピークと同様の鋭い単一ピークである。
上の範囲にガラス転移温度を有するものである。このガ
ラス転移温度にかかるピーク状態は、通常のポリマーの
ガラス転移温度ピークと同様の鋭い単一ピークである。
【0038】そして、先に述べたように、このガラス転
移温度は、動的粘弾性測定により測定される。この動的
粘弾性測定に使用される測定装置としては、例えば、セ
イコー電子社製のDMS210型があげられる。また、
測定条件は、周波数10Hz、温度−150〜300
℃、昇温速度5℃/分であり、上記測定装置において、
引張モードで行われる。また、本発明のポリマー粒子
は、微小であり、このままで動的粘弾性測定を行うこと
は困難であるため、通常、ポリマー粒子を樹脂組成物に
配合し、この成形体を試験片とする。この場合、樹脂組
成物由来のガラス転移温度と、ポリマー粒子由来のガラ
ス転移温度とは、その挙動に明確な相違があるため、見
分けることは容易である。また、本発明のポリマー粒子
において、ポリマー芯体のガラス転移温度とポリマー殻
体のガラス転移温度も、そのピーク状態が著しく異なる
ため、これらを見分けることも、容易である。なお、上
記樹脂組成物としては、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:190)とヘキサヒドロフ
タール酸(硬化剤)とを含むエポキシ樹脂組成物があ
る。また、この試験片の形状は、通常、短冊状である。
移温度は、動的粘弾性測定により測定される。この動的
粘弾性測定に使用される測定装置としては、例えば、セ
イコー電子社製のDMS210型があげられる。また、
測定条件は、周波数10Hz、温度−150〜300
℃、昇温速度5℃/分であり、上記測定装置において、
引張モードで行われる。また、本発明のポリマー粒子
は、微小であり、このままで動的粘弾性測定を行うこと
は困難であるため、通常、ポリマー粒子を樹脂組成物に
配合し、この成形体を試験片とする。この場合、樹脂組
成物由来のガラス転移温度と、ポリマー粒子由来のガラ
ス転移温度とは、その挙動に明確な相違があるため、見
分けることは容易である。また、本発明のポリマー粒子
において、ポリマー芯体のガラス転移温度とポリマー殻
体のガラス転移温度も、そのピーク状態が著しく異なる
ため、これらを見分けることも、容易である。なお、上
記樹脂組成物としては、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:190)とヘキサヒドロフ
タール酸(硬化剤)とを含むエポキシ樹脂組成物があ
る。また、この試験片の形状は、通常、短冊状である。
【0039】また、上記動的粘弾性測定の他に、示差走
査熱量計(DSC)による測定があげられる。このDS
Cの測定装置としては、例えば、セイコー電子社製のD
SC−SS100型があげられる。また、DSCの測定
条件としては、温度−100〜2500℃、昇温速度2
℃/分である。また、ガラス転移温度は、屈曲点から求
めることが可能である。しかし、このDSCによるガラ
ス転移温度は、動的粘弾性測定のガラス転移温度より、
低めの値になることが知られている。このため、本発明
において、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定によるも
のに限定している。これは、動的粘弾性測定では、試験
片の制振特性も測定することができ、これとガラス転移
温度との関係が、正確に把握できるからである。
査熱量計(DSC)による測定があげられる。このDS
Cの測定装置としては、例えば、セイコー電子社製のD
SC−SS100型があげられる。また、DSCの測定
条件としては、温度−100〜2500℃、昇温速度2
℃/分である。また、ガラス転移温度は、屈曲点から求
めることが可能である。しかし、このDSCによるガラ
ス転移温度は、動的粘弾性測定のガラス転移温度より、
低めの値になることが知られている。このため、本発明
において、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定によるも
のに限定している。これは、動的粘弾性測定では、試験
片の制振特性も測定することができ、これとガラス転移
温度との関係が、正確に把握できるからである。
【0040】つぎに、このポリマー粒子を熱硬化性樹脂
組成物や熱可塑性樹脂組成物に配合することにより、こ
れらの成形体に優れた制振特性を付与することが可能と
なる。以下、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組
成物について説明する。
組成物や熱可塑性樹脂組成物に配合することにより、こ
れらの成形体に優れた制振特性を付与することが可能と
なる。以下、熱硬化性樹脂組成物および熱可塑性樹脂組
成物について説明する。
【0041】まず、熱硬化性樹脂組成物について説明す
る。
る。
【0042】上記熱硬化性樹脂組成物の主成分となる熱
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂があげられ
る。このエポキシ樹脂としては、特に制限するものでは
なく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する各種の
ものを使用することができ、液状か固体状かを問わな
い。例えば、フェノール類のグリシジルエーテルや、ア
ルコール類のグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂があ
げられる。具体的には、フェノール類のグリシジルエー
テルのものとして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,
ビスフェノールF型エポキシ樹脂,レゾルシノール型エ
ポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等があげられる。ま
た、アルコール類のグリシジルエーテルとしては、ブタ
ンジオール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレン
グリコール等のグリシジルエーテルがあげられる。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂があげられ
る。このエポキシ樹脂としては、特に制限するものでは
なく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する各種の
ものを使用することができ、液状か固体状かを問わな
い。例えば、フェノール類のグリシジルエーテルや、ア
ルコール類のグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂があ
げられる。具体的には、フェノール類のグリシジルエー
テルのものとして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂,
ビスフェノールF型エポキシ樹脂,レゾルシノール型エ
ポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等があげられる。ま
た、アルコール類のグリシジルエーテルとしては、ブタ
ンジオール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレン
グリコール等のグリシジルエーテルがあげられる。
【0043】そして、このようなエポキシ樹脂のなか
で、以下の条件を満たすものを使用することが好まし
い。まず、エポキシ当量としては、好ましくは、50〜
5000であり、特に好ましくは、100〜3000で
ある。また、このエポキシ当量の範囲において、軟化温
度が、室温以下温度(−30℃)〜200℃、好ましく
は室温以下温度(0℃)〜150℃である。このような
諸条件を満たすエポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A型ジグリシジルエーテル樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等があげられる。そして、このようなエ
ポキシ樹脂を使用することにより、ポリマー粒子を容易
に分散できる等の利点がえられる。
で、以下の条件を満たすものを使用することが好まし
い。まず、エポキシ当量としては、好ましくは、50〜
5000であり、特に好ましくは、100〜3000で
ある。また、このエポキシ当量の範囲において、軟化温
度が、室温以下温度(−30℃)〜200℃、好ましく
は室温以下温度(0℃)〜150℃である。このような
諸条件を満たすエポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A型ジグリシジルエーテル樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂等があげられる。そして、このようなエ
ポキシ樹脂を使用することにより、ポリマー粒子を容易
に分散できる等の利点がえられる。
【0044】また、エポキシ樹脂組成物には、通常、硬
化剤が配合される。この硬化剤としては、酸無水物,フ
ェノール類,ポリアミド類等があげられ、具体的には、
ヘキサハイドロフタール酸無水物,フェノールノボラッ
ク樹脂等があげられる。また、硬化剤の配合割合は、エ
ポキシ樹脂100部に対し、通常、10〜200部,好
ましくは20〜180部,特に好ましくは30〜150
部である。
化剤が配合される。この硬化剤としては、酸無水物,フ
ェノール類,ポリアミド類等があげられ、具体的には、
ヘキサハイドロフタール酸無水物,フェノールノボラッ
ク樹脂等があげられる。また、硬化剤の配合割合は、エ
ポキシ樹脂100部に対し、通常、10〜200部,好
ましくは20〜180部,特に好ましくは30〜150
部である。
【0045】上記硬化剤には、硬化促進剤を併用するこ
とが好ましい。このような、硬化促進剤としては、2,
4,6−トリメチルジアミノメチルフェノール、2−メ
チルイミダゾール、トリフェニルホスフィン等が好まし
い。また、硬化促進剤の配合割合は、エポキシ樹脂10
0部に対し、通常、0.05〜20部、好ましくは0.
1〜15部、特に好ましくは0.5〜10部である。
とが好ましい。このような、硬化促進剤としては、2,
4,6−トリメチルジアミノメチルフェノール、2−メ
チルイミダゾール、トリフェニルホスフィン等が好まし
い。また、硬化促進剤の配合割合は、エポキシ樹脂10
0部に対し、通常、0.05〜20部、好ましくは0.
1〜15部、特に好ましくは0.5〜10部である。
【0046】この他にも、エポキシ樹脂組成物に対し、
その用途に応じ各種添加剤が配合される。
その用途に応じ各種添加剤が配合される。
【0047】そして、このようなエポキシ樹脂組成物を
始めとする熱硬化性樹脂組成物に、本発明のポリマー粒
子を配合する。この配合方法は、特に限定するものでは
なく、熱硬化性樹脂に対し、各種添加剤を配合する際
に、同時に配合すればよい。また、熱硬化性樹脂組成物
に対する上記ポリマー粒子の配合割合は、熱硬化性樹脂
組成物100部に対し、通常、5〜150部、好ましく
は10〜120部、特に好ましくは20〜100部の範
囲である。すなわち、5部未満であると、熱硬化性樹脂
組成物の成形体に充分な制振特性を付与できないおそれ
があり、これとは逆に、150部を越えて配合しても、
これにみあう利益が得られずコスト的に無駄となるおそ
れがあるからである。
始めとする熱硬化性樹脂組成物に、本発明のポリマー粒
子を配合する。この配合方法は、特に限定するものでは
なく、熱硬化性樹脂に対し、各種添加剤を配合する際
に、同時に配合すればよい。また、熱硬化性樹脂組成物
に対する上記ポリマー粒子の配合割合は、熱硬化性樹脂
組成物100部に対し、通常、5〜150部、好ましく
は10〜120部、特に好ましくは20〜100部の範
囲である。すなわち、5部未満であると、熱硬化性樹脂
組成物の成形体に充分な制振特性を付与できないおそれ
があり、これとは逆に、150部を越えて配合しても、
これにみあう利益が得られずコスト的に無駄となるおそ
れがあるからである。
【0048】また、本発明のポリマー粒子を配合した熱
硬化性樹脂組成物を用いた成形体の作製方法は、特に制
限するものではなく、通常の熱硬化性樹脂組成物の成形
法を適用することができる。
硬化性樹脂組成物を用いた成形体の作製方法は、特に制
限するものではなく、通常の熱硬化性樹脂組成物の成形
法を適用することができる。
【0049】つぎに、熱可塑性樹脂組成物について説明
する。
する。
【0050】上記熱可塑性樹脂組成物の主成分である熱
可塑性樹脂は、特に制限するものではない。例えば、ポ
リアミド樹脂(ナイロン),ポリアセタール樹脂,ポリ
カーボネート樹脂,ポリフェニレンオキシド樹脂,ポリ
エステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂等),ポリアリレート樹
脂,ポリサルフォン樹脂,ポリフェニレンサレファイド
樹脂,ポリエーテルサルフォン樹脂,ポリエーテルケト
ン樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリ
エーテルイミド樹脂,ポリオレフィン類(ポリエチレン
樹脂,ポリプロピレン樹脂およびこれらとカルボキシル
基やエポキシ基等を有するアクリル酸エステル単量体や
メタクリル酸エステル単量体と共重合したもの、さらに
はこれらを無水マレイン酸で変性したもの等),アクリ
ル樹脂(ポリメタクリル酸メチル等),ポリ塩化ビニル
樹脂,ポリスチレン樹脂等があげられる。このなかで、
上記ポリマー粒子中のカルボキシル基やエポキシ基ある
いはアミノ基と容易に反応しうる官能基を有することま
たは親水性が高いことの理由から、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、カルボキシル基,エポキシ基,無水マレイン酸基を
有するポリオレフィン類、アクリル樹脂を使用すること
が好ましく、特に好ましくはポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、カルボキシル基,エポキシ基,無水マレイン
酸基を有するポリオレフィン類、アクリル樹脂である。
可塑性樹脂は、特に制限するものではない。例えば、ポ
リアミド樹脂(ナイロン),ポリアセタール樹脂,ポリ
カーボネート樹脂,ポリフェニレンオキシド樹脂,ポリ
エステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂,ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂等),ポリアリレート樹
脂,ポリサルフォン樹脂,ポリフェニレンサレファイド
樹脂,ポリエーテルサルフォン樹脂,ポリエーテルケト
ン樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリ
エーテルイミド樹脂,ポリオレフィン類(ポリエチレン
樹脂,ポリプロピレン樹脂およびこれらとカルボキシル
基やエポキシ基等を有するアクリル酸エステル単量体や
メタクリル酸エステル単量体と共重合したもの、さらに
はこれらを無水マレイン酸で変性したもの等),アクリ
ル樹脂(ポリメタクリル酸メチル等),ポリ塩化ビニル
樹脂,ポリスチレン樹脂等があげられる。このなかで、
上記ポリマー粒子中のカルボキシル基やエポキシ基ある
いはアミノ基と容易に反応しうる官能基を有することま
たは親水性が高いことの理由から、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、カルボキシル基,エポキシ基,無水マレイン酸基を
有するポリオレフィン類、アクリル樹脂を使用すること
が好ましく、特に好ましくはポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、カルボキシル基,エポキシ基,無水マレイン
酸基を有するポリオレフィン類、アクリル樹脂である。
【0051】これらの熱可塑性樹脂に対し、その用途に
応じて各種添加剤を配合してもよい。例えば、ペンタエ
リスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕や、
2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
等の酸化防止剤があげられる。
応じて各種添加剤を配合してもよい。例えば、ペンタエ
リスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕や、
2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
等の酸化防止剤があげられる。
【0052】このような熱可塑性樹脂組成物に、本発明
のポリマー粒子を配合する。この配合方法は、特に限定
するものではなく、熱可塑性樹脂に対し、各種添加剤を
配合する際に、同時に配合すればよい。また、熱可塑性
樹脂組成物に対する上記ポリマー粒子の配合割合は、熱
可塑性樹脂組成物100部に対し、通常、5〜150
部、好ましくは10〜120部、特に好ましくは20〜
100部の範囲である。すなわち、5部未満であると、
熱可塑性樹脂組成物の成形体に充分な制振特性を付与で
きないおそれがあり、これとは逆に、150部を超えて
配合しても、これにみあう利益が得られずコスト的に無
駄となるおそれがあるからである。
のポリマー粒子を配合する。この配合方法は、特に限定
するものではなく、熱可塑性樹脂に対し、各種添加剤を
配合する際に、同時に配合すればよい。また、熱可塑性
樹脂組成物に対する上記ポリマー粒子の配合割合は、熱
可塑性樹脂組成物100部に対し、通常、5〜150
部、好ましくは10〜120部、特に好ましくは20〜
100部の範囲である。すなわち、5部未満であると、
熱可塑性樹脂組成物の成形体に充分な制振特性を付与で
きないおそれがあり、これとは逆に、150部を超えて
配合しても、これにみあう利益が得られずコスト的に無
駄となるおそれがあるからである。
【0053】そして、本発明のポリマー粒子を配合した
熱可塑性樹脂組成物を用いた成形体の作製方法は、特に
制限するものではなく、通常の熱可塑性樹脂組成物の成
形法を適用することができる。
熱可塑性樹脂組成物を用いた成形体の作製方法は、特に
制限するものではなく、通常の熱可塑性樹脂組成物の成
形法を適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明のポリマー粒子
は、ポリマー芯体とポリマー殻体とから構成され、上記
ポリマー芯体およびポリマー殻体がそれぞれ特殊なガラ
ス転移温度を有するものである。このようなポリマー粒
子を、熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物に配合
することにより、これらの成形体に対し、広い温度領域
で効果的に振動を抑制するという優れた制振特性を付与
することが可能となる。これが、本発明の最大の特徴で
ある。したがって、例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を
用い半導体素子を封止して半導体装置を作製すれば、広
い温度領域で耐振特性に優れた半導体装置を得ることが
できる。また、上記熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂
組成物の成形体で構造部材を作製し、これを用いて精密
電子機器や洗濯機,OA機器等の製品を製造すれば、構
造強度が高く、振動による故障が少ない製品を製造する
ことが可能となる。また、上記熱可塑性樹脂組成物の成
形体を構造部材等として用いると、OA機器等の製造に
おいて、構造部材に制振シートを貼着する工程が省略さ
れて製造効率が向上するとともに、得られる製品の軽量
化を図ることができるようになる。
は、ポリマー芯体とポリマー殻体とから構成され、上記
ポリマー芯体およびポリマー殻体がそれぞれ特殊なガラ
ス転移温度を有するものである。このようなポリマー粒
子を、熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂組成物に配合
することにより、これらの成形体に対し、広い温度領域
で効果的に振動を抑制するという優れた制振特性を付与
することが可能となる。これが、本発明の最大の特徴で
ある。したがって、例えば、上記熱硬化性樹脂組成物を
用い半導体素子を封止して半導体装置を作製すれば、広
い温度領域で耐振特性に優れた半導体装置を得ることが
できる。また、上記熱硬化性樹脂組成物や熱可塑性樹脂
組成物の成形体で構造部材を作製し、これを用いて精密
電子機器や洗濯機,OA機器等の製品を製造すれば、構
造強度が高く、振動による故障が少ない製品を製造する
ことが可能となる。また、上記熱可塑性樹脂組成物の成
形体を構造部材等として用いると、OA機器等の製造に
おいて、構造部材に制振シートを貼着する工程が省略さ
れて製造効率が向上するとともに、得られる製品の軽量
化を図ることができるようになる。
【0055】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0056】まず、実施例に先立ち、ポリマー粒子1,
2,3,4,1a,2a,3aの7種類のポリマー粒子
を、下記に示すようにして準備した。
2,3,4,1a,2a,3aの7種類のポリマー粒子
を、下記に示すようにして準備した。
【0057】すなわち、図1に示す重合装置を用い、前
述の方法により、下記の表1および表2に示す組成でポ
リマー粒子1,2,3を作製した。すなわち、反応容器
7に、水800部と重合開始剤(過硫酸カリウム)2部
を仕込み、同表に示す単量体を、前述の方法により反応
容器7の水中に滴下してポリマー芯体を作製した。つぎ
に、同表に示す単量体を、反応容器7内の水中に滴下し
て重合させ、ポリマー芯体を被覆するポリマー殻体を作
製した。そして、エマルジョン形態のポリマー粒子か
ら、液体窒素温度での凍結乾燥法により水を除去して、
ポリマー粒子1,2,3を得た。なお、下記の表3に、
ポリマー芯体およびポリマー殻体の各成分を単独重合し
た場合のガラス転移温度(Tg)を示す。
述の方法により、下記の表1および表2に示す組成でポ
リマー粒子1,2,3を作製した。すなわち、反応容器
7に、水800部と重合開始剤(過硫酸カリウム)2部
を仕込み、同表に示す単量体を、前述の方法により反応
容器7の水中に滴下してポリマー芯体を作製した。つぎ
に、同表に示す単量体を、反応容器7内の水中に滴下し
て重合させ、ポリマー芯体を被覆するポリマー殻体を作
製した。そして、エマルジョン形態のポリマー粒子か
ら、液体窒素温度での凍結乾燥法により水を除去して、
ポリマー粒子1,2,3を得た。なお、下記の表3に、
ポリマー芯体およびポリマー殻体の各成分を単独重合し
た場合のガラス転移温度(Tg)を示す。
【0058】また、表2に示す組成で、前述の方法によ
り、ポリマー芯体を形成した後、これを被覆した状態で
ポリマー殻体を形成し、ポリマー粒子を得た。そして、
エマルジョン形態のポリマー粒子から液体窒素温度での
凍結乾燥法により水を除去して、ポリマー粒子4を作製
した。このポリマー粒子4のポリマー芯体は、単独重合
物から形成されている。
り、ポリマー芯体を形成した後、これを被覆した状態で
ポリマー殻体を形成し、ポリマー粒子を得た。そして、
エマルジョン形態のポリマー粒子から液体窒素温度での
凍結乾燥法により水を除去して、ポリマー粒子4を作製
した。このポリマー粒子4のポリマー芯体は、単独重合
物から形成されている。
【0059】そして、ポリマー粒子1a,ポリマー粒子
2a,ポリマー粒子3aをつぎのようにして作製した。
まず、ポリマー粒子1aは、ポリマー粒子1の構成成分
(表1参照)を全て混合し、この混合物を反応装置4
(図1参照)で重合させて作製した。したがって、この
ポリマー粒子1aは、芯−殻構造ではなく、ポリマー粒
子全体が均一分子組成の共重合体から形成されている。
また、ポリマー粒子2aおよびポリマー粒子3aは、そ
れぞれポリマー粒子2aはポリマー粒子2と、ポリマー
粒子3aはポリマー粒子3と同様の成分を用いて作製し
ている(表1および表2参照)。しかし、ポリマー粒子
2aおよびポリマー粒子3aは、その成分の重合操作
が、ポリマー粒子2およびポリマー粒子3と異なる。す
なわち、これらポリマー粒子2a,3aのポリマー芯体
の形成では、各単量体供給装置1,2,3中の成分を、
それぞれ混合することなく、順次反応容器7に投入し、
一つの単量体の重合が完全に終了したのち、つぎの単量
体を投入するようにして行った。このため、ポリマー粒
子2a,3aのポリマー芯体には、明確な界面が存在し
た3層構造となっている。なお、ポリマー殻体の形成
は、ポリマー粒子2,3と同様にして行った。そして、
これら、エマルジョン形態のポリマー粒子1a,2a,
3aから液体窒素温度での凍結乾燥法により水を除去し
て、ポリマー粒子1a,2a,3aを得た。
2a,ポリマー粒子3aをつぎのようにして作製した。
まず、ポリマー粒子1aは、ポリマー粒子1の構成成分
(表1参照)を全て混合し、この混合物を反応装置4
(図1参照)で重合させて作製した。したがって、この
ポリマー粒子1aは、芯−殻構造ではなく、ポリマー粒
子全体が均一分子組成の共重合体から形成されている。
また、ポリマー粒子2aおよびポリマー粒子3aは、そ
れぞれポリマー粒子2aはポリマー粒子2と、ポリマー
粒子3aはポリマー粒子3と同様の成分を用いて作製し
ている(表1および表2参照)。しかし、ポリマー粒子
2aおよびポリマー粒子3aは、その成分の重合操作
が、ポリマー粒子2およびポリマー粒子3と異なる。す
なわち、これらポリマー粒子2a,3aのポリマー芯体
の形成では、各単量体供給装置1,2,3中の成分を、
それぞれ混合することなく、順次反応容器7に投入し、
一つの単量体の重合が完全に終了したのち、つぎの単量
体を投入するようにして行った。このため、ポリマー粒
子2a,3aのポリマー芯体には、明確な界面が存在し
た3層構造となっている。なお、ポリマー殻体の形成
は、ポリマー粒子2,3と同様にして行った。そして、
これら、エマルジョン形態のポリマー粒子1a,2a,
3aから液体窒素温度での凍結乾燥法により水を除去し
て、ポリマー粒子1a,2a,3aを得た。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【実施例1〜7,比較例1〜5】下記の表4および表5
に示す材料および同表に示す配合割合で、エポキシ樹脂
組成物を調製した。すなわち、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量:190)、硬化剤として酸無
水物(ヘキサハイドロフタール酸無水物)、硬化促進剤
としてn−ブチルアミンおよび上記ポリマー粒子を万能
混合釜で混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。そし
て、このエポキシ樹脂組成物を、短冊形状の金型に流し
込み、150℃,20時間の条件で硬化処理を行い、短
冊状の試験片を作製した。
に示す材料および同表に示す配合割合で、エポキシ樹脂
組成物を調製した。すなわち、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量:190)、硬化剤として酸無
水物(ヘキサハイドロフタール酸無水物)、硬化促進剤
としてn−ブチルアミンおよび上記ポリマー粒子を万能
混合釜で混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。そし
て、このエポキシ樹脂組成物を、短冊形状の金型に流し
込み、150℃,20時間の条件で硬化処理を行い、短
冊状の試験片を作製した。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】このようにして得られた実施例品1〜7,
比較例品1〜5の試験片について、ガラス転移温度,破
壊靱性値,損失係数を測定した。この結果を、下記の表
6および表7に示す。なお、上記ガラス転移温度,破壊
靱性値,損失係数の測定方法は、以下に示すとおりであ
る。また、上記ポリマー粒子1,2,3の計算上のガラ
ス転移温度(Tg)を求めた。この計算上のガラス転移
温度は、各成分を共重合した場合のガラス転移温度であ
る。また、この計算は、「高分子の力学的性質,L.
E.Nielsen著,1965年,化学同人社発行」
に記載の方法によった。なお、この算出例を下記に示
す。
比較例品1〜5の試験片について、ガラス転移温度,破
壊靱性値,損失係数を測定した。この結果を、下記の表
6および表7に示す。なお、上記ガラス転移温度,破壊
靱性値,損失係数の測定方法は、以下に示すとおりであ
る。また、上記ポリマー粒子1,2,3の計算上のガラ
ス転移温度(Tg)を求めた。この計算上のガラス転移
温度は、各成分を共重合した場合のガラス転移温度であ
る。また、この計算は、「高分子の力学的性質,L.
E.Nielsen著,1965年,化学同人社発行」
に記載の方法によった。なお、この算出例を下記に示
す。
【0067】〔ガラス転移温度〕動的粘弾性測定装置
(DMS−210型,セイコー電子社製)を用い、周波
数10Hz,温度−100℃〜300℃の温度分散を測
定し、tanδのピークを示す温度からガラス転移温度
(Tg)を求めた。なお、下記の表に示す値は、中央値
である。
(DMS−210型,セイコー電子社製)を用い、周波
数10Hz,温度−100℃〜300℃の温度分散を測
定し、tanδのピークを示す温度からガラス転移温度
(Tg)を求めた。なお、下記の表に示す値は、中央値
である。
【0068】〔破壊靱性値〕「ASTM Commit
tee D−20 on MechanicalTes
ting,Project No.X−10−12
8.」に準じた。
tee D−20 on MechanicalTes
ting,Project No.X−10−12
8.」に準じた。
【0069】〔損失係数〕損失係数は、動的粘弾性測定
装置(セイコー電子社製,DSM−210型)を用い、
周波数102 〜103 Hz,温度25℃,100℃の条
件で測定した。なお、この損失係数は、制振特性を評価
するものであり、値が0.05以上であれば、制振特性
が優れていると評価される。
装置(セイコー電子社製,DSM−210型)を用い、
周波数102 〜103 Hz,温度25℃,100℃の条
件で測定した。なお、この損失係数は、制振特性を評価
するものであり、値が0.05以上であれば、制振特性
が優れていると評価される。
【0070】〔計算上のガラス転移温度の算出例〕3成
分の共重合体のガラス転移温度(Tg,絶対温度)の算
出は、下記の式による。なお、下記式において、T
g1 ,Tg2 ,Tg3 は、各成分の単独重合体のガラス
転移温度(Tg,絶対温度)であり、W1 ,W2 ,W3
は各成分の重量分率である。 1/Tg=W1 /Tg1 +W2 /Tg2 +W3 /Tg3
分の共重合体のガラス転移温度(Tg,絶対温度)の算
出は、下記の式による。なお、下記式において、T
g1 ,Tg2 ,Tg3 は、各成分の単独重合体のガラス
転移温度(Tg,絶対温度)であり、W1 ,W2 ,W3
は各成分の重量分率である。 1/Tg=W1 /Tg1 +W2 /Tg2 +W3 /Tg3
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】上記表6の結果から、本発明のポリマー粒
子を含有する全実施例品の試験片は、損失係数が、25
℃および100℃の条件で、0.05を大きく越えたこ
とがわかる。このことにより、本発明の熱硬化性樹脂組
成物の成形体は、広い温度範囲で、優れた制振特性を有
するといえる。また、全実施例品の試験片は、ガラス転
移温度が、180℃以上であり、かつ破壊靱性値も高か
った。このことから、本発明のポリマー粒子を配合して
も、エポキシ樹脂組成物の成形体が備える優れた耐熱性
および構造強度が損なわれていないことがわかる。これ
に対し、上記表7から明らかなように、ポリマー粒子を
配合しない比較例品1の試験片は、制振特性および破壊
靱性値が低かった。また、本発明のポリマー粒子とは異
なるポリマー粒子4,1a,2a,3a,を配合した比
較例品2〜5の試験片は、25℃での制振特性は優れて
いたが、100℃での制振特性が悪かった。
子を含有する全実施例品の試験片は、損失係数が、25
℃および100℃の条件で、0.05を大きく越えたこ
とがわかる。このことにより、本発明の熱硬化性樹脂組
成物の成形体は、広い温度範囲で、優れた制振特性を有
するといえる。また、全実施例品の試験片は、ガラス転
移温度が、180℃以上であり、かつ破壊靱性値も高か
った。このことから、本発明のポリマー粒子を配合して
も、エポキシ樹脂組成物の成形体が備える優れた耐熱性
および構造強度が損なわれていないことがわかる。これ
に対し、上記表7から明らかなように、ポリマー粒子を
配合しない比較例品1の試験片は、制振特性および破壊
靱性値が低かった。また、本発明のポリマー粒子とは異
なるポリマー粒子4,1a,2a,3a,を配合した比
較例品2〜5の試験片は、25℃での制振特性は優れて
いたが、100℃での制振特性が悪かった。
【0074】そして、上記ポリマー粒子1,2,3の計
算上のガラス転移温度(Tg)を求めたところ、順次、
38℃,−9℃,13℃であった。一方、ポリマー粒子
1,2,3のガラス転移温度の測定結果を図5のグラフ
図にそれぞれ示す。この測定結果は、実施例2,3,6
の測定結果から、ポリマー芯体に該当する部分を抜粋し
たものである。図示のように、ポリマー粒子1,2,3
におけるポリマー芯体のガラス転移温度は、上記理論値
を含めた−40〜100℃の範囲の幅広温度領域での単
一ピークを示す。この結果と上記制振特性の結果から、
ポリマー粒子が、芯−殻構造をとり、かつこれらが特殊
なガラス転移温度を示すことが、熱硬化性樹脂組成物の
成形体に対し優れた制振特性を付与するための条件であ
るということができる。
算上のガラス転移温度(Tg)を求めたところ、順次、
38℃,−9℃,13℃であった。一方、ポリマー粒子
1,2,3のガラス転移温度の測定結果を図5のグラフ
図にそれぞれ示す。この測定結果は、実施例2,3,6
の測定結果から、ポリマー芯体に該当する部分を抜粋し
たものである。図示のように、ポリマー粒子1,2,3
におけるポリマー芯体のガラス転移温度は、上記理論値
を含めた−40〜100℃の範囲の幅広温度領域での単
一ピークを示す。この結果と上記制振特性の結果から、
ポリマー粒子が、芯−殻構造をとり、かつこれらが特殊
なガラス転移温度を示すことが、熱硬化性樹脂組成物の
成形体に対し優れた制振特性を付与するための条件であ
るということができる。
【0075】
【実施例8〜16】下記の表8に示す材料を同表に示す
割合で配合し、この配合物を2軸押出機で溶融混合し、
射出成形により、短冊形状の構造部材(試験片)を作製
した。
割合で配合し、この配合物を2軸押出機で溶融混合し、
射出成形により、短冊形状の構造部材(試験片)を作製
した。
【0076】
【比較例6〜13】下記の表9に示す材料を同表に示す
割合で配合し、この配合物を2軸押出機で溶融混合し、
射出成形により、短冊形状の構造部材(試験片)を作製
した。なお、ポリマー粒子2b,3bは、つぎのように
して作製した。すなわち、ポリマー粒子2bは上記ポリ
マー粒子2と、ポリマー粒子3bは上記ポリマー粒子3
と同様にしてポリマー粒子を作製した。そして、これら
のポリマー粒子をトルエンで溶解したのち、トルエンを
蒸発除去してポリマー粒子2b,3bを得た。これらポ
リマー粒子2b,3bは、芯−殻構造が崩れ、かつポリ
マー芯体の特殊な多層構造も崩れたものである。
割合で配合し、この配合物を2軸押出機で溶融混合し、
射出成形により、短冊形状の構造部材(試験片)を作製
した。なお、ポリマー粒子2b,3bは、つぎのように
して作製した。すなわち、ポリマー粒子2bは上記ポリ
マー粒子2と、ポリマー粒子3bは上記ポリマー粒子3
と同様にしてポリマー粒子を作製した。そして、これら
のポリマー粒子をトルエンで溶解したのち、トルエンを
蒸発除去してポリマー粒子2b,3bを得た。これらポ
リマー粒子2b,3bは、芯−殻構造が崩れ、かつポリ
マー芯体の特殊な多層構造も崩れたものである。
【0077】
【表8】
【0078】
【表9】
【0079】このようにして得られた実施例品8〜1
6,比較例品6〜11の試験片について、損失係数を測
定した。この結果を、下記の表10および表11に示
す。なお、上記損失係数の測定は、前述の方法により行
った。
6,比較例品6〜11の試験片について、損失係数を測
定した。この結果を、下記の表10および表11に示
す。なお、上記損失係数の測定は、前述の方法により行
った。
【0080】
【表10】
【0081】
【表11】
【0082】上記表10の結果から、本発明のポリマー
粒子1,2,3を含有する実施例品8〜16の試験片
は、損失係数が、25℃および100℃の条件で、0.
05を大きく越えたことがわかる。このことにより、本
発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体は、広い温度範囲
で、優れた制振特性を有するといえる。また、実施例8
〜16において、熱可塑性樹脂組成物の成形性も良好で
あった。これに対し、上記表11から明らかなように、
上記本発明のポリマー粒子とは異なるポリマー粒子4,
1a,2a,3a,2b,3bを配合した比較例品6〜
9および比較例12,13の試験片は制振特性が悪かっ
た。また、ポリマー粒子を配合しない比較例品10,1
1の試験片も、制振特性が悪かった。
粒子1,2,3を含有する実施例品8〜16の試験片
は、損失係数が、25℃および100℃の条件で、0.
05を大きく越えたことがわかる。このことにより、本
発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体は、広い温度範囲
で、優れた制振特性を有するといえる。また、実施例8
〜16において、熱可塑性樹脂組成物の成形性も良好で
あった。これに対し、上記表11から明らかなように、
上記本発明のポリマー粒子とは異なるポリマー粒子4,
1a,2a,3a,2b,3bを配合した比較例品6〜
9および比較例12,13の試験片は制振特性が悪かっ
た。また、ポリマー粒子を配合しない比較例品10,1
1の試験片も、制振特性が悪かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマー粒子を製造する重合装置の一例の概略
図である。
図である。
【図2】ポリマー粒子のポリマー芯体の一例の模式図で
ある。
ある。
【図3】ポリマー粒子の一例の構造を示す模式図であ
る。
る。
【図4】(A)は、明確な界面を有する多層構造のポリ
マー芯体のガラス転移温度を示すグラフ図であり、
(B)は、均一組成のポリマー芯体のガラス転移温度を
示すグラフ図であり、(B)は、本発明のポリマー芯体
のガラス転移温度を示すグラフ図である。
マー芯体のガラス転移温度を示すグラフ図であり、
(B)は、均一組成のポリマー芯体のガラス転移温度を
示すグラフ図であり、(B)は、本発明のポリマー芯体
のガラス転移温度を示すグラフ図である。
【図5】本発明の実施例のポリマー芯体のガラス転移温
度を示すグラフ図である。
度を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQR C08L 77/00 LQR F16F 9/30 F16F 9/30 15/02 9138−3J 15/02 Q
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(A)のポリマー芯体と、これを被
覆する下記(B)のポリマー殻体とから構成され、上記
(A)のポリマー芯体および上記(B)のポリマー殻体
の少なくとも一方が、カルボキシル基,エポキシ基,ア
ミノ基からなる群から選ばれた少なくとも1種類の官能
基を有することを特徴とするポリマー粒子。 (A) 動的粘弾性測定により得られるtanδのピー
クを示す温度(ガラス転移温度)が、−50〜150℃
の範囲であるポリマー芯体。 (B) ガラス転移温度が25℃以上のポリマーから構
成されるポリマー殻体。 - 【請求項2】 上記動的粘弾性測定が、周波数10H
z,温度−150℃〜300℃,昇温速度5℃/分の条
件の動的粘弾性測定である請求項1記載のポリマー粒
子。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のポリマー粒子を
含有する樹脂組成物。 - 【請求項4】 樹脂組成物が、エポキシ樹脂を主成分と
する樹脂組成物である請求項3記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3516095A JPH08231731A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | ポリマー粒子およびそれを用いた樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3516095A JPH08231731A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | ポリマー粒子およびそれを用いた樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08231731A true JPH08231731A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=12434134
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3516095A Pending JPH08231731A (ja) | 1995-02-23 | 1995-02-23 | ポリマー粒子およびそれを用いた樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08231731A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19733742C1 (de) * | 1997-08-04 | 1999-02-04 | Siemens Ag | Verfahren zur Lärmminderung beim Betrieb einer Gradientenspule |
| JP2002059439A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-26 | Nitta Ind Corp | プラスチック傾斜成形体とその製造方法及び製造装置 |
| JP2006206851A (ja) * | 2004-01-30 | 2006-08-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂分散体および樹脂粒子 |
| JP2008163349A (ja) * | 2008-03-14 | 2008-07-17 | Nippon Shokubai Co Ltd | 制振材用エマルション |
| JP2010059388A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-03-18 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | エポキシ樹脂組成物および構造用接着剤 |
| US7862896B2 (en) | 2004-01-30 | 2011-01-04 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Core-shell resin particle having low content of volatile components, and resin dispersion |
| JP2013024801A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Dexerials Corp | 粒子材料の動的粘弾性測定方法 |
| US8877848B1 (en) | 2013-07-26 | 2014-11-04 | Ppg Industries Ohio, Inc. | Aqueous vibration damping compositions |
| WO2018062546A1 (ja) | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社日本触媒 | 制振塗料用樹脂組成物及びその製造方法 |
| JP2022150799A (ja) * | 2021-03-26 | 2022-10-07 | 味の素株式会社 | 樹脂組成物 |
-
1995
- 1995-02-23 JP JP3516095A patent/JPH08231731A/ja active Pending
Cited By (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR20140040825A (ko) | 2011-07-25 | 2014-04-03 | 데쿠세리아루즈 가부시키가이샤 | 입자 재료의 동적 점탄성 측정 방법 |
| US9459197B2 (en) | 2011-07-25 | 2016-10-04 | Dexerials Corporation | Method for measuring dynamic viscoelasticity of particulate material |
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| WO2018062546A1 (ja) | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社日本触媒 | 制振塗料用樹脂組成物及びその製造方法 |
| US10865314B2 (en) | 2016-09-30 | 2020-12-15 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Resin composition for vibration-damping coating material, and production method therefor |
| JP2022150799A (ja) * | 2021-03-26 | 2022-10-07 | 味の素株式会社 | 樹脂組成物 |
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