JPH082318B2 - 透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶液とこれを用いたコリパーゼ活性の測定方法 - Google Patents

透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶液とこれを用いたコリパーゼ活性の測定方法

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JPH082318B2
JPH082318B2 JP17812488A JP17812488A JPH082318B2 JP H082318 B2 JPH082318 B2 JP H082318B2 JP 17812488 A JP17812488 A JP 17812488A JP 17812488 A JP17812488 A JP 17812488A JP H082318 B2 JPH082318 B2 JP H082318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は生体液中の微量のコリパーゼ、特にヒトの
膵液、血清等のコリパーゼを高感度に効率よく測定する
ための透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶
液とこれを用いたコリパーゼ活性の測定方法に関するも
のである。
〈従来の技術と発明が解決しようとする問題点〉 コリパーゼは、リパーゼ活性の発現の必須物質(補酵
素)で、リパーゼはコリパーゼ量により比例的に活性化
される性質を有する。
コリパーゼを測定する必要性を、ヒトの膵より分泌さ
れるコリパーゼを例にして、コリパーゼの性質と共に述
べると次の通りである。
(イ)分子量が約11,000の蛋白質性因子で、生体内では
単独、またはカルシウムイオン、胆汁酸等とも協同して
リパーゼ活性の発現、増強に寄与している。コリパーゼ
の欠損は消化不良、吸収不全の原因となる。
(ロ)急性膵炎、膵臓癌等の膵疾患の指標としては、ア
ミラーゼ、リパーゼを測定する手段が既に採用されてい
るが、コリパーゼは膵外分泌機能の一指標として、また
軽度膵機能障害発見の為の指標として有用である(古川
等:日消誌,83,(7)1367〜1375,1986)。
(ハ)膵臓疾患の患者尿、血清中のコリパーゼ/リパー
ゼ量の比率を求め、これを診断へ応用する検討がなされ
ている(ユンゲ等:Clinica.Chimica.Acta.123(1982)2
93〜302)。
以上のように、コリパーゼの測定は臨床学的見地から
有用であるにもかかわらず、現状では積極的にコリパー
ゼを膵疾患の指標として用いる動きはない。その理由
は、従来のコリパーゼの測定法が次の(1)〜(3)に
述べるように、煩雑であり、精度的にも満足のいくもの
ではなかったからである。
(1)滴定法 トリグリセライド、主としてオリーブ油、または高級
脂肪酸のグリセロールエステルの懸濁液の基質として、
下記の酵素反応により遊離する脂肪酸をアルカリで滴定
するものである。
しかし、この方法は反応時間が長く、多量の試料を要
し精度も良好とはいえない。このため、遊離脂肪酸をpH
スタットを用いたり、銅塩として定量する等の改良がな
されたが、相当の時間と労力が必要である。
(2)比濁法 (1)の酵素反応による基質の濁りの減少を吸光度で測
定する方法である。
この方法は簡便ではあるが、濁りの減少とコリパー
ゼ活性が必ずしも一致せず乳化検体では吸光度が逆に上
昇する試料があったりすると、濁りの減少を測定して
コリパーゼ活性を算出するのコリパーゼの間接的測定方
法であること、コリパーゼ活性が低い場合は感度が悪
く、また再現性も良くないこと等の欠点がある。
(3)トリグリセライド以外の人工(合成)基質を使用
して発色剤を用い比色定量するする方法 例えば、BALB(2,3−ジメルカプトプロパン−1−オ
ールトリブチレート)、α−ナフチルパルミテール、モ
ノグリセライド、1,2−ジグリセライド、p−ニトロフ
ェノールラウリン酸エステル、三酪酸ジメチルカプロー
ル等の脂肪酸誘導体、あるいはアルコール誘導体とのエ
ステルを基質として使用するものである。
しかし、これらの人工(合成)基質中、非水溶性の物
質には前記(1)、(2)の欠点の他に、これらの人工
基質はリパーゼ−コリパーゼ系以外のエステラーゼによ
っても加水分解されてしまうという基質特異性に問題が
あり、このため阻害剤の添加等が必要となり、また水溶
性の物質にも、前記(2)の欠点は解消されているもの
の、依然としてリパーゼ−コリパーゼ系以外のエステラ
ーゼによっても加水分解されてしまうという基質特異性
の問題は残っている。
そこで発明者等は、リパーゼ−コリパーゼ系の定義
が第一に長鎖のトリグリセライドを加水分解するもので
あることを重視して、基質としてはトリグリセライドを
使用すること、濁り(基質)の減少を測定するのでは
なく、トリグリセライドがリパーゼ−コリパーゼ系によ
り加水分解して生成した脂肪酸またはグリセロールを直
接測定すること、臨床検査に使用できる簡便な測定方
法であること等を考慮して鋭意研究した結果本発明を完
成した。
〈問題を解決するための手段〉 本願は次の(I)〜(IX)の請求項から構成されてい
る。
(I)トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)化水溶
液にリパーゼを含有させると共に、更にこれに胆汁酸、
塩化カルシウム等のリパーゼ機能促進物質を含有させた
ことを特徴とする透明なコリパーゼ測定用トリグリセラ
イド基質溶液。
(II)トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)化水溶
液を調製するために使用した界面活性剤が、非イオン界
面活性剤である特許請求の範囲第1項記載の透明なコリ
パーゼ測定用トリグリセライド基質溶液。
(III)非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン誘
導体である特許請求の範囲第2項記載の透明なコリパー
ゼ測定用トリグリセライド基質溶液。(IV)非イオン界
面活性剤が、HLB10〜16である特許請求の範囲第2項記
載の透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶
液。
(V)トリグリセライドを構成する脂肪酸の炭素原子数
が、12〜22個である特許請求の範囲第1項記載の透明な
コリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶液。
(VI)トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)化水溶
液のリパーゼの含有量が、測定対象である生体試料のリ
パーゼ含有量より多量である特許請求の範囲第1〜5項
記載の透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶
液。
(VII)リパーゼを含有する透明なコリパーゼ測定用ト
リグリセライド基質溶液に、コリパーゼ活性未知のコリ
パーゼを含有する試料を作用させて遊離する脂肪酸また
はグリセロールを、従来公知の吸光度測定法により定量
し、この定量値からコリパーゼ活性を測定することを特
徴とする透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質
溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方法。
(VIII)遊離する脂肪酸に対し、アデノシン3リン酸
(ATP)、及びコエンザイムA(CoA)の存在下にアルシ
コエンザイムAシンセターゼ(ACS)を反応させて生成
する、(1)アデノシン1リン酸(AMP)、(2)アシ
ルCoA、または(3)前記反応において残存するCoAのう
ちの一成分を、従来公知の吸光度測定法により定量し、
この定量値からコリパーゼ活性を測定する特許請求の範
囲第(VII)項記載の透明なコリパーゼ測定用トリグリ
セライド基質溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方法。
(IX)遊離するグリセロールを検出するときは、反応系
にモノグリセライドリパーゼを更に存在させる特許請求
の範囲第(VII)項記載の透明なコリパーゼ測定用トリ
グリセライド基質溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方
法。
前記した本願の透明なコリパーゼ測定用トリグリセラ
イド基質溶液は、比色定量する際に障害とならない程度
の、トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)加水溶液
であって、この溶液にリパーゼ(遊離するグリセロール
を測定する場合必要に応じてモノゴリセライドリパーゼ
を含む)を予じめ添加したものである。
また、この溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方法
は、これに濃度未知のコリパーゼを添加して、コリパー
ゼの含有量に比例して、トリグリセライドがリパーゼ−
コリパーゼ系によって加水分解して生ずる遊離脂肪酸、
またはグリセロールを測定するものである。
従来、トリグリセライドを均一かつ可溶(透明)化水
溶液とする方法は、「非水溶性物質の可溶化水溶液の製
造方法」として特公昭59-39168号公報(特許第127160
号)、特開昭63-91136が公表されているが、この方法に
より得られたトリグリセライドの透明水溶液を、前記し
た欠点を全て解消したコリパーゼ測定用の基質として利
用するのは本願が最初であり、またこの透明水溶液のト
リグリセライドからリパーゼ−コリパーゼ系により遊離
する脂肪酸、またはグリセロールを直接定量してコリパ
ーゼ活性を測定するのは本発明が最初である。
前記した本願の透明なコリパーゼ測定用トリグリサセ
ライド基質溶液は、比色定量する際に障害とならない程
度の、トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)化水溶
液(5mM〜1M pH6.0〜9.0)であって、この溶液にリパー
ゼ(過剰量)、及び必要に応じて胆汁酸(コール酸、デ
オキシコール酸、リトコール酸、グリココール酸、タウ
ロコール酸等の塩 1mM〜100mM)、塩化カルシウム(1m
M〜150mM)等を予じめ添加したものである。
また、この溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方法
は、これに濃度未知のコリパーゼを添加して、コリパー
ゼの含有量に比例して、トリグリセライドがリパーゼ−
コリパーゼ系によって加水分解して生ずる遊離脂肪酸、
またはグリセロールを測定するものである。
本発明に使用される脂肪酸は、炭素原子数が12〜22個
の次に示す脂肪酸が適している。
(1)飽和脂肪酸 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、アラキン酸、ベヘン酸 (2)不飽和脂肪酸 リンデル酸、ラウロレイン酸、ツヅ酸、フィセトレイ
ン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、ペトロ
セリン酸、オレイン酸、エライジン酸バクセン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、α−エレオステアリン酸、β−エ
レオステアリン酸、ブニカ酸、パリナリン酸、カドレイ
ン酸、セトレイン酸、エルカ酸、アラキドン酸等が挙げ
られる。トリグリセライドのR,R′,R″がこれら脂肪酸
によりエステル化されたトリグリセライドとしては次の
ものが例としてあげられる。
トリラウレイン(結合脂肪酸の炭素数12,12,12), トリデカノイン(13,13,13), トリミリスチン,(14,14,14), トリペンタデカノイン(15,15,15), トリパルミチン(16,16,16), トリマーガリン(17,17,17), トリステアリン(18,18,18), トリノオナデカノイン(19,19,19), トリオレイン(18,18,18), トリライデン(18,18,18), トリリノレイン(18,18,18), トリリノレニン(18,18,18,), トリエルシン(22,22,22), トリブラシジン(22,22,22), 1−ラウロディミリスチン(12,14,14), 1−ミリストディパルミチン(14,16,16), 1−パルミトディステアリン(16,18,18), 1−ステアロディパルミチン(16,16,18), 2−ステアロディパルミチン(16,18,16), 2−パルミトディステアリン(18,16,18), 1−オレオディステアリン(18,18,18), 1−リノレオディステアリン(18,18,18), 2−オレオディステアリン(18,18,18), 1−ステアロディオレイン(18,18,18), 1−ステアロディリノレイン(18,18,18), 1−ステアロ−2ミリスト−3パルミチン(18,14,1
6), 1−ステアロ−2パルミト−3ミリスチン(18,16,1
4), 1ラウロ−2ミリスト−3パルミチン(12,14,16)。
このうちヒトのリパーゼ−コリパーゼ系を測定しよう
とする場合その基質としては、生体中に多く含まれる脂
肪酸を含むトリグリセライドが望ましく、その例として
はミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミ
トオレイン酸、オレイン酸、リノール酸等であり、中で
も天然に最も広く最も大量に存在する脂肪酸であり、ヒ
ト生体内でも一番多いとされているオレイン酸を含むト
リグリセライドは好ましい基質である。
また、本発明のトリグリセライドの透明な基質溶液を
得るために使用される界面活性剤は、非イオン界面活性
剤であり、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレインエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポ
リオキシエチレン高級アルコール等のポリオキシエチレ
ンの誘導体が挙げられ、そのHLBは10〜16の間のものが
適当である。中でもポリオキシエチレン高級アルコール
(HLB10〜16)のものはリパーゼ反応に最適なものとし
て選ばれる。
本発明において、トリグリセライドの透明な基質溶液
を得るには、まず非イオン界面活性剤を蒸溜水あるいは
緩衝液に溶解し非イオン界面活性剤の曇点以上に加熱し
トリグリセライドを加え攪拌を続けながら溶解するとい
う方法をとる。
また場合により非イオン界面活性剤を蒸溜水、あるいは
緩衝液に溶解し、更にリパーゼ−コリパーゼ系反応に影
響に無いビルダーを添加しトリグリセライドを加え、室
温にて攪拌を続け最後に蒸溜水あるいは緩衝液で希釈し
て透明な液を得ることもできる。
この際、過剰の非イオン界面活性剤はリパーゼ−コリ
パーゼ系反応を阻害する場合もあるので、蒸溜水100重
量%に対し、非イオン界面活性材5〜20重量%、トリオ
レイン0.05〜0.5重量%の割合で使用することが望まし
い。
本発明の可溶化したトリグリセライドのリパーゼ−コ
リパーゼ系反応はpH6.5〜9.0の範囲で反応させることが
好ましく、緩衝液として例えばクエン酸−リン酸ナトリ
ウム緩衝液、イミダゾール塩酸緩衝液、トリエタノール
アミン塩酸−水酸化ナトリウム緩衝液、トリス緩衝液、
グリシルグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、ジエタノ
ールアミン−塩酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、2,4,6−トリ
メチルピリジン−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、グッドの
緩衝液等を5mMから300mMぐらいの濃度で使用するのが好
ましい。
更に本発明では胆汁酸が必須であり、胆汁酸塩として
コール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、グリココ
ールレ酸、タウロコール酸等の塩を基質液中に1mM〜100
mMの範囲で添加すると効果的である。また必要に応じ塩
化カルシウムを1mM〜80mMおよび塩化ナトリウムを5mM〜
500mMの割合で基質反応液中に添加すると一層効果的で
ある。
このようにして得られた本発明に係るコリパーゼ測定
用試薬は、コリパーゼ活性を測定する試薬として非常に
有効で安定な組成物である。
本発明によれば、トリグリセライドの均一かつ可溶
(透明)化水溶液にリパーゼを添加して(含有させて)
製造した透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質
溶液に、活性が未知のコリパーゼを添加して、リパーゼ
−コリパーゼ系反応により加水分解されて生成する脂肪
酸を、アデノシン3リン酸(ATP)コエンザイムA(Co
A)存在下で脂肪酸にアシルCoAシンセターゼ(ACS)を
作用させる反応を基本としその後、1)生成したアデノ
シン1リン酸(AMP)を測定する。2)生成したアシルC
oAを測定する。3)残存CoAを測定する方法をとること
ができる。
これらの測定法の例をあげると、1)ではアデノシン
1リン酸(AMP)をアデノシン3リン酸(ATP)、ホスフ
ォエノールピルビン酸(PEP)の共存下でミオキナーゼ
(MK)、ピルビン酸キナーゼ(PK)を作用させてピルビ
ン酸を生成させ、生じたピルビン酸を乳酸脱水素酵素
(LDH)を用いニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
−還元型(NADH)の減少を測定する。あるいはピルビン
酸酸化酵素(POP)を用いた比色法で測定する。
あるいは 1)ではADPデアミナーゼを使用してアンモニアを測定
する方法、あるいはAMPデアミナーゼを使用してアンモ
ニアを測定する方法、あるいはAMP又クレオチダーゼ、
アデニンデアミナーゼを作用させてアンモニアを測定す
る方法、更にはAMPピロホスホリラーゼ、アデニンデア
ミナーゼを作用させアンモニアを測定する方法等も例と
してあげられる。
2)アシルCoAを測定する方法としてはアシルCoAにアシ
ルCoAオキシダーゼ(ACO)を作用させ生成した過酸化水
素をペルオキシダーゼあるいはカタラーゼの系にもって
いき測定する等の例があげられる。
生成した過酸化水素をカタラーゼ、ペルオキシダーゼ
等を用いて測定する。
生成した過酸化水素を4−アミノアンチピリンと各種
のカプラーと酸化縮合させる。そのカプラーの例として
はフェノールの他アニリン系あるいはトルイジン系等が
あり例えばN−エチル−N−スルホプロピル−m−トル
イジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、3−メチル
−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−アニリ
ン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプ
ロピル)−m−トルイジン、3,5−ジメトキシ−N−
(3−スルホプロピル)アニリン等がありその他4−ア
ミノアンチピリンの代わりに3−メチル−2−ベンゾチ
アゾリノンヒドラゾンを用いる、あるいは4−アミノア
ンチピリンを使用しない10−(3−メトキシカルボキシ
ル−アミノメチル−ベンゾイル−カルバモイル)−3.7
−ビス(ジメチル−3nk)−10H−フェノチアジン、3−
ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチル−ア
ミノフェニルアミン等のカプラーを用いてもよい。又直
接アシルCoAを脂肪酸代謝の主経路であるβ酸化系すな
わち、アシルCoAをアシルCoAオキシダーゼにて2−3ト
ランス−エノイルCoAにした後、エノイルCoAヒドラター
ゼ、3−ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ、3−
ケトアシルCoAチオラーゼを作用させNADHの増加を測定
してもよい。
3)の残存するCoAを測定する方法としては残存するCoA
をSH基定量試薬である5,5′−ジチオビス−2−ニトロ
安息香酸(DTNB)等で測定することができる。
これら脂肪酸を測定する系の他、リパーゼ反応により
生じたグリセロールを測定してもよく、この場合はトリ
グリセライドのリパーゼ反応は1または3位で行なわ
れ、1,2−ジグリセライドとなり、更にこれが2−モノ
グリセライドとなり最後にグリセロールとなるが、2−
モノグリセライドからグリセロールの反応は起こり難い
ため、モノグリセライドリパーゼを併用すると効果的で
ある。
次に本発明を実施例をもって説明する。
〈実施例1〉 (A)試薬の調整 試薬(1) 蒸留水90mlに非イオン界面活性剤としてエマルゲン70
9(花王アトラス社の商品名、ポリオキシエチレン高級
アルコール曇点56℃)10gを溶解し、56℃以上に加熱す
ると液は曇点に達し白濁する。そこへトリオレイン2gを
添加し56℃以上を保ちながら約30分間攪拌し、その後加
熱をやめ攪拌を続けながら放置する。液は室温に近づく
と透明となるので、この透明となった時点で蒸留水にて
10倍希釈し透明な水溶液を得る(トリオレイン可溶化基
質溶液)。これに豚由来のリバーゼ精製品4,400U、塩化
カルシウム700mgを添加する(透明なコリパーゼ測定用
トリグリセライド基質溶液)。
試薬(2) 下記の物質を50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.9)にて100
mlとする。
前記トリオレイン可溶化基質溶液:20ml アデノシン−5′−三リン酸(ATP):8.6ml ホスホエノールピルビン酸(PEP):200mg 還元型ニコチンアデニンヌクレオチド(NADH):450mg ミオキナーゼ(MK):214mg ピルビン酸キナーゼ(PK):15000U 乳酸脱水素酵素(LDH):20000U コエンザイムA(CoA):1900mg デオキシコール酸Na(SDC):2000mg アシルコエンザイムAシンセターゼ(ACS):160U 塩化マグネシウム:100mg 試薬(3)(コリパーゼ標準溶液) 30000U/mgのコリパーゼを生理食塩水稀釈し、5,10,1
5,20,25,30,35,40ng/mlとなるように稀釈した。
(B)測定方法 前項で調製した試薬(1)を1.1ml試験管に350μl、
試薬(3)または精製水を20μl採取し、37℃で5分間
加温する。次に試薬(2)を50μl加え、3分〜5分目
の吸光度の減少をλ=550nmにて試薬ブランク(前記蒸
留水)を対照に測定する。
1分間当りの吸光度を縦軸に取り検量線を作製したと
ころ良好な直線性を示すグラフが得られた(図面参
照)。
次に試薬(1)に代えて、血清(そのまま)及び膵液
(100倍稀釈液)を同様に処理し、前記検量線によりコ
リパーゼを測定した。その結果を次に示す。
*血清 試薬A: 3.1ng/ml 試薬B: 8.5ng/ml 試薬C:23.2ng/ml 試薬D:10.4ng/ml 試薬E: 0.5ng/ml(健常者) *膵液 試薬A:18.3ng/ml 試薬B:32.7ng/ml 試薬C:29.7ng/ml 試薬D: 1.8ng/ml(健常者) 試薬E: 0.4ng/ml(健常者) 〈実施例2〉 (A)試薬 試薬(1) 蒸溜水90mlに非イオン界面活性剤としてエマルゲン70
7(花王アトラス社の商品名、ポリオキシエチレン高級
アルコール)10gを溶解し、ビルダーとして塩化ナトリ
ウム5gを加え室温(25℃)にて攪拌する。この液は濁っ
た状態となるが、そのままトリリノレイン2gを添加し約
2時間激しく攪拌する(トリリノレイン可溶化基質溶
液)。この液を10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.9)にて100
倍希釈して透明な水溶液を得た。これに豚由来のリパー
ゼ精製品5000U/dl、10mMデオキシコール酸ナトリウム、
70mM塩化ナトリウム、5mM塩化カルシウムを添加し、試
薬(1)とする(透明なコリパーゼ測定用トリグリセラ
イド基質溶液)。
試薬(2) アシルCoAシンセターゼ:5.0U/5ml アデノシン−5′−三リン酸:33.0μmol CoAリチウム塩:7.8μmol 上記試薬を、塩化マグネシウム6水塩5mMを含むトリ
スヒドロキシメチルアミノメタン(pH7.85)溶液に溶解
し試薬(2)とする。
試薬(3) アシルCoAオキシダーゼ:10.0μ/20ml ペルオキシダーゼ:20.000U/20ml 4−アミノアンチピリン:24μmol 上記試薬を、N−エチル−N−スルホプロピル−m−
トルイジン0.75mMを含む20mM N,N−ビス(2ヒドロキ
シエチル)2−アミノエタンスルホン酸(pH7.30)溶液
に溶解し試薬(3)とする。
試薬(4) N−エチルマレイミド10mMを塩酸溶液に溶解しpH3.0
としたものを試薬(4)とする。
(B)測定結果 本測定法の同時再現性を調べるために、前項で調製し
た試薬(1)を1.1ml試験管に採取し、試薬ブランクと
して精製水50μl、検体としてコリパーゼ溶液10ng/ml
と20ng/mlを夫々50μl加え37℃10分間加温する。次に
試薬(2)を1ml加え、30分間反応させた後、試薬
(4)を1ml加え、2分後試薬(3)を加え、室温に放
置後λ550nmにて試薬ブランクを対照に吸光度を測定し
た。また、同様に血清試料の測定をした。
その結果は次の通りであった。
*同時再現性 10ng/ml 20ng/ml (I) 10.1 20.1 (II) 9.9 20.2 (III) 9.9 20.2 (IV) 10.0 20.0 (V) 10.2 19.8 (VI) 9.9 20.1 (VII) 9.7 20.0 (VIII) 10.0 20.1 (IX) 10.1 19.9 (X) 10.1 19.9 *血清 試薬A:18.9ng/ml 試薬B:31.3ng/ml 試薬C: 9.9ng/ml 試薬D:24.8ng/ml 試薬E: 0.2ng/ml(健常者) 〈実施例3〉 (A)試薬 試薬(1) 蒸留水90mlに非イオン界面活性剤としてエマルゲン70
9(花王アトラス社の商品名、ポリオキシエチレン高級
アルコール曇点56℃)10gを溶解し、56℃以上に加熱す
ると液は曇点に達し白濁する。そこへトリオレイン2gを
添加し56℃以上を保ちながら約30分間攪拌し、その後加
熱をやめ攪拌を続けながら放置する。液は室温に近づく
と透明となるので、この透明となった時点で10mMトリス
塩酸緩衝液(pH7.9)にて200倍希釈し、2.5mMデオキシ
コール酸ナトリウム、35mM塩化ナトリウム、豚由来膵リ
パーゼ精製品4000U/dl、3.5mM塩化カルシウムを添加し
試薬(1)とする。
試薬(2) アシル−CoAシンセターゼ:66U/dl アシル−CoAオキシダーゼ:90U/dl ペルオキシターゼ:16000U/dl ATP:140μmol コエンザイムA:16μmol 10−(3−メトキシカルボキシル・アミノメチル・ベン
ゾイル・カルバモイル)−3.7−ビス(ジメチル−アミ
ノ)−10H−フェノチアジン):2.2μmol 上記試薬を20mMグッド緩衝液(pH6.75)で溶解する。
試薬(3) 検体ブランク用試薬として試薬(1)よりトレオレイ
ン、豚由来膵リパーゼ精製品、塩化カルシウムを抜いた
ものを試薬(3)とする。
(B)測定結果 実施例で調製した試薬(1)および(3)を各々1ml
試験管に採取し、人血清20μlを(1),(3)に入れ
37℃にて20分間反応させた後試薬(2)を1.5mlを各々
分注し37℃5分後波長666mmにて測定し、試薬(1)を
分注した検体の吸光度を差し引いたリパーゼ活性の吸光
度、及び標準液として20ng/mlのコリパーゼ標準溶液を
調製して求めた人血清コリパーゼの活性は次の通りであ
った。
*血清 試薬A: 2.2ng/ml 試薬B:12.2ng/ml 試薬C:20.1ng/ml 試薬D:13.1ng/ml 試薬E: 0.6ng/ml(健常者) 〈実施例4〉 試薬(1) 次の試薬を0.1Mのトリスヒドロキシメチルアミノメタ
ン溶液(pH8.3)15mlに溶解したもの。
4−アミノアンチピリン:5.7mg モノグリセライドリパーゼ:1000U トリオレイン可溶化基質(実施例3):1.7ml 塩化カルシウム:100mg 塩化マグネシウム:8mg 試薬(2) 次に(a)群の試薬を、(b)群で調製した試薬36ml
に溶解したもの。
(a)群: グリセロキナーゼ:5.38U ペルオキシダーゼ:135000U アデノシン三リン酸:42.4mg L−αグリセロリン酸オキシダーゼ:161U アスコルビン酸オキシダーゼ:53.8U (b)群:下記の試薬を蒸留水にて100mlとしpH6.65に
調製したもの。
N,Nビス(2−ヒドロキシエチル)2−アミノエタンス
ルフォニックアシッド:4.27g N−エチル−N−スルフォプロピル−m−トルイジン:
0.14g 塩化マグネシウム:3.05g トライトンX−100(ロームアンドハース社の商品名、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル):0.1g (B)測定結果 実施例1で調製したコリパーゼ標準液(20ng/ml)、
または血清サンプルの50μlと、試薬(2)1.5mlを37
℃、5分間反応させ、検体中のグリセロールを消失させ
る。
次の試薬(1)を1.5ml分注し、37℃、5分間反応さ
せ、15分後、試薬ブランクを対照に、波長550nmにて吸
光度を測定し、ΔEAbsよりコリパーゼの値を求めた結果
は次の通りであった。
*血清 試薬A: 8.8ng/ml 試薬B: 9.8ng/ml 試薬C:19.6ng/ml 試薬D:14.9ng/ml 試薬E: 0.3ng/ml(健常者) 〈発明の効果〉 この出願に係る透明なコリパーゼ測定用トリグリセラ
イド基質溶液とこれを用いるコリパーゼ活性の測定方法
は以上のように構成したから、従来測定が困難であった
ヒトの膵液、血清等の微量のコリパーゼを高感度に効率
よく測定することができ、膵疾患の早期発見等に貢献す
ることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は、コリパーゼ活性の検量線を示すグラフである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)
    化水溶液にリパーゼを含有させると共に、更にこれに胆
    汁酸、塩化カルシウム等のリパーゼ機能促進物質を含有
    させたことを特徴とする透明なコリパーゼ測定用トリグ
    リセライド基質溶液。
  2. 【請求項2】トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)
    化水溶液を調製するために使用した界面活性剤が、非イ
    オン界面活性剤である特許請求の範囲第1項記載の透明
    なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶液。
  3. 【請求項3】非イオン界面活性剤が、ポリオキシエチレ
    ン誘導体である特許請求の範囲第2項記載の透明なコリ
    パーゼ測定用トリグリセライド基質溶液。
  4. 【請求項4】非イオン界面活性剤が、HLB10〜16である
    特許請求の範囲第2項記載の透明なコリパーゼ測定用ト
    リグリセライド基質溶液。
  5. 【請求項5】トリグリセライドを構成する脂肪酸の炭素
    原子数が、12〜22個である特許請求の範囲第1項記載の
    透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド基質溶液。
  6. 【請求項6】トリグリセライドの均一かつ可溶(透明)
    化水溶液のリパーゼの含有量が、測定対象である生体試
    料のリパーゼ含有量より多量である特許請求の範囲第1
    〜5項記載の透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド
    基質溶液。
  7. 【請求項7】リパーゼを含有する透明なコリパーゼ測定
    用トリグリセライド基質溶液に、コリパーゼ活性未知の
    コリパーゼを含有する試料を作用させて遊離する脂肪酸
    またはグリセロールを、従来公知の吸光度測定法により
    定量し、この定量値からコリパーゼ活性を測定すること
    を特徴とする透明なコリパーゼ測定用トリグリセライド
    基質溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方法。
  8. 【請求項8】遊離する脂肪酸に対し、アデノシン3リン
    酸(ATP)、及びコエンザイムA(CoA)の存在下にアル
    シコエンザイムAシンセターゼ(ACS)を反応させて生
    成する、(1)アデノシン1リン酸(AMP)、(2)ア
    シルCoA、または(3)前記反応において残存するCoAの
    うちの一成分を、従来公知の吸光度測定法により定量
    し、この定量値からコリパーゼ活性を測定する特許請求
    の範囲第(VII)項記載の透明なコリパーゼ測定用トリ
    グリセライド基質溶液を用いたコリパーゼ活性の測定方
    法。
  9. 【請求項9】遊離するグリセロールを検出するときは、
    反応系にモノグリセライドリパーゼを更に存在させる特
    許請求の範囲第(VII)項記載の透明なコリパーゼ測定
    用トリグリセライド基質溶液を用いたコリパーゼ活性の
    測定方法。
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