JPH08233103A - 耐熱性割り形弾性リング - Google Patents

耐熱性割り形弾性リング

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JPH08233103A
JPH08233103A JP6670395A JP6670395A JPH08233103A JP H08233103 A JPH08233103 A JP H08233103A JP 6670395 A JP6670395 A JP 6670395A JP 6670395 A JP6670395 A JP 6670395A JP H08233103 A JPH08233103 A JP H08233103A
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JP
Japan
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ring
heat
elastic ring
outer peripheral
piston ring
Prior art date
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Pending
Application number
JP6670395A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Tokune
敏生 徳根
Izuru Shikaya
出 鹿屋
Yoshinari Fujiwara
良也 藤原
Tatsuya Nakagawa
達也 中川
Yuichi Ienaga
裕一 家永
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 張力減退の小さなピストンリングを提供す
る。 【構成】 ピストンリングはTiAl系金属間化合物よ
り構成され、金属組織における層状組織の体積分率Vf
がVf≧10%に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性割り形弾性リング
に関する。この種割り形弾性リングには、例えば、内燃
機関用ピストンリングが該当する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関用ピストンリングは鋼
材、鋳鉄材等より構成されている(例えば、特開平5−
148612号公報参照)。これは、前記材料が安価
で、高いヤング率を有し、また優れた常温曲げ強さを有
することに因る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、自動車用内燃機
関においては高出力、且つ高負荷化が進行しており、こ
のような状況下ではピストンリングは300℃程度の熱
的環境に晒されることになる。ところが、従来のピスト
ンリングは前記熱的環境下における張力減退が顕著であ
り、この点早急な改善が望まれていた。
【0004】本発明は前記に鑑み、優れた耐熱性を備え
ることにより、前記のような熱的環境下においても張力
減退が小さく、また軽量であって、ピストンリングとし
て最適な前記割り形弾性リングを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐熱性割り
形弾性リングは、TiAl系金属間化合物より構成さ
れ、金属組織における層状組織の体積分率VfがVf≧
10%であることを特徴とする。
【0006】
【作用】TiAl系金属間化合物より構成された割り形
弾性リングは、その材質に起因して優れた耐熱性を有
し、また軽量である。そして、層状組織の体積分率Vf
を前記のように設定すると、300℃程度の熱的環境に
おいて、割り形弾性リングは優れた自己張力維持能を発
揮するのでその張力減退は小さくなる。
【0007】ただし、層状組織の体積分率VfがVf<
10%では、前記熱的環境における割り形弾性リングの
張力減退が大きくなる。
【0008】
【実施例】図1,2において、耐熱性割り形弾性リング
としての内燃機関用インサイドベベル形ピストンリング
1はTiAl系金属間化合物より構成され、実線示は真
円形となる使用時形状を、また鎖線示は略楕円形となる
自由時形状をそれぞれ示す。図中、符号2は合い口すき
まである。
【0009】図3(a),(b)はピストンリング1に
おける二種の金属組織を示す。
【0010】図3(a)に示す金属組織は、リング内周
面3からリング外周面4側に延びる環状主領域A1 と、
その主領域A1 の外周側に存する環状外周領域A2 とを
有する。主領域A1 は多数の等軸晶Eより構成され、ま
た外周領域A2 はリング外周面4より主領域A1 に向っ
て成長した多数の柱状晶Cより構成される。
【0011】主領域A1 および外周領域A2 には多数の
層状組織Lが存在し、各層状組織Lは、通常、α2
(Ti3 Al相)とγ相(TiAl相)とを交互に積層
した構造を有する。主領域A1 において、層状組織Lは
等軸晶の形態をとり、残りの等軸晶は主としてγ等軸晶
Eγである。外周領域A2 において、層状組織Lは柱状
晶C全体を構成するものと、柱状晶Cの部分を構成する
ものとに分けられる。層状組織Lを有する柱状晶Cにお
いて、その組織L以外の部分は、主としてγ相である。
【0012】このような金属組織における層状組織Lの
体積分率VfはVf≧10%(Vf=100%を含む)
に設定される。
【0013】前記のように、TiAl系金属間化合物よ
り構成されたピストンリング1は、その材質に起因して
優れた耐熱性を有し、また軽量である。そして、層状組
織Lの体積分率Vfを前記のように設定すると、300
℃程度の熱的環境において、ピストンリング1は優れた
自己張力維持能を発揮するのでその張力減退は小さくな
る。
【0014】図3(b)に示す金属組織は前記主領域A
1 と同様に多数の等軸晶Eより構成される。したがって
金属組織には、多数の層状組織Lが等軸晶の形態で存在
し、残りの等軸晶は主としてγ等軸晶Eγである。
【0015】このような金属組織における層状組織Lの
体積分率Vfは、前記効果を得るために前記同様にVf
≧10%(Vf=100%を含む)に設定される。
【0016】ピストンリング1の製造に当っては、図4
に示す筒状鋳物5に輪切り加工を施して環状素材6を採
取し、次いでその環状素材6に所定の機械加工および熱
処理を施して、自由時形状のピストンリング1を得るも
のである。
【0017】図5において、筒状鋳物5を鋳造するため
に用いられる横型遠心鋳造装置7は筒状金型8を備え
る。その金型8は純銅より構成され、一端に溶湯用注入
口9を有すると共に他端を閉鎖された筒状本体10と、
その閉鎖側外周面に設けられた取付フランジ11とより
なる。金型8はその軸線aを略水平にして取付フランジ
11を介し回転盤12に固着され、その回転盤12に突
設された回転軸13は図示しないモータに連結される。
筒状本体10は注入口9に連なる筒状キャビティ14を
備え、その横断面内周形状は真円形に形成されている。
注入箱15はその先端部を注入口9に挿脱されて、キャ
ビティ14に溶湯を注入する。
【0018】以下、ピストンリング1の製造例、その性
能および金属組織について具体的に説明する。 〔例I〕表1はTiAl系金属間化合物を得るための5
種類の溶解用素材の配合例を示す。各溶解用素材におい
て、V、NbおよびBの配合量は一定であって、Alお
よびTiの配合量が変化している。
【0019】
【表1】
【0020】金型8において、キャビティ14の内径は
90mmに、長さは200mmにそれぞれ設定され、また金
型8および水冷銅るつぼを備えた高周波誘導炉は共に減
圧チャンバ内に設置された。 (a) 2.5kgの溶解用素材の例1を水冷銅るつぼに
投入し、次いで減圧チャンバ内の空気圧を約10-3Torr
に減圧し、その後Al成分の蒸発を防止すべく、Arガ
スで減圧チャンバ内を200Torrに置換した。 (b) 溶解出力125kWで溶け落ち後5分間保持と
いった条件で誘導溶解を行い、TiAl系金属間化合物
組成の溶湯を調製した。 (c) 金型温度約25℃(常温)、回転数600rpm
の条件で金型8を回転させ、湯温約1600℃、2.2
kgの溶湯を注入箱15からキャビティ14内に注入し、
その後金型8を4分間回転させて筒状鋳物5を鋳造し
た。 (d) 筒状鋳物5を金型8回転停止後そのままの状態
に30分間放置し、次いで減圧チャンバ内を大気に開放
し、その後金型8より筒状鋳物5を離型した。この筒状
鋳物5の寸法は、外径90mm、肉厚8.5mm、長さ20
0mmであった。
【0021】次いで、筒状鋳物5に、1300℃、3.
5時間、2000気圧の条件で熱間静水圧プレス処理
(HIP)を施して、その金属組織を緻密化した。
【0022】その後、次のような機械加工工程および熱
処理を経て自由時形状のピストンリング1の例1を得
た。即ち、筒状鋳物5に対する輪切り加工、自由時形状
への切削加工、上下面仕上げ加工、外周バレル加工、イ
ンサイドベベルカット加工、合い口すき間調整加工およ
びひずみ取り焼鈍を順次行った。
【0023】図1,2に示すように、ピストンリング1
の例1における呼び径DはD=81mm、幅BはB=1.
2mm、厚さTはT=3.1mmである。
【0024】溶解用素材の例2〜5を用いて前記同様の
遠心鋳造法を行い、次いで前記同様の熱間静水圧プレス
処理、機械加工および熱処理を順次行って、ピストンリ
ング1の例1と同様の寸法を有するピストンリング1の
例2〜5を得た。これらの例2〜5は溶解用素材の例2
〜5を用いた場合にそれぞれ対応する。
【0025】次に、ピストンリング1の例1〜5につい
て次のような張力減退試験を行い、また金属組織におけ
る層状組織Lの体積分率Vfを求めたところ、表2の結
果を得た。
【0026】張力減退試験は、ピストンリング1の例1
〜5について初期張力を測定し、次いで例1〜5をピス
トンに装着してそのピストンをエンジンのシリンダスリ
ーブ内に組込み、その後ピストン等を300℃の加熱下
に100時間保持し、その保持後において例1〜5の試
験後張力を測定する、という方法で行われた。
【0027】層状組織Lの体積分率Vfとしては、その
面積分率が用いられており、その面積分率は、ピストン
リング1の例1〜5について反射電子組成像観察を行
い、次いで画像処理を行う、という方法で求められた。
【0028】なお、表2には、ピストンリングの例6と
して現在量産されている鋼製ピストンリングに関するデ
ータも掲載されている。
【0029】
【表2】
【0030】例1〜5は、図3(a)に示す金属組織を
備えており、その外周領域A2 の占める割合は1割程度
であった。図6は例1における外周領域A2 の金属組織
を示す顕微鏡写真であり、図6から層状組織Lよりなる
複数の柱状晶が存在することが判る。
【0031】表2から明らかなように、例1〜3の如
く、TiAl系金属間化合物を構成材料とし、且つ層状
組織Lの体積分率VfをVf≧10%に設定すると、3
00℃の熱的環境における張力減退率を、Vf<10%
の例4,5および量産鋼製ピストンリングの例6に比べ
て大幅に低くするか、またはゼロにすることができる。
この場合、層状組織Lの体積分率VfはVf≧90%で
あることが望ましい。 〔例II〕表1に示された溶解用素材の例1〜5を用い、
金型8におけるキャビティ14の内径を100mmに、金
型8の予熱温度を130℃に、キャビティ14への溶湯
注入量を4kgにそれぞれ設定したということ以外は例I
と同様の遠心鋳造法を行って、外径100mm、肉厚14
mm、長さ200mmの5種の筒状鋳物5を鋳造し、次いで
各筒状鋳物5を用いて前記同様の熱間静水圧プレス処理
を行い、その後前記同様の機械加工および熱処理を順次
行って、ピストンリング1の例1と同様の寸法を有する
ピストンリング1の例1a〜5aを得た。これらの例1
a〜5aは溶解用素材の例1〜5を用いた場合にそれぞ
れ対応する。
【0032】次に、ピストンリング1の例1a〜5aに
ついて前記同様の張力減退試験を行い、また前記同様の
方法で金属組織における層状組織Lの体積分率Vfを求
めたところ、表3の結果を得た。なお、表3には、ピス
トンリングの例6として量産鋼製ピストンリングに関す
るデータも掲載されている。
【0033】
【表3】
【0034】例1a〜5aは、図3(b)に示す金属組
織を備えていた。図7は例1aの金属組織を示す顕微鏡
写真であり、図7から、等軸晶の形態をとる多数の層状
組織Lが均一に分散していることが判る。
【0035】表3から明らかなように、例1a〜3aの
如く、TiAl系金属間化合物を構成材料とし、且つ層
状組織Lの体積分率VfをVf≧10%に設定すると、
300℃の熱的環境における張力減退率を、Vf<10
%の例4a,5aおよび量産鋼製ピストンリングの例6
に比べて低くすることができる。この場合、層状組織L
の体積分率VfはVf≧85%であることが望ましい。
【0036】図8はピストンリング1の例1〜6、例1
a〜5aに関し、表2,3に基づいて層状組織Lの体積
分率Vfと張力減退率との関係をグラフ化したものであ
る。図中、点(1)〜(6)、(1a)〜(5a)は例
1〜6,1a〜5aにそれぞれ対応する。
【0037】図8より、例Iによるピストンリング1の
方が例IIによるピストンリング1よりも張力減退率が低
いことが判る。このことから、ピストンリング1として
は、図3(a)に示した柱状晶Cを持つ金属組織を備え
ていた方が良い、と言える。
【0038】次にピストンリング1の例1を、トップリ
ングとして排気量1600cc、4気筒のDOHCエン
ジンに組込み、そのエンジンをエンジン回転数2000
〜6000rpm で合計3時間ならし運転し、その後ブロ
ーバイガス量を測定した。このときのブローバイガス量
を初期値とする。次いで、前記エンジンをエンジン回転
数8000rpm の全負荷状態で100時間連続運転する
耐久試験を行い、その後全負荷状態(8000rpm )に
おけるブローバイガス量を測定した。このときのブロー
バイガス量を耐久後の値とする。
【0039】ピストンリングの例1aおよび例6につい
ても前記同様の方法でブローバイガス量の初期値および
耐久後の値を測定した。表4は測定結果を示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4から明らかなように、ブローバイガス
量は、初期値については量産鋼製ピストンリングの例6
を用いた場合が最も低いが、耐久後の値については例
1,1aを用いた場合の方が例6を用いた場合よりも大
幅に低く、20リットル/min以下である。これは例
1,1aが例6に比べて張力減退率が低いことに起因す
る。同様の理由から、例1を用いた場合の方が例1aを
用いた場合よりも耐久後の値は低くなっている。
【0042】なお、本発明におけるTiAl系金属間化
合物には、表1の例1〜3におけるVをCr、Mn等の
遷移金属と、NbをTa、W、Mo、Hf等の重金属
と、BをC、N、Si等の低比重元素とそれぞれ置換し
たもの、それら元素の組合せを変えたもの、TiAl二
元系であるもの等が含まれる。
【0043】また本発明に係る割り形弾性リングは、ピ
ストンリングに限らず、軸孔内周面の環状溝に嵌められ
るストップリングとして用いることも可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように構成する
ことにより、優れた耐熱性を持つと共に軽量であって、
熱的環境下においても張力減退の小さな割り形弾性リン
グを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンリングの平面図である。
【図2】ピストンリングの要部破断側面図である。
【図3】ピストンリングにおける2種の金属組織を示す
説明図である。
【図4】筒状鋳物の斜視図である。
【図5】横型遠心鋳造装置の要部縦断正面図である。
【図6】ピストンリングの金属組織の一例を示す顕微鏡
写真である。
【図7】ピストンリングの金属組織の他例を示す顕微鏡
写真である。
【図8】層状組織の体積分率Vfと張力減退率との関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ピストンリング 3 リング内周面 4 リング外周面 A1 主領域 A2 外周領域 C 柱状晶 E 等軸晶 L 層状組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 達也 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 家永 裕一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiAl系金属間化合物より構成され、
    金属組織における層状組織(L)の体積分率VfがVf
    ≧10%であることを特徴とする耐熱性割り形弾性リン
    グ。
  2. 【請求項2】 前記金属組織は、リング内周面(3)か
    らリング外周面(4)側に延びる環状主領域(A1
    と、その主領域(A1 )の外周側に存する環状外周領域
    (A2 )とを有し、前記主領域(A1 )は多数の等軸晶
    (E)より構成され、また前記外周領域(A2 )はリン
    グ外周面(4)より前記主領域(A1 )に向って成長し
    た多数の柱状晶(C)より構成され、前記層状組織
    (L)は前記主領域(A1 )および外周領域(A2 )に
    存在する、請求項1記載の耐熱性割り形弾性リング。
  3. 【請求項3】 前記金属組織は多数の等軸晶(E)より
    構成される、請求項1記載の耐熱性割り形弾性リング。
  4. 【請求項4】 内燃機関用ピストンリング(1)であ
    る、請求項1,2または3記載の耐熱性割り形弾性リン
    グ。
JP6670395A 1995-03-02 1995-03-02 耐熱性割り形弾性リング Pending JPH08233103A (ja)

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