JPH08233313A - 蓄熱装置およびその運転方法 - Google Patents

蓄熱装置およびその運転方法

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JPH08233313A
JPH08233313A JP7070898A JP7089895A JPH08233313A JP H08233313 A JPH08233313 A JP H08233313A JP 7070898 A JP7070898 A JP 7070898A JP 7089895 A JP7089895 A JP 7089895A JP H08233313 A JPH08233313 A JP H08233313A
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Yoshiteru Seki
義輝 関
Akihiko Okamura
明彦 岡村
Kikuo Yamazaki
喜久夫 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄熱槽内における潜熱放出と顕熱放出とを段
階的に分けて行うことによって、より多くの冷熱を放出
できる蓄熱手段を提供する。 【構成】 蓄熱槽1内に蓄えられた熱源水2の液面近傍
において他の系からの還水を吐き出すことが可能な上開
口部B1と、他の系からの還水を蓄熱槽1の内部に向か
って噴出することが可能なノズルB3と、蓄熱槽1の底
部近傍において熱源水2を吸い込むことが可能な下開口
部B2とを備えている蓄熱装置である。図1に示した蓄
熱装置は、冷熱の供給と温熱の供給の両方を可能にさせ
る切換手段15も備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般空調用の熱源とし
ての冷水や温水を蓄えるための蓄熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建物内に配設したファンコイルユニット
や空調機などの空調装置に、蓄熱装置より冷水または温
水を循環供給して冷暖房を行うことは従来より行われて
いる。そして、冷房を行うための冷熱を蓄熱装置におい
て氷の形態で蓄えておく氷蓄熱システムは、小規模であ
りながら多量の冷熱を蓄えることができるので、近年特
に注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の氷蓄
熱装置を用いて空調装置に冷水を供給する場合、蓄熱槽
内においては、氷を溶かすことによる潜熱放出と、蓄熱
槽内の熱源水自体の温度を上昇させることによる顕熱放
出とが同時に行われていた。そして、従来の氷蓄熱装置
は、蓄熱槽内の熱源水の温度が空調用冷水の往温度(一
般的には7℃)になった時点で、放熱完了としていた。
【0004】本発明の目的は、蓄熱槽内における潜熱放
出と顕熱放出とを段階的に分けて行うことによって、よ
り多くの冷熱を放出できる蓄熱手段を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、蓄熱槽
内に蓄えられた熱源水の液面近傍において他の系からの
還水を吐き出すことが可能な上開口部と、他の系からの
還水を蓄熱槽の内部に向かって噴出することが可能なノ
ズルと、蓄熱槽の底部近傍において蓄熱槽内の熱源水を
吸い込むことが可能な下開口部とを備えている蓄熱装置
が提供される。
【0006】また本発明によれば、熱源水を蓄える蓄熱
槽と、蓄熱槽内に蓄えられた熱源水の液面近傍に配置さ
れた上開口部と、蓄熱槽の底面近傍に配置された下開口
部と、他の系からの還水を蓄熱槽に供給するための第1
の管路と、蓄熱槽からの熱源水を他の系に排出するため
の第2の管路と、第1の管路と上開口部とを連通させ、
第2の管路と下開口部とを連通させた状態と、第1の管
路と下開口部とを連通させ、第2の管路と上開口部とを
連通させた状態とに、選択的に切り換える切換手段と、
他の系からの還水を蓄熱槽の内部向かって噴出すること
が可能なノズルと、を備えている蓄熱装置が併せて提供
される。
【0007】これらの蓄熱装置において、上開口部およ
び/または下開口部の周りに、温度成層流れを生じさせ
るための分配器を取り付けることが好ましい。
【0008】また、本発明によれば、この蓄熱装置を用
いて他の系に冷水を供給する運転方法であって、蓄熱槽
内の熱源水が所定の温度未満の間、もしくは蓄熱槽内に
予め入れておいた氷が溶けるまでの間は、他の系からの
還水をノズルより蓄熱槽の内部に向かって噴出すると共
に、下開口部から吸い込んだ熱源水を他の系に排出し、
蓄熱槽内の熱源水が所定の温度以上になった後、もしく
は蓄熱槽内の氷が溶けた後は、他の系からの還水を上開
口部より吐き出すと共に、下開口部から吸い込んだ熱源
水を他の系に排出する方法が提供される。
【0009】
【作用】本発明の蓄熱装置を用いて氷蓄熱を行うに際し
ては、先ず、蓄熱槽内に予め氷が入った状態にする。こ
の場合、他の熱源装置によって製造された氷を還水とし
て蓄熱槽内に供給し、蓄熱槽内に氷を搬入することがで
きる。また、冷凍機などを利用して蓄熱槽内において水
を凍らせることによって、蓄熱槽内で氷を生成させるよ
うにしても良い。
【0010】このように蓄熱槽内に予め氷が入った状態
にしてから、ノズルより、他の系からの還水を蓄熱槽の
内部向かって噴出する。そして、このノズルから噴出さ
せた還水の水流によって解氷し、その潜熱を利用して蓄
熱槽内の熱源水を冷水にする。また、こうして作り出し
た冷水を蓄熱槽の底部近傍において下開口部から吸い込
み、他の系に排出する。
【0011】次に、蓄熱槽内の氷がすべて解氷して潜熱
の放出を完了したら、ノズルからの還水の噴出を止め、
代わりに、蓄熱槽内の熱源水の液面近傍において、上開
口部からの還水の吐き出しを開始する。蓄熱槽内の氷の
全部が解氷したことは、例えば蓄熱槽内の熱源水の温度
が所定の温度にまで上昇したことによって検知すること
ができる。こうして、他の系からの還水の供給位置を槽
の上方に変更し、蓄熱槽の上方より緩やかな流速で還水
を吐き出しながら、蓄熱槽の底部近傍において下開口部
から熱源水を吸い込む。このように蓄熱槽の上方から還
水をゆっくりと供給し、下方より熱源水を吸い込むこと
によって、蓄熱槽の内部において温度成層流れを生じさ
せることができ、槽上方より供給された高温側の水と、
蓄熱槽内に残っていた低温側の水を混ざり合わせること
なく、冷水のみを槽底部から吸い込んで、他の系へ供給
することが可能となる。
【0012】このように、本発明によれば、還水の供給
位置を、解氷を終了するまでは蓄熱槽の内部とし、解氷
の終了後は蓄熱槽の上方に変更することによって、蓄熱
槽内における潜熱放出と顕熱放出とを段階的に分けて行
うことができるようになる。従って、本発明によれば、
蓄熱槽内の熱源水の全部が、他の系から供給された還水
の温度に上昇するまで冷水を供給できることとなり、従
来の氷蓄熱装置に比べてより多くの冷熱を放出すること
が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1に、
本発明の実施例にかかる蓄熱装置の系統図を示す。
【0014】蓄熱槽1の内部には、熱源水2が入ってい
る。熱源水2は、一般的には水が用いられる。熱源水2
の水温を測定するための温度センサ3が、蓄熱槽1の側
壁面に配設してある。蓄熱槽1には、第1の管路A1と
第2の管路A2が接続されている。第1の管路A1には、
他の系からの還水を蓄熱槽1に供給するための供給ポン
プP1が設けられ、第2の管路A2には、蓄熱槽1からの
熱源水2を他の系に排出するための排出ポンプP2が設
けられている。他の系とは、例えば蓄熱槽1内の熱源水
2の熱によって冷暖房を行う空調装置や、蓄熱槽1内の
熱源水2に冷熱あるいは温熱を蓄えさせるための熱源装
置などである。
【0015】蓄熱槽1内には、熱源水2の液面近傍に配
置された上開口部B1と、蓄熱槽1の底部近傍に配置さ
れた下開口部B2が設けられている。また、上開口部B1
の下方には、他の系からの還水を蓄熱槽1の内部向かっ
て噴出することが可能なノズルB3が設けられている。
そして、上開口部B1に連通して設けられた切換弁V5
と、ノズルB3に連通して設けられた切換弁V6を操作す
ることによって、後述するように他の系から供給された
還水を上開口部B1からゆっくりとした流速で吐き出す
状態と、ノズルB3から還水を蓄熱槽1の内部に向かっ
て勢い良く噴出する状態に切り換えることができる。
【0016】図2に示すように、上開口部B1の周りに
は、蓄熱槽1内に他の系からの還水を供給させる際に、
蓄熱槽1内において温度成層流れを生じさせるための分
配器4が取り付けられている。分配器4は、上開口部B
1の周囲に取り付けたプレート5にパンチングメタルか
らなる堰6を立設した構成になっている。この分配器4
の作用によって、他の系からの還水を上開口部B1から
蓄熱槽1内に供給する場合は、上開口部B1から吐き出
された還水が、堰6に穿設された孔7を通過してから、
ゆっくりとした流速で蓄熱槽1の液面近傍において供給
される。また逆に、熱源水2を上開口部B1から他の系
に排出する場合は、蓄熱槽1内の熱源水2が堰6に穿設
された孔7を通過してから、ゆっくりとした流速で上開
口部B1に吸い込まれて排出される。
【0017】また図3に示すように、下開口部B2の周
りにも、蓄熱槽1内において温度成層流れを生じさせる
ための分配器10が取り付けられている。分配器10
は、下開口部B2の周囲に例えばステンレス鋼材などか
らなる、氷を分離するための網11を装着した構成にな
っている。先に説明した上開口部B1の場合と同様に、
下開口部B2に分配器10が取り付けられていることに
より、他の系からの還水を下開口部B2から蓄熱槽1内
に供給する場合は、下開口部B2から吐き出された還水
が網11の隙間12を通過してから、ゆっくりとした流
速で蓄熱槽1の底面近傍において供給される。また逆
に、熱源水2を下開口部B2から他の系に排出する場合
は、蓄熱槽1内の熱源水2が網11の隙間12を通過し
てから、ゆっくりとした流速で下開口部B2に吸い込ま
れて排出される。
【0018】そして、第1の管路A1および第2の管路
A2と蓄熱槽1との間には、第1の管路A1が上開口部B
1およびノズルB3に連通し、第2の管路A2が下開口部
B2に連通した状態と、第2の管路A2が上開口部B1に
連通し、第1の管路A1が下開口部B2に連通した状態と
に選択的に切り換えるための切換手段15が設けられて
いる。実施例の切換手段15は、第1の管路A1に配置
された第1の切換弁V1と、第2の管路A2に配置された
第2の切換弁V2と、二本のバイパスW1およびバイパス
W2と、それらバイパスW1およびバイパスW2に配置さ
れた第3の切換弁V3および第4の切換弁V4によって構
成されている。バイパスW1の一端は、第1の切換弁V1
よりも上流側において第1の管路A1に開口し、他端は
第2の切換弁V2よりも上流側において第2の管路A2に
開口している。また、バイパスW2の一端は、第1の切
換弁V1よりも下流側において第1の管路A1に開口し、
他端は第2の切換弁V2よりも下流側において第2の管
路A2に開口している。
【0019】さて、以上の構成を備えた実施例の蓄熱装
置において、表1に示すようにして、次のような運転が
行われる。
【0020】
【表1】
【0021】[製氷]蓄熱装置を用いて氷蓄熱を行うに
際しては、先ず、蓄熱槽1内に氷が入った状態にするこ
とが必要である。製氷運転をする場合は、第1の管路A
1および第2の管路A2を、他の系である熱源装置に接続
する。この場合の熱源装置は、氷を製造できる機能を有
する。そして、切換手段15において、第1の切換弁V
1および第2の切換弁V2は開とし、第3の切換弁V3お
よび第4の切換弁V4は閉とする。また、上開口部B1に
連通して設けられた切換弁V5は開とし、ノズルB3に連
通して設けられた切換弁V6は閉として、上開口部B1側
に還水を供給できるようにする。これにより、第1の管
路A1が上開口部B1に連通し、第2の管路P2が下開口
部B2に連通した状態とする。そして、熱源装置で製造
した氷を、供給ポンプP1の稼働によって第1の管路A1
を介して搬送し、上開口部B1から蓄熱槽1内に氷を供
給する。また、蓄熱槽1内の熱源水2を下開口部B2か
ら吸い込み、排出ポンプP2の稼働によって第2の管路
A2を介して搬送することにより、蓄熱槽1内の熱源水
2を熱源装置に供給する。こうして熱源装置に供給した
熱源水2を氷にして、再び第1の管路A1を介して上開
口部B1から蓄熱槽1内に供給する。なお、冷凍機など
を利用して蓄熱槽1内において熱源水2を凍らせること
によって、蓄熱槽1内で氷を生成するようにしても良
い。そして、蓄熱槽1内に十分な量の氷を蓄えたら、製
氷運転を終了する。
【0022】[潜熱放出]こうして蓄熱槽1内に氷が入
った状態で、空調装置に冷熱を供給するに際しては、第
1の管路A1および第2の管路A2を、他の系である空調
装置に接続する。また、切換弁V5は閉とし、切換弁V6
は開として、第1の管路A1とノズルB3を連通させる。
そして、空調機からの還水を、供給ポンプP1の稼働に
よって第1の管路A1を介して搬送し、ノズルB3を介し
て蓄熱槽1の内部の氷に向けて勢い良く噴出させる。そ
して、ノズルB3から噴出した還水の水流によって解氷
し、その潜熱を利用して蓄熱槽1内の熱源水2を冷水に
する。また、こうして作り出した冷水を蓄熱槽1の底部
近傍において下開口部B2から吸い込み、排出ポンプP2
の稼働によって第2の管路A2を介して搬送して、空調
機に冷水を供給する。
【0023】[顕熱放出]次に、蓄熱槽1内の氷がすべ
て解氷し、潜熱の放出を完了したら、再び切換弁V5は
開とし、切換弁V6は閉として、第1の管路A1と上開口
部B1を連通させる。これによって、ノズルB3からの還
水の噴出を止め、代わりに、蓄熱槽1内の熱源水2の液
面近傍において、上開口部B1からの還水の吐き出しを
開始する。蓄熱槽1内の氷の全部が解氷したことは、例
えば温度センサ3によって測定される熱源水2の温度が
所定の温度に上昇したことから検知される。例えば、空
調装置の一般的な還水の温度は12〜14℃程度であ
り、その場合は、蓄熱槽1内の熱源水2の温度が約7℃
程度になった時に、氷がすべて解氷する。
【0024】そして、蓄熱槽1の上方より緩やかな流速
で還水を吐き出しながら、蓄熱槽1の底部近傍において
下開口部B2から熱源水2を吸い込む。先に説明したよ
うに、上開口部B1に分配器4が取り付けられているこ
とによって、上開口部B1から吐き出された還水は液面
近傍においてゆっくりとした流速で蓄熱槽1内に供給さ
れる。このように蓄熱槽1の上方から還水をゆっくりと
供給し、下方より熱源水2を吸い込むことによって、蓄
熱槽1の内部において温度成層流れを生じさせることが
できるようになる。かくして、蓄熱槽1の上方より供給
された高温側の水と、蓄熱槽1内に残っていた低温側の
水を混ざり合わせることなく、冷水のみを槽底部の下開
口部B2から吸い込んで、空調装置へ供給することが可
能となる。
【0025】[温水蓄熱]次に、蓄熱装置を用いて温水
蓄熱を行う場合は、第1の管路A1および第2の管路A2
を、他の系である熱源装置に接続する。この場合の熱源
装置は、温水を製造できる機能を有する。そして、切換
手段15において、第1の切換弁V1および第2の切換
弁V2は開とし、第3の切換弁V3および第4の切換弁V
4は閉とし、また、切換弁V5は上開口部B1側に還水を
供給できるように切り換える。これにより、第1の管路
A1が上開口部B1に連通し、第2の管路P2が下開口部
B2に連通した状態とする。そして、熱源装置で製造し
た温水を、供給ポンプP1の稼働によって第1の管路A1
を介して搬送し、上開口部B1から蓄熱槽1内に温水を
供給する。また、蓄熱槽1内の熱源水2を下開口部B2
から吸い込み、排出ポンプP2の稼働によって第2の管
路A2を介して搬送することにより、蓄熱槽1内の熱源
水2を熱源装置に供給する。こうして熱源装置に供給し
た熱源水2を温水にし、再び第1の管路A1を介して上
開口部B1から蓄熱槽1内に供給する。なお、加熱器な
どを利用して蓄熱槽1内において熱源水2を加熱し、蓄
熱槽1内で温水を生成するようにしても良い。そして、
蓄熱槽1内に十分な量の温水を蓄えたら、温水蓄熱を終
了する。
【0026】[温熱放出]こうして蓄熱槽1内に温水を
蓄えた状態で、空調装置に温熱を供給するに際しては、
第1の管路A1および第2の管路A2を、他の系である空
調装置に接続する。そして、切換手段15において、第
1の切換弁V1および第2の切換弁V2は閉とし、第3の
切換弁V3および第4の切換弁V4は開とする。これによ
り、第1の管路A1が下開口部B2に連通し、第2の管路
P2が上開口部B1に連通した状態とする。そして、空調
機からの還水を、供給ポンプP1の稼働によって第1の
管路A1を介して搬送し、蓄熱槽1内の熱源水2の底部
近傍において下開口部B2からの還水の吐き出しを開始
する。また、蓄熱槽1内に蓄えられた温水を蓄熱槽1の
液面近傍において、上開口部B1から吸い込み、排出ポ
ンプP2の稼働によって第2の管路A2を介して搬送し、
空調機に温水を供給する。
【0027】先に説明したように、下開口部B2にも分
配器10が取り付けられているので、下開口部B2から
吐き出された還水は蓄熱槽1の底部近傍においてゆっく
りとした流速で蓄熱槽1内に供給される。このように蓄
熱槽1の下方から還水をゆっくりと供給し、上方より熱
源水2を吸い込むことによって、蓄熱槽1の内部におい
て温度成層流れを生じさせることができるようになる。
かくして、蓄熱槽1の下方より供給された低温側の水
と、蓄熱槽1内に蓄えられていた高温側の温水を混ざり
合わせることなく、温水のみを上開口部B1から吸い込
んで、空調装置へ供給することが可能となる。
【0028】以上説明したように、この蓄熱装置にあっ
ては、空調機からの還水の供給位置を、解氷を終了する
までは蓄熱槽1の内部のノズルB3とし、解氷を終了し
た後は蓄熱槽1の上方の上開口部B1に変更することに
よって、蓄熱槽1内における潜熱放出と顕熱放出とを段
階的に分けて行うことができる。従って、この蓄熱装置
によれば、蓄熱槽1内の熱源水2の全部が、空調装置か
ら供給された還水の温度に上昇するまで冷水を供給でき
ることとなる。
【0029】ここで、氷充填率=30(wt%)、水の比重=
1.0、空調用冷水の利用温度を往水の温度=7(℃)、
還水の温度=14(℃)として、本発明による蓄熱装置
において試算される冷熱の有効利用割合を、従来の蓄熱
装置と比較して示すと、水槽1m3当り以下のようにな
る。 従来の蓄熱装置の冷熱取出し可能量 = 80(Kcal/kg)×0.3+(7-0)(deg) = 31(Kcal/kg) = 31(Mcal/m3) 本発明蓄熱装置の冷熱取出し可能量 = 80(Kcal/kg)×0.3+(14-0)(deg) = 38(Mcal/m3) 本発明蓄熱装置の冷熱有効利用割合 = 38/31 = 1.226 となり、利用割合は22.6(%)上昇する。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、解氷の際に潜熱放出と
顕熱放出の二段階で冷熱を放出させることによって、蓄
熱槽の冷熱を有効に取り出すことができる。本発明の蓄
熱装置は、水蓄熱槽として併用することもできる。
【0031】また、本発明の蓄熱装置は、冷房需要時に
は氷蓄熱、暖房需要時には温水蓄熱を同一の装置におい
て行うことができる。従って、本発明の蓄熱装置は、年
間を通して利用でき、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる蓄熱装置の系統図
【図2】上開口部の拡大図
【図3】下開口部の拡大図
【符号の説明】
1 蓄熱槽 2 熱源水 15 切換手段 B1 上開口部 B3 ノズル B2 下開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄熱槽内に蓄えられた熱源水の液面近傍に
    おいて他の系からの還水を吐き出すことが可能な上開口
    部と、他の系からの還水を蓄熱槽の内部に向かって噴出
    することが可能なノズルと、蓄熱槽の底部近傍において
    蓄熱槽内の熱源水を吸い込むことが可能な下開口部とを
    備えている、蓄熱装置。
  2. 【請求項2】熱源水を蓄える蓄熱槽と、 蓄熱槽内に蓄えられた熱源水の液面近傍に配置された上
    開口部と、 蓄熱槽の底面近傍に配置された下開口部と、 他の系からの還水を蓄熱槽に供給するための第1の管路
    と、 蓄熱槽からの熱源水を他の系に排出するための第2の管
    路と、 第1の管路と上開口部とを連通させ、第2の管路と下開
    口部とを連通させた状態と、第1の管路と下開口部とを
    連通させ、第2の管路と上開口部とを連通させた状態と
    に、選択的に切り換える切換手段と、 他の系からの還水を蓄熱槽の内部向かって噴出すること
    が可能なノズルと、 を備えている、蓄熱装置。
  3. 【請求項3】上開口部および/または下開口部の周り
    に、温度成層流れを生じさせるための分配器が取り付け
    られている、請求項1または2に記載された蓄熱装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れかに記載された蓄熱装
    置を用いて他の系に冷水を供給する運転方法であって、
    蓄熱槽内の熱源水が所定の温度未満の間は、他の系から
    の還水をノズルより蓄熱槽の内部に向かって噴出すると
    共に、下開口部から吸い込んだ熱源水を他の系に排出
    し、蓄熱槽内の熱源水が所定の温度以上になった後は、
    他の系からの還水を上開口部より吐き出すと共に、下開
    口部から吸い込んだ熱源水を他の系に排出する方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れかに記載された蓄熱装
    置を用いて他の系に冷水を供給する運転方法であって、
    蓄熱槽内に予め入れておいた氷が溶けるまでの間は、ノ
    ズルより他の系からの還水を蓄熱槽の内部に向かって噴
    出すると共に、下開口部から吸い込んだ熱源水を他の系
    に排出し、氷が溶けた後は、上開口部より他の系からの
    還水を吐き出すと共に、下開口部から吸い込んだ熱源水
    を他の系に排出する方法。
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