JPH08238628A - 積層成形品の成形方法および積層成形用の金型 - Google Patents
積層成形品の成形方法および積層成形用の金型Info
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- JPH08238628A JPH08238628A JP4703195A JP4703195A JPH08238628A JP H08238628 A JPH08238628 A JP H08238628A JP 4703195 A JP4703195 A JP 4703195A JP 4703195 A JP4703195 A JP 4703195A JP H08238628 A JPH08238628 A JP H08238628A
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Abstract
にシワや破れ等の欠陥を生じさせずに成形可能となるう
え、生産性の向上が図れる積層成形品の成形方法および
積層成形用の金型の提供。 【構成】表皮面材1が表面に一体化された成形品を成形
するにあたり、予め金型10の型締めにより金型10との間
に表皮面材1を挟持するとともに、表皮面材1を挟持す
る位置の調節が可能とされた固定手段20を複数離間させ
て設けておき、表皮面材1が金型10の内部へ送り込まれ
るべき量に応じて固定手段20の各々の挟持位置を調節し
ておく。表皮面材1は、挟持されるタイミングが部分毎
に異なるので、表皮面材1の各部毎に設定された量だけ
が金型内に送り込まれ、溶融樹脂2の充填により、当該
各部に適度な張力が加わるようになる。
Description
された積層成形品の製造方法に関し、シートバック、サ
イドピラー、および、ドアの内装パネル等の自動車部品
や、椅子の背もたれ等の家具部品等を製造する際に利用
できる。
の内装パネル、シートバック、および、サイドピラーに
は、合成樹脂製の本体の表面を、塩化ビニールおよび発
泡ポリプロピレン等からなる多層面材や、柔軟性を有す
る布等の表皮面材で被覆した積層成形品が利用されてい
る。このような積層成形品によれば、表面が柔軟な表皮
面材で覆われていることから、手で触れた際等に良好な
感触を与えることができるうえ、織布等を表皮面材とし
て用いれば、装飾性を付与することができる。また、表
皮面材の厚みを増すことにより良好なクッション性が得
られるため、コンソールボックスの蓋等に積層成形品を
用いれば、開閉の際の衝撃音、走行時の振動等を抑制で
きる。さらに、クッション性を有する表皮面材は、隙間
を密閉することが可能となるので、良好な遮音性やシー
ル性等を付与することができる。
となる本体を成形した後、この本体の表面に表皮面材を
接着することにより行うのが一般的であるが、表皮面材
を接着する作業が煩雑であるため、製造コストを高騰さ
せるという問題がある。この問題は、予め表皮面材を装
着しておいた金型に溶融樹脂を充填することで、成形と
同時に表皮面材と本体とを一体化し、接着作業を省略す
る製造方法により解消できる。このような製造方法で
は、表皮面材を金型に装着するのに、次のA〜Dのよう
な構造の装着手段を採用している。 A.雄型および雌型等の二つの型部で構成し、金型を閉
鎖する際に、型部の合わせ面の間に表皮面材の端縁を挟
み込んで当該表皮面材を完全に固定してしまう装着手
段。 B.金型を二つの型部で構成するとともに、両型面の間
に表皮面材の厚さとほぼ同一寸法の隙間を設け、この隙
間に表皮面材の端縁を配置し、表皮面材を両側から押さ
え付けることなく、金型内部へ表皮面材が自由に送り込
まれるように、表皮面材を装着する装着手段。 C.金型からはみ出た表皮面材の端縁を引っ張るスプリ
ング等の引張装置を金型の周囲に設け、この引張装置の
張力に抗する力が表皮面材に与えられると、表皮面材の
端縁が金型の内部へ滑り込むことを可能とする表皮面材
を装着する装着手段(特開平2-229014号)。 D.雄型および雌型等の二つの型部に金型で構成し、こ
れら二つの型部の一方との間に表皮面材を挟み込む固定
枠と、固定枠を前記一方の型部に向かって押圧する複数
の流体シリンダ装置等とを設け、固定枠および型枠の間
に表皮面材を挟持するとともに、流体シリンダ装置等の
押圧力の調節により、固定枠および型枠の挟持力を調節
可能にした装着手段(特公平4-76291 号)。
法には、それぞれ次のイ〜ニに示す問題がある。 イ.型部の間に挟み込んで表皮面材の端縁を移動不可能
に固定することから、凹凸のある立体的な成形品を成形
しようとすると、成形時に表皮面材に過大な張力が加わ
る。このため、布等の伸びない表皮面材は破れやすく、
発泡ポリプロピレン等のクッション性を有する表皮面材
は、引き伸ばされて厚みを失い、クッション性が損なわ
れるという問題がある。 ロ.金型内へ表皮面材が自由に送り込まれることから、
表皮面材に張力が全く与えられない。このため、凹凸の
ある立体的な成形品を成形しようとすると、金型に充填
される溶融樹脂の流動により、表皮面材が自由に変形
し、立ち上がり部分の付け根部分等にシワを発生させる
という問題がある。 ハ.引張装置を設けることにより、金型の構造が複雑に
なるとともに、引張装置は金型の周囲に設けられるの
で、金型の全体の寸法が大型化する。そのうえ、引張装
置で表皮面材を引っ張るには、引張装置と表皮面材とを
ある程度強固に接続する必要があるので、成形毎に行わ
れる表皮面材の装着作業が面倒となり、サイクルタイム
を長引かせ、積層成形品の生産性を向上できないという
問題がある。また、表皮面材を金型の外部にはみ出させ
ることから、表皮面材全体のうち有効利用できない割合
が大きくなり、表皮面材の無駄が多いという問題があ
る。 ニ.金型の型締め動作とは別個に固定枠を移動可能に設
ける必要があるので、金型の構造が複雑となり、金型毎
に固定枠を作成しなければならないので、金型の作成費
用を高騰させるという問題がある。また、固定枠を複数
に分割し、分割された各部毎に流体シリンダ装置を設
け、各シリンダ装置の押圧力を調節して挟持力を設定す
れば、表皮面材の各部毎に対する摩擦力や滑り込み量を
調節できるようになる。しかし、摩擦力や滑り込み量が
不連続となる境界線が生じるので、この境界線の両側で
滑り込み量が大きく相違すると、シワや破れが発生する
原因となるので、複雑な形状の積層成形品の成形は難し
く、成形可能な形状が限定されるという問題がある。
成形品でも、その表面にシワや破れ等の欠陥を生じさせ
ずに成形可能となるうえ、生産性の向上が図れる積層成
形品の成形方法および積層成形用の金型を提供すること
にある。
形方法は、柔軟性を有する表皮面材が表面に一体化され
た成形品を成形する積層成形品の成形方法であって、予
め前記成形品を成形する金型の型締めにより当該金型と
の間に前記表皮面材を挟持するとともに、前記表皮面材
を挟持する位置が前記金型の型締め方向に沿って調節可
能とされた固定手段を複数離間させて設けておき、前記
金型に前記表皮面材を仮固定するとともに、前記表皮面
材が前記金型内部へ送り込まれるべき量に応じて前記固
定手段の各々の挟持位置を調節した後、前記金型の内部
に前記溶融樹脂を充填し、充填した溶融樹脂を前記金型
の型締めにより展延させることを特徴とする。
法で使用する積層成形用の金型であって、前記金型の型
締めにより当該金型との間に前記表皮面材を挟持すると
ともに、前記表皮面材を挟持する位置が前記金型の型締
め方向に沿って調節可能とされた固定手段を複数離間さ
せて設けたことを特徴とする。
けられた移動側金型と、移動不可能に固定された固定側
金型とで構成され、前記固定手段は、前記移動側金型お
よび固定側金型の一方に設けられ、その間に前記表皮面
材を挟持するものであることが望ましい。また、前記移
動側金型および固定側金型の少なくとも一方には、前記
金型に前記表皮面材を仮固定する仮固定手段が設けられ
ていることが好ましい。さらに、前記仮固定手段は、前
記表皮面材を吸い付けて仮固定する真空吸引孔を含んで
構成されていることが望ましい。
形装置、金型、および、成形手順を採用することができ
る。 (1)材 料 成形品を形成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、および、これらの熱
可塑性樹脂に、炭酸カルシウム、タルク、および、マイ
カ等のフィラーや、ガラス繊維および炭素繊維等の充填
剤を添加したものが採用できる。また、表皮面材として
は、織布、不織布、編布等の起毛、または、織模様によ
る凹凸等がある布、熱可塑性樹脂面材、熱可塑性エラス
トマ製面材、ポリプロピレンやポリウレタン等の熱可塑
性樹脂を発泡させた発泡面材、および、模様等が印刷さ
れたフィルム等の単層面材、ならびに、これらの単層面
材を適宜貼り合わせた多層面材が採用できる。
機、もしくは、射出成形機に圧縮装置を取付けた成形機
が採用できる。 (3)金型 金型としては、成形すべき成形品の形状に応じたキャビ
ティを有する移動側金型および固定側金型で構成された
ものが採用できる。この際、金型の移動側金型および固
定側金型の少なくとも一方、通常移動側金型に表皮面材
を仮固定する仮固定手段を設けておけば、移動側金型、
固定側金型の各々に、表皮面材を仮固定することが可能
となる。そして、表皮面材を仮固定した状態で金型を閉
じるとともに、金型の内部に溶融樹脂を充填すれば、表
皮面材が一体化された成形品を成形することが可能とな
る。 (4)成形手順 以上のような成形装置等で成形を行う場合には、次のよ
うな成形手順が採用できる。 金型を開いた状態で、移動側金型および固定側金型の
うち、表皮面材で覆われるべき面を成形する方に当該表
皮面材を仮固定する。また、金型が開いた状態において
は、成形すべき成形品の形状等に応じて、固定手段の調
節を行う。ここで、各固定手段の調節は、各固定手段に
ついて表皮面材を金型内へ送り込ませるべき量に応じて
段階的に行う。すなわち、表皮面材の各部のうち、成形
品の平坦な部分を覆おう部分の周縁は、張力があまり加
わらないことから、送り込まれる量が多いと、表皮面材
が弛んでしわ等が発生する。このしわ等の発生を防止す
るために、当該表皮面材の部分を固定する固定手段は、
表皮面材の金型内部への送り込み量がなくなる、あるい
は、少なくなるように、型締めの開始後、速やかに表皮
面材を挟持可能な、表皮面材と近接する位置に配置して
おく。一方、表皮面材の各部のうち、成形品の凹凸部分
を覆おう部分の周縁は、強い張力が加わるので、送り込
まれる量が少ないと、成形が完了するまでに表皮面材に
破れ等が発生する。この破れ等の発生を防止するため
に、当該表皮面材の部分を固定する固定手段は、表皮面
材の金型内部への送り込み量が多くなるように、型締め
が開始され、所定量の表皮面材が金型内に送り込まれた
後に、表皮面材を挟持すべく、表皮面材と適切な距離を
おいて配置しておく。 金型を閉じるにあたり、金型が完全に閉鎖する位置よ
りも所定寸法、例えば、5〜50mm程度手前の位置に移
動側の金型を停止させ、この位置から移動側の金型が後
退して型開きしないように、同金型の後方をブロックし
ておく。金型の閉鎖の際、固定手段は、表皮面材から近
いものから順に表皮面材を挟持していき、固定手段に挟
持された表皮面材の部分は、金型の型締めにより引っ張
られても、金型の内部へ送り込まれない。一方、未だ固
定手段に挟持されていない表皮面材の他の部分は、型締
めにより引っ張られると、金型の内部へ自由に送り込ま
れる。従って、表皮面材は、固定手段の挟持タイミング
が遅い部分ほど、送り込み量が増え、これにより、固定
手段の挟持位置として設定された量だけ金型の内部に送
り込まれる。 射出装置を駆動して溶融樹脂を金型内に充填する。 充填の完了の直前もしくは直後に金型内に圧縮力を加
えて圧縮工程を開始し、圧縮力により内部の樹脂を展延
して金型内に充満させる。ここで、表皮面材は、設定さ
れた量だけ金型の内部に送り込まれているので、金型内
部を流動する溶融樹脂により引っ張られると、表皮面材
の各部に適切な張力が加わるようになる。 必要により圧縮力を低下させる。 樹脂が冷却固化した後、金型を開いて成形品を取り出
す。
じて、表皮面材の金型内への送り込むべき量を設定し、
この送り込むべき量に応じて、各固定手段の挟持位置を
調節しておくので、金型の型締めにより、挟持位置に応
じたタイミングで順次表皮面材を挟持していき、金型の
型締め等により引っ張られた表皮面材の各部は、設定さ
れた送り込み量だけ金型内へ送り込まれる。そして、設
定された量だけ表皮面材が送り込まれる金型内に溶融樹
脂を充填するので、表皮面材の各部には、それぞれ適度
な張力が加わるようになり、成形品が凹凸部のある複雑
な形状であっても、その表面にシワや破れ等が生じなく
なり、様々な形状の成形品の成形が可能となる。また、
固定手段は、型締めされる金型側との間に表皮面材を挟
持するものなので、固定手段を駆動する駆動手段等を必
要とせず、その構造が簡単なものですみ、金型の全体構
造を複雑にしない。さらに、表皮面材を金型に仮固定す
る仮固定手段としては、表皮面材を吸引する吸引孔等の
仮固定操作が簡単なものが採用でき、このような仮固定
手段を設ければ、成形毎に行われる表皮面材の仮固定作
業が迅速に行え、成形のサイクルタイムが短縮され、積
層成形品の生産性が向上され、これらにより前記目的が
達成される。
明する。図1および図2には、本実施例の金型10が示さ
れている。この金型10は、自動車のドアに取付けられる
内装パネルを成形するものであり、固定側金型である図
中下方の固定金型部10A と、移動側金型である上方の可
動金型部10B とで構成されている。金型10の固定金型部
10A および可動金型部10B の間には、溶融樹脂が充填さ
れるキャビティ10C が設けられている。
形機に固定された雄型である。この固定金型部10A に
は、キャビティ10C に充填される溶融樹脂の通路である
スプル11が設けられている。固定金型部10A に設けられ
た成形面12には、自動車のドアに設けられる肘掛けおよ
びポケットを成形するために、凸部13および凹部14が形
成されている。固定金型部10A の周縁部分には、図3に
も示されるように、積層成形品の表面部分を形成する表
皮面材を挟持する固定手段として、複数の固定装置20が
離間して設けられている。可動金型部10B は、前述の射
出圧縮成形機に移動可能に設けられた雌型である。この
可動金型部10B の成形面15には、固定金型部10A の凸部
13および凹部14の各々に対応する凹部16および凸部17が
設けられている。可動金型部10B のキャビティ10C を取
り囲む端面10D には、表皮面材を吸い付けて仮固定する
仮固定手段としての真空吸引孔18が複数設けられてい
る。これらの真空吸引孔18は、可動金型部10B の側面に
開けられた接続口18A を介して図示しない真空吸引装置
に接続されている。なお、固定金型部10A および可動金
型部10B の各々の四隅には、図示しない型締装置のガイ
ドピンを挿通させるための挿通孔19が設けられている。
端面10D とで表皮面材を挟持するものであり、表皮面材
を挟持する位置が金型10の型締め方向に沿って調節可能
となっている。各固定装置20は、表皮面材を金型10の内
部へ送り込むべき量に応じて挟持位置、図においては高
さ位置が調整されるものである。固定装置20の高さ位置
の調整により、可動金型部10B の端面10D とで表皮面材
を挟持するタイミングが調節されるようになっている。
図4には、固定装置20が拡大されて示されている(図4
(A)はその断面図、図4(B)はその平面図であ
る)。図において、固定装置20は、金型10の型締め方向
に沿って移動可能な挟持部21を備えたものとなってい
る。挟持部21には、図中上方が開口された凹部22と、図
中下方が開口された凹部23とが設けられている。凹部22
の底面には、ボルト挿通孔24が設けられ、このボルト挿
通孔24により、上方の凹部22と下方の凹部23とが連結さ
れている。一方、固定金型部10A 側には、ねじ穴を有す
るボス25が設けられている。挟持部21の凹部23の内部に
は、コイルスプリング26が配置されるとともに、ボス25
が嵌合されている。この状態で、ボルト挿通孔24に挿通
させたボルト27がボス25のねじ穴に螺合されている。こ
れにより、挟持部21は、コイルスプリング26に上方向に
付勢された状態で、固定金型部10A に取付けられてい
る。これにより、挟持部21の高さ位置は、ボルト27の回
転操作により、金型10の型締め方向に沿って調節可能と
なっている。なお、ボルト27のヘッド27A には、回転止
め面27B が設けられ、挟持部21の凹部22の内部には、ボ
ルト27のヘッド27A に応じた大きさの貫通孔28A を有す
る案内部材28が嵌め込まれ、これにより、ボルト27が回
転止めされている。案内部材28は、挟持部21と螺合する
ボルト29により当該挟持部21に固定されている。このよ
うな構造を有する固定装置20には、長さの異なる複数の
コイルスプリング26が用意されている。固定装置20は、
複数の中から選択されたコイルスプリング26をセットす
るとともに、挟持部21の高さを調節することにより、任
意の挟持位置と、任意の挟持力が得られるようになって
いる。
により射出圧縮成形を行う。射出圧縮成形を開始するに
あたり、予め、成形品の形状に応じて表皮面材の各部に
ついて金型10内部への送り込み量を設定しておく。そし
て、この送り込み量に応じて固定装置20の挟持位置を設
定しておく。また、必要により、コイルスプリング26の
変更による挟持力の調整を行っておく。例えば、図1な
いし図3に示されるように、成形品の形状に応じて設定
された送り込み量が最小となる部分の固定装置20(イ)
は、図中最も高い位置に配置される。設定された送り込
み量が最大となる部分の固定装置20(ハ)は、図中最も
低い位置に配置される。設定された送り込み量が中間的
な値となる部分の固定装置20(ロ)は、固定装置20
(イ)および固定装置20(ハ)の間の中間位置に配置さ
れる。なお、表皮面材の送り込み量をさらにきめ細かく
設定したい場合には、固定装置20の数を増やすととも
に、固定装置20の挟持位置を4段階以上に設定して対応
してもよく、また、前述のコイルスプリング26の変更に
よる挟持力の調節を併用してもよい。
金型10を開き、真空吸引孔18により、可動金型部10B に
表皮面材を仮固定した後、金型10の閉鎖を開始する。金
型10の閉鎖を開始した直後には、図5(A)に示される
ように、最も高い位置に配置した固定装置20(イ)が、
既に可動金型部10B との間に表皮面材1の図中左側の端
縁1Aを挟持している。一方、固定装置20(ロ),(ハ)
は、未だ可動金型部10B との間に表皮面材1を挟持して
いない。このため、表皮面材1は、可動金型部10B の移
動により、固定されていない端縁1B側の方が端縁1A側よ
り多く金型10の内部に送り込まれる。さらに、移動金型
部10B が移動すると、図5(B)に示されるように、中
間位置に配置した固定装置20(ロ)が可動金型部10B と
の間に表皮面材1を挟持しはじめる。これにより、表皮
面材1の金型10内へ送り込まれる量は減少する。次い
で、図5(C)に示されるように、金型10が完全に閉鎖
する位置イよりも所定寸法aだけ手前の位置ロに可動金
型部10B を停止させ、この位置ロから後退して型開きし
ないように、可動金型部10B の後方をブロックしてお
く。なお、寸法aは、5〜50mmの範囲内で設定でき
る。この状態で、射出装置を駆動して充填工程を開始
し、金型10のキャビティ10Cの内部に溶融樹脂2を充填
する。続いて、溶融樹脂2の充填完了直前もしくは完了
直後に、可動金型部10B の移動を再開し、可動金型部10
B を位置イまで移動させて金型10を完全に閉鎖する。こ
れにより、金型10の内部に充填された溶融樹脂2は、図
5(D)に示されるように、キャビティ10C の全体に展
延される。そして、可動金型部10B の移動、すなわち、
溶融樹脂2の圧縮、展延の途中において、残りの固定装
置20(ハ)が表皮面材1を挟持し、可動金型部10B を位
置ロまで移動することにより、表皮面材1と溶融樹脂2
との一体化が完了する。溶融樹脂2の展延完了前に、固
定装置20(ハ)が表皮面材1を挟持するので、表皮面材
1には、溶融樹脂2の展延により適度な張力が加わり、
表皮面材1の表面にしわが発生することがない。次い
で、溶融樹脂2を冷却固化し、溶融樹脂2が充分冷却固
化したら、金型10を開いて成形品を取り出す。なお、射
出が完了したら次の射出成形のために樹脂2を可塑化す
る可塑化工程を開始する。なお、最後の固定装置20
(ハ)が表皮面材1の挟持を完了するタイミングは、金
型10の型締め完了前のタイミングであれば、特に限定さ
れず、表皮面材1に適度な張力を加わえることができれ
ば、可動金型部10B を位置イから移動する前であっても
よい。
な効果がある。すなわち、表皮面材1を金型10内に送り
込む量を設定し、設定された送り込み量に応じて各固定
装置20の挟持位置を調節しておいてから、金型10の型締
めを行うようにしたので、金型10の型締めにより、固定
装置20が順次表皮面材1を挟持していくとともに、固定
装置20に挟持されるまでは、金型10の型締め、および、
溶融樹脂2の圧縮・展延により、表皮面材1が金型10の
内部にスムースに送り込むまれるようになり、表皮面材
1の各部を設定された送り込み量だけ金型10の内部へ送
り込むことができる。このため、成形すべき成形品が凹
凸部を有する複雑な形状であっても、成形品の形状に応
じて表皮面材1が金型10の内部に送り込まれるので、成
形品を覆おう表皮面材1の各部には、過度な張力が加わ
ったり、弛みが生じたりしなくなり、成形品と一体化し
た表皮面材1にシワや破れ等が発生することを未然に防
止でき、品質の優れた様々な形状の成形品を成形でき
る。
挟持部21をコイルスプリング26で付勢した状態で、ボル
ト27により固定金型部10A に取付けたので、ボルト27の
回転操作により、挟持位置を容易に調節できるうえ、移
動金型部10B に押圧されると、表皮面材1を挟持したま
ま挟持部21が後退するので、金型10の型締め動作に何ら
支障をきたさない。
10の移動金型部10B との間に表皮面材1を挟持するもの
なので、固定装置20を駆動する駆動手段等を一切必要と
せず、その構造が簡単なものですみ、金型10の全体構造
を複雑にせず、金型10の製作費用を高騰させることがな
い。
空吸引孔18を金型10に設けたので、成形毎に行われる表
皮面材1の装着作業を容易かつ迅速に行えるようにな
り、成形におけるサイルタイムが短縮され、積層成形品
の生産性を向上できるうえ、真空吸引孔18は、単なる孔
なので、金型10の構造を複雑にせず、この点からも金型
10の製作費用を高騰させることがない。
例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施例や実
験例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能であ
る。すなわち、固定手段の位置、数、および、構造は、
前記実施例で示したものに限定されず、実施にあたり適
宜選択することができる。例えば、前記実施例では、固
定手段を固定側金型に設けたが、逆に、移動側金型に設
けてもよい。また、固定手段の構造は、固定手段の挟持
部をコイルスプリングで付勢するものに限らず、他の形
式のスプリング、あるいは、空気式シリンダ装置等で固
定手段の挟持部を表皮面材へ向かって付勢するものでも
よい。
スプリングについては、ばねレートの異なるものを複数
種類用意しておくことが望ましい。このようにすれば、
固定手段が表皮面材を挟持している時に、固定手段およ
び表皮面材の間に作用する摩擦力を調節することが可能
となる。そして、成形品の形状や表皮面材の種類に応じ
て前述の摩擦力を調節しておけば、固定手段が表皮面材
を挟持している状態で、表皮面材を金型内部に滑り込ま
せることが可能となるうえ、金型内部への表皮面材の滑
り込み量を調節することも可能となる。特に、比較的破
れやすい表皮面材を用いて、起伏の大きい凹凸部を有す
る成形品を成形する場合に、固定手段が表皮面材を挟持
した後にも、当該表皮面材を所定の量だけ金型内部に送
り込むことが可能となるので、破れ等の発生を未然に防
止でき、優れた品質の積層成形品を得ることができる。
さらに、固定手段としては、挟持部21がコイルスプリン
グ26に直接付勢される固定装置20に限らず、図6に示さ
れるように、挟持部21が受部30を介してコイルスプリン
グ26に付勢される固定装置20A でもよい。ここで、挟持
部21に螺合されたイモネジ31を受部30に当接させ、イモ
ネジ31の回転操作により、受部30の位置を調節可能とす
れば、挟持部20は、高さ位置の調節と、挟持力の調節と
をそれぞれ別個に行うことができ、かつ、挟持力につい
ては、微調節を行うことができる。なお、イモネジ31の
回転止めを行うために、イモネジ31の図中下端側には、
平面となった回転止め面31A を備えたロッド状の延出部
32が設けられている。延出部32の回転止め面31A には、
挟持部21と水平方向に螺合するイモネジ33の先端が当接
されるようになっている。イモネジ31による調節が完了
した後に、イモネジ33を締付けることより、イモネジ31
が回転止めされるようになっている。
る真空吸引孔に限らず、表皮面材を軽く挟持するクリッ
プ、あるいは、表皮面材を仮留めする粘着両面テープ等
でもよく、要するに、金型を型締めするまでの間、表皮
面材を金型に仮固定できるものであれば、その構造等は
限定しない。
動側金型のみに設けていたが、仮固定手段は、移動側金
型および固定側金型の両方に設けてもよい。このように
すれば、移動側金型および固定側金型の両方に、それぞ
れ表皮面材を仮固定することが可能となり、移動側金型
および固定側金型の各々に表皮面材を仮固定した状態で
移動側金型および固定側金型を閉じ、移動側金型および
固定側金型の各表皮面材の間に溶融樹脂を充填すれば、
表面および裏面の両方に表皮面材が一体化された成形品
を成形することが可能となる。
たドアの内装パネルに限らず、シートバックや、サイド
ピラー等の他の種類の自動車部品や、椅子の背もたれ等
の家具部品等でもよい。
る複雑な形状の成形品でも、その表面にシワや破れ等の
欠陥が生じさせずに成形可能となり、様々な形状の成形
品を生産することができるうえ、その生産性を向上する
ことができる。
る。
ある。
る。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】柔軟性を有する表皮面材が表面に一体化さ
れた成形品を成形する積層成形品の成形方法であって、 予め前記成形品を成形する金型の型締めにより当該金型
との間に前記表皮面材を挟持するとともに、前記表皮面
材を挟持する位置が前記金型の型締め方向に沿って調節
可能とされた固定手段を複数離間させて設けておき、 前記金型に前記表皮面材を仮固定するとともに、前記表
皮面材が前記金型内部へ送り込まれるべき量に応じて前
記固定手段の各々の挟持位置を調節した後、前記金型の
内部に前記溶融樹脂を充填し、充填した溶融樹脂を前記
金型の型締めにより展延させることを特徴とする積層成
形品の成形方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の積層成形品の成形方法に
おいて、前記金型は、移動可能に設けられた移動側金型
と、移動不可能に固定された固定側金型とで構成され、
前記固定手段は、前記移動側金型および固定側金型の一
方に設けられ、その間に前記表皮面材を挟持するもので
あることを特徴とする積層成形品の成形方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の積層成形
品の成形方法において、前記移動側金型および固定側金
型の少なくとも一方には、前記金型に前記表皮面材を仮
固定する仮固定手段が設けられていることを特徴とする
積層成形品の成形方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の積層成形品の成形方法に
おいて、前記仮固定手段は、前記表皮面材を吸い付けて
仮固定する真空吸引孔を含んで構成されていることを特
徴とする積層成形品の成形方法。 - 【請求項5】柔軟性を有する表皮面材が表面に一体化さ
れた成形品を成形する積層成形用の金型であって、 前記金型の型締めにより当該金型との間に前記表皮面材
を挟持するとともに、前記表皮面材を挟持する位置が前
記金型の型締め方向に沿って調節可能とされた固定手段
を複数離間させて設けたことを特徴とする積層成形用の
金型。 - 【請求項6】請求項5に記載の積層成形用の金型におい
て、前記金型は、移動可能な移動側金型と、固定された
固定側金型とで構成され、前記固定手段は、前記移動側
金型および固定側金型の一方に設けらるとともに、その
他方との間に前記表皮面材を挟持するものであることを
特徴とする積層成形用の金型。 - 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の積層成形
用の金型において、前記移動側金型および固定側金型の
少なくとも一方に、前記金型に前記表皮面材を仮固定す
る仮固定手段を設けたことを特徴とする積層成形用の金
型。 - 【請求項8】請求項7に記載の積層成形用の金型におい
て、前記仮固定手段は、前記表皮面材を吸い付けて仮固
定する真空吸引孔を含んで構成されていることを特徴と
する積層成形用の金型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4703195A JP3550432B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 積層成形品の成形方法および積層成形用の金型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4703195A JP3550432B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 積層成形品の成形方法および積層成形用の金型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08238628A true JPH08238628A (ja) | 1996-09-17 |
| JP3550432B2 JP3550432B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=12763819
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4703195A Expired - Fee Related JP3550432B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 積層成形品の成形方法および積層成形用の金型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3550432B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010018029A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | インモールド加飾成形装置及びその成形方法 |
| JP2024154639A (ja) * | 2023-04-19 | 2024-10-31 | I-Pex株式会社 | 樹脂封止金型 |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP4703195A patent/JP3550432B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010018029A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | インモールド加飾成形装置及びその成形方法 |
| JP2024154639A (ja) * | 2023-04-19 | 2024-10-31 | I-Pex株式会社 | 樹脂封止金型 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3550432B2 (ja) | 2004-08-04 |
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