JPH08242034A - 分布帰還型半導体レーザ装置 - Google Patents
分布帰還型半導体レーザ装置Info
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- JPH08242034A JPH08242034A JP7045365A JP4536595A JPH08242034A JP H08242034 A JPH08242034 A JP H08242034A JP 7045365 A JP7045365 A JP 7045365A JP 4536595 A JP4536595 A JP 4536595A JP H08242034 A JPH08242034 A JP H08242034A
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Abstract
性、低電流動作、素子特性の安定を実現する短波長の利
得結合分布帰還型半導体レーザを提供する。 【構成】デューティ0.5付近の一次回折格子を有する
周期的吸収層を有し、利得結合が十分に生じつつ吸収損
失が十分に小さくなるように周期的吸収層の厚さが最適
に設定されている。活性層と吸収層との禁制帯幅の差が
一定値よりも大きい組み合わせとする。
Description
る短波長の利得結合分布帰還型半導体レーザ装置(以
下、「利得結合DFB−LD」と略す)に関する。
モード発振が得られること、戻り光により雑音が生じに
くいことといった特徴を有している。特に、概1μmよ
りも短い波長を持つ、いわゆる「短波長」の利得結合D
FB−LDは、光計測装置、高速光伝送装置、光記録装
置の光源として重要である。
生する活性層がその誘導放出光に対して吸収を持たない
クラッド層に挟まれたダブルヘテロ接合構造を有してお
り、活性層近傍に回折格子を備えており、活性層が発生
する誘導放出光の利得が回折格子によって周期的に変化
することによって光の分布帰還が生じてレーザ発振が生
じる機構(これを「利得結合」と呼ぶ)を有している。
的に変化させる方法としては、活性層の利得そのものを
周期的に摂動させる方法(利得性回折格子)と、活性層
近傍に光吸収層を周期的に形成することによって実効的
に利得の周期的摂動が生じる構造(吸収性回折格子)と
が実現されている。後者に関しては、特公平6−762
4に基本となる構造が示されており、活発に研究されて
いる。
FB−LDに関しては、利得の周期的摂動を生じさせる
のに不可欠となる周期的な光吸収層の導入の為に、誘導
放出光そのものが吸収によって損失し、レーザ発振に必
要な電流が通常よりも余分に必要となる問題点を有して
いた。つまり、単一縦モード発振特性を向上させる為に
周期的な光吸収層を過剰に導入しすぎると、その周期的
な光吸収層による損失の為にレーザ発振の効率が悪くな
るという相反する事象を含んでいたのである。しかしな
がらこの問題に対しては、デューティの小さな吸収性回
折格子を導入することによって、単一縦モード発振特性
を向上させることとレーザ光の損失を小さく抑えること
とを両立させることができるという概念がIEEE P
HOTONICS TECHNOLOGY LETTE
RS,VOL.3, NO.5(1991),P.43
9(以下、文献1)によって初めて指摘された。なお、
ここでの「デューティ」とは、周期的吸収層が存在する
層内において、その周期毎の吸収領域の割合(体積比)
のことを示す。特に断面が矩形の場合には、Λを回折格
子の一周期の長さ、Wを一周期における光吸収層の幅で
あるとすると、D=W/Λ(0≦D≦1)で与えられる
値のことである。この文献1での指摘以降、短波長領域
における吸収性回折格子を有する利得結合DFB−LD
では、デューティの小さな吸収性回折格子が用いられて
いる。
成することによって実効的に利得の周期的摂動が生じる
構造とした、従来の短波長の利得結合DFB−LDの構
造を示す図である(IEEE PHOTONICS T
ECHNOLOGY LETTERS,VOL4,N
O.7,1992,P.692より)。すなわち、n−
GaAs基板801上にn−Al0.45Ga0.55Asクラ
ッド層802を1.0μm、un−GaAs活性層80
3を0.09μm、p−Al0.45Ga0.55Asキャリア
バリア層804を0.1μm、p−Al0.3Ga0.7As
第1ガイド層805を0.1μm、n−GaAs光吸収
層806を50nm、有機金属気相成長法(MOCVD
法)により連続的に結晶成長した後、二光束干渉露光法
並びにウエットエッチング法により回折格子807を形
成し、その上にp−Al0.25Ga0.75As第2ガイド層
808を0.1μm、p−Al0.45Ga0.55Asクラッ
ド層809を1.0μm、p−GaAsコンタクト層8
10を0.5μmの結晶成長を行い、素子を作製してい
る。発振波長は880nmであり、回折格子の次数は3
次となっている。
義される断面が矩形の回折格子のデューティは0.15
〜0.20の範囲の小さな値で作製されている。
に、周期的吸収層を有する短波長の利得結合DFB−L
Dに於ては、単一縦モード発振特性を向上させることと
レーザ光の損失を小さく抑えることとを両立させる為
に、回折格子のデューティを0.1〜0.2程度の小さ
な値に高精度に制御されてきた。しかしながら、二光束
干渉露光法(2つのレーザ光線の干渉縞をホトレジスト
に転写することによって半導体基板上に回折格子のパタ
ーンを得る方法)で回折格子のデューティを小さな値に
高精度に制御することは容易ではなかった。その結果、
回折格子の作製時の再現性が悪い為に素子の作製歩留ま
りが低下し、素子特性の再現性にも大きな問題があっ
た。一般に上記の方法で作製される回折格子のデューテ
ィとして最も作製しやすい値は0.5であるにもかかわ
らず、0.1〜0.2といった作製しにくい値を制御し
て作製することには原理的に大きな困難さを含んでい
る。回折格子のデューティを制御しやすく、かつ単一縦
モード特性の向上とレーザ光の損失を小さく抑さえるこ
ととを両立することができる構造を実現することが課題
となる。
合DFB−LDに於ては、光吸収層として活性層に比較
的近い禁制帯幅を有する半導体層が用いられてきた。こ
の場合には、誘導放出光が周期的吸収層で吸収されると
きの吸収の程度を示す「吸収係数」が吸収層内の不純物
添加量・不純物の種類・吸収層内の光密度・混晶活性層
の組成ばらつきによる誘導放出光の波長(つまり「光エ
ネルギー」)のばらつきに強く影響され、素子の特性に
ばらつきが生じるほか、素子をレーザ発振させた時にそ
の出力によって光吸収層の吸収係数が大きく変化する
(多くの場合減少する)ことによって単一縦モード特性
が変動する(多くの場合低下する)問題があった。
分布帰還型半導体レーザ装置は、活性層近傍に光分布帰
還を与える周期構造を備え、該周期構造が、前記活性層
から発生する誘導放出光に対する吸収係数が周期的に変
化する、周期的吸収層である利得結合分布帰還型半導体
レーザにおいて、前記周期的吸収層が前記誘導放出光に
対して一次の次数を有するものであり、このとき、前記
周期的吸収層の実効的なデューティD(ここで、周期的
吸収層が存在する層内において、その周期毎の吸収領域
の割合をD(0≦D≦1)とする)が0.4以上0.8
以下であり、かつ前記周期的吸収層の厚さが6nm以上
30nm以下であることを特徴とするものである。
レーザ装置は、前記周期的吸収層の実効的なデューティ
D(ここで、周期的吸収層が存在する層内において、そ
の周期毎の吸収領域の割合をD(0≦D≦1)とする)
が略0.5であることを特徴とするものである。
レーザ装置は、前記周期的吸収層が、一次の次数を有す
る回折格子で形成され、その断面形状が略矩形であるこ
とを特徴とするものである。
レーザ装置は、前記周期的光吸収層の実効的な禁制帯幅
が、前記活性層の実効的な禁制帯幅より小さく、かつ、
前記周期的光吸収層の実効的な禁制帯幅と前記活性層の
実効的な禁制帯幅との差が0.126eV以上であるこ
とを特徴とするものである。
レーザ装置は、前記活性層がバルク状AlxGa1-xAs
で形成され、前記周期的光吸収層がバルク状AlyGa
1-yAsで形成されるとき、x−y≧0.1であること
を特徴とするものである。
誘導放出光に対して一次の次数を有するものであり、こ
のとき、前記周期的吸収層の実効的なデューティDが
0.4以上0.8以下とし、かつ前記周期的吸収層の厚
さが6nm以上30nm以下とすることにより、単一軸
モード発振特性の向上とレーザ光の損失をより小さく抑
えることとの両方が達成されるものである。
実効的なデューティDが略0.5であることにより、単
一軸モード発振特性の向上とレーザ光の損失をより小さ
く抑えることとの両方がより最適に達成できるものであ
る。
が、一次の次数を有する回折格子で形成され、その断面
形状が略矩形であることにより、実効的なデューティが
ほぼ0.5である一次の回折格子のなかで、最も利得結
合を強く生ぜしめることが可能になるものである。
の実効的な禁制帯幅が、前記活性層の実効的な禁制帯幅
より小さく、かつ、前記周期的光吸収層の実効的な禁制
帯幅と前記活性層の実効的な禁制帯幅との差が0.12
6eV以上であることにより、活性層から発生する誘導
放出光に対する周期的光吸収層の吸収係数が、その周期
的光吸収層内の光密度や光エネルギーや不純物密度に依
存することがなくなるものである。
状AlxGa1-xAsで形成され、前記周期的光吸収層が
バルク状AlyGa1-yAsで形成されるとき、x−y≧
0.1であることにより、活性層から発生する誘導放出
光に対する周期的光吸収層の吸収係数が、その周期的光
吸収層内の光密度や光エネルギーや不純物密度に依存す
ることがなくなると同時に、AlzGa1-zAs(0≦Z
≦1)半導体の積層時に重要な因子となる格子定数を一
定に保ったまま、任意の禁制帯幅を選択することが可能
になるものである。
す。図9(a)に見られるように、904と905で示
される2つのレーザ光線を、半導体基板901上に形成
されたホトレジスト902の上に照射すると、903で
示されるような正弦波状の光強度分布を有する周期的な
干渉縞が生る。この縞模様をホトレジストに露光するこ
とで半導体基板901上に周期的な縞模様を有する回折
格子のパターンを転写することができる。干渉縞を用い
て、例えばポジ型のホトレジストを露光する場合、従来
の小さなデューティの回折格子を作製する場合には、図
9(b)中でIBで示されている光強度を閾値露光量と
して露光することよって小さなデューティを持つ回折格
子のパターンを得ることになり、他方、デューティ0.
5の回折格子のパターンを得るためにはIAを閾値露光
量として露光することになる。ここで問題となること
は、現実にはレジストの感度の日毎の変化やプロセス上
のばらつき等により閾値露光量は常に一定値とは限らな
いことであり、IA,IBといった閾値露光量はその値を
中心として±Δの範囲で変動することになる。IAの様
に正弦波状の光分布の中心の露光量を閾値露光量とした
場合、この部分が最もコントラストが高くとれる閾値露
光量であるとともに、IAが±Δの範囲で変動した時の
レジスト幅の変動の割合が最も小さくなる閾値露光量で
あるために最も制御が容易となる。他方、IBの様に正
弦波の谷底付近が閾値露光量の場合、IBが±Δの範囲
で変動したときのレジストパターンの変動量は最も大き
くなり、また、IBが図9(b)における「下方向(つ
まり、IB−Δ)」に変動した場合にはレジストが完全
に消失してしまうという最悪の状態となる危険性を含ん
でいる為に制御が大変難しい。
折格子の実効的なデューティは0.5に制御されている
ことが好ましい。というのも、回折格子のデューティは
0.5が最も作成し易く、尚且つ利得結合が強く生じる
値であるからである。また、この周期的吸収層の実効的
なデューティは0.4以上0.8以下の程度の範囲でば
らついていても、素子間やロット間の実効的なデューテ
ィの中心値または平均値が略0.5であれば実質的に
0.5に制御されていると考えることができる。本願発
明による構成では、従来の0.1〜0.2といった小さ
なデューティとは異なり、回折格子のデューティを0.
5前後の値とすることによって、回折格子の作製が容易
になっており、工業上有効である。
用いた場合には、従来例の中で述べた、単一縦モード発
振特性の向上とレーザ光の損失を小さく抑えることとの
両立を満足させる構造に関して十分に最適化を行う必要
が生じる。ここで、単一縦モード発振特性の程度を示す
指標として、次式
い方が単一縦モード特性が良い)を導入し、また、レー
ザ光の損失の程度を示す指標として、次式
損失αo(αoが小さい方がレーザ光の損失が少ない)を
導入する。単一縦モード性を表すκgと損失を表すαoに
は、図10に示される様な一定の関係がある。(ただ
し、図中では回折格子のデューティは0.5、回折格子
の形状は矩形を仮定している。)回折格子の次数に関し
て着目すると、回折格子の次数が小さい程、単一縦モー
ド性を表すκgを大きくしながら損失を表すαoを小さく
することができ、単一縦モード発振特性の向上とレーザ
光の損失を小さく抑えることとの両立の為には一次の回
折格子が最も望ましいことが分かる。式(1’),
(2)より、αoは周期的吸収層の厚さdabsと共に単調
に増加することになり、図10の横軸は周期的吸収層の
厚さdabsに読み変えることができる。つまり、ある特
定のκg(つまり、ある良好な単一縦モード特性)を得
る為に必要な周期的吸収層の厚さは回折格子の次数によ
って異なり、低次の回折格子ほど吸収層を薄くすること
ができ、吸収層が薄い事によって損失αoが十分に小さ
くなると理解される。よって、請求項1の構成である一
次の回折格子と、薄い範囲の吸収層を用いることで「単
一縦モード発振特性の向上」と「レーザ光の損失を小さ
く抑える」こととの両立が達成される効果が生じること
になる。
囲を実験的に検討したところ、6nm〜30nmの範囲
の十分に薄い周期的吸収層とすることで、上記の効果が
達成される事を確かめた。6nmよりも薄い場合には、
一次の回折格子でも十分なκgが得られなくなるために
単一縦モード発振特性が悪化し、30nmよりも厚い場
合には損失αoが大きくなりすぎるためにレーザ発振に
必要な電流が大幅に増加することになり、不適当であ
る。
B−LDの構造を示す図である。この実施例は、まず、
n−GaAs基板101上にn−Al0.6Ga0.4Asク
ラッド層102を1μm、un−Al0.13Ga0.87As
活性層103を0.08μm、p−Al0.5Ga0.5As
キャリアバリア層104を0.2μm、p−Al0.25G
a0.75As第一ガイド層105を0.058μm、n−
GaAs光吸収層106を12nmを、有機金属気相成
長法を用いた第一回目のエピタキシャル成長により形成
する。続いて、成長層の最上層である光吸収層106上
に、希釈したポジ型レジストを約50nm塗布した後、
屈折率1.54を持つプリズムを通した二光束干渉露光
によってピッチ0.11μmを持つレジストマスクを作
製する。引き続いて塩酸/過酸化水素水/純水の混液に
よるウエットエッチングにより深さ0.03μmの矩形
形状回折格子107を作製する。このときの回折格子の
デューティは、約0.5であった。次にこの上に第二回
目のエピタキシャル成長によりp−Al0.25Ga0.75A
s第二ガイド層108を0.03μm、p−Al0.75G
a0.25As上クラッド層109を0.8μm、p+−G
aAsコンタクト層110を0.5μm、第二回目のエ
ピタキシャル成長により形成する。凹凸をもつ回折格子
の上に、第二回目のエピタキシャル成長によって混晶比
x=0.3以下のAlxGa1-xAsを最初に再成長する
ことによって回折格子が平坦に埋め込まれ、その上に成
長する上クラッド層の結晶性が向上する。
mのストライプ状のレジストマスクを形成し、ウエット
エッチングを用いてp+−GaAsコンタクト層110
とp−Al0.75Ga0.25As上クラッド層109を幅3
μmのストライプ状に残して部分除去し、第二ガイド層
108の最表面をエッチング停止層とすることで深さの
制御性に優れたリッジ構造を作製することができる。リ
ッジ形状を作製した後、表面全面にプラズマCVD法に
より窒化珪素の絶縁膜111を約0.2μm形成した
後、リッジの頂上の絶縁膜だけを除去する。最後に基板
101の裏面を厚さ約100μmにまで薄層化し、表
面、裏面に電極112,113を真空蒸着により形成し
て、素子が完成する。
ード発振が見られた。室温における閾値電流は素子長2
50μmの時に30mA,効率は0.35W/Aと、良
好であった。
-1,αoは55cm-1であり、単一縦モード発振を生じ
る利得結合DFB−LDとして機能するのに十分に大き
なκgと、発振閾値電流が十分に小さくなるだけの小さ
なαoになっていた。
そのままとし、吸収層106の厚さdabsだけを種々の
大きさに変化させた構造を作製し、そのκgとαoを見積
もった結果を図2に示す。κgとαoは共に、dabsの増
加と共に単調に増加する。dabsが6nmよりも薄いも
の、つまりκgが9cm-1よりも小さい素子では、単一
縦モード発振を得ることができなかった為、dabsは少
なくとも6nm以上であることが要求されことがわかっ
た。他方、dabsが30nmよりも厚いもの、つまりαo
が275cm-1を超える素子では、発振閾値電流が50
0mAを超えると共に、効率が0.01W/Aを下回る
低い値に留まり、動作電力が著しく上昇して実用になら
なかった為、dabsは30nm以下にする必要があっ
た。dabsが6nm以上30nm以下の範囲であれば、
吸収性回折格子の厚さが非常に薄いにもかかわらず一次
の回折格子であることからκgとして大きな値を確保す
ることができ、かつ、吸収層厚が薄い為に損失αoが低
く抑さえて小さな電流で動作する構造が実現されること
になる。より最適な値としては、κgとして20cm-1
以上あることが望ましく、αoとしては110cm-1以
下であることが望ましかった。このことから、dabsは
12nm以上20nm以下がより好ましい範囲となる。
造の素子において、二光束干渉露光法による回折格子作
製時に閾値露光量がばらつき、作製された回折格子のデ
ューティが狙いの0.5から変化した素子のκgとαoの
変化の様子を示す。本実施例では回折格子のデューティ
は0.5であったが、たとえ回折格子のデューティが
0.4〜0.8の範囲でばらついたとしても、狙いのκ
g(デューティ0.5で20cm-1)の80%以上の値
が確保され、予め設計された特性をもつ利得結合DFB
−LDとして機能するのに十分である。このことは、本
発明では回折格子のデューティが0.5を中心とする作
製が容易な値であるとともに、作られる素子側でもデュ
ーティが0.4〜0.8の範囲のばらつきが許容されて
制御性に対する要求が緩くなっており、作製方法側・素
子構造側の両面から再現性に優れた構造であることが示
される結果となっている。なお、本実施例では光吸収層
106の導電型が周囲の層と反転しているが、周囲の層
と同じ導電型であっても上記の効果は同じである。
他の構造をそのままにして、従来例に見られる3次の回
折格子を適用した場合、κgを稼ぐ為に吸収層の厚さを
0.06μmにまで厚くする必要がある。図4(a),
(b)に0.06μmの吸収層を有する3次の回折格子
を適用した場合の回折格子のデューティとκg,αoの相
関を示す。吸収層が厚いために過剰なαoの影響が大き
く、最も作製しやすい回折格子のデューティ0.5では
αoが320cm-1にも達する為に実用にはならない。
αoを抑さえるためにデューティを0.1〜0.3付近
に収まる低デューティ構造にする必要がある。この場
合、狙いのκg値(デューティ0.175で20c
m-1)の80%以上の値を確保する為にはデューティを
0.12〜0.25の範囲に制御する必要がある。特に
デューティ0.33付近でκgがゼロにまで落ち込む点
が存在し、作製プロセスの制御性に対する要求が厳しく
なり、再現性に難が生じ、素子間やロット間の回折格子
のデューティのばらつきに弱い構造となってしまう。
関しては、活性層の材料がAl0.14Ga0.86As、光吸
収層の材料がGaAsであり、活性層と光吸収層との禁
制帯幅の差が0.166eVと大きくなっている。その
為に周期的光吸収層の吸収係数が安定し、良好な単一縦
モード特性が再現性良く得られた。
GaAsの吸収係数の光エネルギー依存性を示す。半導
体レーザの場合には添加する不純物密度は5×1017〜
2×1018cm-3程度に制御されており、この範囲にお
けるGaAsに関してはn型,p型の何れの場合におい
ても光エネルギー1.55eV以下ではGaAsの吸収
係数がGaAsに含まれる不純物の密度に大きく依存し
ており、安定した吸収係数が確保されない。さらに、光
エネルギー1.55eV以下ではGaAsの吸収係数が
光エネルギーに大きく依存するため、半導体の混晶から
なる活性層の混晶比が素子間やロット間でばらついた場
合、活性層から発生される誘導放出光のエネルギー(つ
まり波長)が変動し、その為に素子間やロット間で周期
的吸収層の吸収係数がばらつく結果となって素子特性の
再現性に問題が生じる。一方で光エネルギー1.55e
V以上の光に対してはGaAsの吸収係数は不純物密度
や光エネルギーに依存せずにほぼ一定値12000〜1
5000cm-1の大きな値が確保され、素子作製時の再
現性、素子動作の安定性に優れる構造となる。GaAs
の禁制帯幅は1.424eVであることから、活性層と
吸収層との禁制帯幅の差が0.126eV以上あれば上
記の効果が期待できることになる。AlGaAsに限ら
ず、(Al,Ga,In)(P,As,N),(Zn,
Mg,Cd)(S,Se)等を含む他の材料系に対して
も、活性層と光吸収層との禁制帯幅の差が0.126e
V以上あれば同様の効果が生じる。活性層・光吸収層の
うち少なくとも一方が量子井戸構造の場合、最もエネル
ギーが低い量子準位間での遷移エネルギーを実効的な禁
制帯幅とみなすことで上記が成り立つことから、活性層
・光吸収層は量子井戸構造であっても良い。また、本実
施例の様に、Al混晶比を変えることで格子定数を一定
に保ちながら自由に禁制帯幅を選択することができるA
lxGa1-xAs系の材料では、活性層AlxGa1-xAs
と周期的光吸収層AlyGa1-yAsとの混晶比の差x−
yが0.1以上であることが禁制帯幅の差が0.126
eV以上となる条件となり、安定した吸収係数を有する
条件に相当する。なお、本実施例では光吸収層106の
導電型が周囲の層と反転しているが、周囲の層と同じ導
電型であっても上記の効果は同じである。
FB−LDの構造を示す図である。この実施例は、ま
ず、n−GaAs基板601上にn−Al0.55Ga0.45
As第一下クラッド層602を1.0μm、Al0.25G
a0.75Asガイド層603を0.1μm、有機金属気相
成長法による第一回目のエピタキシャル成長により形成
する。成長層の最上層であるガイド層603上に空気中
での二光束干渉露光法とウエットエッチングにより2次
の三角形状回折格子(ピッチ約0.24μm)を作製す
る。次にこの上に図7(a)に示すようにフォトレジス
ト703を二次の三角形状回折格子702の上に形成し
た後、現像液に浸し、(b)図に示す様にレジストの未
感光部の膜減り現象を利用して回折格子のエッチング面
を部分的に露出させてから、(c)図に示す様に第二回
目のウエットエッチングを用いて回折格子の一部分70
4をエッチングし、(d)図に示す様に(a)図に示さ
れた回折格子の半分の周期、つまり一次の周期(ピッチ
約0.12μm)を持つ、深さ約33nmの回折格子7
05を得る。
シャル成長によりn−GaAs光吸収層604を30n
m成長する。このとき光吸収層604は図6中に見られ
るように三角形状の回折格子の谷間だけに結晶成長す
る。この時、光吸収層による吸収性回折格子は三角形状
となる。周期的吸収層が存在する層内において、その周
期毎の吸収領域の割合(体積比)を実効的なデューティ
D(0≦D≦1)であるとすると、一般にDは式(3)
で与えられる。
ューティDはほぼ0.4であった。このような考え方の
もとで、吸収性回折格子のデューティは矩形以外の形状
に対しても定義される。式(3)で与えられる実効的な
デューティDが実質的に0.4〜0.8に制御されてい
ることが本発明の主旨であり、吸収性回折格子の形状に
は限定されない。
l0.45Ga0.55As第二下クラッド層605を0.1μ
m、un−GaAs/Al0.2Ga0.8Asからなる多重
量子井戸活性層606、p−Al0.5Ga0.5As上クラ
ッド層607を1.5μm、p+−GaAsコンタクト
層608を0.5μmを第二回目のエピタキシャル成長
により形成する。
さ0.2μmの酸化硅素の絶縁膜609を蒸着した後、
ホトリソグラフィーとウエットエッチングを用いて絶縁
膜を幅10μmのストライプ状に除去する。最後に基板
601の裏面を厚さ約100μmにまで薄層化し、表
面、裏面に電極610,611を真空蒸着で形成して、
素子が完成する。
00nmを有する単一縦モード発振が見られた。室温に
おける閾値電流は150mAであり、一次の吸収性回折
格子を採用した効果により十分に低い閾値電流でのレー
ザ発振が得られた。
-1,αoは110cm-1であり、単一縦モード発振を生
じる利得結合DFB−LDとして機能するのに十分に大
きなκgと、発振閾値電流が十分に小さくなるだけの小
さなαoとなっていた。
関しては、活性層の材料がGaAs/Al0.2Ga0.8A
sの多重量子井戸、光吸収層の材料がGaAsであり、
活性層の最低量子準位と光吸収層との禁制帯幅の差が
0.126eVと大きくなっていた。その為に周期的光
吸収層の吸収係数が安定し、良好な単一縦モード特性が
再現性良く得られた。
料としたものだけを示したが、吸収係数が周期的に変化
する構造を含む利得結合DFB−LDであれば、その材
料系は上記実施例のものに限定されるものでは無く、
(Al,Ga,In)(P,As,N)や(Zn,M
g,Cd)(S,Se)等を含む他の材料系に対しても
本発明を適用することができることは言うまでもない。
さらに、光伝搬領域に沿ったストライプ状の領域の形状
や作製方法に限定が生じるものでは無い。
との周期が等しく位相がずれている構造や、周期的光吸
収層を光伝搬領域に沿ったストライプ状の領域の外側に
配置する構造に対しても本発明を適用することができ
る。
によれば、良好な単一縦モード特性と十分に小さな吸収
損失を得ることができ、制御性、再現性にすぐれた分布
帰還型半導体レーザを提供することが可能となる。
よれば、良好な単一縦モード特性と十分に小さな吸収損
失を得ることがより最適に行えるため、再現性にすぐれ
た分布帰還型半導体レーザを提供することが可能とな
る。
よれば、一次の回折格子の内、最も利得結合を強く生ぜ
しめることができ、より効率のよい分布帰還型半導体レ
ーザを提供することが可能となる。
よれば、活性層から発生する誘導放出光に対する周期的
光吸収層の吸収係数がその周期的吸収層内の光密度や光
エネルギーや不純物密度に依存せず、その結果、周期的
吸収層による利得結合定数が素子間やロット間で安定
し、素子特性の再現性が向上するものである。
よれば、活性層から発生する誘導放出光に対する周期的
光吸収層の吸収係数がその周期的吸収層内の光密度や光
エネルギーや不純物密度に依存せず、その結果、周期的
吸収層による利得結合定数が素子間やロット間で安定し
すると共に、格子定数のための整合性を考えることな
く、素子特性の再現性が向上するものである。
では、従来低デューティの回折格子が用いられてきた短
波長での周期的吸収層を有する利得結合DFB−LDに
於て、デューティ0.4〜0.8の一次吸収性回折格子
を用い、最適に制御された薄い周期的吸収層を用いるこ
とにより、良好な単一縦モード特性と十分に小さな吸収
損失を得ることができる効果をもたらせる。
デューティとして最も作製しやすく、再現性・制御性に
優れており、さらに、一次の回折格子の場合にはデュー
ティが0.4〜0.8付近まで大きくばらついても素子
の特性には大きな影響はない。つまり、短波長の利得結
合DFB−LDに対して、再現性、素子間・ロット間の
ばらつきに強い構造をもたらせる効果を有する。
DFB−LDに於て、活性層から発生する誘導放出光に
対する周期的光吸収層の吸収係数が、その周期的吸収層
内の光密度や不純物密度や不純物の種類に依存しない材
料からなることから、吸収性回折格子による利得結合定
数が素子間やロット間で安定し、素子特性の再現性が向
上する効果をもたらせる。上記のような材料は、周期的
光吸収層として活性層よりも0.126eV以上実効的
な禁制帯幅が狭い半導体材料を用いることで実現が可能
である。
る。
均吸収損失αoとの相関を示す図である。
次回折格子のデューティと(a)利得結合定数κg,
(b)平均吸収損失αoとの相関を示す図である。
次回折格子のデューティと(a)利得結合定数κg,
(b)平均吸収損失αoとの相関を示す図である。
収係数の光エネルギー依存性を示す図である。
る。
回折格子を作製する方法を説明する図である。
を示す図である。
κg及び平均吸収損失αoとの相関を示す図である。
性層 607 p−AlGaAs上クラッド層 608 p+−GaAsコンタクト層 609 酸化硅素絶縁膜 610 p型用電極 611 n型用電極 701 基板 702 2次回折格子 703 レジスト 704 2次回折格子の一部を再エッチングした部分 705 一次回折格子 801 n−GaAs基板 802 n−AlGaAs下クラッド層 803 un−GaAs活性層 804 p−AlGaAsキャリアバリア層 805 p−AlGaAs第1ガイド層 806 n−GaAs光吸収層 807 三次回折格子 808 p−AlGaAs第2ガイド層 809 p−AlGaAs上クラッド層 810 p−GaAsコンタクト層 901 半導体基板 902 ホトレジスト 903 レーザ光線が干渉したの光強度分布 904,905 レーザ光線
Claims (5)
- 【請求項1】活性層近傍に光分布帰還を与える周期構造
を備え、該周期構造が、前記活性層から発生する誘導放
出光に対する吸収係数が周期的に変化する、周期的吸収
層である利得結合分布帰還型半導体レーザにおいて、 前記周期的吸収層は前記誘導放出光に対して一次の次数
を有するものであり、このとき、前記周期的吸収層の実
効的なデューティD(ここで、周期的吸収層が存在する
層内において、その周期毎の吸収領域の割合をD(0≦
D≦1)とする)が0.4以上0.8以下であり、 かつ前記周期的吸収層の厚さが6nm以上30nm以下
であることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ装置。 - 【請求項2】前記周期的吸収層の実効的なデューティD
(ここで、周期的吸収層が存在する層内において、その
周期毎の吸収領域の割合をD(0≦D≦1)とする)が
略0.5であることを特徴とする請求項1に記載の分布
帰還型半導体レーザ装置。 - 【請求項3】前記周期的吸収層は、一次の次数を有する
回折格子で形成され、その断面形状が略矩形であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の分布帰還型半導体
レーザ装置。 - 【請求項4】前記周期的光吸収層の実効的な禁制帯幅
が、前記活性層の実効的な禁制帯幅より小さく、 かつ、前記周期的光吸収層の実効的な禁制帯幅と前記活
性層の実効的な禁制帯幅との差が0.126eV以上で
あることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の分布
帰還型半導体レーザ装置。 - 【請求項5】前記活性層がバルク状AlxGa1-xAsで
形成され、前記周期的光吸収層がバルク状AlyGa1-y
Asで形成されるとき、x−y≧0.1であることを特
徴とする請求項4に記載の分布帰還型半導体レーザ装
置。
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