JPH08244084A - 射出圧縮成形方法および装置 - Google Patents

射出圧縮成形方法および装置

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JPH08244084A
JPH08244084A JP5452795A JP5452795A JPH08244084A JP H08244084 A JPH08244084 A JP H08244084A JP 5452795 A JP5452795 A JP 5452795A JP 5452795 A JP5452795 A JP 5452795A JP H08244084 A JPH08244084 A JP H08244084A
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mold
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clamping force
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Akio Okamoto
昭男 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現行のトグル機構の成形機を大幅に改造する
ことなく、射出圧力と型締力の圧力制御のみの簡単な制
御で、成形中の成形条件の変動に影響されず安定して良
品を連続的に供給する。 【構成】 油圧式の型締シリンダで駆動させて型締を行
うトグル機構を用い、射出重点工程時に射出機構側であ
らかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出しておきこの収縮
量を加えた樹脂量を金型内に充填可能な射出圧力で射出
圧力制御を行うとともに、型締機構側ではトグル機構が
伸び切らない状態で金型のキャビティ中に充填された樹
脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開
量まで金型が開くことを許容する型締力をあらかじめ金
型に付加させておき、射出充填完了の検知後任意の時点
よりトグル機構の伸び切った状態にして型締力を増圧さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトグル機構が伸び切らな
い状態で金型内に溶融樹脂を充填し、充填された樹脂圧
によって金型が若干開き、その後型締側でトグル機構が
伸び切った状態で圧縮を行うようにした射出圧縮成形方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トグル機構により型締を行う射出成形装
置を用いて射出圧縮成形する場合、 (1)トグル機構が伸び切った状態で型締を完了すると
ともに、この状態で金型に所定の隙間を確保しておく。
そして溶融樹脂を金型内に射出充填後、可動盤あるいは
固定盤に別途付設した圧縮専用の油圧シリンダなどによ
り圧縮を行う。
【0003】(2)トグル式の型締機構では、トグル機
構が伸び切らない状態下で金型に所定の隙間を確保した
状態にするか、あるいは最大型締力以下の比較的小さい
型締力となるように、トグル機構のクロスヘッド位置と
可動盤の変位量(型開量、型締力)の幾何学的関係を用
いてクロスヘッドの位置に換算した設定値に基づく制御
によりトグル機構を停止させて型締を行った後、金型内
に溶融樹脂を射出充填し、その後トグル機構を再駆動に
より伸び切った状態にして圧縮を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の射出圧縮成形で
は、次のような問題があった。まず、 (1)トグル機構が伸び切った状態で型締を完了し、こ
の状態で金型内に溶融樹脂を射出充填する方法では、 トグル機構側には何ら特別な改造を必要としない
が、トグル機構とは別に圧縮専用の油圧シリンダなどが
必要なため、成形機の複雑・コスト高を招く。 型開量の適正値の設定が難しく、その上、圧縮開始
タイミング設定との整合性を必要とする。また、射出側
と圧縮側との同期制御が必要であることを考えれば、駆
動部が大型化するに伴い制御のソフト面とハード面から
高度化が要求されるため複雑となり、成形の操作性を著
しく低下させることになるといった問題がある。
【0005】(2)トグル機構の幾何学的関係により、
型開量や型締力をクロスヘッド位置に換算した設定値で
型締を制御する方法では、 前記(1)のようにトグル機構とは別に圧縮専用
の油圧シリンダなどを必要としないもののトグル機構の
クロスヘッド位置と可動盤の変位量、換言すれば型開量
や型締力の幾何学的関係は、取付ける金型の厚さに応じ
た型厚設定値と金型の大きさに応じて型締完了時の最大
発生型締力を増減させるダイハイト調整値の組合せによ
って関係式は無限大に存在するため、使用する金型毎に
幾何学的関係に基づいて計算しなければならず操作性は
極めて悪く非実用的である。
【0006】 仮に、上記トグル機構の幾何学的関係
をプログラミングし自動演算処理させる手段を組込ん
で、無限大に近い種々の変数の組合せ数を演算処理によ
って所望の結果を得ようとすると、ソフト・ハードの複
雑でかつ大型化は避けられずコスト高を招き適切でない
といった問題がある。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、本発明の目的は、現行のトグル機構の成形機を大
幅に改造することなく、射出圧力と型締力の圧力制御の
みの簡単な制御で、成形中の成形条件の変動に影響され
ず安定して良品を連続的に供給することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、油圧式の型締シリン
ダで駆動させて型締を行うトグル機構を用い、射出充填
工程時に射出機構側であらかじめ樹脂の冷却固化収縮量
を算出しておき、この収縮量を加えた樹脂量を金型内に
充填可能な射出圧力で射出圧力制御を行うとともに、型
締機構側では前記トグル機構が伸び切らない状態で金型
のキャビティ中に充填された樹脂圧によって前記樹脂の
冷却固化収縮量に相当する型開量までタイバが伸延する
ことによって金型が開くことを許容する型締力をあらか
じめ金型に付加させておき、射出充填完了の検知後任意
の時点よりトグル機構を伸び切った状態にして型締力を
増圧させるようにし、第2の発明では射出圧力制御を射
出充填開始から射出充填完了までを充填可能な1次圧の
圧力制御で行い、収縮量を残さずに充填するようにし
た。
【0009】また、第3の発明では、あらかじめ金型に
付加させた型締力を、タイバに組込んだ型締力検出部を
用いて検出し、前記型締力検出部からの検出信号が設定
型締力に達した時のトグル機構と連結している型締シリ
ンダのストロークを検知してその位置を保持するように
型締シリンダの油圧を制御し、第4の発明では、射出充
填完了を射出機構の射出駆動力が急激に上昇し始めた時
点とし、前記射出駆動力の変化により起動するタイマの
タイムアウト信号に基づいて型締力の増圧を開始するよ
うにした。
【0010】さらに、第5の発明では、射出充填完了を
射出機構の射出駆動部の移動が停止した時点とし、前記
射出駆動部の停止位置より起動するタイマのタイムアウ
ト信号に基づいて型締力の増圧を開始するようにし、第
6の発明では、射出充填量設定手段と射出圧力設定手段
を備え、前記2つの設定手段に基づいて射出充填を行う
射出制御部と、前記射出充填によって樹脂の冷却固化収
縮量に相当する型開量までタイバが伸延することによっ
て金型が開くことを許容する型締力を設定する型締力設
定手段と、型締シリンダのストロークを検知する型締シ
リンダストロークセンサと、型締工程における型締力の
検知をタイバに組込まれた型締力検出部で行い、前記型
締力設定手段の設定値と前記型締力検出部の検出信号を
比較してトグル機構を連結している型締シリンダのスト
ロークを制御して型締を行う型締制御部を具備するとと
もに、射出機構の射出駆動力が急激に上昇し始めた時、
あるいは射出駆動部の移動が停止した時に射出充填完了
信号を発生させる射出充填完了検出部と、前記射出充填
完了検出部からの検出信号に基づいて起動するタイマ
と、圧縮工程における型締増圧開始時間を設定する時間
設定部と、前記時間設定部の設定値と、前記タイマのタ
イムアウト信号を比較して前記型締制御部へ増圧信号を
発生させる比較制御部を有する構成とした。
【0011】
【作用】射出充填工程時は充填可能な圧力制御とするこ
とで充填初期には金型のキャビティ内の樹脂流動抵抗が
小さいため高速充填となり、充填後期には樹脂流動抵抗
が大きくなるため充填速度は自然減速されるため、樹脂
充填中は自動的に連続的な速度勾配を有し、かつパック
圧を生じない理想的な自然充填流れ(ナチュラルフロ
ー)となり得る。また、樹脂の冷却固化収縮量を加えた
樹脂量を充填し、かつタイバが伸延することによって冷
却固化収縮量に相当する型開量まで許容する型締力とす
ることで、トグル機構は伸び切る一歩手前の状態である
ためトグル機構の倍力特性により溶融樹脂の射出充填圧
によって可動盤が後退することはない。さらに、射出充
填完了時においても、金型へ樹脂はほぼ満充填(ジャス
トパック)の状態であるため、金型内の樹脂流速の不連
続に起因するフローマークなどの欠陥発生の影響を全く
受けない。
【0012】また、型締力の検知をタイバに組込んだ型
締力検出部で行っているので、型厚設定、ダイハイト調
整の影響を全く受けず高精度な型締力が直接検出でき
る。射出充填中および圧縮工程切替時においても、金型
に適正型締力を付加させているため、成形中の成形条件
の変動が生じたとしても、型締力すなわち、タイバの伸
延挙動がバネのような弾性的な作用として働くといった
柔軟性を持つ。圧縮工程において、射出充填完了を検知
してから型締圧力を増圧させているので射出側と型締側
との連動が避けられるため成形機を大型化しなくてよ
い。また、型締圧力の増圧切替えに際しても初期に設定
した適正型締力の付加による射出充填で伸延したタイバ
の弾性回復力の作用により増圧切替直前まで樹脂の冷却
固化収縮に対応した圧縮作用が継続されるために、従来
行われてきた増圧切替の複雑かつ高度なタイミング制御
が不要となる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明に係る射出圧縮成形方法およ
び装置について図面を用いて詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係る射出成形機の制御図、
図2はトグル式型締装置におけるタイバ伸び量と設定型
締力の関係図、図3は金型の型開量と型締力の関係図、
図4は射出装置の射出充填開始から射出充填完了までの
射出充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の状
態を示す説明図である。
【0015】本実施例における射出成形装置100は、
トグル式型締装置50、射出装置40および制御部60
から構成されている。
【0016】図1はトグル式の型締装置50を備えた射
出成形装置100を示し、中心線より上半分はトグル機
構6が伸び切っていない状態を示し、中心線より下半分
はトグル機構6が伸び切った状態を示している。図1に
おけるトグル式型締装置50は、リンクハウジング1、
固定盤(固定プラテン)2、可動盤(可動プラテン)
3、金型4(固定金型4bおよび可動金型4a)、キャ
ビティ5、トグル機構6、クロスヘッド7、型締シリン
ダ(ダイロックシリンダ)8、ピストンロッド9および
ガイドロッド10より構成される。
【0017】ダブルトグル式の型締装置50を備えた射
出成形装置100では、図1に示すように、可動盤3と
リンクハウジング1との間に3つのトグルリンク6a、
6b、6cからなる上下一対のトグル機構6を備え、リ
ンクハウジング1の外端面の略中心部に型締シリンダ
(ダイロックシリンダ)8を装着し、型締シリンダ8の
ピストンロッド9の先端をクロスヘッド7に連結し、該
クロスヘッド7を進退自在に挿通したガイドロッド10
に沿って前後進させるとともに、該クロスヘッド7を介
して前記トグル機構6を作動させ、固定盤2に対して可
動盤(可動プラテン)3を移動して型締動作を行うよう
になっている。符号11はタイバを示す。
【0018】次に、射出装置40について述べる。本実
施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ4
2が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾーン、
圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにおいて
溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44内へ
射出されるように構成されている。
【0019】そして、バレル41の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料がスクリュ42の回転によって前方へ送られるように
なっている。
【0020】符号46は射出シリンダ、47は正逆転用
モータであってスクリュ42に直結されており、スクリ
ュ42を正逆回転するようになっている。
【0021】次に、制御部60について述べる。制御部
60は射出充填量設定手段61、射出圧力設定手段6
2、射出制御部63、油圧制御弁64、型締力設定手段
65、型締制御部66、油圧制御弁67、油圧供給源6
8a、68b、射出充填完了検出部69、タイマ70、
時間設定部71、比較制御部72、型締力検出部73、
型締シリンダストロークセンサ74および圧力センサ7
5から構成されている。
【0022】射出充填量設定手段61と射出圧力設定手
段62が射出制御部63に接続され、射出制御部63は
射出シリンダ46の動作を制御する油圧制御弁64と正
逆転用モータ47の動作を制御する図示しない制御装置
および型締制御部66にそれぞれ接続されている。
【0023】型締制御部66は型締シリンダ8の動作を
制御する油圧制御弁67に接続されている。なお、68
a、68bは簡略化した油圧供給源である。
【0024】射出シリンダ46に取付けてある圧力セン
サ75あるいは速度センサと射出充填完了検出部69が
接続されており、射出充填完了検出部69はタイマ70
へ接続される。時間設定部71とタイマ70は比較制御
部72を介して接続され、比較制御部72は型締制御部
66に接続されている。
【0025】また、型締工程における型締力の検知とタ
イバ11に組込まれた型締力検出部73と型締力設定手
段65は前記型締制御部66に接続されている。
【0026】型締シリンダ8のピストンロッド9途上の
反クロスヘッド7側には型締シリンダストロークセンサ
74が配設されており、設定型締圧に達した時の型締シ
リンダ8のストロークを検知して、その位置を保持する
ことにより型締シリンダ8の動作を固定させるための手
段として用いる。
【0027】以上のように構成された射出圧縮成形装置
の作用について述べる。
【0028】まず、固定金型4bと可動金型4aで画成
されるキャビティ5容積に樹脂物性に係り算出される樹
脂の冷却固化収縮量を加えた樹脂量を計量値として射出
充填量設定手段61で設定するとともに、キャビティ5
内へ充填可能でバリを発生しない射出充填圧力範囲から
射出効率の最もよい射出圧力条件を射出圧力値として射
出圧力設定手段62で設定する。
【0029】同時に、設定した計量値および射出圧力値
と、キャビティ5容積およびキャビティ投影面積から射
出充填完了時に樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開量
まで射出充填挙動によってタイバが伸延することによ
り、可動金型4aが固定金型4bに対して離間すること
を許容する型締力値を型締力設定手段65で設定する。
【0030】この場合、トグル機構6は伸び切らない状
態であり、図2を用いてタイバ伸び量と設定型締力の関
係について詳しく説明する。
【0031】すなわち、トグル式型締装置50における
型締力の発生原理は、トグル機構6を駆動させて可動盤
3を前進させ、可動金型4aと固定金型4bがタッチし
た状態(この時、トグル機構6は未だ伸び切っていな
い、K0 値)からさらに可動盤3を固定盤2側へ押圧さ
せてタイバ11を伸延させることによって(型締シリン
ダ8を前進させる)型締力が発生する。そして、トグル
機構6が最も伸び切った状態で型締力は最大値(ただ
し、金型保護のため金型サイズによりキャビティ投影面
積に応じた型締力値にダイハイト調整した場合、Kma
x値)を示し、この時、タイバ11は最大値(△lma
x値)まで伸びていることになる。
【0032】このタイバ11が伸びることを利用して射
出圧縮成形を行う場合、タイバ11の最大許容伸び量
(△lmax値)が、射出充填圧による型開量の調整可
能な範囲となる。
【0033】ここで、射出充填完了時の樹脂の冷却固化
収縮量に相当する型開量をS値とすると、最大型締力K
max値よりも小さい型締力Ks値になるように型締力
を設定すれば型開量S値を確保することができる。な
お、この状態においても、トグル機構6は最も伸び切っ
た状態(直線状態)に極めて近い状態であるため射出充
填圧によって可動盤3が後退することは皆無である。
【0034】さらに、射出充填完了時に溶融樹脂がほぼ
満充填されている状態(ジャストパック)を適正型締力
値とするが、この状態を図3を用いて詳細に説明する。
図3は計量値および射出圧力値が一定条件下で射出充填
を行った際に型締圧力値を変化させた時の固定金型4b
に対する可動金型4aの離間量、すなわち型開量との関
係を示す。
【0035】図3中ないしは実験によって得られた
データをグラフ化したものであり、このデータにより次
のような知見を得た。すなわち、の場合は、250L
×300W×50H×2t(投影面積750cm2 )の
箱物を成形品として得るものであり、キャビティ5面は
比較的フラットで箱の側面に縦リブがあるような、例え
ばパソコンケースや書類ケースの成形をする場合を示
す。
【0036】の場合はキャビティ5面はフラットでリ
ブ構造でなく薄物などの極めて平面状の、例えばレンズ
やディスクなどのような成形品を成形する場合を示す。
の場合は、キャビティ5面は複雑形状をなし全体的に
複雑形状、大物形状、厚肉形状の、例えばインパネやバ
ンパーなどのような成形品を成形する場合を示す。
【0037】前述したように図3中〜については、
型締圧力値を低圧から高圧へ増加させるにつれて型開量
は小さくなるとともに、を基準として左右に平行移動
した傾向を呈しており、型締圧力を増加する過程で突然
型開量の減少率が低下する変曲点(図3中のA、A′、
A″)が現れることが判明した。
【0038】このような実験結果をを代表して説明す
ると、変曲点Aよりも型締圧力値が小さいB領域では、
射出充填中の樹脂流動の運動エネルギによって可動金型
4aが固定金型4bより大きく離間するため、射出充填
完了時には充填した樹脂とキャビティ5間に大きな隙間
が生じる結果となった。
【0039】このような状態では、射出充填完了から圧
縮工程へ移行する際に樹脂の流動速度が不連続となり、
その結果フローマークなどの欠陥が発生する。このよう
な不良品を生ずるような原因を排除しようとすると射出
工程と圧縮工程を連動させるなどの極めて制御の難しい
成形方法が要求される。
【0040】逆に、変曲点Aよりも型締圧力値が大きい
C領域では、射出充填中の樹脂流動の運動エネルギを可
動金型4aが固定金型4bに対して相対移動をすること
なく吸収できるため、射出充填完了時には樹脂はキャビ
ティ5内へ満充填(ジャストパック)されていた。
【0041】また、前述したC領域であれば圧縮工程へ
移行する際にも樹脂の再流動が生じないためフローマー
クなどの欠陥の発生はなく、射出工程と圧縮工程を連動
させながら制御することは不必要となる。
【0042】以上のような結果を踏まえて、本実施例で
はC領域に選定した。すなわち、C領域においても型締
圧力値が大きい領域は、結果的にはキャビティ5内の樹
脂圧力が高くなり、射出圧縮成形における利点の1つで
あるキャビティ5内の樹脂圧力の低圧化が達成されなく
なるので成形品の形状や樹脂の物性などから適正と判断
されるキャビティ5内の樹脂圧力の許容最大値から型締
圧力値の最大値(上限値)を規定し、下限値は変曲点の
A点に相当する型締圧力値との範囲、すなわちD領域を
適正な型締圧力値とした。
【0043】さらに、射出充填に伴う型開挙動はタイバ
11が伸びることにより与えられる結果であり、タイバ
11が伸びた分だけ設定型締力は同じであるが、実際に
金型に負荷される型締力は増加する傾向を示すことによ
り、射出充填圧と型開量および型締力の相互関係が自動
的にバランスをとる方向へ作用することが判った。すな
わち、トグル式型締装置50においては適正型開量の設
定に際し、適正型締力値の条件設定を多少ラフに行って
もタイバ11が伸びることによる型締力の自動バランス
補正により、直圧式型締装置の場合と比較して、成形制
御が容易となる利点も得られた。
【0044】なお、前述した適正型締圧力値の設定に際
しては、図3に示すように型開量で定義したが、成形後
の成形品の品質検査によりフローマークなどの欠陥発生
の有無を判定した上で変曲点Aを求めることも可能であ
る。
【0045】以上述べたように初期設定を完了すると、
次は成形動作に入るのである。図4を用いて説明する。
【0046】(1)型締力設定手段65で設定した適正
型締力の設定値に基づいて、型締制御部66は型締シリ
ンダ8の動作を制御して型締(1次圧)を行う。型締動
作中の型締力の検知はタイバ11に組込まれた型締力検
出部73で行う。そのメリットは、 トグル機構6の型締力の発生原理であるタイバ11
の伸延(応力)挙動を直接計測しているので最も計測精
度は高い。 従来のトグル機構6の幾何学的関係に基づいて算出
する方法の場合の欠点(無限大に近い演算プログラムの
蓄積、あくまでも演算推定による精度の抵さ)は皆無で
ある。 金型取付部とは無関係の位置なので、取扱性が極め
て良好。などである。
【0047】(2)型締力検出部73からの検出信号と
型締力設定手段65の設定値が一致したら型締シリンダ
8の動作を固定させる。その手段としては、 本実施例で示すように設定型締圧に達した時の型締
シリンダ8のストロークを型締シリンダストロークセン
サ74で検出して、その位置をキープするように型締シ
リンダ8油圧を制御する(型締シリンダ位置保持制
御)。 また、別の方法として、設定型締圧を保持するよう
に型締シリンダ8油圧を制御する(型締圧力保持制御)
方法でも同様の効果が得られる。
【0048】なお、上記はトグル機構の特性(型締シ
リンダストロークが1mm程度変動しても可動盤の変動
は1/10mm以下であり、したがって、型締力にほと
んど影響しない)により、極めて高精度な型締力制御が
容易にできる。
【0049】(3)一次型締完了後、射出充填動作に入
る。
【0050】射出充填量設定手段61、射出圧力設定手
段62で設定した樹脂計量値、射出充填圧力の設定値に
基づいて射出制御部63は、充填可能な1圧の圧力制御
で射出充填を行う。すなわち、射出初期にはキャビティ
5内の流動抵抗が小さいので高速充填となり、射出後期
にはキャビティ5内の流動抵抗の増加に伴い、充填速度
は自然減速し、その結果連続的な速度勾配を有し、かつ
パック圧を発生しない理想的な自然充填流れ(ナチュラ
ルフロー)となる。
【0051】さらに、射出充填工程時には射出シリンダ
46の圧力制御よりスクリュ42が前進限に至るまでの
いわゆるクッション量を残さない射切り状態に射出制御
される。こうすることにより、後述する射出充填完了の
確認のための検知が極めて容易かつ正確となる上に計量
および射出充填制御も簡単となる。
【0052】また、射切り状態であっても、ノズル44
内からキャビティ5までの通路中には溶融樹脂が設定射
出圧力を有した状態で充満されているため逆流すること
はない。なお、クッション量を残した射出充填も可能で
あるが、この場合には射出側における保圧設定値を充填
完了後に可動金型4aが動かないようにする必要があ
る。
【0053】(4)射出充填に対応してタイバ11が伸
びることによって可動金型4aは固定金型4bに対して
離間する方向へ後退(型開き)する。射出充填完了時に
は型開量は最大となり、キャビティ5内へは溶融樹脂は
ほぼ満充填(ジャストパック)状態であることと、適正
型締力の付加によるタイバ11の伸延挙動があたかもバ
ネのように弾力的に作用していることから、射出工程か
ら圧縮工程への切替に際してもフローマークなどの欠陥
発生の心配は皆無となるため、特別な切替タイミング制
御は不要となる。
【0054】さらに、タイバ11の伸延挙動が弾力的に
作用していることで成形中に樹脂温度などの成形条件が
変動しても変動を吸収する働きとして作用するために品
質のバラツキは皆無となる。
【0055】(5)次に射出充填完了後は型締機構側で
圧縮工程を行う。ここで、射出充填完了したかどうかの
確認の検知は前述した射切り状態において射出シリンダ
46内の作動油圧値の変化、あるいは射出ピストン48
の前進動作(射出速度)の変化により求まる。
【0056】すなわち、射出充填開始から射出完了直前
までは射出充填圧力が一定となるようにスクリュ42の
前進動作と合せて射出シリンダ46内の作動油圧値は一
定に制御されているために射出完了時、すなわちスクリ
ュ42が前進限に達するとスクリュ42の前進動作は停
止し、射出シリンダ46内の作動油圧値は一時的に急激
に上昇する。したがって、射出シリンダ46内の作動油
圧値を検出することにより射出充填完了が正確に検知で
きる。
【0057】しかしながら、これに限定するものでなく
スクリュ42の前進動作あるいは射出ピストン48の前
進動作を停止した時を射出充填完了として検知してもよ
い。さらに、前記のような射出充填完了を確認検知する
方法を組合せて使うことも可能である。
【0058】(6)こうして射出充填完了検出部69で
射出充填完了を検知するとタイマ70が起動して圧縮工
程を制御するのである。ここで、時間設定部71にあら
かじめ型締増圧(2次型締圧力)開始時間と計量開始時
間および保圧冷却時間を入力させておく。計量開始はゲ
ートシールをする時間を基準とし、シャットオフバルブ
が組込まれている成形機ではシャットオフバルブ閉動作
完了時間を基準として設定する。
【0059】また、保圧冷却時間は樹脂温度、金型冷却
能力および成形品形状などにより樹脂の冷却固化時間を
算出し、保圧冷却時間(圧縮完了時間)として設定す
る。型締増圧開始は計量開始時間設定と同じとすること
により、型締増圧による金型キャビティ5から射出側へ
の樹脂の逆流を防ぐことができる。
【0060】なお、射出充填完了と同時に型締増圧開始
を行う必要が生じた時には射出完了後、射出シリンダ4
6の圧力設定を設定型締力(2次圧)に応じて増圧させ
ておけば(射出シリンダ46位置は前進限のまま)同様
な樹脂逆流の効果が得られる。
【0061】(7)ここで射出充填完了から型締増圧開
始までに若干のタイムラグが生じることになるが、初期
に設定した1次型締力が継続して付加されているので射
出充填によって伸延されたタイバ11の弾性回復力によ
る樹脂への圧縮作用は連続的にかつ樹脂の冷却固化収縮
に対応して継続されており、その結果、タイムラグに起
因する欠陥の発生は皆無となるのである。さらに、増圧
開始の複雑かつ高度なタイミング制御は不要となるとと
もに、増圧開始設定も極めて容易に設定できる。型締増
圧は、型締シリンダ8に圧油を供給させて、トグル機構
6を再駆動させて行う。
【0062】(8)タイマ70のタイムアウト信号と時
間設定部71の設定値を比較制御部72で比較して各々
の設定値に達していることが判明すると計量開始信号を
射出制御部63へ出力し、また型締増圧開始信号と圧縮
完了信号を型締制御部66へ出力して型開きに引続き製
品取出しを行った後次の成形動作に入る。
【0063】(9)なお、型締増圧後の型締力(2次型
締圧力)値は成形品の転写性をアップさせる目的で付加
させるのであって、1次型締圧力と成形機の最大型締圧
力間の型締圧力範囲の中で、例えば成形後の成形品の転
写性を評価して必要最小型締力値を型締力設定手段65
で求めることもできる。
【0064】また、2次型締力と1次型締力の設定値を
同一とすることも可能であり、この場合においては圧縮
工程はタイバ11の弾性回復力のみによって付加される
こととなり、特に成形品の残留歪を低減させて、変形の
極めて少ない高品質の成形品を得る場合に高い効果が期
待される。
【0065】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明においては 射出充填工程および圧縮工程は射出圧力と設定型締
力の圧力制御のみの簡単な制御方法でよいため操作性は
極めて容易となる。さらに圧力制御であるため、成形中
の圧力以外の成形条件の変動に影響されることなく高品
質な成形品を安定して供給することができる。 また、射出充填可能な射出圧力制御とすることで、
製品形状に応じた連続的な速度勾配を有し、パック圧発
生のない、かつ短時間充填が可能な理想的な射出充填制
御が極めて簡単に自動設定できるため、制御の操作性が
極めて容易である。 射出充填完了時においても、溶融樹脂はジャストパ
ック状態であるため、樹脂流れの不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生が皆無となり、その結果、射出
充填工程から圧縮工程切替に際しての極めて高度なタイ
ミング制御が不要となるため、さらに制御の操作性を簡
単とすることができる。 圧縮工程における型締増圧開始制御においても、射
出充填工程から圧縮工程切替および型締増圧開始まで、
連続的かつ流動的に型締側からの圧縮作用が樹脂の冷却
固化に対応して付加されているため、高度な型締増圧タ
イミング制御が不要となり、その結果、制御システムは
極めてシンプルとなり、成形機の低コスト化によって生
産性が大幅にアップする。 射出充填制御は射出圧力制御とするとともにクッシ
ョン量を残さずに充填することにより、射出充填完了検
知は簡単かつ正確に検出できることと、型締増圧開始制
御が簡単にできることと合せて、射出充填完了以降の圧
縮工程および計量開始などの制御はタイマによる簡単な
制御で可能となり、高品質な成形品を極めて容易な操作
で得ることができる。 型締力の検知を、トグル式型締機構の型締力の発生
原理であるタイバ部で直接行っているため、計測精度が
極めて高く、いかなる条件の金型サイズあるいは型締力
設定に対して対応可能であるために、制御の操作性・精
度が極めて良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形機の制御図である。
【図2】トグル式型締装置におけるタイバ伸び量と設定
型締力の関係図である。
【図3】金型の型開量と型締力の関係図である。
【図4】射出装置の射出充填開始から射出充填完了まで
の射出充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 リンクハウジング 2 固定盤 3 可動盤 4 金型 4a 可動金型 4b 固定金型 5 キャビティ 6 トグル機構 7 クロスヘッド 8 型締シリンダ 9 ピストンロッド 10 ガイドロッド 11 タイバ 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 43 ホッパ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 射出ピストン 50 トグル式型締装置 60 制御部 61 射出充填量設定手段 62 射出圧力設定手段 63 射出制御部 64 油圧制御弁 65 型締力設定手段 66 型締制御部 67 油圧制御弁 68a、68b 油圧供給源 69 射出充填完了検出部 70 タイマ 71 時間設定部 72 比較制御部 73 型締力検出部 74 型締シリンダストロークセンサ 75 圧力センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧式の型締シリンダで駆動させて型締
    を行うトグル機構を用い、射出充填工程時に射出機構側
    であらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出しておき、こ
    の収縮量を加えた樹脂量を金型内に充填可能な射出圧力
    で射出圧力制御を行うとともに、型締機構側では前記ト
    グル機構が伸び切らない状態で金型のキャビティ中に充
    填された樹脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量に相
    当する型開量までタイバが伸延することによって金型が
    開くことを許容する型締力をあらかじめ金型に付加させ
    ておき、射出充填完了の検知後任意の時点よりトグル機
    構を伸び切った状態にして型締力を増圧させるようにし
    たことを特徴とする射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出圧力制御を射出充填
    開始から射出充填完了までを充填可能な1次圧の圧力制
    御で行い、収縮量を残さずに充填することを特徴とする
    射出圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のあらかじめ金型に付加さ
    せた型締力を、タイバに組込んだ型締力検出部を用いて
    検出し、前記型締力検出部からの検出信号が設定型締力
    に達した時のトグル機構と連結している型締シリンダの
    ストロークを検知してその位置を保持するように型締シ
    リンダの油圧を制御することを特徴とする射出圧縮成形
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の射出充填完了を射出機構
    の射出駆動力が急激に上昇し始めた時点とし、前記射出
    駆動力の変化により起動するタイマのタイムアウト信号
    に基づいて型締力の増圧を開始するようにしたことを特
    徴とする射出圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の射出充填完了を射出機構
    の射出駆動部の移動が停止した時点とし、前記射出駆動
    部の停止位置より起動するタイマのタイムアウト信号に
    基づいて型締力の増圧を開始するようにしたことを特徴
    とする射出圧縮成形方法。
  6. 【請求項6】 射出充填量設定手段と射出圧力設定手段
    を備え、前記2つの設定手段に基づいて射出充填を行う
    射出制御部と、前記射出充填によって樹脂の冷却固化収
    縮量に相当する型開量までタイバが伸延することによっ
    て金型が開くことを許容する型締力を設定する型締力設
    定手段と、型締シリンダのストロークを検知する型締シ
    リンダストロークセンサと、型締工程における型締力の
    検知をタイバに組込まれた型締力検出部で行い、前記型
    締力設定手段の設定値と前記型締力検出部の検出信号を
    比較してトグル機構を連結している型締シリンダのスト
    ロークを制御して型締を行う型締制御部を具備するとと
    もに、射出機構の射出駆動力が急激に上昇し始めた時、
    あるいは射出駆動部の移動が停止した時に射出充填完了
    信号を発生させる射出充填完了検出部と、前記射出充填
    完了検出部からの検出信号に基づいて起動するタイマ
    と、圧縮工程における型締増圧開始時間を設定する時間
    設定部と、前記時間設定部の設定値と、前記タイマのタ
    イムアウト信号を比較して前記型締制御部へ増圧信号を
    発生させる比較制御部を有することを特徴とする射出圧
    縮成形装置。
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JP2014177131A (ja) * 2010-06-25 2014-09-25 Nissei Plastics Ind Co 射出成形機の成形方法

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