JPH08246996A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JPH08246996A
JPH08246996A JP4857495A JP4857495A JPH08246996A JP H08246996 A JPH08246996 A JP H08246996A JP 4857495 A JP4857495 A JP 4857495A JP 4857495 A JP4857495 A JP 4857495A JP H08246996 A JPH08246996 A JP H08246996A
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damper
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Tomoji Matsukawa
智二 松川
Shigeki Tojo
重樹 東條
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射ノズル1の弁性能を十分チェックで
きるようにして製品品質のばらつきを防止でき、且つダ
ンパ特性を正確に調整し易い燃料噴射ノズル1を提供す
る。 【構成】 ノズルボディ2とノズルホルダ3との間に、
プレッシャピン8を摺動自在に収容する摺動孔33およ
びダンパ室32を形成したチップパッキン7を配し、プ
レッシャピン8の絞り部43よりもダンパ室32側に形
成した環状溝44および切欠部45によりダンパ室32
と第2バネ室18とを連通させるようにした。そして、
ニードル4が着座する側に移動する際に、ニードル4の
リフト量がプレリフト量PLと絞り部43と摺動孔33
の内壁との重なり寸法Lとの和の量だけ移動した際に、
ダンパ室32を閉塞することによりダンパ効果にてニー
ドル4の着座時のバウンスを低減するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関に取り付け
られる燃料噴射ノズルに関するもので、特にニードルが
着座するときに発生する振動等を抑制するダンパ室を備
えた燃料噴射ノズルに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開昭59−1904
72号公報においては、ニードルの下降時に、ニードル
がノズルボディに着座することにより発生する騒音や振
動の抑制と、ニードルの着座に伴う圧力波による2次噴
射の低減のために、ノズルボディとニードルとの間にダ
ンパ室を形成した燃料噴射ノズル(以下従来の技術と呼
ぶ)が提案されている。
【0003】この従来の技術は、ニードルの外周に、ニ
ードルが噴射孔を開く側に変位している時にダンパ室内
の容積を拡大し、ニードルが噴射孔を閉じる側に変位し
ている時にダンパ室内の容積を縮小する階段状の絞り部
を一体成形している。そして、従来の技術は、ニードル
の外周とノズルボディの内周との径差およびニードルの
絞り部とノズルボディの内壁との重なり寸法でダンパ特
性が決められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
において、ニードルの絞り部とノズルボディの内壁との
重なり寸法は、ニードルのテーパ部およびノズルボディ
のテーパ部(シート部)を基準にして絞り部までの軸方
向長さを測定しなければならなかった。したがって、ニ
ードルの絞り部とノズルボディの内壁との重なり寸法を
容易に求めることができなかったので、ダンパ室のダン
パ特性を正確に調整し難いという問題が生じている。
【0005】また、従来の技術においては、ニードルと
一体的にダンパが構成されているため、ニードルの移動
量がフルリフト量からノズルボディに着座するまでの
間、常にダンパ効果が発生するようになっている。この
結果、例えばシュナール特性等の弁性能のチェックが困
難となり、製品品質がばらつくという問題が生じてい
る。
【0006】この発明の目的は、ダンパ特性を正確に調
整し易い燃料噴射ノズルを提供することにある。また、
ノズルボディおよびニードルの弁性能を十分チェックで
きるようにして、製品品質のばらつきを防止することの
できる燃料噴射ノズルを提供することにある。さらに、
ニードルがノズルボディに着座することにより発生する
騒音や振動を抑制でき、且つニードルの着座に伴う圧力
波による2次噴射を低減することのできる燃料噴射ノズ
ルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、燃料を噴射
する噴射孔を設けたノズルボディと、このノズルボディ
内に摺動自在に収容され、燃料の供給圧力に応じて前記
噴射孔を開く側に移動するニードルと、前記ノズルボデ
ィを支持するノズルホルダと、このノズルホルダ内に収
容され、前記ニードルを前記噴射孔を閉じる側へ付勢す
る第1付勢手段と、前記ノズルホルダ内に収容され、前
記ニードルの移動量がプレリフト量より大きい時に前記
ニードルを前記噴射孔を閉じる側へ付勢する第2付勢手
段と、前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの間に配
され、前記ノズルボディとの間に前記ニードルを燃料と
共に収容するダンパ室を形成すると共に、前記ダンパ室
に臨むノズルボディ側端面とノズルホルダ側端面とを貫
通する摺動孔を設けたパッキンと、このパッキンのノズ
ルボディ側端面より前記ダンパ室内に突出した状態で前
記摺動孔内に摺動自在に収容され、前記ニードルの移動
量がプレリフト量より大きい時に前記ニードルと連動し
て移動すると共に、前記パッキンのノズルホルダ側端面
からノズルボディ側端面へ向かう前記摺動孔の内壁との
間で所定の重なり寸法を持ち、前記ダンパ室内の燃料の
移動を制限する絞り部、およびこの絞り部よりも前記噴
射孔側に、前記ダンパ室と前記ノズルホルダ側端面とを
連通させる連通路を有するプレッシャピンとを備えた技
術手段を採用した。
【0008】
【作用】この発明によれば、ノズルボディ内に高圧燃料
が供給されて、ノズルボディ内の燃料の供給圧力が第1
付勢手段の付勢力より大きくなると、ニードルが噴射孔
を開く側へ移動する。このニードルの移動量がプレリフ
ト量に到達すると、ニードルがプレッシャピンに当接
し、且つ第1付勢手段の付勢力に加えて第2付勢手段の
付勢力がプレッシャピンを介して加わる。そして、ノズ
ルボディ内の燃料の供給圧力が第1付勢手段の付勢力と
第2付勢手段の付勢力よりさらに大きくなると、ニード
ルおよびプレッシャピンがさらに噴射孔を開く側へ移動
する。以上のように、噴射孔を開くことにより噴射孔よ
り燃料が噴射される。
【0009】また、ノズルボディ内への高圧燃料の供給
が遮断されて、ノズルボディ内の燃料の供給圧力が第1
付勢手段の付勢力と第2付勢手段の付勢力より小さくな
ると、ニードルおよびプレッシャピンが噴射孔を閉じる
側へ移動する。このとき、プレッシャピンの絞り部がパ
ッキンの摺動孔の内壁と重なるまでの間は、連通路を介
してダンパ室が開放されており、ニードルおよびプレッ
シャピンにはダンパ効果は現れず、ニードルおよびプレ
ッシャピンは素早く噴射孔を閉じる側へ移動する。
【0010】そして、プレッシャピンの絞り部がパッキ
ンの摺動孔の内壁と重なると、連通路によるダンパ室の
開放状態が遮断されるので、ダンパ効果が現れ、ニード
ルとプレッシャピンとの移動速度が遅くなる。そして、
ニードルの移動量がプレリフト量に到達すると、ニード
ルとプレッシャピンとの連動状態が解除されて、ニード
ルのみがダンパ室内の容積を徐々に拡大しながらノズル
ボディに着座する。このとき、連通路によるダンパ室の
開放状態が遮断されているので、ダンパ効果によりニー
ドルがノズルボディにゆっくりと着座して燃料噴射が終
了する。
【0011】
【実施例】次に、この発明の燃料噴射ノズルを、直接噴
射式ディーゼルエンジン用燃料噴射ノズルに適用した実
施例に基づいて説明する。
【0012】〔第1実施例の構成〕図1ないし図4はこ
の発明の第1実施例を示したもので、図1は燃料噴射ノ
ズルの主要部を示した断面図で、図2は燃料噴射ノズル
の全体構成を示した断面図である。
【0013】燃料噴射ノズル1は、直接噴射式ディーゼ
ルエンジンの各シリンダヘッドに取り付けられ、燃料ポ
ンプ(図示せず)によって高圧に加圧された燃料をより
良い着火、燃焼が得られるように霧状に噴射する内燃機
関用燃料噴射ノズルである。この燃料噴射ノズル1は、
ノズルボディ2、ノズルホルダ3、ニードル4、第1コ
イルバネ5、第2コイルバネ6、チップパッキン7およ
びプレッシャピン8等から構成されている。
【0014】ノズルボディ2は、例えばSCM415等
のクロムモリブデン鋼、SCR等のクロムや炭素鋼製で
円管状に形成されている。このノズルボディ2は、内部
に形成された軸孔9内にニードル4を摺動自在に保持し
ている。また、ノズルボディ2の先端部には、図3に示
したように、ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴
射させるための1以上の噴射孔10、この噴射孔10よ
りも上流側にニードル4が着座するテーパ状のシート部
11、および先端に形成されたサックボリューム12が
形成されている。そして、軸孔9とシート部11との間
には、燃料供給通路13より燃料が供給されるノズル室
14が形成されている。なお、噴射孔10からの燃料の
噴射は、ニードル4がシート部11よりリフトしてサッ
クボリューム12とノズル室14とが連通した際になさ
れる。
【0015】ノズルホルダ3は、例えばSCM415等
のクロムモリブデン鋼、SCR等のクロムや炭素鋼製で
円管状に形成されている。このノズルホルダ3は、ノズ
ルボディ2との間にチップパッキン7を挟み込んだ状態
で、リテーニングナット15の締付け力によりノズルボ
ディ2と固定されている。また、ノズルホルダ3には、
燃料ポンプによって高圧に加圧された燃料を燃料供給通
路13を介してノズル室内に導く燃料導入通路16が形
成されている。
【0016】そして、ノズルボルダ3は、ノズルボディ
2の軸孔9と同軸的に第1バネ室17、第2バネ室18
およびリーク通路19を形成している。第1バネ室17
は、第2バネ室18よりもリーク通路19側に設けられ
ており、内部に第1コイルバネ5を収容している。第2
バネ室18は、内部に第2コイルバネ6を収容してい
る。リーク通路19は、ノズルボディ2のノズル室から
ノズルボディ2の内壁とニードル4の外周との間のクリ
アランス、チップパッキン7、第2、第1バネ室18、
17を経て溢流してきた燃料を低圧燃料ライン(例えば
オイルパン)へ戻す通路である。
【0017】ニードル4は、例えばSCM415等のク
ロムモリブデン鋼、SCR等のクロムや炭素鋼製で丸棒
状に形成されている。このニードル4の先端部には、ノ
ズルボディ2のシート部11に着座するテーパ状のシー
ト部20が形成されている。また、ニードル4の後端部
には、中間部分よりも外径の小さいジャーナル部21が
一体成形されている。このジャーナル部21の外周に
は、円環状の金属ブッシュ22が通されている(接合さ
れていない)。そして、ジャーナル部21は、ニードル
4を、ノズルボディ2のシート部11に着座する側に常
時押圧する押圧手段としての丸棒状形状のプッシュロッ
ド23の先端部に連結されている。
【0018】第1コイルバネ5は、上端部が第1バネ室
17内に収められた円環板状のシム24に保持され、下
端部がプッシュロッド23の後端部に設けられたバネ座
としてのフランジ部25に保持されている。この第1コ
イルバネ5は、プッシュロッド23を介してニードル4
を、ノズルボディ2のシート部11に着座する側に常時
付勢する第1付勢手段である。
【0019】第2コイルバネ6は、上端部が第2バネ室
18内に収められた円環板状のシム26に保持され、下
端部がプレッシャピン8に保持されている。なお、シム
26は、円筒状のスペーサ27を介してノズルホルダ3
の段部28に支持されている。また、第2コイルバネ6
は、プレッシャピン8を介してニードル4を、ノズルボ
ディ2のシート部11に着座する側に付勢する第2付勢
手段である。
【0020】チップパッキン7は、例えばSCM415
等のクロムモリブデン鋼、SCR等のクロムや炭素鋼製
で円環板状に形成されている。このチップパッキン7
は、ノズルボディ2の後端面とノズルホルダ3の一端面
との間に液密的に配設され、燃料供給通路13と燃料導
入通路16とを連通する燃料連通路31を形成してい
る。
【0021】また、チップパッキン7の一端側(噴射孔
10側)には、ノズルボディ2の後端面との接続端面よ
りもノズルホルダ3側に窪んだ凹所が形成されている。
この凹所は、ノズルボディ2の後端面との間で、ニード
ル4のジャーナル部21および金属ブッシュ22を燃料
と共に収容するダンパ室32を形成する。そして、チッ
プパッキン7の他端側(噴射孔10の逆側)は、ノズル
ホルダ3との間にダンパ室32内の圧力を開放する開放
室としての第2バネ室18を形成する。
【0022】さらに、チップパッキン7の内部には、開
口断面が円形状の摺動孔33が穿設されている。この摺
動孔33は、ダンパ室32に臨むノズルボディ側端面3
4と第2バネ室18に臨むノズルホルダ側端面35とを
貫通する貫通孔であり、またプレッシャピン8を摺動自
在に収容する収容孔であり、ダンパ室(凹所)32およ
び第2バネ室18よりも小さい内径を持つ。
【0023】なお、チップパッキン7のノズルボディ側
端面34は、ニードル4のリフト量がフルリフト量(最
大リフト量)FLに到達した際に、金属ブッシュ22を
係止してこの部位より噴射孔10をさらに開く側へのニ
ードル4の移動を規制する係止部、規制手段として機能
する。また、チップパッキン7のノズルホルダ側端面3
5は、ニードル4のリフト量がプレリフト量PLより小
さい時に、プレッシャピン8を係止してこの部位より噴
射孔10を閉じる側へのプレッシャピン8の移動を規制
する係止部、規制手段として機能する。
【0024】プレッシャピン8は、例えばSCM415
等のクロムモリブデン鋼、SCR等のクロムや炭素鋼製
で所定の形状に形成されている。このプレッシャピン8
は、ニードル4のリフト量がプレリフト量PLより大き
い時にニードル4と連動して往復移動し、摺動孔33内
の通路面積を絞って燃料の移動を制限する絞り手段また
は制限手段である。そして、プレッシャピン8は、第2
コイルバネ6の外径と略同等の外径を持つ円環板形状の
径大部41、および摺動孔33の内径より所定の寸法
(プレッシャピン8が摺動可能なクリアランス分)だけ
小さい外径を持つ円筒状の径小部42から構成されてい
る。また、プレッシャピン8の内孔40内には、ニード
ル4のジャーナル部21の後端部とプッシュロッド23
の先端部とが移動自在に収容されている。
【0025】径大部41は、径小部42よりも外径が大
きく、第2バネ室18内を往復移動する。この径大部4
1の上端部は、第2コイルバネ6の下端部を保持するバ
ネ座とされている。また、径大部41の下端部は、ニー
ドル4のリフト量がプレリフト量PLより小さい時にチ
ップパッキン7のノズルホルダ側端面35に着座する被
着座部とされ、図1の位置より噴射孔10側への移動が
規制されている。
【0026】径小部42は、径大部41よりも外径が小
さく、チップパッキン7のノズルボディ側端面34より
ダンパ室32内に突出した状態で摺動孔33内に摺動自
在に収容されている。そして、径小部42の外壁は、チ
ップパッキン7のノズルホルダ側端面35からノズルボ
ディ側端面34へ向かう摺動孔33の内壁との間に重な
り寸法L(図1参照)を持つ円環状の絞り部(シール
部)43を形成する。ここで、重なり寸法Lとは、径大
部41がチップパッキン7のノズルホルダ側端面35に
着座している時の径小部42の外壁(絞り部)43と摺
動孔33の内壁との重なり部分(摺動部分)を言う。
【0027】また、径小部42において絞り部43より
も噴射孔10側の外周には、ダンパ室32(ノズルボデ
ィ側端面34)と第2バネ室18(ノズルホルダ側端面
35)とを連通させる連通路としての環状溝44および
切欠部45が形成されている。環状溝44は、径大部4
1の下端面(噴射孔側面)より重なり寸法Lだけ離れ
た、円筒形状の径小部42の外周の同一円周上を切削す
ることにより形成されている。また、切欠部45は、円
筒形状の径小部42の円形状の外周面を平坦面となるよ
うに切削することにより形成されている。この切欠部4
5は、本例では対称的な位置に2箇所に形成されてい
る。
【0028】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
燃料噴射ノズル1の作用を図1ないし図4に基づいて簡
単に説明する。ここで、図4はニードル4のリフト量を
示したタイムチャートである。
【0029】ノズルボディ2のノズル室14内の圧力が
第1コイルバネ5の付勢力より小さい場合には、第1コ
イルバネ5の付勢力によりプッシュロッド23を介して
ニードル4が着座する側に押し付けられる(図4のa
点)。この結果、ニードル4のシート部20は、ノズル
ボディ2のシート部11に着座することによって、ノズ
ル室14とサックボリューム12とが遮断され、噴射孔
10からの燃料の噴射はなされない。
【0030】次に、燃料ポンプにより高圧に加圧された
燃料が、燃料導入通路16、燃料連通路31、燃料供給
通路13を通ってノズルボディ2のノズル室14内に供
給され、ノズルボディ2のノズル室14の室圧(燃料の
供給圧力)が第1コイルバネ5の付勢力より大きくなる
と、ニードル4が上昇(リフト)し始める(図4のb
点)。この結果、ニードル4のシート部20は、ノズル
ボディ2のシート部11よりリフトすることによって、
ノズル室14とサックボリューム12とが連通し、噴射
孔10から燃焼室内へ燃料の噴射が開始される。
【0031】その後に、ノズルボディ2のノズル室14
の室圧が上昇するにつれてニードル4がリフトしてい
き、ニードル4のジャーナル部21に固定された金属ブ
ッシュ22がプレッシャピン8の径小部42の下端面に
当接することにより、ニードル4のリフト量がプレリフ
ト量PL(図1参照)に到達する(図4のc点)。この
とき、ニードル4には、第1コイルバネ5の付勢力に加
えて、プレッシャピン8を介して第2コイルバネ6の付
勢力も加わることになる。
【0032】そして、ノズルボディ2のノズル室14の
室圧がさらに上昇して、ノズル室14の室圧が第1コイ
ルバネ5の付勢力と第2コイルバネ6の付勢力より大き
くなると、ニードル4およびプレッシャピン8がさらに
噴射孔10を開く側へさらにリフトし始める(図4のd
点)。
【0033】その後に、ノズルボディ2のノズル室14
の室圧がさらに上昇するにつれてニードル4およびプレ
ッシャピン8がさらにリフトしていき、ニードル4の金
属ブッシュ22がチップパッキン7のノズルボディ側端
面34に係止されることにより、ニードル4のリフト量
がフルリフト量FL(図1参照)に到達する(図4のe
点)。
【0034】その後に、ノズルボディ2のノズル室14
内への燃料の供給が遮断されて、ノズルボディ2のノズ
ル室14の室圧が第1コイルバネ5の付勢力と第2コイ
ルバネ6の付勢力より小さくなると、ニードル4および
プレッシャピン8が噴射孔10を閉じる側へ下降し始め
る(図4のf点)。
【0035】このとき、プレッシャピン8の径小部42
の外壁(絞り部)43がチップパッキン7の摺動孔33
の内壁と重なっていないときには、プレッシャピン8の
径小部42の外周に形成された環状溝44および切欠部
45を介してダンパ室32が開放されている。これによ
り、ダンパ室32内に充填された燃料は、ニードル4お
よびプレッシャピン8の下降に伴って摺動孔33を介し
て第2バネ室18内と流動可能となるため、ダンパ室3
2の内圧の上昇はない。このため、ニードル4およびプ
レッシャピン8にはダンパ効果は現れず、ニードル4お
よびプレッシャピン8は素早く噴射孔10を閉じる側へ
降下する。
【0036】その後に、ニードル4がさらに降下する
と、ニードル4のリフト量がプレリフト量PL+重なり
寸法Lとなって、プレッシャピン8の径小部42の外壁
(絞り部)43がチップパッキン7の摺動孔33の内壁
と重なる(図4のg点)。このとき、ダンパ室32が閉
塞されるので、ダンパ室32内から第2バネ室18側に
燃料が供給されなくなるため、ダンパ室32の内圧が上
昇する。このため、ダンパ効果が現れ、ニードル4とプ
レッシャピン8との降下速度(移動速度)がダンパ室3
2の開放状態のときよりも遅くなる(図4の破線)。
【0037】その後に、プレッシャピン8の径大部41
の下端面がチップパッキン7のノズルホルダ側端面35
に着座することにより、ニードル4のリフト量がプレリ
フト量PLに到達する(図4のh点)と、ニードル4と
プレッシャピン8との連動状態が解除される。その後
に、プレッシャピン8が着座することにより、第1コイ
ルバネ5の付勢力のみによって、ニードル4がさらに噴
射孔10を閉じる側に降下していく。このとき、ダンパ
室32内の容積がニードル4および金属ブッシュ22の
降下に伴って徐々に拡大していくため、ダンパ室32の
内圧がさらに低下し、必要以上にダンパ効果が現れるこ
とを防止している。ニードル4のシート部20がノズル
ボディ2のシート部11にゆっくりと着座して燃料噴射
が終了する(図4のi点)。
【0038】〔第1実施例の効果〕以上のように、燃料
噴射ノズル1は、ニードル4がノズルボディ2のシート
部11に着座する寸前でニードル4の下降速度を遅くす
るダンパ効果を発揮することにより、図4の実線に示し
たような、ニードル4の着座時のバウンスを低減するこ
とができる。この結果、ニードル4がノズルボディ2の
シート部11への急激な着座を抑制できるので、ニード
ル4の急激な着座により発生する騒音や振動を抑制する
ことができ、且つニードル4の急激な着座に伴う圧力波
による2次噴射を低減することができる。
【0039】この実施例のダンパ室32は、チップパッ
キン7の凹部、プレッシャピン8、ノズルボディ2の後
端部、ニードル4の後端部によって形成されている。す
なわち、従来の技術のようにダンパ室がニードル単品と
ノズルボディ単品との間に形成されているわけではな
い。したがって、ダンパ効果の影響を受けることなく、
燃料噴射ノズル1のシュナール特性等の弁性能、特にノ
ズルボディ2およびニードル4の性能を十分にチェック
することができるので、燃料噴射ノズル1の製品品質の
ばらつきを防止することができる。これにより、製品品
質のばらつきの少ない燃料噴射ノズル1を製作すること
ができる。
【0040】また、ダンパ特性は、ニードル4とダンパ
室32の径差およびプレッシャピン8の径小部42の外
壁(絞り部)43とチップパッキン7の摺動孔33の内
壁との重なり寸法Lで決まる。この実施例の重なり寸法
Lは、プレッシャピン8の環状溝44の上端からプレッ
シャピン8の径大部41の下端までの長さであるため、
従来の技術と比較して容易に求めることができるので、
ダンパ室32のダンパ特性を正確に調整し易くなる。
【0041】〔第2実施例〕図5はこの発明の第2実施
例を示したもので、燃料噴射ノズルの主要部を示した図
である。この実施例では、チップパッキン7およびプレ
ッシャピン8の構造を以下のように変更している。な
お、第1実施例と同一の構造部分は同番号を付し説明を
省略する。
【0042】この実施例のチップパッキン7は、プレッ
シャピン8の摺動孔51を段付形状としている。この摺
動孔51は、ノズルボディ2側に小径孔52、ノズルホ
ルダ3側に小径孔52よりも内径の大きい大径孔53、
および小径孔52と大径孔53との間にプレッシャピン
8が着座する円環状の座部54を有している。なお、チ
ップパッキン7のノズルボディ側端面34は、第1実施
例と同様にして、ノズルボディ2の後端との間に形成さ
れるダンパ室32に臨むように設けられている。また、
チップパッキン7のノズルホルダ側端面35は、第1実
施例と同様にして、第2バネ室18に臨むように設けら
れている。
【0043】この実施例のプレッシャピン8は、第2コ
イルバネ6の外径と略同等の外径を持つ円環板形状の径
大部61、およびこの径大部61よりも外径が小さい円
筒状の径小部62から構成されている。径大部61は、
大径孔53よりも所定の寸法だけ小さい外径を持ち、チ
ップパッキン7のノズルホルダ側端面35より第2バネ
室18内に突出した状態で大径孔53内に摺動自在に収
容されている。この径大部61の下端部は、ニードル4
のリフト量がプレリフト量PLより小さい時にチップパ
ッキン7の座部54に着座する被着座部とされている。
【0044】そして、径大部61の外壁は、チップパッ
キン7のノズルホルダ側端面35からノズルボディ側端
面34へ向かう大径孔53の内壁との間に重なり寸法L
(図1参照)を持つ円環状の絞り部63を形成する。ま
た、径大部61において絞り部63よりも噴射孔10側
の外周には、ダンパ室32(ノズルボディ側端面34)
と第2バネ室18(ノズルホルダ側端面35)とを連通
させる連通路としての環状溝64および切欠部65が形
成されている。
【0045】径小部62は、小径孔52の内径より所定
の寸法だけ小さい外径を持ち、チップパッキン7のノズ
ルボディ側端面34よりダンパ室32内に突出した状態
で小径孔52内に摺動自在に収容されている。また、径
小部62の下端は、第1実施例と同様にして、ニードル
4のリフト量がプレリフト量PLより大きい時に金属ブ
ッシュ22と当接する。
【0046】この実施例の重なり寸法Lは、プレッシャ
ピン8の径大部61を収容する大径孔53の深さL1 か
ら、プレッシャピン8の径大部61の下端面より環状溝
64の上端までの寸法L2 を引くことで容易に求めるこ
とができる。あるいは、プレッシャピン8がチップパッ
キン7の座部54に着座している時、チップパッキン7
のノズルホルダ側端面35からプレッシャピン8の径大
部61の環状溝64の上端までの寸法から重なり寸法L
を求めても良い。
【0047】〔変形例〕この実施例では、チップパッキ
ン7のノズルボディ2側に凹所を設け、この凹所とノズ
ルボディ2およびニードル4とで囲まれた空間をダンパ
室32としたが、ノズルボディ2の後端に凹所を設け、
チップパッキン7のノズルボディ側端面を内周から外周
まで平坦面とし、その凹所およびニードル4とチップパ
ッキン7とで囲まれた空間をダンパ室32としても良
い。
【0048】この実施例では、ノズルホルダ3とチップ
パッキン7を別部品で構成したが、ノズルホルダ3とチ
ップパッキン7を一体成形しても良い。また、この実施
例では、本発明を多孔形のホール型ノズルに用いたが、
本発明を単孔形のホール型ノズル、ピントル型ノズル、
スロットル型ノズルに用いても良い。さらに、第1、第
2コイルバネ5、6の代わりに、クッションゴムやスポ
ンジ等の付勢手段を用いても良い。
【0049】
【発明の効果】この発明は、ニードルの着座時のバウン
スを低減することにより、ニードルの着座により発生す
る騒音や振動を抑制でき、且つニードルの着座に伴う圧
力波による2次噴射を低減することができる。また、絞
り部の重なり寸法が容易に求めることができるので、ダ
ンパ室のダンパ特性を正確に調整し易くなる。さらに、
ダンパ室がニードル単品とノズルボディ単品との間に形
成されているわけではないため、ダンパ効果の影響を受
けることなく弁性能を十分チェックすることができるの
で、製品品質のばらつきを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の燃料噴射ノズルの主要部を示した断
面図である(第1実施例)。
【図2】この発明の燃料噴射ノズルの全体構成を示した
断面図である(第1実施例)。
【図3】この発明の燃料噴射ノズルの噴射孔付近を示し
た断面図である(第1実施例)。
【図4】ニードルのリフト量を示したタイムチャートで
ある(第1実施例)。
【図5】この発明の燃料噴射ノズルの主要部を示した断
面図である(第2実施例)。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 2 ノズルボディ 3 ノズルホルダ 4 ニードル 5 第1コイルバネ(第1付勢手段) 6 第2コイルバネ(第2付勢手段) 7 チップパッキン 8 プレッシャピン 10 噴射孔 11 シート部 33 摺動孔 34 ノズルボディ側端面 35 ノズルホルダ側端面 43 絞り部 44 環状溝(連通路) 45 切欠部(連通路)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)燃料を噴射する噴射孔を設けたノズ
    ルボディと、 (b)このノズルボディ内に摺動自在に収容され、燃料
    の供給圧力に応じて前記噴射孔を開く側に移動するニー
    ドルと、 (c)前記ノズルボディを支持するノズルホルダと、 (d)このノズルホルダ内に収容され、前記ニードルを
    前記噴射孔を閉じる側へ付勢する第1付勢手段と、 (e)前記ノズルホルダ内に収容され、前記ニードルの
    移動量がプレリフト量より大きい時に前記ニードルを前
    記噴射孔を閉じる側へ付勢する第2付勢手段と、 (f)前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの間に配
    され、 前記ノズルボディとの間に前記ニードルを燃料と共に収
    容するダンパ室を形成すると共に、前記ダンパ室に臨む
    ノズルボディ側端面とノズルホルダ側端面とを貫通する
    摺動孔を設けたパッキンと、 (g)このパッキンのノズルボディ側端面より前記ダン
    パ室内に突出した状態で前記摺動孔内に摺動自在に収容
    され、前記ニードルの移動量がプレリフト量より大きい
    時に前記ニードルと連動して移動すると共に、 前記パッキンのノズルホルダ側端面からノズルボディ側
    端面へ向かう前記摺動孔の内壁との間で所定の重なり寸
    法を持ち、前記ダンパ室内の燃料の移動を制限する絞り
    部、およびこの絞り部よりも前記噴射孔側に、前記ダン
    パ室と前記ノズルホルダ側端面とを連通させる連通路を
    有するプレッシャピンとを備えた燃料噴射ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008163772A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Denso Corp 燃料制御弁

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