JPH08250132A - りん酸型燃料電池 - Google Patents
りん酸型燃料電池Info
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- JPH08250132A JPH08250132A JP7052230A JP5223095A JPH08250132A JP H08250132 A JPH08250132 A JP H08250132A JP 7052230 A JP7052230 A JP 7052230A JP 5223095 A JP5223095 A JP 5223095A JP H08250132 A JPH08250132 A JP H08250132A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
(57)【要約】
【目的】酸化剤の拡散不良を生ずることなく、酸化剤電
極側リザーバとマトリックスとの間のりん酸の移動を円
滑化できるりん酸型燃料電池を提供する。 【構成】多孔質の非導電性基材中にりん酸を保持したマ
トリックス2と、マトリックスを挟んでその両側に積層
された燃料電極3および酸化剤電極4と、燃料電極およ
び酸化剤電極にリブ部分7が密接して反応ガス通路8を
形成する親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材からな
るリザーバ板21,22とを備えた単位セル20を、セ
パレート板9を介在させて複数層積層したりん酸型燃料
電池において、一対の電極の少なくとも酸化剤電極4が
予めはっ水処理した多孔質炭素板からなる電極基材27
および電極触媒層5からなり、この酸化剤電極の周縁部
の少なくとも一部にマトリックスとリザーバ板とに挟持
された多孔質部材からなるりん酸移動経路部23を備え
る。
極側リザーバとマトリックスとの間のりん酸の移動を円
滑化できるりん酸型燃料電池を提供する。 【構成】多孔質の非導電性基材中にりん酸を保持したマ
トリックス2と、マトリックスを挟んでその両側に積層
された燃料電極3および酸化剤電極4と、燃料電極およ
び酸化剤電極にリブ部分7が密接して反応ガス通路8を
形成する親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材からな
るリザーバ板21,22とを備えた単位セル20を、セ
パレート板9を介在させて複数層積層したりん酸型燃料
電池において、一対の電極の少なくとも酸化剤電極4が
予めはっ水処理した多孔質炭素板からなる電極基材27
および電極触媒層5からなり、この酸化剤電極の周縁部
の少なくとも一部にマトリックスとリザーバ板とに挟持
された多孔質部材からなるりん酸移動経路部23を備え
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばりん酸を電解
質とするりん酸型燃料電池、ことにマトリックス中のり
ん酸量を安定して保持するリザーバーを備えたりん酸型
燃料電池に関する。
質とするりん酸型燃料電池、ことにマトリックス中のり
ん酸量を安定して保持するリザーバーを備えたりん酸型
燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】図3はリブ付電極方式のりん酸型燃料電
池の従来の単位セルを展開して示す斜視図であり、単位
セル1は電解質としてのりん酸を保持した電解質層(マ
トリックスと呼ぶ)2を挟んでその両側に燃料電極3お
よび酸化剤電極(空気電極)4を配した構造となってい
る。また、燃料電極3および酸化剤電極4はそれぞれ白
金などの電極触媒を担持した電極触媒層5と、ガス透過
性を有する多孔質炭素板からなるリブ付き電極基材6と
の積層体からなり、リブ付き電極基材6の反電極触媒層
側には互いに間隔を置いて平行かつ凸に形成された複数
のリブ7が形成され、互いに隣接するリブ7の間にはコ
字状に形成された複数の反応ガス供給溝(反応ガス通路
とも呼ぶ)8が形成される。
池の従来の単位セルを展開して示す斜視図であり、単位
セル1は電解質としてのりん酸を保持した電解質層(マ
トリックスと呼ぶ)2を挟んでその両側に燃料電極3お
よび酸化剤電極(空気電極)4を配した構造となってい
る。また、燃料電極3および酸化剤電極4はそれぞれ白
金などの電極触媒を担持した電極触媒層5と、ガス透過
性を有する多孔質炭素板からなるリブ付き電極基材6と
の積層体からなり、リブ付き電極基材6の反電極触媒層
側には互いに間隔を置いて平行かつ凸に形成された複数
のリブ7が形成され、互いに隣接するリブ7の間にはコ
字状に形成された複数の反応ガス供給溝(反応ガス通路
とも呼ぶ)8が形成される。
【0003】このように構成された単位セル1は、反応
ガス供給溝8の向きが燃料電極3と酸化剤電極4とで互
いに直交するようマトリックス2を挟んで積層されると
ともに、隣接する単位セル1間にガス不透過性炭素板か
らなる平板状のセパレ−ト板9を配して複数層積層する
ことにより、所望の出力電圧を有する積層燃料電池(ス
タック)が構成される。
ガス供給溝8の向きが燃料電極3と酸化剤電極4とで互
いに直交するようマトリックス2を挟んで積層されると
ともに、隣接する単位セル1間にガス不透過性炭素板か
らなる平板状のセパレ−ト板9を配して複数層積層する
ことにより、所望の出力電圧を有する積層燃料電池(ス
タック)が構成される。
【0004】リブ付き電極基材6はカ−ボン繊維にバイ
ンダを加えてリブ7を有する厚紙状に成形し、これを焼
成した後、フッ素樹脂〔ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等〕を含む処理液を含浸,焼成処理しては
っ水処理したものからなり、電極基材6には平均空孔径
が50μm程度の細孔が一定の気孔率で一様に分布して
形成される。従って、燃料電極3のリブ付き電極基材6
では反応ガス供給溝8を通る燃料ガス中の水素が基材6
の微細な細孔を透過して電極触媒層5に供給され、酸化
剤電極4側の電極基材6では反応ガス供給溝8を通る酸
化剤としての空気中の酸素が細孔を透過して電極触媒層
5に供給されることにより、供給された反応ガス中の活
物質が電極触媒粒子の表面で電解質と接触することによ
り電気化学反応に基づく発電が行われる。また、リブ付
き電極基材6をはっ水処理しておくことにより、電解質
で濡れた電極触媒粒子を保持する電極触媒層5から電解
質がしみ出して電極基材6側に浸透し、空孔を閉塞して
電極触媒層への反応ガスの供給を阻害することを防ぐこ
とができる。
ンダを加えてリブ7を有する厚紙状に成形し、これを焼
成した後、フッ素樹脂〔ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等〕を含む処理液を含浸,焼成処理しては
っ水処理したものからなり、電極基材6には平均空孔径
が50μm程度の細孔が一定の気孔率で一様に分布して
形成される。従って、燃料電極3のリブ付き電極基材6
では反応ガス供給溝8を通る燃料ガス中の水素が基材6
の微細な細孔を透過して電極触媒層5に供給され、酸化
剤電極4側の電極基材6では反応ガス供給溝8を通る酸
化剤としての空気中の酸素が細孔を透過して電極触媒層
5に供給されることにより、供給された反応ガス中の活
物質が電極触媒粒子の表面で電解質と接触することによ
り電気化学反応に基づく発電が行われる。また、リブ付
き電極基材6をはっ水処理しておくことにより、電解質
で濡れた電極触媒粒子を保持する電極触媒層5から電解
質がしみ出して電極基材6側に浸透し、空孔を閉塞して
電極触媒層への反応ガスの供給を阻害することを防ぐこ
とができる。
【0005】上述のように構成された燃料電池の従来の
単位セル1において、その発電反応は水素と酸素が反応
して水と電子を生成する反応であり、例えばりん酸型燃
料電池の場合190°C 程度の運転温度を保持して運転
されることにより、酸化剤電極4側の電極触媒層5で生
成した水が水蒸気となって電極基材6を透過して反応ガ
ス通路8内に放出され、反応を終わったオフガスととも
に系外に排出される。このとき、電極触媒層5で生成し
た水が水蒸気化する際、微量のりん酸を巻き込んだ状態
でリブ付き電極基材6を透過して反応ガス通路8に放出
されるため、マトリックス2が保持するりん酸が徐々に
減少し、これが原因で燃料電池の内部抵抗が上昇して出
力電圧が低下するとともに、遂には反応ガスが直接反応
して電池を損傷するという事態に進展する可能性があ
る。また、燃料電池の運転温度の変化や水蒸気分圧条件
の変化によってりん酸体積が変化し、膨張したりん酸が
リブ付き電極基材6の細孔内に侵出して細孔を塞ぐた
め、これに伴って電極基材の気孔率および有効拡散係数
が低下して電極触媒層への反応活物質の供給が不足して
反応ガスの供給障害が発生し、遂には単位セルの出力電
圧の低下を招くという問題がある。そこで、電解質の飛
散によりマトリックス中で不足する電解質を補給し、ま
たマトリックス中の電解質の体積変化を吸収するため
に、電解質を溜めるリザーバーを単位セル内に設けた燃
料電池が知られており、また、リザーバーとマトリック
スの間の電解質の移動経路について幾つかのアイデアが
提案されている。
単位セル1において、その発電反応は水素と酸素が反応
して水と電子を生成する反応であり、例えばりん酸型燃
料電池の場合190°C 程度の運転温度を保持して運転
されることにより、酸化剤電極4側の電極触媒層5で生
成した水が水蒸気となって電極基材6を透過して反応ガ
ス通路8内に放出され、反応を終わったオフガスととも
に系外に排出される。このとき、電極触媒層5で生成し
た水が水蒸気化する際、微量のりん酸を巻き込んだ状態
でリブ付き電極基材6を透過して反応ガス通路8に放出
されるため、マトリックス2が保持するりん酸が徐々に
減少し、これが原因で燃料電池の内部抵抗が上昇して出
力電圧が低下するとともに、遂には反応ガスが直接反応
して電池を損傷するという事態に進展する可能性があ
る。また、燃料電池の運転温度の変化や水蒸気分圧条件
の変化によってりん酸体積が変化し、膨張したりん酸が
リブ付き電極基材6の細孔内に侵出して細孔を塞ぐた
め、これに伴って電極基材の気孔率および有効拡散係数
が低下して電極触媒層への反応活物質の供給が不足して
反応ガスの供給障害が発生し、遂には単位セルの出力電
圧の低下を招くという問題がある。そこで、電解質の飛
散によりマトリックス中で不足する電解質を補給し、ま
たマトリックス中の電解質の体積変化を吸収するため
に、電解質を溜めるリザーバーを単位セル内に設けた燃
料電池が知られており、また、リザーバーとマトリック
スの間の電解質の移動経路について幾つかのアイデアが
提案されている。
【0006】例えば、リブ付き電極基材6の一部に親水
性の部分を設け、この親水性の部分を電解質を溜め込む
リザーバーとして利用することにより、反応ガスの供給
障害を生ずることなく電解質の飛散によりマトリックス
中で不足する電解質量を補給し、またマトリックス中の
電解質の体積変化を吸収するようにした燃料電池が特開
昭61−188862号で提案されている。この構造で
は親水性部分に貯蔵されているりん酸は電極触媒層5を
通ってマトリックス2に供給される。
性の部分を設け、この親水性の部分を電解質を溜め込む
リザーバーとして利用することにより、反応ガスの供給
障害を生ずることなく電解質の飛散によりマトリックス
中で不足する電解質量を補給し、またマトリックス中の
電解質の体積変化を吸収するようにした燃料電池が特開
昭61−188862号で提案されている。この構造で
は親水性部分に貯蔵されているりん酸は電極触媒層5を
通ってマトリックス2に供給される。
【0007】図4は異なる従来の燃料電池の一例を示す
要部の斜視図であり、例えば燃料電極3の電極基材1
6,酸化剤電極4の電極基材17を平板状の多孔質炭素
基材とし、電極基材16,17とセパレート板9との間
に溝付き多孔質炭素基材に予め電解質を含浸した溝付き
リザーバ板(第1の積層化素子とも呼ぶ)11および1
2を設け、電極基材16,17との間に反応ガス通路8
を形成するするとともに、電極基材16,17を介して
溝付きリザーバ板11,12が貯留する電解質をマトリ
ックス2に供給するよう構成した燃料電池(単位セル)
1が、特開昭62−20255号で提案されている。こ
の場合、燃料電極3側の溝付きリザーバ板11に予め電
解質を含浸しておき、はっ水処理しない燃料電極側の電
極基材16を介してマトリックス2に電解質を補給する
とともに、反応ガス通路8内の反応ガスの流速を高める
ことによって電極基材16のガス拡散性を保持し、かつ
酸化剤電極4側の電極基材17は予めはっ水処理し、電
解質の補給を主に燃料電極3側の溝付きリザーバ板11
からはっ水処理しない燃料電極側の電極基材16を介し
て行うよう工夫されている。
要部の斜視図であり、例えば燃料電極3の電極基材1
6,酸化剤電極4の電極基材17を平板状の多孔質炭素
基材とし、電極基材16,17とセパレート板9との間
に溝付き多孔質炭素基材に予め電解質を含浸した溝付き
リザーバ板(第1の積層化素子とも呼ぶ)11および1
2を設け、電極基材16,17との間に反応ガス通路8
を形成するするとともに、電極基材16,17を介して
溝付きリザーバ板11,12が貯留する電解質をマトリ
ックス2に供給するよう構成した燃料電池(単位セル)
1が、特開昭62−20255号で提案されている。こ
の場合、燃料電極3側の溝付きリザーバ板11に予め電
解質を含浸しておき、はっ水処理しない燃料電極側の電
極基材16を介してマトリックス2に電解質を補給する
とともに、反応ガス通路8内の反応ガスの流速を高める
ことによって電極基材16のガス拡散性を保持し、かつ
酸化剤電極4側の電極基材17は予めはっ水処理し、電
解質の補給を主に燃料電極3側の溝付きリザーバ板11
からはっ水処理しない燃料電極側の電極基材16を介し
て行うよう工夫されている。
【0008】また、図3におけるリブ付き電極基材6と
ガス不透過性のセパレート板との間に図示しない平板状
の多孔質炭素基材からなるリザーバ板を設け、かつリブ
付き電極基材6のはっ水処理に用いる処理液中のはっ水
性樹脂量を下げることにより、基材6に弱い親水性を残
し、基材6の内部で電解質の移動と反応ガスの拡散とを
両立させるよう工夫された燃料電池が特開平5−412
23号で提案されている。
ガス不透過性のセパレート板との間に図示しない平板状
の多孔質炭素基材からなるリザーバ板を設け、かつリブ
付き電極基材6のはっ水処理に用いる処理液中のはっ水
性樹脂量を下げることにより、基材6に弱い親水性を残
し、基材6の内部で電解質の移動と反応ガスの拡散とを
両立させるよう工夫された燃料電池が特開平5−412
23号で提案されている。
【0009】さらに、リブ付きセパレータ方式の燃料電
池の場合、平板状のリザーバ板と電極基材の一部に親水
性部分を形成し、マトリックス中の電解質の体積膨張を
電極基材側の親水性部分を電解質移動経路として平板状
リザーバ板側の親水性部分に吸収するようにした燃料電
池が知られている(特公昭63-18303号)。一方、図4に
おける酸化剤電極4側の溝付きリザーバ板12の空孔径
を酸化剤電極4側の部分的にはっ水処理した平板状の電
極基材17の空孔径より小さくすることにより、平板状
の電極基材17の電解質保持力を弱めて反応ガス透過性
を保持し、この状態で溝付きリザーバ板12に十分な量
の電解質を貯蔵するようにした燃料電池が特開昭63−
64267号で提案されている。
池の場合、平板状のリザーバ板と電極基材の一部に親水
性部分を形成し、マトリックス中の電解質の体積膨張を
電極基材側の親水性部分を電解質移動経路として平板状
リザーバ板側の親水性部分に吸収するようにした燃料電
池が知られている(特公昭63-18303号)。一方、図4に
おける酸化剤電極4側の溝付きリザーバ板12の空孔径
を酸化剤電極4側の部分的にはっ水処理した平板状の電
極基材17の空孔径より小さくすることにより、平板状
の電極基材17の電解質保持力を弱めて反応ガス透過性
を保持し、この状態で溝付きリザーバ板12に十分な量
の電解質を貯蔵するようにした燃料電池が特開昭63−
64267号で提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】親水性を有するリザー
バー板を設け、このリザーバー板から電解質としてのり
ん酸をマトリックスに補給する,あるいはりん酸の体積
変化を吸収する電解質移動経路として電極基材の一部に
親水性部分を設ける従来の燃料電池では、例えば電極基
材6または11の親水性を残す部分にマスキングを施し
た状態で、残余の露出部分にはっ水性に富む物質(例え
ばPTFE等)を含む処理液を塗布,含浸し、これを焼
成することにより親水性部分を有する基材を製作する方
法が用いられる。この方法では、マスキング作業が必要
になるめ電極基材の製造工数が増すことは勿論のこと、
基材が多孔質であるため処理液を吸収し易く,かつ処理
液に界面活性剤が含まれるためにマスキングした部分に
まで処理液が浸透してしまうために、どうしてもマスキ
ング面積が大きくなるとともに、処理液がしみ込む範囲
が一定になり難いため,そのばらつきを考慮して必要以
上の範囲を親水性とすることになり、これが原因ではっ
水性を有する部分の面積が縮小して反応ガスの透過性が
制限されるという問題があった。
バー板を設け、このリザーバー板から電解質としてのり
ん酸をマトリックスに補給する,あるいはりん酸の体積
変化を吸収する電解質移動経路として電極基材の一部に
親水性部分を設ける従来の燃料電池では、例えば電極基
材6または11の親水性を残す部分にマスキングを施し
た状態で、残余の露出部分にはっ水性に富む物質(例え
ばPTFE等)を含む処理液を塗布,含浸し、これを焼
成することにより親水性部分を有する基材を製作する方
法が用いられる。この方法では、マスキング作業が必要
になるめ電極基材の製造工数が増すことは勿論のこと、
基材が多孔質であるため処理液を吸収し易く,かつ処理
液に界面活性剤が含まれるためにマスキングした部分に
まで処理液が浸透してしまうために、どうしてもマスキ
ング面積が大きくなるとともに、処理液がしみ込む範囲
が一定になり難いため,そのばらつきを考慮して必要以
上の範囲を親水性とすることになり、これが原因ではっ
水性を有する部分の面積が縮小して反応ガスの透過性が
制限されるという問題があった。
【0011】また、はっ水処理に用いる処理液のはっ水
性樹脂量を下げ、電極基材6または11の全面に弱い親
水性を残すことにより、基材の内部で電解質の移動と反
応ガスの拡散とを両立させた場合には、燃料電池を長期
間運転する過程で電極基材が腐食性の強いりん酸によっ
て徐々に浸食され、フッ素樹脂によるはっ水性が低下し
て電極基材が濡れやすくなるため、ガス拡散性を長期間
安定して保持できる燃料電池を形成しにくいという問題
がある。ことに、燃料電極3側では電極基材6中の水素
の拡散性が優れており、電極基材へのりん酸の浸出量が
気孔容積の50%程度までならば、発電性能に影響を及
ぼす程の反応ガス供給障害は認められない。これに対し
て、酸化剤電極4側では電極基材6中の水素の拡散性が
低く、電極基材へのりん酸の浸出量が気孔容積の35を
越えると発電性能に影響を及ぼす程の反応ガス供給障害
が発生する。したがって、電極基材に弱い親水性を残し
た酸化剤電極側にリザーバを設けた場合には、運転中に
はっ水性が低下するに伴って酸化剤の供給障害を生じや
すくなることが懸念される。
性樹脂量を下げ、電極基材6または11の全面に弱い親
水性を残すことにより、基材の内部で電解質の移動と反
応ガスの拡散とを両立させた場合には、燃料電池を長期
間運転する過程で電極基材が腐食性の強いりん酸によっ
て徐々に浸食され、フッ素樹脂によるはっ水性が低下し
て電極基材が濡れやすくなるため、ガス拡散性を長期間
安定して保持できる燃料電池を形成しにくいという問題
がある。ことに、燃料電極3側では電極基材6中の水素
の拡散性が優れており、電極基材へのりん酸の浸出量が
気孔容積の50%程度までならば、発電性能に影響を及
ぼす程の反応ガス供給障害は認められない。これに対し
て、酸化剤電極4側では電極基材6中の水素の拡散性が
低く、電極基材へのりん酸の浸出量が気孔容積の35を
越えると発電性能に影響を及ぼす程の反応ガス供給障害
が発生する。したがって、電極基材に弱い親水性を残し
た酸化剤電極側にリザーバを設けた場合には、運転中に
はっ水性が低下するに伴って酸化剤の供給障害を生じや
すくなることが懸念される。
【0012】一方、酸化剤電極4側の溝付きリザーバ板
12の細孔径を酸化剤電極4側の部分的にはっ水処理し
た平板状の電極基材17の細孔径より小さくすることに
より、平板状の電極基材17の反応ガス透過性を保持し
た状態で溝付きリザーバ板12に十分な量の電解質を貯
蔵する従来技術では、酸化剤電極4側のはっ水処理につ
いて前記と同様な問題が存在すると同時に、水素に比べ
て透過性の低い酸化剤としての酸素の透過が電極基材の
親水性部分の存在によって阻害され、酸化剤の拡散不良
を生じやすくなるという問題が発生する。さらに、燃料
電極3側の電極基材16を親水性,酸化剤電極4側の電
極基材17をはっ水性とし、電解質の補給を主に燃料電
極3側の溝付きリザーバ板11からはっ水処理しない燃
料電極側の電極基材16を介して行うようにした従来技
術では、電極基材17をはっ水性とすることによって酸
化剤の拡散不良を生じにくくできるものの、電極基材1
7のはっ水性によって電解質の移動が阻害され、折角設
けた酸化剤電極4側の溝付きリザーバ板12が電解質の
呼吸作用に有効に作用しないという問題がある。
12の細孔径を酸化剤電極4側の部分的にはっ水処理し
た平板状の電極基材17の細孔径より小さくすることに
より、平板状の電極基材17の反応ガス透過性を保持し
た状態で溝付きリザーバ板12に十分な量の電解質を貯
蔵する従来技術では、酸化剤電極4側のはっ水処理につ
いて前記と同様な問題が存在すると同時に、水素に比べ
て透過性の低い酸化剤としての酸素の透過が電極基材の
親水性部分の存在によって阻害され、酸化剤の拡散不良
を生じやすくなるという問題が発生する。さらに、燃料
電極3側の電極基材16を親水性,酸化剤電極4側の電
極基材17をはっ水性とし、電解質の補給を主に燃料電
極3側の溝付きリザーバ板11からはっ水処理しない燃
料電極側の電極基材16を介して行うようにした従来技
術では、電極基材17をはっ水性とすることによって酸
化剤の拡散不良を生じにくくできるものの、電極基材1
7のはっ水性によって電解質の移動が阻害され、折角設
けた酸化剤電極4側の溝付きリザーバ板12が電解質の
呼吸作用に有効に作用しないという問題がある。
【0013】この発明の目的は、酸化剤の拡散不良を生
ずることなく、酸化剤電極側リザーバとマトリックスと
の間のりん酸の移動を円滑化できるりん酸型燃料電池を
提供することにある。
ずることなく、酸化剤電極側リザーバとマトリックスと
の間のりん酸の移動を円滑化できるりん酸型燃料電池を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明のりん酸型燃料電池は、多孔質の非導電
性基材中にりん酸を保持したマトリックスと、このマト
リックスを挟んでその両側に積層された燃料電極および
酸化剤電極と、この燃料電極および酸化剤電極を挟んで
その両側にリブ部分が密接して反応ガス通路を形成する
親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材からなるリザー
バ板とを備えた単位セルを、ガス不透過性のセパレート
板を介在させて複数層積層したりん酸型燃料電池におい
て、前記一対の電極の少なくとも酸化剤電極が予めはっ
水処理した平板状の多孔質炭素板からなる電極基材と、
その一方の面に支持された電極触媒層とからなり、この
酸化剤電極の周縁部の少なくとも一部に前記マトリック
スとリザーバ板とに挟持された多孔質部材からなるりん
酸移動経路部を備える。
めに、この発明のりん酸型燃料電池は、多孔質の非導電
性基材中にりん酸を保持したマトリックスと、このマト
リックスを挟んでその両側に積層された燃料電極および
酸化剤電極と、この燃料電極および酸化剤電極を挟んで
その両側にリブ部分が密接して反応ガス通路を形成する
親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材からなるリザー
バ板とを備えた単位セルを、ガス不透過性のセパレート
板を介在させて複数層積層したりん酸型燃料電池におい
て、前記一対の電極の少なくとも酸化剤電極が予めはっ
水処理した平板状の多孔質炭素板からなる電極基材と、
その一方の面に支持された電極触媒層とからなり、この
酸化剤電極の周縁部の少なくとも一部に前記マトリック
スとリザーバ板とに挟持された多孔質部材からなるりん
酸移動経路部を備える。
【0015】ここで、りん酸移動経路部を、炭化けい素
粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あるい
は親水性を有する多孔質炭素板材とすると良い。また、
りん酸移動経路部の酸化剤電極側電極基材の厚みに相応
する部分を、酸化剤電極側電極基材の延長部分とし、こ
の延長部分を予め親水性処理すると良く、さらに親水性
処理部は、あらかじめはっ水処理した平板状の多孔質炭
素板からなる電極基材の延長部分にレーザー光線を照射
し、はっ水性物質を除去すると良い。
粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あるい
は親水性を有する多孔質炭素板材とすると良い。また、
りん酸移動経路部の酸化剤電極側電極基材の厚みに相応
する部分を、酸化剤電極側電極基材の延長部分とし、こ
の延長部分を予め親水性処理すると良く、さらに親水性
処理部は、あらかじめはっ水処理した平板状の多孔質炭
素板からなる電極基材の延長部分にレーザー光線を照射
し、はっ水性物質を除去すると良い。
【0016】一方、マトリックスを挟んでりん酸移動経
路部に対向する燃料電極部分および燃料電極側リザーバ
部分には、ガス不透過性のシール材を配置すると良い。
路部に対向する燃料電極部分および燃料電極側リザーバ
部分には、ガス不透過性のシール材を配置すると良い。
【0017】
【作用】この発明のりん酸型燃料電池においては、単位
セルの周縁部に設けた多孔質部材からなるりん酸移動経
路部を通してマトリックスとリザーバ板と間でりん酸の
移動が行われることになり、電解質の飛散によりマトリ
ックス中で不足する電解質をリザーバ板から補給し、ま
たマトリックス中の電解質の体積変化をリザーバ板が吸
収するりん酸の呼吸作用を円滑化する。また、酸化剤電
極の予めはっ水処理した平板状の多孔質炭素板からなる
電極基材は、りん酸の浸出を阻止して酸化剤の透過性を
保持し、酸化剤の拡散不良を防止する。従って、りん酸
の移動経路と酸化剤の拡散経路は分離され、りん酸の呼
吸機能と酸化剤の供給機能とを確実に両立させることが
できる。
セルの周縁部に設けた多孔質部材からなるりん酸移動経
路部を通してマトリックスとリザーバ板と間でりん酸の
移動が行われることになり、電解質の飛散によりマトリ
ックス中で不足する電解質をリザーバ板から補給し、ま
たマトリックス中の電解質の体積変化をリザーバ板が吸
収するりん酸の呼吸作用を円滑化する。また、酸化剤電
極の予めはっ水処理した平板状の多孔質炭素板からなる
電極基材は、りん酸の浸出を阻止して酸化剤の透過性を
保持し、酸化剤の拡散不良を防止する。従って、りん酸
の移動経路と酸化剤の拡散経路は分離され、りん酸の呼
吸機能と酸化剤の供給機能とを確実に両立させることが
できる。
【0018】ここで、りん酸移動経路部として、炭化け
い素粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あ
るいは親水性を有する多孔質炭素板材を用いることによ
り、りん酸に対する多孔質部材の濡れ性を保持できるの
で、液切れを生ずることなくりん酸の移動を円滑に行う
ことができる。また、りん酸移動経路部の酸化剤電極側
電極基材の厚みに相応する部分を、酸化剤電極側電極基
材の延長部分とし、この延長部分を予め親水性処理すれ
ば、この延長部分をリザーバーの一部に利用して溜め込
むりん酸保持量を増大することができる。さらに、親水
性処理部は、予めはっ水処理した平板状の多孔質炭素板
からなる電極基材の延長部分にレーザー光線を照射し、
はっ水性物質を除去することにより、容易に親水性を得
ることができる。
い素粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あ
るいは親水性を有する多孔質炭素板材を用いることによ
り、りん酸に対する多孔質部材の濡れ性を保持できるの
で、液切れを生ずることなくりん酸の移動を円滑に行う
ことができる。また、りん酸移動経路部の酸化剤電極側
電極基材の厚みに相応する部分を、酸化剤電極側電極基
材の延長部分とし、この延長部分を予め親水性処理すれ
ば、この延長部分をリザーバーの一部に利用して溜め込
むりん酸保持量を増大することができる。さらに、親水
性処理部は、予めはっ水処理した平板状の多孔質炭素板
からなる電極基材の延長部分にレーザー光線を照射し、
はっ水性物質を除去することにより、容易に親水性を得
ることができる。
【0019】一方、マトリックスを挟んでりん酸移動経
路部に対向する燃料電極部分および燃料電極側リザーバ
部分にガス不透過性のシール材を配置するようにすれ
ば、りん酸移動経路部への反応ガスの供給が阻止され、
電極有効面積の外側の発電に寄与してシール部にりん酸
移動経路部を配置することが可能になる。
路部に対向する燃料電極部分および燃料電極側リザーバ
部分にガス不透過性のシール材を配置するようにすれ
ば、りん酸移動経路部への反応ガスの供給が阻止され、
電極有効面積の外側の発電に寄与してシール部にりん酸
移動経路部を配置することが可能になる。
【0020】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例になるりん酸型燃料電池の要部
を示す斜視図であり、従来例と同じ参照符号を付けた部
材は従来例のそれと同じ機能をもつので、その説明を省
略する。図において、単位セル20は多孔質の非導電性
基材中にりん酸を保持したマトリックス2と、このマト
リックスを挟んでその両側に積層された燃料電極3およ
び酸化剤電極4と、この燃料電極および酸化剤電極を挟
んでその両側にリブ部分7が密接して反応ガス通路8を
形成する親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材(例え
ば気孔率55〜70%程度)からなるリザーバ板21
(燃料電極側),22(酸化剤電極側)との積層体とし
て構成される。また、燃料電極3および酸化剤電極4は
それぞれ白金などの電極触媒を担持した電極触媒層5
と、ガス透過性を有する多孔質炭素板からなる平板状の
電極基材26(燃料電極側)または27(酸化剤電極
側)との積層体からなり、少なくとも酸化剤電極側の電
極基材27には酸化剤の拡散を長期に渡って維持するた
めに全面にはっ水処理が施される。はっ水処理の条件と
しては、はっ水性物質であるPTFE懸濁液(商品名:
テフロン30Jディスパージョン)と純水を重量比1:
4で混合した処理液に基材を浸漬し、室温で1時間乾燥
した後、350°Cの乾燥炉内で30分焼成することに
より、長期安定性に優れた強固なはっ水性が得られる。
図1はこの発明の実施例になるりん酸型燃料電池の要部
を示す斜視図であり、従来例と同じ参照符号を付けた部
材は従来例のそれと同じ機能をもつので、その説明を省
略する。図において、単位セル20は多孔質の非導電性
基材中にりん酸を保持したマトリックス2と、このマト
リックスを挟んでその両側に積層された燃料電極3およ
び酸化剤電極4と、この燃料電極および酸化剤電極を挟
んでその両側にリブ部分7が密接して反応ガス通路8を
形成する親水性を有するリブ付き多孔質炭素基材(例え
ば気孔率55〜70%程度)からなるリザーバ板21
(燃料電極側),22(酸化剤電極側)との積層体とし
て構成される。また、燃料電極3および酸化剤電極4は
それぞれ白金などの電極触媒を担持した電極触媒層5
と、ガス透過性を有する多孔質炭素板からなる平板状の
電極基材26(燃料電極側)または27(酸化剤電極
側)との積層体からなり、少なくとも酸化剤電極側の電
極基材27には酸化剤の拡散を長期に渡って維持するた
めに全面にはっ水処理が施される。はっ水処理の条件と
しては、はっ水性物質であるPTFE懸濁液(商品名:
テフロン30Jディスパージョン)と純水を重量比1:
4で混合した処理液に基材を浸漬し、室温で1時間乾燥
した後、350°Cの乾燥炉内で30分焼成することに
より、長期安定性に優れた強固なはっ水性が得られる。
【0021】また、酸化剤電極4はその周縁部の少なく
とも一部(図では一定の幅W)が切り欠かれ、この切り
欠き部分にマトリックス2とリザーバ板22とに挟持さ
れた多孔質部材からなるりん酸移動経路部23が介装さ
れる。ここで、りん酸移動経路部23には、炭化けい素
粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あるい
は親水性を有する多孔質炭素板材にりん酸を含浸したも
のが用いられ、りん酸に対する多孔質部材の濡れ性を保
持することにより、りん酸移動経路部23内で液切れを
生ずることなく、マトリックス2とリザーバ板22との
間でりん酸の移動が行われる。従って、リザーバ板22
に一定量のりん酸を予め含浸しておくことにより、りん
酸の飛散によりマトリックス2中で不足するりん酸をリ
ザーバ板22から補給し、またマトリックス2中のりん
酸の体積変化をリザーバ板22が吸収するりん酸の呼吸
作用をりん酸移動経路部23を介して円滑に行うことが
できる。
とも一部(図では一定の幅W)が切り欠かれ、この切り
欠き部分にマトリックス2とリザーバ板22とに挟持さ
れた多孔質部材からなるりん酸移動経路部23が介装さ
れる。ここで、りん酸移動経路部23には、炭化けい素
粉末を主原料とする親水性の多孔質非導電性材、あるい
は親水性を有する多孔質炭素板材にりん酸を含浸したも
のが用いられ、りん酸に対する多孔質部材の濡れ性を保
持することにより、りん酸移動経路部23内で液切れを
生ずることなく、マトリックス2とリザーバ板22との
間でりん酸の移動が行われる。従って、リザーバ板22
に一定量のりん酸を予め含浸しておくことにより、りん
酸の飛散によりマトリックス2中で不足するりん酸をリ
ザーバ板22から補給し、またマトリックス2中のりん
酸の体積変化をリザーバ板22が吸収するりん酸の呼吸
作用をりん酸移動経路部23を介して円滑に行うことが
できる。
【0022】また、燃料電極3および燃料電極側のリザ
ーバ板21も、マトリックス2を挟んでりん酸移動経路
部23に対向する部分が切り欠かれ、この部分にガス不
透過性のシール材29が介装される。このように構成す
ることにより、りん酸移動経路部23への燃料ガスの供
給が阻止され、かつ電極触媒層5の外側に置かれること
になり、りん酸移動経路部23は発電に寄与しない。し
たがって、従来発電に寄与しない単位セル周縁のシール
部を利用してりん酸移動経路部23を形成することが可
能であり、単位セル20の発電性能に影響を及ぼすこと
なくりん酸移動経路部を形成できる利点が得られる。
ーバ板21も、マトリックス2を挟んでりん酸移動経路
部23に対向する部分が切り欠かれ、この部分にガス不
透過性のシール材29が介装される。このように構成す
ることにより、りん酸移動経路部23への燃料ガスの供
給が阻止され、かつ電極触媒層5の外側に置かれること
になり、りん酸移動経路部23は発電に寄与しない。し
たがって、従来発電に寄与しない単位セル周縁のシール
部を利用してりん酸移動経路部23を形成することが可
能であり、単位セル20の発電性能に影響を及ぼすこと
なくりん酸移動経路部を形成できる利点が得られる。
【0023】一方、酸化剤電極4はりん酸移動経路部2
3から切り離され、かつその電極基材27が全面はっ水
処理されてりん酸の浸出を阻止し、酸化剤の拡散に必要
な気孔率を安定して保持するので、電極基材に部分的に
はっ水性を持たせた従来技術,あるいは全面に弱いはっ
水性を持たせた従来技術で問題になった酸化剤の拡散不
良は排除され、りん酸の移動経路と酸化剤の拡散経路が
分離され、りん酸の呼吸機能と酸化剤の供給機能とをほ
ぼ完全に両立させたりん酸型燃料電池が得られる。ま
た、燃料電極3側にも図示しないりん酸移動経路部を設
け、リザーバ板21にも予め一定量のりん酸を含浸して
おくことにより、リザーバ板が保持するりん酸量を凡そ
2倍近くに増量できるので、りん酸の不足による発電性
能の低下を長時間に渡り抑制することができる。さら
に、酸化剤電極4側に生成する発電生成水の水蒸気とと
もに飛散するりん酸は、電極基材27を透過してリザー
バ板22の凹溝からなる反応ガス通路8内で凝縮し、リ
ザーバ板22内に吸収されて回収できるためにりん酸の
消失量を低減することが可能であり、より一層外部から
のりん酸の補給間隔を延長することが可能であり、りん
酸型燃料電池の保守管理を省力化し、長期連続運転を可
能にする利点が得られる。
3から切り離され、かつその電極基材27が全面はっ水
処理されてりん酸の浸出を阻止し、酸化剤の拡散に必要
な気孔率を安定して保持するので、電極基材に部分的に
はっ水性を持たせた従来技術,あるいは全面に弱いはっ
水性を持たせた従来技術で問題になった酸化剤の拡散不
良は排除され、りん酸の移動経路と酸化剤の拡散経路が
分離され、りん酸の呼吸機能と酸化剤の供給機能とをほ
ぼ完全に両立させたりん酸型燃料電池が得られる。ま
た、燃料電極3側にも図示しないりん酸移動経路部を設
け、リザーバ板21にも予め一定量のりん酸を含浸して
おくことにより、リザーバ板が保持するりん酸量を凡そ
2倍近くに増量できるので、りん酸の不足による発電性
能の低下を長時間に渡り抑制することができる。さら
に、酸化剤電極4側に生成する発電生成水の水蒸気とと
もに飛散するりん酸は、電極基材27を透過してリザー
バ板22の凹溝からなる反応ガス通路8内で凝縮し、リ
ザーバ板22内に吸収されて回収できるためにりん酸の
消失量を低減することが可能であり、より一層外部から
のりん酸の補給間隔を延長することが可能であり、りん
酸型燃料電池の保守管理を省力化し、長期連続運転を可
能にする利点が得られる。
【0024】ところで、燃料電極3側では電極基材26
中の水素の拡散性が優れており、電極基材26へのりん
酸の浸出量が気孔容積の50%程度までならば、発電性
能に影響を及ぼす程の反応ガス供給障害は認められな
い。したがって、例えば電極基材26の細孔径を50〜
100μmとリザーバ板22の細孔径20μmより大き
くすることにより、電極基材26へのりん酸の浸出量を
気孔容積の40%以下に維持することが可能であり、し
たがって、燃料電極3側には親水性を有する電極基材2
7を用いても良く、りん酸の呼吸機能と酸化剤の供給機
能とを両立させることも可能である。
中の水素の拡散性が優れており、電極基材26へのりん
酸の浸出量が気孔容積の50%程度までならば、発電性
能に影響を及ぼす程の反応ガス供給障害は認められな
い。したがって、例えば電極基材26の細孔径を50〜
100μmとリザーバ板22の細孔径20μmより大き
くすることにより、電極基材26へのりん酸の浸出量を
気孔容積の40%以下に維持することが可能であり、し
たがって、燃料電極3側には親水性を有する電極基材2
7を用いても良く、りん酸の呼吸機能と酸化剤の供給機
能とを両立させることも可能である。
【0025】図2はこの発明の異なる実施例になるりん
酸型燃料電池の要部を示す側面図であり、単位セル30
は、そのりん酸移動経路部31の酸化剤電極側電極基材
27の厚みに相応する部分がはっ水性の酸化剤電極側電
極基材27の延長部分を親水性処理した部材32からな
り、残る酸化剤電極側電極触媒層5の厚みに相応する部
分を前述の実施例と同様に、炭化けい素粉末を主原料と
する親水性の多孔質非導電性材、あるいは親水性を有す
る多孔質炭素板材(例えば、気孔率50〜80%,平均
細孔径10〜30μmのカーボンペーパー)33で構成
された点が前述の実施例と異なっており、この延長部分
32をリザーバーの一部に利用して溜め込むりん酸保持
量を増大できる利点が得られる。なお、電極基材27の
延長部分32の親水性処理は、予めはっ水処理した電極
基材27の延長部分32にレーザー光線(例えばYAG
レーザー)を照射し、はっ水性物質を除去することによ
り、容易に親水性を得ることができる。
酸型燃料電池の要部を示す側面図であり、単位セル30
は、そのりん酸移動経路部31の酸化剤電極側電極基材
27の厚みに相応する部分がはっ水性の酸化剤電極側電
極基材27の延長部分を親水性処理した部材32からな
り、残る酸化剤電極側電極触媒層5の厚みに相応する部
分を前述の実施例と同様に、炭化けい素粉末を主原料と
する親水性の多孔質非導電性材、あるいは親水性を有す
る多孔質炭素板材(例えば、気孔率50〜80%,平均
細孔径10〜30μmのカーボンペーパー)33で構成
された点が前述の実施例と異なっており、この延長部分
32をリザーバーの一部に利用して溜め込むりん酸保持
量を増大できる利点が得られる。なお、電極基材27の
延長部分32の親水性処理は、予めはっ水処理した電極
基材27の延長部分32にレーザー光線(例えばYAG
レーザー)を照射し、はっ水性物質を除去することによ
り、容易に親水性を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】この発明のりん酸型燃料電池は前述のよ
うに、単位セルの一対の電極の電極有効面積の外側にり
ん酸移動経路部を設け、マトリックスとリザーバ板との
間のりん酸の移動をりん酸移動経路部を介して行うとと
もに、はっ水処理した電極基材を介して反応ガスの供給
を行うよう構成した、その結果、りん酸の移動経路と酸
化剤の拡散経路とがほぼ完全に分離されて従来問題にな
った相互の悪影響が排除され、りん酸呼吸機能と酸化剤
の供給機能とに優れ,長期運転性能が安定したりん酸型
燃料電池を提供することができる。
うに、単位セルの一対の電極の電極有効面積の外側にり
ん酸移動経路部を設け、マトリックスとリザーバ板との
間のりん酸の移動をりん酸移動経路部を介して行うとと
もに、はっ水処理した電極基材を介して反応ガスの供給
を行うよう構成した、その結果、りん酸の移動経路と酸
化剤の拡散経路とがほぼ完全に分離されて従来問題にな
った相互の悪影響が排除され、りん酸呼吸機能と酸化剤
の供給機能とに優れ,長期運転性能が安定したりん酸型
燃料電池を提供することができる。
【0027】また、燃料電極側のリザーバ板はもとよ
り、ガス拡散性の低い酸化剤電極側のリザーバ板もりん
酸移動経路部によりガス拡散性能を阻害することなくり
ん酸の貯蔵に有効利用できるので、従来の単位セルに比
べて凡そ2倍の量のりん酸を保持することが可能とな
り、りん酸の不足による特性低下を長期間に渡って抑制
できる利点が得られる。
り、ガス拡散性の低い酸化剤電極側のリザーバ板もりん
酸移動経路部によりガス拡散性能を阻害することなくり
ん酸の貯蔵に有効利用できるので、従来の単位セルに比
べて凡そ2倍の量のりん酸を保持することが可能とな
り、りん酸の不足による特性低下を長期間に渡って抑制
できる利点が得られる。
【0028】さらに、酸化剤電極の電極反応に伴って水
蒸気が発生するために飛散するりん酸は、機能分離によ
って強固にはっ水処理された電極基材を透過し、反応ガ
ス通路で再凝縮してリザーバ板に回収されるとともに、
りん酸移動経路部を介してマトリックスに還流して再利
用できるので、外部からのりん酸の補給間隔を延長し、
りん酸型燃料電池の保守管理を省力化できるとともに、
長期連続運転を可能にする利点が得られる。
蒸気が発生するために飛散するりん酸は、機能分離によ
って強固にはっ水処理された電極基材を透過し、反応ガ
ス通路で再凝縮してリザーバ板に回収されるとともに、
りん酸移動経路部を介してマトリックスに還流して再利
用できるので、外部からのりん酸の補給間隔を延長し、
りん酸型燃料電池の保守管理を省力化できるとともに、
長期連続運転を可能にする利点が得られる。
【0029】なお、りん酸移動経路部は、電池の構成状
不可欠なシール部として当初より反応に寄与しない部分
として計画されたスペースを利用して形成できるので、
電極有効面積の縮小を伴うことなくりん酸の呼吸機能が
得られることになり、予めはっ水処理された電極基材の
反応ガス供給性能の向上効果と併せて発電性能の向上が
期待される。
不可欠なシール部として当初より反応に寄与しない部分
として計画されたスペースを利用して形成できるので、
電極有効面積の縮小を伴うことなくりん酸の呼吸機能が
得られることになり、予めはっ水処理された電極基材の
反応ガス供給性能の向上効果と併せて発電性能の向上が
期待される。
【図1】この発明の実施例になるりん酸型燃料電池の要
部を示す斜視図
部を示す斜視図
【図2】この発明の異なる実施例になるりん酸型燃料電
池の要部を示す側面図
池の要部を示す側面図
【図3】リブ付電極方式のりん酸型燃料電池の従来の単
位セルを展開して示す斜視図
位セルを展開して示す斜視図
【図4】異なる従来の燃料電池の一例を示す要部の斜視
図
図
1 単位セル 2 電解質層(マトリックス) 3 燃料電極 4 酸化剤電極(空気電極) 5 電極触媒層 6 リブ付き電極基材 7 リブ 8 反応ガス供給溝(反応ガス通路) 9 セパレ−ト板 10 単位セル 11 溝付きリザーバ板(燃料電極側) 12 溝付きリザーバ板(酸化剤電極側) 16 電極基材(燃料電極側) 17 電極基材(酸化剤電極側) 20 単位セル 21 リザーバ板(燃料電極側) 22 リザーバ板(酸化剤電極側) 23 りん酸移動経路部 26 電極基材(燃料電極側) 27 電極基材(酸化剤電極側,はっ水性) 29 シール材 30 単位セル 31 りん酸移動経路部 32 電極基材の延長部分(親水性) 33 多孔質部材
Claims (6)
- 【請求項1】多孔質の非導電性基材中にりん酸を保持し
たマトリックスと、このマトリックスを挟んでその両側
に積層された燃料電極および酸化剤電極と、この燃料電
極および酸化剤電極を挟んでその両側にリブ部分が密接
して反応ガス通路を形成する親水性を有するリブ付き多
孔質炭素基材からなるリザーバ板とを備えた単位セル
を、ガス不透過性のセパレート板を介在させて複数層積
層したりん酸型燃料電池において、前記一対の電極の少
なくとも酸化剤電極が予めはっ水処理した平板状の多孔
質炭素板からなる電極基材と、その一方の面に支持され
た電極触媒層とからなり、この酸化剤電極の周縁部の少
なくとも一部に前記マトリックスとリザーバ板とに挟持
された多孔質部材からなるりん酸移動経路部を備えたこ
とを特徴とするりん酸型燃料電池。 - 【請求項2】りん酸移動経路部が炭化けい素粉末を主原
料とする親水性の多孔質非導電性材からなることを特徴
とする請求項1記載のりん酸型燃料電池。 - 【請求項3】りん酸移動経路部が親水性を有する多孔質
炭素板材からなることを特徴とする請求項1記載のりん
酸型燃料電池。 - 【請求項4】りん酸移動経路部の酸化剤電極側電極基材
の厚みに相応する部分が酸化剤電極側電極基材の延長部
分からなり、この延長部分が予め親水性処理されてなる
ことを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3のいず
れかに記載のりん酸型燃料電池。 - 【請求項5】親水性処理部が予めはっ水処理した平板状
の多孔質炭素板からなる電極基材孔の延長部分にレーザ
ー光線を照射し、はっ水性物質を除去してなることを特
徴とする請求項4記載のりん酸型燃料電池。 - 【請求項6】マトリックスを挟んでりん酸移動経路部に
対向する燃料電極部分および燃料電極側リザーバ部分
に、ガス不透過性のシール材を配したことを特徴とする
請求項1記載のりん酸型燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7052230A JPH08250132A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | りん酸型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7052230A JPH08250132A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | りん酸型燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08250132A true JPH08250132A (ja) | 1996-09-27 |
Family
ID=12908941
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7052230A Pending JPH08250132A (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | りん酸型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08250132A (ja) |
-
1995
- 1995-03-13 JP JP7052230A patent/JPH08250132A/ja active Pending
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