JPH08251894A - 電圧制御機構を備えた交流発電機 - Google Patents

電圧制御機構を備えた交流発電機

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Publication number
JPH08251894A
JPH08251894A JP7046859A JP4685995A JPH08251894A JP H08251894 A JPH08251894 A JP H08251894A JP 7046859 A JP7046859 A JP 7046859A JP 4685995 A JP4685995 A JP 4685995A JP H08251894 A JPH08251894 A JP H08251894A
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JP
Japan
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rotor
field
magnetic flux
yoke
field rotor
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Application number
JP7046859A
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English (en)
Inventor
Masashi Mizuno
正志 水野
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータに永久磁石が用いられた発電機におい
て、そのロータの回転数の変化に起因する起電力の変化
を好適に抑制し得、しかも耐久性があり、軸方向寸法を
小さくし得る発電機を提供する。 【構成】 ロータ10がアウタロータとされて内周側に
永久磁石36が備えられているため、その回転数が増加
するに従って、永久磁石36に作用する遠心力が増大す
るが、永久磁石36は嵌合溝44内において弾性部材4
8により内周側へ付勢されているため、遠心力が増大す
ると弾性部材48の付勢力に抗してステータヨーク14
の幅広部22の外周面から離隔させられる。発電機の起
電力Eは、ロータ10の回転数が増加するに従って増大
させられるが、その回転数の増加に伴って増大する遠心
力の作用により永久磁石36がステータヨーク14から
離隔させられるため、両者間の磁束密度Bが小さくされ
てその間の空隙を径方向に貫通する磁束φが少なくさ
れ、ロータ10の回転数の増加に伴う起電力Eの変化を
抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の発電に用い
られる交流発電機に関し、特に、界磁ロータの回転数の
変化に起因する起電力の変化を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や二輪車等には、多数の電装部品
により電力が消費されるため、エンジンの回転を利用し
てその電装部品に電力を供給すると共に蓄電池を充電す
るためにオルタネータ等の交流発電機が備えられてい
る。例えばこのオルタネータでは、界磁極を有する界磁
ロータと3相巻線型の誘導電機子巻線を有する固定電機
子(ステータ)とが径方向に所定の空隙を隔てて同軸的
に配置されて、それら界磁ロータと電機子との相対回転
に基づいて電機子巻線を通過する磁束が変化させられる
ことにより起電力を得るものである。
【0003】ところで、自動車等のエンジンの回転数は
アイドリング時等の低負荷時と高速走行時とで大きく異
なるが、上記オルタネータ等の交流発電機の誘導起電力
は、界磁ロータの回転速度と、界磁極と固定電機子との
間の空隙を径方向に貫通する磁束とによって決定され
る。ところが、磁束は界磁極の起磁力と上記空隙(例え
ばその大きさや透磁率等)とによって定められるもので
あるため、界磁ロータの起磁力および空隙が一定であれ
ば磁束が一定となって、エンジンの回転数(すなわち界
磁ロータの回転速度)が増加するに従って、誘導起電力
が増大させられることとなる。そのため、低速回転時に
も十分な起電力を得るようにすると、高速回転時の起電
力が過大となり得るのである。
【0004】
【発明が解決すべき課題】そこで、従来では、界磁ロー
タの界磁巻線に与えられる電流値をエンジンの回転数に
逆比例するように変化させるボルテージレギュレータが
備えられ、界磁ロータの起磁力を変化させて起電力が一
定範囲内に保たれるように制御されている。誘導起電力
Eは、電機子の巻線数をN,時間をtとしたとき下記
(1)式で表されるため、起磁力および空隙が一定の場合
には、磁束φの時間変化である「dφ/dt」がエンジ
ンの回転数が増加するに従って増大させられて、前記の
ように起電力Eが増大させられることとなる。したがっ
て、上記のように、エンジンの回転数が増大するに従っ
て起磁力を小さくすれば、「dφ/dt」の変化を抑制
して、起電力Eを高速回転時に過大とならない範囲に制
御することが可能となるのである。 E=N(dφ/dt) ・・・ (1)
【0005】しかしながら、界磁ロータに界磁巻線を用
いる場合には、回転体である界磁ロータに励磁電流を供
給するためのスリップリングやブラシが必要となるの
で、それらの摩耗により耐久性に限界が生じると共に、
軸心方向寸法が大きくなって十分に小型化することがで
きないという問題がある。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであり、その目的とするところは、界磁ロータに
永久磁石が用いられた交流発電機において、その界磁ロ
ータの回転数の変化に起因する起電力の変化を好適に抑
制し得、しかも耐久性があり、軸心方向寸法を小さくし
得る交流発電機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、複数の永久磁石を有
し、円筒状の外周面または内周面に複数の界磁極が周方
向に配列されてその円筒の軸心回りに回転可能に設けら
れた界磁ロータと、その界磁ロータの界磁極と径方向に
所定の空隙を隔てたヨークと、そのヨークに巻回された
電機子巻線とを備えてその軸心回りに回動不能に設けら
れた固定電機子とを備えた交流発電機であって、(a) 前
記界磁ロータの回転数が増加するに従って前記界磁極と
ヨークとの間に形成される空隙を変化させることによ
り、その空隙を径方向に貫通する磁束が少なくなるよう
に調節する磁束制御装置が設けられていることにある。
【0008】
【作用】このようにすれば、交流発電機には、界磁ロー
タの回転数が増加するに従って界磁極とヨークとの間に
形成される空隙を変化させることにより、その空隙を径
方向に貫通する磁束が少なくなるように調節する磁束制
御装置が設けられる。そのため、エンジンの回転数すな
わち界磁ロータの回転数が増加した場合には、磁束制御
装置により界磁極とヨークとの間の空隙が変化させら
れ、その増大した回転数に応じて固定電機子の電機子巻
線を通過する磁束が少なくされることにより起電力の変
化が抑制される。すなわち、前述のように、空隙を径方
向に貫通する磁束は起磁力と空隙とによって定められる
ものであることから、その空隙を変化させることによっ
ても界磁ロータの回転数の増大に応じて磁束を少なくす
ることができるのである。
【0009】
【発明の効果】上記により、従来の交流発電機のように
界磁ロータの界磁巻線に与えられる電流値を変化させて
起磁力を変化させる制御を行う必要がないため、界磁ロ
ータに永久磁石が用いられ得てその軸心方向寸法が小さ
くされると共に、スリップリングやブラシを必要としな
いことから耐久性が高く、エンジンの回転数の増加に伴
う起電力の変化を抑制できる交流発電機が得られる。
【0010】ここで、好適には、前記界磁ロータの界磁
極は、その界磁ロータの内周面に備えられ、前記固定電
機子は、その界磁極の外周側に備えられており、(b) 前
記磁束制御装置は、その界磁ロータの径方向に移動可能
に設けられた界磁極をその界磁ロータの内周面から軸心
側に付勢する弾性部材を備え、その界磁ロータの回転数
が増加するに従って増大する遠心力によって、その界磁
極がその弾性部材の付勢力に抗して前記固定電機子のヨ
ークの外周面から離隔させられて、磁束密度を小さくす
るものである。
【0011】このようにすれば、交流発電機は界磁ロー
タが固定電機子の外周側に備えられた所謂アウタロータ
型に構成され、その界磁ロータの内周側に周方向に配列
された複数の界磁極が、その界磁ロータの内周面との間
に備えられた弾性部材によりその内周面から軸心側に付
勢された状態で備えられる。そのため、界磁ロータの回
転数が増加するに従って界磁極に与えられる遠心力が増
大すると、複数の界磁極はその増大した遠心力と弾性部
材の付勢力とが釣り合うように外周側に移動させられ、
界磁極と固定電機子のヨークとの間隔が広がって磁束密
度が小さくなる。磁束φは、磁束密度をB,磁極面積を
Sとしたとき、下記 (2)式で表されることから、磁束密
度Bが小さくなれば界磁極とヨークとの間に形成される
空隙を径方向に貫通する磁束φが少なくなり、起電力の
変化を抑制できることとなる。 φ=B×S ・・・ (2)
【0012】なお、更に好適には、上記弾性部材として
は、界磁極がヨークの外周面から離隔されるに従って付
勢力が大きくされる非線形の弾性定数を有するものが用
いられる。このようにすれば、上記遠心力が角速度すな
わち回転数の2乗に比例して大きくなることに起因して
界磁極がヨークの外周面から必要以上に離隔させられる
ことが、弾性部材から与えられる付勢力が大きくなるこ
とによって抑制されて、磁束φに比例する起電力Eの必
要以上の低下が好適に抑制される。
【0013】また、好適には、前記磁束制御装置は、
(d) 前記界磁ロータと前記固定電機子とをその軸心方向
に相対移動させる軸心方向相対移動装置と、(e) 起電力
を検出すると共にその起電力に基づいてそれら界磁ロー
タと固定電機子との軸心方向の相対移動量を決定してそ
の相対移動量を示す移動量信号を発生し、その移動量信
号に基づいて前記相対移動装置を制御する軸心方向相対
位置制御装置とを含み、その界磁ロータの回転数が増加
するに従ってそれら界磁ロータと固定電機子とをその軸
心方向に相対移動させることにより、その界磁ロータの
界磁極とその固定電機子のヨークとの対向面積を減少さ
せるものである。
【0014】このようにすれば、磁束制御装置は、界磁
ロータと固定電機子とをその軸心方向に相対移動させる
軸心方向相対移動装置と、起電力を検出してその起電力
に基づいて上記相対移動量を決定して移動量信号を発生
させ、その移動量信号に基づいて軸心方向相対移動装置
を制御する軸心方向相対位置制御装置とを含んで構成さ
れる。そのため、界磁ロータの回転数が増加するに従っ
て起電力が増大させられると、界磁ロータの界磁極と固
定電機子のヨークとの対向面積すなわち実質的な磁極面
積Sがその増大量に応じて減少させられるように、それ
ら界磁ロータおよび固定電機子が軸心方向に相対移動さ
せられ、界磁極とヨークとの間に形成される空隙を径方
向に貫通する磁束φが少なくされて、起電力の増加が抑
制される。
【0015】また、好適には、前記磁束制御装置は、
(f) 前記界磁ロータと前記固定電機子との間の空隙に挿
入可能に設けられた磁気シールド部材と、(g) それら界
磁ロータおよび固定電機子と磁気シールド部材とを前記
軸心方向に相対移動させる相対移動装置と、(h) 起電力
を検出すると共にその起電力に基づいてそれら界磁ロー
タおよび固定電機子と磁気シールド部材との軸心方向相
対移動量を決定してその軸心方向相対移動量を示す移動
量信号を発生し、その移動量信号に基づいて前記相対移
動装置を制御する軸心方向相対位置制御装置とを含み、
その界磁ロータの回転数が増加するに従ってその磁気シ
ールド部材によりその界磁ロータの界磁極とその固定電
機子のヨークとの対向面積を減少させるものである。
【0016】このようにすれば、磁束制御装置は、界磁
ロータと固定電機子との間の空隙に挿入可能に設けられ
た磁気シールド部材と、それら界磁ロータおよび固定電
機子と磁気シールド部材とを界磁ロータの軸心方向に相
対移動させる相対移動装置と、起電力を検出してその起
電力に基づいて上記相対移動量を決定して移動量信号を
発生させ、その移動量信号に基づいて相対移動装置を制
御する軸心方向相対位置制御装置とを含んで構成され
る。そのため、界磁ロータの回転数が増加するに従って
起電力が増大させられると、界磁ロータの界磁極と固定
電機子のヨークとの対向面積がその増大量に応じて減少
させられるように、それら界磁ロータおよび固定電機子
とその磁気シールド部材とが軸心方向に相対移動させら
れる。
【0017】上記により、磁気シールド部材のシールド
効果が完全である場合には、実質的な磁極面積Sが減少
させられて前記 (2)式に従って磁束φが少なくされ、不
完全である場合にはその介挿部分において界磁極とヨー
クとの間の空隙を径方向に貫通する磁束が少なくされ、
何れにしても空隙を径方向に貫通する磁束φが少なくさ
れて、起電力の変化が抑制される。なお、上記軸心方向
相対位置制御装置としては、印加電圧に従って位置変化
するソレノイドや、電流値に従って湾曲するバイメタル
等が好適に用いられる。
【0018】また、好適には、前記磁束制御装置は、
(i) 前記界磁ロータを軸心方向に移動可能に支持する回
転軸と、(j) その界磁ロータを軸心方向の一方向に付勢
する弾性部材と、 (k)その界磁ロータの一端に設けら
れ、その界磁ロータと一体的に回転させられることによ
り、前記弾性部材の付勢力に抗してその界磁ロータに軸
心方向の他方向に向かう推力を発生させる回転翼とを含
み、その界磁ロータの回転数が増加するに従って前記推
力が増大させられることにより、その界磁ロータの界磁
極と前記固定電機子のヨークとの対向面積が減少させら
れるものである。
【0019】このようにすれば、磁束制御装置は、界磁
ロータをその軸心方向に移動可能に支持する回転軸と、
その界磁ロータを軸心方向の一方向に付勢する弾性部材
と、その界磁ロータの一端に設けられて一体的に回転さ
せられることにより軸心方向の他方向に向かう推力を発
生させる回転翼とを含んで構成される。そのため、この
回転翼から界磁ロータに与えられる推力はその回転数が
増加するに従って増大して、界磁ロータは弾性部材の付
勢力に抗して軸心方向の他方向に移動させられることと
なり、界磁極と固定電機子との対向面積すなわち実質的
な磁極面積Sが減少させられて、界磁極とヨークとの間
に形成される空隙を径方向に貫通する磁束φが少なくさ
れ、起電力の変化が抑制される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0021】図1および図2は、本発明の一実施例であ
る電圧制御機能を備えた交流発電機の回転軸に垂直な断
面および平行な断面の要部をそれぞれ示す図である。こ
の交流発電機は、例えば自動車等に用いられるオルタネ
ータであり、エンジンの回転に伴って回転させられる図
示しない回転軸に取り付けられて、例えば図の矢印方向
に回転させられるロータ10と、そのロータ10の内周
側に回転不能に固定されたステータ12とを備えた、所
謂アウタロータ型の発電機である。本実施例において
は、ロータ10が界磁ロータに、ステータ12が固定電
機子にそれぞれ相当する。
【0022】上記ステータ12は、例えば、珪素鋼から
構成されたステータヨーク14に電機子巻線としてのコ
イル16が巻回されたものである。ステータヨーク14
は、略円柱状の基部18と、その基部18の外周面から
外周方向に向かって突き出して、周方向に等間隔で8箇
所に設けられた軸心方向略全長に亘る長さの複数の突部
20とを有した断面星型形状に形成されている。上記複
数の突部20は、先端部に幅(ステータ12の周方向寸
法)が比較的大きくされ、且つその先端面の断面形状が
円弧状とされた蒲鉾状の幅広部22を備えており、基部
18側の幅が比較的小さくされた部分に上記コイル16
が巻回されている。ステータ12は、中央部に軸心方向
に貫通して設けられた貫通穴24に、図示しない両端部
において支持される円筒状の固定軸26が嵌め込まれる
ことにより、その固定軸26回りに回動不能に取り付け
られている。なお、本実施例においては、上記ステータ
ヨーク14がヨークに相当する。
【0023】一方、ロータ10は、例えば炭素鋼や純鉄
のような磁性材料から成る有底円筒状のロータヨーク2
8と、そのロータヨーク28の円筒部の軸心方向の2位
置において、周方向に等間隔でそれぞれ8箇所に設けら
れた嵌合穴30に支持部材32の軸部34が摺動可能に
嵌め込まれることにより、そのロータヨーク28の内周
側に取り付けられた8個の永久磁石36とを備えて、ロ
ータヨーク28の開放端部に蓋部材38が図示しないボ
ルト等によって固定されることにより中空円柱状に形成
されている。そして、ロータヨーク28の底部および蓋
部材38の中央部に設けられた貫通穴に嵌め着けられた
一対の転がり軸受40,40が、上記固定軸26に嵌め
着けられることにより、ロータ10とステータ12とは
同軸的に組み立てられている。
【0024】上記永久磁石36は、例えば、Nd-Fe-B 合
金を超急冷した後に粉砕して得た粉体を、磁界をかけな
がら加圧成形するホットフォーム法により作製された異
方性の希土類鉄磁石(ネオジウム鉄磁石)であり、例え
ば、最大エネルギー積(BH)MAX =30〜40MGOe程度の
特性を有している。この永久磁石36は、長さ(ロータ
10の軸心方向長さ)および幅が前記ステータヨーク1
4の幅広部22と略同様とされて、その幅広部22側に
対向する一面はその幅広部22の外周面の形状に倣って
凹状とされていると共に、その一面の磁極が周方向に交
互にN極,S極となるように設けられている。すなわ
ち、本実施例においては、上記永久磁石36の一面が界
磁極に相当する。
【0025】また、上記支持部材32は、例えば炭素鋼
や純鉄のような磁性材料から成るものであり、前記永久
磁石36と略同様の長手方向(ロータ10の軸心方向)
長さと、その永久磁石36よりも大きい幅寸法とを有し
た磁石固着部42と、その磁石固着部42の長手方向の
中間部の2位置において、ロータヨーク28の外周側に
向かって立設された前記軸部34とを備えている。
【0026】一方、ロータヨーク28の内周面には、幅
寸法が上記磁石固着部42と同様にされ、ロータ10の
径方向の深さがその磁石固着部42の厚さよりも十分大
きくされた嵌合溝44が、その内周面の軸心方向の略全
長に亘って設けられている。その嵌合溝44の幅方向中
央部には、前記嵌合穴30が設けられており、上記支持
部材32すなわち永久磁石36は、軸部34がその嵌合
穴30に嵌め込まれると共に、磁石固着部42が嵌合溝
44に嵌め込まれることにより、ロータ10の径方向に
移動可能に設けられている。なお、上記嵌合溝44の幅
方向両側の周縁部には、反対側の周縁部に向かって鍔部
46がそれぞれ形成されており、ロータヨーク28の内
周側へ抜けることが防止されている。また、上記軸部3
4には、例えばその付勢力が圧縮量の2乗に比例するよ
うな非線形特性を有するつるまきバネや皿バネ等の弾性
部材48が嵌め着けられており、磁石固着部42(永久
磁石36)は、その弾性部材48により軸心側すなわち
ステータ12方向へ付勢されている。
【0027】以上のようなロータ10およびステータ1
2とを備えた発電機は、例えば、自動車のエンジン等の
回転に伴って回転させられる図示しない回転軸にロータ
10が接続されて用いられる。ロータ10が固定軸26
の軸心回りに回転させられると、ステータ12のステー
タヨーク14の幅広部22に対向する永久磁石36の極
性が順次反転させられることにより、ステータ12に設
けられたコイル16に誘導起電力が発生し、そのコイル
16からリード50,50、図示しない整流回路等を通
して図示しない蓄電池に電力が蓄えられる。
【0028】この場合において、本実施例によれば、ロ
ータ10がアウタロータとされて内周側に界磁極すなわ
ち永久磁石36が備えられているため、エンジンの回転
数(すなわちロータ10の回転数)が増加するに従っ
て、永久磁石36に作用する遠心力が増大するが、その
永久磁石36は嵌合溝44内において弾性部材48によ
り軸心側へ付勢されているため、遠心力が増大すると弾
性部材48の付勢力に抗して外周側、すなわち、ステー
タ12から離隔する方向に移動させられることとなる。
すなわち、本実施例においては、支持部材32,嵌合溝
44,および弾性部材48により磁束制御装置が構成さ
れている。
【0029】発電機の起電力Eは、ステータ12のコイ
ル16の巻線数をN,時間をtとしたとき下記 (1)式
(再掲)で表されることから、磁束φが同様であればそ
の時間変化である「dφ/dt」はロータ10の回転数
が増加するに従って増大させられるが、このとき、本実
施例においては、ロータ10の回転数の増加に伴って増
大する遠心力の作用により永久磁石36がステータヨー
ク14の幅広部22の外周面から離隔させられて、両者
間に形成される空隙が大きく変化させられるため、ステ
ータヨーク14と永久磁石36との間の磁束密度Bが小
さくされる。これにより、Sを磁極面積としたとき下記
(2)式(再掲)に従って、上記空隙を径方向に貫通する
磁束が少なくされて、「dφ/dt」の増大に起因して
誘導起電力Eが増大することが抑制されることとなる。
したがって、エンジンの回転数の増加に伴う起電力変化
を抑制でき、ロータ10に永久磁石を用い得ることから
その軸心方向寸法が小さく、スリップリングやブラシを
必要としないことから耐久性が高い交流発電機が得られ
る。 E=N(dφ/dt) ・・・ (1) φ=B×S ・・・ (2)
【0030】しかも、本実施例においては、弾性部材4
8の特性が非線形とされて圧縮量が大きくなるに従って
付勢力が増大させられることから、遠心力が回転数の2
乗に比例するのに対して、起電力が回転数に比例するこ
とに起因して、その起電力が必要以上に低下することが
抑制される。したがって、一層起電力の変化を小さい範
囲に抑制できる。
【0031】また、本実施例においては、永久磁石36
は、最大エネルギー積(BH)MAXが比較的高い異方性
のネオジウム鉄磁石から形成されると共に、透磁率の高
い炭素鋼等から成る支持部材32に固着されて、嵌合穴
30にその支持部材32の軸部34が摺動可能に嵌め込
まれることにより、ロータヨーク28に取り付けられて
いるため、ロータヨーク28とステータヨーク14とを
通って対向する一対の永久磁石36を結ぶ磁気回路が形
成され、従来のロータ10の磁極を電磁石で形成した場
合と同様な高い起電力を得ることができる。
【0032】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において、前述の実施例と共通する部
分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】図3乃至図5は、ロータ10がステータ1
2の内周側に備えられたインナロータ型の発電機におい
て、図2に対応する断面の構造を模式的に示す図であ
る。図3の実施例において、ロータ10は、外周側に界
磁極としての複数個の永久磁石36を備えて回転軸52
に取り付けられている。一方、ステータ12の図示しな
いステータヨークに巻回された複数個のコイル16は、
図示しない支持部材により回転不能且つ回転軸52の軸
心方向に平行な方向に移動可能に設けられており、その
軸心方向の一方の端部において、中央部に回転軸52が
非接触に貫通させられる貫通穴を有する円板状部材54
が取り付けられている。
【0034】上記円板状部材54には、回転軸52の軸
心方向と平行な方向の突き出し量が可変とされたアクチ
ュエータ56のロッド58が取り付けられており、この
アクチュエータ56が制御装置60からの移動量信号S
m に従ってロッド58の突き出し量を変化させることに
より、ステータ12のコイル16の軸心方向位置が変化
させられる。上記制御装置60は、コイル16からの出
力すなわち誘導起電力を検出すると共に、その誘導起電
力に基づいて上記コイル16の軸心方向の移動量を決定
して、その移動量を表す移動量信号Sm を発生させるも
のである。
【0035】本実施例においては、ロータ10の回転数
が増加すると、前記 (1)式に従って誘導起電力Eが増大
するが、制御装置60がその変化を検出すると、増大量
に応じた移動量信号Sm を発生させる。そして、アクチ
ュエータ56がその移動量信号Sm に従ってロッド58
を引き込んで突き出し量を小さくすると、コイル16
(すなわちステータヨーク)が図の右方に移動させられ
る。これにより、永久磁石36(すなわち界磁極)とコ
イル16との対向面積すなわち実質的な磁極面積Sが小
さくされると、前記 (2)式に従って前述の実施例と同様
に永久磁石36とコイル16との間に形成される隙間を
貫通する磁束φが少なくされて、誘導起電力Eの変化が
抑制される。なお、上記アクチュエータ56としては、
印加電圧により位置変化するソレノイドや、流す電流に
より湾曲するバイメタル等が好適に用いられる。
【0036】すなわち、前述の図1および図2に示す実
施例においては、磁束密度Bが変化させられていたが、
上記実施例のように、磁極面積Sが変化させられても良
く、結局、磁束密度B或いは磁極面積Sが変化させられ
ることにより、磁束φが変化させられれば、誘導起電力
Eの変化を抑制することができるのである。なお、本実
施例においては、永久磁石36とコイル16との対向面
積が小さくされることにより、界磁極とステータヨーク
との間の空隙はその容積が小さくなるように変化させら
れている。また、本実施例においては、コイル16,円
板状部材54,アクチュエータ56,およびロッド58
により軸心方向相対移動装置が構成され、制御装置60
が軸心方向相対位置制御装置に相当し、これらアクチュ
エータ56等から成る軸心方向相対移動装置および制御
装置60により磁束制御装置が構成されている。
【0037】図4に示される実施例においては、ステー
タ12のコイル16が回転軸52の軸心方向にも移動不
能に固定されており、そのコイル16と永久磁石36と
の間に例えばパーマロイ等から成る有底円筒状の磁気シ
ールド部材62が備えられている。この磁気シールド部
材62は、底部に回転軸52が非接触で貫通させられる
貫通穴が設けられると共に、その底部に前記アクチュエ
ータ56のロッド58が取り付けられており、前記図3
に示す実施例と同様に、制御装置60からの移動量信号
Sm を受けたアクチュエータ56の作動により、回転軸
52の軸心方向と平行な方向に移動させられる。
【0038】本実施例においては、ロータ10の回転数
が増加して誘導起電力Eが増大させられ、制御装置60
によりその増大量に応じた移動量信号Sm がアクチュエ
ータ56に送られると、アクチュエータ56は、ロッド
58の突き出し量を大きくすることにより、磁気シール
ド部材62による遮蔽面積を増加させる。この磁気シー
ルド部材62が、コイル16および永久磁石36間に介
挿された状態においては、両者の対向面積が小さくされ
るため、永久磁石36(すなわち界磁極)とコイル(す
なわちステータヨーク)との間の空隙を径方向に貫通す
る磁束φが少なくされ、回転数増大に伴う誘導起電力E
の変化が抑制されることとなる。
【0039】すなわち、磁気シールド部材62の遮蔽効
果が十分高い場合には、有効な磁極面積S(すなわち、
実質的な対向面積)が減少させられて前記 (2)式に従っ
て磁束φが少なくされ、遮蔽効果が比較的低い場合に
は、その介挿部分において上記空隙を径方向に貫通する
磁束φが少なくされ、何れにしても空隙を径方向に貫通
する磁束φが少なくされて、起電力変化が抑制されるの
である。なお、本実施例においては、ロッド58および
アクチュエータ56から相対移動装置が構成され、制御
装置60が軸心方向相対位置制御装置に相当する。
【0040】図5に示す実施例においては、ロータ10
は、回転軸52と相対回転不能且つ軸心方向に移動可能
に取り付けられており、その軸心方向の一方の端部に回
転翼64が備えられていると共に、その一方の端部とス
テータ12の底面66との間には、つるまきバネ等の弾
性部材68が備えられている。この弾性部材68は、ロ
ータ10を底面66から離隔する一方向に常時付勢する
ものである。また、上記回転翼64は、ロータ10に伴
って回転させられることにより、弾性部材68の付勢方
向とは反対方向の推力すなわち、ロータ10を底面66
に接近させる推力を発生させるものであり、その推力
は、ロータ10の回転数が増加するに従って増大させら
れる。
【0041】本実施例においては、ロータ10の回転数
が増加すると、上記のように回転翼64の推力が増大さ
せられるため、ロータ10は、弾性部材68の付勢力に
抗して底面66に接近する方向に移動させられる。すな
わち、回転翼64から与えられる推力と、弾性部材68
から与えられる付勢力とが釣り合う位置に移動させられ
る。これにより、永久磁石36(すなわち界磁極)とコ
イル16(すなわちステータヨーク)との対向面積すな
わち実質的な磁極面積Sが小さくされて、前記(2)式に
従ってそれら永久磁石36とコイル16との間の空隙を
径方向に貫通する磁束φが少なくなり、回転数の増加に
よる誘導起電力Eの変化が抑制されることとなる。
【0042】すなわち、本実施例においては、前記図3
に示される実施例と同様に、永久磁石36とコイル16
との間の空隙の容積が変化させられることにより、空隙
を径方向に貫通する磁束が少なくなるように調節されて
いる。また、本実施例においては、回転軸52,回転翼
64,および弾性部材68から磁束制御装置が構成され
ている。なお、上記回転翼64の推力すなわち形状と、
弾性部材68の付勢力は、ロータ10の回転数が増加す
るに従って、そのロータ10とコイル16との対向面積
が線形的に変化するように決定されることが望ましい。
【0043】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0044】例えば、前述の図1および図2に示される
実施例においては、磁極数およびコイル16の数が何れ
も8とされていたが、これら磁極数およびコイル16の
数は適宜変更されるものであり、単相に限らず三相交流
発電機にも本発明は同様に適用され得る。
【0045】また、実施例においては、永久磁石36に
(BH)MAX =30〜40MGOe程度の特性を有する異方性の
ネオジウム鉄磁石を用いたが、その他の(BH)MAX が
比較的低い等方性のネオジウム鉄磁石、サマリウム−コ
バルト磁石等の希土類磁石、或いはフェライト磁石等が
用いられても良い。用いられる永久磁石36の特性は、
必要とされる誘導起電力等により適宜定められるもので
ある。
【0046】また、図3乃至図5に示される実施例にお
いては、インナロータ型の発電機に本発明が適用された
場合について説明したが、図1および図2に示されるよ
うなアウタロータ型の発電機にもこれらの実施例は適用
され得る。
【0047】また、図3の実施例においては、ステータ
12のコイル16(すなわちステータヨーク)を軸心方
向に移動不能に固定し、反対にロータ10を軸心方向に
移動させる構成としても差し支えない。
【0048】また、図4の実施例においては、磁気シー
ルド部材62を軸心方向の移動不能に固定し、ロータ1
0およびステータ12を軸心方向に移動させる構成とし
ても良い。すなわち、図3および図4の実施例において
は、ロータ10とステータ12、或いは、ロータ10お
よびステータ12と磁気シールド部材62とが軸心方向
に相対移動させられれば、何れが移動させられても差し
支えないのである。
【0049】また、図3および図4の実施例において
は、制御装置60によって起電力を直接検出することに
より、アクチュエータ56によるコイル16等の移動量
を決定していたが、起電力は間接的に検出されても良
い。すなわち、起電力はロータ12の回転数に比例して
増大することから、エンジン或いはロータ12の回転数
を検出することにより、起電力を間接的に検出し、これ
に基づいてアクチュエータ56を制御しても良いのであ
る。
【0050】また、実施例においては、ロータ10(界
磁ロータ)の界磁極は、永久磁石36の一面により形成
されていたが、例えば、ロータヨーク28にステータヨ
ーク14に向かって(すなわち、アウタロータ型におい
ては内周側に、インナロータ型においては外周側に)突
き出す突き出し部を周方向に所定の間隔で設けると共
に、永久磁石36を隣接する突き出し部の中間部に備
え、その突き出し部の一面により界磁極を形成しても良
い。
【0051】その他、一々例示はしないが、本発明は、
その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得るもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発電機の要部断面を示す図
である。
【図2】図1におけるII−II視断面を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例の構造を模式的に示す図で
ある。
【図4】本発明の更に他の実施例の構造を模式的に示す
図である。
【図5】本発明の更に他の実施例の構造を模式的に示す
図である。
【符号の説明】
10:ロータ(界磁ロータ) 12:ステータ(固定電機子) 14:ステータヨーク(ヨーク) 16:コイル(電機子巻線) 36:永久磁石(界磁極) {支持部材32,嵌合溝44,弾性部材48}(磁束制
御装置)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の永久磁石を有し、円筒状の外周面
    または内周面に複数の界磁極が周方向に配列されて該円
    筒の軸心回りに回転可能に設けられた界磁ロータと、該
    界磁ロータの界磁極と径方向に所定の空隙を隔てたヨー
    クと、該ヨークに巻回された電機子巻線とを備えて該軸
    心回りに回動不能に設けられた固定電機子とを備えた交
    流発電機であって、 前記界磁ロータの回転数が増加するに従って前記界磁極
    と前記ヨークとの間に形成される空隙を変化させること
    により、該空隙を径方向に貫通する磁束が少なくなるよ
    うに調節する磁束制御装置が設けられていることを特徴
    とする電圧制御機構を備えた交流発電機。
  2. 【請求項2】 前記界磁ロータの界磁極は、該界磁ロー
    タの内周面に備えられ、前記固定電機子は、該界磁極の
    外周側に備えられており、 前記磁束制御装置は、該界磁ロータの径方向に移動可能
    に設けられた界磁極を該界磁ロータの内周面から軸心側
    に付勢する弾性部材を備え、該界磁ロータの回転数が増
    加するに従って増大する遠心力によって、該界磁極が該
    弾性部材の付勢力に抗して前記固定電機子のヨークの外
    周面から離隔させられて、磁束密度を小さくするもので
    ある請求項1の電圧制御機構を備えた交流発電機。
  3. 【請求項3】 前記磁束制御装置は、 前記界磁ロータと前記固定電機子とをその軸心方向に相
    対移動させる軸心方向相対移動装置と、 起電力を検出すると共に該起電力に基づいて該界磁ロー
    タと該固定電機子との軸心方向の相対移動量を決定して
    該相対移動量を示す移動量信号を発生し、該移動量信号
    に基づいて前記相対移動装置を制御する軸心方向相対位
    置制御装置とを含み、該界磁ロータの回転数が増加する
    に従って該界磁ロータと該固定電機子とをその軸心方向
    に相対移動させることにより、該界磁ロータの界磁極と
    該固定電機子のヨークとの対向面積を減少させるもので
    ある請求項1の電圧制御機構を備えた交流発電機。
  4. 【請求項4】 前記磁束制御装置は、 前記界磁ロータと前記固定電機子との間の空隙に挿入可
    能に設けられた磁気シールド部材と、 該界磁ロータおよび該固定電機子と該磁気シールド部材
    とを前記軸心方向に相対移動させる相対移動装置と、 起電力を検出すると共に該起電力に基づいて該界磁ロー
    タおよび該固定電機子と該磁気シールド部材との軸心方
    向相対移動量を決定して該軸心方向相対移動量を示す移
    動量信号を発生し、該移動量信号に基づいて前記相対移
    動装置を制御する軸心方向相対位置制御装置とを含み、
    該界磁ロータの回転数が増加するに従って該磁気シール
    ド部材により該界磁ロータの界磁極と該固定電機子のヨ
    ークとの対向面積を減少させるものである請求項1の電
    圧制御機構を備えた交流発電機。
  5. 【請求項5】 前記磁束制御装置は、 前記界磁ロータを軸心方向に移動可能に支持する回転軸
    と、 該界磁ロータを軸心方向の一方向に付勢する弾性部材
    と、 該界磁ロータの一端に設けられ、該界磁ロータと一体的
    に回転させられることにより、前記弾性部材の付勢力に
    抗して該界磁ロータに軸心方向の他方向に向かう推力を
    発生させる回転翼とを含み、該界磁ロータの回転数が増
    加するに従って前記推力が増大させられることにより、
    該界磁ロータの界磁極と前記固定電機子のヨークとの対
    向面積が減少させられるものである請求項1の電圧制御
    機構を備えた交流発電機。
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