JPH08253139A - 鉄道車両用空調装置およびその運転方法 - Google Patents

鉄道車両用空調装置およびその運転方法

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JPH08253139A
JPH08253139A JP7060380A JP6038095A JPH08253139A JP H08253139 A JPH08253139 A JP H08253139A JP 7060380 A JP7060380 A JP 7060380A JP 6038095 A JP6038095 A JP 6038095A JP H08253139 A JPH08253139 A JP H08253139A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】梅雨時等の除湿運転時に、肌寒さを感じる等の
不快感を解消し、乗客の快適性を向上させる。 【構成】1台の圧縮機2に室外熱交換器4,5と室内熱
交換器7,9を夫々並列と直列に接続し、室外熱交換器
4の入り口に電磁弁3を設けると共に、前段の室内熱交
換器7の入り口に第1の膨張手段6と該膨張手段6のバ
イパス回路を構成する第3の電磁弁11を設け、前記室
内熱交換器7と室内熱交換器9の連結管に第2の膨張手
段12と該膨張手段12のバイパス回路を構成する第3
の電磁弁8を設けたことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両用空調装置お
よびその運運方法に係り、特に梅雨時等において快適な
除湿運転を行うのに好適な鉄道車両用空調装置およびそ
の運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の室内熱交換器を直列に接続
し、除湿運転時にはその一部を再熱器(凝縮器)として
作用するように構成した車両用空調装置はなく、室内熱
交換器を並列に接続した冷凍サイクルが一般的であっ
た。したがって、冷房専用の空調装置では湿度の高い梅
雨の季節になると、冷房能力を極力抑えた弱冷運転をす
ると共に、室内ファンの回転数を低くして車内温度があ
まり低下しないようにした簡易的な除湿運転をしたり、
あるいは雑誌冷凍(第67巻第772号P58〜64)
に記載ように蒸発器の出口に再加熱ヒータを設けて、蒸
発器により冷却された空気を再加熱する方法が一般的で
あつた。また、その他に、特公52−13023に記載
のように蒸発器の空気出口側に再加熱用の凝縮器を配置
して、除湿運転時だけ電磁弁で冷媒を流すようにした冷
凍サイクルが知られている。
【0003】また、複数の冷凍サイクルを有した冷房・
暖房両用のヒートポンプ式空調装置の場合は、冷房運転
と暖房運転を組み合わせることで、サイクルによる除湿
運転が可能であるが、温風と冷風の混合を考慮していな
いため機種によっては室内送風機から車内に温風と冷風
が別々に送風される問題があった。さらに、1台のヒー
トポンプ式空調装置の場合は、特公平3−15109号
公報に記載のように、冷房と暖房を交互に切替える除湿
運転方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】再加熱ヒータの設置や
再加熱用の凝縮器を設ける構造は、空調装置の大形化や
重量の増加を伴い、部品点数の増加による信頼性の低下
にもつながる。また、除湿運転を行う時期等は梅雨時の
短期間であることから、通常の冷房運転時には再加熱ヒ
ータや再加熱用凝縮器は不要物となり、スペースの有効
利用の観点からも不経済である。また、再加熱ヒータや
再加熱用凝縮器を設けない冷房の弱冷運転だけによる除
湿は、乗客の少ない閑散時にはどうしても車内温度が低
下して、肌寒さを感じるため、快適性が低下するという
問題があった。
【0005】本発明の第1の目的は、除湿運転時に、車
内に供給される調和空気の温度を快適温度に保持するこ
とができる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、除湿運転時に、車
内に供給される調和空気の温度を快適温度に保持するこ
とができ、かつ、簡単な冷媒回路で除湿冷凍サイクルを
構成できる鉄道車両用空調装置を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、除湿運転時に、車
内に供給される調和空気の温度を快適温度に保持するこ
とができる車両用空調装置の運転方法を提供することに
ある。
【0008】本発明の第4の目的は、除湿運転時に、車
内に供給される調和空気の温度を乗客が不快と感じない
ように調整することができる鉄道車両の車内空調方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第2の目的は、圧縮
機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、室内送風機
と、室外送風機と、からなる鉄道車両用空調装置におい
て、前記室内熱交換器を凝縮器部と蒸発器部とから構成
しており、前記凝縮器部のみを通過した空気と前記蒸発
器部のみを通過した空気を前記室内送風機で車内へ供給
することを特徴とした第1の手段によって、達成され
る。
【0010】前記第2の目的は、圧縮機と、室外熱交換
器と、室内熱交換器と、室内送風機と、室外送風機と、
からなる鉄道車両用空調装置において、一つの冷凍サイ
クルを構成する前記室内熱交換器が、該室内熱交換器を
流れる空気流路に対して並列に分離して配置されてお
り、前記分離された一方の室内熱交換器を凝縮器とし、
他方の熱交換器を蒸発器とし、前記室内熱交換器の空気
流路の下流側に室内送風機を配置したことを特徴とする
第2の手段にょって、達成される。
【0011】前記第2の目的は、1台の圧縮機に、複数
の室外熱交換器を夫々並列に接続しており、該室外熱交
換器に、直列に接続され複数の室内熱交換器を接続し、
該室内熱交換器を前記圧縮機に接続しており、前記圧縮
機と複数の室外熱交換器を連結した配管の少なくとも一
箇所に第1の電磁弁を設けており、冷媒の流れに対して
最上流側の室内熱交換器の入り口側の配管に第1の膨張
手段および該第1の膨張手段のバイパス回路を構成する
第2の電磁弁を設置しており、前記複数の室内熱交換器
を連結した配管の少なくとも1箇所に第2の膨張手段お
よび該膨張手段のバイパス回路を構成する第3の電磁弁
を設けた鉄道車両用空調装置であって、冷房運転時は前
記第2の電磁弁を閉じて、前記第1の電磁弁と第3の電
磁弁を開き、除湿運転時は前記第2の電磁弁を開いて、
前記第1の電磁弁と第3の電磁弁を閉じるようにした第
3の手段によって、達成される。
【0012】前記第3の目的は、一台の圧縮機に、複数
の室外熱交換器を夫々並列に接続しており、これら複数
の室外熱交換器に対して直列に複数の室内熱交換器を接
続しており、該各室内熱交換器が蒸発器機能を備えてい
るとともにその一方が凝縮器機能を有しており、冷房運
転時に前記各室外熱交換器を凝縮器として運転し、か
つ、前記各室内熱交換器を蒸発器として運転し、除湿運
転時に前記複数の室外熱交換器の一部を凝縮器として運
転し、かつ、前記複数の室内熱交換器の一部を凝縮器と
して運転し、さら、前記複数の室内熱交換器の他の部分
を蒸発器として運転することを特徴とした第1の運転方
法によって、達成される。
【0013】前記第4の目的は、車内温度が除湿温度帯
の時に、除湿運転を行う空調装置を備えた鉄道車両の車
内空調方法において、前記除湿運転時に調和空気の温度
を制御して、前記空調装置へのリターン空気と空調装置
から車内に供給される調和空気との温度差を乗客が寒暖
を感じない温度差に保つことを特徴とした第1の車内空
調方法によって、達成される。
【0014】
【作用】前記第1の手段によれば、リターン空気(新鮮
空気を含む)の一部を前記室内熱交換器の蒸発器部で冷
却して除湿を行ない、かつ、前記リターン空気の残りを
前記室内熱交換器の凝縮器部で加熱し、両者を室内送風
機によって車内へ供給することにより、除湿のために冷
却された空気を前記凝縮器で加熱した空気と混合するこ
とによって温度回復して車内へ供給することができる。
したがって、従来、除湿運転時に、調和空気の温度が低
下して乗客に不快感を与えるという不具合を防止して、
快適な温度の調和空気を車内に供給することができる。
また、室内熱交換器を凝縮器部と蒸発器部とに分けて並
列に配置しており、該凝縮器部および蒸発器部に個別に
空気供給することから、前記凝縮器部と蒸発器部とが空
気流路に対して直列に配置されることがない。したがっ
て、室内熱交換器の空気流路方向の寸法を可能な限り短
くして、構造の簡略化と流路抵抗を低減することができ
る。
【0015】前記第2の手段によれば、リターン空気
(新鮮空気を含む)の一部を前記室内熱交換器の蒸発器部
で冷却して除湿を行ない、かつ、前記リターン空気の残
りを前記室内熱交換器の凝縮器部で加熱し、両者を室内
送風機によって車内へ供給することにより、除湿のため
に冷却された空気を前記凝縮器で加熱した空気と混合す
ることによって温度回復して車内へ供給することができ
る。したがって、従来、除湿運転時に、調和空気の温度
が低下して乗客に不快感を与えるという不具合を防止し
て、快適な温度の調和空気を車内に供給することができ
る。一つの冷凍サイクルで前記室内熱交換器を凝縮器部
と蒸発器部とに分離して配置することにより、凝縮器部
と蒸発器部とを一体に構成する従来方式の室内熱交換器
に比べて、熱交換器自体を薄く構成することができると
ともに冷媒配管を簡単な構成とすることができる。
【0016】前記第3の手段によれば、リターン空気
(新鮮空気を含む)の一部を前記室内熱交換器の蒸発器部
で冷却して除湿を行ない、かつ、前記リターン空気の残
りを前記室内熱交換器の凝縮器部で加熱し、両者を室内
送風機によって車内へ供給することにより、調和空気の
温度が低下して乗客に不快感を与えるという不具合を防
止して、快適な温度の調和空気を車内に供給することが
できる。また、複数の室内熱交換器および室外熱交換器
を、除湿運転時に対応して、室外熱交換器の一部を休止
させることにより、室内および室外の各熱交換器の容量
をバランスさせることができる。また、冷房運転時にお
いては、複数の室内熱交換器を全て蒸発器として用いる
ことができ、冷房能力を冷房専用機と同様に確保するこ
とができる。
【0017】前記第1の運転方法によれば、冷房運転時
には、前記複数の室内熱交換器を蒸発器として利用する
ことにより、従来と同様な冷房能力を発揮することがで
きる。また、除湿運転時には、車内へ供給される調和空
気の温度を快適温度にできるとともに、室内側と室外側
の熱交換器の容量をバランスさせることができ、液バッ
ク等の不具合を防止することができる。
【0018】前記第1の車内空調方法によれば、リター
ン空気の温度或いは調和空気の温度の少なくとも一方を
検知し、この検知結果に基づいて冷凍サイクルの能力を
調整することにより、調和空気とリターン空気との温度
差を乗客が不快と感じない値に保つものである。したが
って、リターン空気と調和空気の温度差が乗客が不快と
感じない値に制御されることから、除湿運転時に乗客は
従来のような寒さを感じることがない。本車内空調方法
においては、従来の冷房機能を有した空調装置で行なわ
れている冷凍サイクルの能力を低く抑え、送風機の能力
を抑えて運転する従来の除湿運転とは全く異なるもので
ある。すなわち、車内温度が、冷房を必要とする温度以
下、暖房を必要とする温度以上の状態においては、除湿
運転を行なう場合、湿度を設定値に近付けるように制御
したのでは、従来のように調和空気温度が低下して乗客
に不快感を与える。そこで、乗客に不快感を与える調和
空気温度に着目し、該調和空気の温度を単に設定温度に
なるように冷凍サイクルを制御するのではなく、リター
ン空気との温度差を所定範囲内に抑えるように、調和空
気の温度を制御するものである。
【0019】例えば、車内温度が24℃以下の時、湿度
センサで検出した車内の湿度が65%を超えると空調装
置は除湿モードに入り、第2の電磁弁を開いて、第1と
第3の電磁弁を閉じる。この結果、圧縮機から吐出され
た高温・高圧のガス冷媒は室外熱交換器で外気により冷
却されて中温・高圧の液冷媒となり、第2の電磁弁を通
って、例えば半数の室内熱交換器(凝縮器)に次々と流
入し、客室から吸入された空気を放熱により加熱する。
【0020】一方、過冷却された液冷媒は第2の膨張弁
で急激に減圧されて液とガスの二相状態となり、残りの
複数の室内熱交換器(蒸発器)に次々に流入して客室よ
り吸入された空気から吸熱して気化し、圧縮機に戻る。
【0021】前段の複数の室内熱交換器(凝縮器)で加
熱された空気と、後段の複数の室内熱交換器(蒸発器)
で冷却された空気は室内送風機に吸い込まれてケーシン
グ内で混合され、湿度の低い快適な温度の空気となり客
室に送風される。この時、車内湿度の制御は圧縮機の運
転周波数をインバータで増減させて除湿能力を適宜調節
することにより行う。
【0022】以上述べた如く本発明によれば、例えば梅
雨時に感じる乗客のじめじめした不快感を防止でき、車
内の温湿度を快適に保持できる。ので、ヒータによる暖
房と組合せることにより四季を通じて常に快適な車内環
境を乗客に提供することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図1および図2に示す実施例
により詳細に説明する。ここで、図1は本発明による車
両用空調装置の平面図、図2はコントローラの構成を示
したブロック図である。図1において、1は車両用空調
装置である。図中下側の部分が室外機、図中上側が室内
機である。
【0024】前記車両用空調装置1は、複数の室外熱交
換器4,5および複数の室内熱交換器7,9を備えてお
り、一台の圧縮機2によって一つの冷凍サイクルを構成
している。前記圧縮機2に対して前記室外熱交換器4,
5は、並列に接続されており、一方の室外熱交換器4と
の間の配管に第1の電磁弁3が設けられている。前記室
外熱交換器4,5と一方の前記室内熱交換器7とは、該
室外熱交換器4,5の配管を集合して室内熱交換器7に
接合している。この室内熱交換器7への接合される集合
した一本の配管部分に、膨張手段6と該膨張手段6に並
列に設置されバイパス回路を構成する第2の電磁弁11
が設置されている。前記室内熱交換器7と室内熱交換器
9は、前記室外熱交換器4,5に対して直列に接続され
ている。また、前記室内熱交換器7と室内熱交換器9と
を接続する配管には、第2の膨張手段と該第2の膨張手
段に並列に設置されバイパス回路を構成する第3の電磁
弁12が設置されている。そして、前記室内熱交換器9
はアキュムレータ10を介して圧縮機2の吸い込み側に
接続されている。
【0025】前記圧縮機2は、室外機の部分であって、
前記室外熱交換器4,5の間に、室外送風機13に隣接
して配置されている。したがって、室外送風機13によ
って室外熱交換器4,5に送風を行なうと、前記圧縮機
2の周囲にも送風され、該圧縮機2の冷却が行なわれ
る。図中の室内機と室外機との間の部分には、制御機器
収納部が形成されている。この制御機器収納部に、イン
バータ15,コントローラ16および制御盤17が設置
されている。前記インバータ15で、圧縮機2の電源周
波数を変化させて回転数を変速させる。これによって、
冷凍サイクルの能力を制御する。16はコントローラ
で、図2に示すように内蔵したマイクロコンピュータ2
0が室内温度センサ21や室内湿度センサ22および外
気温度センサ23の検出値やコンソール24からの運転
指令を受けて、インバータ15の出力周波数や制御盤1
7内の接触器の入り・切りによって前記各電磁弁の制御
を行う。ここで、25は前記室内温度センサ21,室内
湿度センサ22および外気温度センサ23の各アナログ
値をディジタル値に変換するA/Dコンバータであり、
26は反対にマイクロコンピュータ20のディジタル信
号をアナログ値に変換するD/Aコンバータである。2
7はデジタルスイッチで、制御盤17内の接触器やコン
ソール24の表示器の入り・切りを制御する。
【0026】車内からのリターン空気を前記室内熱交換
器7,9へ導くリターン口は、該室内熱交換器7,9の
外側に形成されている。このリターン口と室内熱交換器
7,9の間に、新鮮空気を装置外から導入する構造とな
っている。(詳細構造図示省略)該室内熱交換器7,9の
間には、室内送風機14が設置されている。前記リター
ン口からのリターン空気および新鮮空気は、前記室内熱
交換器7,9を通過した後、調和空気となって室内送風
機14により車内に送風される。
【0027】冷房運転時には、電磁弁3,8を開き、電
磁弁11を閉じる。このとき、室外熱交換器4,5は凝
縮器となり、室内熱交換器7,9は蒸発器となる。圧縮
機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室外熱交
換器4,5(凝縮器)で外気により冷却されて中温・高
圧の液冷媒となる。中温・高圧の液冷媒は、第1の膨張
機構6で減圧されて低温・低圧の二相状態となり、左側
の室内熱交換器7(蒸発器)から第3の電磁弁8を通
り、右側の室内熱交換器9(蒸発器)を通過する間に車
内のリターン空気との熱交換により吸熱して気化し始め
る。気化したガス冷媒はアキュムレータ10を通って圧
縮機2に戻る。上記過程において車内からのリターン空
気は冷媒により冷却されて冷風となる。
【0028】除湿運転時には、電磁弁3,8を閉じて、
電磁弁11を開く。この動作によって、室外熱交換器4
へは冷媒が供給されず、熱交換器として機能しない。但
し、該室外熱交換器4には、所定量の冷媒が蓄えられる
ことになる。室外熱交換器5は、凝縮器として機能す
る。前記室内熱交換器7は、第一の膨脹手段6のバイパ
ス回路の電磁弁11が開いていることから、前記室外熱
交換器5と同様に凝縮器として機能する。室外熱交換器
9は、第3の電磁弁8が閉じていることから第2の膨脹
手段12が機能を発揮することにより、蒸発器として機
能する。
【0029】したがって、前記圧縮機2から吐出された
高温・高圧のガス冷媒は、前記室外熱交換器5(凝縮
器)だけに供給され、ここで外気により冷却されて中温
・高圧の液冷媒となり、第2の電磁弁11を通って左側
の室内熱交換器7(凝縮器)に流入する。該室内熱交換
器7(凝縮器)で車内のリターン空気および新鮮空気に
よりさらに過冷却された液冷媒は、第2の膨張機構12
で減圧されて液とガスの二相状態となり、右側の室内熱
交換器9(蒸発器)に流入する。そして、前記冷媒は室
内熱交換器9で車内のリターン空気および新鮮空気から
吸熱して気化し、アキュムレータ10を通って圧縮機2
に戻る。
【0030】上記過程において、左側の室内熱交換器7
を通る車内のリターン空気および新鮮空気は高温の冷媒
により加熱されて温風となる。一方、右側の室内熱交換
器9を通るリターン空気および新鮮空気は低温の冷媒に
より冷却され、該リターン空気に含まれている水分が該
室内熱交換器9の表面に結露する。したがって、前記リ
ターン空気および新鮮空気は、冷風となるとともに除湿
される。室内熱交換器7の温風と室内熱交換器9の冷風
は、室内送風機14のケーシング内で混合され、除湿さ
れた適温の調和空気となる。
【0031】このような構成によれば、除湿運転時に、
リターン空気(すなわち所定量の新鮮空気を含むが以下
単にリターン空気という)のほぼ半分は、室内熱交換器
7で加熱されて温風となる。前記リターン空気の残りの
半分は、室内熱交換器9で冷されて除湿され、冷風とな
る。この温風と冷風を室内送風機14によって混合して
調和空気として車内に供給する。このように、リターン
空気を一部を冷却して除湿を行い、除湿に伴う温度低下
をリターン空気の残りを加熱した温風の熱によって温度
回復する。また、前記室内熱交換器7と室内熱交換器9
の夫々の通過空気料がほぼ同等とした場合に、該室内熱
交換器9で奪われる熱量と室内熱交換器7で加えられる
熱量をほぼ同等にする。このことにより、調和空気とリ
ターン空気との温度差を極力少なくして、除湿運転時の
調和空気の温度低下等による乗客に与える不快感をなく
す。
【0032】なお、前記リターン空気に含まれる新鮮空
気の量およびその温度によっては、前述のように室内熱
交換器7,9の加熱,冷却する熱量を同等に設定しも、
リターン空気と調和空気との温度に差が生じることにな
る。このように、新鮮空気を含むリターン空気の変化,
室内熱交換器7,9の結露或いは汚損の状況による熱交
換効率の変化によって、リターン空気と調和空気との間
に温度差が生じた場合に、その状況を前記室内温度セン
サ21,室内湿度センサ22および外気温度センサ23
によって検知して、その検知結果により前記温度差をな
くす方向に調和空気温度を制御する。前記室内温度セン
サ21は、単に車内の室温を検知するだけでなく、リタ
ーン空気の温度および調和空気の温度を検知するもので
ある。
【0033】調和空気の具体的な温度制御の一例を説明
する。まず、前記第3の電磁弁8を流量可変式電磁弁と
し、リターン空気と調和空気の温度差が設定した値例え
ばプラス,マイナス1度を超えて低下した場合、前記第
3の電磁弁8を動作させて、冷媒の一部を減圧手段12
をショートパスさせて流すことにより、調和空気の温度
低下を防止する。前記温度差が、設定値より1度以上上
昇した場合には、前記第3の電磁弁を閉じ、圧縮機2の
仕事量を増大させる。すなわち、除湿運転時には、室外
熱交換器5と室内熱交換器7とを凝縮器として用い、室
内熱交換器9を蒸発器として用いており、凝縮器側であ
る室外熱交換器5は、車外機側の設置である。したがっ
て、室内熱交換器7と室内熱交換器9との熱交換能力の
差すなわち、蒸発器の能力が凝縮器の能力を上回るた
め、供給される冷媒量の増大によって、調和空気の温度
を下げることができる。このようにして、調和空気の温
度を制御することによって、リターン空気と調和空気の
温度差を乗客が不快すなわち寒暖を感じない温度範囲に
保ちながら、除湿運転を行う。
【0034】このような車内空調方法によれば、乗客に
肌寒さを感じさせることなく、除湿が行えるため、気温
が比較的に高くない梅雨時期等において、快適な車内環
境を提供することができる。
【0035】なお、前述の説明では、リターン空気と調
和空気の両方の温度を検出する場合について説明した
が、マイクロコンピュータ20によって圧縮機の仕事料
と前記リターン空気と調和空気のいずれか一方の検知結
果を用いて制御することもできる。
【0036】前記除湿運転時において、リターン空気の
ほぼ半分は分離して配置された室内熱交換器7のみを通
過し、残りのリターン空気は室内熱交換器9を通過し
て、夫々別々に加熱,冷却された後、室内送風機14に
よって混合され、車内に供給される。このような構成に
よれば、室内熱交換器7,9が独立して配置されている
ことから、各熱交換器単体を空気流路長さを最も効率の
良い長さに設定することができ、例えば一つの熱交換器
に複数の機能を持たせる場合に比べて、小型或いは効率
向上が図れる。すなわち、一つの熱交換器に凝縮器と蒸
発器との機能を持たせる場合、配管系が二系統となって
空調装置全体として配管が複雑となる。また、一つの熱
交換器で凝縮器と蒸発器との機能を効率良く発揮させる
には、各機能を有する伝熱部分の長さを十分確保する必
要があり、熱交換器自体が大型な物となる。また、前記
熱交換器においては、流路抵抗の増大も懸念される。し
たがって、前述のように機能の異なる室内熱交換器7,
9を独立配置して用いることは、装置の小型化或いは効
率向上につながる。
【0037】さらに、前記構造によれば、冷房運転を行
う場合、最も単純で効率の良い機器配置となっているた
め、前記除湿運転を行うための構造上の改良点に起因す
る冷房能力或いは効率の低下が全くなく、良好な冷房運
転が可能である。
【0038】前記実施例の構造によれば、再加熱ヒータ
を用いることなく、一つの冷凍サイクル内で、除湿のた
めの冷却と温度回復のための加熱を行うことができ、こ
の点からも装置の大型化或いは部品点数の増大を防止で
きるものである。
【0039】本実施例では、圧縮機1台に対して室内熱
交換器を2台直列に配管した場合を示しているが、本発
明は本実施例に限定されるものではなく、室内熱交換器
は何台設けても良く、直列に連結した複数台の室内熱交
換器を二つのグループに分けて、間に第2の膨張機構と
バイパス用の電磁弁を設ける構成としても、前述の効果
を達成することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、除
湿運転時に、車内に供給される調和空気の温度をリター
ン空気との温度差を乗客が寒暖を感じない快適温度に保
持することができる。
【0041】また、一台の圧縮機と複数の室外熱交換器
の並列接続および室内熱交換器の直列接続の接続によ
り、除湿運転時に、車内に供給される調和空気の温度を
快適温度に保持することができ、かつ、簡単な冷媒回路
で除湿冷凍サイクルを構成できる。
【0042】さらに、除湿運転時に、各種条件変化に対
応して調和空気温度制御することかできるため、車内に
供給される調和空気の温度を乗客が不快と感じないよう
に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄道車両用空調装置の一実施例を
示した平面図である。
【図2】図1の鉄道車両用空調装置のコントローラのブ
ロック図である。
【符号の説明】
2…圧縮機、3…第1の電磁弁、4,5…室外熱交換
器、6…第1の膨張機構、7,9…室内熱交換器、8…
第3の電磁弁、10…アキュムレータ、11…第2の電
磁弁、12…第2の膨張機構、13…室外送風機、14
…室内送風機、15…インバータ、16…マイクロコン
ピュータ、17…制御盤。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器
    と、室内送風機と、室外送風機と、からなる鉄道車両用
    空調装置において、 前記室内熱交換器を凝縮器部と蒸発器部とから構成して
    おり、前記凝縮器部のみを通過した空気と前記蒸発器部
    のみを通過した空気を前記室内送風機で車内へ供給する
    ことを特徴とした鉄道車両用空調装置。
  2. 【請求項2】圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器
    と、室内送風機と、室外送風機と、からなる鉄道車両用
    空調装置において、一つの冷凍サイクルを構成する前記
    室内熱交換器が、該室内熱交換器を流れる空気流路に対
    して並列に分離して配置されており、前記分離された一
    方の室内熱交換器を凝縮器とし、他方の熱交換器を蒸発
    器とし、前記室内熱交換器の空気流路の下流側に室内送
    風機を配置したことを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  3. 【請求項3】1台の圧縮機に、複数の室外熱交換器を夫
    々並列に接続しており、該室外熱交換器に、直列に接続
    され複数の室内熱交換器を接続し、該室内熱交換器を前
    記圧縮機に接続しており、前記圧縮器と複数の室外熱交
    換器を連結した配管の少なくとも一箇所に第1の電磁弁
    を設けており、冷媒の流れに対して最上流側の室内熱交
    換器の入り口側の配管に第1の膨張手段および該第1の
    膨張手段のバイパス回路を構成する第2の電磁弁を設置
    しており、前記複数の室内熱交換器を連結した配管の少
    なくとも1箇所に第2の膨張手段および該膨張手段のバ
    イパス回路を構成する第3の電磁弁を設けたことを特徴
    とする鉄道車両用空調装置。
  4. 【請求項4】1台の圧縮機に、複数の室外熱交換器を夫
    々並列に接続しており、該室外熱交換器に、直列に接続
    され複数の室内熱交換器を接続し、該室内熱交換器を前
    記圧縮機に接続しており、前記圧縮器と複数の室外熱交
    換器を連結した配管の少なくとも一箇所に第1の電磁弁
    を設けており、冷媒の流れに対して最上流側の室内熱交
    換器の入り口側の配管に第1の膨張手段および該第1の
    膨張手段のバイパス回路を構成する第2の電磁弁を設置
    しており、前記複数の室内熱交換器を連結した配管の少
    なくとも1箇所に第2の膨張手段および該膨張手段のバ
    イパス回路を構成する第3の電磁弁を設けた鉄道車両用
    空調装置であって、冷房運転時は前記第2の電磁弁を閉
    じて、前記第1の電磁弁と第3の電磁弁を開き、除湿運
    転時は前記第2の電磁弁を開いて、前記第1の電磁弁と
    第3の電磁弁を閉じるようにしたの車両用空調装置の運
    転方法。
  5. 【請求項5】一台の圧縮機に、複数の室外熱交換器を夫
    々並列に接続しており、これら複数の室外熱交換器に対
    して直列に複数の室内熱交換器を接続しており、該各室
    内熱交換器が蒸発器機能を備えているとともにその一方
    が凝縮器機能を有しており、冷房運転時に前記各室外熱
    交換器を凝縮器として運転し、かつ、前記各室内熱交換
    器を蒸発器として運転し、除湿運転時に前記複数の室外
    熱交換器の一部を凝縮器として運転し、かつ、前記複数
    の室内熱交換器の一部を凝縮器として運転し、さら、前
    記複数の室内熱交換器の他の部分を蒸発器として運転す
    ることを特徴とした鉄道車両用空調装置の運転方法。
  6. 【請求項6】車内温度が除湿温度帯の時に、除湿運転を
    行う空調装置を備えた鉄道車両の車内空調方法におい
    て、前記除湿運転時に調和空気の温度を制御して、前記
    空調装置へのリターン空気と空調装置から車内に供給さ
    れる調和空気との温度差を乗客が寒暖を感じない温度差
    に保つことを特徴とした鉄道車両の車内空調方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の鉄道車両の車内空調方法
    において、前記除湿温度帯は、車内の温度が、冷房を行
    う温度域と暖房を行う温度域の間であることを特徴とし
    た鉄道車両の車内空調方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106322760A (zh) * 2016-09-22 2017-01-11 杭州佳力斯韦姆新能源科技有限公司 一种用双毛细管进行组合式节流的空气源二氧化碳热泵系统
CN109059151A (zh) * 2018-07-19 2018-12-21 上海交通大学 空调热泵系统
CN117734750A (zh) * 2023-12-21 2024-03-22 西安中车永电捷通电气有限公司 一种轨道交通空调及轨道车辆

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