JPH08253507A - メタクリル樹脂の製造方法 - Google Patents

メタクリル樹脂の製造方法

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JPH08253507A
JPH08253507A JP5736295A JP5736295A JPH08253507A JP H08253507 A JPH08253507 A JP H08253507A JP 5736295 A JP5736295 A JP 5736295A JP 5736295 A JP5736295 A JP 5736295A JP H08253507 A JPH08253507 A JP H08253507A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、熱成形時におけるシルバー
ストリークスや発泡、着色および臭気等の発生の少な
い、耐熱分解性に優れたメタクリル樹脂の製造方法を提
供することにある。 【構成】 メチルメタクリレート単独、またはメチルメ
タクリレート75重量%以上とメチルアクリレート、エ
チルアクリレートもしくはブチルアクリレートから選ば
れた少なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混
合物71〜95重量%および溶媒29〜5重量%からな
る混合物を、一定の半減期のラジカル重合開始剤を使用
し、かつ平均滞留時間がラジカル重合開始剤の半減期の
一定倍となるように調製し、該組成物に対するラジカ
ル重合開始剤濃度及び連鎖移動剤濃度が一定濃度となる
ように調製し、更に反応組成物をモノマー転化率40
〜90%に維持しながら連続的に重合させ、該重合反応
で得られたポリマーの熱分解率が、5重量%以下である
ことを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタクリル樹脂の製造方
法に関する。さらに詳しくは、優れた耐熱分解性を有す
るメタクリル樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタクリル樹脂は透明性、耐候性、機械
的強度が優れており、建築用資材や家具、室内装飾用素
材、自動車部品、電気部品等各種成形材料として各方面
に広く利用されている。従来、成形材料として用いられ
るメタクリル樹脂の製造法としては懸濁重合法が一般に
採用されているが、この方法は使用される懸濁分散剤等
の副材料がポリマー中に混入するため高純度の重合体は
得られ難く光学材料等の用途には不向きとされている。
更に重合体の後処理工程がろ過、洗浄、乾燥と煩雑な
上、大量の排水処理を伴うなど工業プロセスとしても問
題点を残している。
【0003】この懸濁重合法の欠点を改善する方法とし
て近年、連続的な塊状重合法と溶液重合法が注目されて
いる。これらの方法によれば、懸濁分散剤等が使用され
ないため光学特性に優れた高品質樹脂の製造が可能であ
る。しかしながら、前者の方法は「ゲル効果」と呼ばれ
る自動加速効果のため、高いモノマー転化率を維持しな
がら重合反応を安定に制御することは非常に難しく、ポ
リマー濃度の高い最終重合物を得るのは困難とされる。
【0004】特公昭52−32665号公報には槽型反
応装置を用いて比較的低いモノマー転化率で均一相反応
させ、未反応モノマーを連続的に分離除去する連続塊状
重合法が提案されている。この方法では、未反応モノマ
ーの残存量が多く、この回収再使用と重合体の濃縮のた
めの脱揮工程で多くのエネルギーを費やさねばならない
上、その際重合体が熱履歴を受け着色や変質を起こしや
すいという欠点がある。特公昭55−7845号公報等
に示されているように溶媒としてベンゼンもしくはアル
キルベンゼンを用いる溶液重合法によれば溶剤によって
反応液の粘度が低減されるため、ゲル効果が抑制され、
高いモノマー転化率で安定した重合反応が可能となるこ
とが知られている。
【0005】このような溶液重合法の場合、溶媒の使用
量低減には限界がありモノマー転化率を高めて反応液中
に残存する未反応モノマーは減少しても溶媒を含めた揮
発分含有量は減少せず、揮発成分の除去に費やされるエ
ネルギーは塊状重合法と変わらない場合もあり、加えて
重合体の耐熱分解性の低下や溶媒及びモノマー成分の回
収再使用の方法が煩雑になる等の問題点も抱えている。
一方、特開昭62−241905号公報にはメタノール
等の脂肪族一価アルコールを溶媒としてメチルメタクリ
レートを主成分とするモノマー混合物のラジカル重合を
行い、得られた重合体をスラリー状に沈澱させて分離す
る方法が示されているが、モノマー成分20〜70部に
対して溶媒80〜30部と多量の溶媒を使用すること、
重合体を分離するため冷却、沈澱、ろ過、乾燥工程が必
要となること及び連続プロセスとする場合にスラリー状
の重合液を均一に移送・処理する必要があることなど工
業的に解決しなければならない問題も多く存在する。
【0006】そして、この方法に従って、成形材料に適
した分子量を有するメタクリル樹脂を製造すると、極め
て耐熱分解性の低いポリマーしか得られないことが本発
明者らの実験によりわかった(比較例2参照)。また、
特開平1−201307号公報には1価のアルキルアル
コールとベンゼンもしくはアルキルベンゼンより成る混
合溶媒を5重量%以上30重量%未満用いてメチルメタ
クリレートを主成分とするモノマー混合物の溶液重合を
行う方法が示されているが、一価のアルキルアルコール
は混合溶媒中で5〜50重量%を占めるに過ぎず、一般
的なベンゼンもしくはアルキルベンゼンを溶媒とする方
法を抜本的に変えるものではない。
【0007】本発明者らは、従来法の上記のような問題
点を解決し、メタクリル樹脂を安定に制御された重合反
応を経て経済的に有利に製造する方法として先の出願
(特願平5−279861)において、メタノール5〜
29重量%添加した連続溶液重合法を開示した。本法に
よればゲル効果が発現するポリマー濃度を高めることが
できるので重合を安定化することができる。ところで、
一般にメタクリル樹脂は230℃付近から分解し始め、
270℃付近から特に顕著である。この熱分解はポリマ
ー末端に残存した二重結合に対して隣接した炭素−炭素
単結合が熱的に弱く、230〜270℃付近で開裂し
て、いわゆるジッパー分解の開始点となることによる
(カシワギ、イナベ、ブラウン、キタヤマ、マスダ,マ
クロモレキュラス,19,2160(1986)(T.
Kashiwagi,A.Inaba,E.Brow
n,K.Hatada,T.Kitayama,E.M
asuda,Macromolecules))。
【0008】他方、メタクリル樹脂は230℃〜250
℃で射出成形あるいは押出成形される。このとき成形さ
れるメタクリル樹脂が熱分解温度と接近しているため、
一部ポリマーより加熱分解したモノマーが成形品中に残
留してシルバーストリークスや発泡を発生させたり、着
色、耐熱変形性の低下、臭気による作業環境の悪化等を
きたし、実用上の問題となっている。 これまでメタク
リル樹脂の耐熱分解性を向上させるために種々の工夫が
なされてきている。たとえば、初期において抗酸化剤を
添加して加熱成形することが試みられたが、充分な効果
が得られないばかりか着色する等の欠点を有していた。
【0009】近年、メタクリル樹脂を連続重合法で製造
することにより耐熱分解性が改良されることが示されて
いる。たとえば、前述した特公昭52−32665号公
報では温度130〜160℃において1段完全混合型連
続重合を行うに当たり、連鎖移動剤としてメルカプタン
濃度0.01〜1.0モル%および下記式 10≧A1/2 ・B-1/2×103 3≧A・B×105 2.9≧A-1・(B+10.3)×10-6 ここで、A=モノマーフィード100g中のラジカル重
合開始剤のモル数 B=ラジカル重合開始剤の重合温度における半減期(時
間) を満足するモノマー組成物を連続的にフィードしてモノ
マー転化率50〜78%に維持する方法が示され、特開
平3−111408号公報では1段完全混合型連続重合
を行うに当たり、重合温度130〜160℃における半
減期が0.5〜2分の開始剤を用い、重合温度でのラジ
カル開始剤の半減期と平均滞留時間の比が1/200〜
1/10000となるように平均滞留時間を設定し、モ
ノマー転化率が45〜70%とする方法が開示されてい
る。
【0010】これらいずれの技術においても、問題とす
る耐熱分解性は未反応モノマー等残存揮発分を高温下で
除去する真空脱揮工程や押出成形工程を経たポリマーに
ついて評価したものである。本発明者らの検討によれば
重合工程で生成してくるポリマーそのものの耐熱分解性
については必ずしも十分ではなかった。脱揮工程や押出
成形工程での熱分解による収率低下、熱履歴による着色
等を考慮すれば重合工程で生成するポリマーの耐熱分解
性を向上させることが極めて重要である。
【0011】更に、特開平6−239938号では、メ
タクリル樹脂の連続重合方法において、熱分解指数αが
3.0以下であるメタクリル樹脂が耐熱分解性良好であ
るとの記述がある。しかしながら、熱分解指数αの定義
は示されているものの、熱分解指数αが3.0以下であ
るメタクリル樹脂の製造条件については全く述べられて
いない。特開平1−172401号公報では、多段完全
混合槽型連続重合法においてメチルアクリレートまたは
エチルアクリレート等のコモノマーや連鎖移動剤の一部
を分割フィードすることにより生成ポリマーの熱安定性
等品質が向上すると記載されているものの具体的な方法
および実施例は一切記載されていない。
【0012】本発明者らは、前述の特願平5−2798
61号において、メタノール5〜29重量%添加した連
続溶液重合法によりゲル効果が発現するポリマー濃度を
高めることができるので重合を安定化させ得ることを開
示したが、得られるポリマーの耐熱分解性においては必
ずしも満足されるものではなかった。上述した従来技術
は重合反応操作の安定性、生産効率の向上を可能にした
としても必ずしも優れた耐熱分解性を有するメタクリル
樹脂の製造方法を提供するものではなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した課題を解決し、熱成形時におけるシルバーストリー
クスや発泡、着色および臭気等の発生の少ない、耐熱分
解性に優れたメタクリル樹脂の製造方法を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、連続溶液重合において、特定のラジカル重合
開始剤の半減期とその濃度、連鎖移動剤濃度、モノマー
濃度および溶媒濃度、重合温度、平均滞留時間の条件下
で反応させることにより、上記した課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明を完成させた。
【0015】すなわち、本発明は、1段完全混合槽を使
用して(以下、A法ということがある)、メチルメタク
リレート単独、またはメチルメタクリレート75重量%
以上とメチルアクリレート、エチルアクリレートもしく
はブチルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以上
が25重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%お
よび溶媒29〜5重量%からなる混合物を、 重合温度90〜180℃における半減期が0.05〜
20分であるラジカル重合開始剤を使用し、かつ平均滞
留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5〜7000倍
となるように調製し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が1.0×
10-4〜0.16モル/リットル、連鎖移動剤濃度が
1.0×10-4〜0.37モル/リットルとなるように
調製し、 更に反応組成物をモノマー転化率40〜90%に維持
しながら連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリ
マーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形
工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から30
0℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分
解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタク
リル樹脂の製造方法
【0016】2段直列結合された完全混合槽を使用して
(以下、B法ということがある)、メチルメタクリレー
ト単独、またはメチルメタクリレート75重量%以上と
メチルアクリレート、エチルアクリレートもしくはブチ
ルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以上が25
重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%および溶
媒29〜5重量%からなる混合物を、 第1槽重合温度100〜170℃、第2槽重合温度1
30〜170℃における半減期が0.05〜20分であ
るラジカル重合開始剤を使用し、 かつ平均滞留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5
〜7000倍となるように設定し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が5.0×
10-5〜0.12モル/リットル、連鎖移動剤濃度が
1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調
製し、 該反応組成物を第2槽目モノマー転化率70〜90%
に維持しながら連続的に重合させ、該重合反応で得られ
たポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押
出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃か
ら300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したとき
の熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とする
メタクリル樹脂の製造方法および
【0017】2段に直列結合された第1段目反応器の完
全混合槽と第2段目反応器のプラグフロー型反応器を使
用して(以下、C法ということがある)、メタクリレー
ト単独、またはメタクリレート75重量%以上とメチル
アクリレート、エチルアクリレートもしくはブチルアク
リレートから選ばれた少なくとも一種以上が25重量%
以下のモノマー混合物71〜95重量%および溶媒29
〜5重量%からなる混合物を、 重合温度が1段目完全混合槽100〜170℃、2段
目プラグフロー型反応器100〜170℃にして、 1段目完全混合槽の平均滞留時間が重合温度における
開始剤の半減期の5〜7000倍、2段目プラグフロー
型反応器での滞留時間が開始剤半減期の5〜50倍とな
るように設定し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度1.0×1
-4〜0.16モル/リットル、 および連鎖移動剤濃度1.0×10-4〜0.1モル/
リットルとなるように調製した反応組成物を 2段目プラグフロー型反応器出口でのモノマー転化率
を70〜90%に維持しながら連続的に重合させ、該重
合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了
後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素
気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で
加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下である
ことを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法に関する発
明である。
【0018】(A)方法Aについて 1段完全混合槽を使用して行う場合(方法A)によれ
ば、メチルメタクリレート単独、またはメチルメタクリ
レート75重量%以上とメチルアクリレート、エチルア
クリレートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少
なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混合物7
1〜95重量%および溶媒29〜5重量%からなる混合
物、ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤からなる原料
組成物を、該組成物中のラジカル重合開始剤濃度が1.
0×10-4〜0.16モル/リットルおよび連鎖移動剤
濃度が1.0×10-4〜0.37モル/リットルとなる
ように調製し、重合温度90〜180℃、該重合温度に
おける半減期が0.05〜20分であるラジカル重合開
始剤を使用し、かつ該半減期の5〜7000倍である平
均滞留時間にて、モノマー転化率40〜90%に維持し
ながら前記モノマーを連続的に重合することによって、
重合工程で生成し、かつ脱揮工程や押出成形工程を経る
前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2
℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率が5重
量%以下の耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造す
ることができる。
【0019】上記方法Aにおける条件のうち、特に好ま
しい条件は、下式(1)〜(3)を満足するものであ
る。
【0020】 式(1) 7.0×107 ≦〔C2 (τ+θ)e4529/T〕/(I・θ2 )≦3.0 ×109 式(2) 100 ≦ M/(D+E+F)≦ 40000 式(3) 4.0 ×10-7≦(I・G)/〔M・θ/(τ+θ)〕≦ 1.0 ×10-4
【0021】ここで、Cはモノマー転化率(%)、τは
ラジカル重合開始剤の半減期(分)θは平均滞留時間
(分)、Tは重合温度(絶対温度)、Iはフィードされ
るラジカル重合開始剤濃度(モル/リットル)、Mはフ
ィードされるモノマー濃度(モル/リットル)を示す。
また、D、E、FおよびGはそれぞれ下式で定義され
る。
【0022】 D=(7.75×103 -3674/T ・ X)/〔100 +(7.75 ×103 ・ e-3674/T -1)C〕 E=(423e-6021/T ・S)/〔100 +(423e-6021/T −1)・C〕 F=(1.13×10-44529/T・C)/〔θ・(100−C)2 〕 G= 2.0×10-3・H2 −8.5×10-2・H+1
【0023】ここで、Xはフィードされる連鎖移動剤濃
度(モル/リットル)、Sはフィードされる溶媒濃度
(モル/リットル)を示し、Hはモノマー転化率とフィ
ードモノマー中のアクリレート濃度から導かれる定数で
あって、下式で定義される。
【0024】 H= m・(3.7×10-3・C+0.63) (mはフィードモノマー中アクリレート濃度(モル
%)) 本発明でいう耐熱分解性は、重合槽中で得られた脱揮工
程や押出成形工程を経る前の熱履歴を受けていないポリ
マーを、窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/m
inの割合で加熱昇温したときの熱分解率で表す。本発
明において、熱分解率は5%以下、好ましくは3%以
下、さらに好ましくは2%以下とする。熱分解率が5%
を越えると、成形時においてシルバーストリークスやボ
イド等の成形不良を生ずる。
【0025】本発明のA法においては、上述のように、
使用するモノマー成分としてはメチルメタクリレート単
独またはメチルメタクリレート75重量%以上とメチル
アクリレート、エチルアクリレートまたはブチルアクリ
レート25重量%以下からなるモノマー混合物である。
本発明で使用する溶媒はトルエン、メタノール、アセト
ン、酢酸エチル等が挙げられるが、特にメタノールの使
用が、重合反応後の処理等を考慮すると特に望ましい。
溶媒の使用割合はモノマーもしくはモノマー混合物71
〜95重量%に対し、溶媒29〜5重量%である。
【0026】溶媒濃度が上記5重量%未満では、メチル
メタクリレートのラジカル重合に顕著な自動促進効果、
すなわち系内粘度上昇による重合速度の異常加速現象が
生じ易く、安定に重合が維持できなくなる。 一方、溶
媒濃度が上記29重量%を越えると、設定できる分子量
範囲が狭められ、かつ熱分解し易い末端二重結合を有す
るポリマーの生成率が大きくなり、優れた耐熱分解性を
有するポリマーの製造条件を設定範囲が極端に狭くな
る。
【0027】重合開始剤としては、ジ−t−ブチルパー
カーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、tーブチルパーオキシジネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
(2−エチルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−
t−アミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド等の有機過酸化物、あるいは2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾ
ビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロ
ヘキサンカーボニトリル)等のアゾ化合物が挙げられ、
単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができ
る。
【0028】方法Aにおいては、原料組成物中のラジカ
ル重合開始剤濃度は、1.0×10 -4〜0.16モル/
リットル、好ましくは1.0×10-4〜0.10モル/
リットルの範囲である。ラジカル重合開始剤濃度が1.
0×10-4モル/リットル未満では工業的に有利なモノ
マー転化率を達成することができず、生産効率が低下す
る。ラジカル重合開始剤濃度が0.16モル/リットル
を越えると、高モノマー転化率を達成できるが設定でき
る分子量範囲が狭められ、かつ生成ポリマー中の末端二
重結合を有するポリマーの含有率が極端に大きくなり、
耐熱分解性が著しく低下する。また、大量の重合開始剤
の使用は製品ポリマーの透明性に問題が生じる。
【0029】「有機過酸化物」資料集第13版、「アゾ
系重合物開始剤(Azo Polymerizatio
n Initiators)」等のデータより知ること
ができる。連鎖移動剤としては通常のラジカル重合で用
いられるt−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン等が使用できる。方
法Aにおいては、原料組成物中の連鎖移動剤濃度は、
1.0×10-4〜0.37モル/リットルの範囲であ
る。連鎖移動剤濃度が1.0×10-4モル/リットル未
満であると、生成ポリマー中の末端二重結合を有するポ
リマーの含有率が極端に大きくなり、耐熱分解性が低下
する。一方、連鎖移動剤濃度が0.37モル/リットル
を越えると、生成ポリマーの分子量が小さくなり、成形
材料としての使用に耐える機械的物性を得ることができ
ない。
【0030】これら重合開始剤と連鎖移動剤の重合槽へ
の供給は、フィードする原料組成物に対して所望の濃度
となるようにそれぞれ単独に供給してもよいが、予めモ
ノマーもしくはモノマー混合物、あるいは溶媒に溶解し
てから連続供給するのが望ましい。方法Aにおける重合
温度は90〜180℃、好ましくは100〜170℃、
さらに好ましくは110〜170℃である。重合温度が
低すぎると生成ポリマー鎖中に200℃以下で断裂する
熱的に極めて弱いヘッド−ヘッド結合が残存する(ハタ
ダ、キタヤマ、マスダ,ポリマージャーナル(K.Ha
tada,T.Kitayama,E.Masuda,
Polymer Jounal),第1巻,No.5,
395(1986)および前述、マクロモレキュレス
(Macromolecules),19,2160
(1986))。一方、重合温度が高すぎると、ポリマ
ーを着色させると考えられるオリゴマーの生成が著しい
(井手文雄、高分子,27巻,11月号,819(19
78))。
【0031】方法Aでは、平均滞留時間は、重合温度に
おける重合開始剤の半減期の5〜7000倍となるよう
にする。平均滞留時間が、重合開始剤の半減期の上記5
倍未満では、モノマー転化率が低いにもかかわらず大量
の重合開始剤が必要となるので製品ポリマーの透明性が
損なわれる。一方、上記7000倍を越えると、重合反
応槽が大きくなりすぎて工業的に不利である。 方法A
においては、モノマー転化率を40〜90%、好ましく
は40〜80%、さらに好ましくは50〜80%に維持
しながら連続的に重合する。モノマー転化率が上記40
%未満では、単位時間当たりのポリマー収量が小さくな
り、工業的に不利である。一方、上記90%を越える
と、生成ポリマー中の末端二重結合を有するポリマーの
含有率が急激に大きくなり、耐熱分解性が著しく低下す
る。
【0032】(B)方法Bについて 次に本発明を2段に直列結合された完全混合槽を使用し
て行う場合(方法B)、前述の原料組成物を、該組成物
中のラジカル重合開始剤濃度が5.0×10-5〜0.1
2モル/リットルおよび連鎖移動剤濃度が1.0×10
-4〜0.1モル/リットルとなるように調製し、2段直
列結合完全混合槽において、第1槽重合温度90〜17
0℃、第2槽重合温度130〜180℃、および該重合
温度における半減期が0.05〜20分であるラジカル
重合開始剤を使用し、かつ該半減期の5〜7000倍で
ある平均滞留時間にて、第2槽でのモノマー転化率を4
0〜90%に維持しながら前記モノマーを連続的に重合
することによって、重合工程で生成し、かつ脱揮工程や
押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃
から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したと
きの熱分解率が5重量%以下である耐熱分解性を有する
メタクリル樹脂を製造することができる。
【0033】上記方法Bにおける条件のうち、特に好ま
しい条件は、下式(4)〜(6)を満足するものであ
る。
【0034】 式(4) 7.0 ×107 ≦〔(C2 −C1)2・(τ1 +θ1 )・(τ2 +θ2 )e4529/T〕/( I・τ1 ・θ2 2)≦ 1 .0×1010 式(5) 100 ≦ M/(D′+E′+F′)≦ 40000 式(6) 4 ×10-7≦(I・G′・θ1 )/〔M・(τ1 +θ1 )〕≦ 1.0×10-4
【0035】ここで、Ci (i=1または2)は第i槽
のモノマー転化率(%)、τi は第i槽のラジカル重合
開始剤の半減期(分)、θi は第i槽の平均滞留時間
(分)、Tは第1槽の重合温度(絶対温度)、Iはフィ
ードされるラジカル重合開始剤濃度(モル/リット
ル)、Mはフィードされるモノマー濃度(モル/リット
ル)を示す。
【0036】また、D′、E′、F′およびG′はそれ
ぞれ下式で定義される。 D′=(7.75 ×103 -3674/T ・X)/[100+(7.75 ×103 -3674/T -1)C1] E′=( 423e-6021/T ・S)/〔 100+(423e-6021/T −1)・C1 〕 F′=( 1.13 ×10-44529/T・C1 )/〔θ1 ・(100 −C1 2 〕 G′= 2.0×10-3・H1 2−8.5 ×10-2・H1 +1
【0037】ここで、Xはフィードされる連鎖移動剤濃
度(モル/リットル)、Sはフィードされる溶媒濃度
(モル/リットル)を示し、H1 は第1槽のモノマー転
化率とフィードモノマー中のアクリレート濃度から導か
れる定数であって、下式で定義される。 H1 =m・(3.7×10-3・C1 +0.63) (mはフィードモノマー中アクリレート濃度(モル
%)) 方法Bにおいては、前述の原料組成物中の単量体混合物
は第1槽目に供給されるが、一部を第2槽目にサイドフ
ィードすることもできる。その際、1、2槽目に供給さ
れる単量体混合物組成は必ずしも一致させる必要はな
い。第2槽目から流出するポリマー中のアクリレート単
位濃度が所望する濃度になるように供給される。サイド
フィード量はメインフィード量に対して1/50〜1/
5の割合が望ましい。
【0038】方法Bにおいては、前述の原料組成物中の
ラジカル重合開始剤濃度は、5.0×10-5〜0.12
モル/リットル、好ましくは5.0×10-5〜0.10
モル/リットルの範囲である。ラジカル重合開始剤濃度
が5.0×10-5モル/リットル未満では工業的に有利
なモノマー転化率を達成することができず、生産効率が
低下する。ラジカル重合開始剤濃度が0.12モル/リ
ットルを越えると、高モノマー転化率を達成できるが設
定できる分子量範囲が狭められ、かつ生成ポリマー中の
末端二重結合を有するポリマーの含有率が極端に大きく
なり、耐熱分解性が著しく低下する。また、大量の重合
開始剤の使用は製品ポリマーの透明性に問題が生じる。
【0039】また、方法Bにおいては、前述の原料組成
物中の連鎖移動剤濃度は、1.0×10-4〜0.10モ
ル/リットル、好ましくは2.0×10-3〜0.06モ
ル/リットルの範囲である。連鎖移動剤濃度が上記1.
0×10-4モル/リットル未満であると、生成ポリマー
中の末端二重結合を有するポリマーの含有率が極端に大
きくなり、耐熱分解性が低下する。一方、上記0.10
モル/リットルを越えると、生成ポリマーの分子量が小
さくなり、充分な機械的物性を得ることができない。こ
れら重合開始剤と連鎖移動剤の重合槽への供給は、フィ
ードする原料組成物に対して所望の濃度となるようにそ
れぞれ単独に供給してもよいが、予めモノマーもしくは
モノマー混合物、あるいは溶媒に溶解してから連続供給
するのが望ましい。
【0040】また、連鎖移動剤の一部を第2槽目にサイ
ドフィードすることもできる。第1槽目と第2槽目とか
ら生成するポリマーの分子量ができるだけ等しくなるよ
うに供給することが望ましい。方法Bにおける重合温度
は第1槽で90〜170℃、好ましくは100〜170
℃、さらに好ましくは110〜170℃、第2槽で12
0〜180℃、好ましくは120〜170℃、さらに好
ましくは130〜170℃である。第1槽、第2槽で必
ずしも一致させる必要はない。重合温度が低すぎると生
成ポリマー鎖中に200℃以下で断裂する熱的に極めて
弱いヘッド−ヘッド結合が残存する可能性がある(前
述、ポリマー ジャーナル(Polymer Joun
al),第1巻,No.5,395(1986)および
マクロモレキュレス(Macromolecule
s),19,2160(1986))。一方、重合温度
が高すぎると、ポリマーを着色させると考えられるオリ
ゴマーの生成が著しい(前述、高分子,27巻,11月
号,819(1978))。また、第2槽目での重合温
度が上記120℃未満では反応液粘度が高くなり、充分
な撹拌ができなくなる。
【0041】方法Bにおいて、平均滞留時間は、重合温
度における重合開始剤の半減期の5〜7000倍となる
ようにするが、第1槽、第2槽で必ずしも一致させる必
要はない。平均滞留時間が、重合開始剤の半減期の上記
5倍未満では、所望のモノマー転化率を得るには大量の
重合開始剤が必要となるので製品ポリマーの透明性が損
なわれる。一方、上記7000倍を越えると、重合反応
槽が大きくなりすぎて工業的に不利である。方法Bにお
いて、モノマー転化率を第2槽目で70〜90%、好ま
しくは70〜80%に維持しながら連続的に重合する。
第2槽目のモノマー転化率が上記70%未満では、単位
時間当たりのポリマー収量が小さくなり、反応槽を二つ
使用する優位性がなくなる。一方、第2槽目のモノマー
転化率が上記90%を越えると、生成ポリマー中の末端
二重結合を有するポリマーの含有率が急激に大きくな
り、耐熱分解性が著しく低下する。
【0042】(C)方法Cについて さらに、本発明の方法を2段に直列結合された第1段反
応器の完全混合槽と第2段反応器のプラグフロー型反応
器を使用して行う場合(方法C)、前述の原料組成物
を、該組成物中のラジカル重合開始剤濃度が1.0×1
-4〜0.16モル/リットルおよび連鎖移動剤濃度が
1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調
製し、2段に直列結合された第1段反応器の完全混合槽
と第2段反応器のプラグフロー型反応器において、第1
段反応器である完全混合槽での重合温度90〜180
℃、および前記完全混合槽の平均滞留時間が重合時間に
おける重合開始剤半減期の5〜7000倍、前記プラグ
フロー型反応器での滞留時間が重合温度における重合開
始剤半減期の5〜50倍となるようにして、該プラグフ
ロー型反応器出口でのモノマー転化率を70〜90%に
維持しながら前記モノマーを連続的に重合することによ
って、重合工程で生成し、かつ脱揮工程や押出成形工程
を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃
まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率
が5重量%以下である耐熱分解性を有するメタクリル樹
脂を製造することができる。
【0043】上記方法Cにおける条件のうち、特に好ま
しい条件は、下式(7)〜(9)を満足するものである 式(7) 7.0×107 ≦〔C2 (τ+θ)e4529/T〕/(I・θ2 )≦ 3.0 ×109 式(8) 100 ≦ M/(D+E+F)≦ 40000 式(9) 4.0 ×10-7 ≦(I・G・θ)/〔M・(τ+θ)〕≦1.0 ×10-4
【0044】ここで、Cは第1段完全混合槽のモノマー
転化率(%)、τは第1段完全混合槽のラジカル重合開
始剤の半減期(分)、θは第1段完全混合槽の平均滞留
時間(分)、Tは第1段完全混合槽の重合温度(絶対温
度)、Iはフィードラジカル重合開始剤の濃度(モル/
リットル)、Mはフィードモノマーの濃度(モル/リッ
トル)を示す。
【0045】また、D、E、FおよびGはそれぞれ下式
で定義される。 D=(7.75×103 -3674/T ・X)/[100+(7.75 ×103 -3674/T -1) ・C] E=( 423e-6021/T ・S)/〔100 +(423e-6021/T −1)・C〕 F=(1.13×10-44529/T・C)/〔θ・( 100−C)2 〕 G= 2.0×10-3・H2 −8.5×10-2・H+1
【0046】ここで、Xはフィードされる連鎖移動剤濃
度(モル/リットル)、Sはフィードされる溶媒濃度
(モル/リットル)を示し、Hはモノマー転化率とフィ
ードモノマー中のアクリレート濃度から導かれる定数で
あって、下式で定義される。 H=m・(3.7 ×10-3・C+0.63) (mはフィードモノマー中 アクリレート濃度(モル
%))
【0047】方法Cにおいては、原料となるモノマーあ
るいはモノマー混合物は、通常はその全量が1段目完全
混合槽に供給されるが、その一部を2段目プラグフロー
型反応器入り口および/あるいは途中にサイドフィード
することもできる。その際、1段目、2段目に供給され
る単量体混合物組成は必ずしも一致させる必要はない。
2段目から流出するポリマー中のアクリレート単位濃度
が所望する濃度になるように供給される。サイドフィー
ド量はメインフィード量に対して1/50〜1/5の割
合が望ましい。方法Cにおいては、前述の原料組成物中
のラジカル重合開始剤濃度は、1.0×10-4〜0.1
6モル/リットル、好ましくは1.0×10-4〜0.1
2モル/リットルの範囲である。ラジカル重合開始剤濃
度が、上記1.0×10-4モル/リットル未満では、1
段目完全混合槽でのモノマー転化率が低く、結果的に2
段目プラグフロー型反応器で生成したポリマーの割合が
大きくなり分子量分布が広がってしまう。
【0048】一方、上記0.16モル/リットルを越え
ると、高モノマー転化率を達成できるが設定できる分子
量範囲が狭められ、かつ生成ポリマー中の末端二重結合
を有するポリマーの含有率が極端に大きくなり、耐熱分
解性が著しく低下する。また、大量の重合開始剤の使用
は製品ポリマーの透明性に問題が生じる。 また、方法
Cにおいては、前述の原料組成物中の連鎖移動剤濃度
は、1.0×10-4〜0.1モル/リットル、好ましく
は1.6×10-3〜0.1モル/リットルの範囲であ
る。連鎖移動剤濃度が上記1.0×10-4モル/リット
ル未満であると、生成ポリマー中の末端二重結合を有す
るポリマーの含有率が極端に大きくなることにより、耐
熱分解性が著しく低下する。一方、上記0.1モル/リ
ットルを越えると、生成ポリマーの分子量が小さくな
り、充分な機械的物性を得ることができない。 また、
連鎖移動剤は一部を2段目プラグフロー型反応器入口お
よび/あるいは途中にサイドフィードすることもでき
る。1段目完全混合槽出口と2段目プラグフロー型反応
器出口から流出するポリマーの分子量ができるだけ等し
くなるように供給することが望ましい。
【0049】方法Cにおいて、重合温度は、1段目完全
混合槽で90〜180℃、好ましくは100〜170
℃、さらに好ましくは110〜170℃である。2段目
プラグフロー型反応器で100〜180℃、好ましくは
100〜170℃である、さらに好ましくは110〜1
70℃である。1段目、2段目で必ずしも一致させる必
要はない。重合温度が低すぎると生成ポリマー鎖中に2
00℃以下で断裂する熱的に極めて弱いヘッド−ヘッド
結合が残存する可能性がある(前述、ポリマージャーナ
ル(Polymer Jounal),第1巻,No.
5,395(1986)およびマクロモレキュレス(M
acromolecules),19,2160(19
86))。一方、重合温度が高すぎると、ポリマーを着
色すると考えられるオリゴマーの生成が著しい(前述、
高分子,27巻,11月号,819(1978))。
【0050】この方法Cにおいて、1段目完全混合槽の
平均滞留時間は、重合温度における重合開始剤の半減期
の5〜7000倍となるようにする。平均滞留時間が、
重合開始剤の半減期の上記5倍未満では、所望のモノマ
ー転化率を得るには大量の重合開始剤が必要となるので
製品ポリマーの透明性が損なわれる。一方、上記700
0倍を越えると、重合反応槽が大きくなりすぎて工業的
に不利である。2段目プラグフロー型反応器の滞留時間
は、重合温度における開始剤半減期の5〜50倍となる
ようにする。滞留時間が、重合開始剤の半減期の上記5
倍未満では、モノマー転化率を高くすることができな
い。一方、上記50倍を越えると、プラグフロー型反応
器が大きくなりすぎて、反応器を二つ使用する優位性が
小さくなる。
【0051】方法Cでは、モノマー転化率を2段目プラ
グフロー型反応器出口で70〜90%になるように連続
的に重合する。2段目プラグフロー型反応器出口でのモ
ノマー転化率が上記70%未満では、単位時間当たりの
ポリマー収量が小さくなり反応器を二つ使用するメリッ
トが小さくなる。一方、2段目のモノマー転化率が上記
90%を越えるには、反応器が極端に大きなものにする
か、重合温度あるいは開始剤濃度を高めることを必要と
し、先の多くの問題を生じる。
【0052】なお、方法A、BおよびCによって優れた
耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造するには、上
述の条件を選定すればよいが、さらに反応系の酸素は充
分に除去しておくことが好ましい(前述、高分子,27
巻,11月号,819(1978))。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、1段完全混合槽型連続
重合法(A法)、2段に直列結合された完全混合槽型連
続重合法(B法)および完全混合槽とプラグフロー型反
応器とを直列結合した連続重合法(C法)において、特
定のラジカル重合開始剤の半減期とその濃度、連鎖移動
剤濃度、モノマー濃度および溶媒濃度、重合温度、平均
滞留時間の条件下で反応させることにより、重合工程直
後、すなわち真空脱揮工程や押出成形工程を経る前のポ
リマーが優れた耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製
造することができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。本例で示すポリマーの物性測定は以下の方法
により行った。本実施例、比較例において、「部」は
「重量部」を示す。 (1)耐熱分解性の測定は熱重量分析によった。セイコ
ー電子工業(株)製RTG220型熱重量分析(TG
A)装置を用いて、メタクリル樹脂約5mgを白金パン
上に置き、300ml/minの窒素気流中、30℃か
ら300℃まで2℃/minの昇温速度で加熱し減量変
化を測定した。 (2)モノマー転化率は、GLサイエンス製GC−38
0型ガスクロマトグラフィーを用いて重合槽から流出す
る反応液中の未反応モノマー濃度を測定することにより
求めた。
【0055】(3)ポリマーの分子量は東ソー製801
0型ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定した。 (4)ポリマーの全光線透過率の測定には日本電色工業
製Z−Sensor Σ80NDHを用いて、透過法で測定し
た。 以下、実施例1〜5、比較例1〜2に1段完全混
合槽型連続重合について説明する。実施例6〜10、比
較例3〜4には2段直列結合された完全混合槽型連続重
合について、実施例11〜15、比較例5〜6には完全
混合槽とプラグフロー型反応器を2段直列結合して行う
連続重合について、それぞれ説明する。
【0056】実施例1 1段完全混合槽型連続重合の実施例を示す。メチルメタ
クリレート88.3部(8.11モル/リットル)、メ
チルアクリレート5.5部(0.69モル/リット
ル)、メタノール6.2部(1.79モル/リット
ル)、n−ドデシルメルカプタン0.15モル%(0.
016モル/リットル)、2, 2’−アゾビスイソブチ
ロニトリルを4.2×10-3モル%(0.45ミリモル
/リットル)の濃度となるように配合して得られた組成
物をヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽に、
1Kg/Hrで連続的にフィードして連続重合を行っ
た。重合槽内の反応液量は5Kgとした。したがって、
平均滞留時間は5時間とした。重合温度は150℃とな
るようにジャケット温度を調整した。モノマー転化率は
61.5%、ポリマーの重量平均分子量は85,000
でそれぞれ一定となり、安定に運転できた。
【0057】重合槽液面が一定となるように底部から反
応液をギヤポンプで抜き出し、熱交換器で270℃に加
熱した後、圧力が10torrに調節された脱揮槽内に
連続的に導入してフラッシュさせた。揮発分を除去した
溶融ポリマーは底部よりギヤポンプでストランドとして
抜き出し、切断してペレットとした(熱履歴を受けたポ
リマーPH )。また、重合槽から流出する反応液より沈
澱精製することによってもポリマーを得た(熱履歴を受
けていないポリマーPp )。
【0058】表1に使用したモノマー濃度、モノマー中
アクリレート濃度、メタノール濃度、重合開始剤濃度、
連鎖移動剤濃度、使用した重合開始剤の半減期、設定し
た平均滞留時間、重合温度、到達したモノマー転化率、
およびこれらを(1)式〜(3)式に代入した各々の値
と熱重量分析によって測定した生成ポリマーの熱分解率
を示す。熱履歴を受ける前の沈澱精製ポリマー(PP
と加熱真空脱揮後の熱履歴を受けたポリマー(PH )の
耐熱分解性を調べた結果を図1、図2にそれぞれ示す。
両者とも実質的な熱分解開始温度は300℃であった。
熱分解率はPPで0.5%、PH で0.2%であり、重
合工程、脱揮工程にかかわらず耐熱分解性良好なポリマ
ーが得られたことがわかった。 真空脱揮したポリマー
をアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で1
50mmφ×3mmの円板を成形したが、シルバースト
リークスやボイドの発生は全くみられなかった。全光線
透過率は93%であり、優れた透明性を有していた。
【0059】 表1 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(1 )式〜(3)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料濃度(モル/リットル) メチルメタクリレート 8.11 メチルアクリレート 0.69 メタノール 1.79 n−ドデシルメルカプタン 0.016 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.5×10-4 重合開始剤半減期τ(分) 0.06 平均滞留時間θ(分) 300 θ/τ 4910 重合温度(℃) 150 到達モノマー転化率(%) 61.5 (1)式の値 1.3×109 (2)式の値 9.9×103 (3)式の値 2.0×10-5 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%)0.5
【0060】実施例2〜5 実施例1と同様の方法により各種条件で1段完全混合槽
型連続重合を実施した。いずれの実施例でも重合反応は
安定に制御され耐熱分解性良好なポリマーが得られた。
表2に原料組成、重合条件、モノマー転化率、樹脂の特
性(重量平均分子量、熱分解率)を示した。
【0061】 表2実施例番号 2 3 4 5 原料組成 MMA(部) 82.9 71.0 83.9 82.8 ( mol/l ) 7.54 6.20 7.72 7.35 コモノマー MA EA MA BA コモノマー(部) 3.8 6.8 6.3 7.0 ( mol/l ) 0.46 0.80 0.78 0.85 溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH (部) 13.3 22.2 3.6 3.6 ( mol/l ) 3.81 6.25 1.00 1.02 重合開始剤 AIBN DTAP DTAP DTBP 重合開始剤(10-3モル%) 1.3 9.8 10.5 3.8 (ミリモル/リットル) 0.2 1.3 1.0 0.4 重合開始剤半減期τ(分) 0.06 5.26 15.0 4.4 連鎖移動剤 DM DM OM OM 連鎖移動剤(モル%) 0.13 0.03 0.14 0.13 (ミリモル/リットル) 15.4 4.0 13.0 12.0 重合条件 重合温度(℃) 150 160 150 170 平均滞留時間θ(分) 390 250 330 300 θ/τ 6373 48 22 69 モノマー転化率(%) 52.0 70.7 70.0 62.6 樹脂の特性 重量平均分子量(Mw ×10-4) 7.8 9.0 8.9 8.1 熱分解率(wt%) 0.6 1.4 1.4 0.5 成形品の特性 シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし ボイドの発生 なし なし なし なし 全光線透過率(%) 93 93 93 93
【0062】表2中の略語の説明(以下の表中において
も同様の略語を使用する) MMA:メチルメタクリレート MA:メチルアクリ
レート EA :エチルアクリレート BA:ブチルアクリ
レート AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル DTAP:ジ−t−アミルパーオキサイド DTBP:ジ−t−ブチルパーオキサイド DM :n−ドデシルメルカプタン OM :n−オクチルメルカプタン
【0063】比較例1 1段完全混合槽型連続重合例である。メチルメタクリレ
ート50.1部(4.29モル/リットル)、メチルア
クリレート1.8部(0.21モル/リットル)、メタ
ノール48.1部(12.91モル/リットル)、n−
ドデシルメルカプタン5.7×10-4モル%(0.1ミ
リモル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド
0.017モル%(3.0ミリモル/リットル)からな
る組成物1.67Kg/Hrを実施例1と同様の重合槽
に連続的にフィードして平均滞留時間180分 (θ/
τ=4.0)、重合温度は140℃で連続重合を行った
ところ、モノマー転化率67.7%、重量平均分子量7
3,000で運転維持できた。 表3に使用したモノマ
ー濃度、モノマー中アクリレート濃度、メタノール濃
度、重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度、使用した重合開
始剤の半減期、設定した平均滞留時間、重合温度、到達
したモノマー転化率、およびこれらを(1)式〜(3)
式に代入した各々の値と熱重量分析によって測定した生
成ポリマーの熱分解率を示す。
【0064】実施例1と同様に重合槽から流出する反応
液より沈澱精製した熱履歴を受ける前のポリマー
(PP )と270℃で真空脱揮した後の熱履歴を受けた
ポリマー(PH )の耐熱分解性を調べた結果を図3、図
4にそれぞれ示す。熱分解開始温度は重合槽から流出す
るポリマー(PP )、270℃の真空脱揮した後のポリ
マー(PH )ともに250℃であった。重合槽から流出
するポリマーの300℃までの分解率は9.0%であっ
た。真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成
形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を
成形したが、シルバーストリークスが発生し、全光線透
過率は91%であった。
【0065】 表3 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(1 )式〜(3)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料濃度(モル/リットル) メチルメタクリレート 4.29 メチルアクリレート 0.21 メタノール 12.9 n−ドデシルメルカプタン 1.0×10-4 ジ-t-アミルパーオキサイド 0.003 重合開始剤半減期(分) 44.9 平均滞留時間(分) 180 重合温度(℃) 140 到達モノマー転化率(%) 67.7 (1)式の値 6.7×108 (2)式の値 1.9×103 (3)式の値 2.8×10-4 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 9.0
【0066】比較例2 1段完全混合槽型連続重合例である。メチルメタクリレ
ート44.8部(3.85モル/リットル)、メチルア
クリレート5.0部(0.50モル/リットル)、メタ
ノール50.2部(13.43モル/リットル)、n−
ドデシルメルカプタン0.011モル%(2.0ミリモ
ル/リットル)、ラウロイルパーオキサイド0.028
モル%(5.0ミリモル/リットル)からなる組成物を
重合槽に連続的にフィードして平均滞留時間300分
(θ/τ=6.7)、重合温度は90℃で連続重合を行
ったところ、モノマー転化率64.0%、重量平均分子
量80,000で安定に運転が維持できた。重合槽から
流出する反応液より沈澱精製した熱履歴を受ける前のポ
リマー(P P )と270℃の真空脱揮した後の熱履歴を
受けたポリマー(PH )の熱分解温度は、いずれも25
0℃であった。重合槽から流出するポリマー(PP )の
300℃までの分解率は12.6であった。
【0067】実施例6 2段に直列結合された完全混合槽型連続重合を行うに当
たり、第1槽、第2槽ともにヘリカルリボン翼付き10
リットル完全混合槽を使用した。 メチルメタクリレー
ト84.6部、メチルアクリレート6.3部、メタノー
ル9.1部、n−ドデシルメルカプタン0.148モル
%、ジ−t−アミルパーオキサイド0.006モル%か
らなる組成物を第1槽目に1Kg/Hrで連続的にフィ
ードするとともに第1槽液面レベルが一定となるように
底部よりギヤポンプで抜き出して第2槽に流入させ、さ
らに第2槽の液面レベルが一定となるように第2槽底部
よりギヤポンプで抜き出した。重合槽内の反応液量は両
槽とも5Kg、平均滞留時間はともに5時間とした。重
合温度は150℃となるようにジャケット温度を調整し
た。したがって、平均滞留時間は開始剤半減期の16.
9倍となった。1段目のモノマー転化率61.5%、2
段目はモノマー転化率73.4%、重量平均分子量8
5,000であった。
【0068】第2槽底部から抜き出した反応液を熱交換
器で270℃に加熱した後、圧力が10torrに調節
された脱揮槽内に連続的に導入してフラッシュした。揮
発分を除去された溶融ポリマーは底部よりギヤポンプで
ストランドとして抜き出し、切断してペレットを得た
(PH )。また、第2槽から流出する反応液より沈澱精
製することによってもポリマーを得た(PP )。 表4
に使用したモノマー濃度、モノマー中アクリレート濃
度、メタノール濃度、重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃
度、使用した重合開始剤の半減期、設定した平均滞留時
間、重合温度、到達したモノマー転化率、およびこれら
を(4)式〜(6)式に代入した各々の値と熱重量分析
によって測定した生成ポリマーの熱分解率を示す。
【0069】重合工程後の熱履歴を受ける前の沈澱精製
ポリマー(PP )と脱揮工程後の熱履歴を受けたポリマ
ー(PH )の耐熱分解性を調べた結果を図5、図6にそ
れぞれ示す。両者とも実質的な熱分解開始温度は300
℃であった。熱分解率はPPで0.5%、PH で0.2
%であり、重合工程、脱揮工程にかかわらず耐熱分解性
良好なポリマーが得られたことがわかった。 真空脱揮
したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて
260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したが、
シルバーストリークスやボイドの発生は全くみられなか
った。全光線透過率は93%であり、優れた透明性を有
していた。
【0070】 表4 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(4 )式〜(6)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料組成 第1槽メインフィード組成(モル/リットル) メチルメタクリレート 7.82 メチルアクリレート 0.68 メタノール 2.61 n−ドデシルメルカプタン 0.014 ジーtーアミルパーオキサイド 5.4×10-4 第2槽サイドフィード組成 サイドフィードせず 第1槽 重合温度(℃) 150 平均滞留時間θ(分) 300 第1槽モノマー転化率(%) 60.5 第2槽 重合温度(℃) 150 平均滞留時間θ(分) 300 第2槽モノマー転化率(%) 74.0 (4)式の値 7.7×108 (5)式の値 9.8×103 (6)式の値 3.0×10-5 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 0.5
【0071】実施例7〜10 実施例6と同様の方法により各種条件で2段に直列結合
された完全混合槽型連続重合を実施した。いずれの実施
例でも重合反応は安定に制御され耐熱分解性良好なポリ
マーが得られた。表5に原料組成、重合条件、モノマー
転化率、樹脂の特性(重量平均分子量、熱分解率)を示
した。
【0072】 表5(その1) 実施例番号 7 8 9 10 原料組成 第1槽メインフィード組成 MMA (部) 82.7 88.4 88.7 85.0 (モル/リットル) 7.68 8.18 8.23 7.65 コモノマー MA MA EA BA コモノマー(部) 3.0 3.0 5.4 5.2 (モル/リットル) 0.32 0.32 0.57 0.55 溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH 溶媒 (部) 13.2 8.6 5.2 9.7 (モル/リットル) 3.78 2.47 1.51 2.79 重合開始剤 DTAP DTAP AIBN DTBP 重合開始剤(ミリモル/リットル)0.21 0.27 0.32 0.36 連鎖移動剤 DM DM DM OM 連鎖移動剤(ミリモル/リットル)12.0 11.0 17.0 9.4 第2槽サイドフィード組成 MMA (部) 70.0 73.1 90.0 90.0 (モル/リットル) 6.60 6.89 8.29 8.09 コモノマー(部) 30.0 26.9 10.0 10.0 (モル/リットル) 3.29 2.95 1.07 1.04 重合開始剤(ミリモル/リットル)10.2 10.2 3.1 2.1 連鎖移動剤(ミリモル/リットル)51.5 28.0 32.0 30.0 メイン/サイド−フィード重量比 20.0/1 33.4/1 13.9/1 13.9/1
【0073】 表5(その2) 実施例番号 7 8 9 10 重合条件 第1槽 重合温度(℃) 150 150 155 160 平均滞留時間θ(分) 300 180 180 180 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 1.2 22.8 第1槽モノマー転化率(%) 49.1 47.1 56.2 54.3 第2槽 重合温度(℃) 150 150 155 160 平均滞留時間θ(分) 300 180 180 180 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 1.2 22.8 第2槽モノマー転化率(%) 80.2 71.0 77.4 74.1 樹脂の特性 重量平均分子量(Mw ×10-4) 7.8 9.0 8.9 8.1 熱分解率(wt%) 0.9 1.4 1.4 0.5 成形品の特性 シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし ボイドの発生 なし なし なし なし 全光線透過率(%) 93 93 93 93
【0074】比較例3 2段に直列結合された完全混合槽型連続重合を実施し
た。メチルメタクリレート58.3部、メチルアクリレ
ート2.0部、メタノール39.7部、n−ドデシルメ
ルカプタン3.2ミリモル/リットル、ジ−t−アミル
パーオキサイド2.0ミリモル/リットルからなる組成
物を1.67Kg/Hrで第1槽に連続的にフィード
し、さらに第2槽にメチルメタクリレート90.0部、
メチルアクリレート10.0部、n−ドデシルメルカプ
タン1.2ミリモル/リットル、ジ−t−アミルパーオ
キサイド1.9ミリモル/リットルからなる組成物を1
20g/Hrでサイドフィードした。2槽とも重合温度
140℃、平均滞留時間3時間で連続重合を行った。し
たがって、平均滞留時間は開始剤半減期の3.4倍とな
った。1段目のモノマー転化率63.8%、2段目のモ
ノマー転化率82.2%、重量平均分子量86,000
で運転維持した。
【0075】重合槽から流出する反応液より沈澱精製し
た熱履歴を受けていないポリマー(PP )と270℃で
真空脱揮した後の熱履歴を受けたポリマー(PH )の耐
熱分解性を調べた結果を図7、図8にそれぞれ示す。熱
分解開始温度は重合槽から流出するポリマー、270℃
の真空脱揮した後のポリマーともに250℃であった。
重合槽から流出するポリマーの300℃までの分解率は
7.0であった。 真空脱揮したポリマーをアーブルク
製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×
3mmの円板を成形したが、シルバーストリークスが発
生し、全光線透過率は91%であった。
【0076】 表6 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(4 )式〜(6)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料組成 第1槽メインフィード組成(モル/リットル) メチルメタクリレート 5.10 メチルアクリレート 0.20 メタノール 10.82 n−ドデシルメルカプタン 0.003 ジーtーアミルパーオキサイド 0.002 第2槽サイドメインフィード組成(モル/リットル) メチルメタクリレート 8.47 メチルアクリレート 1.10 n−ドデシルメルカプタン 0.001 ジーtーアミルパーオキサイド 0.002 メイン/サイド−フィード重量比 14.0/1 第1槽 重合温度(℃) 150 平均滞留時間θ(分) 300 第1槽モノマー転化率(%) 61.5 第2槽 重合温度(℃) 150 平均滞留時間θ(分) 300 第2槽モノマー転化率(%) 73.2 (4)式の値 3.4×108 (5)式の値 2.9×103 (6)式の値 2.0×10-4 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 7.0
【0077】比較例4 2段に直列結合された完全混合槽型連続重合の例であ
る。メチルメタクリレート62.0部(5.44モル/
リットル)、メチルアクリレート0.6部(0.06モ
ル/リットル)、メタノール37.4部(10.24モ
ル/リットル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.007モル%(1.1ミリモル/リットル)から
なる組成物を実施例1と同様の第1槽に1.67Kg/
Hrで連続的にフィードし、さらに第2槽にメチルメタ
クリレート95.0部(8.93モル/リットル)、メ
チルアクリレート5.0部(0.55モル/リット
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.12
モル%(11.5ミリモル/リットル)からなる組成物
を120g/Hrでサイドフィードした。2槽とも重合
温度130℃、平均滞留時間3時間で連続重合を行っ
た。したがって、平均滞留時間は開始剤半減期の479
倍となった。1段目のモノマー転化率60.3%、2段
目のモノマー転化率82.7%、重量平均分子量79.
000で運転維持した。
【0078】第2槽から流出する反応液より沈澱精製し
たポリマー(PP )と270℃で真空脱揮した後のポリ
マー(PH )の耐熱分解性を調べた結果、いずれのポリ
マーも熱分解開始温度は250℃であった。熱履歴を受
ける前のポリマー(PP )の熱分解率は8.2%であっ
た。真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成
形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を
成形したが、シルバーストリークスが発生し、全光線透
過率は91%であった。
【0079】実施例11 直列結合された1段目完全混合槽と2段目プラグフロー
型反応器を使用して連続重合を行うに当たり、1段目に
ヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽、2段目
に熱媒ジャケット付きスタティックミキサー(内径3/
4インチ)を用いた。メチルメタクリレート84.6部
(7.82モル/リットル)、メチルアクリレート6.
4部(0.68モル/リットル)、メタノール9.1部
(2.61モル/リットル)、n−ドデシルメルカプタ
ン0.148モル%(0.14モル/リットル)、ジ−
t−アミルパーオキサイド6ミリモル%(6ミリモル/
リットル)からなる組成物を1段目完全混合槽に1Kg
/Hrで連続的にフィードするとともに槽底部よりギヤ
ポンプにて抜き出して2段目のスタティックミキサーに
流入させた。1段目の槽内の反応液量は5Kgとし、レ
ベル一定となるように流量調整を行い、平均滞留時間は
5時間とした。2段目のスタティックミキサーの滞留時
間は2時間とした。重合温度はともに150℃となるよ
うにジャケット温度を調整した。結果、1段目のモノマ
ー転化率61.3%、2段目はモノマー転化率80.7
%、重量平均分子量85,000であった。
【0080】スタティックミキサー出口からの反応液は
熱交換器に導入して270℃に加熱した後、圧力が10
torrに調節された脱揮槽内に連続的に導入してフラ
ッシュした。揮発分を除去された溶融ポリマーは脱揮槽
底部よりギヤポンプでストランドとして抜き出し、切断
してペレットとした(PH )。また、スタティックミキ
サーから流出する反応液を沈澱精製することによっても
ポリマーを得た(PP)。表7に使用したモノマー濃
度、モノマー中アクリレート濃度、メタノール濃度、重
合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度、使用した重合開始剤の
半減期、設定した平均滞留時間、重合温度、到達したモ
ノマー転化率、およびこれらを(7)式〜(9)式に代
入した各々の値と熱重量分析によって測定した生成ポリ
マーの熱分解率を示す。熱履歴を受ける前の沈澱精製ポ
リマー(PP )と脱揮工程後の熱履歴を受けたポリマー
の耐熱分解性を調べた結果を図9、図10にそれぞれ示
す。両者とも実質的な熱分解開始温度は300℃であ
り、それらの熱分解率はPP で0.6%、PH で0.2
%であり、重合工程、脱揮工程にかかわらず耐熱分解性
良好なポリマーが得られたことがわかった。 真空脱揮
したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて
260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したが、
シルバーストリークスやボイドの発生は全くみられなか
った。全光線透過率は93%であり、優れた透明性を有
していた。
【0081】 表7 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(7 )式〜(9)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料組成 第1槽メインフィード組成(モル/リットル) メチルメタクリレート 7.82 メチルアクリレート 0.68 メタノール 2.61 n−ドデシルメルカプタン 0.14 ジーtーアミルパーオキサイド 6.0×10-4 第2段プラグフロー型反応器サイドフィード組成 サイドフィードなし 第1槽 重合温度(℃) 150 平均滞留時間θ(分) 300 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 第1槽モノマー転化率(%) 61.3 第2段プラグフロー型反応器 重合温度(℃) 150 滞留時間(分) 120 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 第2段プラグフロー型反応器 出口モノマー転化率(%) 81.5 (7)式の値 1.1×109 (8)式の値 3.7×103 (9)式の値 2.3×10-5 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 0.6
【0082】実施例12〜15 実施例11と同様の方法により各種条件で2段直列結合
された完全混合槽とプラグフロー型反応器を使用した連
続重合を行った。第1段にヘリカルリボン翼付き10リ
ットル完全混合槽、第2段にスタティックミキサーを用
いた。いずれの実施例でも重合反応は安定に制御され耐
熱分解性良好なポリマーが得られた。表8に原料組成、
重合条件、モノマー転化率、樹脂の特性(重量平均分子
量、熱分解率)を示した。
【0083】 表8(その1)実施例番号 12 13 14 15 原料組成 第1槽メインフィード組成 MMA(部) 82.8 85.4 90.0 86.9 (モル/リットル) 7.58 7.89 8.17 7.87 コモノマー MA MA EA BA コモノマー(部) 3.0 5.6 4.0 4.1 (モル/リットル) 0.32 0.61 0.43 0.43 溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH 溶媒 (部) 14.3 9.0 7.1 9.1 (モル/リットル) 4.05 2.58 2.04 2.60 重合開始剤 DTAP DTAP AIBN DTBP 重合開始剤(ミリモル/リットル)0.21 0.23 0.43 0.36 連鎖移動剤 DM OM OM DM 連鎖移動剤(ミリモル/リットル)12.0 11.0 17.0 9.4
【0084】 表8(その2)実施例番号 12 13 14 15 第2段プラグフロー反応器サイドフィード組成 MMA(部) 93.8 93.5 90.0 80.0 (モル/リットル) 8.82 8.79 8.29 6.90 コモノマー(部) 6.2 6.5 10.0 20.0 (モル/リットル) 0.68 0.71 1.07 2.00 重合開始剤 DTAP DTAP DTAP DTBP 重合開始剤(ミリモル/リットル)21.0 10.5 10.5 10.3 連鎖移動剤(ミリモル/リットル) 0 10.5 2.1 20.6 メイン/サイド−フィード重量比 10.0/1 10.0/1 20.0/1 20.0/1 重合条件およびモノマー転化率 第1槽 重合温度(℃) 150 150 155 160 平均滞留時間θ(分) 300 180 180 300 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 4.0 11.6 第1槽モノマー転化率(%) 49.0 45.7 56.4 56.6 第2段プラグフロー反応器 重合温度(℃) 150 150 155 160 滞留時間(分) 120 120 120 120 重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 4.0 11.6 第2段スタティックミキサー 出口モノマー転化率(%) 90.5 86.0 83.0 87.1 樹脂の特性 重量平均分子量(Mw ×10-4) 9.1 9.0 8.9 9.3 熱分解率(wt%) 1.8 1.4 1.4 0.9 成形品の特性 シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし ボイドの発生 なし なし なし なし 全光線透過率(%) 93 93 93 93
【0085】比較例5 完全混合槽とプラグフロー型反応器とを直列結合して連
続重合を行った。メチルメタクリレート59.6(5.
23モル/リットル)、メチルアクリレート2.6部
(0.27モル/リットル)、メタノール37.7部
(10.32モル/リットル)、ジ−t−アミルパーオ
キサイド0.021モル%(2.0ミリモル/リット
ル)、n−ドデシルメルカプタン0.021モル%
(2.0ミリモル/リットル)からなる組成物を1.6
7kg/hrで1段目完全混合槽に連続的にフィード
し、2段目反応器のスタティックミキサーに導入した。
さらに、メチルメタクリレート80.0部(7.53モ
ル/リットル)、メチルアクリレート20.0部(2.
19モル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド
0.051モル%(5.0ミリモル/リットル)、n−
ドデシルメルカプタン0.051モル%(5.0ミリモ
ル/リットル)からなる組成物を167g/hrでスタ
ティックミキサー入口部サイドフィードした。
【0086】両反応器とも重合温度140℃、平均滞留
時間3hr、滞留時間2hrで重合させた。したがっ
て、完全混合槽の平均滞留時間は開始剤半減期の3.4
倍、スタティックミキサーの滞留時間は2.3倍であっ
た。結果、1段目のモノマー転化率58.3%、2段目
スタティックミキサー出口でのモノマー転化率88.2
%、重量平均分子量79,000であった。 スタティ
ックミキサー出口から流出する反応液より沈澱精製した
熱履歴を受ける前のポリマー(PP )と270℃で真空
脱揮した後の熱履歴を受けたポリマー(PH)の耐熱分
解性を調べた結果を図11、図12にそれぞれ示す。熱
分解開始温度は重合槽から流出するポリマー、270℃
の真空脱揮した後のポリマーともに250℃であった。
重合槽から流出するポリマー(PP )の300℃までの
熱分解率は7.0であった。真空脱揮したポリマーをア
ーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150
mmφ×3mmの円板を成形したところ、シルバースト
リークスが発生し、白濁した。全光線透過率は91%で
あった。
【0087】 表9 原料組成物の各濃度(モル/リットル)、重合開始剤半減期(分)、平均滞留 時間(分)、重合温度(℃)、到達モノマー転化率(%)、およびこれらを(7 )式〜(9)式に代入した各々の値と熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率( wt%) 原料組成 第1槽メインフィード組成(モル/リットル) メチルメタクリレート 5.23 メチルアクリレート 0.27 メタノール 10.32 n−ドデシルメルカプタン 2.0×10-3 ジーtーアミルパーオキサイド 2.0×10-3 プラグフロー反応器サイドフィード メチルメタクリレート 7.53 メチルアクリレート 2.19 n−ドデシルメルカプタン 5.0×10-3 ジーtーアミルパーオキサイド 5.0×10-3 メイン/サイド−フィード比 10/1 第1槽 重合温度(℃) 140 平均滞留時間θ(分) 180 第1槽モノマー転化率(%) 58.3 プラグフロー反応器 重合温度(℃) 140 滞留時間(分) 120 第2段スタティックミキサー出口モノマー転化率(%) 88.2 (7)式の値 9.2×108 (8)式の値 2.8×103 (9)式の値 1.5×10-4 熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 7.0
【0088】比較例6 2段直列結合された完全混合槽とプラグフロー型反応器
を使用した連続重合を行った。メチルメタクリレート
5.70モル/リットル、メチルアクリレート0.20
モル/リットル、メタノール9.95モル/リットル、
n−ドデシルメルカプタン2.1ミリモル/リットル、
ジ−t−ブチルパーオキサイド3.2ミリモル/リット
ルからなる組成物を1.67Kg/Hrで第1槽に連続
的にフィードし、さらに第2段スタティックミキサーに
メチルメタクリレート8.47ル/リットル、メチルア
クリレート1.09モル/リットル、n−ドデシルメル
カプタン5.0ミリモル/リットル、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド5.0ミリモル/リットルからなる組成物
を110g/Hrでサイドフィードした。
【0089】両反応器とも重合温度140℃、第1槽の
平均滞留時間3時間、第2段スタティックミキサーの滞
留時間2hrで連続重合を行った。 1段目のモノマー
転化率62.7%、2段目のモノマー転化率88.0
%、重量平均分子量100,000で運転維持した。第
2段スタティックミキサーから流出する反応液より沈澱
精製したポリマー(PP )と270℃の真空脱揮後のポ
リマー(PH )の耐熱分解性を調べた結果、いずれのポ
リマーサンプルも熱分解開始温度は250℃であった。
重合槽から流出するポリマーの300℃までの熱分解率
は9.5であった。脱揮されたポリマーをアーブルク製
45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3
mmの円板を成形したところ、シルバーストリークスが
発生し、白濁した。全光線透過率は91%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1での沈殿精製した熱履歴を受ける前
のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図2】 実施例1での加熱真空脱揮後の熱履歴を受け
たポリマー(PH )の耐熱分解性を示す。
【図3】 比較例1での沈殿精製した熱履歴を受ける前
のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図4】 比較例1での加熱真空脱揮後の熱履歴を受け
たポリマー(PH )の耐熱分解性を示す。
【図5】 実施例6での沈殿精製した熱履歴を受ける前
のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図6】 実施例6での加熱真空脱揮後の熱履歴を受け
たポリマー(PH )の耐熱分解性を示す。
【図7】 比較例3での沈殿精製した熱履歴を受ける前
のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図8】 比較例3での加熱真空脱揮後の熱履歴を受け
たポリマー(PH )の耐熱分解性を示す。
【図9】 実施例11での沈殿精製した熱履歴を受ける
前のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図10】 実施例11での加熱真空脱揮後の熱履歴を
受けたポリマー(PH)の耐熱分解性を示す。
【図11】 比較例5での沈殿精製した熱履歴を受ける
前のポリマー(PP )の耐熱分解性を示す。
【図12】 比較例5での加熱真空脱揮後の熱履歴を受
けたポリマー(PH )の耐熱分解性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日永田 真一 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1段完全混合槽を使用して、メチルメタ
    クリレート単独、またはメチルメタクリレート75重量
    %以上とメチルアクリレート、エチルアクリレートもし
    くはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以
    上が25重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%
    および溶媒29〜5重量%からなる混合物を、 重合温度90〜180℃における半減期が0.05〜
    20分であるラジカル重合開始剤を使用し、かつ平均滞
    留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5〜7000倍
    となるように調製し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が1.0×
    10-4〜0.16モル/リットル、連鎖移動剤濃度が
    1.0×10-4〜0.37モル/リットルとなるように
    調製し、 更に反応組成物をモノマー転化率40〜90%に維持
    しながら連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリ
    マーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形
    工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から30
    0℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分
    解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタク
    リル樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 2段直列結合された完全混合槽を使用し
    て、メチルメタクリレート単独、またはメチルメタクリ
    レート75重量%以上とメチルアクリレート、エチルア
    クリレートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少
    なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混合物7
    1〜95重量%および溶媒29〜5重量%からなる混合
    物を、 第1槽重合温度100〜170℃、第2槽重合温度1
    30〜170℃における半減期が0.05〜20分であ
    るラジカル重合開始剤を使用し、 かつ平均滞留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5
    〜7000倍となるように設定し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が5.0×
    10-5〜0.12モル/リットル、連鎖移動剤濃度が
    1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調
    製し、 該反応組成物を第2槽目モノマー転化率70〜90%
    に維持しながら連続的に重合させ、該重合反応で得られ
    たポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押
    出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃か
    ら300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したとき
    の熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とする
    メタクリル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 2段に直列結合された第1段目反応器の
    完全混合槽と第2段目反応器のプラグフロー型反応器を
    使用して、メタクリレート単独、またはメタクリレート
    75重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレ
    ートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少なくと
    も一種以上が25重量%以下のモノマー混合物71〜9
    5重量%および溶媒29〜5重量%からなる混合物を、 重合温度が1段目完全混合槽100〜170℃、2段
    目プラグフロー型反応器100〜170℃にして、 1段目完全混合槽の平均滞留時間が重合温度における
    開始剤の半減期の5〜7000倍、2段目プラグフロー
    型反応器での滞留時間が開始剤半減期の5〜50倍とな
    るように設定し、 該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度1.0×1
    -4〜0.16モル/リットル、 および連鎖移動剤濃度1.0×10-4〜0.1モル/
    リットルとなるように調製した反応組成物を 2段目プラグフロー型反応器出口でのモノマー転化率
    を70〜90%に維持しながら連続的に重合させ、該重
    合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了
    後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素
    気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で
    加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下である
    ことを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工
    程を経る前のポリマーの熱分解率(窒素気流中、30℃
    から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したと
    きの熱分解率)が、2重量%以下である請求項1項記載
    のメタクリル樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工
    程を経る前のポリマーの熱分解率(窒素気流中、30℃
    から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したと
    きの熱分解率)が2重量%以下である請求項2項記載の
    メタクリル樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工
    程を経る前のポリマーの熱分解率(窒素気流中、30℃
    から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したと
    きの熱分解率)が2重量%以下である請求項3項記載の
    メタクリル樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶媒がメタノールである請求項1〜3項
    記載のメタクリル樹脂の製造方法。
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