JPH08253652A - ポリ酸を利用した製法、熱可塑性組成物およびエマルショングラフトコポリマー - Google Patents

ポリ酸を利用した製法、熱可塑性組成物およびエマルショングラフトコポリマー

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JPH08253652A
JPH08253652A JP7305386A JP30538695A JPH08253652A JP H08253652 A JPH08253652 A JP H08253652A JP 7305386 A JP7305386 A JP 7305386A JP 30538695 A JP30538695 A JP 30538695A JP H08253652 A JPH08253652 A JP H08253652A
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Ronald Louis Jalbert
ロナルド・ルイス・ヤルバート
Shripathy Vilasagar
シリパシー・ビラサガー
Warren Joseph Peascoe
ウォーリン・ジョセフ・ピースコー
Wilhelmus Johannes D Steendam
ウィヘルムス・ヨハネス・ディー・スティーンダム
Wilhelmus Marinus M Roovers
ウィヘルムス・マリナス・エム・ルーバーズ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性が改良された低ジューシング性の熱
可塑性組成物およびこの熱可塑性組成物を使用する射出
成形プロセス。 【解決手段】 この熱可塑性組成物は、ポリ酸で乳化さ
れたラテックスを使用して形成されたエマルショングラ
フトコポリマーからなる改良剤を利用している。これら
の組成物はその射出成形中にジューシング(プレートア
ウト)する傾向が低下している。本発明の組成物は衝撃
強さが高まった熱可塑性物品を作成するのに有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化重合したゴムグラ
フトコポリマーによって耐衝撃性が改良された組成物、
その製法、その組成物の物品、およびその物品の製法に
係り、特に、上記組成物、プロセス、物品および方法に
おいてポリ酸を利用することに係る。
【0002】
【従来の技術】乳化重合プロセスでは一般に、界面活性
剤の存在により凝固に対して安定化されたゴムラテック
スを使用する。典型的な界面活性剤は、平均炭素原子数
8〜20の直鎖を有する牛脂脂肪酸のような直鎖型モノ
脂肪酸界面活性剤である。このような界面活性剤を耐衝
撃性改良用のゴムグラフトコポリマーの乳化重合に利用
すると、このゴムグラフトコポリマーを含有する熱可塑
性組成物の射出成形中に界面活性剤のジューシング(ju
icing 、またはプレートアウト:表面に浸出分離して付
着する現象)が起こり望ましくない。これらの問題が特
に重要になるのは、(a)芳香族ポリカーボネート樹脂
および/またはポリアルキレンテレフタレート樹脂と
(b)耐衝撃性を改良する量のゴムグラフトコポリマ
ー、および場合により硬質ビニルポリマーを含む熱可塑
性組成物の場合であり、それは、この熱可塑性組成物を
熱可塑性物品に成形するのに必要とされる成形温度が比
較的に高いため、また線状の脂肪族モノ酸界面活性剤は
明らかにこのような組成物に対する溶解性が悪いためで
ある。界面活性剤のジューシングがひど過ぎて過度の界
面活性剤が加工装置・設備に蓄積されると、最終的に望
ましくない結果として金型のベントが塞がったり、成形
品または押出し品に表面欠陥が生じたりし得る。ゴム基
材およびゴムグラフトコポリマーを製造する際に界面活
性剤の量を減らすことは実際的ではない。というのは、
ラテックスの安定性が悪くなって凝塊が生成することに
なるからである。乳化重合ゴムグラフトコポリマーの形
成の際には高い界面活性剤レベルが特に重要であり、し
たがって、乳化重合したゴムグラフトコポリマーを利用
する組成物、プロセス、物品および方法の場合上記の問
題が特に解決を必要とする。さらにまた、過度の量で石
鹸を用いると望ましくない金型の腐食が生起し、そして
前記のような酸の量が過度であると望ましくない揮発分
の放出が起こり、このような揮発分はフロントガラスの
ようなガラス表面に蓄積し、そのため長時間除去しない
で放置しておくと望ましくない曇りを生じ得る。エマル
ションは酸により凝固させてそのエマルションを脱安定
化させ得る。そのような酸の塩もまた凝固に使用するこ
とができるが、そのような塩は望ましくないことにポリ
カーボネート樹脂を攻撃してその分子量を低下させ、か
つ吸湿傾向とかなり悪い下地色特性を示し、そして得ら
れる樹脂は溶融加工プロセス中に不十分な熱安定性を示
し得る。
【0003】したがって、ゴムグラフトコポリマーを含
有する熱可塑性組成物の射出成形(または押出し)中の
ジューシングの量を低減させることが必要とされてお
り、また、そのような組成物によって生じる曇りを低減
させることも必要である。
【0004】
【発明の概要】本発明は、ポリ酸を利用して作成された
乳化重合グラフトコポリマー組成物によって耐衝撃性が
改良された熱可塑性樹脂組成物を含む。このグラフトコ
ポリマー組成物はある量のポリ酸を含んでおり、熱可塑
性組成物用の耐衝撃性改良剤として有用である。熱可塑
性組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂および/また
はポリエステル(好ましくはポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂)を含有するのが好ましい。成形品を作成する
ためにこの熱可塑性組成物を射出成形(または押出し)
する際、これらの組成物は、モノ酸界面活性剤ではなく
ポリ酸を利用しているためにジューシングとプレートア
ウトの程度が低下している。
【0005】
【発明の詳細な開示】耐衝撃性改良剤組成物に有用なゴ
ムグラフトコポリマーは、(i)ゴム基材と、(ii)こ
のゴム基材にグラフトした硬質ポリマー性の上層枝部お
よび場合によって存在する遊離した硬質成分とからなっ
ている。耐衝撃性改良剤組成物(グラフトコポリマー組
成物)中に存在するゴム基材の量は、グラフトコポリマ
ー組成物の全重量を基準にして10〜90重量%が好ま
しく、40〜85重量%がより好ましく、50〜85重
量%がさらに好ましく、65〜85重量%が最も好まし
い。また、硬質の上層枝部(場合により非グラフト化
(遊離)硬質成分が存在する場合にはこれも含める)の
存在量は、グラフトコポリマーの全重量を基準にして1
0〜90重量%が好ましく、また15〜60重量%が好
ましく、15〜50重量%がさらに好ましく、15〜3
5重量%が最も好ましい。遊離の硬質部分が存在する場
合これはグラフトコポリマー組成物の全重量を基準にし
て約0〜50重量%である。このゴム基材はTg(ガラ
ス転移温度)が0℃より低いゴムである。
【0006】基材用のゴム質ポリマーの例としては、共
役ジエン、ジエンとスチレン、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルもしくはC1 〜C8 アルキルアクリレー
トとのコポリマー(共役ジエンを少なくとも50%、好
ましくは少なくとも65%含む)、ポリイソプレンまた
はこれらの混合物、オレフィンゴム、すなわちエチレン
‐プロピレンコポリマー(EPR)またはエチレン‐プ
ロピレン‐非共役ジエン(EPDM)、シリコーンゴ
ム、あるいは、C1 〜C8 アルキルアクリレートのホモ
ポリマーまたはこれとブタジエンおよび/またはスチレ
ンとのコポリマーがある。またこのアクリルポリマーは
さらに、アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、
アルキレントリオールトリ(メタ)アクリレート、ポリ
エステルジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
トリビニルベンゼン、ブタジエン、イソプレンおよび任
意にグラフト化可能なモノマー(たとえば、トリアリル
シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル
(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリル
フマレート、ジアリルアジペート、クエン酸のトリアリ
ルエステル、またはこれらの混合物)のような多官能性
架橋剤の1種以上を5%まで含有していてもよい。
【0007】ジエンゴムは、好ましくはポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、およびブタジエンと35重量%ま
でのスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
トまたはC1 〜C8 ‐アルキルアクリレートのようなコ
モノマーとのコポリマーでよく、これらは水性ラジカル
乳化重合で製造され、場合によってはジもしくはトリ‐
ビニルおよび/またはアリルモノマーまたはこのような
モノマーもしくは構造の混合物で架橋されていてもよ
い。
【0008】ゴムは架橋されたC1 〜C8 ‐アルキルア
クリレート、特にC2 〜C8 ‐アルキルアクリレート、
場合により15重量%までのスチレン、メチルメタクリ
レート、ブタジエン、ビニルメチルエーテルまたはアク
リロニトリルのようなコモノマーおよび場合により5重
量%までの多官能性架橋用コモノマー(たとえば、ジビ
ニルベンゼン、グリコール‐ビス‐アクリレート、ビス
アクリルアミド、リン酸トリアリルエステル、クエン酸
トリアリルエステル、アクリル酸またはメタクリル酸の
アリルエステル、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート)との混合物でもよい。また、ジエン
ゴムおよびアルキルアクリレートゴムならびにいわゆる
コア/シ−ス構造(たとえば、ジエンゴムのコアとアク
リレートのシ−ス、またはその逆)を有するゴムの混合
物も適している。
【0009】グラフトポリマーのゴム基材を製造するの
に通常使用されている特定の共役ジエンモノマーは、一
般に次の式で表わされる。
【0010】
【化1】 ここで、X1 、X2 、X3 、X4 、X5 は各々個別に、
水素、1〜5個の炭素原子を含有するアルキル基、塩素
および臭素より成る群の中から選択される。使用できる
ジエンの例はブタジエン、イソプレン、1,3‐ヘプタ
ジエン、メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメ
チルブタジエン、2‐エチル‐1,3‐ペンタジエン、
1,3‐ヘキサジエン、2,4‐ヘキサジエン、クロロ
置換またはブロモ置換のブタジエン(たとえば、ジクロ
ロブタジエン、ブロモブタジエン、ジブロモブタジエ
ン、これらの混合物)などである。好ましい共役ジエン
は1,3‐ブタジエンである。
【0011】上記の基材ポリマーは共役ジエンポリマ
ー、たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、または
ブタジエン‐スチレン、ブタジエン‐アクリロニトリル
などのようなコポリマーなどが好ましい。このゴム質ポ
リマー性基材部分はガラス転移温度(Tg)が約0℃よ
り低い。グラフトポリマーを製造するための基材として
前記したゴム質ポリマーの1種以上の混合物、または本
明細書に開示したグラフトポリマーの1種以上の混合物
も使用できる。さらにゴムはブロックコポリマーまたは
ランダムコポリマーのいずれからなっていてもよい。
【0012】本発明で使用するゴムの粒度は、(簡単な
光透過法または毛管流体力学クロマトグラフィー(CH
DF)で測定して)乳化重合したベースのゴムラテック
スに対する重量平均粒度で0.05〜1.2ミクロン、
好ましくは0.15〜0.8ミクロンと表わすことがで
きる。ゴム基材は粒状の架橋したジエンゴムまたはアル
キルアクリレートゴムが好ましく、ゲル含量は50%よ
り大きいのが好ましい。
【0013】適した上層枝部としてはホモポリマーとコ
ポリマーを含めてビニリデンポリマーがある。この枝部
の製造に使用できるモノビニリデン芳香族モノマー(ビ
ニル芳香族モノマー)としては、スチレン、α‐メチル
スチレン、ハロスチレンたとえばジブロモスチレン、モ
ノビニリデン芳香族モノマーの核環上に1個か2個のア
ルキル、アルコキシまたはヒドロキシ置換基を有するも
の、たとえばビニルトルエン、ビニルキシレン、ブチル
スチレン、p‐ヒドロキシスチレンまたはメトキシスチ
レン、またはこれらの混合物がある。利用するモノビニ
リデン芳香族モノマーは一般に次式で表わされる。
【0014】
【化2】 ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は各々が個別
に、水素、炭素原子1〜5個のアルキル基、シクロアル
キル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキ
シ、アリールオキシおよびハロゲンより成る群の中から
選択される。Rは水素、炭素原子1〜5個のアルキル基
およびハロゲン(たとえば臭素および塩素)より成る群
の中から選択される。置換されたビニル芳香族化合物の
例としては、スチレン、4‐メチルスチレン、3,5‐
ジエチルスチレン、4‐n‐プロピルスチレン、α‐メ
チルスチレン、α‐メチルビニルトルエン、α‐クロロ
スチレン、α‐ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジ
ブロモスチレン、テトラクロロスチレン、これらの混合
物などがある。使用する好ましいモノビニリデン芳香族
モノマーはスチレンおよび/またはα‐メチルスチレン
である。
【0015】単独で、またはモノビニリデン芳香族モノ
マーと組み合わせて使用できるモノマーとしては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、C1 〜C8 のアル
キルもしくはアリールで置換されたアクリレート、C1
〜C8 のアルキル、アリールもしくはハロアリールで置
換されたメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、アクリルアミド、N‐置換されたアクリル
アミドもしくはメタクリルアミド、無水マレイン酸、マ
レイミド、N‐アルキル置換、N‐アリール置換もしく
はN‐ハロアリール置換されたマレイミド、グリシジル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートまたはこれらの混合物がある。不飽和ニトリ
ル(アクリロニトリルまたは置換アクリロニトリル)ま
たはアクリル酸エステルは一般に次式で表わされる。
【0016】
【化3】 ここで、R6 はRに関してすでに定義したのと同じ群の
中から選択され、Yはシアノ基およびカルボアルコキシ
基(ただし、このカルボアルコキシのアルコキシ基は1
〜約12個の炭素原子を含有している)より成る群の中
から選択される。このようなモノマーの例としては、ア
クリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニト
リル、α‐クロロアクリロニトリル、α‐ブロモアクリ
ロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレートおよびこれ
らの混合物がある。好ましい不飽和ニトリルモノマーは
アクリロニトリルであり、好ましいアクリル酸エステル
はエチルアクリレート(アクリル酸エチル)とメチルメ
タクリレート(メタクリル酸メチル)である。また、ア
クリル酸エステルを含ませる場合はスチレンやアクリロ
ニトリルと組み合わせて使用するのが好ましい。
【0017】グラフトした硬質の上層枝部の数平均分子
量は10,000〜350,000の範囲になるように
設計する。第一のモノマーの第二のモノマーに対する比
は100/0〜50/50の範囲でよく、85/15〜
60/40が好ましい。場合により、これら第一と第二
のモノマーの一方または両方の0〜50%を別のモノマ
ーの1種またはそれ以上で置き換えてもよい。好ましい
グラフト枝部としては、スチレンとアクリロニトリルの
コポリマー、α‐メチルスチレンとアクリロニトリルの
コポリマー、およびメチルメタクリレートポリマーまた
はこれと50重量%までのC1 〜C8 アルキルアクリレ
ート、アクリロニトリルもしくはスチレンとのコポリマ
ーがある。
【0018】これらのグラフトコポリマーは業界で周知
の乳化重合プロセスまたは乳化‐懸濁その他の乳化重合
技術のような混合プロセスによって重合することができ
る。また、これらのゴムで改質されたモノビニリデング
ラフトコポリマーは連続法、半バッチ法またはバッチ法
のいずれかで製造することができる。場合によって本組
成物は、枝部について記載したのと同じモノマー、特に
ビニル芳香族モノマー、不飽和ニトリルモノマー、アル
キル(アルキル)アクリレートモノマーおよびその混合
物の反応生成物である非グラフト化(遊離)硬質相部分
を含んでいてもよい。この遊離硬質相という用語は非グ
ラフト化硬質ポリマーを指す。好ましくは、耐衝撃性改
良剤組成物の遊離硬質相とグラフトした枝部がそれぞれ
70:30〜0:100の比であり、60:40〜2
0:80が好ましい。
【0019】好ましい耐衝撃性改良剤組成物(グラフト
コポリマー組成物)は、アクリロニトリル‐ブタジエン
‐スチレングラフトコポリマー、メチルメタクリレート
‐ブタジエン‐スチレングラフトコポリマー(たとえ
ば、メチルメタクリレート‐アルキルアクリレートがブ
タジエンゴムまたはスチレン‐ブタジエンゴムにグラフ
としたもの)、メチルメタクリレート‐アクリロニトリ
ル‐ブタジエン‐スチレングラフトコポリマー、メチル
メタクリレート‐エチルアクリレートがポリブチルアク
リレートにグラフトしたもの、ブチルアクリレート‐ス
チレン‐アクリロニトリルグラフトコポリマー、ブチル
アクリレート‐エチルアクリレート‐スチレングラフト
コポリマー、およびアクリロニトリル‐エチルアクリレ
ート‐スチレングラフトコポリマーより成る群の中から
選択されたグラフトコポリマーを主として含む組成物で
ある。
【0020】モノビニリデングラフトコポリマーの特定
例としては、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン
(ABS)、アクリロニトリル‐スチレン‐ブチルアク
リレート(ASA)、メチルメタクリレート‐アクリロ
ニトリル‐ブタジエン‐スチレン(MABS)、アクリ
ロニトリル‐エチレン‐プロピレン‐非共役ジエン‐ス
チレン(AES)、メチルメタクリレート‐ブタジエン
‐スチレンおよびメチルメタクリレート‐ブタジエンが
あるがこれらに限定されることはない。
【0021】本発明で使用され、ビニリデングラフトコ
ポリマーから別個に製造される適切なビニリデン硬質ポ
リマー(ホモポリマーとコポリマーを含む)は、すでに
記載したモノビニリデン芳香族モノマー(第一のモノマ
ー)とやはりすでに記載した他のコモノマー(第二のモ
ノマー)を含む。第一のモノマー対第二のモノマーの組
成比は100/0〜50/50の範囲でよく、85/1
5〜60/40が好ましい。場合によって、別のモノマ
ーの1種以上で第一および第二のモノマーの一方または
両方の0〜50%を置き換えてもよい。
【0022】ビニリデン硬質ポリマーの数平均分子量は
10,000〜350,000の範囲になるように設計
される。好ましいビニリデン硬質ポリマーとしては、ス
チレンとアクリロニトリルのコポリマー、およびメチル
メタクリレートのホモポリマーまたはこれと50重量%
までのC1 〜C8 アルキルアクリレート、アクリロニト
リルまたはスチレンとのコポリマーがある。
【0023】これらのビニリデン硬質ポリマーは業界で
周知の乳化法、乳化‐懸濁法、懸濁法または塊状法のい
ずれかによって重合できる。また、これらの硬質ポリマ
ーは連続プロセス、半バッチプロセスまたはバッチプロ
セスのいずれかで製造できる。チオエステル系酸化防止
剤およびヒンダードフェノール類のような酸化防止剤を
耐衝撃性改良剤に添加してもよい。本発明においては、
(エマルションに加えて)ある量のポリ酸界面活性剤を
含有する酸化防止剤を利用するのが好ましい。これら酸
化防止剤は酸化防止剤エマルションの形態でもよい。
【0024】グラフトコポリマー組成物(耐衝撃性改良
剤組成物)中に存在するポリ酸の量は、グラフトコポリ
マー組成物の全重量を基準にして0.25〜5重量%が
好ましく、0.75〜3.5重量%であるとさらに好ま
しく、1.5〜2.75重量%であるのが最も好まし
い。このポリ酸は30〜108個の炭素原子をもってお
り(C30〜C108 )、C32〜C60が好ましい。このポリ
酸成分はポリ酸の混和物の形態であってもよく、実質的
に(50重量%より多くが)ジ酸および/またはトリ酸
であるのが好ましく、実質的に二量体化した脂肪族およ
び/または三量体化した脂肪酸であるとさらに好まし
い。ポリ酸官能基のカルボン酸塩の形態のポリ酸は好ま
しくは界面活性剤、乳化剤または石鹸である。乳化剤に
有用な二量体化した脂肪酸石鹸は、乾性油または半乾性
油脂肪酸の重合で得られるポリカルボン酸の石鹸であ
る。適した脂肪酸としては、ポリ不飽和脂肪酸、たとえ
ばリノール酸、実質的な量のポリ不飽和酸を含有する脂
肪酸の混合物、たとえば大豆油脂肪酸やト−ル油脂肪酸
がある。このような酸は、たとえばアルカリ性触媒の存
在下加圧下で加熱することによって二量体化することが
できる。本明細書で使用する「二量体化した脂肪酸」と
いう用語は、乾性油または半乾性油の脂肪酸の二量体化
によって得られる酸の混合物を含めていうものとする。
この混合物は通常、主要量のダイマー酸、トリマー酸お
よびさらに高級のポリマー酸(および少量の非重合体化
(モノマー性)酸)を含む。その例を以下に挙げるがこ
れらに限定されることはない。 非環式
【0025】
【化4】 単環式
【0026】
【化5】 二環式
【0027】
【化6】 線状ダイマー酸
【0028】
【化7】 環状ダイマー酸
【0029】
【化8】 芳香族ダイマー酸
【0030】
【化9】 環式トリ酸
【0031】
【化10】 ここで、R7 は水素または1〜18個の炭素原子を有す
る脂肪族炭化水素(アルキル)基であるのが好ましく、
式(CH2 )x (ただしxは1〜22である)であると
さらに好ましい。ダイマーの脂肪酸はその鎖中にエチレ
ン結合をもち約14〜約22個の炭素原子を含有する脂
肪酸を二量体化することによって形成できる。二量体化
して上に例示した酸を形成する一塩基性酸としては、オ
レイン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、リカン酸、アラキドン酸、エルカ酸、
いわし酸、エレオステアリン酸などがある。商業的実用
上これらの酸の天然の混合物は二量体化脂肪酸の製造に
広く使用される。このような酸は、ト−ル油脂肪酸、牛
脂(動物脂肪)脂肪酸および植物油(たとえば、大豆
油、アマニ油、綿実油およびその他不飽和脂肪酸グリセ
リドからなる油のような種々の起源から誘導され得る。
一般に、二量体化を実施するには、場合により触媒を使
用して、熱分解(クラッキング)と脱カルボキシル化を
防ぎつつ、モノマー酸を高温に加熱する。米国特許第
2,482,761号、第2,664,429号、第
2,793,219号、第2,793,220号、第
2,995,121号、第3,076,003号、第
3,507,890号および第3,925,342号に
は二量体化がさらに詳しく記載されている。各種タイプ
の二量体化脂肪酸が入手可能であり、二量体化脂肪酸の
市販製品は3分子の脂肪酸の重合によって副生物として
形成された三塩基性酸である三量体化した脂肪酸を含ん
でいることが多い。テトラカルボン酸(C72)やヘキサ
カルボン酸(C108 )のようなさらに高級の酸も存在し
得る。加えて、市販製品は、重合しなかったかまたは重
合後除去されなかった異性体化した一塩基酸または未反
応脂肪酸もしくは完全に飽和したモノマー性の一塩基脂
肪酸を少量含有し得る。本発明の新規な組成物を製造す
るのに使用する二量体化した脂肪酸は約70%以下の三
塩基酸を含む生成物からなるのが好ましく、極低い非ジ
ューシング特性を得るためには一塩基酸が10%以下で
あるのが好ましい。そして、ポリ酸成分の全重量を基準
にして一塩基酸が5重量%以下であるのが好ましい。こ
の二量体化した酸の含量は界面活性剤の全重量を基準に
して少なくとも75重量%であるのが好ましい。色を改
良するために、二量体化した脂肪酸を、後続の反応段階
で水素化によって部分的または完全に飽和させてもよい
[米国ニューヨーク州ニューヨークのマーセル・デッカ
ー社(Marcel Dekker, Inc.) 刊、ロバート・ジョンソン
(Robert Johson) およびアール・フリッツ(Earle Frit
z) 編「産業における脂肪酸(Fatty Acids in Industry)
」の第5章「脂肪酸の水素化(Hydrogenation of Fatty
Acids)」参照]。ダイマー酸はすべて、その数平均分
子量が通常500より大きい(たとえば約560)にも
かかわらず25℃で液体である。この二量体化プロセス
ではモノ酸、ジ酸、トリ酸およびさらに高級のポリマー
酸の混合物が生成し得る。好ましくはこの二量体化した
酸の約半分以上が非環式/環式の脂肪族または芳香族構
造を有する異性体で構成される。環式構造には単環式と
二環式の脂肪族構造および芳香族構造が包含される。環
式構造は通常二量体化プロセスの間に形成されるが、そ
の形成過程は本発明にとって重要ではない。さらに、こ
れらの組成物中にはロジン酸、アビエチン酸またはこれ
らの誘導体が存在しないように留意することが重要であ
る。というのは、アビエチン酸のような物質は望ましく
ない程揮発性であり、ジューシングを起こし得るからで
ある。
【0032】好ましいポリ酸は非環式/環式の脂肪族ポ
リ酸および環式の芳香族ポリ酸である。ポリ酸は、30
〜108個の炭素原子、好ましくは32〜60個の炭素
原子を有する高分子量のポリ酸が好ましい。ポリ酸は熱
可塑性組成物に可溶性および/または混和性であるのが
好ましい。耐衝撃性が改良された熱可塑性組成物は
(i)熱可塑性樹脂および(ii)本発明の耐衝撃性改良
剤組成物を含む。熱可塑性樹脂は溶融温度が高い(少な
くとも350°F、好ましくは450〜800°F)の
が好ましく、SAN樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン、ポリアクリレ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、および
これらの混合物たとえばPC/PBTブレンドの中から
選択するのが好ましい。
【0033】この熱可塑性組成物は、ビニル芳香族‐不
飽和ニトリルゴムグラフトコポリマーおよび/またはビ
ニルコポリマー樹脂および/またはポリアルキレンテレ
フタレート(たとえばポリブチレンテレフタレート)樹
脂および/またはビスフェノールAポリカーボネートを
含むのが好ましい。熱可塑性組成物中に存在する芳香族
ポリカーボネート樹脂の量は、熱可塑性組成物の全重量
を基準にして0〜97重量%であるのが好ましく、50
〜97重量%であるとさらに好ましく、55〜85重量
%であるのが最も好ましい。ビニルコポリマーは熱可塑
性組成物の全重量を基準にして0〜35重量%の量で存
在するのが好ましく、10〜30重量%の量で存在する
とさらに好ましく、15〜25重量%の量で存在するの
が最も好ましい。耐衝撃性改良剤組成物は熱可塑性組成
物中にこの熱可塑性組成物の全重量を基準にして3〜5
0重量%のレベルで存在するのが好ましく、熱可塑性組
成物の全重量を基準にして10〜30重量%であるとさ
らに好ましく、熱可塑性組成物の全重量を基準にして1
0〜20重量%であるのが最も好ましい。熱可塑性組成
物中に存在する耐衝撃性改良剤組成物のレベルは、熱可
塑性組成物中のゴム基材が熱可塑性組成物の全重量を基
準にして3〜15重量%であり、好ましくは4〜10重
量%であるようにするのが好ましい。
【0034】熱可塑性組成物中に存在するポリアルキレ
ンテレフタレート樹脂の量は熱可塑性組成物の全重量を
基準にして0〜97重量%であるのが好ましく、30〜
97重量%であるとより好ましく、熱可塑性組成物の全
重量を基準にして15〜85重量であるとさらに好まし
く、また熱可塑性組成物の全重量を基準にして20〜7
0重量%であるとより好ましい。
【0035】熱可塑性組成物中に存在する芳香族ポリカ
ーボネート樹脂とポリアルキレンテレフタレート樹脂の
合計量は、熱可塑性組成物の全重量を基準にして55〜
95重量%であるのが好ましく、熱可塑性組成物の全重
量を基準にして65〜85重量%であるとさらに好まし
い。芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアルキレンテレ
フタレート樹脂の重量比は80:20〜20:80の範
囲でよい。熱可塑性組成物の全ゴム含量は3〜45重量
%であるのが好ましく、熱可塑性組成物の全重量を基準
にして3〜25重量%であるとさらに好ましく、5〜1
5重量%が最も好ましい。
【0036】芳香族ポリカーボネート樹脂を含まないで
ポリエステル樹脂を利用する熱可塑性組成物は、(a)
この組成物の全重量を基準にして30〜97重量%、さ
らに好ましくは40〜60重量%の量で存在するポリエ
ステル樹脂と、(b)組成物の全重量を基準にして5〜
35重量%、さらに好ましくは10〜30重量%の量で
存在する耐衝撃性改良剤組成物と、(c)0〜70重量
%、より好ましくは組成物の全重量を基準にして5〜7
0重量%、さらに好ましくは10〜40重量%のレベル
で存在するビニル非グラフト硬質ビニリデンホモポリマ
ーまたはコポリマーとを含む。
【0037】本発明のプロセスでは、ジエンゴム基材
を、モノビニリデン芳香族モノマー、不飽和ニトリルモ
ノマー、アルキル(アルキル)アクリレートモノマーお
よびこれらの混合物の群の中から選択されるエチレン性
不飽和化合物と共に乳化重合させる。この重合はポリ酸
界面活性剤の存在下で実施して凝塊の形成を防止する。
この重合によってポリ酸を含有する耐衝撃性改良剤組成
物が生成する。以下の条件に従って射出成形した場合本
発明によって得られる熱可塑性組成物のジューシングレ
ベルは、表1および2に示されているように、150回
のショートショット後12mg未満であるのが好まし
く、9mg未満であるとさらに好ましく、7mg未満で
あるのが最も好ましい。射出成形条件:5オンス容の成
形機、クランプ力150トン、4″×6″×0.12
5″の取外し可能な金型キャビティーインサート、金型
温度80°F、溶融ストック温度575°F、射出速度
1.0インチ/秒、スクリュー速度75RPM、スクリ
ュー背圧100psi、サイクル時間約32秒、キャビ
ティー容の95%に等しいショートショット、150回
の成形サイクルの結果蓄積する金型付着物、キャビティ
ーを成形機から取り出し、取出し可能な金型キャビティ
ーをクロロホルムで洗浄して20ミルのシンチレーショ
ンバイアルに残渣を集め、注意深くクロロホルムを除い
た後、タールの付いたシンチレーションバイアルの重量
を測定して蓄積した残渣の量をmg単位で決定し、フー
リエ変換赤外 (FTIR)、高圧液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)などで含量を分析する。さらに本発明
のプロセスでは、耐衝撃性改良剤組成物を含有する熱可
塑性組成物を射出成形(または押出し)して成形品を作
る。本発明のプロセスによって作成される熱可塑性組成
物は、モノ酸界面活性剤を含有するものと比較して、ジ
ューシングの程度が低下している。この射出成形プロセ
スの温度は通常500°F以上であり、515〜575
°Fがより典型的であり、525〜550°Fが最も好
ましい。このように比較的高い射出成形温度のため、線
状モノ酸界面活性剤のジューシングおよびプレートアウ
トに関連する問題が生じるが、本発明のポリ酸界面活性
剤は高度のジューシングおよびプレートアウトに対して
有効に抵抗する。
【0038】本発明で使用するのに適したポリカーボネ
ート樹脂(ポリエステルカーボネートを含む)は非芳香
族形態でも芳香族形態でもよい。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂に関しては当業者が容易に形成することができる
か、または各種市販元から入手することができる。これ
を製造するには、二価フェノールをカーボネート前駆体
(たとえばホスゲン、ハロホルメートまたはカーボネー
トエステル)と反応させればよい。典型的には次式の繰
返し構造単位をもつ。
【0039】
【化11】 ここで、Aはポリマー生成反応で使用した二価フェノー
ルに由来する二価の芳香族残基である。芳香族カーボネ
ートポリマーは固有粘度が(25℃のメチレンクロライ
ド中で測定して)0.30〜1.0dl/gの範囲であ
るのが好ましい。二価フェノールとは、芳香核の炭素原
子に結合しているヒドロキシ基を2つもつ単核または多
核の芳香族化合物を意味する。典型的な二価フェノール
としては、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2‐ビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロ
キシフェニル)プロパン、4,4′‐ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)メタ
ン、これらの混合物などがある。好ましい芳香族カーボ
ネートポリマーは2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニ
ル)プロパンすなわちビスフェノール‐Aに由来するホ
モポリマーである。
【0040】本発明で使用するポリ(エステルカーボネ
ート)は公知であり、市販品を入手することができる。
一般に、これらは、線状のポリマー鎖中に繰返しカーボ
ネート基
【0041】
【化12】 繰返しカルボキシレート基
【0042】
【化13】 および繰返し芳香族炭素環式基を含むコポリエステルで
あり、このカルボキシレート基の少なくともいくつかと
カーボネート基の少なくともいくつかは芳香族炭素環式
基の環炭素原子に直接結合している。これらのポリ(エ
ステルカーボネート)を製造するには、通常、二官能性
カルボン酸(たとえば、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、ホモフタル酸、o‐、m‐およびp‐フェニ
レン二酢酸、多核芳香族酸、たとえばジフェン酸、1,
4‐ナフタル酸、これらの混合物、など)を、上述した
ような二価フェノールおよびカーボネート前駆体と反応
させる。特に有用なポリ(エステルカーボネート)はビ
スフェノール‐A、イソフタル酸、テレフタル酸、もし
くはイソフタル酸とテレフタル酸の混合物、またはこれ
らの酸の反応性誘導体(たとえばテレフタロイルジクロ
ライド)、またはこれらの混合物、およびホスゲンから
誘導される。ジヒドロキシジアリール単位のモル割合は
1:0.30〜0.80:0.70〜0.20の範囲で
あり得、テレフタレート単位とイソフタレート単位のモ
ル範囲はこの好ましい種類の樹脂で9:1〜2:8であ
り得る。
【0043】使用するのに適したポリエステルは、通
常、2〜約10個の炭素原子を含有する脂肪族もしくは
環式脂肪族のジオールまたはその混合物および少なくと
も1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される。好ましい
ポリエステルは脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸か
ら誘導され、次の一般式の繰返し単位をもつ。
【0044】
【化14】 ここで、nは2〜4の整数である。最も好ましいポリエ
ステルはポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリ
(エチレンテレフタレート)のようなポリ(アルキレン
テレフタレート)である。また、上記のポリエステル
で、少量、たとえば0.5〜約2重量%の脂肪族酸およ
び/または脂肪族ポリオールから誘導された単位を有す
るコポリエステルも本発明に含まれる。この脂肪族ポリ
オールとしてはグリコール、たとえばポリ(エチレング
リコール)がある。このようなポリエステルはすべて、
たとえば米国特許第2,465,319号および第3,
047,539号の教示に従って製造することができ
る。
【0045】環式脂肪族ジオールと芳香族ジカルボン酸
から誘導されるポリエステルを調製するには、たとえ
ば、1,4‐シクロヘキサンジメタノールのシス異性体
またはトランス異性体(またはその混合物)を芳香族ジ
カルボン酸と縮合させて、次式の繰返し単位を有するポ
リエステルを生成させる。
【0046】
【化15】 ここで、シクロヘキサン環はそのシス異性体とトランス
異性体の中から選択され、R8 は6〜20個の炭素原子
を含有するアリール基を表わし、芳香族ジカルボン酸か
ら誘導された脱カルボキシル化残基である。脱カルボキ
シル化された残基R8 によって表わされる芳香族ジカル
ボン酸の例は、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2‐
ジ(p‐カルボキシフェニル)エタン、4,4′‐ジカ
ルボキシジフェニルエーテルなど、およびこれらの混合
物である。これらの酸はすべて少なくとも1つの芳香核
を含有している。1,4‐または1,5‐ナフタレンジ
カルボン酸のような縮合環を含有する酸も存在すること
ができる。好ましいジカルボン酸はテレフタル酸または
テレフタル酸とイソフタル酸の混合物である。別の好ま
しいポリエステルは、1,4‐シクロヘキサンジメタノ
ールのシス異性体またはトランス異性体(またはこれら
の混合物)と、イソフタル酸とテレフタル酸の混合物と
の反応で誘導され得るものである。このようなポリエス
テルは次式の繰返し単位をもつであろう。
【0047】
【化16】 さらに別の好ましいポリエステルは、シクロヘキサンジ
メタノール、アルキレングリコールおよび芳香族ジカル
ボン酸から誘導されるコポリエステルである。これらの
コポリエステルを製造するには、たとえば1,4‐シク
ロヘキサンジメタノールのシス異性体またはトランス異
性体(またはこれらの混合物)およびアルキレングリコ
ールと芳香族ジカルボン酸とを縮合させて次式の単位を
有するコポリエステルにする。
【0048】
【化17】 ここで、シクロヘキサン環はそのシス異性体とトランス
異性体の中から選択され、R8 はすでに定義した通りで
あり、nは2から4までの整数であり、x単位は約10
〜約90重量%であり、y単位は約90〜約10重量%
である。このような好ましいポリエステルは、1,4‐
シクロヘキサンジメタノールのシス異性体またはトラン
ス異性体(またはこれらの混合物)およびエチレングリ
コールとテレフタル酸を1:2:3のモル比で反応させ
て誘導し得る。これらのコポリエステルは次式の繰返し
単位をもっている。
【0049】
【化18】 ただし、xとyはすでに定義した通りである。本明細書
に記載したポリエステルは市販されているかまたは、た
とえば米国特許第2,901,466号に記載されてい
るような業界で周知の方法で製造することができる。
【0050】本発明で使用するポリエステルは60:4
0のフェノール:テトラクロロエタン混合物または類似
の溶剤中23〜30℃で測定した固有粘度が約0.4〜
約2.0dl/gである。
【0051】
【実施例の記載】この研究に使用したABS(グラフト
コポリマー)樹脂の実施例と参考例は鉱酸(H2 S
O4 )で凝固させた。しかし、鉱酸の代わりに有機酸も
使用できる。 表 1 PC/ABS/SAN 実施例No. A B C D 1 2 3 成 分 PC 66.0 66.0 64.0 64.0 64.0 64.0 64.0 SAN 17.0 17.0 17.0 17.0 18.0 18.0 18.0 ABS1 17.0 17.0 ABS2 19.0 ABS3 19.0 ABS4 18.0 ABS5 18.0 ABS6 18.0 添加剤 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 ジューシング 20.6a 16.8a 13.3a 11.4a 6.4b 6.3b 6.2c mg/ 150 (19.9)x ショット a=ジューシング生成物は、直鎖脂肪酸、PCおよびS
ANオリゴマーの混合物であった。 b=ジューシング生成物は、PCおよびSANオリゴマ
ーの混合物であった。直鎖脂肪酸もダイマーも検出され
なかった。 c=ジューシング生成物は、チオエステル、PCおよび
SANオリゴマーの混合物であった。直鎖脂肪酸もダイ
マーも検出されなかった。 x=この試験法はジューシングに関して再現性が高い。 ABS1は、52%のポリブタジエン基材と2.4pp
hrの直鎖モノ脂肪酸を含有するABSである。ABS
2は、50%のポリブタジエン基材と1.54pphr
の直鎖モノ脂肪酸を含有するABSである。ABS3
は、1.54pphrの直鎖モノ脂肪酸をもつABS−
2に類似の高分子量グラフト化SANを含有するABS
である。ABS4は、1.54pphrのポリ酸を含む
ABS−2タイプのものである。ABS5は、1.54
pphrのポリ酸を含むABS−2タイプのものであ
る。ABS6は、1.54pphrのポリ酸を含むAB
S−2タイプのものである。ABS4、5、6はそのそ
れぞれの酸化防止剤が異なっている。AOE(酸化防止
剤エマルション)#1、2、3はいろいろなMWの異な
るチオエステル系二次酸化防止剤と種々のタイプのヒン
ダードフェノールとを組み合わせて含有している。実施
例No.Bは、揮発性成分を除くための手段としてベン
トに高真空を適用して二回押出し混合した以外は、実施
例No.Aと同じコンパウンドである。PCはゼネラル
・エレクトリック社(General Electric Company)からレ
キサン(LEXAN) (登録商標)105樹脂として販売され
ているビスフェノールAポリカーボネートである。 表 2 PC/ABS/SAN 実施例No. E 4 5 6 7 PC 65 65 65 65 65 SAN 16.0 16.0 16.0 16.0 20.0 ABS2 19.0 −− −− −− −− ABS7 −− 19.0 −− −− −− ABS8 −− −− 19.0 −− −− ABS9 −− −− −− 19.0 −− ABS10 −− −− −− −− 15.0 添加剤 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 ジューシング 13.5a 5.2b 5.9d 6.3d 7.8b mg/150 ショット a=ジューシング生成物は、直鎖脂肪酸、PCおよびS
ANオリゴマーの混合物であった。 b=ジューシング生成物は、PCおよびSANオリゴマ
ーの混合物であった。直鎖脂肪酸もダイマーも検出され
なかった。 d=ジューシング生成物は、直鎖脂肪酸、PCおよびS
ANオリゴマーの混合物であった。ダイマーは検出され
なかった。 PCはゼネラル・エレクトリック社(General Electric
Company)からレキサン(LEXAN) (登録商標)101とし
て販売されているビスフェノールAポリカーボネートで
ある。ABS2は、50%のポリブタジエン基材と1.
54pphrの直鎖モノ脂肪酸を含有するABSであ
る。AOE(酸化防止剤エマルション)は直鎖モノ脂肪
酸界面活性剤を含有している。ABS7は、50重量%
のポリブタジエン基材と1.54pphrのポリ酸を含
有するABSである。AOEはダイマー酸界面活性剤を
含有している。ABS8は、50重量%のポリブタジエ
ン基材と1.54pphrのポリ酸を含有するABSで
ある。AOEは直鎖脂肪酸界面活性剤を含有している。
各ABSは50重量%のブタジエンゴムを有していた。
ABS9は、50%のポリブタジエン基材と0.97p
phrのポリ酸を含有するABSである。AOEは直鎖
脂肪酸界面活性剤を含有している。ABS10は65%
のポリブタジエン基材と2.42pphrのポリ酸を有
していた。AOEはダイマー酸界面活性剤を含有してい
る。 表 III PC/PBT/ABS 実施例No. 8 9 F PC 23.0 23.0 23.0 PBT−1 29.0 29.0 29.6 PBT−2 29.0 29.0 29.6 ABS11 17 −− −− ABS12 −− 17 −− ABS13 −− −− 15.8 滑剤 0.5 0.5 0.5 安定剤 0.99 0.99 0.99 ジューシング 3.0 2.4 7.4 mg/ 150ショット 外観 透明 透明 曇り ジューシング外観 無色 無色 ワックス状 ABS11は2.42pphrポリ酸を有するABSタ
イプである(65%のポリブタジエン基材含有)。AB
S12は2.42pphrポリ酸を有するABSタイプ
である(65%のポリブタジエン基材含有)。ABS1
3は2.57pphr直鎖モノ脂肪酸を有するABSタ
イプである(70%のポリブタジエン基材含有)。PC
はゼネラル・エレクトリック社(General Electric Comp
any)からレキサン(LEXAN) (登録商標)105樹脂とし
て販売されているビスフェノールポリカーボネートであ
る。PBT−1は、ゼネラル・エレクトリック社(Gener
al Electric Company)からバロックス(VALOX) (登録商
標)315として販売されている高分子量のポリブチレ
ンテレフタレートである。PBT−2は、ゼネラル・エ
レクトリック社(General Electric Company)からバロッ
クス(VALOX) (登録商標)307として販売されている
低分子量のものである。
【0052】実施例A〜Fは比較のための実施例であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シリパシー・ビラサガー アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州、パーカーズバーグ、ウエッジウッド・ ドライブ、109番 (72)発明者 ウォーリン・ジョセフ・ピースコー アメリカ合衆国、ウエスト・バージニア 州、ビエナ、グリーンマウント・プレイ ス、5607番 (72)発明者 ウィヘルムス・ヨハネス・ディー・スティ ーンダム オランダ、イーイー・バーゲン・オーピ ー・ズーム・4613、ツルペン・ベルド、13 番 (72)発明者 ウィヘルムス・マリナス・エム・ルーバー ズ オランダ、ダブリュージー・スティーンバ ーゲン・4651、ロウルスチャンス、11番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)C30〜C108 ポリ酸の存在下で、
    モノビニル芳香族モノマー、不飽和ニトリルモノマー、
    アルキル(アルキル)アクリレートモノマー、およびこ
    れらの混合物より成る群の中から選択されるエチレン性
    不飽和化合物がグラフトしたTgが0℃より低いゴム基
    材を乳化重合して、前記ポリ酸を含有するグラフトコポ
    リマー組成物を形成し、 (b)前記グラフトコポリマー組成物を含む熱可塑性組
    成物を射出成形して熱可塑性物品を形成することからな
    る、熱可塑性物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性組成物が芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂を含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性組成物がポリアルキレンテ
    レフタレート樹脂を含む、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリ酸を、脂肪族ポリ酸および環式
    芳香族ポリ酸より成る群の中から選択する、請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 耐衝撃性が改良された低ジューシング性
    の熱可塑性組成物であって、 (a)組成物の全重量を基準にして50〜97重量%の
    レベルで存在する芳香族ポリカーボネート樹脂、 (b)組成物の全重量を基準にして0〜35重量%のレ
    ベルで存在するビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマ
    ー、ならびに (c)組成物の全重量を基準にして3〜50重量%のレ
    ベルで存在するグラフトコポリマーであり、(i)グラ
    フトコポリマーの全重量を基準にして40〜90重量%
    のレベルで存在する、Tgが0℃より低いゴム基材、
    (ii)前記基材にグラフトしており、ビニル芳香族、不
    飽和ニトリル、アルキル(アルキル)アクリレートおよ
    びこれらの混合物より成る群の中から選択される化合物
    から誘導された、Tgが20℃より高い上層枝部、およ
    び(iii )C30〜C108 のポリ酸より成る群の中から選
    択されるポリ酸を含んでなるグラフトコポリマーを含む
    熱可塑性組成物。
  6. 【請求項6】 前記ゴム基材がジエンゴムであって、グ
    ラフトコポリマーの全重量を基準にして50〜85重量
    %のレベルで存在しており、前記ポリ酸が脂肪族および
    環式芳香族のC30〜C108 ポリ酸より成る群の中から選
    択される、請求項5記載の熱可塑性組成物。
  7. 【請求項7】 耐衝撃性が改良された低ジューシング性
    の熱可塑性組成物であって、 (a)芳香族ポリカーボネート樹脂、 (b)ポリアルキレンテレフタレート樹脂(ただし、前
    記芳香族ポリカーボネート樹脂と前記ポリアルキレンテ
    レフタレート樹脂は合計で、前記熱可塑性組成物の全重
    量を基準にして55〜90重量%のレベルで存在してい
    る)、ならびに (c)グラフトコポリマー組成物であり、(i)グラフ
    トコポリマー組成物の全重量を基準にして20〜85重
    量%のレベルで存在する、Tgが0℃より低いゴム基
    材、(ii)前記基材にグラフトしており、ビニル芳香
    族、不飽和ニトリル、アルキル(アルキル)アクリレー
    トおよびこれらの混合物より成る群の中から選択される
    Tgが20℃より高い化合物から誘導された上層枝部、
    および(iii )C30〜C108 のポリ酸より成る群の中か
    ら選択されるポリ酸を含んでなるグラフトコポリマー組
    成物を含む組成物。
  8. 【請求項8】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂がビス
    フェノールAポリカーボネート樹脂であり、前記ポリア
    ルキレンテレフタレート樹脂がポリブチレンテレフタレ
    ート樹脂である、請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 耐衝撃性が改良された低ジューシング性
    の熱可塑性組成物であって、 (a)組成物の全重量を基準にして30〜97重量%の
    レベルで存在するポリアルキレンテレフタレート樹脂、 (b)組成物の全重量を基準にして0〜50重量%のレ
    ベルで存在するビニル芳香族‐不飽和ニトリルコポリマ
    ー、ならびに (c)熱可塑性組成物の全重量を基準にして3〜50重
    量%のレベルで存在するグラフトコポリマー組成物であ
    り、(i)グラフトコポリマー組成物の全重量を基準に
    して40〜90重量%のレベルで存在するゴム基材、
    (ii)前記基材にグラフトしており、ビニル芳香族、不
    飽和ニトリル、アルキル(アルキル)アクリレートおよ
    びこれらの混合物より成る群の中から選択される化合物
    から誘導された上層枝部、および(iii )C30〜C108
    のポリ酸より成る群の中から選択されるポリ酸を含んで
    なるグラフトコポリマー組成物を含む組成物。
  10. 【請求項10】 前記ポリ酸が環式芳香族または脂肪族
    のポリ酸である、請求項9記載の組成物。
JP7305386A 1994-12-02 1995-11-24 ポリ酸を利用した製法、熱可塑性組成物およびエマルショングラフトコポリマー Withdrawn JPH08253652A (ja)

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