JPH08260038A - 耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法 - Google Patents
耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法Info
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- JPH08260038A JPH08260038A JP6460195A JP6460195A JPH08260038A JP H08260038 A JPH08260038 A JP H08260038A JP 6460195 A JP6460195 A JP 6460195A JP 6460195 A JP6460195 A JP 6460195A JP H08260038 A JPH08260038 A JP H08260038A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 マルテンサイト系ステンレス鋼を低強度に調
質する熱処理条件を与える。 【構成】 C:0.005〜0.05%、Ni:1.5
〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%ある
いはさらにCu:0.2〜4%を含み残部は実質的にF
eおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステ
ンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1
点以上Ac3 点以下の2相温度域においてオーステナイ
ト相分率が面積率で3〜60%となる温度まで加熱して
室温まで自然放冷し、さらに必要に応じて、2相域加熱
処理前にAc3 +30℃〜Ac3 +200℃以下の温度
まで加熱し室温まで冷却することと、2相域加熱処理後
にAc1 〜Ac1 −150℃で焼戻し処理する。 【効果】 本発明法により強度を低く調整されたマルテ
ンサイト系ステンレス鋼は、良好な靭性、耐硫化物応力
割れ性を有する。
質する熱処理条件を与える。 【構成】 C:0.005〜0.05%、Ni:1.5
〜6%、Cr:11〜16%、Mo:0.5〜3%ある
いはさらにCu:0.2〜4%を含み残部は実質的にF
eおよび不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステ
ンレス鋼を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1
点以上Ac3 点以下の2相温度域においてオーステナイ
ト相分率が面積率で3〜60%となる温度まで加熱して
室温まで自然放冷し、さらに必要に応じて、2相域加熱
処理前にAc3 +30℃〜Ac3 +200℃以下の温度
まで加熱し室温まで冷却することと、2相域加熱処理後
にAc1 〜Ac1 −150℃で焼戻し処理する。 【効果】 本発明法により強度を低く調整されたマルテ
ンサイト系ステンレス鋼は、良好な靭性、耐硫化物応力
割れ性を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に油井管として用い
られる場合にきわめて重要な特性となる耐CO2 腐食特
性と耐硫化物応力割れ(SSC; Sulfide Stress Crackin
g)性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法
に関するものである。
られる場合にきわめて重要な特性となる耐CO2 腐食特
性と耐硫化物応力割れ(SSC; Sulfide Stress Crackin
g)性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CO2 を多量に含むガスを生産す
る油井ならびにガス井の開発や2次回収のためのCO2
インジェクションが広く行われるようになっている。こ
のような環境では鋼管の腐食が激しいため、耐CO2 腐
食特性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管が多く
使用されている。これまでのところ、よく使用されてい
るのはAISI type410,420系の鋼である。
る油井ならびにガス井の開発や2次回収のためのCO2
インジェクションが広く行われるようになっている。こ
のような環境では鋼管の腐食が激しいため、耐CO2 腐
食特性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼管が多く
使用されている。これまでのところ、よく使用されてい
るのはAISI type410,420系の鋼である。
【0003】しかし、近年、油井の深井戸化に伴い、よ
り高温での耐CO2 腐食特性ならびに含H2 S環境下で
割れ抵抗性を有する鋼のニーズが高まっている。このよ
うなユーザーニーズに対し、耐CO2 腐食特性および耐
SSC性を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼とし
て、特公平6−43626号公報にはNi,Mo添加鋼
が、また、特開平2−217444号公報にはCuと選
択元素としてNi,Moを添加した鋼などが提案されて
いる。
り高温での耐CO2 腐食特性ならびに含H2 S環境下で
割れ抵抗性を有する鋼のニーズが高まっている。このよ
うなユーザーニーズに対し、耐CO2 腐食特性および耐
SSC性を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼とし
て、特公平6−43626号公報にはNi,Mo添加鋼
が、また、特開平2−217444号公報にはCuと選
択元素としてNi,Moを添加した鋼などが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな鋼にNiを数%添加するとAc1 点が600℃以下
になるほど非常に低くなるため、焼戻し処理が低い温度
範囲に限定され、調質可能な強度範囲がAPI(米国石
油協会)の規格でP110級(YS(降伏応力)が758 〜86
1MPa))またはそれを超える非常に高い強度に限られると
いう難点を有する。材料強度が高まるほど含H2 S環境
における材料の割れ抵抗性(耐SSC性)は低下するこ
とが、「金属の腐食損傷と防食技術」アグネ社刊(19
83)p197などに記載されている。
うな鋼にNiを数%添加するとAc1 点が600℃以下
になるほど非常に低くなるため、焼戻し処理が低い温度
範囲に限定され、調質可能な強度範囲がAPI(米国石
油協会)の規格でP110級(YS(降伏応力)が758 〜86
1MPa))またはそれを超える非常に高い強度に限られると
いう難点を有する。材料強度が高まるほど含H2 S環境
における材料の割れ抵抗性(耐SSC性)は低下するこ
とが、「金属の腐食損傷と防食技術」アグネ社刊(19
83)p197などに記載されている。
【0005】したがって、これらの鋼において良好な耐
サワー性を得るには、L80級(YS; 551〜655MPa)あ
るいはC95級(YS;655〜758MPa)程度に調質できる製
造条件を見出すことと、添加元素の効果を明らかにする
ことが必要である。
サワー性を得るには、L80級(YS; 551〜655MPa)あ
るいはC95級(YS;655〜758MPa)程度に調質できる製
造条件を見出すことと、添加元素の効果を明らかにする
ことが必要である。
【0006】このような必要性に対し、焼戻し処理の前
に2相域加熱処理を施すと比較的低い強度に調質でき、
これに伴い靭性は改善されることが特開平5−1128
18号公報に開示されている。しかし、耐SSC性にお
よぼす効果については明確にされていない。さらに、そ
の後の詳細な研究の結果、2相域加熱処理を施してもそ
の条件によっては低強度に調質できない場合があるばか
りか、引張試験の応力−歪曲線がきわめて低い弾性限を
示し安定した強度を得ることが困難な場合もあることが
明らかとなっている。
に2相域加熱処理を施すと比較的低い強度に調質でき、
これに伴い靭性は改善されることが特開平5−1128
18号公報に開示されている。しかし、耐SSC性にお
よぼす効果については明確にされていない。さらに、そ
の後の詳細な研究の結果、2相域加熱処理を施してもそ
の条件によっては低強度に調質できない場合があるばか
りか、引張試験の応力−歪曲線がきわめて低い弾性限を
示し安定した強度を得ることが困難な場合もあることが
明らかとなっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは多くの研究
により、まず、耐SSC性はMoの添加と材料強度を低
くすることにより、改善されることを知見した。図1に
1%Mo含有鋼(図中、◆,◇)、Mo無添加鋼(●,
○)を用いた場合のSSC感受性におよぼすH2 S分
圧、pHの影響を示す。◇,○は割れが発生しなかった
もの、◆,●は割れが発生したものを示す。1%のMo
の添加によりSSCが発生する限界pHは5から4まで
低下し、耐サワー性の向上が明らかに認められる。ま
た、このようなマルテンサイト系ステンレス鋼におい
て、耐SSC性をさらに向上させるには、前述のように
材料強度を低下させた方が良い。
により、まず、耐SSC性はMoの添加と材料強度を低
くすることにより、改善されることを知見した。図1に
1%Mo含有鋼(図中、◆,◇)、Mo無添加鋼(●,
○)を用いた場合のSSC感受性におよぼすH2 S分
圧、pHの影響を示す。◇,○は割れが発生しなかった
もの、◆,●は割れが発生したものを示す。1%のMo
の添加によりSSCが発生する限界pHは5から4まで
低下し、耐サワー性の向上が明らかに認められる。ま
た、このようなマルテンサイト系ステンレス鋼におい
て、耐SSC性をさらに向上させるには、前述のように
材料強度を低下させた方が良い。
【0008】そこで、本発明者らは、焼戻し時に析出し
材料強度を析出強化により高める能力の強いMoあるい
はさらにCuを含有したマルテンサイト系ステンレス鋼
における熱処理特性を詳細に調査した。その結果、Ac
1 点以上Ac3 点以下のフェライト・オーステナイト2
相域に加熱すればYSを低下させることが可能であると
いう知見を得た。
材料強度を析出強化により高める能力の強いMoあるい
はさらにCuを含有したマルテンサイト系ステンレス鋼
における熱処理特性を詳細に調査した。その結果、Ac
1 点以上Ac3 点以下のフェライト・オーステナイト2
相域に加熱すればYSを低下させることが可能であると
いう知見を得た。
【0009】2相域温度に加熱すると、焼戻しマルテン
サイト相を主体とする母相中に逆変態オーステナイト相
が混在した組織となる。このとき、母相中においてはC
r,Moなどの炭化物が析出するが、過時効状態となる
ために析出強化による強度の上昇は小さい。また、逆変
態により生成したオーステナイト相中にC,Cu,Ni
などのオーステナイト安定化元素が濃縮し、母相中では
逆にこれらの元素の濃度が低下するために固溶強化能が
低減する。以上の機構により、2相域温度に加熱するこ
とにより、強度を安定して低下させることが可能とな
る。
サイト相を主体とする母相中に逆変態オーステナイト相
が混在した組織となる。このとき、母相中においてはC
r,Moなどの炭化物が析出するが、過時効状態となる
ために析出強化による強度の上昇は小さい。また、逆変
態により生成したオーステナイト相中にC,Cu,Ni
などのオーステナイト安定化元素が濃縮し、母相中では
逆にこれらの元素の濃度が低下するために固溶強化能が
低減する。以上の機構により、2相域温度に加熱するこ
とにより、強度を安定して低下させることが可能とな
る。
【0010】この強度の低下効果はオーステナイト相分
率に依存することを明らかとした。図2に0.03%C
−1.1%Cu−4.7%Ni−12%Cr−1.7%
Mo−0.05%N鋼のYS(0.2%オフセット耐
力)におよぼす熱処理条件ならびに2相域温度における
オーステナイト相分率の関係を示す。本鋼のAc1 変態
点は615℃、Ac3 変態点は820℃である。オース
テナイト相分率が3%未満の場合には、目標とするL8
0(YS;551〜654MPa),C95(YS;654〜758MPa)級の
強度に調質することは困難である。また、オーステナイ
ト相分率が60%を超えると、2相域加熱処理後Ac1
変態点直下で焼戻し処理を施した場合にC95級以下の
強度に調質できないことが明らかである。それ故、最適
な調質条件は2相域温度範囲のうち、オーステナイト相
分率が3〜60%となる温度である。さらに、引張強度
を低く安定させ実質的な強度を低下させるには、2相域
加熱処理の前に焼準処理を施すか、あるいはさらに2相
域加熱処理後に焼戻し処理を施すと良いという知見を得
た。
率に依存することを明らかとした。図2に0.03%C
−1.1%Cu−4.7%Ni−12%Cr−1.7%
Mo−0.05%N鋼のYS(0.2%オフセット耐
力)におよぼす熱処理条件ならびに2相域温度における
オーステナイト相分率の関係を示す。本鋼のAc1 変態
点は615℃、Ac3 変態点は820℃である。オース
テナイト相分率が3%未満の場合には、目標とするL8
0(YS;551〜654MPa),C95(YS;654〜758MPa)級の
強度に調質することは困難である。また、オーステナイ
ト相分率が60%を超えると、2相域加熱処理後Ac1
変態点直下で焼戻し処理を施した場合にC95級以下の
強度に調質できないことが明らかである。それ故、最適
な調質条件は2相域温度範囲のうち、オーステナイト相
分率が3〜60%となる温度である。さらに、引張強度
を低く安定させ実質的な強度を低下させるには、2相域
加熱処理の前に焼準処理を施すか、あるいはさらに2相
域加熱処理後に焼戻し処理を施すと良いという知見を得
た。
【0011】本発明は上記の知見に基づいて構成したも
のであり、その要旨は次の通りである。すなわち重量%
で、C :0.005〜0.05%、 Ni:1.
5〜6%、Cr:11〜16%、 M
o:0.5〜3%あるいはさらにCu:0.2〜4%を
含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からな
るマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで
自然放冷した後、フェライト+オーステナイト2相温度
域においてオーステナイト相分率が面積率で3%以上6
0%以下となる温度まで加熱して室温まで冷却し、さら
に必要に応じて、2相域加熱処理前にAc3 +30℃以
上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷却
することと、また、必要により2相域加熱処理後にAc
1 点以下Ac1 −150℃以上で焼戻し処理することを
特徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ
性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法であ
る。
のであり、その要旨は次の通りである。すなわち重量%
で、C :0.005〜0.05%、 Ni:1.
5〜6%、Cr:11〜16%、 M
o:0.5〜3%あるいはさらにCu:0.2〜4%を
含み、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物からな
るマルテンサイト系ステンレス鋼を熱間加工し室温まで
自然放冷した後、フェライト+オーステナイト2相温度
域においてオーステナイト相分率が面積率で3%以上6
0%以下となる温度まで加熱して室温まで冷却し、さら
に必要に応じて、2相域加熱処理前にAc3 +30℃以
上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷却
することと、また、必要により2相域加熱処理後にAc
1 点以下Ac1 −150℃以上で焼戻し処理することを
特徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ
性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法であ
る。
【0012】以下に本発明の内容をさらに詳しく説明す
る。まず、本発明におけるマルテンサイト系ステンレス
鋼の成分限定理由を以下に述べる。 C:Cは最も強力なオーステナイト安定化元素であり、
熱間加工時にキズや割れをもたらすδ−フェライト相の
生成を抑える作用がある。そのため、添加することが望
ましいが、0.005%以下の添加では上記効果は小さ
いために、それ以上の添加が必要である。一方、熱処理
時にCrと結びついて炭化物を生成し、耐食性に有効な
固溶Cr量の低下を招くばかりか、析出した炭化物はカ
ソード反応サイトとなり腐食反応を促進するために耐食
性の低下をもたらす。特に、C量が0.05%を超える
と耐食性の低下が著しくなることから添加量の上限とし
た。なお、熱間加工時のオーステナイト相安定性および
より安定な高耐食性を両立するには0.01〜0.03
%の範囲に調整することが望ましい。
る。まず、本発明におけるマルテンサイト系ステンレス
鋼の成分限定理由を以下に述べる。 C:Cは最も強力なオーステナイト安定化元素であり、
熱間加工時にキズや割れをもたらすδ−フェライト相の
生成を抑える作用がある。そのため、添加することが望
ましいが、0.005%以下の添加では上記効果は小さ
いために、それ以上の添加が必要である。一方、熱処理
時にCrと結びついて炭化物を生成し、耐食性に有効な
固溶Cr量の低下を招くばかりか、析出した炭化物はカ
ソード反応サイトとなり腐食反応を促進するために耐食
性の低下をもたらす。特に、C量が0.05%を超える
と耐食性の低下が著しくなることから添加量の上限とし
た。なお、熱間加工時のオーステナイト相安定性および
より安定な高耐食性を両立するには0.01〜0.03
%の範囲に調整することが望ましい。
【0013】Cr:Crは一般的な耐食性を向上させる
ために必要な元素である。その効果は添加量が11%未
満の少ない含有量の場合には小さいことから、添加量の
下限を11%とした。また、Crは強力なフェライト安
定化元素であり、16%を超える過剰な添加では熱間加
工時にδ相を生成して熱間加工性の低下をもたらす。し
たがって、添加量の範囲を11〜16%の間とした。望
ましくは12〜15%が最適添加範囲である。
ために必要な元素である。その効果は添加量が11%未
満の少ない含有量の場合には小さいことから、添加量の
下限を11%とした。また、Crは強力なフェライト安
定化元素であり、16%を超える過剰な添加では熱間加
工時にδ相を生成して熱間加工性の低下をもたらす。し
たがって、添加量の範囲を11〜16%の間とした。望
ましくは12〜15%が最適添加範囲である。
【0014】Ni:Niはオーステナイト安定化元素で
あり、熱間加工温度域にてδ相の生成を抑える効果を有
する。また、δ相が存在してもその形態を制御し、熱間
加工性に無害となるような作用を示す。その効果は1.
5%以上の添加によりもたらされるため、添加量の最小
値を1.5%とした。しかしながら、多量に添加すると
コストが上昇することと、マルテンサイトの不安定化が
生じるために、その上限を6%とした。望ましくは3〜
5%の添加が最適である。
あり、熱間加工温度域にてδ相の生成を抑える効果を有
する。また、δ相が存在してもその形態を制御し、熱間
加工性に無害となるような作用を示す。その効果は1.
5%以上の添加によりもたらされるため、添加量の最小
値を1.5%とした。しかしながら、多量に添加すると
コストが上昇することと、マルテンサイトの不安定化が
生じるために、その上限を6%とした。望ましくは3〜
5%の添加が最適である。
【0015】Mo:Moは図1を用いて説明したよう
に、H2 Sを含む環境で耐局部腐食特性を向上させ、微
小割れを抑える作用を有し、耐SSC性を改善させる。
その効果は0.5%未満の添加では不十分であることか
ら、添加量の最小値を0.5%とした。一方、強力なフ
ェライト安定化元素であり、3%を超える添加を行うと
熱間加工温度域でδ相を生成させ、熱間加工性の低下を
もたらす。このような知見から添加量の範囲を0.5〜
3%とした。ただし、より安定した耐SSC性を付与す
るには、1%以上の添加が望ましい。
に、H2 Sを含む環境で耐局部腐食特性を向上させ、微
小割れを抑える作用を有し、耐SSC性を改善させる。
その効果は0.5%未満の添加では不十分であることか
ら、添加量の最小値を0.5%とした。一方、強力なフ
ェライト安定化元素であり、3%を超える添加を行うと
熱間加工温度域でδ相を生成させ、熱間加工性の低下を
もたらす。このような知見から添加量の範囲を0.5〜
3%とした。ただし、より安定した耐SSC性を付与す
るには、1%以上の添加が望ましい。
【0016】Cu:CuはCO2 を含む環境での耐食性
を向上させる作用がある。特に、Niとの複合添加によ
り耐食限界温度を200℃程度まで高めることが可能と
なることから、含CO2 環境での耐食性が必要な場合に
は添加することが望ましい。ただし0.2%未満の添加
ではその効果が不十分である。また、過剰に添加すると
熱間加工温度域でオーステナイト粒界に偏析し、粒界強
度を低下させて熱間加工性の劣化をもたらす。特に、こ
の熱間加工性の低下はCu量が4%を超えると著しくな
る。したがって、Cuの添加範囲は0.2〜4%とし
た。望ましくは0.5%以上の添加が最適である。
を向上させる作用がある。特に、Niとの複合添加によ
り耐食限界温度を200℃程度まで高めることが可能と
なることから、含CO2 環境での耐食性が必要な場合に
は添加することが望ましい。ただし0.2%未満の添加
ではその効果が不十分である。また、過剰に添加すると
熱間加工温度域でオーステナイト粒界に偏析し、粒界強
度を低下させて熱間加工性の劣化をもたらす。特に、こ
の熱間加工性の低下はCu量が4%を超えると著しくな
る。したがって、Cuの添加範囲は0.2〜4%とし
た。望ましくは0.5%以上の添加が最適である。
【0017】このような化学成分を有する鋼は熱間加工
し室温まで放冷することにより、大部分がマルテンサイ
トより構成される組織を示す。これをAc1 点以上Ac
3 点以下の2相域温度に加熱すると、過飽和のC原子が
Fe,Cr,Moなどと結合して炭化物の形で析出し
た、いわゆる焼戻しマルテンサイト組織と、旧オーステ
ナイト粒界あるいはC,Niなどのオーステナイト安定
化元素が濃化した領域において、C,Niなどのオース
テナイト安定化元素が凝集して生成した逆変態オーステ
ナイトを大部分とする2相共存組織を呈する。このと
き、焼戻しマルテンサイト組織内では析出した炭化物の
凝集、粗大化が生じCが再溶解して、逆変態オーステナ
イト相を新たに生成するか、あるいは近くにあるオース
テナイト相へのCの固相拡散が繰り返し起こる。
し室温まで放冷することにより、大部分がマルテンサイ
トより構成される組織を示す。これをAc1 点以上Ac
3 点以下の2相域温度に加熱すると、過飽和のC原子が
Fe,Cr,Moなどと結合して炭化物の形で析出し
た、いわゆる焼戻しマルテンサイト組織と、旧オーステ
ナイト粒界あるいはC,Niなどのオーステナイト安定
化元素が濃化した領域において、C,Niなどのオース
テナイト安定化元素が凝集して生成した逆変態オーステ
ナイトを大部分とする2相共存組織を呈する。このと
き、焼戻しマルテンサイト組織内では析出した炭化物の
凝集、粗大化が生じCが再溶解して、逆変態オーステナ
イト相を新たに生成するか、あるいは近くにあるオース
テナイト相へのCの固相拡散が繰り返し起こる。
【0018】こうして、母相である焼戻しマルテンサイ
ト中のC,Ni濃度が低下し、析出強化ならびに固溶体
強化の効果が低下するために全体の強度は低下する。こ
のとき、図2で示したように、オーステナイト相分率が
3%以上60%以下の場合にYSはL80,C95級に
安定することが明らかである。一方、オーステナイト相
分率が3%以下の場合には強度がL80級以下に極端に
低下する。これは、2相域加熱後の空冷によりオーステ
ナイト相が安定化し、マルテンサイト変態せずに一部残
留オーステナイトを含むことに起因すると思われる。ま
た、オーステナイト分率が60%を超える温度に加熱す
ると、オーステナイト相が過剰に存在し、C,Niなど
の濃度差がつきにくくなるためにC,Niなどは十分に
拡散できない。これに伴い、マトリクスの強度低下がほ
とんど起こらず、通常の焼入れ(または、焼準)・焼戻
し処理に比べて、強度が変わらないと考えられる。した
がって、このオーステナイト+フェライト2相域加熱処
理温度はオーステナイト相分率で3%から60%の間に
する必要がある。特に、強度低下効果が大きいのはオー
ステナイト相分率で3%から40%の間であるため、こ
れをもたらす温度範囲に加熱することが望ましい。
ト中のC,Ni濃度が低下し、析出強化ならびに固溶体
強化の効果が低下するために全体の強度は低下する。こ
のとき、図2で示したように、オーステナイト相分率が
3%以上60%以下の場合にYSはL80,C95級に
安定することが明らかである。一方、オーステナイト相
分率が3%以下の場合には強度がL80級以下に極端に
低下する。これは、2相域加熱後の空冷によりオーステ
ナイト相が安定化し、マルテンサイト変態せずに一部残
留オーステナイトを含むことに起因すると思われる。ま
た、オーステナイト分率が60%を超える温度に加熱す
ると、オーステナイト相が過剰に存在し、C,Niなど
の濃度差がつきにくくなるためにC,Niなどは十分に
拡散できない。これに伴い、マトリクスの強度低下がほ
とんど起こらず、通常の焼入れ(または、焼準)・焼戻
し処理に比べて、強度が変わらないと考えられる。した
がって、このオーステナイト+フェライト2相域加熱処
理温度はオーステナイト相分率で3%から60%の間に
する必要がある。特に、強度低下効果が大きいのはオー
ステナイト相分率で3%から40%の間であるため、こ
れをもたらす温度範囲に加熱することが望ましい。
【0019】また、さらに優れた耐サワー性および靭性
は、2相域加熱処理前に焼準処理を、あるいはさらに、
2相域加熱処理後に焼戻し処理を施すことにより、安定
的に付与することが可能となることも明らかにした。
は、2相域加熱処理前に焼準処理を、あるいはさらに、
2相域加熱処理後に焼戻し処理を施すことにより、安定
的に付与することが可能となることも明らかにした。
【0020】まず、焼準処理は2相域加熱処理時のオー
ステナイト粒径を同等のサイズ・形状に調整し、それに
より2相域加熱時の逆変態オーステナイトのサイズ・形
状をほぼ等しく揃える効果に基づき、強度低下効果を安
定的にもたらすことを目的に、必要に応じて行う。しか
し、このときの加熱温度がAc3 +30℃以下の場合に
はオーステナイト相中でCr,Mo炭化物あるいは炭窒
化物などの析出が生じ、その後に2相域加熱処理を施し
ても十分に再溶解せずに析出強化作用をもたらすため
に、十分に強度が低下しない。また、加熱温度がAc3
+200℃以上の場合には、炭化物が完全に固溶するこ
とに伴い、オーステナイト粒が急激に成長し、いわゆる
結晶粒の粗大化が生じる。このように初期オーステナイ
ト粒径が粗大な場合には、2相域加熱時の逆変態オース
テナイトは不均一に生成するために、安定した強度低下
が得られないばかりか、靭性が低下する。このようなこ
とから、焼準処理の加熱温度はAc3 +30℃〜Ac3
+200℃の範囲が好ましい。特に、2相域加熱処理に
よる効果を安定なものとするには、Ac3 +50℃〜A
c3 +150℃の範囲に加熱することが望ましい。この
ような温度にてオーステナイト化処理した後は、空冷以
上の速度にて室温まで冷却し、引き続いて2相域加熱処
理を施せば良い。
ステナイト粒径を同等のサイズ・形状に調整し、それに
より2相域加熱時の逆変態オーステナイトのサイズ・形
状をほぼ等しく揃える効果に基づき、強度低下効果を安
定的にもたらすことを目的に、必要に応じて行う。しか
し、このときの加熱温度がAc3 +30℃以下の場合に
はオーステナイト相中でCr,Mo炭化物あるいは炭窒
化物などの析出が生じ、その後に2相域加熱処理を施し
ても十分に再溶解せずに析出強化作用をもたらすため
に、十分に強度が低下しない。また、加熱温度がAc3
+200℃以上の場合には、炭化物が完全に固溶するこ
とに伴い、オーステナイト粒が急激に成長し、いわゆる
結晶粒の粗大化が生じる。このように初期オーステナイ
ト粒径が粗大な場合には、2相域加熱時の逆変態オース
テナイトは不均一に生成するために、安定した強度低下
が得られないばかりか、靭性が低下する。このようなこ
とから、焼準処理の加熱温度はAc3 +30℃〜Ac3
+200℃の範囲が好ましい。特に、2相域加熱処理に
よる効果を安定なものとするには、Ac3 +50℃〜A
c3 +150℃の範囲に加熱することが望ましい。この
ような温度にてオーステナイト化処理した後は、空冷以
上の速度にて室温まで冷却し、引き続いて2相域加熱処
理を施せば良い。
【0021】また、2相域加熱処理の後に必要に応じて
焼戻し処理を施す。この処理は2相域加熱後にマルテン
サイト組織中に残存する固溶Cなどの析出ならびに転位
の回復を起こさせ、強度の安定化・靭性の向上をもたら
すものであり、これにより、降伏強度はやや上昇する
が、引張強度は低下し、さらにより安定な強度・靭性を
得ることが可能となる。ただし、加熱温度がAc1 点−
150℃以下であると、Cr炭化物などが微細に析出し
て析出強化作用をもたらすことから、強度が不必要に上
昇してしまうため、加熱温度の下限とした。また、Ac
1 点を超える加熱処理は2相域加熱処理の繰り返しであ
り意味をなさないことから、焼戻し処理の加熱温度の上
限とした。望ましくは、Ac1 点−100℃からAc1
点の間で加熱した方が強度低下と強度安定化効果は大き
い。
焼戻し処理を施す。この処理は2相域加熱後にマルテン
サイト組織中に残存する固溶Cなどの析出ならびに転位
の回復を起こさせ、強度の安定化・靭性の向上をもたら
すものであり、これにより、降伏強度はやや上昇する
が、引張強度は低下し、さらにより安定な強度・靭性を
得ることが可能となる。ただし、加熱温度がAc1 点−
150℃以下であると、Cr炭化物などが微細に析出し
て析出強化作用をもたらすことから、強度が不必要に上
昇してしまうため、加熱温度の下限とした。また、Ac
1 点を超える加熱処理は2相域加熱処理の繰り返しであ
り意味をなさないことから、焼戻し処理の加熱温度の上
限とした。望ましくは、Ac1 点−100℃からAc1
点の間で加熱した方が強度低下と強度安定化効果は大き
い。
【0022】以上のように、Ac1 点が低く焼戻し温度
を高く設定することのできないマルテンサイト系ステン
レス鋼においても、熱間加工後に2相域加熱処理を採用
し、あるいはさらに必要に応じて、熱間加工後2相域加
熱処理前に焼準処理と2相域加熱処理後に焼戻し処理の
いずれか一方もしくは両方を施すことにより、L80級
もしくはC95級への調質を可能とし耐サワー性ならび
に靭性を向上させることが可能となる。
を高く設定することのできないマルテンサイト系ステン
レス鋼においても、熱間加工後に2相域加熱処理を採用
し、あるいはさらに必要に応じて、熱間加工後2相域加
熱処理前に焼準処理と2相域加熱処理後に焼戻し処理の
いずれか一方もしくは両方を施すことにより、L80級
もしくはC95級への調質を可能とし耐サワー性ならび
に靭性を向上させることが可能となる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の内容をさらに
詳細に説明する。表1に示す成分の鋼を用い、強度・靭
性、耐CO2 腐食特性、耐SSC特性を調べた。各鋼に
ついて測定した変態点(Ac1 ,Ac3 ,Ms ,Mf )
を表1に併記した。
詳細に説明する。表1に示す成分の鋼を用い、強度・靭
性、耐CO2 腐食特性、耐SSC特性を調べた。各鋼に
ついて測定した変態点(Ac1 ,Ac3 ,Ms ,Mf )
を表1に併記した。
【0024】各鋼に施した熱処理条件および特性の結果
を表2に示す。YSは0.2%オフセット耐力である。
靭性は2mmVノッチ入り試験片を用い−40℃でシャル
ピー衝撃試験を行ったときの衝撃吸収エネルギーの値
(vE-40 ;J)で評価した。耐CO2 腐食特性は16
0℃の人工海水中に4MPa のCO2 を飽和させた環境で
の腐食速度(C.R.;mm/y)で示した。腐食速度が
0.1mm/y以下であればこの環境で耐食性を有するとい
える。また、耐SSC特性は、10%H2 S+N2の混
合ガスをpH;3.5の5%NaCl溶液中で飽和させ
た環境下で、定荷重引張試験を行ったときのRs値(=
σth/YS)により評価した。σthは720時間で破断
を生じないしきい応力値である。Rsが0.8以上であ
れば耐SSC性を有すると評価できる。
を表2に示す。YSは0.2%オフセット耐力である。
靭性は2mmVノッチ入り試験片を用い−40℃でシャル
ピー衝撃試験を行ったときの衝撃吸収エネルギーの値
(vE-40 ;J)で評価した。耐CO2 腐食特性は16
0℃の人工海水中に4MPa のCO2 を飽和させた環境で
の腐食速度(C.R.;mm/y)で示した。腐食速度が
0.1mm/y以下であればこの環境で耐食性を有するとい
える。また、耐SSC特性は、10%H2 S+N2の混
合ガスをpH;3.5の5%NaCl溶液中で飽和させ
た環境下で、定荷重引張試験を行ったときのRs値(=
σth/YS)により評価した。σthは720時間で破断
を生じないしきい応力値である。Rsが0.8以上であ
れば耐SSC性を有すると評価できる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明鋼はすべて油井管のグレードでL8
0級(YS;551MPa〜655MPa)あるいはC95級(YS;65
5MPa〜758MPa)を有すると同時に靭性、耐CO2 腐食特
性ならびに耐SSC性に優れていることがわかる。一
方、比較鋼はいずれも強度がL80級、C95級からは
ずれているか、上記特性のうちいずれかが発明鋼に比べ
て劣っていることが明らかである。
0級(YS;551MPa〜655MPa)あるいはC95級(YS;65
5MPa〜758MPa)を有すると同時に靭性、耐CO2 腐食特
性ならびに耐SSC性に優れていることがわかる。一
方、比較鋼はいずれも強度がL80級、C95級からは
ずれているか、上記特性のうちいずれかが発明鋼に比べ
て劣っていることが明らかである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明法により、強
度を低く調整されたマルテンサイト系ステンレス鋼は、
良好な靭性、ならびに優れた耐CO2 腐食特性、耐硫化
物応力割れ性を有する。
度を低く調整されたマルテンサイト系ステンレス鋼は、
良好な靭性、ならびに優れた耐CO2 腐食特性、耐硫化
物応力割れ性を有する。
【図1】含硫化流下水素環境下での割れ感受性におよぼ
すMo量の影響を示す図。
すMo量の影響を示す図。
【図2】強度(YS=0.2%オフセット耐力)におよ
ぼす熱処理条件および2相域加熱時のオーステナイト相
分率を示す図。
ぼす熱処理条件および2相域加熱時のオーステナイト相
分率を示す図。
Claims (8)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1 点以上A
c3 点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域に
おいてオーステナイト相分率が面積率で3%以上60%
以下となる温度まで加熱して室温まで冷却することを特
徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性
に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項2】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1 点以上A
c3 点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域に
おいてオーステナイト相分率が面積率で3%以上60%
以下となる温度まで加熱して室温まで冷却し、Ac1 点
以下Ac1 −150℃以上の温度で焼戻し処理すること
を特徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割
れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項3】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3 +30℃
以上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷
却し、続いてAc1 点以上Ac3 点以下のフェライト+
オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分
率が面積率で3%以上60%以下となる温度まで加熱し
て室温まで冷却することを特徴とする耐CO2 腐食特性
ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系
ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項4】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3 +30℃
以上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷
却し、続いてAc1 点以上Ac3 点以下のフェライト+
オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分
率が面積率で3%以上60%以下となる温度まで加熱し
て室温まで冷却し、Ac1 点以下Ac1 −150℃以上
の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2 腐食
特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項5】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Cu:0.2〜4%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1 点以上A
c3 点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域に
おいてオーステナイト相分率が面積率で3%以上60%
以下となる温度まで加熱して室温まで冷却することを特
徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性
に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項6】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Cu:0.2〜4%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac1 点以上A
c3 点以下のフェライト+オーステナイト2相温度域に
おいてオーステナイト相分率が面積率で3%以上60%
以下となる温度まで加熱して室温まで冷却し、Ac1 点
以下Ac1 −150℃以上の温度で焼戻し処理すること
を特徴とする耐CO2 腐食特性ならびに耐硫化物応力割
れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項7】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Cu:0.2〜4%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3 +30℃
以上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷
却し、続いてAc1 点以上Ac3 点以下のフェライト+
オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分
率が面積率で3%以上60%以下となる温度まで加熱し
て室温まで冷却することを特徴とする耐CO2 腐食特性
ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系
ステンレス鋼の製造法。 - 【請求項8】 重量%で、 C :0.005〜0.05%、 Cu:0.2〜4%、 Ni:1.5〜6%、 Cr:11〜16%、 Mo:0.5〜3%を含み、残部は実質的にFeおよび
不可避的不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼
を熱間加工し室温まで自然放冷した後、Ac3 +30℃
以上Ac3 +200℃以下の温度まで加熱し室温まで冷
却し、続いてAc1 点以上Ac3 点以下のフェライト+
オーステナイト2相温度域においてオーステナイト相分
率が面積率で3%以上60%以下となる温度まで加熱し
て室温まで冷却し、Ac1 点以下Ac1 −150℃以上
の温度で焼戻し処理することを特徴とする耐CO2 腐食
特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6460195A JPH08260038A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6460195A JPH08260038A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08260038A true JPH08260038A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13262952
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6460195A Pending JPH08260038A (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 耐co2腐食特性ならびに耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08260038A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7662244B2 (en) | 2001-10-19 | 2010-02-16 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel and method for manufacturing same |
| CN119020704A (zh) * | 2024-08-20 | 2024-11-26 | 广东省科学院新材料研究所 | 一种高强度高耐蚀超级马氏体不锈钢、制备方法与应用 |
-
1995
- 1995-03-23 JP JP6460195A patent/JPH08260038A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7662244B2 (en) | 2001-10-19 | 2010-02-16 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensitic stainless steel and method for manufacturing same |
| CN119020704A (zh) * | 2024-08-20 | 2024-11-26 | 广东省科学院新材料研究所 | 一种高强度高耐蚀超级马氏体不锈钢、制备方法与应用 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20031224 |