JPH08260064A - 連続的加熱溶解方法 - Google Patents

連続的加熱溶解方法

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JPH08260064A
JPH08260064A JP8096424A JP9642496A JPH08260064A JP H08260064 A JPH08260064 A JP H08260064A JP 8096424 A JP8096424 A JP 8096424A JP 9642496 A JP9642496 A JP 9642496A JP H08260064 A JPH08260064 A JP H08260064A
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furnace
heating
melting
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榮夫 橋田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】銑ダライのような細かい材料も使用でき、酸
素、窒素等の含有ガス量の少ない高品質の溶湯を連続的
に、しかも安定に温度調製されて得られる改良された電
磁誘導加熱による溶解方法を提供する。 【解決手段】炉底部13に出湯口5が設けられ、上部に
被溶解材投入口11が設けられた炉12内に炭素材1を
積層し、この炭素材1を炉12の外壁の周りに備えた電
磁コイル3に高周波電流を供給して電磁誘導加熱し、こ
の加熱されている炭素材1上に被溶解材投入口11を介
して連続的に被溶解材2を供給し、被溶解材2を電磁誘
導加熱によって溶解して、出湯口5から連続的に流出さ
せる被溶解材の連続的加熱溶解方法である。出湯口5か
ら流出する溶湯の温度は、電磁誘導加熱によって発熱す
る炭素材1の熱量と、被溶解材の熱量との比率を制御す
ることにより、調節される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属や鉱石等の被溶解
材を連続的に加熱溶解して所望温度の溶湯を連続的に得
ることのできる加熱溶解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳鉄の溶解装置としては、キュポラ及
び、るつぼ型誘導炉がよく知られており広く利用されて
いる。キュポラは精錬された良質の金属溶湯(以下、溶
湯と略称)が連続的に得られる連続溶解炉であり、誘導
炉は細かい材料も使用できる成分調節が容易な間欠溶解
炉である。これらは、それぞれ一長一短があり、現在で
はこれら両者を併用した二重溶解法も広く用いられてい
る。
【0003】なお、この種の技術に関連するものとして
は、例えば、特公昭52−48564号公報が挙げられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】キュポラはコークスを
高温燃焼させるために、炉内に大量の空気を吹き込む必
要があり、したがって炉内のガス流速が大きく、例え
ば、銑ダライのような細かい材料は酸化されたり溶融す
る前にガスの流れによって溶解装置外に排出されるため
溶解困難である。また、材料を加熱溶融する熱源はコー
クスの燃焼によるため高温にするには不完全燃焼が伴
い、特に1,500℃以上の出湯温度を得るためには効
率が下がり温度制御も困難である。
【0005】一方、誘導炉は単なる材料の誘導加熱のみ
で溶解を行うため精錬効果は望めない。また、基本的に
間欠溶解法であり連続的な鋳造装置に溶湯を供給するに
は不便であるという問題点がある。
【0006】また、従来の技術に挙げた特公昭52−4
8564号公報では、キュポラの上部に誘導コイルを設
置して材料を加熱しようとしているが、コークス層の加
熱は何ら考慮されておらず、従って大量の空気を吹き込
む為の不利、高温を効率良く得るための方策については
改善されていない。
【0007】つまり、誘導炉と燃焼炉を併用した上記従
来の溶解法は、低温部加熱に電磁誘導加熱を、そして高
温部加熱にコークスによる燃焼加熱を行う連続溶解技術
に関する提案であるが、以下に述べるような問題点があ
り、実用レベルに達していない。
【0008】すなわち、この種の従来技術においては、
溶解材料が投入される炉内上部の低温部加熱において誘
導加熱が用いられているが、流動する被溶解材である金
属材料のみを誘導加熱するいわば予備加熱手段として用
いるものであり、電力での予備加熱は経済的に高価であ
り実用的でない。また、炉内下部に位置する高温部加熱
は、コークスによる燃焼方式であるため、コークスの不
完全燃焼によるCOの生成に伴う効率の低下、大量の排
ガス発生に伴う装置の大型化と公害防止対策の必要性、
細かい被溶解材料がガス流で飛散し溶解困難となる点、
さらには燃焼に伴い、ガス中の酸素による金属の酸化が
起こり、十分な還元が進行せず、酸化物がスラグとなる
といった問題があった。
【0009】したがって、本発明の目的は、上記従来の
問題点を解消することにあり、その目的は銑ダライのよ
うな細かい材料も使用でき、酸素、窒素等の含有ガス量
の少ない高品質の溶湯を連続的に、しかも安定に温度調
製されて得られる改良された電磁誘導加熱による溶解方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の連続的加熱溶解方法は、炉底部に出湯口が設
けられ、上部に被溶解材投入口が設けられている炉の底
部上に炭素材及び導電性のある耐火物の少なくとも一方
の材料を加熱媒体として積層し、炉壁の外周に設けられ
た電磁コイルに電力を供給することにより、この積層し
た加熱媒体を電磁誘導加熱によって加熱し、加熱されて
いるこの加熱媒体上に被溶解材を連続的に投入して被溶
解材を加熱溶解し、この溶湯を出湯口から流出させる被
溶解材の連続的加熱溶解方法であって、前記電磁誘導加
熱においては、電磁コイルに給電する電力を電源側の電
力制御装置により溶解に必要とされる一定値に制御する
と共に、加熱媒体及び被溶解材がそれぞれ発熱する熱量
の比率を予め一定値に定めておき、しかも被溶解材の溶
解に基づいて変動する電流及び電圧からなるパラメータ
のうちの何れか一つが所定の基準値を維持することがで
きるように制御し、この基準値に基づいて炉内に投入す
る被溶解材の投入量を調整し、それによって出湯口から
流出する溶湯の温度を所定温度に調節するように構成す
ることを特徴としている。
【0011】そして好ましくは、上記電力に対応する電
圧を受け、この電圧を基準電圧と比較して大きい場合に
は炉内に被溶解材を投入し、小さい場合には投入を停止
させるよう自動的に投入量を制御し、それによって出湯
口から流出する溶湯の温度を所定温度に調節するように
構成することである。
【0012】さらに具体的には、炉底部に出湯口が設け
られ、上部に被溶解材投入口が設けられている炉の底部
上に炭素材及び導電性のある耐火物の少なくとも一方の
材料を加熱媒体として積層し、炉壁の外周に設けられた
電磁コイルに電力を供給することにより、この積層した
加熱媒体を電磁誘導加熱によって加熱し、加熱されてい
るこの加熱媒体上に被溶解材を連続的に投入して被溶解
材を加熱溶解し、この溶湯を出湯口から連続的に流出さ
せる被溶解材の連続的加熱溶解方法であって、前記電磁
誘導加熱においては、電磁コイルに供給する電力を電源
側の電力制御装置により一定に制御すると共に、加熱媒
体及び被溶解材がそれぞれ発熱する熱量の比率を予め一
定値に定めておき、投入された被溶解材が溶解するに伴
い変動する電磁コイルのインピーダンス変動分を、電磁
コイルに印加する電圧もしくは電流の何れか一方を変化
させることによって補償し、前記電力に対応する電圧を
受け、この電圧を基準電圧と比較して大きい場合には炉
内に被溶解材を投入し、小さい場合には投入を停止させ
るよう投入量を制御し、それによって出湯口から流出す
る溶湯の温度を所定温度に調節するように構成すること
を特徴としている。
【0013】そして、上記電圧を監視して被溶解材投入
口から複数種類の被溶解材をそれぞれ所定量秤量して炉
内に投入するに際しては、前記複数種類の被溶解材のそ
れぞれの秤量データを受領して演算装置により各秤量デ
ータを積算するとともに、それらの積算量の配合比率が
所定の範囲内にあるか否かを判断して、任意の被溶解材
の積算値がこの所定の範囲を越えた場合に、その被溶解
材の取り出し作業を停止させるように被溶解材の取り出
し動作を制御することである。
【0014】そしてさらに好ましくは、上記積層した材
料(加熱媒体)上に被溶解材を投入する前に、この積層
した加熱媒体を予熱することであり、そのためには例え
ば被溶解材を積層した加熱媒体上に投入する前に、上記
出湯口から炉の内部のガスを吸引することにより積層し
た加熱媒体の下部を加熱し、加熱媒体の上部が被溶解材
の溶解温度に達した時に出湯口を閉塞し、加熱媒体の重
量を越えない量の金属材料を投入して溶解し、この金属
材料の投入から所定時間の後に出湯口を開放するととも
に、被溶解材を加熱媒体上に投入することである。
【0015】電磁誘導加熱は、炉の外壁に装架された電
磁コイルに高周波エネルギーを印加することにより行わ
れる。通常使用される高周波エネルギーは、周波数が5
00〜5,000Hzであり、出力が100〜10,0
00kWである。
【0016】代表的な電磁誘導加熱による好ましい発熱
量の配分は、炉底部に積層した加熱媒体の発熱量が20
〜50%であり、その上に投入した被溶解材の発熱量が
残りの80〜50%である。これにより出湯口から1,
400〜1,600℃の溶融鋳鉄を連続的に得ることが
できる。
【0017】加熱媒体として炉底部に積層する材料は、
好ましくはコークスであり、例えば3,000〜10,
000μΩcmの固有抵抗を有するものが使用される。
また、被溶解材料は、例えば通常屑鉄と称されているス
クラップ、プレス屑、さらには銑ダライのような細かい
金属材料が使用される。銑ダライのような細かい材料は
単独でも使用できるが、通常はスクラップやプレス屑に
例えば20〜60%混合したものが使用される。
【0018】
【作用】発熱媒体となる炭素材又は導電性のある耐火物
は、金属に比較して電気抵抗が大きいが、例えば、約
5,000μΩcmの固有抵抗を有するコークスは高周
波誘導加熱にて充分加熱できることから、被溶解材、例
えば金属を溶解するための誘導加熱量の一部を炉底部に
充填されたコークスに与えることにより、空気が全く存
在しない雰囲気で、従って燃焼を利用しないで、このコ
ークスを加熱媒体として金属溶解に必要な温度にまで加
熱することができる。
【0019】この方法は燃焼法と異なり酸素・窒素の殆
ど存在しない高温の雰囲気を作ることができるととも
に、コークスに与える加熱量の比率を変えることにより
温度を制御することができる。
【0020】具体的には炉内の誘導加熱領域内のコーク
スの量と金属の量との比率を一定に保つことにより、こ
のコークスと金属が吸収する電力の比率を一定にして溶
解速度に関係なく一定の温度の雰囲気を得ることができ
る。例えば、コークスに誘導加熱量の20〜50%を与
え、残りの80〜50%を金属に与えることにより、こ
の雰囲気中に溶融した金属を滴下接触させて加熱・精錬
を行うことができ、銑ダライのような酸化され易い材料
を使用しても殆どスラグを発生させることなく一定温度
で溶解することができる。
【0021】なお、炭素材はいずれのものでも使用でき
るが、固定抵抗3,000μΩcm未満のコークスは価
格が高く経済的に見合わないばかりか、黒鉛化が進んで
いるため溶解した金属(例えば鋳鉄)中の炭素が多くな
り過ぎ、また、10,000μΩcm超過のコークスは
加熱するのが困難なため固有抵抗は3,000〜10,
000μΩcmのものを使用するのが好ましい。
【0022】また、本発明は連続溶解装置を使用するた
め材料の予熱が連続的に効率良く行えることも特長であ
る。なお、本発明の電磁誘導加熱においては、予熱によ
る加熱量を含めた全加熱量に対し、加熱媒体となる炭素
材部分への誘導加熱量の割合を20%未満にすると、溶
融後の加熱量が減少するため出湯する溶湯の温度が1,
400℃未満と低くなり過ぎ、逆に50%を越えると溶
融後の加熱量が増加して1,600℃を越え、過熱を引
き起こす。このため、出湯温度を1,400〜1,60
0℃に設定したい場合には、炭素材部分への誘導加熱量
の割合を上述のごとく20〜50%の範囲とするのが実
用上好適な運転条件となる。
【0023】さらに高周波エネルギーの電源出力100
kW未満、周波数5,000Hz超過では装置が小さく
なり過ぎ、また出力10,000kW超過、周波数50
0Hz未満では装置が大きくなり過ぎる傾向にある。し
たがって、鋳鉄溶解の場合には、電源出力100〜1
0,000kW、周波数500〜5,000Hzの範囲
で行なうのが望ましい。
【0024】また、作業開始時には炉が充分加熱されて
いないため出湯温度が低くなる傾向にあるが、この場合
には出湯口を一時的に閉鎖し、予め銑ダライの如き金属
材料を投入し、炉内に溶融金属を溜め、この金属を誘導
加熱することにより、温度を上げることができる。
【0025】なお、誘導加熱において、高周波エネルギ
ー印加手段(電源)と誘導加熱用電磁コイルとの間に高
周波エネルギー制御手段を接続することは、出力変動を
安定化する上で有効である。つまり、炉内に被溶解材を
投入すると、その材質及び投入状態によりコイルのイン
ピーダンスが変動するが、この変動分を、この制御手段
の電圧または電流変動で安定に補償し、出力等を一定に
するものである。
【0026】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例を説明
する。図1は本発明の連続的加熱溶解方法を実施するの
使用する溶解装置の全体構成を、図2は誘導加熱部の断
面構造をそれぞれ模式的に示している。はじめに使用す
る装置の全体構成について説明し、それに続いて実際の
連続的加熱溶解方法の一例を説明する。
【0027】(1)溶解装置の構成 炉12は、炉底部13に開閉自在の出湯口5が設けら
れ、上部に被溶解材投入口11が設けられた、ほぼ円筒
上の耐火材4で構成されている。耐火材4の内径は40
0mm、高さは700mmである。被溶解材投入口11
の上方には、一般のガス、又は液体燃料を使用するバー
ナ14を備えた環状の予熱手段8が備えられている。
【0028】また、この予熱手段8を通して被溶解材投
入口11に被溶解材2を供給するための供給手段6が予
熱手段8の上方に配設されている。この供給手段6につ
いては、後に図3及び図4を参照して詳細に説明する。
炉12の耐火材4の外周には、電磁コイル3が、炉12
の軸線のまわりに巻回された形態で備えられている。こ
の電磁コイル3には高周波エネルギー印加手段、すなわ
ち電源9から電力制御装置110を介して電力が供給さ
れる。
【0029】電源9と材料供給手段6との間には高周波
エネルギーを制御するための制御手段10が介在されて
いる。この制御手段10は、炉内に投入した被溶解材2
の溶解によって生じる電磁コイル3のインピーダンス変
動分を電圧変動で補償する高周波エネルギー制御手段で
ある。
【0030】電源9からの高周波エネルギーの周波数は
3,000Hzであり、出力は175kWである。出湯
口5から流出する溶湯は、容量150Kgである前炉7
によって受けられる。
【0031】炉12の内部の炉底部13上には加熱媒体
として炭素材1が積層され、この炭素材1の上に材料供
給手段6によって被溶解材2が供給されるようになって
いる。炭素材1は、例えばコークスであり、このコーク
スの固有抵抗は5,000μΩcmである。被溶解材2
は、例えばリターンスクラップ4部、銑ダライ3部、電
磁鋼板プレス屑3部、その他珪化鉄など少量の添加材を
含んだ混合物である。なお、被溶解材2の銑ダライと電
磁鋼板プレス屑等の細かい材料の使用比率は全溶解材2
に対し、0から100%が使用可能であるが誘導加熱、
炉内雰囲気の遮断の為には20〜60%の使用が好まし
い。
【0032】(2)連続的加熱溶解方法の一例 上述したような連続的加熱溶解装置によって溶解作業を
開始するに当たって、先ず前回の作業後、炉12内に残
留しているコークス層の厚さを炉底部13から約250
mmに調節する。250mmに満たない場合は新しいコ
ークスを補給する。この時のコークスは総重量約30k
g、個数約100個、1個の最大重量は2kgであっ
た。コークスの投入が終了した後、電源9から電磁コイ
ル3に電力を供給する。
【0033】なお、制御手段10は前述したように電磁
コイル3のインピーダンス変動分を電圧変動で補償する
役目を果たす。コークス層上部のサイズの大きいコーク
スは効率良く電力を吸収して発熱するが、下部のサイズ
の小さいコークスは発熱し難いため、出湯口5から炉内
のガスを吸引し、この高温のガスでコークス層下部を加
熱することが効果的である。
【0034】この時の電圧は1,120V、入力は82
kWであった。コークス層上部が約1,600℃になっ
た時、出湯口5を塞ぎ、金属材料として20kgの銑ダ
ライを投入溶解し、これを炉底部13に貯めて所定時間
加熱する。この作業により炉12内は急速に加熱され作
業開始時から高温の溶湯が得られる。この時の電圧は
1,130V、入力は136kWであった。
【0035】溶融した銑ダライが1,500℃以上にな
った時点で出湯口5を開き溶湯を前炉7に入れると同時
に材料供給手段6により被溶解材2の投入を開始する。
被溶解材2が投入されるとコークス層の上部は被溶解材
で閉鎖され、外部と通じているのは出湯口5のみとな
る。出湯口5も出湯が開始されると溶湯にて閉鎖状態に
なるので、炉内への空気の流通は実質的に遮断される。
【0036】投入された被溶解材2は、特に塊状のリタ
ーンスクラップが電磁コイル3によって誘導加熱され温
度上昇しながら下降し、最下層に到達すると下部のコー
クス層1からも熱の供給を受けて溶融する。溶融して液
滴状となった被溶解材2はコークスの間を縫って滴下す
るうちに更に加熱され、また高温のコークスと酸素が殆
ど存在しない還元性雰囲気とにより精錬を受けた後出湯
口5より出湯される。
【0037】なお、出力は電源9で一定に調整されてい
るので、炉12中の被溶解材2が減少し電磁コイル3の
インピーダンスが大きくなり電圧が1,000V(基準
電圧)を越えると、制御手段10によって制御されて、
材料供給手段6により被溶解材2が炉内に供給される。
【0038】一方、炉内の被溶解材2が増加するとそれ
に伴って電磁コイル3のインピーダンスが低下し電圧が
基準電圧の1,000Vより低下すると、材料供給手段
6は被溶解材2の供給を自動的に停止し、作業中の出
力、電圧はそれぞれ約173kW、1,000Vに制御
され連続溶解が維持される。
【0039】この定常状態における出湯温度は約1,4
50℃であった。また、1トンの被溶解材を溶解するに
必要な時間は3.27時間、電力量は入力で566kW
h、コークス補給量は11kg、スラグの発生量は測定
できなかったが極く微量であり、また、耐火材4の損傷
も非常に少なかった。この実施例の場合は、バーナ14
を備えた予熱手段8を使用しなかったが、これを使用す
ると、その加熱量に応じて電力を節約し、また、出湯速
度をも増加させることができる。しかも一般のるつぼ炉
における電力の節約量が20%以下であるのに対し、本
発明において予備手段8を使用(重油バーナを使用)し
たとき、電力の節約量は30%まで可能であった。
【0040】表1は、炉底部に積層したコークス層1の
厚さを変化させ、且つ基準電圧1,000Vで加熱した
時の、コークス層1の厚さと入力電力との関係を示す表
である(被溶解材は供給していない)。
【0041】
【表1】
【0042】表2は、基準電圧を1,000V、且つ入
力電力を173kWに保つように制御して、被溶解材2
を炉内に供給して実際に溶解したときの、コークス層1
の厚さと出湯温度との関係を示す表である。
【0043】
【表2】
【0044】表2に見るごとく、コークス層1の厚さを
変化させるだけで出湯温度を所定温度に制御できるの
で、溶解が進行し炉内の被溶解材2のレベルが低下する
に応じて、被溶解材2を投入するだけで一定温度の溶湯
を得るための連続溶解が維持できる。
【0045】なお、実際の作業においては、後述するよ
うにこれとは逆にコークス層1の厚さを一定にして、所
望の出湯温度が得られるよう基準電圧を設定し、溶解が
進行して炉内の被溶解材2が少なくなり、電圧が設定値
より上昇した場合にのみそれを補償するように材料供給
手段6から一定量の被溶解材2が自動的に炉内に投入さ
れ、その結果、出湯口5から常時一定温度の溶湯が得ら
れるように連続溶解が維持される。
【0046】また、表3に一般的なキュポラ溶解およ
び、るつぼ型誘導炉溶解と、本発明による連続的加熱溶
解方法で得られた鋳鉄のチル深さと含有ガス量の分析結
果を示す。なお、このときの被溶解材2の配合は鋼屑3
0%を含み、出湯した溶湯の成分は炭素3.3%、珪素
2.0%を含むようにして、ほぼ同一条件のもとで測定
した。周知のとおり鋳鉄の品質は、チル深さが浅いもの
ほど、また、含有ガス量の少ないものほど優れており、
この表3から本発明方法が、他の溶解方法に比較してい
かに優れているか明らかであろう。
【0047】
【表3】
【0048】以上の説明ではコークスを用いて鋳鉄を溶
解する場合について述べたが、本発明はコークスの代り
に導電性のある耐火物(例えば、導電性セラミックス)
を用いること、銅合金等の他の金属類及び鉱石類(導電
性を有するものが望ましい)を溶解することが可能であ
る。
【0049】なお、亜鉛等の蒸発し易い不純物を更に減
らしたい場合は、炉内に通気口を設け、不活性ガスもし
くは還元性ガスを吹き込み、積極的に不純物の蒸発を促
すことも可能である。
【0050】かかる実施例から明らかなように、本発明
によれば、ガス流動の少ない還元性の雰囲気内で被溶解
材が溶解・加熱されるため粉末状の材料を使用しても従
来の酸化に基づくスラグの発生が殆ど認められず、酸素
・窒素などのガス含有量の少ない良質の溶湯が得られ
る。
【0051】ここで前述したように図3及び図4を参照
して、被溶解材2の材料供給手段6(以下、単に供給手
段6と略称)の構成と作用及びこれと高周波エネルギー
印加手段9並びに制御手段10との関係について詳細に
説明する。図3は被溶解材2を炉内に投入するための供
給手段6の動作を説明するための制御系ブロック図、そ
して図4は供給手段6の構成を示す斜視図である。
【0052】図4に示すように、供給手段6はベルトコ
ンベア又は振動コンベアから成る投入装置103を含
み、投入すべき被溶解材2の必要量を計量してこの投入
装置103から被溶解材2を炉12内に投入する。すな
わち、ここに例示した供給手段6は、材料ホッパ201
内の例えば3種の被溶解材2をピックアップするリフテ
ィングマグネット(200L、200M、200N)か
ら成る取り出し手段200と、これら取り出し手段によ
りホッパ201から取り出された3種の被溶解材2のそ
れぞれを計量するための歪みゲージを利用した電子制御
秤202(202A、202B、202C)とを有して
いる。
【0053】図3に示すように、制御手段10は、高周
波エネルギー印加手段9から送られてくる電圧の高低を
判断する電圧比較装置105と、この判断に供する基準
電圧を発生する基準電圧発生装置106と、各秤202
(202A、202B、202C)からの秤量データに
基づき3種類の被溶解材を所定の比率に配合するための
演算装置107とを有している。
【0054】電圧比較装置105は、材料取り出し手段
(200L、200M、200N)をそれぞれ制御する
ための制御ライン(114、115)を有し、基準電圧
に比して、ライン104から送られた電圧が高い場合に
は、制御ライン115に信号を出力し、低い場合には制
御ライン114に信号を出力する。
【0055】演算装置107は、各秤202(202
A、202B、202C)からライン112を介してデ
ータを受領し、ライン113を介して各取り出し手段2
00(200L、200M、200N)を制御する。
【0056】炉12の電磁コイル3は炉12内の被溶解
材2が減少するとインピーダンスが増大し、被溶解材2
が増大するとインピーダンスが減少するという特性を有
している。電磁コイル3には高周波エネルギー印加手段
9から導線108を介して高周波電力が供給される。供
給電力を一定に制御する電力制御装置110が、高周波
エネルギー印加手段9に備えられている。
【0057】また、高周波エネルギー印加手段9には、
導線108を介して炉12の電磁コイル3に供給されて
いる電圧を、対応する低い直流電圧に変換して、この変
換された直流電圧を制御手段10の電圧比較装置105
に送る電圧変換装置111が備えられている。
【0058】図3のブロック図の動作を具体的に説明す
ると次の通りである。溶解が進行して炉12内の被溶解
材2が減少すると電磁コイル3のインピーダンスが増大
する。電力制御装置110は、炉12の電磁コイル3に
供給する電力を一定となるように制御しているので、電
磁コイル3のインピーダンスが増大すると電磁コイル3
に印加される電圧は上昇する。この電圧は電圧変換装置
111によって対応する低い直流電圧に変換され、電圧
比較装置105に供給される。
【0059】電圧比較装置105には基準電圧発生装置
106から基準電圧が与えられている。かくて、電圧変
換装置111からの電圧が基準電圧に比して大となる
と、ライン115から信号が各取り出し手段200(2
00L、200M、200N)に発せられて、各取り出
し手段200が作動し、被溶解材2の取り出し作業が行
われる。
【0060】これらの取り出し手段200は、前記リフ
ティングマグネットの代りに被溶解材2のホッパーに振
動を加え被溶解材2を秤202A〜202C上へ移送す
る移動装置で構成してもよい。この取り出しは、必ずし
も正確に定量を取り出す必要はなく、前者においては電
流値を、後者においてはホッパー201に振動を加える
加振時間を設定するだけでよい。
【0061】かようにして、ある一定の条件のもとに取
り出された各被溶解材2は、それぞれ電子制御秤202
(202A、202B、202C)によって正確に測定
され、それぞれの秤量データは演算装置107に送られ
る。
【0062】演算装置107は、炉12に投入する各溶
解材2の配合比率の所望値を記憶している。ライン11
2を介して送られてくる各溶解材2の測定データの積算
量の比率が所望値に対して或る一定の範囲内にある限
り、また、電圧比較装置105からライン115を介し
て信号が出ている限り、各取り出し手段200(200
L、200M、200N)は作動し続ける。然し、3種
の被溶解材のうち、いずれかの積算量が配合比率の所望
値に対して一定の範囲を越えると、演算装置107は、
配合比率の所望値に対して一定の範囲内になるまで、そ
の被溶解材2の取り出し作業を停止させるようにライン
113を介してその被溶解材2の取り出し手段200に
信号を送る。各被溶解材2は、秤量が終わり次第、投入
装置103によって炉12に供給される。
【0063】炉12内の被溶解材2の量が増大すると、
電磁コイル3のインピーダンスが減少し、電磁コイル3
に印加される電圧が下降すると、電圧変換装置111か
らライン104を介して電圧比較装置105に送られる
電圧は低くなる。この電圧が基準電圧より低くなると、
電圧比較装置105はライン114を介して各取り出し
手段200(200L、200M、200N)に信号を
発し、各取り出し手段の作動を停止させる。
【0064】かように操作されるので、本発明の装置
は、キュポラの被溶解材供給装置のように各被溶解材を
秤量装置で一回ごとに一定量ずつ秤量することなく、供
給手段6の各取り出し手段200で取り出された被溶解
材2を正確に秤量するだけで迅速且つ正確に各被溶解材
2を炉12に供給することができる。
【0065】秤量装置202(202A、202B、2
02C)は、例えばロードセルを装備した上皿秤であっ
て、秤量データを電気信号に変換して送り出す手段を含
んだものを使用することができる。
【0066】以上のとおり、本発明の溶解方法では炭素
材1は電磁誘導加熱による発熱体(加熱媒体)として、
また精錬における還元剤として作用する。したがって、
従来の燃焼方式による加熱溶解法と異なり、炭素材又は
導電性のある耐火物自身が燃焼ガスにさらされることが
ないため、その消耗量が著しく少ない。また、炭素材又
は導電性のある耐火物の加熱に燃焼ガスを用いず、炭素
材又は導電性のある耐火物を実質的に炉内の空気の流通
を遮断した状態で電磁誘導加熱するので、好ましい状態
の還元雰囲気が実現される。結果として酸素、窒素等の
ガス含有量の少ない上質の溶湯の製造を可能とし、特別
の排ガス処理設備を要しないので、公害防止対策上も好
ましい。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように本発明により所期の
目的を達成することができた。すなわち、銑ダライのよ
うな微細な材料をも効率良く溶解することができると共
に、酸化物も加熱された炭素材と還元性の雰囲気の精錬
作業により還元することができ、スラグを殆ど発生させ
ることなくガス含有量の少ない良質の金属を連続的に、
しかも工業的に得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶解方法を実施するために使用する溶
解装置の全体構成の要部を示す斜視図。
【図2】同じく炉の詳細を示す要部縦断面図。
【図3】同じく被溶解材の供給手段の動作を説明するた
めの制御系ブロック図。
【図4】同じく供給手段の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1…炭素材、 2…被溶解材、 3…電磁コイル、 4…耐火材、 5…出湯口、 6…供給手段、 7…前炉、 8…予熱手段、 9…高周波エネルギー印加手段、 10…制御手段、 11…被溶解材投入口、 12…炉、 13…炉底部、 14…バーナー、 103…コンベア、 104、108、112、113…ライン、 105…電圧比較装置、 106…基準電圧発生装置、 107…演算装置、 110…電力制御装置、 111…電圧変換装置、 114、115…制御ライン、 200…材料取り出し手段、 201…ホッパー、 202…電子制御秤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 7/06 F27D 7/06 C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉底部に出湯口が設けられ、上部に被溶解
    材投入口が設けられている炉の底部上に炭素材及び導電
    性のある耐火物の少なくとも一方の材料を加熱媒体とし
    て積層し、炉壁の外周に設けられた電磁コイルに電力を
    供給することにより、この積層した加熱媒体を電磁誘導
    加熱によって加熱し、加熱されているこの加熱媒体上に
    被溶解材を連続的に投入して被溶解材を加熱溶解し、こ
    の溶湯を出湯口から流出させる被溶解材の連続的加熱溶
    解方法であって、前記電磁誘導加熱においては、電磁コ
    イルに給電する電力を電源側の電力制御装置により溶解
    に必要とされる一定値に制御すると共に、加熱媒体及び
    被溶解材がそれぞれ発熱する熱量の比率を予め一定値に
    定めておき、しかも被溶解材の溶解に基づいて変動する
    電流及び電圧からなるパラメータのうちの何れか一つが
    所定の基準値を維持することができるように制御し、こ
    の基準値に基づいて炉内に投入する被溶解材の投入量を
    調整し、それによって出湯口から流出する溶湯の温度を
    所定温度に調節するように構成して成る連続的加熱溶解
    方法。
  2. 【請求項2】上記電力に対応する電圧を受け、この電圧
    を基準電圧と比較して大きい場合には炉内に被溶解材を
    投入し、小さい場合には投入を停止させるよう自動的に
    投入量を制御し、それによって出湯口から流出する溶湯
    の温度を所定温度に調節するように構成して成る請求項
    1記載の連続的加熱溶解方法。
  3. 【請求項3】炉底部に出湯口が設けられ、上部に被溶解
    材投入口が設けられている炉の底部上に炭素材及び導電
    性のある耐火物の少なくとも一方の材料を加熱媒体とし
    て積層し、炉壁の外周に設けられた電磁コイルに電力を
    供給することにより、この積層した加熱媒体を電磁誘導
    加熱によって加熱し、加熱されているこの加熱媒体上に
    被溶解材を連続的に投入して被溶解材を加熱溶解し、こ
    の溶湯を出湯口から連続的に流出させる被溶解材の連続
    的加熱溶解方法であって、前記電磁誘導加熱において
    は、電磁コイルに供給する電力を電源側の電力制御装置
    により一定に制御すると共に、加熱媒体及び被溶解材が
    それぞれ発熱する熱量の比率を予め一定値に定めてお
    き、投入された被溶解材が溶解するに伴い変動する電磁
    コイルのインピーダンス変動分を、電磁コイルに印加す
    る電圧もしくは電流の何れか一方を変化させることによ
    って補償し、前記電力に対応する電圧を受け、この電圧
    を基準電圧と比較して大きい場合には炉内に被溶解材を
    投入し、小さい場合には投入を停止させるよう投入量を
    制御し、それによって出湯口から流出する溶湯の温度を
    所定温度に調節するように構成して成る連続的加熱溶解
    方法。
  4. 【請求項4】上記電圧を監視して被溶解材投入口から複
    数種類の被溶解材をそれぞれ所定量秤量して炉内に投入
    するに際しては、前記複数種類の被溶解材のそれぞれの
    秤量データを受領して演算装置により各秤量データを積
    算するとともに、それらの積算量の配合比率が所定の範
    囲内にあるか否かを判断して、任意の被溶解材の積算値
    がこの所定の範囲を越えた場合に、その被溶解材の取り
    出し作業を停止させるように被溶解材の取り出し動作を
    制御するようにして成る請求項3記載の連続的加熱溶解
    装置。
  5. 【請求項5】上記被溶解材を上記積層した材料上に投入
    する前に、前記積層した材料を予熱して成る請求項1乃
    至4いずれか一つに記載の連続的加熱溶解方法。
  6. 【請求項6】上記被溶解材を上記積層した材料上に投入
    する前に、上記出湯口から炉の内部のガスを吸引するこ
    とにより前記積層した材料の下部を加熱し、前記積層し
    た材料の上部が前記被溶解材の溶解温度に達した時に前
    記出湯口を閉塞し、前記積層した材料の重量を越えない
    量の金属材料を投入して溶解し、この金属材料の投入か
    ら所定時間の後に前記出湯口を開放するとともに、被溶
    解材を前記積層した材料上に投入して成る請求項1乃至
    4いずれか一つに記載の連続的加熱溶解方法。
  7. 【請求項7】上記電磁誘導加熱は、上記炉の外壁に装架
    された電磁コイルに高周波エネルギーを印加することに
    より行われる請求項1乃至6いずれか一つに記載の連続
    的加熱溶解方法。
  8. 【請求項8】上記炉底部に積層した加熱媒体は3,00
    0〜10,000μΩcmの固有抵抗を有すると共に、
    上記被溶解材は金属材料から成る請求項1乃至6いずれ
    か一つに記載の連続的加熱溶解方法。
  9. 【請求項9】上記被溶解材は鉄材であり、電磁誘導加熱
    による加熱媒体の発熱量を20〜50%であり、鉄材の
    発熱量を残部の80〜50%に調整して上記出湯口から
    1,400〜1,600℃の溶融鋳鉄を得るように構成
    して成る請求項1乃至6いずれか一つに記載の連続的加
    熱溶解方法。
  10. 【請求項10】上記高周波エネルギーの周波数が500
    〜5,000Hzであり、出力が100〜10,000
    kWである請求項7記載の連続的加熱溶解方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5075977A (ja) * 1973-04-30 1975-06-21 Boliden Ab

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