JPH08264312A - 電流リード - Google Patents

電流リード

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JPH08264312A
JPH08264312A JP7069560A JP6956095A JPH08264312A JP H08264312 A JPH08264312 A JP H08264312A JP 7069560 A JP7069560 A JP 7069560A JP 6956095 A JP6956095 A JP 6956095A JP H08264312 A JPH08264312 A JP H08264312A
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JP
Japan
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glass fiber
bulk material
current lead
base material
molded body
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Withdrawn
Application number
JP7069560A
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English (en)
Inventor
Osamu Kakazu
修 嘉数
Nobuhiro Shibuta
信広 渋田
Kenichi Sato
謙一 佐藤
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Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
Original Assignee
Chodendo Hatsuden Kanren Kiki Zairyo Gijutsu Kenkyu Kumiai
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Publication date
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    • Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物超電導体を用いた電流リードにおい
て、酸化物超電導体を外部からの衝撃力や応力から保護
し、より機械的強度の向上した電流リードを提供する。 【構成】 電流リードは、1対のリード端子34a、3
4bと、リード端子34a、34bの間を電気的に接続
する酸化物超電導体のバルク材32と、バルク材32に
密着する補強部材31および33を備える。補強部材
は、イットリア安定化ジルコニアまたはガラス繊維強化
プラスチックからなる補強基材31と、補強基材31を
バルク材32に接着する低温用樹脂接着剤33とからな
る。補強基材31は、バルク材32に近い熱収縮率を有
し、接着剤33には、熱収縮率の調整のため、セラミッ
クス粉末が添加されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物超電導体を用い
た電流リードに関し、特に、電力、輸送、高エネルギ
ー、医療等の分野において用いられる超電導マグネット
等の超電導装置へ電流を供給するため用いる電流リード
に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導マグネット等の超電導装置へ外部
電源から電流を供給するための電流リードには、Cu系
の金属材料が主に用いられてきた。しかしながら、金属
材料は、通電によりジュール熱を発生し、さらに高い熱
伝導率のため、外部から熱を侵入させやすい。このた
め、金属材料を使用するパワーリードは、超電導装置に
おいて冷媒の蒸発を促進するという問題を有している。
【0003】超電導マグネットシステム等に用いられる
電流リードには、たとえば次のような特性が要求され
る。電流リードを介して巻線部に侵入する熱量を最小限
にくい止めるため、断面積はできるだけ小さく、かつ熱
伝導率が低い材料から形成されることが望ましい。一
方、このような形状および材質において、できるだけ多
くの電流を流せることが望まれる。また、電流リード
は、十分な強度を有し、冷却・昇温のヒートサイクルに
対して劣化しないことが望まれる。
【0004】近年、より高い臨界温度を示す超電導材料
としてセラミックス系のもの、すなわち酸化物超電導体
が注目されている。熱伝導率が比較的低く、液体窒素温
度において超電導状態を示すことのできる酸化物超電導
体は、電流リードの材料として有望である。一方、酸化
物超電導体は、金属材料に比べて機械的強度が低く、曲
げ応力や衝撃力によって亀裂や破損が発生しやすい。そ
こで、酸化物超電導体を電流リードに応用する場合、破
損防止のため、酸化物超電導体に補強を加えることが必
要となってくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
物超電導体を用いた電流リードにおいて、酸化物超電導
体を外部からの衝撃力や応力から保護し、より機械的強
度の向上した電流リードを提供することである。
【0006】本発明のさらなる目的は、酸化物超電導体
を用い、超電導体装置への熱侵入がより少なく、信頼性
の高い電流リードを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、電流リードにおいて、酸化物超電導体
を補強のための成形材料に接着剤によって接着する構成
を発案し、鋭意検討を行なってきた。そして、接着剤お
よび補強のための成形材料として、適切なものを見出し
本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明に従う電流リードは、1対のリード
端子と、1対のリード端子間を電気的に接続する酸化物
超電導体のバルク材と、バルク材に密着する補強部材と
を備える。該補強部材は、イットリア安定化ジルコニア
およびガラス繊維強化プラスチックからなる群から選択
される少なくとも1つの材料の成形体からなる補強基材
と、該補強基材をバルク材に接着する低温用樹脂接着剤
とからなる。本発明においてガラス繊維強化プラスチッ
クの成形体からなる補強基材は、300Kから77Kへ
の冷却で、(x−0.02)%〜(x+0.08)%
(xは、バルク材の300Kから77Kに冷却したとき
の熱収縮率を示す)の範囲の熱収縮率を、1対のリード
端子間を結ぶ方向において示すものである。また低温用
樹脂接着剤には、熱収縮率の調整のため、セラミックス
粉末が添加されている。
【0009】本発明において、リード端子は、外部端子
に接続するためのもので、たとえば銅、銀、白金、金等
の低抵抗金属から構成することができる。1対のリード
端子を酸化物超電導体のバルク材に接続するための方法
は、特に限定されるものではない。たとえば一般的な方
法として、酸化物超電導体にリード端子をハンダ付けす
る方法を挙げることができる。ハンダ付けを行なう場
合、酸化物超電導体においてハンダを付与する部分に、
予め銀等のメタライズ層を形成することが好ましい。
【0010】酸化物超電導体のバルク材は、酸化物超電
導体そのものからなるものである。酸化物超電導体に
は、Y1 Ba2 Cu3 O7-Y (0≦Y<1)等のイット
リウム系酸化物超電導体、Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 O
10-X、Bi2 Sr2 Ca2 Cu 3 O10-X、(Bi,P
b)2 Sr2 Ca1 Cu2 O10-X、(Bi,Pb)2 S
r 2 Ca2 Cu3 O10-X(0≦X<1)等のビスマス系
酸化物超電導体、Tl2 Sr2 Ca1 Cu2 O10-Z、T
l2 Sr2 Ca2 Cu3 O10-Z(0≦Z<1)等のタリ
ウム系酸化物超電導体などがある。バルク材は、たとえ
ば酸化物超電導体またはその原料からなる粉末またはス
ラリーを焼結することによって得ることができる。本発
明では、原料のセラミックス粉末をプレス成形した後に
焼結する方法(焼結法)によって形成された焼結体をバ
ルク材として用いることができる。また、バルク材とし
て、レーザペデスタル法により作製したものを好ましく
用いることができる。レーザペデスタル法は、酸化物超
電導体の原料からなるロッドの端部にレーザビーム(た
とえばCO2 レーザビーム)を照射し、溶融された部分
に種結晶を付着させた後、溶融部分から結晶を引上げて
いく方法である。レーザペデスタル法によれば、原料を
一旦溶融し、1方向に凝固させて結晶化を進めていくた
め、焼結法に比べて密度の高い緻密な酸化物超電導体を
製造することができる。レーザペデスタル法に従って形
成されるバルク材は、たとえば酸化物超電導体自体の固
有密度(真密度)の95%以上の密度を有しており、高
い臨界電流を示すことができ、しかも熱伝導率が低いも
のである。またレーザペデスタル法によるバルク材は、
緻密度が高いため、機械的強度も比較的高い。本発明に
おいて用いられる酸化物超電導体のバルク材は、たとえ
ば、2,500〜17,500A/cm2 、好ましくは
4,000〜17,500A/cm2 (77K,自己磁
場下)の臨界電流密度を有することができる。
【0011】本発明において酸化物超電導体のバルク材
は、補強のため、イットリア安定化ジルコニア(YS
Z)およびガラス繊維強化プラスチック(GFRP)か
らなる群から選択される少なくとも1つの材料の成形体
に、低温用樹脂接着剤を介して接着される。
【0012】YSZは、酸化物超電導体に非常に近い熱
収縮率および熱膨張係数を有する材料である。YSZ
(Y2 O3 −ZrO2 )において、Y2 O3 の含有量
は、たとえば1〜8モル%、好ましくは3〜6モル%と
することができる。
【0013】本発明においてGFRPの成形体は、30
0Kから77Kへの冷却で、(x−0.02)%〜(x
+0.08)%(xは、酸化物超電導体のバルク材の3
00Kから77Kに冷却したときの熱収縮率を示す)の
範囲の熱収縮率を、リード端子間を結ぶ方向において示
すものである。本発明において熱収縮率は、以下の式で
定義することができる。 [数1] (A−B)×100%/A A:冷却前の所定の部分の長さ(300Kにおける所定
の部分の長さ) B:冷却後の所定の部分の長さ(77Kにおける所定の
部分の長さ) 酸化物超電導体を用いた電流リードは液体窒素温度(7
7K)で使用できる一方、電流リードは一般に液体ヘリ
ウム温度(4.2K)で使用されることも多い。本発明
では、後述する種々の実験に基づきGFRPの成形体に
ついて300Kから77Kへの冷却における熱収縮率を
規定しているが、この熱収縮率の条件を満足する本発明
の電流リードは、77Kでの使用と同様に4.2Kにお
いても使用することができる。すなわち、本発明の電流
リードは、300K→4.2Kのヒートサイクルにおい
ても、超電導体の特性を低下させずに繰返して使用する
ことができる。
【0014】酸化物超電導体の温度と熱収縮率(dL/
L293K)との関係を図1に示す。図においてBi221
2;ab、Bi2212;cは、それぞれ、Bi系22
12相超電導体についてab軸方向およびc軸方向の熱
収縮率と温度との関係を示している。Bi2223;a
b、Bi2223;cも同様にBi系2223相超電導
体について、ab軸方向およびc軸方向の熱収縮率と温
度との関係を示している。図に示すように、酸化物超電
導体について、77Kから4.2Kへの熱収縮量は、ご
くわずかなものであり、300Kから77Kへの熱収縮
量に比べて非常に小さいことがわかる。このことから
も、補強基材について300Kから77Kへの冷却にお
ける熱収縮率を規定した本発明が、300Kから4.2
Kへの冷却においても支障なく機能することがわかる。
【0015】GFRPの成形体として、マトリックス樹
脂、充填材、ガラス繊維よりなるシート状の材料(SM
C:Sheet Moulding Compound)をプレス成形したものを
用いることができる。また、GFRPの成形体として、
FW(フィラメント・ワインディング)法に従い、マン
ドレルに樹脂を含浸させたガラス繊維を巻き付ける方法
によって形成されたものを好ましく用いることができ
る。FW法では、チューブ等の回転体が得られる。GF
RP成形体におけるガラス繊維の含有率は、65重量%
〜90重量%が好ましく、より好ましくは65重量%〜
87重量%である。この範囲の含有率において、酸化物
超電導体により近い熱収縮率を有する材料が得られる。
より特定的には、GFRPからなる板状の成形体の場
合、ガラス繊維の含有率は、65〜90重量%が好まし
く、より好ましくは65〜87重量%である。一方、F
W法に従って形成された管状のGFRP成形体の場合、
ガラス繊維の含有率は、60〜90重量%とすることが
でき、好ましくは65〜85重量%とすることができ
る。GFRPのマトリックス樹脂として、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、ビニルエステル樹脂等を挙げることができ、特にエ
ポキシ樹脂が好ましい。
【0016】YSZまたはGFRPの成形体からなる補
強基材の形状は、電流リードの用途および使用形態に応
じて種々のものとすることができる。補強基材は、たと
えば、板状体とすることができ、その上に酸化物超電導
体のバルク材を接着させることができる。また、補強基
材を管状体(チューブ、パイプ等)とすることもでき
る。この場合、管状体内にバルク材が挿入され、接着剤
により固定される。リード端子は、管状体の両端に設け
ることができ、管状体に挿入されたバルク材と接続され
る。さらに、管状体の補強基材を用いる場合、管状体の
外周にバルク材を接着してもよい。この場合、管状体の
周りに複数本のバルク材を並べて接着していけば、より
コンパクトな構造物において、より大きな容量を有する
電流リードを提供できる。
【0017】GFRP成形体における熱収縮率は、収縮
の方向によって異なってくる。たとえば、図2に示すよ
うな平板のGFRP成形体の場合、矢印XおよびYで示
す面内方向の収縮率と、矢印Zで示す厚み方向の収縮率
とは異なっている。この平板の主要面上に酸化物超電導
体のバルク材を接着する場合、厚み方向(Z)の収縮
は、バルク材にそれほど影響を与えないが、面内方向の
収縮はバルク材に影響を及ぼす。また、たとえば図3に
示す管状のGFRP成形体の場合、径方向(R)よりも
軸方向(長手方向)(H)の収縮の方が、バルク材に大
きな影響を与える。これらの部材で、バルク材を補強す
る場合、上述したようなバルク材に大きな影響を与える
方向は、1対のリード端子間を結ぶ方向に一致する。ま
た、リード端子間を結ぶ方向は、多くの場合、超電導バ
ルク材の長手方向となり、収縮量の最も大きな方向とな
る。以上のことから、本発明において、バルク材に密着
させて用いられる補強基材に関し、リード端子間を結ぶ
方向の熱収縮率が特に重要であり、この方向における熱
収縮率が、酸化物超電導体と一致するか、またはそれに
非常に近いことが望ましい。YSZを用いる場合、熱収
縮率が酸化物超電導体とほぼ等しいため好ましい一方、
GFRPを用いる場合、この方向の熱収縮率が、(x−
0.02)%〜(x+0.08)%(xはバルク材の熱
収縮率を示す)の範囲のものを使用することが好まし
い。熱収縮率がこの範囲から外れる場合、使用時の冷却
−昇温のヒートサイクルによって、接着された補強基材
からバルク材に過度の引張り応力または圧縮応力がかか
り、バルク材が破壊される恐れがある。一方、この範囲
内では、ヒートサイクルによるバルク材への影響はほと
んどなく、バルク材に対して好ましい補強が実現され
る。
【0018】GFRPからなる管状体の補強基材は、上
述したFW法によって形成することができる。この場
合、図3に示すように、管状体の補強基材10において
ガラス繊維1はソレノイド状に巻かれている。巻かれた
ガラス繊維は、管状体の軸方向(矢印Hで示す)に対し
て所定の角度θ(ロービング角度)をなしている。本発
明では、角度θが35°〜55°であることが好まし
く、35°〜45°であることがより好ましい。この角
度の範囲において巻かれたガラス繊維を有するGFRP
は、特に軸方向(矢印Hで示す)において酸化物超電導
体と近い熱収縮率を示すことができる。
【0019】なお、このようなGFRP管状体を補強基
材として用いる場合、GFRP成形体におけるガラス繊
維の含有率が60〜90重量%の範囲内であり、かつ上
述した巻き角度(ロービング角度)θが35°〜55°
の範囲内であれば、GFRP成形体の熱収縮率の範囲が
(x−0.02)%〜(x+0.08)%(xはバルク
材の300Kから77Kに冷却したときの熱収縮率)を
多少はずれていても、好ましい電流リードを提供するこ
とができる。したがって、本発明の他の局面によれば、
次の特徴を備える電流リードを提供することができる。
この電流リードは、1対のリード端子と、1対のリード
端子間を電気的に接続する酸化物超電導体のバルク材
と、バルク材に密着する補強部材とを備える。電流リー
ドにおいて、補強部材は、GFRPの管状成形体からな
る補強基材と、補強基材をバルク材に接着する低温用樹
脂接着剤とからなる。管状成形体中において、ガラス繊
維はソレノイド状に巻かれており、かつ巻かれたガラス
繊維と管状成形体の軸方向とのなす角度は、35°〜5
5°の範囲内である。管状成形体におけるガラス繊維の
含有率は60重量%〜90重量%である。低温用樹脂接
着剤には、熱収縮率の調整のため、セラミックス粉末が
添加されている。このような電流リードにおいて、GF
RPの管状成形体は、300Kから77Kへの冷却で、
好ましくは(x−0.02)%〜(x+0.20)%、
より好ましくは(x−0.02)%〜(x+0.10)
%、さらに好ましくは(x−0.02)%〜(x+0.
08)%(xは、バルク材の300Kから77Kに冷却
したときの熱収縮率を示す)の範囲の熱収縮率を、1対
のリード端子間を結ぶ方向において示すことができる。
このような電流リードにおいて、バルク材の配置、GF
RPのマトリックス材料等は、上述したとおりのものを
用いることができる。
【0020】本発明において、酸化物超電導バルク材
は、低温用樹脂接着剤により補強基材に接着される。低
温用樹脂接着剤は、液体窒素温度等の低温においても、
亀裂等が生じず、接着力が維持されるものであり、たと
えば、エポキシ樹脂系接着剤、ポリイミド樹脂系接着
剤、ビニルエステル樹脂系接着剤等が好ましく用いられ
る。本発明では、熱収縮率の調整のため、この接着剤に
セラミックス粉末が添加されている。添加されるセラミ
ックスとして、たとえば、アルミナ、ジルコニアまたは
それらの混合物が好ましい。セラミックス粉末の添加量
は、たとえば3〜24重量%、好ましくは5〜20重量
%である。セラミックス粉末の粒径は、たとえば1〜5
0μmである。接着剤に、ジルコニア等のセラミックス
粉末を混合することにより、接着剤と補強基材またはバ
ルク材との熱収縮率の差を小さくすることができ、接着
材の界面における剥離を防止することができる。またセ
ラミックス粉末を添加することにより、ヒートサイクル
に対しても接着剤の接着力を維持することができる。
【0021】
【発明の作用効果】以上述べてきたように、本発明で
は、熱収縮特性ひいては熱膨張特性が酸化物超電導体に
より近い材料を補強のための基材として用いている。こ
のような基材と酸化物超電導体とを、熱収縮率の調整の
ためセラミックス粉末が添加された低温用樹脂接着剤に
より接着することで、冷却−昇温のヒートサイクルに対
しても、基材と酸化物超電導体との剥がれが生じず、基
材の収縮および膨張による影響によって酸化物超電導体
が破壊されることがなく、外部からの応力や衝撃力に十
分耐え得る補強を超電導体に対して施すことができた。
【0022】本発明に従う電流リードは、補強のための
基材を予め準備し、それに超電導バルク材を接着し、端
子を付与することにより、簡単に組立てることができ
る。リードの組立において、酸化物超電導体が破壊され
る恐れもなく、簡単に十分な補強がなされる。
【0023】本発明の電流リードは、ヒートサイクルに
おいて、酸化物超電導体に亀裂が発生せず、繰返して使
用することができる。本発明の電流リードは、繰返し使
用において、超電導体の特性が低下しないため、特に冷
却エネルギーを低減する目的において、性能の高い電流
リードとして応用が可能である。本発明の電流リード
は、簡単な構造において、効果的な酸化物超電導体の補
強を実現するものである。
【0024】なお、上述した材料の選定の意義は、以下
に述べる実施例においてさらに明確にされる。
【0025】
【実施例】
(1) 酸化物超電導体のバルク材の作製 Bi2 O3 、SrCO3 、CaCO3 およびCuOの粉
末をBi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2となるよ
う混合し、750〜860℃での仮焼結と粉砕を複数回
繰返し、Bi系2212相の組成からなる粉末を調製し
た。次に、得られた粉末を静水圧プレスにより成形し、
得られた成形体を750〜860℃にて加熱し、焼結体
を得た。
【0026】得られた焼結体に、通常のレーザペデスタ
ル法に従ってCO2 レーザビームを照射し、溶融させた
部分から、線径4mmのビスマス系酸化物超電導体の多
結晶を成長させた。得られた多結晶を、適当な長さに加
工した後、840℃で200時間の熱処理を行なった。
以上のプロセスにより、直径4mm、長さ250mmの
ビスマス系2212相酸化物超電導体のバルク材を調製
した。
【0027】(2) 電流リードの作製 例1 補強基材として、ガラス繊維の含有率が異なる4種類の
GFRP成形体と、イットリア安定化ジルコニア(Y2
O3 −ZrO2 )の成形体を用いた。補強基材は、いず
れも、4mm(厚み)×40mm(幅)×200mm
(長さ)のサイズの平板であった。GFRPにおいてマ
トリックスはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂とし
て、ビスフェノールA型のものが用いられた。GFRP
成形体のいずれも、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸
させ、成形して得られたものである。なお、ガラスクロ
スは、平織りクロス、繻子織りクロス、レジクロス等の
いずれでも良い。
【0028】(1)で得られた酸化物超電導体のバルク
材の両端50mmに銀によるスパッタコーディングを施
した。また、補強材上に、1対の銅電極をねじで固定し
た。銅電極の間にバルク材を入れ、ジルコニア粉末を1
0重量%含有するエポキシ樹脂系接着剤で、接着、固定
した。また、Pb−Sn合金のハンダにより、銅電極と
バルク材とを接着、固定した。
【0029】形成された電流リードを図4に示す。図4
(a)は、電流リードの側面図、(b)は平面図であ
る。電流リード30において、補強基材31上には、超
電導バルク材32が載置され、接着剤33で固定されて
いる。超電導バルク材32の両端には、電極34aおよ
び34bが嵌め込まれ、固定されている。電極34aお
よび34bの間に存在する超電導バルク材32の部分に
は、接着剤34が施されている。
【0030】GFRP成形体において、図2に示すよう
な面内方向における300K→77Kの熱収縮率は、ガ
ラス繊維の含有率が大きくなるほど小さくなった。ここ
で酸化物超電導バルク材の300Kから77Kに冷却し
たときの長さ方向における熱収縮率は、0.14%であ
った。YSZも同様に0.14%の熱収縮率を有してい
た。なお、300Kから4.2Kに冷却したときの長さ
方向における熱収縮率について、酸化物超電導バルク材
およびYSZはともに0.15%であった。
【0031】構成した電流リードを室温から液体窒素へ
浸漬する工程を最高で100回まで繰返し行なった。1
0回、50回、100回のヒートサイクルを繰返した段
階で、電流リードの臨界電流値を測定した。測定は、1
μV/cmの定義で実施した。そして、次の式により、
各回における臨界電流の劣化率を求めた。 [数2] P=Ic×100%/Ico P:臨界電流の劣化率 Ic:X回目の浸漬時の臨界電流値 Ico:1回目の浸漬時の臨界電流値 結果を補強材の熱収縮率とともに表1に示す。表におけ
る○は好ましいもの、×は好ましくないものを示す。こ
の結果より、熱収縮率の差が、0.09%未満である場
合、ヒートサイクルに対しても耐える補強ができること
が明らかとなった。なお、劣化しなかった電流リードで
は、液体窒素温度で、281Aの臨界電流(Ic)を流
すことができた。
【0032】
【表1】
【0033】例2 補強基材としてYSZおよびガラス繊維を85重量%含
有する例1のGFRPを用いた。ジルコニア粉末を0
(比較用)、5、10、15、20重量%それぞれ含有
するエポキシ系樹脂を調製し、接着のため使用した。ジ
ルコニア粉末は、粒径約1.5μmのものを使用した。
補強基材と銅電極の接着および超電導体の固定のため、
接着剤を使用した。以上に述べた以外は、例1と同様に
して電流リードを構成した。
【0034】例1と同様にヒートサイクルによる超電導
体の劣化を測定した結果を、表2に示す。表において○
は好ましいもの、×は好ましくないものを示す。補強基
材をGFRPとした場合、エポキシ樹脂の剥離は観察さ
れなかったが、超電導体の劣化が認められた。一方、補
強基材をYSZとしたとき、エポキシ系樹脂のみの接着
では、1回目の液体窒素への浸漬において接着部が剥離
した。エポキシ樹脂にYSZの原料となるジルコニア粉
末を5〜20重量%混合した場合は、剥離は認められ
ず、100回のヒートサイクル試験後でも、臨界電流の
低下は認められなかった。一方、エポキシ接着剤にジル
コニア粉末を25重量%混合した場合、粉末と接着剤が
分離し、接着を行なうことができなかった。なお、劣化
の生じなかった電流リードでは、液体窒素温度において
274Aの臨界電流を流すことができた。
【0035】
【表2】
【0036】例3 FW法により形成したGFRPからなるパイプを10種
類準備した。これらのGFRPにおいて、マトリックス
は、酸無水物硬化ビスフェノールA型エポキシ樹脂であ
った。GFRPにおけるガラス繊維の含有率は、約65
重量%に調整されていた。10種類のパイプにおいて、
図3に示されるようなガラス繊維の巻角度は、それぞれ
10°、15°、20°、25°、30°、35°、4
0°、45°、50°、55°であった。これらのパイ
プを用いて図5に示すような電流リードを構成した。
【0037】図5を参照して、(a)は斜視図であり、
(b)、(c)、(d)、(e)は、それぞれの部分を
示す断面図である。電流リード40において、GFRP
パイプ41内に、超電導バルク42が挿入されている。
超電導バルク42とパイプ41の間には、両者を接着す
るため、薄く接着剤の層43が存在する。バルク42の
両端には、銅電極44a、44bがハンダ45により接
着される。銅電極には、段階的に径の異なる穴が形成さ
れており、奥に設けられた小さな穴にバルク42が嵌め
込まれ、表面に近い大きな穴にパイプ41が嵌め込まれ
ている。銅電極とバルク材の間にもGFRPのパイプが
存在しており、できるだけ銅電極の影響(熱収縮および
熱膨張による影響)をバルク材に与えないようにしてい
る。銅電極とパイプとの間には、接着剤を施してもよい
し、施さなくてもよい。このような構造では、補強材が
バルクの周囲に同心円上に配置され、補強材からバルク
材に受ける径方向の応力は均等になるため、補強はより
効果的である。
【0038】以上の構造を有する電流リードにおいて、
バルク材には(1)で調製したものを用い、接着剤に
は、ジルコニア粉末を約10重量%含有するエポキシ接
着剤を用いた。GFRPからなるパイプの内径は6m
m、外径は9mmであった。このような構成の電流リー
ドにおいて、ヒートサイクルにかける前では、281〜
343Aの臨界電流を液体窒素温度で流すことができ
た。次に、例1と同様にして300K→77Kのヒート
サイクルを100回繰返し、臨界電流の劣化の程度を調
査していった。その結果を表3および表4ならびに図6
に示す。なお、図6では、巻角度10°〜35°での結
果を示し、40°〜55°の結果を省略している。表
3、4および図6ではIc/Icoの値がヒートサイク
ルの各回について示されている。ガラス繊維の巻角度が
15°〜25°のGFRPを用いた場合、臨界電流の劣
化が起こった。一方、巻角度35°〜55°では、臨界
電流の劣化は起こらなかった。なお、300K→4.2
Kの冷却においても、電流リードにおいて特性の劣化は
なかった。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】以上の結果を踏まえ、FW法により形成さ
れたGFRPパイプの熱収縮特性について調査した。上
述と同様に、酸無水物硬化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂をマトリックスとする内径30mm、外径34m
m、長さ50mmのGFRPパイプを9種類準備した。
これらのパイプにおいて、ガラス繊維の巻角度は、それ
ぞれ、10°、20°、30°、40°、50°、60
°、70°、80°、約90°であった。9種類のパイ
プに関し、300Kから77Kに冷却したとき、および
300Kから4.2Kに冷却したときの熱収縮量を、長
さ方向(軸方向)と径方向(周方向)のそれぞれについ
て測定した結果を図7および図8に示す。図から、軸方
向において、酸化物超電導体バルク(たとえば約0.1
4%(300K→77K)または約0.15%(300
K→4.2K)の熱収縮量を示す)に近い熱収縮率を示
すことができるパイプは、巻角度が約35°〜約45°
の範囲のものであることがわかる。また、GFRPパイ
プを用いる場合、熱収縮率がやや大きなもの(巻き角度
が、たとえば45°〜55°のもの)もバルクの補強に
用いることができることがわかった。
【0042】例4 本発明に従って、図9に示すような電流リードを構成す
ることもできる。図9において、(a)は側面図、
(b)はA−A′の沿う断面図、(c)はB−B′に沿
う断面図、(d)は(b)を拡大した断面図である。こ
の電流リードでは、GFRPパイプ51の外周に沿って
複数本の超電導バルク52が並べられ、接着、固定され
ている。GFRPパイプ51は、例3で示したFW法に
よる円筒形のGFRPパイプについて、その外周部を削
り、バルク材を嵌め込むための溝を形成することにより
得られる。12本のバルク52は、外周部に形成された
12の溝にそれぞれ嵌め込まれ、たとえばジルコニア粉
末を含有するエポキシ接着剤によって接着される。バル
クには、たとえば例1で示したものを用いることができ
る。GFRPパイプ51によって補強されたバルク52
の両端には、銅電極54a、54bが被せられ、ハンダ
55で固定されている。このような構成により、大電流
容量の電流リードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化物超電導体の温度と熱収縮率との関係を示
す図である。
【図2】本発明に用いられる補強基材の1つの例を示す
斜視図である。
【図3】本発明に用いられる補強基材のもう1つの例を
示す斜視図である。
【図4】本発明に従って例1で作製された電流リードを
示す図である。
【図5】本発明に従って例3で作製された電流リードを
示す図である。
【図6】例3において作製された電流リードに関し、ヒ
ートサイクルに対する臨界電流の変化の様子を示す図で
ある。
【図7】FW法によって作製されたGFRPパイプの熱
収縮率特性(300K→77K)を示す図である。
【図8】FW法によって作製されたGFRPパイプの熱
収縮率特性(300K→4.2K)を示す図である。
【図9】本発明に従う例4の電流リードを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス繊維 10 補強基材 30 電流リード 31 補強基材 32 超電導バルク材 33 接着剤 34a、34b 電極 40 電流リード 41、51 GFRPパイプ 42、52 超電導バルク 43 接着剤の層 44a、44b、54a、54b 銅電極 45、55 ハンダ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のリード端子と、 前記1対のリード端子間を電気的に接続する酸化物超電
    導体のバルク材と、 前記バルク材に密着する補強部材とを備え、 前記補強部材は、 イットリア安定化ジルコニアおよびガラス繊維強化プラ
    スチックからなる群から選択される少なくとも1つの材
    料の成形体からなる補強基材と、 前記補強基材を前記バルク材に接着する低温用樹脂接着
    剤とからなり、 前記ガラス繊維強化プラスチックの成形体からなる補強
    基材は、300Kから77Kへの冷却で、(x−0.0
    2)%〜(x+0.08)%(xは、前記バルク材の3
    00Kから77Kに冷却したときの熱収縮率を示す)の
    範囲の熱収縮率を、前記1対のリード端子間を結ぶ方向
    において示すものであり、かつ前記低温用樹脂接着剤に
    は、熱収縮率の調整のため、セラミックス粉末が添加さ
    れていることを特徴とする、電流リード。
  2. 【請求項2】 前記補強基材が、イットリア安定化ジル
    コニアおよびガラス繊維強化プラスチックからなる群か
    ら選択される少なくとも1つの材料の成形体からなる板
    状体であり、 前記板状体上に、前記バルク材が接着されていることを
    特徴とする、請求項1記載の電流リード。
  3. 【請求項3】 前記補強基材が、イットリア安定化ジル
    コニアおよびガラス繊維強化プラスチックからなる群か
    ら選択される少なくとも1つの材料の成形体からなる管
    状体であり、 前記管状体内に、前記バルク材が挿入され、前記接着剤
    により固定されていることを特徴とする、請求項1記載
    の電流リード。
  4. 【請求項4】 前記補強基材が、イットリア安定化ジル
    コニアおよびガラス繊維強化プラスチックからなる群か
    ら選択される少なくとも1つの材料の成形体からなる管
    状体であり、 前記管状体の外周に、前記バルク材が接着されているこ
    とを特徴とする、請求項1記載の電流リード。
  5. 【請求項5】 前記管状体は、ガラス繊維強化プラスチ
    ックの成形体からなり、 前記管状体中において、ガラス繊維はソレノイド状に巻
    かれており、かつ巻かれた前記ガラス繊維と前記管状体
    の軸方向とのなす角度は、35°〜55°の範囲である
    ことを特徴とする、請求項3または4記載の電流リー
    ド。
  6. 【請求項6】 前記ガラス繊維強化プラスチックのマト
    リックスが、エポキシ樹脂であることを特徴とする、請
    求項1〜5のいずれか1項記載の電流リード。
  7. 【請求項7】 前記低温用樹脂接着剤が、エポキシ樹脂
    系接着剤であることを特徴とする、請求項1〜6のいず
    れか1項記載の電流リード。
  8. 【請求項8】 前記接着剤に添加されるセラミックス
    が、アルミナ、ジルコニアおよびそれらの混合物からな
    る群から選択される少なくとも1つの材料であることを
    特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の電流リ
    ード。
  9. 【請求項9】 前記ガラス繊維強化プラスチックにおけ
    るガラス繊維の含有率が、65重量%〜90重量%であ
    ることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項記載
    の電流リード。
  10. 【請求項10】 1対のリード端子と、前記1対のリー
    ド端子間を電気的に接続する酸化物超電導体のバルク材
    と、 前記バルク材に密着する補強部材とを備え、 前記補強部材は、 ガラス繊維強化プラスチックの管状成形体からなる補強
    基材と、 前記補強基材を前記バルク材に接着する低温用樹脂接着
    剤とからなり、 前記管状成形体中において、ガラス繊維はソレノイド状
    に巻かれており、かつ巻かれた前記ガラス繊維と前記管
    状成形体の軸方向とのなす角度は、35°〜55°の範
    囲であり、 前記管状成形体におけるガラス繊維の含有率は、60重
    量%〜90重量%であり、かつ前記低温用樹脂接着剤に
    は、熱収縮率の調整のため、セラミックス粉末が添加さ
    れていることを特徴とする、電流リード。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008300184A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 酸化物超電導電流リード
US7687411B2 (en) 2005-06-08 2010-03-30 Onkyo Corporation Speaker member and method for manufacturing the same
JP2016131236A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 新日鐵住金株式会社 超電導バルク磁石部材と超電導バルク磁石およびそれらの製造方法
WO2024111406A1 (ja) * 2022-11-21 2024-05-30 京セラ株式会社 超電導デバイス

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