JPH0826520B2 - 撥水性の紙およびその製造方法 - Google Patents
撥水性の紙およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0826520B2 JPH0826520B2 JP3008322A JP832291A JPH0826520B2 JP H0826520 B2 JPH0826520 B2 JP H0826520B2 JP 3008322 A JP3008322 A JP 3008322A JP 832291 A JP832291 A JP 832291A JP H0826520 B2 JPH0826520 B2 JP H0826520B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- water
- repellent
- group
- sicl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性の紙及び撥水性
の紙の製造方法に関し、特に、撥水性で且つ撥油性の紙
または撥水性で且つ親油性の紙に関するものである。
の紙の製造方法に関し、特に、撥水性で且つ撥油性の紙
または撥水性で且つ親油性の紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、撥水性の紙の製造方法としては、
例えば紙の表面にポリテトラフルオロエチレン薄膜をコ
ートする方法やパラフィンを紙に含浸する方法があっ
た。
例えば紙の表面にポリテトラフルオロエチレン薄膜をコ
ートする方法やパラフィンを紙に含浸する方法があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の撥水性で且つ撥
油性の紙又は撥水性で且つ親油性の紙は、何れも紙の光
沢や感触を損なうものであった。
油性の紙又は撥水性で且つ親油性の紙は、何れも紙の光
沢や感触を損なうものであった。
【0004】本発明の目的は、紙本来の光沢や感触を損
なわずに撥水性で、且つ撥油性または親油性にした紙を
提供することである。
なわずに撥水性で、且つ撥油性または親油性にした紙を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の撥水性の紙は、フッ化炭素基や炭化水素
基のような撥水性基及びシロキサン結合を含む化学吸着
膜が、そのシロキサン結合を介して紙の表面に形成され
ていることを特徴とする。同じく、この発明の撥水性の
紙の製造方法は、一端にクロルシラン基を有し他端に撥
水性基を有するクロルシラン系界面活性剤を溶かした有
機溶媒に、親水性の紙を接触させることにより、紙の表
面に化学吸着膜を形成する化学吸着膜形成工程を含むこ
とを特徴とする。
に、この発明の撥水性の紙は、フッ化炭素基や炭化水素
基のような撥水性基及びシロキサン結合を含む化学吸着
膜が、そのシロキサン結合を介して紙の表面に形成され
ていることを特徴とする。同じく、この発明の撥水性の
紙の製造方法は、一端にクロルシラン基を有し他端に撥
水性基を有するクロルシラン系界面活性剤を溶かした有
機溶媒に、親水性の紙を接触させることにより、紙の表
面に化学吸着膜を形成する化学吸着膜形成工程を含むこ
とを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明においては、きわめて薄いナノメータレ
ベルの膜厚のフッ化炭素系あるいは炭化水素系化学吸着
膜を親水性の紙繊維最表面に形成するため、紙本来の色
調や光沢を損なうことがない。なお、フッ化炭素系化学
吸着膜では撥水性と撥油性を高めることが可能である。
一方、炭化水素系化学吸着膜では、撥水性と親油性を高
めることが可能である。従って、撥水性の紙、さらに詳
しくは防汚効果の高い高性能撥水撥油性または撥水親油
性紙を提供できる作用がある。
ベルの膜厚のフッ化炭素系あるいは炭化水素系化学吸着
膜を親水性の紙繊維最表面に形成するため、紙本来の色
調や光沢を損なうことがない。なお、フッ化炭素系化学
吸着膜では撥水性と撥油性を高めることが可能である。
一方、炭化水素系化学吸着膜では、撥水性と親油性を高
めることが可能である。従って、撥水性の紙、さらに詳
しくは防汚効果の高い高性能撥水撥油性または撥水親油
性紙を提供できる作用がある。
【0007】
【実施例】一般に紙は、セルロース等でできており、繊
維表面に水酸基等の親水性基を含む。そこで、一端にク
ロルシラン基を有し他端にフッ化炭素又は炭化水素鎖を
含むクロルシラン系界面活性剤を含有する非水系溶液に
接触させると、繊維表面の親水性基とクロルシラン基と
が脱塩酸反応し、親水性の紙繊維表面にクロルシラン系
界面活性剤が化学吸着して、末端にフッ化炭化水素基を
含む場合には撥水性で且つ撥油性化され、また、末端に
炭化水素基を含む場合には撥水性で且つ親油性化された
紙が得られる。なお、化学繊維製の紙や合成紙のように
表面に親水性基の密度が低い場合には、表面をプラズマ
処理して親水性化すればよい。
維表面に水酸基等の親水性基を含む。そこで、一端にク
ロルシラン基を有し他端にフッ化炭素又は炭化水素鎖を
含むクロルシラン系界面活性剤を含有する非水系溶液に
接触させると、繊維表面の親水性基とクロルシラン基と
が脱塩酸反応し、親水性の紙繊維表面にクロルシラン系
界面活性剤が化学吸着して、末端にフッ化炭化水素基を
含む場合には撥水性で且つ撥油性化され、また、末端に
炭化水素基を含む場合には撥水性で且つ親油性化された
紙が得られる。なお、化学繊維製の紙や合成紙のように
表面に親水性基の密度が低い場合には、表面をプラズマ
処理して親水性化すればよい。
【0008】本発明の紙は、クロルシラン系界面活性剤
を繊維表面に化学吸着することによって撥水性で且つ撥
油性もしくは撥水性で且つ親油性が付与されている。こ
のような化学吸着膜は単分子膜一層でも充分機能を発揮
する。単分子膜一層だけを化学吸着させるには、クロル
シラン系界面活性剤を親水性紙に接触した後非水系有機
溶媒で洗浄することにより、未反応の界面活性剤を洗浄
除去する手法を採る。しかしながら、本発明の紙では化
学吸着された膜が必ずしも単分子膜である必要はなく、
ポリマー状の化学吸着薄膜であっても基本的目的は達成
できる。
を繊維表面に化学吸着することによって撥水性で且つ撥
油性もしくは撥水性で且つ親油性が付与されている。こ
のような化学吸着膜は単分子膜一層でも充分機能を発揮
する。単分子膜一層だけを化学吸着させるには、クロル
シラン系界面活性剤を親水性紙に接触した後非水系有機
溶媒で洗浄することにより、未反応の界面活性剤を洗浄
除去する手法を採る。しかしながら、本発明の紙では化
学吸着された膜が必ずしも単分子膜である必要はなく、
ポリマー状の化学吸着薄膜であっても基本的目的は達成
できる。
【0009】また、本発明の紙に予めクロロシリル結合
を複数個含む物質を接触させた後水と反応させることに
より紙の繊維表面にシロキサン結合を多数含むシロキサ
ン系の化学吸着膜が形成でき、紙表面の親水性基の密度
を増加させることができる。このクロロシリル結合を複
数個含む物質よりできた層も、前述したのと同じように
単分子膜でも充分機能を発揮できるが、必ずしも単分子
膜である必要はない。ただし、単分子膜とするために
は、クロロシリル結合を複数個含む物質を親水性紙に接
触させた後非水系有機溶媒で洗浄し、しかる後水と反応
させてシラノール化させることにより、シラノール基を
複数個含む化学吸着単分子膜が形成できる。
を複数個含む物質を接触させた後水と反応させることに
より紙の繊維表面にシロキサン結合を多数含むシロキサ
ン系の化学吸着膜が形成でき、紙表面の親水性基の密度
を増加させることができる。このクロロシリル結合を複
数個含む物質よりできた層も、前述したのと同じように
単分子膜でも充分機能を発揮できるが、必ずしも単分子
膜である必要はない。ただし、単分子膜とするために
は、クロロシリル結合を複数個含む物質を親水性紙に接
触させた後非水系有機溶媒で洗浄し、しかる後水と反応
させてシラノール化させることにより、シラノール基を
複数個含む化学吸着単分子膜が形成できる。
【0010】本発明の紙に供されるフッ化炭素基を含む
クロルシラン系界面活性剤としては、例えばCF3(CF2)
7(CH2)2SiCl3,CF3CH2O(CH2)15SiCl3,CF3(CH2)2Si(C
H3)2(CH2)15SiCl3,F(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiC
l3,F(CF2)8(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3,CF3COO(CH2)
15SiCl3,CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3等のようなトリクロル
シラン系界面活性剤がある。さらにCF3(CF2)7(CH2)2SiC
ln(CH3)3-n,CF3(CF2)7(CH2)2SiCln(C2H5)3-n,CF3CH2O
(CH2)15SiCln(CH3)3-n,CF3CH2O(CH2)15SiCln(C
2H5)3-n,CF3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCln(CH3)3-n,F
(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCln(C2H5)3-n,F(CF2)
8(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCln(CH3)3-n,CF3COO(CH2)15S
iCln(CH3)3-n,CF3(CF2)5(CH2)2SiCln(CH3)3-n(但し式
中のnは何れも1又は2)等のような低級アルキル基置
換のモノクロルシラン系あるいはジクロルシラン系界面
活性剤が挙げられる。また、本発明に供される炭化水素
鎖を含むクロルシラン系界面活性剤としては、例えばCH
3(CH2)18SiCl3,CH3(CH2)15SiCl3,CH3(CH2)10SiCl3,C
H3(CH2)25SiCl3等のようなトリクロルシラン系界面活性
剤がある。さらに、CH3(CH2)18SiCln(CH3)3-n,CH3(C
H2)18SiCln(C2H5)3-n,CH3(CH2)15SiCln(CH3)3-n,CH
3(CH2)10SiCln(CH3)3-n,CH3(CH2)25SiCln(C2H5)3-n等
のような低級アルキル基置換のモノクロルシラン系ある
いはジクロルシラン系界面活性剤が挙げられる。これら
の中でも、特にトリクロルシラン系界面活性剤を用いる
と隣合う分子のクロルシラン基とも脱塩酸反応してシロ
キサン結合を形成するため、より強固な化学吸着膜とな
り好ましい。
クロルシラン系界面活性剤としては、例えばCF3(CF2)
7(CH2)2SiCl3,CF3CH2O(CH2)15SiCl3,CF3(CH2)2Si(C
H3)2(CH2)15SiCl3,F(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiC
l3,F(CF2)8(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCl3,CF3COO(CH2)
15SiCl3,CF3(CF2)5(CH2)2SiCl3等のようなトリクロル
シラン系界面活性剤がある。さらにCF3(CF2)7(CH2)2SiC
ln(CH3)3-n,CF3(CF2)7(CH2)2SiCln(C2H5)3-n,CF3CH2O
(CH2)15SiCln(CH3)3-n,CF3CH2O(CH2)15SiCln(C
2H5)3-n,CF3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCln(CH3)3-n,F
(CF2)4(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCln(C2H5)3-n,F(CF2)
8(CH2)2Si(CH3)2(CH2)9SiCln(CH3)3-n,CF3COO(CH2)15S
iCln(CH3)3-n,CF3(CF2)5(CH2)2SiCln(CH3)3-n(但し式
中のnは何れも1又は2)等のような低級アルキル基置
換のモノクロルシラン系あるいはジクロルシラン系界面
活性剤が挙げられる。また、本発明に供される炭化水素
鎖を含むクロルシラン系界面活性剤としては、例えばCH
3(CH2)18SiCl3,CH3(CH2)15SiCl3,CH3(CH2)10SiCl3,C
H3(CH2)25SiCl3等のようなトリクロルシラン系界面活性
剤がある。さらに、CH3(CH2)18SiCln(CH3)3-n,CH3(C
H2)18SiCln(C2H5)3-n,CH3(CH2)15SiCln(CH3)3-n,CH
3(CH2)10SiCln(CH3)3-n,CH3(CH2)25SiCln(C2H5)3-n等
のような低級アルキル基置換のモノクロルシラン系ある
いはジクロルシラン系界面活性剤が挙げられる。これら
の中でも、特にトリクロルシラン系界面活性剤を用いる
と隣合う分子のクロルシラン基とも脱塩酸反応してシロ
キサン結合を形成するため、より強固な化学吸着膜とな
り好ましい。
【0011】さらに、本発明に供されるクロロシリル基
を複数個含む物質としては、例えばSiCl4、SiH
Cl3、SiH2Cl2、Cl−(SiCl2O)n−Si
Cl3(但し式中nは自然数)、SiClm(C
H3)4-m、SiClm(C2H5)4-m(但し式中mは1〜
3の整数)、HSiCll(CH3)3-l、HSiCl
l(C2H5)3-l(但し式中lは1又は2)等が挙げられ
る。この中でもSiCl4、SiHCl3、SiH2C
l2、Cl−(SiCl2O)n−SiCl3が反応性の点
で好ましく、特にSiCl4は反応性が高く分子量も小
さいためより高密度にシラノール基を付与できるため好
ましい。
を複数個含む物質としては、例えばSiCl4、SiH
Cl3、SiH2Cl2、Cl−(SiCl2O)n−Si
Cl3(但し式中nは自然数)、SiClm(C
H3)4-m、SiClm(C2H5)4-m(但し式中mは1〜
3の整数)、HSiCll(CH3)3-l、HSiCl
l(C2H5)3-l(但し式中lは1又は2)等が挙げられ
る。この中でもSiCl4、SiHCl3、SiH2C
l2、Cl−(SiCl2O)n−SiCl3が反応性の点
で好ましく、特にSiCl4は反応性が高く分子量も小
さいためより高密度にシラノール基を付与できるため好
ましい。
【0012】本発明の紙の製造方法では、抄紙工程を経
た紙を直接クロルシラン系界面活性剤溶液に浸漬するだ
けで撥水性で且つ撥油性処理又は撥水性で且つ親油性処
理された紙が得られる。なお、クロルシラン系界面活性
剤は親水性基の活性水素に優先的に化学吸着するため、
一般に抄紙した紙の繊維自体に化学吸着するが、例えば
サイズ剤等に活性水素がある場合にはサイズ剤等にも化
学吸着する。
た紙を直接クロルシラン系界面活性剤溶液に浸漬するだ
けで撥水性で且つ撥油性処理又は撥水性で且つ親油性処
理された紙が得られる。なお、クロルシラン系界面活性
剤は親水性基の活性水素に優先的に化学吸着するため、
一般に抄紙した紙の繊維自体に化学吸着するが、例えば
サイズ剤等に活性水素がある場合にはサイズ剤等にも化
学吸着する。
【0013】本発明に供される溶媒としては、例えばヘ
キサデカン,トルエン,キシレン,ジクロロヘキシル,
四塩化炭素,クロロホルム等の非水系有機溶媒である。
キサデカン,トルエン,キシレン,ジクロロヘキシル,
四塩化炭素,クロロホルム等の非水系有機溶媒である。
【0014】本発明に関する撥水性で且つ撥油性の紙と
して、包装用紙、紙パック、紙コンテナー、または撥水
性で且つ親油性紙として包装用紙、紙パック、紙コンテ
ナー、印刷用紙等で代表される高性能撥水性で且つ撥油
性または撥水性で且つ親油性紙があるが、以下代表例と
して包装用紙を取り上げ順に説明する。
して、包装用紙、紙パック、紙コンテナー、または撥水
性で且つ親油性紙として包装用紙、紙パック、紙コンテ
ナー、印刷用紙等で代表される高性能撥水性で且つ撥油
性または撥水性で且つ親油性紙があるが、以下代表例と
して包装用紙を取り上げ順に説明する。
【0015】実施例1 抄紙加工の終了したセルロース製包装用紙1を準備し、
フッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質としてCF
3(CF2)7(CH2)2SiCl3を、80%n-ヘキサデカン、12
%四塩化炭素、8%クロロホルムの非水系の混合溶媒
に、10%の濃度で溶かした化学吸着溶液を調整し、紙
1を2時間程度浸漬すると、紙1のセルロース繊維表面
の水酸基とフッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質
のSiCl基とが脱塩酸反応して、紙1のセルロース繊
維表面全面に亘り図1に示したような(化1)の結合が
生成され、
フッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質としてCF
3(CF2)7(CH2)2SiCl3を、80%n-ヘキサデカン、12
%四塩化炭素、8%クロロホルムの非水系の混合溶媒
に、10%の濃度で溶かした化学吸着溶液を調整し、紙
1を2時間程度浸漬すると、紙1のセルロース繊維表面
の水酸基とフッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質
のSiCl基とが脱塩酸反応して、紙1のセルロース繊
維表面全面に亘り図1に示したような(化1)の結合が
生成され、
【0016】
【化1】
【0017】フッ化炭素基を含む撥水性の化学吸着膜2
が紙の繊維の表面と化学結合した状態でおよそ15Åの
膜厚で形成できた。この包装用紙は、撥水性で且つ撥油
性であり、紙本来の光沢や感触は損なわれていなかっ
た。
が紙の繊維の表面と化学結合した状態でおよそ15Åの
膜厚で形成できた。この包装用紙は、撥水性で且つ撥油
性であり、紙本来の光沢や感触は損なわれていなかっ
た。
【0018】この紙を用い実使用を試みたが、処理しな
いものに比べ汚物の付着を大幅に低減でき、たとえ付着
した場合にもブラシ等でこする程度で簡単に除去でき
た。また、撥水性があり油脂分汚れでも除去は水洗のみ
で可能であった。
いものに比べ汚物の付着を大幅に低減でき、たとえ付着
した場合にもブラシ等でこする程度で簡単に除去でき
た。また、撥水性があり油脂分汚れでも除去は水洗のみ
で可能であった。
【0019】なお、このとき化学吸着用界面活性剤とし
て、例えばCH3(CH2)18SiCl3のような炭化水素鎖を含む
試薬を用いれば、撥水性と親油性を備え、紙本来の光沢
や感触を損なわない紙が得られた。
て、例えばCH3(CH2)18SiCl3のような炭化水素鎖を含む
試薬を用いれば、撥水性と親油性を備え、紙本来の光沢
や感触を損なわない紙が得られた。
【0020】実施例2 親水性ではあるが水酸基を含む割合が少ないポリプロピ
レン系の合成紙を300W10分程度プラズマ処理して
図2に示したように繊維11の表面に水酸基(以下OH
基と称す)12を形成させてある程度親水化した。次
に、トリクロロシリル基を複数個含む物質としてSiC
l4を用い、非水系溶媒であるクロロホルムに1重量パ
ーセント溶解した化学吸着溶液に30分間程度浸漬する
と、紙の繊維11表面に存在する親水性のOH基12と
Si−Cl結合とが表面で脱塩酸反応して、トリクロロ
シリル基を複数個含む物質よりできた(化2)で示され
るクロロシラン化学吸着膜が−SiO−結合を介して繊
維11の表面に固定された。
レン系の合成紙を300W10分程度プラズマ処理して
図2に示したように繊維11の表面に水酸基(以下OH
基と称す)12を形成させてある程度親水化した。次
に、トリクロロシリル基を複数個含む物質としてSiC
l4を用い、非水系溶媒であるクロロホルムに1重量パ
ーセント溶解した化学吸着溶液に30分間程度浸漬する
と、紙の繊維11表面に存在する親水性のOH基12と
Si−Cl結合とが表面で脱塩酸反応して、トリクロロ
シリル基を複数個含む物質よりできた(化2)で示され
るクロロシラン化学吸着膜が−SiO−結合を介して繊
維11の表面に固定された。
【0021】
【化2】
【0022】その後、例えば非水系の溶媒であるクロロ
ホルムで洗浄して紙の繊維と未反応のSiCl4を洗浄
除去し単分子吸着膜化し、さらに水で洗浄すると(化
2)で示した膜のSiCl基と水が脱塩酸反応して紙の
繊維表面に(化3)で示したようなシラノール基を複数
個有するシロキサン単分子膜13が図3に示したように
得られる。
ホルムで洗浄して紙の繊維と未反応のSiCl4を洗浄
除去し単分子吸着膜化し、さらに水で洗浄すると(化
2)で示した膜のSiCl基と水が脱塩酸反応して紙の
繊維表面に(化3)で示したようなシラノール基を複数
個有するシロキサン単分子膜13が図3に示したように
得られる。
【0023】
【化3】
【0024】なお、このときできたシロキサン単分子膜
13は、紙の繊維とは−SiO−の化学結合を介して完
全に共有結合されているので剥がれることが無い。ま
た、得られた単分子膜は表面にSiOH結合を数多く持
ち、水酸基の数は当初のおよそ3倍程度生成される。
13は、紙の繊維とは−SiO−の化学結合を介して完
全に共有結合されているので剥がれることが無い。ま
た、得られた単分子膜は表面にSiOH結合を数多く持
ち、水酸基の数は当初のおよそ3倍程度生成される。
【0025】この後実施例1と同様にして、フッ化炭素
基及びクロロシラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
に、表面にSiOH結合を数多く持つ単分子膜13が形
成された紙11を1時間程度浸漬すると、紙の繊維表面
に(化4)の結合が生成され、図4に示したようにフッ
化炭素基を含む化学吸着膜14が下層のシロキサン単分
子膜13と共有結合した状態で、紙11の繊維表面全面
に亘りおよそ15Åの膜厚で形成できた。なお、この紙
は撥水性で且つ撥油性であり、紙本来の光沢や感触は処
理前と全く変わらなかった。
基及びクロロシラン基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒
に、表面にSiOH結合を数多く持つ単分子膜13が形
成された紙11を1時間程度浸漬すると、紙の繊維表面
に(化4)の結合が生成され、図4に示したようにフッ
化炭素基を含む化学吸着膜14が下層のシロキサン単分
子膜13と共有結合した状態で、紙11の繊維表面全面
に亘りおよそ15Åの膜厚で形成できた。なお、この紙
は撥水性で且つ撥油性であり、紙本来の光沢や感触は処
理前と全く変わらなかった。
【0026】
【化4】
【0027】また、同様にシロキサン単分子膜13を形
成した合成紙11に炭化水素鎖を含むクロルシラン系界
面活性剤としてCH3(CH2)18SiCl3を用いて化学吸着を行
うと、撥水性で且つ親油性処理された合成紙が得られ
た。
成した合成紙11に炭化水素鎖を含むクロルシラン系界
面活性剤としてCH3(CH2)18SiCl3を用いて化学吸着を行
うと、撥水性で且つ親油性処理された合成紙が得られ
た。
【0028】なお、上記実施例1および2では同一のフ
ッ化炭素基を含むクロルシラン系界面活性剤を用いた例
を示したが、本発明の紙はこの界面活性剤に限定される
ものではなく、他の化学吸着剤を用いても同様の効果が
得られたことは言うまでもない。また、上記実施例1お
よび2は何れもトリクロルシラン系界面活性剤を用いた
例であるが、ジクロルシラン系界面活性剤あるいはモノ
クロルシラン系界面活性剤でもその効果は同様である。
さらに、本実施例1および2では何れも最表面にクロル
シラン系界面活性剤を用いて化学吸着単分子膜を形成し
た例を示したが、単分子累積膜でもよく、また特に単分
子膜化する必要もないことは勿論である。また、実施例
2ではクロロシリル結合を複数個含む物質を用いてシロ
キサン単分子膜を形成した例を示したが、本発明の紙で
適応されるクロロシリル結合を複数個有する物質で作ら
れた膜が単分子膜である必要は必ずしもなく、シロキサ
ン結合をたくさん含むシロキサン系の化学吸着膜であれ
ばよい。さらに、実施例2ではポリプロピレン合成紙の
場合について述べたが、クロロシリル結合を複数個有す
る物質の適用は合成紙に限定されるものではなく、化学
繊維を主体とした紙を始め、パルプ紙であっても表面の
親水性基の密度を調製する目的等多用な処理用途があ
る。
ッ化炭素基を含むクロルシラン系界面活性剤を用いた例
を示したが、本発明の紙はこの界面活性剤に限定される
ものではなく、他の化学吸着剤を用いても同様の効果が
得られたことは言うまでもない。また、上記実施例1お
よび2は何れもトリクロルシラン系界面活性剤を用いた
例であるが、ジクロルシラン系界面活性剤あるいはモノ
クロルシラン系界面活性剤でもその効果は同様である。
さらに、本実施例1および2では何れも最表面にクロル
シラン系界面活性剤を用いて化学吸着単分子膜を形成し
た例を示したが、単分子累積膜でもよく、また特に単分
子膜化する必要もないことは勿論である。また、実施例
2ではクロロシリル結合を複数個含む物質を用いてシロ
キサン単分子膜を形成した例を示したが、本発明の紙で
適応されるクロロシリル結合を複数個有する物質で作ら
れた膜が単分子膜である必要は必ずしもなく、シロキサ
ン結合をたくさん含むシロキサン系の化学吸着膜であれ
ばよい。さらに、実施例2ではポリプロピレン合成紙の
場合について述べたが、クロロシリル結合を複数個有す
る物質の適用は合成紙に限定されるものではなく、化学
繊維を主体とした紙を始め、パルプ紙であっても表面の
親水性基の密度を調製する目的等多用な処理用途があ
る。
【0029】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明はきわめ
て薄いナノメータレベルの膜厚のフッ化炭素系化学吸着
膜や炭化水素系化学吸着膜を紙の繊維表面に形成するた
め、紙本来の光沢を損なうことがない。また、このフッ
化炭素系単分子膜は撥水性で且つ撥油性にも優れてお
り、紙表面の防汚効果を高めることが可能となる。ま
た、炭化水素系単分子膜を吸着した紙では撥水性で且つ
親油性が優れているので、油性インクを用いた印刷用の
紙として使用するとインクの乗りがよく、きわめて好都
合である。
て薄いナノメータレベルの膜厚のフッ化炭素系化学吸着
膜や炭化水素系化学吸着膜を紙の繊維表面に形成するた
め、紙本来の光沢を損なうことがない。また、このフッ
化炭素系単分子膜は撥水性で且つ撥油性にも優れてお
り、紙表面の防汚効果を高めることが可能となる。ま
た、炭化水素系単分子膜を吸着した紙では撥水性で且つ
親油性が優れているので、油性インクを用いた印刷用の
紙として使用するとインクの乗りがよく、きわめて好都
合である。
【図1】本発明の実施例1を説明するためのものであ
り、紙繊維の表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
り、紙繊維の表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
【図2】本発明の別の実施例2を説明するためのもので
あり、親水性化処理を施した紙繊維の表面を分子レベル
まで拡大した断面概念図
あり、親水性化処理を施した紙繊維の表面を分子レベル
まで拡大した断面概念図
【図3】本発明の別の実施例2を説明するためのもので
あり、クロロシリル基を複数個有する物質を化学吸着し
た紙繊維表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
あり、クロロシリル基を複数個有する物質を化学吸着し
た紙繊維表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
【図4】本発明の別の実施例2を説明するためのもので
あり、紙繊維表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
あり、紙繊維表面を分子レベルまで拡大した断面概念図
1 包装用紙 2 化学吸着膜 11 合成紙 12 水酸基 13 シロキサン単分子膜 14 化学吸着膜
Claims (9)
- 【請求項1】 撥水性基及びシロキサン結合を含む化学
吸着膜が、そのシロキサン結合を介して紙の表面に形成
されていることを特徴とした撥水性の紙。 - 【請求項2】 撥水性基がフッ化炭素基である請求項1
記載の撥水性の紙。 - 【請求項3】 撥水性基が炭化水素基である請求項1記
載の撥水性の紙。 - 【請求項4】 一端にクロルシラン基を有し他端に撥水
性基を有するクロルシラン系界面活性剤を溶かした有機
溶媒に、親水性の紙を接触させることにより、紙の表面
に化学吸着膜を形成する化学吸着膜形成工程を含むこと
を特徴とする撥水性の紙の製造方法。 - 【請求項5】 撥水性基がフッ化炭素基である請求項4
記載の撥水性の紙の製造方法。 - 【請求項6】 撥水性基が炭化水素基である請求項4記
載の撥水性の紙の製造方法。 - 【請求項7】 化学吸着膜形成工程の前に、クロロシリ
ル結合を複数個含む物質を含む非水系溶液に親水性紙を
接触させる接触工程と、水と反応させて前記親水性紙上
の前記物質のクロロシリル結合をシラノール結合に置換
するシラノール基形成工程とを介在させ、紙の表面にシ
ラノール基及び化学吸着膜を累積形成する請求項4〜6
のいずれかに記載の撥水性の紙の製造方法。 - 【請求項8】 接触工程とシラノール基形成工程との間
に、親水性紙上に残った未反応のクロロシリル結合を複
数個含む物質を洗浄除去する洗浄工程を設ける請求項7
記載の撥水性の紙の製造方法。 - 【請求項9】 クロロシリル結合を複数個含む物質が、
SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、Cl−(Si
Cl2O)n−SiCl3(nは整数)の何れかである請
求項7又は8に記載の撥水性の紙の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3008322A JPH0826520B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 撥水性の紙およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3008322A JPH0826520B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 撥水性の紙およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04245999A JPH04245999A (ja) | 1992-09-02 |
| JPH0826520B2 true JPH0826520B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=11689936
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3008322A Expired - Fee Related JPH0826520B2 (ja) | 1991-01-28 | 1991-01-28 | 撥水性の紙およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0826520B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101100821B (zh) * | 2007-07-04 | 2010-05-26 | 中国科学院长春应用化学研究所 | 超疏水棉纤维材料或超疏水纸纤维材料的制备方法及用途 |
| JP2009106240A (ja) * | 2007-10-31 | 2009-05-21 | Kagawa Gakusei Venture:Kk | 活魚収容用撥水紙及びそれを用いた活魚収容体 |
| US20120248034A1 (en) * | 2011-04-01 | 2012-10-04 | Lydall, Inc. | Methods of making and using liquid filter media |
-
1991
- 1991-01-28 JP JP3008322A patent/JPH0826520B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04245999A (ja) | 1992-09-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA2067435C (en) | Chemically adsorbed film and method of manufacturing the same | |
| CA2060294C (en) | Chemically absorbed film and method of manufacturing the same | |
| US20120041221A1 (en) | Fibrillar, nanotextured coating and method for its manufacture | |
| CA2054094A1 (en) | Chemically adsorbed monomolecular lamination film | |
| JP2506234B2 (ja) | 透光性基体の製造方法 | |
| EP0511657B1 (en) | Hydrophilic chemically adsorbed film and method of manufacturing the same | |
| JPH0826520B2 (ja) | 撥水性の紙およびその製造方法 | |
| JPH0818336B2 (ja) | 成形用部材およびその製造方法 | |
| JP5358769B2 (ja) | 撥水撥油防汚性アパレル製品とその製造方法 | |
| JP2500816B2 (ja) | 化学吸着膜の製造方法 | |
| JP3007436B2 (ja) | シロキサン系分子膜 | |
| JPH04250158A (ja) | 人工関節およびその製造方法 | |
| JP3292213B2 (ja) | 高分子成形体 | |
| JPH0791402B2 (ja) | 高分子組成物の製造方法 | |
| JP2008024759A (ja) | 機能性樹脂基体およびその製造方法 | |
| JP2996536B2 (ja) | 水 着 | |
| JP2951759B2 (ja) | 絶縁碍子 | |
| JPH05193056A (ja) | 撥水撥油性基材及び基材表面の撥水撥油処理方法 | |
| JP2007106819A (ja) | 機能性樹脂基体およびその製造方法 | |
| JP3929142B2 (ja) | 有機単分子薄膜の製造方法 | |
| JP4967361B2 (ja) | 樹脂基体およびその製造方法 | |
| JP2008073915A (ja) | 樹脂基体およびその製造方法 | |
| JP2807451B2 (ja) | 透光性基体の製造方法 | |
| JP2008068469A (ja) | 機能性樹脂基体およびその製造方法 | |
| JPH0827563B2 (ja) | 電子写真装置及びその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |