JPH08266896A - 塩素除去用活性炭素繊維及び塩素除去方法 - Google Patents

塩素除去用活性炭素繊維及び塩素除去方法

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JPH08266896A
JPH08266896A JP7095901A JP9590195A JPH08266896A JP H08266896 A JPH08266896 A JP H08266896A JP 7095901 A JP7095901 A JP 7095901A JP 9590195 A JP9590195 A JP 9590195A JP H08266896 A JPH08266896 A JP H08266896A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速通水時でも圧力損失がほとんどなく、短い
接触時間でも優れた塩素除去能力を発揮し、水中、特に
35℃以上の温水中の遊離塩素を効率よく除去する活性
炭素繊維を提供すること、及び塩素で除去する方法を提
供する。 【構成】比表面積が800〜2500m2 /gで、カル
シウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムの内、1
種又は2種以上を総量として750ppm以上含有し、
X線光電子分光法(XPS)で測定される表面の官能基
量(O1S/C1S)比が0.10〜0.30であることを
特徴とする塩素除去用活性炭素繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水中の塩素除去用活性炭
素繊維、及び塩素除去方法に関するものである。更に詳
しくは、水中、特に温水中に含まれる遊離塩素を、高速
通水時も効率的に除去できる活性炭素繊維、及び活性炭
素繊維を用いた水中の塩素除去方法に関するものであ
る。具体的には、温水シャワ−、風呂水、業務用飲用冷
温水器、ジャ−ポット、温水通水可能な蛇口直結および
据置型飲料用浄水器での水中の塩素除去方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】水道水中には、殺菌に使用された塩素が
遊離塩素として残っており、飲用時及び洗髪、洗顔ある
いは人体の洗浄時に塩素臭を発生すると共に、温水中で
塩素は活性化し髪の毛あるいは皮膚に損傷を与えること
が認められ、温水中の塩素除去が望まれている。本発明
中で言う塩素とはこの遊離塩素を意味している。
【0003】水中の塩素除去としては、亜硫酸カルシウ
ムによる除去方法あるいは粒状及び繊維状の活性炭によ
る方法が知られている。亜硫酸カルシウムを使用した場
合、その一部が水中に溶出するため飲料用としては使用
が難しい。また、溶出した亜硫酸カルシウムが、経路に
析出して目詰まりを生ずるなどの問題もあり、通常の使
用には適しない。浄水器では粒状活性炭あるいは活性炭
素繊維(繊維状活性炭)での除去方法も検討されてい
る。また近年、ユ−ザ−より超小型化した浄水器の要望
が強く、吸着材との接触時間として1.2秒以下が必要
となっている。粒状活性炭を使用した場合、処理時の通
水速度が速い、即ち接触時間が短い場合には著しく塩素
除去性能が低下する。又粒状活性炭の圧力損失が高いた
め、元圧が低いと十分な水量が確保されないという問題
があった。
【0004】繊維状活性炭の使用が特開平6−3936
9号に開示されているが、pH調整水による再生、或は
断続的使用など使用方法が限定されている。また、活性
炭素繊維を用いて温水中の塩素を除去する方法が特開平
6−63540号に開示されているが、温水に適した活
性炭素繊維の構成を示すまでには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の活性炭、あるいは活性炭素繊維の上述した問題点を解
決し、高速通水時でも圧力損失がほとんどなく、短い接
触時間でも優れた塩素除去能力を発揮し、水中、特に温
水中の遊離塩素を、効率よく除去する活性炭素繊維を提
供することと、塩素を除去する方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
為、各種類の粒状活性炭および活性炭素繊維について水
中の塩素除去機構および温度依存性について鋭意検討し
た結果、下記の構成による本発明に到達した。
【0007】本発明の塩素除去用活性炭素繊維は、比表
面積が800〜2500m2 /gで、カルシウム、カリ
ウム、ナトリウム、マグネシウムの内、1種又は2種以
上を総量として750ppm以上含有し、X線光電子分
光法(XPS)で測定される表面の官能基量(O1S/C
1S)比が0.10〜0.30であることを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。水中の塩
素を除去する際の水の温度としては、好ましくは35℃
以上、より好ましくは40℃以上において本発明の活性
炭素繊維による塩素の除去性能は著しく向上し、少量で
よりコンパクト化したフィルタ−形状にて性能を維持す
ることができる。
【0009】活性炭素繊維の比表面積としては、800
〜2500m2 /gが適しており、特に、比表面積が9
00〜1500m2 /gであるポリアクリロニトリル系
活性炭素繊維が適している。比表面積が800m2 /g
より小さい場合は塩素除去性能が低下し、実用化が難し
い。2500m2 /gより大きい場合、活性炭素繊維の
繊維強度の低下の為、通水時に黒粉が発生するという問
題を生じ使用が困難である。
【0010】活性炭素繊維の表面の官能基量(O1S/C
1S)比は、X線光電子分析装置で測定される酸素
(O1s)ピ−クおよび炭素(C1S)ピ−クの比より求め
られる。本発明においては、O1S/C1Sは、0.10〜
0.30の範囲において著しい塩素除去効果が認められ
る。O1S/C1Sが0.10より小さい場合は、塩素除去
性能が低下し、また0.30より大きい場合は、活性炭
素繊維の繊維強度が低下し、微粉末化して目詰まりが生
じる問題が起こる。従来の活性炭素繊維は一般的にはO
1S/C1Sが低く、0.05〜0.15であり、O1S/C
1Sの調整においてO1S/C1Sを高く調整するためには、
下記の方法がある。 用いる活性炭素繊維前駆体の種類の選択、活性炭素繊
維前駆体の酸化による酸素含有量の調整方法。 活性炭素繊維を空気や酸素での200〜400℃での
加熱処理による酸化。 硝酸等の酸化性の鉱酸による処理。一方、O1S/C1S
が高すぎるため、低減化する場合には、下記の方法があ
る。 活性炭素繊維への500〜1300℃での窒素など不
活性ガスによる処理。 水素等の200〜900℃での還元処理。等の処理方
法を利用できる。
【0011】活性炭素繊維の種類としては、ポリアクリ
ロニトリル系、レ−ヨン系、フェノ−ル樹脂系、ピッチ
系のものが使用可能であるが、特にポリアクリロニトリ
ル系の活性炭素繊維が適している。繊維の直径が5〜3
0μmの活性炭素繊維繊維を、短繊維、不織布(フェル
トあるいはマット)、紙などの形態で充填して用いるこ
とが可能である。更に、上記の素材を熱成形加工したフ
ィルタ−成形体として用いることもできる。繊維直径が
5μmより小さい場合、フィルタ−の圧力損失が高くな
り、通水性が低下し、繊維直径が30μmより大きい場
合、塩素除去性能が低下してしまう。
【0012】前記フィルタ−の形態および通水方法の例
を図1及び図2に示す。図1において、2の支持材には
さまれた1の活性炭素繊維の形態としては、図1−aに
示すフェルト積層、図1−bに示すフェルトの海苔巻き
状円柱体、図1−cに示すカットファイバ−の成形体が
ある。支持材は活性炭素繊維層を固定するためのもので
あり、通水時に活性炭素繊維層の形状が保持されていれ
ば使用しなくても良い。支持材としては、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、レ−ヨン等の通常の不織布あるい
は樹脂製又は金属製のネットなどが用いられる。
【0013】図1−aの積層体としては、フェルト状活
性炭素繊維(活性炭素繊維をニ−ドルパンチによりフェ
ルト状加工した活性炭素繊維100%の不織布)を円盤
状に打ち抜き軸方向に積層したフェルト積層材、あるい
は活性炭素繊維と熱溶融繊維のカットファイバ−を湿式
または乾式にて混抄したシ−ト(活性炭素繊維50重量
%以上)を円盤状に打ち抜き同様に積層したシ−ト積層
材などがある。なお、積層体の形状としては、図1−a
の円柱状の他に、立方体、直方体等の形状でも構わな
い。
【0014】図1−bの基材としては、フェルト状活性
炭素繊維あるいは活性炭素繊維の混抄紙等を海苔巻き状
に丸めて円柱体が使用される。
【0015】図1−cは、活性炭素繊維のカットファイ
バ−と熱溶融繊維を湿式または乾式にて混合し、熱成形
した円柱状成形体である。活性炭素繊維の含有率は50
〜95%、カット長は0.5〜5mmが好ましい。な
お、成形体の形状としては、図1−cの円柱状の他に、
立方体、直方体等の形状でも構わない。
【0016】活性炭素繊維と混合、加工される熱溶融繊
維には、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン
/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステルの芯
さや繊維などが使用できる。
【0017】図2において、水道水は外側から円筒状の
活性炭素繊維層に導入され、中央の空洞部より遊離塩素
を除去された水が排出される。3の活性炭素繊維層の形
態としては、活性炭素繊維のフェルト又はシ−トを海苔
巻き状に巻いた成形体、あるいはカットファイバ−の成
形体が用いられる。4、5はプラスチック又は金属性の
平板であり、5の平板は円形のくりぬきが施されてい
る。6の円筒体は、内部に通水するために、多孔体であ
る。
【0018】通水速度としては、従来の浄水器に比べ高
速通水が可能であり、本発明の活性炭素繊維を用いれ
ば、SV値(1時間当たりの通過ガス量/基材の体積)
として3000〜12000hr-1、接触時間として
1.2〜0.3秒程度の高速で通水しても温水中の塩素
除去が可能である。
【0019】活性炭素繊維に含まれるカルシウム、カリ
ウム、ナトリウム、マグネシウムの1種又は2種以上が
総量として金属換算で750ppm以上含まれると、温
水中の遊離塩素除去効果が顕著になる。好ましくは78
0〜2000ppmが良く、750ppmより小さい場
合は遊離塩素除去効果が不充分になる。上記成分の含有
方法としては、例えば、ポリアクリロニトリル系活性炭
素繊維では、ポリアクリロニトリル繊維、あるいはポリ
アクリロニトリル酸化繊維に塩化カルシウム、炭酸カル
シウム等のカルシウム塩、塩化カリウム等のカリウム
塩、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム
等のナトリウム塩、塩化マグネシウム等のマグネシウム
塩を含有させ含有量を調整し、賦活することにより、本
発明の活性炭素繊維を得ることができる。
【0020】塩素の測定は、オルト・トリジン法にて行
った。具体的には、水中の塩素をオルト・トリジン試薬
と反応させ、黄色に発色した水溶液を、吸光光度計にて
吸光度を測定し、これより塩素濃度を算出する。
【0021】
【実施例1】表1に示す繊維直径12μmのポリアクリ
ロニトリル系活性炭素繊維、繊維直径18μmのフェノ
−ル系活性炭素繊維、および繊維直径15μmのピッチ
系活性炭素繊維のフェルトを直径34mmのカラムに各
3g充填した。(充填密度は0.1g/cm3 ) 活性炭素繊維のO1S/C1Sの調整は活性炭素繊維を35
0℃にて2〜10分加熱処理する方法にて行った。該カ
ラムに塩素濃度2ppmで水温45℃の原水を通水速度
2(l/min)にて通水(接触時間0.9秒)し、処
理水の塩素濃度が0.4ppmになるまでの総通水量を
測定した。その結果、表1に示すようにポリアクリロニ
トリル系活性炭素繊維では1700(l)、フェノ−ル
系活性炭素繊維では1050(l)、ピッチ系活性炭素
繊維では1300(l)の性能を示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【実施例2及び比較例1】比表面積1150m2 /gで
繊維直径10μmのポリアクリロニトリル系活性炭素繊
維(カルシウム350ppm、カリウム180ppm、
ナトリウム270ppm、マグネシウム180ppm,
O1S/C1S0.20)を3g、比表面積1900m2 /
gで粒径0.2mmの粒状活性炭11gを、それぞれ直
径34mmのカラムに充填した。活性炭素繊維のO1S/
C1Sは、空気中にて、350℃、5分間の処理にて、調
整した。該カラムに塩素濃度2ppmで水温15〜80
℃の原水を、通水速度2(l/min)にて通水(接触
時間0.9秒)し、処理水の塩素濃度0.4ppmにな
るまでの通水量を測定した。その結果を表2に示した。
また通水時の圧力損失は、活性炭素繊維では0.2kg
/cm2 、粒状活性炭では0.8kg/cm2 であっ
た。
【0024】
【表2】
【0025】
【実施例3及び比較例2】表3に示す比表面積及び金属
含有量のポリアクリロニトリル系活性炭素繊維を85部
と熱溶融繊維(ポリエステル/ポリプロレンの芯さや繊
維)15部を混合し、円筒形状に成形したフィルタ−
(内径16mm、外径40mm、高さ40mm、活性炭
素繊維重量4g)に、水温75℃で塩素濃度2ppmの
原水を通水し、処理水の塩素濃度0.4ppmになるま
での通水量を測定した。
【0026】
【表3】
【0027】
【実施例4】比表面積900m2 /gのポリアクリロニ
トリル系活性炭素繊維(カルシウム300ppm、カリ
ウム180ppm、ナトリウム150ppm、マグネシ
ウム150ppm、O1S/C1S0.23、カットファイ
バ−,2mmカット長)85部と熱溶融繊維(ポリエス
テル/ポリプロレンの芯さや繊維)15部を混合し、円
筒形に成形したフィルタ−(内径16mm,外径40m
m,高さ40mm、活性炭素繊維重量4g)に、水温7
5℃塩素濃度2ppmの原水を通水速度6(l/mi
n)通水(接触時間0.4秒)し、塩素濃度0.4pp
mまでの通水量を測定した。その結果、通水量は100
0(l)であった。
【0028】
【比較例3】比表面積900m2 /gのポリアクリロニ
トリル系活性炭素繊維(カルシウム250ppm、カリ
ウム20ppm、ナトリウム100ppm、マグネシウ
ム80ppm、カットファイバ−,2mmカット長、O
1S/C1S0.18)85部と熱溶融繊維(ポリエステル
/ポリプロレンの芯さや繊維)15部を混合し、円筒形
状に成形したフィルタ−(内径16mm,外径40m
m,高さ40mm、活性炭素繊維重量4g)に、水温7
5℃で塩素濃度2ppmの原水を通水速度6(l/mi
n)通水(接触時間0.4秒)し、塩素濃度0.4pp
mまでの通水量を測定した。その結果、通水量は550
(l)であった。
【0029】
【発明の効果】水、特に35℃以上の温水を本発明の活
性炭素繊維に通すことにより、水中に含まれる遊離塩素
が除去され、また活性炭素繊維への通水速度が速くても
圧力損失がほとんどなく、良好な塩素除去能力を発揮
し、その除去能力は長期に渡り持続させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性炭素繊維を用いた通水方法の断面
図である。 (1−a) 活性炭素繊維のフェルト積層体の斜視図で
ある。 (1−b) 活性炭素繊維の海苔巻き状円柱体の斜視図
である。 (1−c) 活性炭素繊維のカットファイバー成形体の
斜視図である。
【図2】中央に空洞部を設け、本発明の活性炭素繊維を
用いた通水方法の断面図である。 (2−a) 活性炭素繊維の海苔巻き状円柱体の斜視図
である。 (2−b) 活性炭素繊維のカットファイバー成形体の
斜視図である。
【符号の説明】
1,3 活性炭素繊維 2,7 支持材 4,5 平板 6 円筒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が800〜2500m2 /g
    で、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム
    の内、1種又は2種以上を総量として750ppm以上
    含有し、X線光電子分光法(XPS)で測定される表面
    の官能基量(O1S/C1S)比が0.10〜0.30であ
    ることを特徴とする塩素除去用活性炭素繊維。
  2. 【請求項2】 活性炭素繊維層を通過させて水中の塩素
    を除去する方法において、活性炭素繊維層が請求項1記
    載の活性炭素繊維からなることを特徴とする水中の塩素
    除去方法。
  3. 【請求項3】 活性炭素繊維層を通過させて水中の塩素
    を除去する方法において、水の温度が35℃以上で、活
    性炭素繊維層が請求項1記載の活性炭素繊維からなるこ
    とを特徴とする温水中の塩素除去方法。
  4. 【請求項4】 該活性炭素繊維がポリアクリロニトリル
    系活性炭素繊維で、比表面積900〜1500m2 /g
    であることを特徴とする請求項3記載の水中の塩素除去
    方法。
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