JPH0826841A - セラミックス接合体の製造方法およびセラミックス接合体 - Google Patents

セラミックス接合体の製造方法およびセラミックス接合体

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JPH0826841A
JPH0826841A JP15835294A JP15835294A JPH0826841A JP H0826841 A JPH0826841 A JP H0826841A JP 15835294 A JP15835294 A JP 15835294A JP 15835294 A JP15835294 A JP 15835294A JP H0826841 A JPH0826841 A JP H0826841A
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ceramic
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JP15835294A
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Miho Maruyama
美保 丸山
Seiichi Suenaga
誠一 末永
Shinji Arai
真次 荒井
Shinichi Nakamura
新一 中村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合の信頼性の向上、例えば接合力や高温強
度の向上を図ったセラミックス接合体の製造方法を提供
する。 【構成】 セラミックス層1と、少なくとも接合面近傍
層がセラミックスを分解し得る六方晶系の活性金属を含
む層により構成された金属層3とを、その接合界面に非
六方晶系構造安定化元素2を部分的に介在させて積層す
る。この積層体を真空中または不活性ガス雰囲気中にて
固相熱処理し、セラミックス層1と金属層3′とを接合
する。あるいは、セラミックス層と金属層またはセラミ
ックス層同士をろう材を介して積層し、ろう材の少なく
とも一部を溶融、凝固させて接合する。この接合工程に
引き続いて、凝固後のろう材層に固相熱処理を施し、ろ
う材層構成元素と融点向上元素とを反応させてろう材層
の融点を上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属/セラミックスや
セラミックス/セラミックス等のセラミックス接合体の
製造方法、およびそれを適用したセラミックス接合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス基体表面の金属化法(メタ
ライズ法)、あるいはセラミックス基体と金属基体また
はセラミックス基体同士の接合法としては、 Mo-Mn法、
DBC法、活性金属法等が知られている。 Mo-Mn法やD
BC法は、界面における化学結合力が低いため、接合体
に十分な強度や耐疲労性を付与することができないとい
う問題を有している。また、活性金属法は、Ti等の活性
金属のセラミックスに対する還元作用等を利用している
ため、界面における化学的結合性が得られるものであ
り、前述した方法に比べ良好な強度や耐疲労性が得られ
る。
【0003】上述した従来の活性金属法は、接合プロセ
スが容易である反面、活性金属を含むろう材を溶融さ
せ、このろう材の液相状態を利用してメタライズ層を形
成したり、セラミックス基体と金属基体等とを接合する
方法であるために、ろう材の融点を被接合部材の融点以
下にする必要があり、接合体(メタライズ体を含む)の
高温強度がろう材の融点に支配され、高温使用に適さな
いという欠点を有しており、さらにろう材の側面へのは
み出し等が生じ易く、微細なパターンを形成することが
困難であるという欠点を有していた。
【0004】一方、スパッタ法や蒸着法等の薄膜形成法
によって、セラミックス基体上にメタライズ層を形成す
る等の試みがなされている。例えば、薄膜形成法により
セラミックス基体上にTi等の活性金属膜を形成すること
が検討されている。このように、薄膜形成法を適用する
ことによって、微細なパターンを再現性よく形成するこ
とが可能となるものの、成膜しただけではメタライズ層
のセラミックス基体に対する結合力が弱く、十分な強度
や耐疲労性等が得られないという問題がある。また、セ
ラミックス基体上に活性金属膜を形成した後、真空中等
で固相熱処理を行うことによって、界面反応を起こさせ
て界面での化学結合を図り、密着性を高めることも検討
されている。この方法は界面におけるセラミックスの還
元反応を利用したものであるが、単に固相熱処理を施し
ただけでは、界面形状が比較的平坦であるために、十分
な結合強度が得られず、接合の信頼性を十分に高めるこ
とができない。また、接合のための熱処理が高温かつ長
時間となると、セラミックス基体とメタライズ層もしく
は金属基体との熱膨張差による応力歪等が増大し、接合
体の信頼性を低下させることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の固相熱処理反応を利用した接合法は、微細パターン等
の形状再現性には優れるものの、接合界面の形状が比較
的平坦であるために、セラミックス基体とメタライズ層
や金属基体との結合力を十分に高めることが難しく、十
分な信頼性を有する接合体(メタライズ体を含む)を得
ることができないという問題を有していた。また、活性
金属含有ろう材を用いたろう付け法は、容易な接合プロ
セスで接合体が得られる反面、高温強度がろう材に支配
されるために高温強度が劣り、同様に十分な信頼性を有
する接合体を得ることができないという問題を有してい
た。
【0006】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、本発明の主とする目的は、接合部の
信頼性の向上を図ったセラミックス接合体の製造方法お
よびセラミックス接合体を提供することにある。具体的
には、微細パターン等の形状再現性に優れると共に、接
合力を高めることにより信頼性の向上を図ることを可能
にしたセラミックス接合体の製造方法およびセラミック
ス接合体を提供すること、さらには接合プロセスが容易
であると共に、高温強度を高めることにより信頼性の向
上を図ることを可能にしたセラミックス接合体の製造方
法およびセラミックス接合体を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】本発明に関する第
1のセラミックス接合体の製造方法は、セラミックス層
と、少なくとも接合面近傍層が前記セラミックスを分解
し得る六方晶系の活性金属を含む層により構成された金
属層とを接合するにあたり、前記セラミックス層と金属
層とを、その接合界面に非六方晶系構造安定化元素を部
分的に介在させて積層する工程と、前記積層体を真空中
または不活性ガス雰囲気中にて固相熱処理し、前記セラ
ミックス層と金属層とを接合する工程とを具備すること
を特徴としている。
【0008】また、第1のセラミックス接合体は、セラ
ミックス層と、前記セラミックス層上に接合され、少な
くとも接合面近傍層の構成元素として活性金属を含む金
属層とを具備するセラミックス接合体であって、前記セ
ラミックス層と金属層との接合界面に、非六方晶系構造
安定化元素を含む六方晶系以外の結晶構造を有する還元
反応不活性相が部分的に介在されていると共に、前記還
元反応不活性相以外の部分が前記セラミックス層側に相
対的に突出した組織を有することを特徴としている。
【0009】本発明に関する第2のセラミックス接合体
の製造方法は、セラミックス層と金属層またはセラミッ
クス層同士を接合するにあたり、セラミックス層と金属
層またはセラミックス層同士をろう材を介して積層し、
前記ろう材の少なくとも一部を溶融、凝固させて、前記
セラミックス層と金属層または前記セラミックス層同士
を接合する工程と、前記接合工程に引き続いて、前記凝
固後のろう材層に固相熱処理を施し、前記ろう材層構成
元素と融点向上元素とを反応させて、前記ろう材層の融
点を前記ろう材の溶融温度より上昇させる工程とを具備
することを特徴としている。
【0010】また、第2のセラミックス接合体は、セラ
ミックス層と、前記セラミックス層上にろう材層を介し
て接合された金属層またはセラミックス層とを具備する
セラミックス接合体であって、前記ろう材層は、ろう材
としての溶融温度を超える融点を有する組成および/ま
たは化合物を有することを特徴としている。
【0011】まず、第1のセラミックス接合体の製造方
法について詳述する。第1の製造方法に用いるセラミッ
クス層としては、一般的なセラミックスの焼結体基体が
挙げられる。このセラミックス基体としては、通常の焼
結助剤等の添加物を含むものを用いることが可能である
が、後述するように固相拡散反応を利用することから、
できるだけ緻密度および純度の高いものを用いることが
好ましい。また、界面反応(セラミックスの分解・還元
反応等)を活性に起こし得るセラミックスとして、アル
ミナ、ムライト、チタニア、ジルコニア、カルシア、Zn
O、 STO等の酸化物系セラミックス基体や、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、TiN、BN、 FeN等の窒化物系セ
ラミックス基体を用いることが望ましい。用いるセラミ
ックス基体は、表面平滑性や清浄度の高いものが好まし
く、よって予めセラミックス基体表面に研摩等を施して
平滑性を高め、また接合前に脱脂処理等を施すことが好
ましい。また、表面清浄度を高める点から逆スパッタ処
理も有効である。
【0012】また、第1の製造方法に用いる金属層は、
接合相手部材であるセラミックスを分解し得ると共に、
この分解により生成した元素の拡散に優位である六方晶
系の活性金属を含む層により、少なくとも接合面近傍層
が構成されたものであればよい。上記活性金属としては
TiやZr等が例示され、これら活性金属は単体金属として
用いてもよいし、またそれらの合金やHfを含む合金、さ
らにはAg等との合金、もしくはそれらの積層膜等として
用いることも可能である。このような合金を用いる場合
には、活性金属の含有量を70重量% 以上とすることが好
ましい。すなわち、接合面近傍層を構成する活性金属を
含む層(以下、活性金属含有層と記す)としては、少な
くとも活性金属の含有量が70重量% 以上である層を用い
ることが好ましい。
【0013】第1の製造方法に用いる金属層の具体的な
構成例としては、例えば活性金属含有層単独で構成した
金属層、あるいは接合面近傍層となる活性金属含有層と
他の金属材料層とからなる金属層が例示される。なお、
接合面近傍層となる活性金属含有層は、後述するように
製造過程的にはセラミックス層上に形成してもよく、接
合時に金属層の接合面近傍層となっていればよい。
【0014】また、金属層の具体的な形態としては、蒸
着法やスパッタ法等の薄膜形成法により形成したもの、
あるいはバルク状の金属基体のいずれでもよい。すなわ
ち、活性金属含有層単独で構成した金属層について述べ
ると、活性金属含有層を薄膜形成法でセラミックス層上
に形成したものや、活性金属を含有するバルク状金属基
体等が挙げられる。また、活性金属含有層と他の金属材
料層とからなる金属層の場合には、活性金属含有層と他
の金属材料層とを順に薄膜形成法でセラミックス層上に
形成したもの、他の金属材料からなるバルク基体上に活
性金属含有層を薄膜形成法で形成したもの(製造過程的
にセラミックス層上に形成したものを含む)等が挙げら
れる。他の金属材料層としては、配線材料等として使用
し得るCu層等や、セラミックス基体の接合相手材となる
各種金属基体が挙げられる。
【0015】活性金属含有層の形成方法として薄膜形成
法を適用した場合、ろう材の箔やペースト等では得られ
ない加工精度と、低温域からの良好な密着性および反応
性を得ることができる。上記活性金属含有層は後に詳述
する結晶構造の制御により密着性を高めているため、従
来の単に薄膜形成法を利用した活性金属層より薄くする
ことができ、例えば 1nm〜 1μm 程度の厚さとすること
ができる。また、このような活性金属含有層上に、配線
材料等として使用し得るCu層等の他の金属材料層を予め
形成しておく場合には、下部の活性金属含有層まで界面
反応に寄与する酸素が十分に拡散し得る膜厚とすること
が好ましく、例えば 500μm 以下とすることが好まし
い。なお、他の金属材料層として金属基体を用いる場合
には、上記界面反応に寄与する酸素はセラミックス基体
や雰囲気中等から供給することができる。
【0016】上述したように、第1のセラミックス接合
体の製造方法は、セラミックス基体上にメタライズ層を
形成したメタライズ体、および金属基体とセラミックス
基体との接合体のいずれにも適用することができる。こ
のように、第1の発明におけるセラミックス接合体は、
メタライズ体と金属/セラミックス接合体の双方を含む
ものである。特に、微細パターン等の形状再現性に優れ
ること等から、メタライズ体の製造に好適である。
【0017】第1の製造方法においては、まず上述した
ようなセラミックス層と金属層とを、その接合界面に非
六方晶系構造安定化元素を部分的に介在させて積層す
る。非六方晶系構造安定化元素は、活性金属含有層中に
固溶して、その領域を六方晶以外の結晶構造に安定化さ
せる元素であり、上記六方晶以外の結晶構造とされた領
域(以下、非六方晶系領域と記す)は、界面反応生成物
の界面からの拡散が大幅に抑制される。上記非六方晶系
構造安定化元素としては、例えばTi等の活性金属に全率
固溶するMo、 V、Nb、Ta等の元素や、共析反応を起こす
Fe、Cr、Mn、Co、Ni等の元素が挙げられる。
【0018】このような非六方晶系構造安定化元素は、
セラミックス層と金属層との接合界面に部分的に介在さ
せればよく、例えばセラミックス層もしくは金属層上に
予めマスキング等を利用して部分的に成膜して非六方晶
系構造安定化元素の分散相を形成する。具体的には、セ
ラミックス層上に非六方晶系構造安定化元素の分散相、
さらに必要に応じて活性金属含有層や他の金属材料層を
薄膜形成法で順に形成したり、他の金属材料からなる金
属基体や活性金属含有金属基体上に活性金属含有層(活
性金属含有金属基体の場合には不要)および非六方晶系
構造安定化元素の分散相を薄膜形成法で順に形成する方
法等が挙げられる。セラミックス層と金属層との積層方
法は、用いる材料に応じて、薄膜積層や基材積層等を選
択すればよい。
【0019】非六方晶系構造安定化元素の分散相の形状
は、厚さが 100nm以下で、幅は 5nm〜10μm 程度とする
ことが好ましく、また接合界面における分散相の占有面
積率は 2〜 10%の範囲とすることが好ましい。非六方晶
系構造安定化元素の分散相の大きさがあまり大きいと、
セラミックス層に熱膨張差に起因する熱応力を及ぼすた
め、クラック等の欠陥を生じさせるおそれが大きくな
る。
【0020】次に、上記非六方晶系構造安定化元素の分
散相を介在させたセラミックス層と金属層との積層体に
対して固相熱処理を行う。この固相熱処理の昇温過程
で、まず非六方晶系構造安定化元素を金属層、特に活性
金属含有層内に拡散、固溶させると共に、活性金属含有
層中の活性金属を界面反応生成物の界面からの拡散を促
進する酸化物に相変化させる。
【0021】この際、予め活性金属含有層とセラミック
ス層との界面で反応が起らない温度で熱処理することに
よって、非六方晶系構造安定化元素の活性金属含有層内
への拡散、固溶と、界面反応生成物の拡散を促進する酸
化物の生成を行う予備熱処理工程を加えてもよい。ま
た、特に共析型の非六方晶系構造安定化元素を使用する
場合には、予め活性金属含有層内で共析反応が起ると共
に、該非六方晶系構造安定化元素が活性金属含有層に拡
散し得る温度以上で、かつ界面で反応が起らない温度以
下で熱処理することによって、共析型の非六方晶系構造
安定化元素を六方晶系の活性金属含有層中に拡散、固溶
させる工程を加えることが好ましい。非六方晶系構造安
定化元素が拡散、固溶した領域は、六方晶系以外の結晶
構造に相変化し、この非六方晶系領域が還元反応不活性
相となる。
【0022】例えば、活性金属としてTiを用い、かつ非
六方晶系構造安定化元素として全率固溶型のMoを用いた
場合では、部分的に形成したMoがTi中にわずか 1重量%
存在することで、Ti中に低温域においても体心立方型の
結晶構造のβ-Ti が存在し得るようになる。他の V、N
b、Ta等の非六方晶系構造安定化元素についても、同様
に Vで 2重量% 、Nbで 6重量% 、Taで10重量% 程度Ti中
に固溶すれば、低温域からβ-Ti が存在し得るようにな
る。
【0023】また、非六方晶系構造安定化元素として共
析型のFeを用いた場合を考えると、部分的に介在させた
Feが共析反応を起こす温度域で、Ti中にFeが0.05重量%
存在することで、Ti中に体心立方型の結晶構造のβ-Ti
が存在し得るようになる。共析反応が起こる温度は、非
六方晶系構造安定化元素毎に状態図を見れば明らかであ
るが、薄膜を用いた場合には、平衡状態図に示された温
度以下の温度でも共析反応が起こる場合がある。よっ
て、上述した共析型の非六方晶系構造安定化元素を拡
散、固溶させる予備熱処理の温度は、状態図をある程度
目安にしながら、非六方晶系構造安定化元素の分散相の
状態(薄膜の膜質等)等の条件によって、共析反応が起
り、例えば体心立方構造を有するβ-Ti が生成する温度
以上に設定することが好ましい。他のCr、Mn、Co、Ni等
の非六方晶系構造安定化元素についても同様で、Crで 1
重量% 、Mnで 1重量% 、Coで 1重量% 、Niで 0.5重量%
程度Ti中に固溶していれば共析反応が起り、β-Ti が存
在し得るようになる。
【0024】Tiと同じ六方晶系の結晶構造を有するTi2
O や TiOのような酸素結合数が少ないTi酸素物は、セラ
ミックスの分解・還元反応を促進する機能を有すると共
に、分解・還元反応により生成する金属元素等を高速で
拡散させる機能を有している。一方、β-Ti に酸素が固
溶して生成する酸化物は、反応を促進する機能を該六方
晶系の酸化物ほど有していない。これにより、その後に
行う固相熱処理において、両相では相対的に還元反応の
活性度(反応速度)が異なってくる。
【0025】上記したように、非六方晶系構造安定化元
素を、セラミックス層と金属層との界面に分散させて介
在させておくことにより、非六方晶系領域に基く還元反
応不活性相を接合界面に存在させることができ、これに
より接合界面での反応性に有為差をつけることが可能と
なる。
【0026】上述したような組織は、固相熱処理温度ま
での昇温過程等において、以下に示すような条件を満足
させることにより形成することができる。処理雰囲気
は、活性金属を酸化するために若干の酸素を含んでいる
必要があり、 0.1Pa以下の真空中またはAr等の不活性ガ
ス中に5%以下の酸素を含有させた雰囲気が好ましい。た
だし、 TiO2 のようなセラミックスを還元することがで
きない酸化物や化合物を形成しないような条件とする必
要がある。あるいは、成膜を行う際に、雰囲気中に酸素
を混入させた反応性スパッタ法等を用いることで、同様
の作用を有する活性金属の酸化物層を形成することが可
能である。また、活性金属含有層上に他の金属材料層を
形成しておく場合には、酸素を十分に下層の活性金属含
有層に拡散し得るような温度および時間で熱処理するこ
とが好ましい。この際に、他の金属材料層の組織とし
て、面方向に垂直な粒界を形成する等して、酸素の拡散
を促進するような組織とすることも好ましい。
【0027】活性金属含有層とセラミックス層とを強固
に結合させる界面反応(セラミックスの分解・還元反応
等)を起こさせるための固相熱処理は、さらに高温の熱
処理を必要とする。固相熱処理温度は、 600℃以上で金
属層の融点未満とすることが好ましい。熱処理温度が 6
00℃未満であると、活性金属含有層とセラミックス層と
の反応が十分に起きない。なお、セラミックス層への熱
衝撃を低減するためには、なるべく低温で処理すること
が好ましく、具体的には 650〜 900℃の範囲とすること
が好ましい。また、固相熱処理時間は、十分な界面反応
が得られる範囲内において短時間熱処理とすることが好
ましく、具体的には30分以下とすることが好ましい。
【0028】上記固相熱処理において、予め六方晶系の
結晶構造を有する活性金属が、昇温過程でセラミックス
の分解・還元反応を促進する酸化物に変化しているため
に、六方晶系の活性金属相ではセラミックスの分解・還
元反応が活性化される。これに対して、六方晶系以外の
結晶構造を有する活性金属相(非六方晶系領域)は、反
応生成物を拡散させる能力が六方晶系活性金属相に比べ
て低いため、セラミックスの分解・還元反応の速度は、
六方晶系活性金属相と比較すると相対的に低くなる。こ
のように、界面反応の活性度が両相の間で異なるため
に、六方晶系の活性金属相部分、すなわち非六方晶系構
造安定化元素を含む非六方晶系領域(還元反応不活性
相)以外の部分が相対的にセラミックス層側に突出した
組織が得られる。
【0029】このような凹凸を有する界面構造が形成さ
れることによって、反応面積自体が増加すると共に、ア
ンカー効果も生じることから、セラミックス層と金属層
特に活性金属含有層との接合強度が大幅に向上し、信頼
性の向上を図ることができる。六方晶系の酸化物相は、
還元反応が比較的低温度から活性に進行する。また、上
記六方晶系以外の結晶構造の相も反応速度は相対的に遅
いものの、還元反応が起こるために、セラミックス層と
の間で十分な密着性が得られる。
【0030】上述したような製造方法により得られる第
1のセラミックス接合体は、セラミックス層と金属層と
の接合界面に、非六方晶系構造安定化元素を含む六方晶
系以外の結晶構造を有する還元反応不活性相が部分的に
介在されたものとなる。そして、この還元反応不活性相
に基いて、還元反応不活性相以外の部分がセラミックス
層側に相対的に突出した組織を有することになり、上述
したように優れた接合強度が得られる。
【0031】第1のセラミックス接合体における金属層
は、少なくとも活性金属含有層の固相熱処理層を接合界
面近傍層として含むものであり、例えば活性金属含有層
の固相熱処理層単独のメタライズ層、あるいはその上に
予めCu層等の他の金属材料層を形成しておいた場合には
積層構造のメタライズ層となる。また、活性金属含有層
を他の金属材料からなる基体上に形成しておけば、ある
いは活性金属を少なくとも含有する金属基体を用いれ
ば、セラミックス層に接合された金属基体状の金属層と
なる。
【0032】また、活性金属含有層上にCu層等の任意の
他の金属材料層を形成した場合には、熱処理により互い
に反応および拡散が起こるため、層間の良好な密着性が
得られる。このような反応挙動によって、高い密着性を
有する金属層、例えばメタライズ層や接合金属基体をセ
ラミックス層上に形成することが可能となる。
【0033】本発明における第1のセラミックス接合体
は、例えば以下のような用途に好適である。すなわち、
回路基板材料等を得る場合には、配線あるいは回路パタ
ーンに合せてマスキングを行い、構造安定化元素の分散
相、活性金属含有層および必要に応じてCu層等を成膜し
た後、固相熱処理を行うことによって、容易に精密な配
線あるいはCu等の回路パターンを有する回路基板を得る
ことができる。また、リードピン等の接合を行う場合に
も、本発明の金属層上に容易に I/Oピンをろう接するこ
とができる。
【0034】次に、第2のセラミックス接合体の製造方
法について詳述する。第2の製造方法に用いるセラミッ
クス層は、前述した第1の製造方法と同様に、一般的な
セラミックスの焼結体基体を挙げることができる。ま
た、金属層は特に限定されるものではなく、各種の金属
基体を用いることができる。
【0035】また、ろう材としては、Ti、Zr、Hf等の活
性金属元素を含有するろう材を用いることが好ましい。
さらに、活性金属元含有ろう材は、合金ろう材として用
いることが好ましい。なぜなら、活性金属元素の融点は
一般に高く、合金として使用することによって、活性金
属元素単独の場合より融点を下げることができるためで
ある。
【0036】上述したような活性金属元含有ろう材のう
ち、特にAg-Cu-Ti、 Cu-Ti、 Ni-Ti等の共晶反応を利用
したろう材や、Au-Cu-Ti、Cu-Ti-Ni等の全率固溶合金に
活性金属を添加したろう材を用いることが好ましい。な
ぜなら、これら共晶ろう材や全率固溶型ろう材は、接合
工程において活性金属含有ろう材を比較的低温で溶融さ
せることができるためである。
【0037】第2の製造方法においては、まず上述した
ようなセラミックス層と金属層とを、あるいはセラミッ
クス層同士を、上記したようなろう材を介して積層す
る。ろう材を介在させる方法としては、セラミックス層
や金属層の接合面上にろう材を薄膜形成法で被着させる
方法を適用することが好ましい。このような薄膜ろう材
としては、活性金属と他の金属成分との合金膜や、これ
らの積層膜等が挙げられる。薄膜ろう材を用いることに
より、後述する融点向上元素を短時間で溶融、凝固後の
ろう材層内に拡散させることができる。
【0038】薄膜ろう材の形成方法としては、厚さ制御
が容易で良好な層形成が可能なスパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、電子ビーム蒸着法等を適用するこ
とが好ましい。また、薄膜ろう材の形成部位は、特に限
定されるものではないが、セラミックス層の接合面上に
形成することが好ましい。薄膜ろう材の厚さも特に規定
されるものではないが、 1μm 以下程度とすることが好
ましい。このような厚さとすることによって、融点向上
元素の拡散を容易にすることができる。なお、積層膜状
の薄膜ろう材を用いる場合には、接合材側に活性金属層
を形成し、その上に他の金属層を形成することが好まし
く、これにより成膜後の接合材と膜との密着性を良好に
することができる。
【0039】次に、上述したようなろう材を介して積層
したセラミックス層と金属層、あるいはセラミックス層
同士の積層体を、用いたろう材の溶融温度に応じた温度
で熱処理して、ろう材の少なくとも一部を溶融、凝固さ
せる。この凝固後のろう材層により、セラミックス層と
金属層またはセラミックス層同士を接合する。この接合
には、前述した第1の製造方法と同様に、活性金属元素
のセラミックス表面への活性作用を利用する。すなわ
ち、活性金属がセラミックス表面に向って拡散、吸着
し、次いでセラミックスを還元・分解する作用であり、
これによりセラミックス層と金属層との強固な接合が形
成される。この接合工程は、真空中または不活性ガス雰
囲気中で行うことが好ましく、これにより接合材と雰囲
気との不必要な反応を防止することができる。なお、こ
こで言うろう材層とは、ろう材を溶融、凝固した後に形
成される、接合を目的としたセラミックス層や金属層以
外に付加されている部位を指すものである。
【0040】第2の製造方法においては、上記接合工程
に引き続いて、凝固後のろう材層に固相熱処理を施し、
融点向上元素を拡散させてろう材層構成元素と反応さ
せ、ろう材層の融点を上昇させる。この工程を図4のA
−B状態図を用いて、共晶ろう材を用いた場合を例とし
て説明する。
【0041】一般に共晶ろう材は、図4に示すX点の組
成(融点:T1 )となるように、ろう材組成が調整され
ている。ここで、ろう材層を作製した後に、A−B元素
比が変化してろう材層の組成が共晶組成から矢印x方向
または矢印y方向にずれた場合、ろう材層が完全に溶融
する温度(θ1 +L→Lまたはθ2 +L→Lの反応温
度)は上昇する。今、完全にa組成またはb組成より外
側にろう材層の組成がずれた場合、ろう材層の融点をT
2 またはT3 以上まで上昇させることができる。第2の
製造方法においては、固相熱処理工程でろう材層構成元
素の少なくとも1つと後述する融点向上元素とを反応さ
せることにより、上述した機構による共晶組成等からの
ずれを利用して、ろう材層の融点を上昇させるものであ
る。固相熱処理工程は、ろう材層の組成が本来の共晶組
成等からずれればよいが、特に図4のa組成またはb組
成より外側にでるまで組成をずらすことが好ましい。つ
まり、用いたろう材の共晶反応外まで組成をずらすこと
が好ましい。こうすることにより、液相が生じる温度を
完全に上昇させることができる。
【0042】また、前述した共晶反応は、融点向上元素
を含めた三元系以上の多元系であってもよい。つまり、
ろう材層構成元素に融点向上元素を加えたことによる多
元系の共晶組成からのずれを利用して、融点を上昇させ
てもよい。例えば、 Ni-Tiの二元系ろう材の場合、酸素
を融点向上元素として利用し、 Ni-Ti-Oの三元系で反応
を起こさせ、三元系状態図における共晶反応からのずれ
を利用して、融点を上昇させることができる。全率固溶
型のろう材においても、当初のろう材組成からろう材層
の組成を所定の方向にずらすことにより、ろう材層の融
点を上昇させることができる。
【0043】第2の製造方法における融点向上元素とし
ては、ろう材層構成元素と反応して、ろう材層の融点を
固相熱処理前より上昇させることができる元素であれば
よいが、特に酸素、窒素、炭素等が好ましい。これらの
元素はろう材層中を拡散しやすく、また活性金属等のろ
う材層構成元素と酸化物、窒化物、炭化物等の高融点化
合物を形成しやすいためである。従って、ろう材本来の
共晶組成からのずれを生じさせると共に、上記したよう
な高融点化合物を生成することにより、ろう材層の融点
をより一層上昇させることができる。
【0044】酸素、窒素、炭素等の融点向上元素と反応
するろう材層構成元素は、二元素以上でもよい。例え
ば、Ag-Cu-Tiの三元系ろう材を使用する場合、酸素とTi
とCuを反応させて、Cu3 Ti3 O(空間群Fd3m)化合物等を
形成させ、当初のろう材組成からのずれを起させて、ろ
う材層の溶融温度を上昇させてもよい。さらに、融点向
上元素が二元素以上であってもよく、その供給方法が異
なっていてもよい。
【0045】融点向上元素の供給方法としては、セラミ
ックス構成元素を利用したり、あるいは雰囲気中から供
給する方法が挙げられる。活性金属法でセラミックスと
金属を接合する場合、活性金属元素がセラミックスを還
元する結果として、セラミックスが酸化物の場合には酸
素が、窒化物の場合には窒素が、炭化物の場合には炭素
がろう材中に拡散する。すなわち、界面におけるセラミ
ックスの還元・分解反応が継続する限り、ろう材内に酸
素、窒素、炭素等が拡散し続けることになり、この反応
は高温で加熱し続ける限り、ろう材の溶融・凝固後も引
き続いて進行する。その結果、ろう材層構成元素は酸素
含有化合物、窒素含有化合物、炭素含有化合物等を生成
する。このような高融点化合物の生成と本来のろう材組
成からずれとによって、ろう材層の融点が上昇する。
【0046】また、融点向上元素は、上記したように雰
囲気中から供給することもできる。この場合には、固相
熱処理時の雰囲気中の酸素、窒素、炭素等の分圧を調整
することによって、ろう材層内に酸素、窒素、炭素等の
融点向上元素を拡散させることができる。
【0047】ろう材層の溶融温度を上昇させる固相熱処
理の温度は、上述したような反応が固相反応で起こる温
度であればよく、特に限定されるものではないが、ろう
材本来の溶融温度より 30K低い温度以下で873K以上の温
度とすることが好ましい。ろう材本来の溶融温度より 3
0K低い温度より高いとろう材層が再溶融するおそれがあ
り、また873K未満の温度であると十分な反応速度が得ら
れない。
【0048】上述したような製造方法により得られる第
2のセラミックス接合体は、セラミックス層と金属層間
に存在するろう材層が、当初のろう材としての溶融温度
を超える融点を有する高融点組成や高融点化合物を有す
るものである。このようして、ろう材層の融点の高温度
化を図ることによって、接合体の高温強度を向上させる
ことが可能となる。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0050】実施例1 まず、図1(a)に示すように、純度99.99%の単結晶ア
ルミナ基板1上に、スパッタリング法により厚さ10nm、
直径 1μm のMoを分散させて部分的に成膜して、Mo分散
相2を形成した。Mo分散相2の面積は基板面積の5%程度
とした。次いで、上記Mo分散相2上を含めて単結晶アル
ミナ基板1の全面に、膜厚 100nmのTi膜3を成膜した
(図1(b))。この後、純度 98%のAr気流中にて、 1
073Kで20分間の熱処理を施して、目的とするメタライズ
体4(図1(c))を得た。
【0051】また、本発明との比較例として、Mo分散相
の形成を行わない以外は、上記実施例と同一条件でメタ
ライズ体を作製した。
【0052】これら実施例および比較例による各メタラ
イズ体の断面TEM観察およびEDX組成分析を行った
ところ、実施例によるメタライズ体4は、図1(c)に
模式的に示したように、Moが固溶して体心立方構造に安
定化されたTi-O相5(還元反応不活性相)が接合界面に
存在していると共に、それ以外の部分の六方晶系のTi-O
相3′が単結晶アルミナ基板1側に突出した組織が形成
されていることを確認した。
【0053】これは、まず固相熱処理の昇温過程で、Ti
膜3が酸化されつつ、Mo2が六方晶系のTi膜3中に拡
散、固溶し、この固溶領域がMoを含む体心立方構造のTi
-O相5とされると共に、それ以外の部分は六方晶系のTi
-O相3′となり、さらに 1073Kによる保持過程で、六方
晶系のTi-O相3′と単結晶アルミナ基板1との界面で、
単結晶アルミナ基板1の分解・還元反応が優先的に生じ
たためである。この優先的に生じた分解・還元反応の結
果として、単結晶アルミナ基板1と六方晶系のTi-O相
3′との界面に凹凸が生じたものである。
【0054】一方、比較例によるメタライズ体は、図2
に模式的に示すように、六方晶系のTi-O相3′と単結晶
アルミナ基板1との界面に著しい凹凸は認められなかっ
た。また、実施例および比較例による各メタライズ体の
メタライズ層の密着性を確認するために、スクラッチ試
験を行ったところ、実施例によるメタライズ体では15kg
f/mm2 の強度が得られたのに対し、比較例によるメタラ
イズ体では10kgf/mm2 程度の強度しか得られなかった。
【0055】実施例2 純度が 85%の多結晶アルミナ基板上に、蒸着法により厚
さ20nm、直径 4μm のV膜を分散させて部分的に成膜し
た。 V膜の成膜面積は基板面積の3%程度とした。次い
で、上記 V膜上を含めて多結晶アルミナ基板の全面に、
膜厚 300nmの10wt%Ti-Zr合金膜を成膜した。この後、
1.3×10-2Paの真空中にて、 1073Kで20分間の熱処理を
施し、目的とするメタライズ体を得た。
【0056】このようにして得たメタライズ体の断面T
EM観察およびEDX組成分析を行ったところ、図3に
模式的に示すように、多結晶アルミナ基板11と六方晶
系のZr-Ti-O膜12との接合界面に、 Vが固溶して体心
立方構造に安定化された Zr-Ti-O相13(還元反応不活
性相)が存在していると共に、それ以外の部分の六方晶
系の Zr-Ti-O膜12が多結晶アルミナ基板11側に突出
した組織が形成されていることを確認した。
【0057】実施例3 純度 99%の単結晶窒化アルミニウム基板上に、回路パタ
ーンに合せてマスクを配置した後、スパッタ法により厚
さ15nm、直径 500nmのFe膜を分散させて部分的に成膜し
た。Fe膜の成膜面積は、回路パターン面積の7%程度とし
た。次いで、マスクを配置したままの状態で、上記Fe膜
上を含めて単結晶窒化アルミニウム基板上に、膜厚 500
nmのTi膜を成膜した。この後、 1.3×10-5Paの真空中に
て、1173K で20分間の熱処理を施し、目的とするメタラ
イズ体を得た。
【0058】また、本発明との比較例として、Fe膜の形
成を行わない以外は、上記実施例と同一条件でメタライ
ズ体を作製した。
【0059】これら実施例および比較例による各メタラ
イズ体のメタライズ層の密着性を確認するために、スク
ラッチ試験を行ったところ、実施例によるメタライズ体
では15kgf/mm2 の試験で剥離しなかったのに対し、比較
例によるメタライズ体は同条件で剥離した。また、X線
回折を用いて反応生成物を調べたところ、実施例による
メタライズ体ではβ-Ti の生成が確認されたのに対し、
比較例によるメタライズ体ではβ-Ti の生成は確認され
なかった。
【0060】実施例4 純度が 98%の多結晶窒化アルミニウム基板上に、スパッ
タリング法により厚さ10nm、直径 2μm のNb膜を分散さ
せて部分的に成膜した。Nb膜の成膜面積は基板面積の3%
程度とした。次いで、上記Nb膜上を含めて多結晶窒化ア
ルミニウム基板の全面に膜厚 200nmのTi膜を成膜し、さ
らに厚さ 2.5μm のCu層をスパッタリング法で成膜し
た。この後、 0.1Paの真空中にて、973Kで25分間の熱処
理を施し、目的とするメタライズ体を得た。
【0061】このようにして得たメタライズ体の断面T
EM観察およびEDX組成分析を行ったところ、Nbが固
溶した領域以外のTi-O相部分が多結晶窒化アルミニウム
基板側に突出した組織が形成されていることを確認し
た。また、金属層間に欠陥等は見られず、良好な密着性
が得られていることが確認された。
【0062】また、上記メタライズ体におけるメタライ
ズ層(実質的にはCu層)の電気抵抗を 4端子法で測定し
たところ、Cuのバルク体に近い 1.7μΩ・cmという良好
な値が得られた。さらに、メタライズ層の熱伝導率を測
定したところ、積層金属膜自体で 350W/m K という良好
な値が得られた。このようなメタライズ体のメタライズ
層に I/Oピンをろう接する際には、Agのみを I/Oピンに
塗布するだけでろう接することが可能であった。
【0063】実施例5 純度 99%のアルミナ基体の接合面上に、スパッタリング
法によりTi、Cuの順に積層膜を成膜した。この薄膜ろう
材は、Ti 400nm、Cu 600nmの計1000nmの膜厚で、CuとTi
が原子比で Cu:Ti=75:25前後となるように成膜した。次
いで、上記薄膜ろう材上にFe-42wt%Ni合金製基体を当接
させ、この積層体を真空炉内にセットした後、 6.7×10
-4Paの真空中で20K/分の昇温速度で 1163K加熱し、この
温度で 5分間保持してろう材を十分に溶融させた。
【0064】次に、973Kまで降温して、ろう材を凝固さ
せてろう材層を形成することによって、アルミナ基体と
Fe-42wt%Ni合金製基体とを接合した。引き続き、上記97
3Kの温度で20分間保持することにより、凝固後のろう材
層に固相熱処理を施し、ろう材層中のTiとアルミナとを
反応させて、酸素を含む化合物を形成させた。この後、
炉内で冷却することにより、目的とする金属/セラミッ
クス接合体を得た。
【0065】このようにして得た金属/セラミックス接
合体のろう材層の組成等を分析したところ、ろう材層中
の酸素と未反応のCuとTiの比が成膜時の状態から変化
し、原子比でCu:Ti=95:5となっていた。また、ろう材層
中にはCuのTi固溶体が生成していた。これらによって、
ろう材層の融点は 1173K以上に上昇していた。また、こ
の接合体の引張り試験を673Kで行ったところ、 5kgf/mm
2 という接合強度が得られた。
【0066】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の973Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記実
施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に673Kで行ったところ、接合強度
は 1kgf/mm2 であった。
【0067】実施例6 純度 99%のアルミナ基体の接合面上に、スパッタリング
法によりTi、Cuの順に積層膜を成膜した。この薄膜ろう
材は、Ti 300nm、Cu 450nmの計 750nmの膜厚で、CuとTi
が原子比で Cu:Ti=75:25前後となるように成膜した。次
いで、上記薄膜ろう材上に SUS 304製基体を当接させ、
この積層体を真空炉内にセットした後、6.7×10-4Paの
真空中で20K/分の昇温速度で 1163K加熱し、この温度で
5分間保持してろう材を十分に溶融させた。
【0068】次に、973Kまで降温して、ろう材を凝固さ
せてろう材層を形成することによって、アルミナ基体と
SUS 304製基体とを接合した。次いで、炉内の真空度を
6.7×10-3Paに変化させた後、873Kの温度で25分間保持
することにより、凝固後のろう材層に固相熱処理を施
し、ろう材層中のTiと雰囲気中の酸素とを反応させて、
酸素を含む化合物を形成した。この後、炉内で冷却する
ことにより、目的とする金属/セラミックス接合体を得
た。
【0069】このようにして得た金属/セラミックス接
合体のろう材層の組成等を調査したところ、ろう材層中
の酸素と未反応のCuとTiの比が成膜時の状態から変化
し、原子比でCu:Ti=98:2となっていた。また、ろう材層
中にはCuのTi固溶体が生成していた。これらによって、
ろう材層の融点は 1183K以上に上昇していた。また、こ
の接合体の引張り試験を673Kで行ったところ、 6kgf/mm
2 という接合強度が得られた。
【0070】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の873Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記実
施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に673Kで行ったところ、接合強度
は 1.5kgf/mm2 であった。
【0071】実施例7 純度 99%のアルミナ基体の接合面上に、スパッタリング
法によりTi、Niの順に積層膜を成膜した。この薄膜ろう
材は、Ti 600nm、Ni 100nmの計 700nmの膜厚で、NiとTi
が原子比で Ni:Ti=25:75前後となるように成膜した。次
いで、上記薄膜ろう材上にMo製基体を当接させ、この積
層体を真空炉内にセットした後、 6.7×10-4Paの真空中
で20K/分の昇温速度で 1273Kまで加熱し、この温度で 3
分間保持してろう材を十分に溶融させた。
【0072】次に、 1073Kまで降温して、ろう材を凝固
させてろう材層を形成することによって、アルミナ基体
とMo製基体とを接合した。引き続き、上記 1073Kの温度
で20分間保持することにより、凝固後のろう材層に固相
熱処理を施し、ろう材層中のTiとアルミナとを反応させ
て、酸素を含む化合物を形成させた。この後、炉内で冷
却することにより、目的とする金属/セラミックス接合
体を得た。
【0073】このようにして得た金属/セラミックス接
合体のろう材層の組成等を調査したところ、ろう材層中
の未反応のNiとTiの比が成膜時の状態から変化し、原子
比でNi:Ti=50:50となっていた。また、ろう材層中にはN
iTiの金属間化合物が生成していた。これらによって、
ろう材層の融点は 1473K以上に上昇していた。また、こ
の接合体の引張り試験を873Kで行ったところ、 7kgf/mm
2 という接合強度が得られた。
【0074】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の 1073Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記
実施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に873Kで行ったところ、接合強度
は 2kgf/mm2 であった。
【0075】実施例8 純度 99%のアルミナ基体の接合面上に、スパッタリング
法によりTi、Cu、Agの順に積層膜を成膜した。この薄膜
ろう材は、Ti90nm、Cu 240nm、Ag 540nmの計830nmの膜
厚で、TiとCuとAgが原子比でTi:Cu:Ag=5:26:69前後とな
るように成膜した。次いで、上記薄膜ろう材上にMo製基
体を当接させ、この積層体を真空炉内にセットした後、
6.7×10-4Paの真空中で20K/分の昇温速度で 1073Kまで
加熱し、この温度で 3分間保持してろう材を十分に溶融
させた。
【0076】次に、873Kまで降温して、ろう材を凝固さ
せてろう材層を形成することによって、アルミナ基体と
Mo製基体とを接合した。引き続き、上記873Kの温度で20
分間保持することにより、凝固後のろう材層に固相熱処
理を施し、ろう材層中のTiおよびCuとアルミナとを反応
させて、酸素を含む化合物を形成させた。この後、炉内
で冷却することにより、目的とする金属/セラミックス
接合体を得た。
【0077】このようにして得た金属/セラミックス接
合体のろう材層の組成等を調査したところ、ろう材層中
の酸素と未反応のAgとCuの比が成膜時の状態から変化
し、原子比でAg:Cu=95:5となっていた。また、ろう材層
中にはAgのCu固溶体が生成していた。これらによって、
ろう材層の融点は 1123K以上に上昇していた。また、こ
の接合体の引張り試験を573Kで行ったところ、 5kgf/mm
2 という接合強度が得られた。
【0078】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の873Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記実
施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に573Kで行ったところ、接合強度
は 0.5kgf/mm2 であった。
【0079】実施例9 純度 99%のアルミナ基体の接合面上に、スパッタリング
法によりTi、Cuの順に積層膜を成膜した。薄膜ろう材
は、Ti 200nm、Cu 300nmの計 500nmの膜厚で、CuとTiが
原子比で Cu:Ti=75:25前後となるように成膜した。次い
で、上記薄膜ろう材上にFe-42wt%Ni合金製基体を当接さ
せ、この積層体を真空炉内にセットした後、 1.1×10-3
Paの真空中で25K/分の昇温速度で 1173Kまで加熱し、こ
の温度で 8分間保持してろう材を十分に溶融させた。
【0080】保持時間終了後には、ろう材は等温凝固し
ており、これによりアルミナ基体とFe-42wt%Ni合金製基
体とを接合した。引き続き、上記 1173Kの温度で10分間
保持することにより、凝固後のろう材層に固相熱処理を
施し、ろう材層中のTiとアルミナとを反応させて、酸素
を含む化合物を形成させた。この後、炉内で冷却するこ
とにより、目的とする金属/セラミックス接合体を得
た。
【0081】このようにして得た金属/セラミックス接
合体のろう材層の組成等を調査したところ、ろう材層中
の酸素と未反応のCuとTiの比が成膜時の状態から変化
し、原子比でCu:Ti=97:3となっていた。また、ろう材層
中にはCuのTi固溶体が生成していた。これらによって、
ろう材層の融点は 1183K以上に上昇していた。また、こ
の接合体の引張り試験を673Kで行ったところ、 5.3kgf/
mm2 という接合強度が得られた。
【0082】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の 1173Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記
実施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に873Kで行ったところ、接合強度
は 1.2kgf/mm2 であった。
【0083】実施例10 純度 99%の窒化ケイ素基体の接合面上に、スパッタリン
グ法によりTi、Cuの順に積層膜を成膜した。この薄膜ろ
う材は、Ti 400nm、Cu 600nmの計1000nmの膜厚で、Cuと
Tiが原子比で Cu:Ti=75:25前後となるように成膜した。
次いで、上記薄膜ろう材上にFe-42wt%Ni合金製基体を当
接させ、この積層体を真空炉内にセットした後、 6.7×
10-4Paの真空中で20K/分の昇温速度で 1163Kまで加熱
し、この温度で 5分間保持してろう材を十分に溶融させ
た。
【0084】次に、973Kまで降温して、ろう材を凝固さ
せてろう材層を形成することによって、アルミナ基体と
Fe-42wt%Ni合金製基体とを接合した。引き続き、上記97
3Kの温度で20分間保持することにより、凝固後のろう材
層に固相熱処理を施し、ろう材層中のTiと窒化ケイ素と
を反応させて、窒素を含む化合物を生成させた。この
後、炉内で冷却することにより、目的とする金属/セラ
ミックス接合体を得た。このようにして得た金属/セラ
ミックス接合体のろう材層の組成等を調査したところ、
ろう材層中の窒素と未反応のCuとTiの比が成膜時の状態
から変化し、原子比でCu:Ti=95:5となっていた。また、
ろう材層中にはCuのTi固溶体が生成していた。これらに
よって、ろう材層の融点は 1173K以上に上昇していた。
また、この接合体の引張り試験を673Kで行ったところ、
5kgf/mm2 という接合強度が得られた。
【0085】一方、本発明との比較として、ろう材凝固
後の973Kにおける固相熱処理を行わない以外は、上記実
施例と同一条件で金属/セラミックス接合体を作製し
た。この接合体のろう材層を調査したところ、当初のろ
う材の融点との差は認められなかった。また、この接合
体の引張り試験を同様に673Kで行ったところ、接合強度
は 1kgf/mm2 であった。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1のセ
ラミックス接合体の製造方法によれば、セラミックス層
と金属層との接合界面に還元反応の活性度の差に基く凹
凸が形成されるため、高接合力を得ることができる。ま
た、固相熱処理で界面反応を実現しているため、微細パ
ターン等の形状再現性を高めることができる。これらに
より、微細パターン等の形状再現性および信頼性に優れ
たセラミックス接合体を提供することができる。
【0087】また、第2のセラミックス接合体の製造方
法によれば、ろう材層の融点を当初のろう材の溶融温度
以上に上昇させているため、単にろう付けした接合体に
比べて、高温強度の向上を図ることができる。よって、
容易な接合プロセスで、信頼性に優れたセラミックス接
合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるメタライズ体の製造
工程を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明との比較として掲げたメタライズ体の
構造を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例によるメタライズ体の構
造を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の第2のセラミックス接合体の製造方
法におけるろう材層の融点向上機構を説明するための図
である。
【符号の説明】
1……単結晶アルミナ基板 2……Mo分散相 3……Ti膜 3′……六方晶系のTi-O相 4……メタライズ体 5……Moを含む体心立方構造のTi-O相 11……多結晶アルミナ基板 12……六方晶系の Zr-Ti-O膜 13…… Vを含む体心立方構造の Zr-Ti-O膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 新一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス層と、少なくとも接合面近
    傍層が前記セラミックスを分解し得る六方晶系の活性金
    属を含む層により構成された金属層とを接合するにあた
    り、 前記セラミックス層と金属層とを、その接合界面に非六
    方晶系構造安定化元素を部分的に介在させて積層する工
    程と、 前記積層体を真空中または不活性ガス雰囲気中にて固相
    熱処理し、前記セラミックス層と金属層とを接合する工
    程とを具備することを特徴とするセラミックス接合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス層と、前記セラミックス層
    上に接合され、少なくとも接合面近傍層の構成元素とし
    て活性金属を含む金属層とを具備するセラミックス接合
    体であって、 前記セラミックス層と金属層との接合界面に、非六方晶
    系構造安定化元素を含む六方晶系以外の結晶構造を有す
    る還元反応不活性相が部分的に介在されていると共に、
    前記還元反応不活性相以外の部分が前記セラミックス層
    側に相対的に突出した組織を有することを特徴とするセ
    ラミックス接合体。
  3. 【請求項3】 セラミックス層と金属層またはセラミッ
    クス層同士を接合するにあたり、 セラミックス層と金属層またはセラミックス層同士をろ
    う材を介して積層し、前記ろう材の少なくとも一部を溶
    融、凝固させて、前記セラミックス層と金属層または前
    記セラミックス層同士を接合する工程と、 前記接合工程に引き続いて、前記凝固後のろう材層に固
    相熱処理を施し、前記ろう材層構成元素と融点向上元素
    とを反応させて、前記ろう材層の融点を前記ろう材の溶
    融温度より上昇させる工程とを具備することを特徴とす
    るセラミックス接合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックス層と、前記セラミックス層
    上にろう材層を介して接合された金属層またはセラミッ
    クス層とを具備するセラミックス接合体であって、 前記ろう材層は、ろう材としての溶融温度を超える融点
    を有する組成および/または化合物を有することを特徴
    とするセラミックス接合体。
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