JPH08269088A - 新規ペプチド及びその利用 - Google Patents
新規ペプチド及びその利用Info
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- JPH08269088A JPH08269088A JP7070156A JP7015695A JPH08269088A JP H08269088 A JPH08269088 A JP H08269088A JP 7070156 A JP7070156 A JP 7070156A JP 7015695 A JP7015695 A JP 7015695A JP H08269088 A JPH08269088 A JP H08269088A
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Abstract
ペプチドを提供する。 【構成】 κカゼイングリコマクロペプチドのアミノ酸
配列20〜25残基に相当する下記の配列(I)を有するペ
プチド。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I) 【効果】 このペプチドは、アンジオテンシン転換酵素
(ACE)阻害活性を有し、血圧降下作用を有するの
で、ACE阻害剤や血圧降下剤の有効成分として有用で
ある。
Description
る。また、本発明は、この新規なペプチドを活性成分と
して含有するアンジオテンシン転換酵素阻害剤に関す
る。さらに、本発明は、この新規なペプチドを活性成分
として含有する血圧降下剤に関する。
は、血圧の調節においてレニン−アンジオテンシン系に
作用する酵素である。分子量約57,000のアンジオテンシ
ノーゲンは、腎臓から血管中に移行するレニンによりア
ンジオテンシンIに変換される。このアンジオテンシン
Iは、殆ど血管収縮作用を示さない不活性型であるが、
ACEにより活性型のアンジオテンシンIIに変換され
る。このアンジオテンシンIIについては、動脈末梢毛細
血管の収縮作用[Furchgott,R. et al., J.PharmacolEx
p.Ther., vol.108, p.129, 1953]、血管透過性増大[Gim
brone,M.A. and Alexander,R.W., Science, vol.189,
p.219, 1975] 、交感神経におけるアドレナリン作動性
の神経伝達促進[Bell,C., Circ.Res., vol.31, p.348,
1972] 、副腎髄質からのカテコールアミンの放出促進作
用及び副腎皮質からのアルドステロンの分泌促進[Biro
n,P. et al., J.Clin.Invest, vol.44, p.1171, 1965]
などの作用が知られており、循環血流量の増加をもたら
し、血圧が上昇する。また、血管拡張作用により血圧降
下作用を示すブラジキニンは、ACEにより分解される
ため、結果的に血圧が上昇する。一方、ACE阻害物質
は、上述したACEの作用を阻害するので、有効な血圧
降下作用を有し、血圧降下剤の有効成分として有用であ
ることが知られている。
増加により、上述したような血圧降下作用を有する物質
が脚光を浴びており、医薬として提供されるに至ってい
るものもある。しかし、高血圧に関連する疾病は食事に
よる影響が強いと言われており、高血圧の予防効果を有
する物質としては、食品素材への利用性を有するものに
対して大きな期待が持たれる。
質としては、イワシ筋肉由来のたんぱく質分解ペプチド
(日本水産製) 、オキアミからイオン交換クロマトグラ
フィー、ゲル濾過クロマトグラフィー及び逆層クロマト
グラフィーにより単離したACE阻害物質 [河村幸雄
ら,微量栄養素研究, vol.7, p.37, 1990]、トウモロコ
シたんぱく質由来のオリゴペプチド [特開平2-240027号
公報] などが知られている。
物中にACE阻害物質が多く存在することが知られてい
る。すなわち、ヒトβカゼインのアミノ酸配列39〜52残
基のペプチド[Kohmura,M. et al., Agric.Biol.Chem.,
vol.53, p.2107, 1989] 、ヒトκカゼインのアミノ酸配
列43〜52残基のペプチド[Kohmura,M. et al., Agric.Bi
ol.Chem., vol.54, p.835, 1990]、ウシαS1カゼインの
アミノ酸配列23〜34残基及び 194〜199 残基のペプチド
[Maruyama,S. et al., Agric.Biol.Chem., vol.51, p.2
557, 1987]、ウシβカゼインのアミノ酸配列 177〜183
残基のペプチド[Maruyama,S., Agric.Biol.Chem., vol.
51, p.1581, 1987] 、カソキシンCと称するウシκカゼ
インのアミノ酸配列25〜34残基のペプチド [戸塚護及び
上野川修一, 日本畜産学会報, vol.63, p.867, 1992]な
どである。また、ウシカゼインをたんぱく質分解酵素で
加水分解して得られるACE阻害物質含有組成物とし
て、ウシαカゼイン又はウシβカゼインの酵素分解物が
高血圧の予防に有効であることが開示されている [特開
平2-167052号公報] 。あるいは、ウシκカゼインのキモ
シン分解により生成するアミノ酸配列 106残基以後のペ
プチドであるウシκカゼイングリコマクロペプチドが血
圧の上昇抑制効果を有することが開示されている [特開
平6-345664号公報] 。
材として利用可能なACE阻害活性を有する物質を見出
すべく、鋭意研究を進めていたところ、チーズホエー中
などに含まれているウシκカゼイングリコマクロペプチ
ドのプロテアーゼ分解物中にACE阻害活性を有する新
規なペプチドを見出した。そして、動物実験を行ったと
ころ、このペプチドが血圧を降下する作用を有すること
を見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本
発明は、ACE阻害活性を有する新規なペプチドを提供
することを課題とする。また、本発明は、このペプチド
を活性成分として含有するACE阻害剤を提供すること
を課題とする。さらに、本発明は、このペプチドを活性
成分として含有する血圧降下剤を提供することを課題と
する。
として利用可能なACE阻害活性を有する物質を見出す
べく、甘性チーズホエーから得られるκカゼイングリコ
マクロペプチドについてもACE阻害活性を調べたとこ
ろ、κカゼイングリコマクロペプチドのたんぱく質分解
酵素消化物中にACE阻害活性を有する画分を見出し
た。そして、このACE阻害活性を有する画分の活性本
体を単離同定したところ、下記のアミノ酸配列(I)を
有するペプチドであることが判明した。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
ングリコマクロペプチドのアミノ酸配列20〜25残基に相
当し、κカゼインのアミノ酸配列 125〜130 残基に相当
するペプチドであった。
るペプチドが、血圧降下作用を有することも確認した。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
るいは医薬品に使用する場合には、精製品を用いても良
いが、純度が低くても本発明のペプチドはACE阻害活
性が強いため、これらのペプチドを含む粗画分を用いて
も良いし、κカゼイングリコマクロペプチドのペプシン
又はパパイン消化物をそのまま用いることもできる。ま
た、化学合成により得られたものも用いることもでき
る。なお、ペプチドの化学合成法としては通常使用され
ている固相法などを用いることにより、例えば、アプラ
イドバイオシステムズ社のペプチド合成機などで簡単に
ペプチドを合成することができる。さらに、本発明のペ
プチドのアミノ酸配列に相当する塩基配列を用いてDN
Aを合成し、遺伝子操作により本発明のペプチドを製造
することもできる。既に、ウシκカゼインの塩基配列は
公知である[Alexander,L.J. et al., Eur.J.Biochem.,
vol.178, p.395, 1988] 。したがって、遺伝子操作によ
り本発明のペプチドを製造する際に使用する塩基配列と
しては、ATT GCT AGT GGT GAG CCT が適当である。
の製造法を説明する。原料として有用であるκカゼイン
グリコマクロペプチドを得る方法としては、例えば、チ
ーズホエーパウダーを溶解し、加熱した後、冷却し、エ
タノール沈澱して得られる上清を陰イオン交換樹脂によ
り分画する方法[Saito.T. et al., J.Dairy Sci., vol.
74, p.2831, 1991] 、レンネットカゼインカードを調製
する際に得られる排液を原料とし、この排液のpHを酸性
領域に調製して生成する沈澱を除去し、次いで得られる
上澄を脱塩する方法 [特開昭 63-284199号公報] 、κカ
ゼイングリコマクロペプチドを含有する乳質原料物質を
pH4未満に調整した後、分画分子量10,000〜50,000の膜
を用い、限外濾過処理をして透過液を分画分子量50,000
以下の膜を用いて濃縮する方法 [特開平2-276542号公
報] 、ホエー蛋白含有溶液を加熱した後、凍結して凍結
物を得、更に該凍結物を解凍した後、ホエー蛋白と上清
とを分離し、この上清を処理して上清を回収する方法
[特開平3-294299号公報] などにより、κカゼイングリ
コマクロペプチドを製造することが可能であるが、ここ
では、いかなる方法で得られたκカゼイングリコマクロ
ペプチドであっても良い。
んぱく質分解酵素で加水分解する。使用するたんぱく質
分解酵素としては、ペプシンが好ましいが、パパインも
使用可能である。また、酸加水分解により本発明のペプ
チドを調製することも可能である。なお、ペプシンを使
用する場合、κカゼイングリコマクロペプチドに対しペ
プシンを重量比1/10〜1/10000 の割合で添加すれば良
い。酵素反応は通常30〜40℃で行うが、酵素活性が認め
られる温度域であれば構わない。酵素反応に適したpH領
域は1〜5が好ましいが、pH4以上では反応にかなり時
間を要するので、より好ましくはpH1〜4である。酵素
反応に使用する緩衝液としてはクエン酸緩衝液、酢酸緩
衝液、塩化カリウム−塩酸緩衝液、(グリシン+食塩)
−塩酸緩衝液などを例示することができ、簡便的に塩酸
溶液などの酸溶液でpHを調整して使用することもでき
る。反応時間は10分間以上であり、好ましくは1〜48時
間である。反応時間が10分間未満ではACE阻害活性が
20%以下であり、48時間を越えるとACE阻害活性は60
%程度残存するが、反応時間が長くなると微生物汚染の
問題やペプシン活性の低下などが起こり好ましくない。
また、場合によっては反応途中でペプシンを再添加する
こともできる。酵素反応の停止は、 100℃で5分間加熱
して酵素を失活させることが簡便で良いが、冷アセトン
を添加して濾別する処理や水酸化ナトリウムなどの塩基
性物質でpHを 7.0に調整する処理を行っても良い。得ら
れた溶液は必要に応じて濾過して沈澱を除去し、必要に
応じてさらに減圧濃縮乾固、凍結乾燥又は噴霧乾燥を行
う。また、逆浸透膜、電気透析膜、薄膜下降式濃縮など
により濃縮した後、乾燥粉末としても良い。このように
して得られた本発明のペプチドを含む粗画分は、10〜 1
00μg/mlのオーダーでACE阻害活性を示し、食品素材
などとして充分に使用可能である。なお、急性毒性試験
を行ったところ、本発明のペプチドは、経口で1g/kg以
上を示し、安全性の高いものであることが判明した。
に制限がなく、溶液、粉、顆粒、錠剤などとして使用で
き、各種飲食品、化粧品、飼料に添加でき、医薬品の原
料として使用できる。本発明のペプチドは乳中より生成
したものであるため、安全に使用することができる。ま
た、本発明のペプチドの投与量は 150μg/kg/ 日以上が
好ましい。投与量が 150μg/kg/ 日以下では血圧降下作
用が弱くなる。
度となるようトリクロロ酢酸溶液を加え、4℃で1時間
振とう抽出した後、遠心分離(9,000×g、15分間) し、
上清を回収して氷冷した。この上清を1N水酸化ナトリウ
ムで中和し、透析膜(ViskaseSales Corp.製) で蒸留水
に対して透析した後、遠心分離(9,000×g、15分間)
し、上清を回収して凍結乾燥した。このようにして、純
度81%のκカゼイングリコマクロペプチド7gを得た。
ロペプチドについて、5種類のたんぱく質分解酵素を用
い消化試験を行った。なお、酵素と緩衝液の組合せは以
下の通りである。 (1)プロティナーゼK(シグマ製)と0.01M トリス−
塩酸緩衝液(pH 7.5) (2)アクチナーゼE(ナカライテスク製)と20mM塩化
カルシウム含有0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH 7.4) (3)ペプシン(シグマ製)と0.2Mクエン酸緩衝液(pH
3.0) (4)トリプシン(シグマ製)と20mM塩化カルシウム含
有0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH 8.0) (5)パパイン(シグマ製)と3.3mg シアン化ナトリウ
ム及び3.3mg EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.0)
プチドを1mg/mlの濃度となるよう溶解し、5%(w/w) 濃
度の酵素を添加して充分に撹拌した。各試料は少量のト
ルエン共存下、37℃で24時間静置して酵素消化した。そ
の後、反応液に3倍量の冷アセトンを加え、−20℃で1
時間放置した後、溶液を濾過し、凍結乾燥して試験試料
とした。そして、各試験試料1mgを 200μl の蒸留水に
溶解した後、この試験試料溶液15μl を蒸留水で 150μ
l に希釈してACE阻害活性を測定した。その結果を表
1に示す。
うに行った。まず、ACE(うさぎ肺由来、和光純薬工
業製)1ユニットを50%グリセロール溶液2mlに溶解し
てACE酵素溶液(A)を調製した。また、馬尿酸−ヒ
スチジルロイシン53.688mgを1M食塩含有ホウ酸緩衝液(p
H 7.8)10mlに溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH
8.3に調整した基質溶液(B)を調製した。
基質溶液(B) 100μl 及びACE酵素溶液(A)10μ
l を添加し、37℃で60分間反応させた後、反応を停止さ
せるために各試験管に酢酸エチル 1.5mlをガラス製ピペ
ットで加え、キャップをしてからボルテックスミキサー
で15秒振とうすることにより抽出した。抽出後、1,000r
pm、5分間遠心分離して得られた上層(酢酸エチル)部
を他の小型ネジ付き試験管に移し、80℃、窒素ガス噴霧
下で酢酸エチルを蒸発乾固させた。この蒸発乾固させた
試料を80℃、10分間処理し、室温に戻した後、 0.9%食
塩溶液 3.0mlを加え、15秒間ボルテックスミキサーで振
とうして溶解し、直ちに 228nmの紫外部吸光度を測定し
た。そして、以下の式によりACE阻害活性を算出し
た。 ACE阻害活性(%)={(EC −ES )/(EC −E
B )}×100 ES : 被験液 150μl を添加した試料の吸光度 EC : 被験液の代わりに蒸留水 150μl を添加したコン
トロールの吸光度 EB : 被験液の代わりに蒸留水 150μl を添加し、反応
開始直後に反応を停止させた試料の吸光度
酵素消化物のACE阻害活性は、ペプシンで最も強く、
パパインでもわずかに認められた。そこで、ペプシン消
化物中のACE阻害活性を有する物質を探索した。
クロペプチドを0.1N塩酸に溶解した溶液10mlに5%(w/
w) 濃度のペプシンを添加し、37℃で24時間静置して消
化した後、 100℃で正確に5分間加熱して酵素反応を停
止した。そして、この反応液を濾過し、凍結乾燥してκ
カゼイングリコマクロペプチドのペプシン消化物を得、
これを試料とした。
メタノールで洗浄した後、蒸留水で洗浄し、カラム(1.7
×12cm) に充填した。次に、上述の試料を10mg/5ml濃度
となるよう蒸留水に溶解し、カラムに添加した。そし
て、カラムに蒸留水 200mlを流した後、10%刻みで調製
した10%〜 100%濃度のメタノール溶液各 100mlで段階
溶出した。この各溶出画分について、画分中のメタノー
ルを減圧濃縮し、凍結乾燥した後、試験例1に示した方
法と同様の方法によりACE阻害活性を測定したとこ
ろ、非吸着画分に70%のACE阻害活性が認められた。
そこで、この非吸着画分をさらに精製した。
濃度となるよう蒸留水に溶解したものを試料とした。リ
クロプレップRP18 (メルク製)10gを90%メタノールで洗
浄した後、蒸留水で洗浄し、カラム(1.7×12cm) に充填
した。次に、上述の試料をカラムに添加し、蒸留水 200
mlを流した後、10%刻みで調製した10%〜 100%濃度の
メタノール溶液各 100mlで段階溶出した。この各溶出画
分について、画分中のメタノールを減圧濃縮し、凍結乾
燥した後、試験例1に示した方法と同様の方法によりA
CE阻害活性を測定したところ、10%〜20%濃度のメタ
ノール溶出画分に90%以上の強いACE阻害活性が認め
られた。また、30%〜60%濃度のメタノール溶出画分に
も50%〜15%のACE阻害活性が認められた。そこで、
10%〜60%濃度のメタノール溶出画分を回収し、ACE
阻害活性粗画分とした。
mg/5ml濃度となるよう蒸留水に溶解し、リクロプレップ
RP18 (メルク製) によるリクロマトグラフィーを行っ
た。そして、5%、10%、12%、14%、16%、18%、20
%、30%及び90%濃度のメタノール溶液で段階溶出し
た。この各溶出画分について、画分中のメタノールを減
圧濃縮し、凍結乾燥した後、試験例1に示した方法と同
様の方法によりACE阻害活性を測定したところ、5%
濃度のメタノール溶出画分、10%濃度のメタノール溶出
画分及び12%濃度のメタノール溶出画分に強いACE阻
害活性が認められた。そこで、これらの画分についてさ
らに精製した。
P-50 (アサヒパック製、 7.6×250mm)を用いたHPLC
で精製した。カラムは、0.05%トリフルオロ酢酸含有10
%アセトニトリル水溶液(A)で平衡化し、溶離液
(B)として、0.05%トリフルオロ酢酸含有60%アセト
ニトリル水溶液を用い、30分間で溶離液(B)のアセト
ニトリルが50%となるようにグラジュエント溶出した。
なお、流速は 0.5ml/minで行った。その結果、リテンシ
ョンタイムで10分〜18分までの画分に強いACE阻害活
性が認められたので、この画分を回収し、さらに精製し
た。
ペリオレックスODS(資生堂製、 4.6×150mm)を用いたH
PLCで精製した。カラムは、0.05%トリフルオロ酢酸
水溶液(A)でカラムを平衡化し、溶離液(B)とし
て、0.05%トリフルオロ酢酸含有60%アセトニトリル水
溶液を用い、溶離液(B)のアセトニトリルが50%とな
るようにグラジュエント溶出した。なお、流速は 0.5ml
/minで行った。その結果、図1に示すように単一ピーク
が認められ、これを分取してアミノ酸配列を決定した。
アミノ酸配列を決定するために、アミノ酸シークエンサ
ー(473A型、アプライドバイオシステムズ製)を使用
し、試料1μg をPVDF膜にドットブロットして分析し
た。その結果、ACE阻害活性を有する物質の本体は、
下記のアミノ酸配列を有するペプチドであることが判明
した。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro
ドのACE阻害活性を確認するために、ペプチドを合成
した。ペプチドの化学合成は、ペプチドシンセサイザー
(430A型、アプライドバイオシステムズ製) を用い、t
−Moc法で行った。すなわち、 0.5mmolのBoc−l
−Cln−O−CH2 −PAM樹脂及び2mmolの構成ア
ミノ酸をペプチドシンセサイザーに充填して合成を行
い、目的のペプチドを結合した樹脂を得た。この樹脂1.
5gに結合しているペプチドをチオアニソール及びエタン
ジチオール存在下、トリフルオロメタンスルホン酸によ
り切り出し、ジエチルエーテルで沈澱させた後、10%酢
酸で溶解し、同じく10%酢酸で置換した強塩基性陰イオ
ン交換樹脂(Bio-Rex MSZ 1-X8)に通して精製し、ペプチ
ド 140mgを得た。このペプチドをさらにAquapac RP-300
(アプライドバイオシステムズ製)による逆相HPLC
で、溶出液として 0.1%トリフルオロ酢酸/水及び 0.1
%トリフルオロ酢酸/アセトニトリルを用い精製し、ペ
プチド白色粉末30mgを得た。そして、試験例1に示した
方法と同様の方法によりACE阻害活性を測定した。そ
の結果を表2に示す。なお、参考例6で精製したペプチ
ドについてもACE阻害活性を測定した。
ドの血圧改善効果について、確認した。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I) 4週令の高血圧を自然発症するSHR/NCriラット(日本チ
ャールズリバーより購入)を下記に示したような群に分
け、動物実験を行った。 A群:アミノ酸配列(I)ペプチドを 300μg/日投与 B群:アミノ酸配列(I)ペプチドを30μg/日投与 C群:アミノ酸配列(I)ペプチドを3μg/日投与 D群:ペプチド未投与
2(クレア製)を飼料として6週間飼育した。各試験試
料は1日2回、強制投与し、飲料水は自由摂取とした。
そして、6週間後の血圧を測定した。その結果を表3に
示す。
いて、有意に血圧低下作用が認められた。
従い、ホエーたんぱく質濃縮物(WPC)1kgからκカ
ゼイングリコマクロペプチド 50gを得た。このκカゼイ
ングリコマクロペプチド50g を水1,250gに溶解し、塩酸
でpHを 1.5に調整した後、ペプシン (シグマ製) 0.5gを
添加し、37℃で15時間酵素反応を行った。酵素反応の停
止は 100℃で5分間の加熱処理により行い、濾紙(アド
バンテック製) で濾過した後、凍結乾燥してκカゼイン
グリコマクロペプチドのペプシン消化物 37gを得た。次
に、この消化物37g を蒸留水1,850gに溶解し、蒸留水で
平衡化したバイオシルC18HL(バイオラッド製)5kgを充填
したカラム (20cm×20cm) に添加し、蒸留水でカラムを
洗浄した後、60%メタノール水溶液で溶出した。そし
て、この溶出画分を減圧濃縮し、凍結乾燥して活性画分
12gを得た。さらに、この活性画分300mgを0.1 %トリ
フルオロ酢酸含有2%アセトニトリル水溶液1mlに溶解
し、0.1%トリフルオロ酢酸含有2%アセトニトリル水
溶液で平衡化したTSKgel ODS-120T カラム (55mm×60c
m、東ソー製) に添加し、 0.1%トリフルオロ酢酸含有5
0%アセトニトリル水溶液でグラジュエント溶出した。
そして、ACE阻害活性が認められたアセトニトリル濃
度10%付近の単一ピークを分取した。この操作を繰り返
して分取した画分を遠心乾燥機で濃縮し、凍結乾燥して
ペプチド1.8gを得た。
150mm 、資生堂製) で確認したところ、このペプチドの
純度は93%であった。また、アミノ酸シークエンサーで
アミノ酸分析を行ったところ、このペプチドは下記のア
ミノ酸配列(I)を有するペプチドであった。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I) 本発明者らは、上記のアミノ酸配列(I)を有するペプ
チドをκカゼイノシンと命名した。
−PAM樹脂及び2mmolの構成アミノ酸をペプチドシ
ンセサイザー (430A型、アプライドバイオシステムズ
製) に充填して合成を行い、目的のペプチドを結合した
樹脂を得た。この樹脂1.5gに結合しているペプチドをチ
オアニソール及びエタンジチオール存在下、トリフルオ
ロメタンスルホン酸により切り出し、ジエチルエーテル
で沈澱させた後、10%酢酸で溶解し、同じく10%酢酸で
置換した強塩基性陰イオン交換樹脂(Bio-Rex MSZ1-X8)
に通して精製し、ペプチド 140mgを得た。このペプチド
をさらにAquapacRP-300 (アプライドバイオシステムズ
製) による逆相HPLCで、溶出液として0.1%トリフ
ルオロ酢酸/水及び 0.1%トリフルオロ酢酸/アセトニ
トリルを用い精製し、20%アセトニトリルで溶出した画
分からペプチドの白色粉末30mgを得た。このペプチドに
ついて、アミノ酸シークエンサーでアミノ酸分析を行っ
たところ、下記のアミノ酸配列(I)を有するペプチド
であった。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
831, 1991]に従い、チーズホエー粉1kgからκカゼイン
グリコマクロペプチド 13gを得た。このκカゼイングリ
コマクロペプチド13g をクエン酸緩衝液(pH3.0) 0.33リ
ットルに溶解し、ペプシン (シグマ製)0.01gを添加し、
32℃で48時間酵素反応を行った。酵素反応の停止は冷ア
セトン1.95リットルを添加することにより行った後、エ
バポレータで 0.5リットルとなるまで濃縮し、凍結乾燥
して活性画分11g を得た。この活性画分について、試験
例1に示した方法と同様の方法によりACE阻害活性を
測定したところ、 100μg/mlにACE阻害活性が 100%
存在した。
従い、チーズホエー粉1kgからκカゼイングリコマクロ
ペプチド17g を得た。このκカゼイングリコマクロペプ
チド17g を0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH 7.5)65リットル
に溶解した後、パパイン (シグマ製)0.17gを添加し、37
℃で20時間酵素反応を行った。酵素反応の停止は、冷ア
セトン1.95リットルを添加することにより行った。そし
て、この反応液をエバポレーターで 0.5リットルとなる
まで濃縮し、凍結乾燥してκカゼイングリコマクロペプ
チドのパパイン消化物15g を得た。なお、このパパイン
消化物について、試験例2に示した方法でACE阻害活
性を測定したところ、 100μg/mlにACE阻害活性が9
%存在していた。
リンク剤を試作した。本発明のペプチド150mg 、ショ糖
3.2g、クエン酸53g 、クエン酸ナトリウム53g 、ビタミ
ンB2 0.06g 、ビタミンC 0.37g、葉酸0.03g 、香料6.
7g、5倍濃縮アップル果汁134g及び水3.5Kg を混合した
組成物を90℃、10秒保持して加熱殺菌した後、5〜10℃
に冷却して殺菌済容器中に貯蔵した。次いで、この混合
液を殺菌済の 350ml容器に無菌充填し、高血圧予防用ド
リンク剤を製造した。
剤を試作した。本発明のペプチド20mg、乳糖33.3mg、ト
ウモロコシデンプン16.4mg、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム12.8mg及びステアリン酸マグネシウム1.5m
g を配合し、常法に従って高血圧抑制用錠剤を製造し
た。
む活性画分を配合した動物用飼料を試作した。本発明の
ペプチドを含む活性画分1g、脱脂粉乳60g 、ホエーたん
ぱく質濃縮物(WPC)14.3g 、脂肪17.2g 、グルコー
ス5.0g、ビタミン2.5g及びミネラル2.5gを配合して動物
用飼料を製造した。
血圧予防用ミルクを試作した。本発明のペプチド750mg
、脱脂乳1,195g、ホエー粉263g、植物油脂119g及びビ
タミン・ミネラル類5gを配合した高血圧予防用粉ミルク
を製造した。
いペプチドであり、注射剤、糖衣錠、タブレット、カプ
セルなどとして、あるいは、清涼飲料水、果汁飲料、発
酵飲料、ゼリー、アイスクリームなどの各種飲食品に添
加して、高血圧症治療及び予防の目的で使用できる。ま
た、化粧品に添加して、血管拡張作用を付与することも
できる。さらには、動物飼料に添加して、家畜や動物の
高血圧治療及び予防の目的で使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記のアミノ酸配列(I)を有するペプ
チド。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I) - 【請求項2】 下記のアミノ酸配列(I)を活性成分と
して含有するアンジオテンシン転換酵素阻害剤。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I) - 【請求項3】 下記のアミノ酸配列(I)を活性成分と
して含有する血圧降下剤。 Ile-Ala-Ser-Gly-Glu-Pro (I)
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Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6204362B1 (en) * | 1999-01-11 | 2001-03-20 | Calpis Co., Ltd. | Method of purifying whey of lactic acid fermentation by electrodialysis |
| US6630320B1 (en) | 2000-05-08 | 2003-10-07 | Devisco Foods International, Inc. | Treatment of hypertension in mammals with hydrolyzed whey proteins |
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| EP2821414A1 (en) * | 2009-06-19 | 2015-01-07 | Oral Health Australia Pty Ltd | Kappa casein fragments inhibiting gingipains |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP07015695A patent/JP3567012B2/ja not_active Expired - Fee Related
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