JPH08269640A - リレー鉄芯用軟磁性ステンレス鋼 - Google Patents

リレー鉄芯用軟磁性ステンレス鋼

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JPH08269640A
JPH08269640A JP9312795A JP9312795A JPH08269640A JP H08269640 A JPH08269640 A JP H08269640A JP 9312795 A JP9312795 A JP 9312795A JP 9312795 A JP9312795 A JP 9312795A JP H08269640 A JPH08269640 A JP H08269640A
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龍二 広田
Toshihiko Takemoto
敏彦 武本
Koji Seto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性に優れ電磁軟鉄に匹敵する磁気特性を
もつリレー鉄芯用材料を得る。 【構成】 重量%で,C:0.02%以下,Si:0.3
〜2.0%,Mn:0.7%以下,P:0.04%以下,
S:0.005%以下,Ni:0.3%以下,Cr:9.
0〜14.0%,N:0.02%以下,O:0.010%
以下,Al:2.0%以下,場合によっては更にTi:
5(C+N)〜0.4%以下を含有し,且つ F値=Cr+Si+2.1(Al+Ti)−37.0(C
+N)−2.0Ni−0.6Mn−10.8 で定義されるF値が0以上4以下となるように各成分量
が調整され,残部がFeおよび不可避的不純物からなる
リレー鉄芯用軟磁性ステンレス鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリレー鉄芯用軟磁性ステ
ンレス鋼に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,リレー鉄芯は電磁軟鉄で作られ
るのが最も普通であった。しかし,電磁軟鉄は耐食性が
劣るので,鉄芯部品に加工後にメッキ処理を施して耐食
性を付与していた。このメッキ処理には,Niメッキや
ユニクロメッキなどが一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来よりリレー鉄芯用
として最も汎用されている電磁軟鉄は,耐食性付与のた
めにメッキ処理を施すと,そのメッキ処理費用が嵩むば
かりでなく,磁気特性の劣化が免れないという問題が付
随した。一般にメッキ製品ではメッキ厚がばらつくこと
は避けられないが,僅かのメッキ厚の変動でもリレー鉄
芯の場合には,その磁場印加時に必要な吸着力がばらつ
くという問題があった。
【0004】したがって,本発明の目的は,素材ままで
耐食性が良好でかつ従来の電磁軟鉄性に匹敵するリレー
特性を示す鉄芯材料を提供することにあり,これによっ
て耐食性に優れ且つ良好なリレー特性をもつリレー鉄芯
を提供するにある。
【0005】
【問題点を解決する手段】本発明によれば,重量%で,
C:0.02%以下,Si:0.3〜2.0%,Mn:0.
7%以下,P:0.04%以下,S:0.005%以下,
Ni:0.3%以下,Cr:9.0〜14.0%,N:0.
02%以下,O:0.010%以下,Al:2.0%以下
を含有し,場合によっては,さらにTi:5(C+N)
〜0.4%を含有し,且つ下式で定義されるF値または
F'値(Tiを含有する場合)が0以上4以下となるよ
うに各成分量が調整され,残部がFeおよび不可避的不
純物からなるリレー鉄芯用軟磁性ステンレス鋼を提供す
る。 F値=Cr+Si+2.1(Ti+Al)−37.0(C
+N)−2.0Ni−0.6Mn−10.8
【0006】したがってまた本発明によれば,前記の成
分組成を有する軟磁性ステンレス鋼からなるリレー鉄芯
を提供する。
【0007】
【作用】本発明者等は,前記の目的を達成すべく,フェ
ライト系ステンレス鋼をベースとしてリレー鉄芯に要求
される磁気特性に及ぼす合金元素並びに組織の影響を鋭
意研究を重ねたが,フェライト系ステンレス鋼のうちの
或る特定の成分系における狭い組成範囲において,リレ
ー鉄芯素材として十分使用できる特性を示すことを見出
した。
【0008】以下に,本発明材料の鋼中の各成分の作用
とその含有量範囲を規制した理由を概説する。
【0009】Cは,鋼中に炭化物を形成するように作用
すると磁気特性や耐食性を劣化させるようになるので,
リレー鉄芯としては低い方が望ましく,このため0.0
2重量%以下とする。
【0010】Siはフェライト生成元素であり且つ磁気
特性を向上させるうえで有効に作用する。このために
は,0.3重量%以上含有する必要がある。しかし,2.
0重量%を越えると逆に磁束密度が低下するようにな
り,また鋼の加工性も劣化するので,Siの含有量は
0.3〜2.0重量%に限定した。
【0011】Mnは製鋼時の脱酸に必要な元素である
が,磁気特性を劣化させる元素でもある。このためその
上限を0.7重量%とした。
【0012】Pは鋼の磁気特性を劣化させる元素である
ので少ない方がよく,このため上限を0.04重量%と
した。
【0013】Sは不純物元素であり,耐食性および磁気
特性を劣化させる硫化物の形成をできるだけ低く抑える
ために,その上限を0.005重量%とする。
【0014】Niはオーステナイト生成元素であり,そ
の含有量が多くなると磁気特性を劣化させるようになる
ので0.3重量%以下とする。
【0015】Crは,耐食性のよいリレー鉄芯を得るう
えで9.0重量%以上含有させる必要がある。しかし,
Crを多量に含有させると磁束密度が低下するので,そ
の上限を14.0重量%とする。
【0016】Nは,AlやTiの窒化物を形成して磁気
特性を劣化させるので,その上限を0.02重量%とし
た。
【0017】Oは不純物として混入して酸化物を形成す
ると磁気特性を劣化させるので低く抑える必要がある。
このためその上限を0.010重量%とする。
【0018】Alは鋼の溶製時の脱酸材として添加さ
れ,脱酸にともなって不純物を低減して磁気特性を向上
させる作用を果たす。しかしAl自体は磁気特性を劣化
させる元素であるので,その上限を2.0重量%とす
る。
【0019】Tiは,CおよびNと炭・窒化物を形成
し,これによってフェライト単相組織を確保するのに有
効に作用し,このためには,C+Nの5倍以上添加する
必要がある。しかし,Ti自体は磁気特性を劣化させる
ように作用するので,Tiの範囲は5(C+N)〜0.
40重量%とする。
【0020】以上の成分組成の規制に加え,前記の式で
定義されるF値が0〜4の範囲となるように,各成分量
を調整すると,リレー鉄芯に必要な磁気特性が安定して
確保できることがわかった。
【0021】図1は,各成分量を変えて前記の式で定義
されるF値を変化させた多数の供試材(磁気焼鈍材)に
ついて,そのF値と最大磁束密度(G)との関係を調べ
た結果を示したものである。
【0022】図1に見られにように,F値が0を境にし
てこれより低くなると,最大磁束密度は急激に低下し,
リレー鉄芯用途には適さなくなる。他方,F値が0を越
えると徐々に最大磁束密度が低下するようになるが,F
値が4以下では,電磁軟鉄に匹敵する最大磁束密度例え
ばほぼ12000(G)を確保することができる。した
がって,リレー鉄芯用としてはF値が0以上4以下とな
るように各成分量を調節することが必要であり,この調
整によって,耐食性の良好なフエライト系ステンレス鋼
の成分系において,リレー鉄芯用材料となり得る範囲が
存在する。これは,フェライト系ステンレス鋼の組織が
関与しているものであり,F値がこの範囲において,良
好な磁気特性を有する組織となると考えてよい。
【0023】このF値と磁気特性の関係については,以
下の実施例でも具体的に示す。
【0024】
【実施例】表1に示した化学成分値(重量%)の合金鋼
を溶解し,熱間圧延,冷間圧延および仕上げ焼鈍を施し
て1.2mm厚みの板を製造した。Alは従来の電磁軟
鉄であり,B1〜15は本発明鋼,C1〜4は比較鋼で
ある。
【0025】各1.2mm厚の鋼板から外径45mm,
内径33mmのリング状試験片を切り出し,850℃×
1時間の焼鈍を施した後,周波数60Hzでの交流磁気
測定を行い,磁場10エルステッドにおける最大磁束密
度(G)を計測した。なお,Alについては焼鈍後に膜
厚の異なるNiメッキを施したものについても供試し
た。測定結果を表2に示した。
【0026】また,各鋼板をL字型のリレー鉄心にそれ
ぞれ10個づつ加工し,850℃×1時間の焼鈍後,リ
レー鉄芯の吸着力の評価を行った。なおAlについては
部品の焼鈍後,膜厚の異なるNiメッキを施したものに
ついても供試した。リレー鉄芯の吸着力の評価は,図2
に図解したように該リレー鉄芯1をソレノイドコイル2
に取り付け,コイル2に電圧24V,周波数60Hzの
電流を流して磁場を印加した状態で,A部より矢視の方
向に押し付け荷重をかけ,鉄芯が離れるときの荷重を測
定した。そして,それぞれ平均値と標準偏差を求めた。
それらの結果も表2に示した。
【0027】さらに,各鋼板をJISZ2371に準拠
した24時間の塩水噴霧試験を供して耐食性を調べた。
耐食性の評価は,目視判定により,ほとんど発錆しない
もの(○印),点錆が軽く分布しているもの(△印),
面積率で10%以上の錆が発生したもの(×印)の三段
階で評価した。その結果も表2に併記した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果に見られるように,Alの電磁
軟鉄は,メッキをしない状態では磁気特性が最大磁束密
度B=14600Gと優れ,リレー鉄芯の吸着力も22
8.8gfと高い値を示す。しかし,メッキをしない無
垢の状態では耐食性が劣る。一方,A1のメッキ材につ
いてはメッキ膜厚が2.0μmで耐食性が良好になる
が,メッキ膜厚が厚くなるにしたがって最大磁束密度が
低下し,リレー鉄芯の吸着力も低下し,メッキ膜厚6.
0μmで吸着力が179.2gfとリレー鉄芯に必要な
吸着力を示さない。しかも,メッキ材はすべて吸着力の
ばらつき(標準偏差σ)が大きく,安定したリレー特性
を示さない。
【0031】またF値が0未満の比較鋼C1とC3は最
大磁束密度が極端に低く,また吸着力も低いのでリレー
鉄芯用途には適さない。また,これらはCr量が8.0
4重量%,8.13重量%と低いので耐食性も劣る。
【0032】F値が4.33と4.84であるC2とC4
は,耐食性は良好であるが,F値が4を越えるので最大
磁束密度が劣り且つリレー鉄芯の吸着力も低い。
【0033】これらに対して,各成分量が本発明範囲に
あり且つF値が0〜4の範囲にあるB1〜15鋼は,い
ずれも優れた最大磁束密度を示し且つリレー鉄芯の吸着
力も200gf以上と優れた値を示す。しかも,吸着力
のばらつき(標準偏差σ)が小さく,安定したリレー特
性を示す。加えて耐食性が良好である。したがって,リ
レー鉄芯用として優れた性質を有する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
耐食性とリレー特性を兼ね備えた有用なリレー鉄芯用材
料が提供される。また経済性の点でも実用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】F値と磁束密度B10の関係を示した図であ
る。
【図2】リレー鉄芯の吸着力の評価方法を説明するため
の略断面図である。
【符号の説明】
1 リレー鉄芯 2 ソレノイドコイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    0.3〜2.0%,Mn:0.7%以下,P:0.04%以
    下,S:0.005%以下,Ni:0.3%以下,Cr:
    9.0〜14.0%,N:0.02%以下,O:0.010
    %以下,Al:2.0%以下を含有し,且つ下式で定義
    されるF値が0以上4以下となるように各成分量が調整
    され, F値=Cr+Si+2.1Al−37.0(C+N)−
    2.0Ni−0.6Mn−10.8 残部がFeおよび不可避的不純物からなるリレー鉄芯用
    軟磁性ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    0.3〜2.0%,Mn:0.7%以下,P:0.04%以
    下,S:0.005%以下,Ni:0.3%以下,Cr:
    9.0〜14.0%,N:0.02%以下,O:0.010
    %以下,Al:2.0%以下,Ti:5(C+N)〜0.
    4%を含有し,且つ下式で定義されるF値が0以上4以
    下となるように各成分量が調整され, F値=Cr+Si+2.1(Ti+Al)−37.0(C
    +N)−2.0Ni−0.6Mn−10.8 残部がFeおよび不可避的不純物からなるリレー鉄芯用
    軟磁性ステンレス鋼。
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