JPH0827188A - 新規な造血抑制因子 - Google Patents

新規な造血抑制因子

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JPH0827188A
JPH0827188A JP6159987A JP15998794A JPH0827188A JP H0827188 A JPH0827188 A JP H0827188A JP 6159987 A JP6159987 A JP 6159987A JP 15998794 A JP15998794 A JP 15998794A JP H0827188 A JPH0827188 A JP H0827188A
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hematopoietic
hematopoiesis
suppressor
crude
factor
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JP6159987A
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Hiroki Shigematsu
弘樹 重松
Yoji Ishida
陽治 石田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の性質を有することを特徴とする造血抑
制因子。 (a)130mMの食塩を含むpH7.4の10mMの
N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−
エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液条件下で小麦胚
芽レクチンに吸着する。 (b)ゲル濾過で分子量が150000±50000の
位置に溶出される。 (c)リン酸緩衝生理食塩水(PBS)条件下でブルー
色素に吸着する。 (d)マウス骨髄巨核球増幅活性を抑制する。 【効果】 巨核球の増幅を抑制する活性を有し、急性白
血病、突発性骨髄線維症等に対する治療に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巨核球の増幅を抑制す
る活性を有する造血抑制因子及び該因子を含有する造血
抑制用医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】造血組織は生体内の中で最も活発に新生
と崩壊を繰り返している組織の一つである。多数の血球
成分が日々産生され、傍らでは機能を果たした血球は死
滅していく。このような激しい細胞の交換にもかかわら
ず、各血球は過不足がなく、恒常性が保たれている。こ
うした血球数の調節は、造血細胞の増殖、分化、成熟に
多数の造血促進因子と造血抑制因子が作用することによ
り行われていると考えられる。即ち、赤血球を増加させ
る因子としてはエリスロポエチン(1)が、白血球を増加
させる因子としてはコロニー刺激因子(2)が、血小板を
増加させる因子としてはトロンボポエチン(3)が作用し
ていることが明らかにされている。また、最近ではトロ
ンボポエチンが貧血のブタから精製され、ヒトのDNA
も単離された(3)。この様に造血を促進する因子につい
ては研究が進められているが、逆に造血を抑制する因子
についてはほとんど研究がなされていない。トラスフォ
ーミンググロースファクター−β(TGF−β)は、未
熟な造血前駆細胞に作用し、分化増殖抑制効果を有する
ことが知られている(4)。しかしTGF−βは多くの組
織において発現し、しかも多くの細胞に対して増殖抑制
因子として作用することが明らかになっており(5)、造
血を特異的に調節しているとは考えがたい上に、分子量
が25000の2量体から形成されているものである。
【0003】急性白血病は造血幹細胞腫瘍であり、腫瘍
化した1個の幹細胞に由来し、分化成熟能に欠陥を生じ
た幼若芽球の無制限の増殖を特徴としている。白血病細
胞の無制限増殖機構はいまだ十分に解明されていない
が、サイトカインネットワークを中心とする細胞増殖調
節機構と、細胞応答の破綻が、主たる原因のひとつと考
えられている。急性白血病の治療法の基本は、代謝拮抗
剤、抗生物質やアルキル化剤を中心とした化学療法であ
り、近年その発達と補助療法の進歩により完全寛解率が
飛躍的に向上した。しかし完全寛解率の上昇にもかかわ
らず、現在なお完全寛解に達した患者の少なくとも過半
数は、再発により死亡している。その原因の1つには薬
剤耐性があげられ、現在の白血病化学療法における最大
の課題となっている(6)(7)。
【0004】また、突発性骨髄線維症は骨髄系幹細胞が
異常増殖し、二次的に骨髄の線維化が起こる疾患であ
る。病期の進行と共に貧血や出血、脾腫による圧迫症状
がみられる。骨髄系幹細胞の異常増殖をきたす病因自体
は不明であるが、骨髄線維化の原因として各種の繊維芽
細胞増殖因子が挙げられる。その中でも骨髄中で過剰に
増殖した巨核球から放出される血小板由来成長因子(P
DGF)が、繊維芽細胞の増殖を促進して骨髄の線維化
を起こすと考えられている。この疾患は有効な治療法が
なく、脾腫による各種の病態を改善するために摘脾が比
較的よく行われているにすぎない(7)。〔(1)平嶋邦
猛,臨床透析,5,891,1989(2)Donah
ue,R.E.et al.,Science,24
1,1820,1988(3)Frederic
J.,et al.,Nature,369,533,
1994(4)Sing,G.K.,et al.,B
lood,72,1504,1988(5)宮園浩平,
蛋白質核酸酵素,36,1350,1991(6)血液
・腫瘍科,27,196,1993(7)最新内科学大
系,第19巻白血病,1992,中山書店〕
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、薬剤
耐性が白血病化学療法の問題点となっているが、これは
本来生体内に存在しない物質を投与することが原因であ
り、非自己を排除する生体防御の1例であると考えられ
る。本来生体が持っている造血抑制作用を利用すれば、
即ち造血抑制因子を急性白血病の薬剤として使用すれ
ば、薬剤耐性という問題点を解決できると考えられる。
また同様に巨核球の増幅を押さえるような造血抑制因子
は、突発性骨髄線維症の治療薬にもなると考えられる。
しかし生体内成分である造血抑制因子は、その存在すら
明確でなく、その物性がわからない上に極めて微量であ
ることが考えられ、その解明には困難を極めていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の技
術的背景にあって、特異的に且つ強力に造血細胞の増
殖、分化、成熟を抑制する作用を有する新規な造血抑制
因子を見いだすべく鋭意研究を重ねた。その結果、造血
抑制因子に親和性を持ったアフィニティーカラムを使用
することにより、微量な同因子を正常な動物及び健常人
の血漿中から単離、精製することに成功し、次いで血小
板減少症モデル動物の血漿から同じく単離、精製するこ
とが可能であることを確認し、その諸性質を明らかにす
ると共に、その作用を確認して、薬剤としての有用性を
示した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された
ものである。
【0007】従って、本発明の一つの目的は、強力な作
用を有する実質的に純粋な新規な造血抑制因子を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、有効量の造
血抑制因子を活性成分として含有する医薬組成物を提供
することにある。本発明によれば、巨核球の増幅を抑制
する造血抑制因子が提供される。更に詳しくは、下記の
性質を有する造血抑制因子が提供される。 (a)130mMの食塩を含むpH7.4の10mMの
HEPES緩衝液条件下で小麦胚芽レクチンに吸着す
る。 (b)ゲル濾過で分子量が150000±50000の
位置に溶出される。 (c)PBS条件下でブルー色素に吸着する。 (d)マウス骨髄巨核球増幅活性を抑制する。
【0008】また本発明の他の態様によれば、該因子を
分離、精製することを含む造血抑制因子の製造方法が提
供される。造血抑制因子の製造に際して用いる原料は血
漿、特に好ましくはヒトの血漿が挙げられ、その他にウ
サギ及び他の哺乳動物の血漿が挙げられる。即ち、該因
子の分離・精製方法としては、通常使用される方法、例
えば、担体による吸着法、塩析法、電気泳動法、および
イオン交換、ゲル濾過、適当なリガンドへのアフィニテ
ィーを応用した各種のクロマトグラフィー法等を単独
で、または組み合わせて使用できる。クロマトグラフィ
ー法として、好ましくは、カルボキシメチル(CM)基
を結合させた担体を用いるCMカラムクロマトグラフィ
ー、第4級アミノエチル基(Q)を結合させた担体を用
いるQカラムクロマトグラフィー、架橋したデキストラ
ンゲル等の粒子を用いるゲル濾過カラムクロマトグラフ
ィー、フェニル基やブチル基を結合させた担体を用いる
疎水性カラムクロマトグラフィー、色素やレクチン等の
該因子に親和性がある物質を結合させた担体を用いるア
フィニティーカラムクロマトグラフィーを使用できる。
【0009】本発明の製造方法においては、特に小麦胚
芽レクチンまたはブルー色素の少なくともいずれか一方
を用いることが好ましく、これを用いることで他の方法
に比べて特に効率良く精製することが可能である。ブル
ー色素としてはシグマ社1994年度試薬カタログに記
載のシバクロンブルー3GAが好ましい。小麦胚芽レク
チンまたはシバクロンブルー3GAの使用に当たって
は、ハロゲン化シアンやエポキシドを作用させて活性化
した適当な担体例えば、活性化セルロース、活性化アガ
ロース、活性化デキストラン等に固定化して用いると好
適であり、カラムクロマトグラフィーとなすと、特に操
作、効率において好ましい。
【0010】本発明製造方法の具体的1例についてさら
に説明する。ジイソプロピルフルオロリン酸処理によ
り、内在性のセリンプロテアーゼを失活させた血漿を、
硫酸アンモニウム(硫安)塩析により分画する。造血抑
制活性を有する画分をpH7.0−7.5の適当な緩衝
液、例えばHEPES緩衝液にて透析する。次に同緩衝
液で平衡化した適当なレクチンアフィニティーカラム例
えば小麦胚芽レクチン固定化担体、好ましくはホィート
ジャームレクチン(WGL)セファロース6MB(スウ
ェーデン、ファルマシア社)にアプライし、十分にカラ
ムを洗浄して非吸着物を除く。吸着物は、常法に従って
適当な糖例えばN−アセチルグルコサミンを含む緩衝液
により溶出する。溶出液を限外濾過膜等により適当な濃
度、好ましくは10−30mg/mlまで濃縮し、予め
適当な緩衝液、例えばPBSで平衡化したゲル濾過カラ
ム、好ましくはスーパーデックス200pg(ファルマ
シア社)カラムで分画する。造血抑制活性を有する画分
を同緩衝液で予め平衡化したシバクロンブルー3GA固
定化担体、好ましくはブルーセファロース・ファースト
フロー(ファルマシア社)カラムにアプライし、同緩衝
液で十分にカラムを洗浄して非吸着物を除く。造血抑制
因子は、1.5M食塩を含む緩衝液により溶出し、回収
することができる。これらの操作により得られる該造血
抑制因子は蛋白質であると予想される。
【0011】このようにして得られる新規な造血抑制因
子は、巨核球の増幅を抑制する活性を有するものであ
る。該因子は、巨核球の増幅を抑制する研究用試薬とし
て、また該因子単独で、あるいは有効量の該因子に、製
薬剤的に許容される担体、例えば希釈液、賦形剤、増粘
剤、pH調製剤等を添加して適当な剤形とし、造血抑制
用医薬組成物として使用することができる。本発明の医
薬組成物は、急性白血病、突発性骨髄線維症等の治療に
有用である。本発明の医薬組成物は、特に好ましくは注
射剤として用いることができる。例えば、注射用蒸留
水、ブドウ糖、ショ糖、グリセリン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、食塩、リン酸ナトリ
ウム等の希釈液、増粘剤、等張剤、pH調整剤等を加え
ることができる。
【0012】本発明の造血抑制因子の成人1回当りの投
与量は、年齢、性別、体重、症状などによって異なる
が、一般に約0.1μg〜100mgであり、1日当り
1回または必要に応じて数回投与することができる。本
発明をより詳細に記述するために、参考例及び実施例に
より説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0013】
【参考例】
造血活性測定法 細胞内アセチルコリンエステラーゼ活性を巨核球増幅の
指標にした(Burstein.S.A.,Journ
al of Cellular Physiolog
y,122,159,1985)。なお適宜顕微鏡観察
により培養後の巨核球の大きさを比較し、巨核球増幅及
びその抑制の程度が反映されていることを確認した。以
下のIMDM液(Iscove’s modeific
ation ofDallbecco’s mediu
m)は粉末IMDM(1リットル用)(米国、ギブコ
社)に重曹3.024gを加え、pHを7.1に調整し
た後、1リットルにメスアップし、更に50IU/ml
ペニシリン及び50μg/mlストレプトマイシン(い
ずれも米国、フローラボラトリーズ社)を加えて調製し
たものである。
【0014】6〜10週齢のC57BL/6マウス
(雌)3匹の大腿骨及び脛骨を採取し、その両端を切断
し、10%牛胎児血清(ギブコ社)を含む10mlのI
MDM液を入れた10mlのプラスチック注射器(22
G針)を用いて、100mmプラスチックディッシュ中
に、骨髄を押しだした。数回(19G針と22G針使
用)のピペッティング操作によって、細胞を分散した
後、15mlのチュ−ブに移し、100gで20分間遠
心し、沈降性の細胞を回収した。この細胞を10mlの
10%牛血清を含むIMDMに懸濁し、100mmプラ
スチックディッシュ内で37℃、5%二酸化炭素下で1
時間培養した。非付着細胞懸濁液に単球除去試薬KAC
−2(日本国、日本抗体研究所)を10%添加し、10
分毎に撹拌しながら37℃、5%二酸化炭素下で1時間
培養した。細胞懸濁液を10mlのリンフォライト−M
(日本国、和光純薬工業)に重層し、4℃、400gで
20分間遠心した。中間層を採取し、IMDMで2回洗
浄した後に1%ニュートリドーマSP(ドイツ、ベーリ
ンガーマンハイム社)及び0.1%牛血清アルブミン
(米国、シグマ社)を含むIMDM液に、細胞密度が5
×105 cells/mlとなるように懸濁した。細胞
濃度は、トリパンブル−(米国、フロ−ラボラトリ−ズ
社)染色にて血球計算盤で測定した。96穴培養用ディ
ッシュ(日本国、住友ベークライト社)に、1穴当り2
00μlの細胞懸濁液を分注し、37℃、5%CO2 の
条件下で4日間培養した。必要に応じてサイトカインあ
るいは試料溶液を10%添加した。培養後プレートを顕
微鏡観察し、各穴の巨核球の大きさを比較した。
【0015】プレートを400g、10分間遠心して細
胞を沈め上清を除去した後、各穴に150μlのPBS
及び50μlの0.8mMの5,5’−ヂチオビス(2
−ニトロ安息香酸)(シグマ社)を含む1%トリトンX
溶液を添加し、十分撹拌した後に405nmと650n
mの吸光度差を測定した(0時間)。各穴に20μlの
7.5mMのヨウ化アセチルチオコリン(シグマ社)溶
液を添加し、反応を開始した。室温で遮光して60分間
放置後、405nmと650nmの吸光度差を測定し、
0時間の測定値を差し引いて、細胞内アセチルコリンエ
ステラーゼ活性とした。活性の強さは巨核球増幅を促進
する因子及び試料無添加での値を100%としてその比
率で表した。即ち100%以上は、巨核球増幅を促進す
る造血促進活性を、100%以下は巨核球増幅を抑制す
る造血抑制活性を表す。
【0016】
【実施例】
実施例1 ヒト血漿からの造血抑制因子の精製 健常人の血液75mlに当量の150mMの食塩及び1
0mMのエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムを含むp
H8.5の20mMのトリス塩酸緩衝液を加え、1,0
00gで20分間遠心し、上清を得た。上清に2mMの
ジイソプロピルフルオロリン酸を加え、4℃で4時間撹
拌して内在性のセリンプロテアーゼを失活させた後、ア
ンモニア水でpH8.5に調整しながら55%飽和とな
るように硫安を添加し、4℃で約1時間撹拌した。55
%飽和硫安溶液を4℃、10,000gで20分間遠心
後、その上清にさらに80%飽和となるように硫安を添
加し、4℃で約1時間撹拌した。80%飽和硫安溶液を
4℃、10,000gで20分間遠心後、得られた沈殿
を少量の130mMの食塩を含むpH7.4の10mM
のHEPES緩衝液に溶解し、同緩衝液に対して透析し
たものを粗精製品1とした。
【0017】粗精製品1を予め130mMの食塩を含む
pH7.4の10mMのHEPES緩衝液で十分に平衡
化したWGLセファロース6MB(ファルマシア社)カ
ラム(直径5.0cm×高さ2.5cm)にアプライし
た。約200mlの同緩衝液で洗浄した後、約200m
lの200mMのN-アセチルグルコサミンを含む同緩
衝液で吸着物を溶出し、粗精製品2とした。流速は3m
l/分で行った。図1に精製2段目のWGLセファロー
スクロマトグラフィーの結果の一例を示した。
【0018】粗精製品2を限外濾過中空糸(旭化成工
業)を用いて2mlに濃縮し、これを予めPBS(1.
15gリン酸二ナトリウム、0.2gリン酸一カリウ
ム、8g食塩、0.2g塩化カリウム/リットル、pH
7.3)で十分に平衡化したスーパーデックス200p
g(ファルマシア社)カラム(直径2.6cm×高さ6
5cm)でゲル濾過した。巨核球増幅を抑制する本発明
の因子は分子量が約150000付近にピークを有する
画分、即ち約10mlの粗精製品3として回収された。
流速は0.5ml/分で行った。図2に精製3段目のス
ーパーデックス200pgカラムクロマトグラフィーの
結果の一例を示した。
【0019】粗精製品3を予めPBSで十分に平衡化し
たブルーセファロース・ファーストフロー(ファルマシ
ア社)カラム(直径2.6cm×高さ1.0cm)にア
プライした。約30mlの同緩衝液で洗浄した後、約2
0mlの1.5M食塩を含む同緩衝液で吸着物を溶出
し、最終精製品とした。流速は3ml/分で行った。図
3に精製4段目のブルーセファロースカラムクロマトグ
ラフィーの結果の一例を示した。
【0020】最終精製品を予めPBSで十分に平衡化し
たスーパーデックス200pg(ファルマシア社)カラ
ム(直径1.6cm×高さ62cm)で再びゲル濾過し
たところ、分子量約150000付近に単一のピークが
得られ、実質的な純化が確認された。なお、このカラム
において分子量は±50000程度の誤差があるものと
考えられる。
【0021】各精製工程における蛋白質の回収率を表に
示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【実施例2】 正常ウサギ血漿からの造血抑制因子の精
製 2.5〜3.0kgのニュージーランドホワイトウサギ
の血液60mlに当量の150mMの食塩及び10mM
のエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムを含むpH8.
5の20mMのトリス塩酸緩衝液を加え、1,000g
で20分間遠心し、上清を得た。各上清に2mMのジイ
ソプロピルフルオロリン酸を加え、4℃で4時間撹拌し
て内在性のセリンプロテアーゼを失活させた後、アンモ
ニア水でpH8.5に調整しながら55%飽和となるよ
うに硫安を添加し、4℃で約1時間撹拌した。55%飽
和硫安溶液を4℃、10,000gで20分間遠心後、
その上清にさらに80%飽和となるように硫安を添加
し、4℃で約1時間撹拌した。80%飽和硫安溶液を4
℃、10,000gで20分間遠心後、得られた沈殿を
少量の130mMの食塩を含むpH7.4の10mMの
HEPES緩衝液に溶解し、同緩衝液に対して透析した
ものを粗精製品1とした。
【0024】粗精製品1を予め130mMの食塩を含む
pH7.4の10mMのHEPES緩衝液で十分に平衡
化したWGLセファロース6MB(ファルマシア社)カ
ラム(直径5.0cm×高さ2.5cm)にアプライし
た。約200mlの同緩衝液で洗浄した後、約200m
lの200mMのN-アセチルグルコサミンを含む同緩
衝液で吸着物を溶出し、粗精製品2とした。流速は3m
l/分で行った。図4に精製2段目のWGLセファロー
スクロマトグラフィーの結果の一例を示した。
【0025】粗精製品2を限外濾過中空糸(旭化成工
業)を用いて2mlに濃縮し、これを予めPBSで十分
に平衡化したスーパーデックス200pg(ファルマシ
ア社)カラム(直径2.6cm×高さ65cm)でゲル
濾過した。巨核球増幅を促進する活性は、分子量が約5
0000付近にピークとして溶出されたが、巨核球増幅
を抑制する本発明の因子は分子量が約150000付近
にピークを有する画分、即ち約10mlの粗精製品3と
して回収された。流速は0.5ml/分で行った。図5
に精製3段目のスーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーの結果の一例を示した。
【0026】粗精製品3を予めPBSで十分に平衡化し
たブルーセファロース・ファーストフロー(ファルマシ
ア社)カラム(直径2.6cm×高さ1.0cm)にア
プライした。約30mlの同緩衝液で洗浄した後、約2
0mlの1.5M食塩を含む同緩衝液で吸着物を溶出
し、最終精製品とした。流速は3ml/分で行った。図
6に精製4段目のブルーセファロースカラムクロマトグ
ラフィーの結果の一例を示した。
【0027】最終精製品を予めPBSで十分に平衡化し
たスーパーデックス200pg(ファルマシア社)カラ
ム(直径1.6cm×高さ62cm)で再びゲル濾過し
たところ、分子量約150000付近に単一のピークが
得られ、実質的な純化が確認された。なお、このカラム
において分子量は±50000程度の誤差があるものと
考えられる。
【0028】
【実施例3】 血小板減少症ウサギ血漿からの造血抑制
因子の精製 ニュージーランドホワイトウサギからクエン酸ナトリウ
ムを用いて全採血後、100gで20分間遠心し、上清
の血小板を集めた。これに1.5mMのエチレンジアミ
ン4酢酸2ナトリウムを含むPBSを当量加え、400
gで15分間遠心し、沈殿の血小板を集めた。血小板を
同緩衝液で同様にして2回洗浄した後、少量の同緩衝液
に懸濁した。血小板懸濁液にフロイント完全アジュバン
ドを適量加え乳化して、ヤギの皮下または皮内の数か所
に2週間おきに接種した。一回の接種にはウサギ2羽分
の血小板を用いた。7回目の接種から2週間後に全採血
し、抗ウサギ血小板ヤギ抗血清約1000mlを取得し
た。
【0029】2.5〜3.0kgのニュージーランドホ
ワイトウサギに、上記により得られた抗ウサギ血小板ヤ
ギ抗血清を3ml静注することにより血小板減少症を引
き起こした。抗血清投与5〜6時間後に心臓採血して得
た血液を血小板減少症血液とし、血液60mlに当量の
150mMの食塩及び10mMのエチレンジアミン4酢
酸2ナトリウムを含むpH8.5の20mMのトリス塩
酸緩衝液を加え、1,000gで20分間遠心し、上清
を得た。上清に2mMのジイソプロピルフルオロリン酸
を加え、4℃で4時間撹拌して内在性のセリンプロテア
ーゼを失活させた後、アンモニア水でpH8.5に調整
しながら55%飽和となるように硫安を添加し、4℃で
約1時間撹拌した。55%飽和硫安溶液を4℃、10,
000gで20分間遠心後、その上清にさらに80%飽
和となるように硫安を添加し、4℃で約1時間撹拌し
た。80%飽和硫安溶液を4℃、10,000gで20
分間遠心後、得られた沈殿を少量の130mMの食塩を
含むpH7.4の10mMのHEPES緩衝液に溶解
し、同緩衝液に対して透析したものを粗精製品1とし
た。
【0030】粗精製品1を予め130mMの食塩を含む
pH7.4の10mMのHEPES緩衝液で十分に平衡
化したWGLセファロース6MB(ファルマシア社)カ
ラム(直径5.0cm×高さ2.5cm)にアプライし
た。約200mlの同緩衝液で洗浄した後、約200m
lの200mMのN-アセチルグルコサミンを含む同緩
衝液で吸着物を溶出し、粗精製品2とした。流速は3m
l/分で行った。図7に精製2段目のWGLセファロー
スクロマトグラフィーの結果の一例を示した。
【0031】粗精製品2を限外濾過中空糸(旭化成工
業)を用いて2mlに濃縮し、これを予めPBSで十分
に平衡化したスーパーデックス200pg(ファルマシ
ア社)カラム(直径2.6cm×高さ65cm)でゲル
濾過した。巨核球増幅を促進する活性は、分子量が約5
0000付近にピークとして溶出されたが、巨核球増幅
を抑制する本発明の因子は分子量が約150000付近
にピークを有する画分、即ち約10mlの粗精製品3と
して回収された。流速は0.5ml/分で行った。図8
に精製3段目のスーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーの結果の一例を示した。
【0032】粗精製品3を予めPBSで十分に平衡化し
たブルーセファロース・ファーストフロー(ファルマシ
ア社)カラム(直径2.6cm×高さ1.0cm)にア
プライした。約30mlの同緩衝液で洗浄した後、約2
0mlの1.5M食塩を含む同緩衝液で吸着物を溶出
し、最終精製品とした。流速は3ml/分で行った。図
9に精製4段目のブルーセファロースカラムクロマトグ
ラフィーの結果の一例を示した。
【0033】最終精製品を予めPBSで十分に平衡化し
たスーパーデックス200pg(ファルマシア社)カラ
ム(直径1.6cm×高さ62cm)で再びゲル濾過し
たところ、分子量約150000付近に単一のピークが
得られ、実質的な純化が確認された。なお、このカラム
において分子量は±50000程度の誤差があるものと
考えられる。
【0034】
【実施例4】 本発明の造血抑制因子の造血抑制活性 ヒト、正常ウサギ及び血小板減少症ウサギの血漿から得
た粗精製品3について、それぞれの造血抑制活性を参考
例に示した方法で検討した。ヒト由来造血抑制因子の結
果を図10に、正常ウサギ由来造血抑制因子の結果を図
11に、血小板減少症ウサギ由来造血抑制因子の結果を
図12に示した。共に添加量依存的に巨核球増幅を抑制
し、該因子粗精製品1μg/mlの濃度で50%以上抑
制した。また巨核球増幅を促進する因子を共存させた条
件下でも同様に検討した。即ち10ng/mlのヒト組
換え型IL−6(米国、アップステートバイオテクノロ
ジー社)共存下及び50μg/mlのウサギトロンボポ
エチン粗精製品共存下のそれぞれで、ヒト、正常ウサギ
及び血小板減少症ウサギのそれぞれの血漿から得た粗精
製品3について、造血抑制活性を参考例に示した方法で
検討した。ヒト由来造血抑制因子の結果を図13に、正
常ウサギ由来造血抑制因子の結果を図14に、血小板減
少症ウサギ由来造血抑制因子の結果を図15に示した。
巨核球増幅を促進する因子、即ちIL−6およびウサギ
トロンボポエチン粗精製品をそれぞれ共存させたいずれ
の条件下においても、添加量依存的に巨核球増幅を抑制
し、該因子粗精製品10μg/mlの濃度で50%以上
抑制した。なお、ウサギトロンボポエチン粗精製品とし
て、実施例3に記載のゲル濾過で50000付近に溶出
された巨核球増幅活性を有する画分を用いた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 硫安塩析により得られたヒト由来造血抑制
因子粗精製品1のWGLセファロース6MBカラムクロ
マトグラムである。
【図2】 WGLセファロース6MBカラムクロマト
グラフィーにより得られたヒト由来造血抑制因子粗精製
品2のスーパーデックス200pgクロマトグラムであ
る。
【図3】 スーパーデックス200pgカラムクロマ
トグラフィーにより得られたヒト由来造血抑制因子粗精
製品3のブルーセファロースカラムクロマトグラムであ
る。
【図4】 硫安塩析により得られた正常ウサギ由来造
血抑制因子粗精製品1のWGLセファロース6MBカラ
ムクロマトグラムである。
【図5】 WGLセファロース6MBカラムクロマト
グラフィーにより得られた正常ウサギ由来造血抑制因子
粗精製品2のスーパーデックス200pgクロマトグラ
ムである。
【図6】 スーパーデックス200pgカラムクロマ
トグラフィーにより得られた正常ウサギ由来造血抑制因
子粗精製品3のブルーセファロースカラムクロマトグラ
ムである。
【図7】 硫安塩析により得られた血小板減少症ウサ
ギ由来造血抑制因子粗精製品1のWGLセファロース6
MBカラムクロマトグラムである。
【図8】 WGLセファロース6MBカラムクロマト
グラフィーにより得られた血小板減少症ウサギ由来造血
抑制因子粗精製品2のスーパーデックス200pgクロ
マトグラムである。
【図9】 スーパーデックス200pgカラムクロマ
トグラフィーにより得られた血小板減少症ウサギ由来造
血抑制因子粗精製品3のブルーセファロースカラムクロ
マトグラムである。
【図10】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られたヒト由来造血抑制因子粗
精製品3の造血抑制活性を示した。
【図11】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られた正常ウサギ由来造血抑制
因子粗精製品3の造血抑制活性を示した。
【図12】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られた血小板減少症ウサギ由来
造血抑制因子粗精製品3の造血抑制活性を示した。
【図13】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られたヒト由来造血抑制因子粗
精製品3の、巨核球増幅因子共存下における造血抑制活
性を示した。
【図14】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られた正常ウサギ由来造血抑制
因子粗精製品3の、巨核球増幅因子共存下における造血
抑制活性を示した。
【図15】 スーパーデックス200pgカラムクロ
マトグラフィーにより得られた血小板減少症ウサギ由来
造血抑制因子粗精製品3の、巨核球増幅因子共存下にお
ける造血抑制活性を示した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の性質を有することを特徴とする
    造血抑制因子。 (a)130mMの食塩を含むpH7.4の10mMの
    N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−2−
    エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液条件下で小麦胚
    芽レクチンに吸着する。 (b)ゲル濾過で分子量が150000±50000の
    位置に溶出される。 (c)リン酸緩衝生理食塩水(PBS)条件下でブルー
    色素に吸着する。 (d)マウス骨髄巨核球増幅活性を抑制する。
  2. 【請求項2】 造血抑制因子がヒト由来である請求項
    1に記載の造血抑制因子。
  3. 【請求項3】 有効量の請求項1に記載の造血抑制因
    子、及び製薬剤的に許容される担体を含有することを特
    徴とする造血抑制用医薬組成物。
  4. 【請求項4】 小麦胚芽レクチンまたはブルー色素を
    用いることを特徴とする請求項1に記載の造血抑制因子
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002104978A (ja) * 2000-09-25 2002-04-10 Fujirebio Inc パルボウイルスの除去方法及び精製方法
JP2007509132A (ja) * 2003-10-26 2007-04-12 イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド 造血の調整のためのカスパーゼ−8インヒビターの使用

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