JPH0827303A - 多孔体及びその製造方法 - Google Patents

多孔体及びその製造方法

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JPH0827303A
JPH0827303A JP6187895A JP18789594A JPH0827303A JP H0827303 A JPH0827303 A JP H0827303A JP 6187895 A JP6187895 A JP 6187895A JP 18789594 A JP18789594 A JP 18789594A JP H0827303 A JPH0827303 A JP H0827303A
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JP
Japan
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filler
porous body
polyolefin resin
coated
catalyst
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Application number
JP6187895A
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English (en)
Inventor
Kenji Hashimoto
憲次 橋本
Yasushi Hamada
安司 濱田
Takeki Koto
武樹 小藤
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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  • Filtering Materials (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品比重の調整が容易であり、多孔体本来の
濾過性能,通気性能と、フィラーの持つ機能(磁気特性
や電気特性など)との複合効果が得られる多孔体とその
製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材の表
面層が熱融着されてなる多孔体を提供すると共に、充填
材の表面に可溶化触媒を付与してオレフィンを重合又は
共重合することにより得たポリオレフィン系樹脂で被覆
した充填材を、加熱成形することを特徴とする、前記多
孔体を製造する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾過、保持、発散、吸
収、分離等の種々の機能を持ち、水処理、集塵、殺菌・
防汚等の分野で有効な多孔体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、濾過、保持、発散、吸収、分離等
の種々の機能を持つ材料として高分子多孔体が注目され
ている。
【0003】多孔体には、高分子系と金属セラミックス
系とがある。後者は一般に原料が高価であり、しかも高
温での焼成を必要とする。一方、高分子多孔体には、原
料パウダーとしてポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)、PMMA(ポリメタメチルアクリレー
ト)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等をの
安価な原料が使用でき、低温で成形できる。それぞれ使
用温度や強度、耐薬品性等を考慮して原料パウダーが選
択される。しかしながら、これらから得られる高分子多
孔体は、一般に空孔率が30〜50%あるため、比重の
軽い多孔体しか得られないという問題点がある。また、
導電性を付与する場合には、予めカーボンブラック等を
混練成形し、凍結粉砕する等のパウダー化する工程が必
要であり、多大なエネルギーを必要とする。
【0004】さらに、例えば特開昭61−185537
号公報や特開平3−137913号公報等には、多孔体
の製造方法が開示されているが、フィラーを内包する樹
脂の多孔体は提案されていない。また、例えば、多孔体
からなるフィルター等の製品においては集塵を目的とす
るのみならず、脱臭、帯電防止等の複合効果が求められ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消し、フィラーが内包されたパウダーを用い
て成形することによって、製品比重の調整が容易であ
り、多孔体本来の濾過性能,通気性能と、フィラーの持
つ機能(磁気特性や電気特性など)との複合効果が得ら
れる多孔体とその製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は第1
に、ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材の表面層が
熱融着されてなる多孔体を提供するものである。
【0007】また、本発明は第2に、充填材の表面に可
溶化触媒を付与してオレフィンを重合又は共重合するこ
とにより得たポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材
を、加熱成形することを特徴とする、前記本発明の第1
の多孔体を製造する方法を提供するものである。
【0008】本発明の第1の多孔体は、ポリオレフィン
系樹脂で被覆した充填材の表面層が熱融着されてなるも
のである。ここでポリオレフィン系樹脂で被覆した充填
材、すなわちポリオレフィン系樹脂被覆充填材は、充填
材粒子の表面にポリオレフィン系樹脂の被覆層を形成し
てなるものである。ここでポリオレフィン系樹脂被覆充
填材におけるポリオレフィン系樹脂被覆の厚さは、特に
制限はないが、通常、50μm以下とすることが好まし
い。なお、本発明においては、ポリオレフィン系樹脂が
充填材粒子表面の全面を覆っていることが好ましいが、
必ずしも全面を覆っていなくともよい。
【0009】なお、ポリオレフィン系樹脂としては、例
えば高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,低密度
ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレンを含む)のよ
うなポリエチレン、プロピレンのホモポリマーやコポリ
マー(ブロックコポリマー,ランダムコポリマー)のよ
うなポリプロピレン等を挙げることができ、特にポリエ
チレンが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の重量平均分
子量は、通常、1万〜200万、好ましくは3万〜10
0万である。
【0010】本発明の第1の多孔体で用いるポリオレフ
ィン系樹脂被覆充填材は、充填材粒子の表面に、ポリオ
レフィン系樹脂の被覆層を形成してなるものである。こ
こで充填材としては、金属,セラミックス類,顔料,固
体潤滑剤,防菌・防黴剤及び活性炭よりなる群から選ば
れた1種以上のものが用いられる。これら充填材の形状
としては、粒子状であってもよいし、繊維状であっても
よく、さらに粉末状,フレーク状などであってもよい。
【0011】金属としては、金属粒子であってもよい
し、金属繊維であってもよい。また、金属は金属酸化物
や金属炭酸塩であってもよい。金属としては、例えば
銅、銀、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、鉛等が挙げら
れる。また、金属酸化物としては、例えば亜酸化銅、フ
ェライト、アルミナなどが挙げられる。さらに、金属炭
酸塩としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウムな
どが挙げられる。
【0012】また、セラミックス類としては、各種のも
のがあり、炭化物、窒化物、硼化物、珪化物であるとを
問わない。炭化物としては、例えば炭化珪素(Si
C)、炭化クロム(Cr3 2 )、炭化チタン(Ti
C)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化硼素(B
4 C)、ダイヤモンド(C)などが挙げられる。次に、
窒化物としては、例えば窒化珪素(SiN,Si3 N,
Si2 3 ,Si3 4 )、窒化硼素(BN)、窒化ジ
ルコニウム(ZrN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化チ
タン(TiN)などが挙げられる。また、硼化物として
は、例えば硼化チタン(TiB)、硼化ジルコニウム
(ZrB)、硼化タンタル(TaB)、硼化バナジウム
(VB2 )、硼化ランタン(LaB6 )などが挙げられ
る。さらに、珪化物としては、例えば珪化タンタル(T
aSi)、珪化モリブデン(MoSi)、珪化タングス
テン(WSi2 )などが挙げられる。
【0013】次に、顔料としては、白色、黄色、橙色、
赤色、紫色、青色、緑色、黒色などの無機或いは有機顔
料が用いられる。白色顔料としては、例えば二酸化チタ
ン、亜鉛華などの無機顔料がある。次に、黄色顔料とし
ては、例えば黄鉛(G,5G,10G),黄色酸化鉄,
チタンイエローなどの無機顔料や、ハンザイエロー,パ
ーマネントイエローFGLなどの有機顔料が挙げられ
る。また、橙色顔料としては、例えばモリブデートオレ
ンジなどの無機顔料や、ノバパームオレンジ(HL,H
L−70),ホスタパームオレンジGRなどの有機顔料
が挙げられる。さらに、赤色顔料としては、例えばベン
ガラなどの無機顔料や、ウオッチングレッド(Mn),
レーキレッド4R,パーマネントカーミンFBなどの有
機顔料が挙げられる。また、紫色顔料としては、例えば
紫ベンガラなどの無機顔料や、キナクリドンバイオレッ
ト,ジオキサジンバイオレットなどの有機顔料が挙げら
れる。青色顔料としては、例えば紺青,群青,コバルト
ブルーなどの無機顔料や、銅フタロシアニン,無金属フ
タロシアニン,インダントロンブルーなどの有機顔料が
挙げられる。次に、緑色顔料としては、例えばクロムグ
リーン,酸化クロムなどの無機顔料や、塩素化銅フタロ
シアニン,臭素化銅フタロシアニンなどの有機顔料が挙
げられる。さらに、黒色顔料としては、例えばカーボン
ブラック,鉄黒などの無機顔料が挙げられる。
【0014】さらに、固体潤滑材としては、例えば二硫
化モリブデン,二硫化タングステン等の硫黄化合物、黒
鉛(グラファイト又はセキボク),亜鉛華(酸化亜
鉛),窒化硼素等の金属酸化物、雲母、タルク、石ケン
石などが挙げられる。
【0015】また、防菌・防黴剤としては、例えば安息
香酸の塩類又はパラベン、抗菌性ゼオライト、抗菌性ア
パタイト、ジンクピリチオン、デヒドロ酢酸又はそのナ
トリウム塩、ヒビテン等が挙げられる。
【0016】その他、本発明においては、充填材として
活性炭を用いることもでき、さらにガラスビーズ,シリ
カビーズ等を用いることもできる。
【0017】本発明においては、通常はこのような充填
材の粒子を用いる。粒子の粒径は特に制限はないが、通
常、平均粒子径(直径)が0.1〜1000μmのもの
が用いられる。
【0018】本発明の第1の多孔体は、上記の如きポリ
オレフィン系樹脂で被覆した充填材の表面層が熱融着さ
れてなるものである。本発明の第1の多孔体は、このよ
うにポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材の表面層が
熱融着されてなるもの(焼結体)であり、その内部は熱
融着されていない。内部まで熱融着されたものである
と、空孔率が低く、連続気孔とならない。本発明の第1
の多孔体(焼結体)の形状は、用途に応じて適宜選定す
ることができる。例えば、円筒状,円盤状,円柱状,角
筒状,角柱状,板状,凹形,波形などをはじめ、様々な
形状のものを得ることができる。また、これらの形状の
ものを折り曲げたり、或いは切削などの二次加工を施し
たものであってもよい。
【0019】このような本発明の第1の多孔体は、充填
材の表面に可溶化触媒を付与してオレフィンを重合又は
共重合することにより得たポリオレフィン系樹脂で被覆
した充填材を、加熱成形することにより効率よく製造す
ることができる。このような製造方法を提供するのが、
本発明の第2である。すなわち、本発明の第2は、充填
材の表面に可溶化触媒を付与してオレフィンを重合又は
共重合することにより得たポリオレフィン系樹脂で被覆
した充填材を、加熱成形することにより、ポリオレフィ
ン系樹脂で被覆した充填材の表面層が熱融着されてなる
多孔体(本発明の第1の多孔体)を製造するものであ
る。
【0020】なお、可溶化触媒の種類や被覆層を形成す
る方法等については、例えば特開昭60−106808
号公報や特開昭60−252607号公報に記載された
方法を利用して行なうことができる。つまり、ポリオレ
フィン系樹脂の被覆は、充填材粒子をフィラーとして、
これに触媒処理を行なった後、重合を行なう、フィラー
入りポリオレフィンの重合技術を応用すればよい。
【0021】すなわち、本発明にいう可溶化触媒とは、
例えば特開昭60−106808号公報にいう「(a)
チタンおよび/またはジルコニウムを含有すると共に炭
化水素溶媒に可溶な高活性触媒成分」を指している。つ
まり、この成分は触媒の遷移金属成分に相当するもので
あり、チタンおよび/またはジルコニウムを含有すると
共に炭化水素溶媒に可溶な成分である。具体的には、こ
の触媒成分は、マグネシウム或いはマンガンの高級脂肪
酸塩,高級アルコール塩又は長鎖脂肪族炭化水素基を有
するリン酸塩に対して、一般式TiXn (OR)
4-n (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又はアシ
ル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。また、nは0以
上、4以下の実数である。)で表されるチタン化合物を
0.5以下(モル比)の割合で加えて反応させて得られ
る反応生成物である。
【0022】さらに具体的には、マグネシウムの高級脂
肪酸塩に対して、四塩化チタンを0.5以下(モル比)
の割合で加えて反応させて得られる反応生成物が好適に
用いられる。ここで高級脂肪酸としては、炭素数10以
上の飽和、不飽和のいずれでもよく、特に炭素数16以
上のものが好ましい。これらの具体例としては、カプリ
ン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステ
アリン酸,オレイン酸などを挙げることができ、特にス
テアリン酸が好ましい。
【0023】ここで充填材粒子の表面にポリオレフィン
系樹脂の被覆層を形成させる方法について具体的に説明
すると、まず上記した如き触媒成分、特にステアリン酸
マグネシウムと四塩化チタンとをヘキサン中で反応さ
せ、可溶化触媒(チタン含有触媒成分)を調製する。こ
のようにして得られた可溶化触媒(主触媒)を用いて、
オレフィンを重合又は共重合することにより、充填材粒
子の表面にポリオレフィン系樹脂の被覆層を形成する。
すなわち、上記した如き可溶化触媒と、充填材粒子とを
炭化水素溶媒中で接触処理して得られる生成物を触媒の
遷移金属成分として用い、これと有機アルミニウム化合
物からなる触媒の有機金属成分とを組み合わせた触媒を
用いて、オレフィンを重合又は共重合することによっ
て、充填材粒子の表面にポリオレフィン系樹脂の被覆層
を形成してなる樹脂被覆充填材が得られる。
【0024】具体的な重合方法としては、ヘキサン等の
炭化水素溶媒を入れた反応容器を用い、これに固体潤滑
材粒子、前記可溶化触媒成分(主触媒)、ジエチルアル
ミニウムモノクロリドなどのような有機アルミニウム化
合物からなる有機金属成分を加え、これにエチレンなど
のオレフィンを供給することにより行なわれる。重合条
件については公知の条件を採用すればよく、特に制限は
ない。
【0025】ここで各成分について述べると、充填材粒
子としては前記したものが用いられる。また、炭化水素
溶媒としては、例えばヘキサンが好適に用いられる。接
触処理の方法としては、例えば可溶化触媒成分の炭化水
素溶媒溶液に、固体潤滑材粒子をそのまま或いは懸濁液
として加え、充分に混合した後、所定時間熟成すればよ
い。また、この逆に充填材粒子を懸濁液とする方法でも
よい。なお、接触処理の時間や温度、接触処理の際の両
者の割合などについては公知の条件でよい。このように
して得られる触媒成分を、触媒の遷移金属成分として用
いる。
【0026】また、触媒の有機金属成分としては、前記
したように有機アルミニウム化合物が用いられる。この
有機アルミニウム化合物としては特に制限はない。通常
はジメチルアルミニウムモノクロリド,ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムハロゲ
ン化物やトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム化合物などが用いら
れるが、これに限定されるものではない。
【0027】上記した遷移金属成分と有機金属成分の使
用割合は、通常は遷移金属成分中の遷移金属原子1モル
に対して、有機金属成分中の有機金属原子2〜2000
モル程度とすればよい。なお、原料としてはオレフィン
を用いるわけであるが、エチレンなどのオレフィンの単
独重合のみならず共重合も可能である。具体的には、エ
チレンと共に、少量(最大20%程度)の他のα−オレ
フィン、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、デセン、
オクタデセン、などと共重合させることもできる。
【0028】重合方法及び条件等は特に制限はなく、ス
ラリー重合、気相重合等のいずれも可能であり、また連
続重合、非連続重合のいずれであってもよい。重合反応
を行なった後、スラリー重合の場合には、フラッシュや
遠心分離等の手段の操作を行ない、さらに乾燥すること
によって、目的とする樹脂被覆充填材が得られる。
【0029】このようにして得られる樹脂被覆充填材
は、余剰触媒を除去した場合には、重合が充填材粒子の
表面でのみ起こり、余剰触媒を除去しない場合には、重
合が充填材粒子の周囲でも起こることになるが、いずれ
の場合にも比較的遊離した状態の樹脂被覆充填材が得ら
れる。
【0030】本発明の第2は、このようにして得られる
樹脂被覆充填材を、加熱成形することにより、(本発明
の第1の)ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材の表
面層が熱融着されてなる多孔体を製造するものである。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材、
換言すれば充填材入りポリオレフィン系樹脂パウダー
を、樹脂の融点近傍まで加熱し、粉末間の空間をそのま
ま固定成形するものである。
【0031】この点についてより具体的に述べると、充
填材入りポリオレフィン系樹脂パウダーを金型に充填
し、約0.1〜10kg/cm2 Gの圧力を加え、この
範囲の圧力下に所定温度(樹脂の融点近傍)まで昇温し
ていく。圧力は、昇温中において徐々に上げていくこと
もできる。ここで圧力が低過ぎると、粒子間の接着力が
得られず、充分な強度が得られない。一方、圧力が高過
ぎると、空孔率が下がり過ぎる。また、昇温速度は1分
間に0.5〜20℃程度とするのが適当である。ここで
昇温速度が遅過ぎると、粒子全体が融解して多孔体とし
ての空孔ができなくなる。一方、昇温速度が速過ぎる
と、温度のコントロール、特に昇温を止める温度のコン
トロールがしにくくなる。このように昇温により、温度
を粒子の表面のみが融解する温度にまで上げ、この温度
に、通常、1〜30分間程度保持して、加熱成形(焼結
成形或いは固定成形)する。保持する時間は、上記範囲
内において、目的物の大きさや厚みに応じて適宜選定す
ればよい。なお、加熱温度が低過ぎると、熱融着が不充
分となって成形物の強度が著しく劣ったものとなる。一
方、加熱温度が高過ぎると、空孔率が下がり、連続気孔
とならないおそれがある。
【0032】このようにして多孔体が得られる。このよ
うな多孔体の空孔率は25〜95%となるように加熱条
件を選定することが必要である。ここで多孔体の空孔率
が25%未満であると、連続気孔とならない。一方、多
孔体の空孔率が95%を超えると、多孔体の強度が充分
でない。なお、多孔体の気孔径は0.01〜500μm
程度とする。
【0033】多孔体の形状は、金型に応じて適宜選定す
ることができる。例えば前記したように、円筒状,円盤
状,円柱状,角筒状,角柱状,板状,凹形,波形などを
はじめ、様々な形状のものを得ることができる。また、
これらの形状のものを折り曲げたり、或いは切削などの
二次加工を施したものであってもよい。
【0034】本発明の多孔体は、使用する充填材の粒径
を適宜選択することにより、気体,水蒸気などの濾過機
能、水,油,水溶液の濾過などの濾過機能を有してお
り、上水処理や下水処理などの水処理分野や、バイオリ
アクターなどのバイオ発酵分野などに、曝気管,フィル
ターなどの形で用いることができる。
【0035】また、本発明の多孔体は、吸音機能を有す
ることから、壁材とすることもでき、使用する充填材と
の組み合わせによっては呼吸する壁材などとして建築・
建材分野などに用いることができる。さらに、本発明の
多孔体は、カーボンブラック等の添加によって導電性を
付与することができ、マイクロフォン,電極材料,電気
防蝕,海水取水フィルター,静電塗装,静電分離などの
電気的特性を利用した分野などに用いることができる。
【0036】また、本発明の多孔体には、潤滑油等を含
浸することもでき、含油軸受けとして用いることができ
る。さらに、本発明の多孔体は、フェライト等の磁性を
有する充填材の場合には、電磁波シールド材や電磁調理
器としての利用や流体・粘稠体からの鉄粉除去等に利用
することができる。
【0037】以上のように、本発明の多孔体は、気体の
濾過、液体の濾過等の一般的なフィルター用途の他、充
填材の性質を利用した多種の用途に使用することができ
る。
【0038】本発明の多孔体においては、その目的を損
なわない範囲内において、各種添加剤を添加することも
できる。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 (1)フェライト被覆ポリエチレンの重合 チタン含有可溶系触媒成分の調製 アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、室温
にて脱水n−ヘキサン150mlと、ステアリン酸マグ
ネシウム10.0g(17ミリモル)及び四塩化チタン
0.33g(1.7ミリモル)を入れ、次いで昇温し、
溶媒還流下に2時間反応し、粘性を有する半透明状チタ
ン含有可溶系触媒成分の溶液を得た。 チタン含有可溶系触媒成分の活性評価 アルゴン置換した内容積1リットルのオートクレーブ
に、脱水n−ヘキサンを400ml、トリエチルアルミ
ニウム0.5ミリモル、ジエチルアルミニウムモノクロ
リド0.5ミリモル、及び上記(1)で得られたチタン
含有可溶系触媒成分をチタン原子として0.005ミリ
モル採取して供給した。次に、90℃に昇温し、水素を
供給して4kg/cm2 ・Gに昇圧し、その後、全圧が
9kg/cm2 ・Gに維持できるようエチレンを連続的
に供給し、1時間重合を行なった。得られたポリエチレ
ンは58gであり、重合活性は242kg/g・Ti・
hrであった。
【0040】 カーボンブラックスラリーの調製 アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、カー
ボンブラック3.2gを採取した。次に、ヘキサン10
0mlを加え、攪拌して、カーボンブラックスラリーを
調製した。
【0041】 チタン含有可溶系触媒成分とフェライ
トとの接触処理 アルゴン置換した内容積1リットルのオートクレーブ
に、室温にて脱水n−ヘキサン700ml、及び充填材
としてフェライト(平均粒径30μm)500gを入
れ、攪拌下でジエチルアルミニウムモノクロリド(DE
AC)2ミリモルを滴下し、40分間で1時間処理を行
なった。次いで、上記(1)で得られたチタン含有可溶
系触媒成分を、チタン原子として0.02ミリモル添加
し、40℃にて1時間接触を行ない、チタン含有可溶系
触媒成分とフェライトとの接触処理物を得た。
【0042】 樹脂被覆充填材の製造 上記の接触処理後、この接触処理物を90℃に昇温し
た。その後、トリエチルアルミニウム(TEA)を2ミ
リモル添加し、水素0.5kg/cm2 ・Gとエチレン
(全重合量の10%)を供給し、重合させた。次に、降
温し、上記で予め調整したカーボンブラックスラリー
を添加した。次いで、90℃に昇温し、水素を0.5k
g/cm2 ・Gで供給した後、全圧を3.5kg/cm
2 ・Gに維持(このときの全圧は、エチレン分圧が1k
g/cm2 ・Gとなるように調整した。)するようにエ
チレンを連続的に供給し、20分間重合を行なった。得
られたポリエチレン系樹脂被覆フェライト物質は524
gであり、ポリエチレン被覆量は4.0重量%であっ
た。乾燥した粉末を電子顕微鏡で観察した結果、フェラ
イトの粒子をポリエチレンが均一に被覆していた。ま
た、GPC分析により、ポリエチレンの重量平均分子量
は90000であった。なお、ポリエチレン被覆量は、
仕込量と収量より算出した。
【0043】(2)焼結多孔体の成形(導電性通気板の
成形) 上記(1)で得られたフェライト被覆ポリエチレンパウ
ダーと、平均粒径が60μmのポリエチレンパウダーと
を、第1表に示す比率で混合した。この粉末を予め80
℃に加熱した直径130mmの金型に充填し、2kg/
cm2 ・Gで加圧しながら、2℃/分の昇温速度で12
0℃まで上昇させ、この温度で20分間保持した後、金
型を冷却して、円板状成形製品を取り出した。空気の透
過性能と表面抵抗を測定した結果を第1表に示す。
【0044】
【表1】
【0045】第1表の結果によれば、フェライト被覆ポ
リエチレンパウダーが50%までは導電性が得られたこ
とが分かる。なお、空気の連通量はパウダー比率にかか
わらず、ほぼ一定値となった。
【0046】実施例2 実施例1の(1)で得られたフェライト被覆ポリエチレ
ンパウダーを用い、円筒状のパイプを製作した。加熱処
理の際の金型には円筒加工用のものを用い、内径20m
m、外径27mm、長さ135mmのパイプ状成形体を
得た。なお、フェライト被覆ポリエチレンパウダーと、
平均粒径が60μmのポリエチレンパウダーとの混合比
率は90:10(重量比)とした。液中パーティクルカ
ウンターと気中パーティクルカウンターでそれぞれ粒子
の捕集効率を測定した。これらの結果をそれぞれ第2表
と第3表に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】第2表の結果によれば、原水中の微粒子が
ほぼ70%以上除去できたことが分かる。また、第3表
の結果によれば、空気中の微粒子が殆ど除去できたこと
が分かる。
【0050】実施例3 実施例1の(1)で得られたフェライト被覆ポリエチレ
ンパウダーを用い、平均粒径が60μmのポリエチレン
パウダーと30:70(重量比)の比率で混合し、内径
50mm、外径70mm、長さ500mmのパイプを製
作した。このパイプを活性汚泥槽の散気管として使用し
た結果、発生する気泡が細かくなり、水との接触効率が
向上し、処理能力が向上した。
【0051】実施例4 実施例1において、フェライトの代わりに球状銅粉(三
井金属鉱業製、MA−CO−S、粒径=330メッシュ
通過)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして重合
を行なった。次いで、実施例2と同一の条件で円筒状フ
ィルターを製作した。この一端を封止し、海水取水フィ
ルターとして使用した際の海中生物の付着の有無を調べ
た。実験は広島県宮島において行なった。その結果、海
中生物の付着は見られなかった。
【0052】実施例5 実施例1において、フェライトの代わりに球状活性炭
(呉羽化学工業製、BAC−MP、平均粒径50μm)
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行な
った。次いで、実施例2と同一の条件で水道蛇口取付け
用フィルターとしての成形を行なった。上水道使用時に
おいてカビ臭の脱臭効果が認められた。
【0053】実施例6 実施例4と実施例5でそれぞれ得られたパウダーを等量
混合し、実施例4と同様のフィルターを製作した。上水
道使用時においてカビ臭の脱臭効果が認められたことに
加えて、ガス自体の発生も見られず、抗菌効果が認めら
れた。
【0054】実施例7 実施例1において、フェライトの代わりにジンクピリチ
オン(吉富製薬製、トミサイドZPT)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして重合を行なった。得られた
パウダーを、平均粒径が45μmのポリエチレンパウダ
ーに1重量%の割合で添加し、以下、実施例4と同様に
して円筒状フィルターを製作した。上水道使用の結果、
カビ,細菌の発生は見られなかった。
【0055】実施例8 実施例1において、フェライトの代わりにグラファイト
100g(日本黒鉛商事、CPN、平均粒径10μm)
を用いた及びカーボンブラックを添加しなかったこと以
外は、実施例1と同様にして重合を行なった。得られた
ポリエチレン系樹脂被覆グラファイト物質は110gで
あり、ポリエチレン被覆量は10重量%であった。得ら
れたパウダーを、平均粒径が30μmのポリエチレンパ
ウダーに2重量%の割合で添加し、以下、実施例4と同
一の条件でブッシュとして成形した。この成形体を軸受
け部品として使用するために、その動摩擦係数を測定し
たところ、0.148と良好な摩擦特性を示した。
【0056】
【発明の効果】本発明の多孔体によれば、製品比重の調
整が容易であり、多孔体本来の濾過性能,通気性能と、
フィラーの持つ機能(磁気特性や電気特性など)との複
合効果が得られる。すなわち、金属系フィラーなど、密
度の大きいフィラーを用いることにより、重量のある多
孔体が得られる。また、被覆ポリエチレンの多孔性を利
用し、充填フィラーからのイオン溶出等、徐放性効果の
ある多孔体が得られる。さらに、異種フィラーの組み合
わせによって、濾過、保持、発散、吸収、分離等の種々
の機能を持つ、多機能なものとすることが可能である。
また、本発明の方法によれば、上記した如き多孔体を効
率良く製造することができる。従って、水処理、集塵、
殺菌・防汚等の分野で有用である。
【0057】なお、本発明の各種態様を示すと、以下の
通りである。 (1).ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材の表面
層が熱融着されてなる多孔体。
【0058】(2).ポリオレフィン樹脂がポリエチレ
ンである前記(1)記載の多孔体。
【0059】(3).充填材が、金属,セラミックス
類,顔料,固体潤滑剤,防菌・防黴剤及び活性炭よりな
る群から選ばれた1種以上のものである前記(1)記載
の多孔体。
【0060】(4).充填材の表面に可溶化触媒を付与
してオレフィンを重合又は共重合することにより得たポ
リオレフィン系樹脂で被覆した充填材を、加熱成形する
ことを特徴とする、前記(1)記載の多孔体を製造する
方法。
【0061】(5).オレフィンがエチレンである、前
記(4)記載の製造方法。
【0062】(6).充填材が、金属,セラミックス
類,顔料,固体潤滑剤,防菌・防黴剤及び活性炭よりな
る群から選ばれた1種以上のものである前記(4)記載
の製造方法。
【0063】(7).ポリオレフィン系樹脂で被覆した
充填材を、樹脂の融点近傍まで加熱し、粉末間の空間を
そのまま固定成形する前記(4)記載の製造方法。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂で被覆した充填材
    の表面層が熱融着されてなる多孔体。
  2. 【請求項2】 充填材が、金属,セラミックス類,顔
    料,固体潤滑剤,防菌・防黴剤及び活性炭よりなる群か
    ら選ばれた1種以上のものである請求項1記載の多孔
    体。
  3. 【請求項3】 充填材の表面に可溶化触媒を付与してオ
    レフィンを重合又は共重合することにより得たポリオレ
    フィン系樹脂で被覆した充填材を、加熱成形することを
    特徴とする、請求項1記載記載の多孔体を製造する方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523808A (ja) * 2002-04-23 2005-08-11 フレデレール インフラストラクチュルテクニック ゲーエムベーハー アンド シーオー.カーゲー エアレータ
JP2006224033A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Ulvac Japan Ltd 多孔質部材の抗菌処理方法及び抗菌性フィルター
JP2008500165A (ja) * 2004-05-26 2008-01-10 スリーエム イノベーティブ プロパティーズ カンパニー 気体浸透性ポリマーフィルタおよびその作製方法
JP2009056450A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Daiei:Kk 排水処理装置及びその運転方法

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