JPH08278137A - 方位出力装置 - Google Patents

方位出力装置

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JPH08278137A
JPH08278137A JP10712595A JP10712595A JPH08278137A JP H08278137 A JPH08278137 A JP H08278137A JP 10712595 A JP10712595 A JP 10712595A JP 10712595 A JP10712595 A JP 10712595A JP H08278137 A JPH08278137 A JP H08278137A
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JP
Japan
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azimuth
sensor
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unit
true
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Application number
JP10712595A
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English (en)
Inventor
Koji Hasegawa
浩二 長谷川
Isao Watanabe
勲 渡邉
Shinji Azumi
伸児 安住
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水平状態でなくても傾斜による誤差のない方
位測定が可能となる方位出力装置を実現し、さらにま
た、真方位を提示できる方位出力装置を実現する。 【構成】 3次元地磁気センサ1からの地磁気情報X,
Y,Zと、傾斜センサ手段11,12で検出された傾斜
量α,βを用いて、非水平状態による測定誤差が補正さ
れた方位θmgを算出する。また、さらに偏角値出力手
段5からの偏角値Dを用いて、真方位θtrを算出し、
これを提示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に電子コンパスと
呼ばれる方位出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶などの移動体の運航や、登山などの
分野においては磁気コンパスや電子コンパスが用いられ
ており、コンパス機器の態様としても、操縦席のコンソ
ールに取り付けられるものや、或は登山などで便利な携
帯用のものまで各種知られている。これらのコンパス
は、例えばまわりの地形の示す方位を地図上の地形に一
致させることで、測定者の位置を測位したり、今後の進
行方向の決定などに用いられる。
【0003】電子コンパスとしての構成は図13に示さ
れる。電子コンパスは地磁気センサ部31を有し、内蔵
されている地磁気センサによって地磁気を検出するよう
になされている。そして検出された地磁気は方位算出部
に供給され、地磁気情報から所定の演算処理で現在の方
位が算出される。そして算出された方位は、方位表示部
33においてメータ形態や数値などで表示されるように
構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電子コンパスでも、またいわゆる磁針によって方位を示
す磁気コンパスでも、地磁気を検出して方位を得るわけ
であるが、実際には地図上で示される真方位である北
と、コンパスが示す磁方位としての北は異なっている。
このため、地図とコンパスを用いて現在位置や進行方向
の方位を確認する場合には、測定者はコンパスによって
示される磁方位に補正を加えて真方位を認識しなければ
ならなかった。磁方位と真方位の差は偏角とよばれる
が、つまり補正とは測定された磁方位に対して偏角分を
補正した方位を得る作業となる。
【0005】ところが、この作業は通常の状態でも十分
な知識や経験を必要とし、ましてや荒天時や緊急時など
に迅速かつ正確に真方位を知ることはきわめて困難なも
のとなっている。
【0006】また、真方位と磁方位の差である偏角の値
は地球上の場所(緯度/経度)によって異なっており、
またわずかづつではあるが常に変動しているものであ
る。例えば1990年における測定では、偏角の値は図
12のような分布状態となっている。なお、図12は地
球上における等偏角曲線を10°毎に示しているもので
ある。
【0007】このように偏角値は地球上で複雑に分布し
ているため、例えば日本国内のみなど一部地域内で使用
する場合はさほど問題ではないが、船舶などでワールド
ワイドに使用するコンパスでは、測定時に上述の補正作
業を行なおうとしても、偏角値自体を知ることが難し
く、補正作業はより困難となる。例えば緯度/経度に応
じた偏角値を記録した表などを常時用意しておかなけれ
ばならない。
【0008】さらにこのような偏角による事情とともに
コンパスを用いる場合の問題として、測定時にコンパス
が水平面より傾いた状態であると、測定結果に誤差が生
ずることが知られている。このため、船舶、航空機、自
動車などに搭載するコンパスでは、そのコンパスを機械
的に水平状態に保つ機構が必ず必要となる。例えば2軸
の回動機構などで、常にコンパスが水平状態に保たれる
ようにすることになる。
【0009】しかしながらこのような水平保持機構は複
雑な構造にならざるを得ず、コンパスの装置としてのサ
イズの大型化を招き、また水平保持の精度や信頼性も十
分といえるものも容易に実現することができないという
問題が生じた。さらにまた、登山などで用いられる携帯
型のコンパスでは、このような水平保持機構を用いるこ
とができないため、測定者がコンパスを水平状態にして
計測する必要が生じ、従ってかなりの熟練者でもない限
りは、精度よく方位を測定することは困難となってい
た。
【0010】また、2次元的に地磁気を測定するととも
に、測定時の傾斜状態を検出し、これによって地磁気か
ら測定された方位を補正することも可能ではあるが、こ
の場合補正作業のための計算には地磁気の鉛直下向きの
成分が必要となる。ところが地磁気の鉛直成分の値は地
球上で複雑に分布しており、つまり偏角値の補正作業の
場合と同様に、例えば緯度/経度に応じた鉛直成分を記
録した表などを常時用意しておかなければならず、また
補正作業としての計算も複雑なものとなるため、莫大な
労力を要することになってしまう。もちろんこれも実際
にはかなりの熟練者でなければ実行は難しいものとな
り、またこれらの事情から緊急時などに正確な方位測定
ができないという状況になっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題点
に鑑みて、水平状態でなくても傾斜による誤差のない方
位測定が可能となる方位出力装置を実現し、さらにま
た、真方位を提示できる方位出力装置を実現することを
目的とする。
【0012】このため方位出力装置を、水平のX,Y軸
方向と垂直のZ軸方向の3次元方向で地磁気情報を出力
する地磁気センサ手段と、水平からの傾斜量を検出する
傾斜センサ手段とを設ける。そして地磁気センサ手段か
らの地磁気情報と、傾斜センサ手段で検出された傾斜量
とを用いて、方位を算出する方位算出手段を設け、算出
された方位を提示手段で提示するように構成する。
【0013】さらに方位出力装置として、上記構成にお
ける地磁気センサ手段、傾斜センサ手段に加えて、偏角
値を出力する偏角値出力手段を設ける。そして真方位算
出手段を設け、地磁気センサ手段からの地磁気情報と、
傾斜センサ手段で検出された傾斜量と、偏角値出力手段
からの偏角値を用いて、真方位を算出することができる
ようにする。そして提示手段は算出された真方位を提示
するように構成する。
【0014】
【作用】方位出力装置により提示される方位自体に既に
傾斜状態に対する補正が施されることにより、方位出力
装置が水平状態でなくても傾斜による誤差のない測定が
できる。また、提示される方位に偏角分の補正が施され
ていることにより、測定値として真方位が提示できるこ
とになり、測定者が補正計算などを行なう必要はなくな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の方位出力装置となる電子コン
パスの各種実施例を説明する。なお実施例としての電子
コンパスの説明に先立って、各実施例で用いられる磁方
位センサについて述べ、その後、第1〜第6の実施例と
なる電子コンパスについて説明する。
【0016】[磁方位センサ]磁方位センサの構造例及
び動作を図8〜図11で説明する。図8は2次元の座標
での地磁気検出が可能とされた磁方位センサの一構造例
の説明図である。この磁方位センサは、それぞれが約1
/4リング状に形成された4つの強磁性体コアT1 ,T
2 ,T3 ,T4 が円周方向に配置されている。そして、
各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 の間には所定幅
のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 が形成された状態と
なっている。
【0017】また各強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T
4 には励磁用コイルCが巻装されており、これによって
ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 には図中Hbとして示
す方向にバイアス磁界が発生されるようになされてい
る。ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 おいては、バイア
ス磁界Hbと直角の状態にMR(磁気抵抗効果)センサ
MRX1,MRX2,MRY1,MRY2が配される。MRセン
サMRX1,MRX2はX軸方向検出用とされ、それぞれが
対向する位置となるギャップG1 ,G3 に配置される。
またMRセンサMRY1,MRY2はY軸方向検出用とさ
れ、それぞれが対向する位置となるギャップG2 ,G4
に配置される。各MRセンサMRX1,MRX2,MRY1,
MRY2は、定電位の電源電圧VCCとグランドGNDに接
続されている。そして各MRセンサMRX1,MRX2,M
RY1,MRY2からはその抵抗体中点位置から信号X1 ,
X2 ,Y1 ,Y2 が取り出されるように構成されてい
る。
【0018】この磁方位センサの等価回路が図9に示さ
れる。この等価回路において、抵抗RX11 ,RX12 はM
RセンサMRX1としての抵抗成分に相当し、抵抗R
X21 ,RX22 はMRセンサMRX2としての抵抗成分に相
当する。また抵抗RY11 ,RY12 はMRセンサMRY1と
しての抵抗成分に相当し、抵抗RY21 ,RY22 はMRセ
ンサMRY2としての抵抗成分に相当する。
【0019】まずX軸に関しては、図に示すようにMR
センサMRX1となる抵抗RX11 に対して矢印方向にバイ
アス磁界Hbが印加され、またMRセンサMRX2となる
抵抗RX21 に対しては、矢印で示すように方位として1
80°異なるバイアス磁界−Hbが印加される。同様に
Y軸に関しては、MRセンサMRY1となる抵抗RY11 に
対して矢印方向にバイアス磁界Hbが印加され、またM
RセンサMRY2となる抵抗RY21 に対しては、矢印で示
すように方位として180°異なるバイアス磁界−Hb
が印加される。X軸検出用のMRセンサMRX1,MRX2
と、Y軸検出用のMRセンサMRY1,MRY2に対するバ
イアス磁界Hb(及び−Hb)の向きは、それぞれ90
°異なるものとなっている。
【0020】X軸検出動作としては、MRセンサMRX1
からの信号X1 とMRセンサMRX2からの信号X2 が差
動アンプAX に供給され、その差動アンプAX の出力
が、いわゆるX軸検出出力となる。またY軸検出動作と
しては、MRセンサMRY1からの信号Y1 とMRセンサ
MRY2からの信号Y2 が差動アンプAY に供給され、そ
の差動アンプAY の出力が、いわゆるY軸検出出力とな
る。
【0021】このような構成において、MRセンサMR
X1,MRX2,MRY1,MRY2は、磁界の強度により抵抗
値が変化する磁気抵抗効果を備えているため、図8のよ
うに或る方向から地磁気HE が印加されると、その地磁
気HE の印加方向に応じた値として各MRセンサM
RX1,MRX2,MRY1,MRY2から信号X1 ,X2 ,Y
1,Y2 が得られ、この信号X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 か
ら、地磁気の方位に応じたX軸検出出力、Y軸検出出力
が得られるものである。また、地磁気は例えば 0.3ガウ
ス程度の弱いものであるため、単にMRセンサMRX1,
MRX2,MRY1,MRY2のみでは良好な検出動作が実行
できないが、この地磁気センサでは強磁性体コアT1 ,
T2 ,T3 ,T4 で 0.3ガウス程度の地磁気を検出し、
交流バイアス磁界HbとしてMRセンサMRX1,M
RX2,MRY1,MRY2に伝えるようにしているため、良
好な検出動作が可能となっている。
【0022】図10でMRセンサMRX1,MRX2,MR
Y1,MRY2の特性及びX軸検出出力、Y軸検出出力を得
るための動作原理を説明する。図10の横軸はMRセン
サに垂直に加わる磁界の強さを示し、また縦軸はMRセ
ンサの抵抗値の変化、及びMRセンサに直流電流を流し
た場合の出力される信号(X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 )の
出力電圧を示している。
【0023】MRセンサの抵抗値は、図示するように磁
界ゼロで最大となり、磁界が大きくなるに従って図示す
るカーブで抵抗値が下がっていく。このようなMRセン
サにおける出力のS/N及び歪率向上のためにはバイア
ス磁界Hbが必要になる。このバイアス磁界Hbは、上
述したように強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 に励
磁用コイルCを巻装し、これにバイアス電流を流すこと
で与えられるものである。
【0024】X軸用のMRセンサMRX1,MRX2を例に
あげてX軸検出出力動作を説明する。上記のとおりMR
センサMRX1に印加されるバイアス磁界方向とMRセン
サMRX2に印加されるバイアス磁界方向とは互いに18
0°反転している。ここで、地磁気HE が印加される
と、MRセンサMRX1,MRX2に加わる磁界の強さは次
のようになる。 MRセンサMRX1 : Hb+HE MRセンサMRX2 : −Hb+HE
【0025】従って交流バイアス磁界Hbを印加する
と、MRセンサMRX1に印加される磁界は図10ので
示すように変化し、これによってMRセンサMRX1から
の信号X1 としては図中として示すような電圧変化が
出力される。またMRセンサMRX2に印加される磁界は
図10ので示すように変化し、これによってMRセン
サMRX2からの信号X2 としては図中として示すよう
な電圧変化が出力される。この信号X1 (線)と信号
X2 (線)の出力差Lは、即ち図9における差動アン
プAX の出力として得られ、これがX軸検出出力となる
ものである。Y軸についても同様の動作でY軸検出出力
が取り出される。
【0026】これらの差動信号としてのX軸検出出力,
Y軸検出出力は、地磁気HE の方位により変化し、それ
ぞれHE sinθ、HE cosθに比例する。従って、
横軸に方位θをとって出力電位をプロットすると、X出
力及びY出力は図11のようになり、このX出力及びY
出力から地磁気HE に対する方位θを算出できる。
【0027】即ち、X出力とY出力の比X/Yは、これ
らがHE sinθ、HE cosθに比例することから、
sinθ/cosθで表わすことができ、従って、 X/Y=sinθ/cosθ=tanθ とできる。このため方位θは θ=tan-1(X/Y) (ただし、0°≦θ≦180°のときX≧0,18°<
θ<360°のときX<0である)として、地磁気HE
の方位θを算出できる。
【0028】2次元の地磁気センサから方位を求める方
式は以上のとおりであるが、このように求められる方位
は、測定時に地磁気センサが水平状態に無ければ正確な
ものとはならない。以下説明する本実施例では、地磁気
センサが水平状態になくても誤差のない方位測定を実現
するものであるが、このためにはX軸,Y軸に加えてX
Y座標と垂直となるZ軸での地磁気(測定平面から90
°下向き方向への地磁気成分)を求めることが必要にな
る。つまり3次元地磁気センサを用いるようにしてい
る。この3次元地磁気センサは、例えば上述した2次元
地磁気センサを2単位もしくは3単位用意して、地磁気
検出方向としてX,Y,Z軸各方向の検出を行なうこと
ができるように配置するのみで実現できる。なお、上記
の2次元地磁気センサはかなり小型のセンサ素子となる
ため、これを2単位直交方向に配置しても大型なセンサ
部とはならない。
【0029】[第1の実施例]例えば以上のような地磁
気センサを2単位用いて3次元地磁気センサを構成し、
その3次元地磁気センサを用いた電子コンパスとなる、
本発明の第1の実施例を図1で説明する。この電子コン
パスは、地磁気センサ部1、磁方位算出部2、方位表示
部4、傾斜センサ部11、傾斜演算部12から構成され
る。
【0030】地磁気センサ部1は、3次元の観測座標
(X軸,Y軸,Z軸)についての地磁気検出を行なう地
磁気センサとされるもので、地磁気HE に応じたX出
力、Y出力、及びその観測座標系における地磁気の垂直
下方向き成分であるZ出力を行なう。このX出力、Y出
力,Z出力は磁方位算出部2に供給され、地磁気HE の
方位θが算出される。即ち基本的には、上記のθ=ta
n-1(X/Y)の演算がなされることによって磁方位θ
mgが算出され、方位表示部4に供給されて方位が表示
されることになる。
【0031】ただし、磁方位算出部2には傾斜演算部1
2で算出された傾斜量と、地磁気センサ部からのZ出力
によって、算出された磁方位に対する補正演算が行なわ
れるものとなっている。つまり、磁方位算出部2から出
力される磁方位θmgは、たとえ水平状態で測定されな
かった場合でも、それによる誤差は生じていない磁方位
θmgとなっているものである。
【0032】傾斜センサ部11は、例えば導電性の液体
を封入した容器内に複数の電極を設け、傾きに応じて液
体が接する電極が変化するようにし、傾斜量に応じた電
圧が得られるような構成などで実現できる。また例えば
円筒形状の容器内を球体が重力方向に移動するように
し、球体が接する電極位置により傾き量に応じた信号が
得られるようにしてもよい。もちろんこれ以外にも各種
の検出機構が考えられる。
【0033】この傾斜センサ部11からの検出信号は傾
斜演算部12に供給される。そして、傾斜演算部12は
検出信号から、現在の傾斜量を算出することになる。出
力する傾斜量としては、地磁気センサ部1の観測座標系
のX軸と水平面との間に生じている傾斜角度αと、観測
座標系のY軸と水平面との間に生じている傾斜角度βと
している。
【0034】磁方位算出部2はこのように、地磁気セン
サ部1からの信号X,Y,Zとともに、傾斜演算部から
の傾斜角度α,βを用いて、測定が非水平状態で行なわ
れたとしても、それによる誤差のない磁方位θmgを算
出することになる。この磁方位θmgの算出動作は次の
ように行なわれる。
【0035】水平から傾いた状態での方位の補正原理
は、観測座標系のX軸/Y軸を、それぞれの軸と水平面
のなす角度α,βを用いて水平面に座標変換することに
よる。この座標変換された状態のX軸をX’軸とする
と、このX’軸と地磁気ベクトルとの成す角度が、傾き
を補正した方位を示すことになる。測定座標系のXY平
面を水平面に座標変換する手順は次のとおりである。
【0036】まず、地磁気ベクトルを地球に固定された
絶対座標系が(x,y,z)、地磁気センサ部1による
観測座標系が(X,Y,Z)であるとする。X軸の回り
にα回転させる座標変換によって、Y軸を水平面(xy
平面)にうつすと、観測座標系で測定された測定ベクト
ル(X,Y,Z)は、(X'',Y'',Z'')となり、こ
れは次の(数1)で表わされる。
【数1】
【0037】次にY軸の回りにβ回転させ、X軸を水平
面に移すと、座標系(X'',Y'',Z'')は座標系
(X’,Y’,Z’)となり、これは次の(数2)で表
わされる。
【数2】 従って上記(数1)(数2)を用いると、
【数3】 が成立する。
【0038】そして観測座標系でのX,Y,Zの値は、
地磁気センサ部1から供給される値であるため、地磁気
センサ部1からのX,Y,Zの値を(数3)に代入する
ことで、XY軸が水平面に座標変換された測定ベクトル
X’,Y’が計算できることになる。
【0039】ここで最終的に、絶対座標系の水平面内で
の地磁気ベクトル成分と、測定されたXの値(信号X)
を水平面に座標変換したX’の成す角、即ち磁方位θm
gは、X’,Y’の値より次の(数4)で求められる。
【数4】 (ただし、0°≦θmg≦90°の場合。それ以外は条
件分けが必要)
【0040】つまり本実施例では、角度α,βが傾斜演
算部12から供給され、また地磁気センサ部1から観測
座標系での3次元の地磁気成分の値として出力X,Y,
Zが供給されることから、磁方位算出部2において上記
演算処理が可能となり、従って傾斜状態による誤差を補
正した磁方位θmgが算出できることが理解される。
【0041】このように本実施例では、磁方位算出部2
によって傾斜状態による誤差を補正した磁方位θmgが
得られ、これが方位表示部4で表示されるため、この電
子コンパスを用いて測定する場合には水平状態とする必
要はなくなり、つまり測定者が測定時の水平状態に気を
つかったり、もしくは測定後に非水平状態の計測値から
の補正計算を行なう必要はなくなり、容易に方位計測を
行なうことができることになる。
【0042】[第2の実施例]本発明の第2の実施例と
なる電子コンパスの構成を図2に示す。なお、以下の各
実施例の説明において、説明済の実施例と同一の構成要
素については同一符号を付し、重複説明を省略する。こ
の実施例は第1の実施例の構成に加えて偏角値入力部
5、真方位算出部3を備えるもので、これによって非水
平状態による測定誤差の解消だけでなく、偏角による測
定誤差を解消し、地図上の方位と一致する真方位を計測
できるようにするものである。
【0043】偏角値入力部5は例えば数値を入力するこ
とができる操作入力キーを備えており、ユーザーが偏角
値Dを入力できるようにされている。つまり、ユーザー
は使用時に、その使用地域における偏角値Dを入力する
ことになる。また、磁方位算出部2からは、上記第1の
実施例で説明したように水平方向の傾斜状態に基づく補
正がなされた磁方位θmgが出力されるが、この磁方位
θmgは真方位算出部3に供給される。さらに、偏角値
入力部5からの偏角値Dも真方位算出部3に供給される
ことになる。真方位算出部3では、供給された磁方位θ
mgと偏角値Dから真方位θtrを算出し、それを方位
表示部4に供給する。
【0044】偏角とは真方位θtrと磁方位θmgの差
であり、その関係は例えば図7のようになる。いま地図
上の北をNtr、磁方位としての北をNmgとし、当該
電子コンパスで図中の目的方向について計測すると、磁
方位算出部2で算出される磁方位θmgとして70°と
いう値が得られたとする。そして、その測定地域では、
偏角Dは−6°であったとすると、地図に合致する方位
となる真方位θtrは70°に対して偏角−6°を加え
た値である64°となる。
【0045】真方位算出部3では、磁方位θmgと偏角
値Dが入力されることになるが、図7から理解されるよ
うに、磁方位θmgと偏角値Dを加算することで真方位
θtrを得ることができる。そして真方位算出部3で算
出された真方位θtrは方位表示部4に供給され、ユー
ザーに提示されることになる。例えば図9の例でいえ
ば、測定時に64°という真方位が表示される。
【0046】このように本実施例ではユーザーはその測
定地域における偏角値Dを入力しておけば、測定結果は
真方位θtrとして表示されるため、従来のように表示
された値から偏角値分を自分で計算して地図と照合する
などの煩雑な作業は不要となる。もちろん第1の実施例
と同様に非水平状態で計測を行なっても、誤差は補正さ
れているため、この実施例の電子コンパスにより測定す
れば、測定者は水平補正作業と偏角補正作業の両方が不
要になるものである。
【0047】なお、この実施例では偏角値Dをユーザー
が入力するようにしているが、必ずしも測定毎に入力す
るように構成する必要はなく、偏角値入力部5にメモリ
を配置しておき、ユーザーが1度偏角値Dを入力した
ら、それを記憶して、以降はその記憶された偏角値Dを
真方位算出部3に供給するようにしてもよい。例えば日
本国内等のみなどの特定地域で使用する場合は、殆ど偏
角値Dの差はないため、このようにすることで実際の使
用時におけるユーザーの入力の手間はなくなる。また、
偏角値Dの異なる地域で使用する場合には、そのときに
応じて再入力できるようにすれば、ワールドワイドに用
いることができる。
【0048】[第3の実施例]本発明の第3の実施例と
なる電子コンパスの構成を図3に示す。この実施例は第
2の実施例と異なり、ユーザーが偏角値Dを入力する必
要をなくしたものである。
【0049】この場合、ユーザーの操作部として、緯度
/経度入力部6が設けられ、ユーザーは方位測定時にそ
の地点での緯度/経度を入力することになる。入力され
た緯度/経度の値はメモリ制御部7に送られる。メモリ
制御部7は緯度/経度の値に対応する偏角値Dを記憶部
8において検索し、読み出された偏角値Dを真方位算出
部3に供給することになる。
【0050】この場合記憶部8は、例えばROM又はR
AMのメモリ素子として構成され、世界各地における緯
度/経度に対応した偏角値Dを、いわゆるメモリーテー
ブルとして保持している。このため緯度/経度が入力さ
れたら、それに対応する偏角値Dを読み出すことがで
き、ユーザーが偏角値Dを入力する必要はなくなる。
【0051】そしてこのように偏角値Dが得られるこ
と、及び地磁気センサ部1が3次元地磁気センサとして
構成されていることで、磁方位算出部2では非水平状態
での測定による誤差が補正された磁方位θmgが得ら
れ、さらに真方位算出部3で真方位θtrが算出され、
方位表示部4で表示されることになる。この実施例で
は、傾斜状態による誤差の発生や、偏角、真方位、磁方
位といった知識のないユーザーでも、緯度/経度を入力
することのみで正確な測定ができるようになる。
【0052】なお、この実施例の変形例として、緯度/
経度を入力するのではなく、例えば地名を入力するよう
にすることも考えられる。つまり、記憶部8に地名に対
応させて偏角値Dを記憶させておけばよい。また記憶部
8は、固体メモリ素子を用いる必要はなく、例えばCD
−ROMなどのメディアを用いるような形態でもよい。
【0053】[第4の実施例]図4に第4の実施例とな
る電子コンパスの構成を示す。この実施例は上記第3の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。
【0054】測位装置部10としては、例えばGPS
(グローバルポジショニングシステム)などとして知ら
れている機器を用いて実現できる。GPSとは公知のと
おり、人工衛星からの信号をGPSアンテナで受信し、
その受信信号から現在位置としての緯度/経度を判別す
るシステムである。
【0055】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これをメモリ制御部7に供給
する。そしてメモリ制御部7は供給された緯度/経度の
値に対応する偏角値Dを記憶部8から読み出し、真方位
算出部3に供給する。磁方位算出部2では地磁気センサ
部1から供給される出力X,Y,Zにより非水平状態で
の測定による誤差が補正された磁方位θmgを得、さら
に真方位算出部3で真方位θtrが算出され、方位表示
部4で表示されることになる。つまりこの実施例では、
ユーザーは測定時に何も入力しなくても、正確な真方位
を測定できるようになる。
【0056】[第5の実施例]図5に第5の実施例を示
す。この実施例では上記第3の実施例と同様に、ユーザ
ーの操作部として、緯度/経度入力部6が設けられ、ユ
ーザーは方位測定時にその地点での緯度/経度を入力す
ることになる。そして入力された緯度/経度の値は偏角
値演算部9に送られる。偏角値演算部9は緯度/経度の
値に対応する偏角値Dを算出し、算出した偏角値Dを真
方位算出部3に供給することになる。
【0057】そして磁方位算出部2では地磁気センサ部
1から供給される出力X,Y,Zにより非水平状態での
測定による誤差が補正された磁方位θmgが得られ、さ
らに真方位算出部3では偏角値Dと磁方位θmgから真
方位θtrが算出され、その真方位θtrが方位表示部
4で表示されることになる。つまりこの実施例でも、ユ
ーザーが緯度/経度を入力することのみで、水平状態に
気をつけなくとも、正確な真方位の測定ができるように
なる。
【0058】この実施例における偏角値演算部9は、緯
度/経度から偏角値Dを求めることになるわけである
が、この算出方法は次のようになる。地球表面上で与え
られた磁場は、ポテンシャルから導かれる。通常地球表
面上には電流は流れていないため、磁場はスカラーポテ
ンシャルUから導かれる。
【0059】ポテンシャルUは、ラプラスの方程式によ
り、
【数5】 を満たすことになる。そして球座標(r,θ,λ)を用
いると、地磁気ポテンシャルUは、
【数6】 となる。ただし(数9)中、『Pn m(μ)』『gn m(t)
』『hn m(t) 』『μ』及び『εm』と『m』について
は、
【数7】 のようになる。なお、rは地球中心からの距離、Rは地
球の半径、θは余緯度(=90−Φ(緯度))、λは経
度、nは次数、mは位数、t0 は基準年、g(t) ,h
(t) はガウス係数、g ̄(t) ,h ̄(t) は永年変化とす
る。
【0060】従って、地球磁場の北向きの成分NH 、東
向きの成分EH 、鉛直向きの成分ZH のそれぞれは、ポ
テンシャルUの値についてそれぞれの方向に微分すれば
求められる。つまり、
【数8】 となる。ここで地磁気の偏角を求めるには、地球磁場の
北向きの成分NH 及び東向きの成分EH を用いればよ
く、即ち偏角Dは、
【数9】 のようにして求められる。
【0061】つまり本実施例の偏角値演算部9は、経度
/緯度が入力されたら、その経度λ及び余緯度θを用い
てポテンシャルUを求め、このポテンシャルUから地球
磁場の北向きの成分NH 及び東向きの成分EH を求めて
偏角Dを算出するものである。
【0062】[第6の実施例]第6の実施例となる電子
コンパスの構成を図6に示す。この実施例は上記第5の
実施例における緯度/経度測定部6を、測位装置部10
に置き換えた構成となっている。測位装置部10として
は、第4の実施例と同様に例えばGPSを用いて実現す
る。
【0063】即ちこの実施例ではユーザーが緯度/経度
を入力しなくても、測位装置部10によって自動的に現
在の緯度/経度を判別し、これを偏角値演算部9に供給
する。そして偏角値演算部9は供給された緯度/経度の
値から、上記第5の実施例で説明したように偏角値Dを
算出し、真方位算出部3に供給する。そして真方位算出
部3で求められた真方位θtrが方位表示部4で表示さ
れることになる。つまりこの実施例では、ユーザーは測
定時に何も入力しなくても、また水平状態に気をつけな
くとも、正確な真方位を測定できるようになる。
【0064】以上各種実施例を説明したが、本発明の方
位出力装置の構成はこれ以外にも各種変形例が考えら
れ、また実際の製品としては、携帯用や、移動体搭載用
など各種の形態の電子コンパスとして実現できるもので
ある。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方位出力装
置は、3次元方向の各地磁気成分の検出を行なうことの
できる地磁気センサ手段からの地磁気情報と傾斜センサ
手段からの傾斜量を用いて、非水平状態での測定による
誤差が補正された方位を得るようにしたため、測定者が
水平状態に気をつかったり、測定後に補正計算をする必
要はなくなり、容易に測定ができるようになる。また方
位出力装置として複雑な水平保持機構を設ける必要はな
くなり、小型化、低コスト化が実現される。
【0066】さらに本発明では、偏角値出力手段からの
偏角値を用いて真方位を算出できるようにしたため、ユ
ーザーが偏角の補正を行なう必要はなくなり、これによ
って熟練した測定者でなくても、また荒天時、緊急時な
どのどんな状況でも、迅速かつ正確に真方位を知ること
ができるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第2の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図3】本発明の第3の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図4】本発明の第4の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図5】本発明の第5の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図6】本発明の第6の実施例の電子コンパスのブロッ
ク図である。
【図7】磁方位、真方位、偏角の関係の説明図である。
【図8】実施例に搭載される地磁気センサの構造の説明
図である。
【図9】実施例に搭載される地磁気センサの等価回路図
である。
【図10】実施例に搭載される地磁気センサの動作の説
明図である。
【図11】実施例に搭載される地磁気センサの出力の説
明図である。
【図12】偏角の分布状態の説明図である。
【図13】従来の電子コンパスのブロック図である。
【符号の説明】
1 地磁気センサ部 2 磁方位算出部 3 真方位算出部 4 方位表示部 5 偏角値入力部 6 緯度/経度入力部 7 メモリ制御部 8 記憶部 9 偏角値演算部 10 測位装置部 11 傾斜センサ部 12 傾斜演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元方向での地磁気情報を検出し出力
    する地磁気センサ手段と、 水平からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段と、 前記地磁気センサ手段からの地磁気情報と、前記傾斜セ
    ンサ手段で検出された傾斜量とを用いて、方位を算出す
    る方位算出手段と、 前記方位算出手段によって算出された方位を提示する提
    示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
  2. 【請求項2】 3次元方向での地磁気情報を検出し出力
    する地磁気センサ手段と、 水平からの傾斜量を検出する傾斜センサ手段と、 偏角値を出力する偏角値出力手段と、 前記地磁気センサ手段からの地磁気情報と、前記傾斜セ
    ンサ手段で検出された傾斜量と、前記偏角値出力手段か
    らの偏角値を用いて、真方位を算出する真方位算出手段
    と、 前記真方位算出手段によって算出された真方位を提示す
    る提示手段と、 を有して構成されることを特徴とする方位出力装置。
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